JP2010189200A - セメント混和剤用ポリカルボン酸系共重合体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体由来の構成単位と不飽和カルボン酸系単量体由来の構成単位とを必須構成単位とするポリカルボン酸系共重合体であって、該不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体由来の構成単位は、下記一般式(1):
(式中、R1Oは、同一又は異なって、炭素数2〜18のオキシアルキレン基を表す。nは、オキシアルキレン基の平均付加モル数であり、100〜300の数である。R2は、炭素数1〜20の炭化水素基を表す。)で表される単量体由来のものであるセメント混和剤用ポリカルボン酸系共重合体。
【選択図】なし
Description
しかしながら、セメント組成物等に用いる場合、種々の性能に優れるとともに、低コストで汎用性のあるものとすることが求められていた。また、分散性能や減水性を向上し、製造現場においてコンクリート等の流動性の保持性を向上させ、コンクリート等の状態がより作業しやすい状態となるようにすることにより、土木・建築構造物等の構築現場における作業効率等をさらに改善したり、コンクリート等の特性を向上したりするための工夫の余地があった。
また、特定の単量体由来の構成単位を有することにより、用途に応じて好適なポリアルキレン鎖長とすることができるという有利な効果を奏することも見いだし、本発明に到達したものである。
以下に本発明を詳述する。
上記不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体由来の構成単位は、上記一般式(1)由来のものである。このように、メタリル基を有する単量体は、不飽和ポリアルキレングリコールエーテルのアルキレングリコール鎖長を従来より容易に長くすることができ、後述する種々の用途に用いることができる。
上記2種以上のオキシアルキレン基を有する場合の組み合わせとしては、(オキシエチレン基、オキシプロピレン基)、(オキシエチレン基、オキシブチレン基)、(オキシエチレン基、オキシスチレン基)が好ましい。中でも、(オキシエチレン基、オキシプロピレン基)がより好ましい。
上記2種以上のオキシアルキレン基が存在する場合は、ブロック状、ランダム状、交互状等のいずれの存在形態でもよい。
上記アルケニル基としてより好ましくは、炭素数3〜5のアルケニル基であり、更に好ましくは、炭素数3〜4のアルケニル基であり、特に好ましくは、炭素数4のアルケニル基である。アルケニル基の具体例としては、3−メチル−3−ブテニル基、4−ペンテニル基、3−ペンテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−3−ブテニル基、1,1−ジメチル−2−プロペニル基等の炭素数5のアルケニル基;メタリル基、3−ブテニル基、2−ブテニル基、1−メチル−2−ブテニル基等の炭素数4のアルケニル基:アリル基等の炭素数3のアルケニル基が好適である。これらの中でもメタリル基、アリル基が特に好ましい。
上記R2としては、上述の一種又は二種以上が好適であるが、炭素数1〜6の直鎖又は分岐アルキル基を必須とする形態が好ましい。このように、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体由来の構成単位は、上記一般式(1)において、R2が、炭素数1〜6のアルキル基である単量体を必須とする形態もまた、本発明の好ましい形態の一つである。
上記単量体(i)由来の構成単位の含有割合としては、1質量%以上であることが好ましい。含有割合が1質量%未満であると、得られるポリカルボン酸系共重合体をセメント混和剤として用いた場合に、セメントに対する分散性能が低下する傾向がある。より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上、特に好ましくは30質量%以上、最も好ましくは45質量%以上である。
上記共重合体における各成分由来の構成単位は、特に限定されないが、セメント混和剤に用いられる重合体の製造方法における通常の条件で得られる分布であればよい。具体的には、ブロック状、ランダム状、交互状等のいずれの形態で分布していてもよい。中でも、ラジカル重合により合成する際にはランダム状が好ましく、リビング重合により合成する際にはブロック状が好ましく、特にコスト面からはランダム状、性能面からはブロック状が好ましい。
このように、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体由来の構成単位と不飽和カルボン酸系単量体由来の構成単位とを必須構成単位とするポリカルボン酸系共重合体を製造する方法であって、該製造方法は、メタリル基を有するハロゲン化物と片末端を炭化水素基で置換した(ポリ)アルキレングリコールとを反応させて不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体を得る工程を含むものであるポリカルボン酸系共重合体の製造方法もまた、本発明の一つである。
なお、本発明のポリカルボン酸系共重合体においては、上述のようにオキシアルキレン基の平均付加モル数が100〜300に特定されることになるが、上記メタリル基を有するハロゲン化物と片末端を炭化水素基で置換した(ポリ)アルキレングリコールとを反応させる工程において得られる不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体のオキシアルキレン基の平均付加モル数については、特に限定されるものではない。当該製造方法におけるオキシアルキレン基の平均付加モル数としては、好ましくは1〜300であり、より好ましくは、上述した不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体由来の構成単位と同様に100〜300であり、更に段階的に好ましい範囲も上述したのと同様である。このように、上記ポリカルボン酸系共重合体の製造方法については、用途に応じて好適なポリアルキレン鎖長とすることができるものであって、特定の末端構造のポリアルキレン鎖を有する不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体を調製して当該単量体に由来する構造をもつポリカルボン酸系共重合体を製造することができるという点で有利な効果を奏するものである。また上述した不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体由来の構成単位と同様にオキシアルキレン基の平均付加モル数が特定されれば、所望の単量体(i)を一段階の反応により製造することができるという格別の効果を奏することになる。
上記工程Aとしては、メタリル基を有するハロゲン化物と片末端置換(ポリ)アルキレングリコールとを反応させて不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体を生成する工程である。上記工程Aにおける反応温度は、反応に用いる不飽和基含有ハロゲン化物(以下、メタリル基を有するハロゲン化物を不飽和基含有ハロゲン化物ともいう。)及び片末端置換(ポリ)アルキレングリコールによって若干異なり、特にこれを限定するものではないが、40℃〜150℃が好ましい。より好ましくは50℃〜120℃であり、さらに好ましくは55℃〜100℃である。反応時の圧力は、減圧下、常圧、加圧下のいずれでも構わないが、常圧での反応で充分である。
上記工程Aにおいて、反応には触媒としてアルカリ化合物を用いることが好ましい。用いるアルカリ化合物の量は、片末端置換(ポリ)アルキレングリコールに対して0.5当量〜5.0当量が好ましく、より好ましくは0.5当量〜3.0当量であり、さらに好ましくは0.9当量〜2.0当量であり、特に好ましくは、1.0当量〜1.5当量である。また、反応に用いる片末端置換(ポリ)アルキレングリコールの量は、比較的沸点の低いオキシアルキレン基の付加モル数が少ない片末端置換(ポリ)アルキレングリコール、特にオキシアルキレン基のくり返し(付加モル数)が1〜50、より好ましくは1〜25、さらに好ましくは1〜10、特に好ましくは1〜5、最も好ましくは1〜3である場合、不飽和基含有ハロゲン化物に対して1.2当量〜10当量が好ましく、より好ましくは1.5当量〜7当量であり、さらに好ましくは1.5当量〜5当量である。片末端置換(ポリ)アルキレングリコールの量が多過ぎると生産性を低下させることとなる。反応器への原料の供給方法としては、初期に一括して仕込んでもよく、逐次投入してもよい。片末端置換アルキレングリコールとアルカリ化合物をまず反応させて中間体を生成させ、その後不飽和基含有ハロゲン化物をフィードし、反応させる方法はその一例である。
また、反応に用いる片末端置換(ポリ)アルキレングリコールのアルキレングリコール付加モル数が比較的多い場合、特に平均付加モル数が5モルを超える場合、片末端置換(ポリ)アルキレングリコールの沸点が非常に高くなり、蒸留等で除去することが困難となる。したがって、沸点の低い不飽和基含有ハロゲン化物(メタリルハライド等のメタリル基を有するハロゲン化物、以下、メタリルハライドともいう。)を過剰に用いて、反応後に過剰のメタリルハライドを留去することが好ましい。反応に用いるメタリルハライドは片末端置換(ポリ)アルキレングリコールに対して、1.1〜20当量であり、さらに好ましくは1.2〜15当量であり、さらに好ましくは1.5〜10当量であり、特に好ましくは2〜5当量である。
工程Aについて、ハロゲン捕捉剤としてアルカリ化合物を用いることが必要であり、例示として当該反応ではハロゲン捕捉剤として塩基を必要とし、例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウムのようなアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウムのようなアルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩が挙げられる。
上記不飽和結合を有するハロゲン化物の具体例としては、メタリルクロライド、メタリルブロマイド、メタリルヨーダイド等のメタリルハライドである。
HO−(R1O)n−R2 (2)
で表すことができる。式中、R1Oは炭素数2〜18のオキシアルキレン基を表し、nが2以上の場合はR1Oはそれぞれ同一もしくは異なってもよく、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数であり1〜300である。R2は炭素数1〜20の炭化水素基である。
片末端置換ポリアルキレングリコールの具体例は、炭素数1から20の炭化水素基を末端に有するポリアルキレングリコールである。末端基R2の好ましい例としては、炭素数1〜20の直鎖または分岐アルキル基、炭素数1〜20のアルケニル基またはアルキニル基、炭素数6〜20のフェニル基またはアルキル置換フェニル基である。その中でも特に、セメント分散性能、早期強度発現性能の面からは炭素数1〜20の直鎖または分岐アルキル基が好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基が特に好ましい。
ポリアルキレングリコール部分R1Oとしては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基が好ましい。これらの中でもセメント分散性能、セメント組成物の粘度低減効果の面からはオキシエチレン基、オキシプロピレン基が好ましい。2種以上のオキシアルキレン基が存在する場合は、オキシエチレン基が80モル%以上であることが好ましい。上記2種以上のオキシアルキレン基の組み合わせとしては、(オキシエチレン基/オキシプロピレン基)、(オキシエチレン基/オキシブチレン基)、(オキシエチレン基/オキシプロピレン基)が好ましい。なお、2種以上のオキシアルキレン基が組み合わされる場合、それらは、ランダム重合であってもブロック重合であってもその他の形態であってもよい。
このように、メタリル基を有するハロゲン化物と片末端置換(ポリ)アルキレングリコールとを反応させて不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体を生成する工程を含む製造方法もまた、本発明の好ましい形態の一つである。
上記メタリルアルコールの片末端置換(ポリ)アルキレンオキシド付加物としては、メタリルオキシアルコキシ(ポリ)アルキレングリコール、好ましくは、メタリルオキシメトキシ(ポリ)アルキレングリコール、メタリルオキシメトキシ(ポリ)エチレングリコール等のアルキレンオキシド付加物が好ましい。
上記化学反応式は以下のとおりである。
上記工程Aにより得られた不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体は、ポリカルボン酸系共重合体の製造に好適に用いることができるものである。
上記不飽和(ポリ)アルキレングリコールエーテル系単量体、すなわち、末端が炭化水素基で封鎖されたポリアルキレングリコールメタリルエーテルを単量体(i)として製造する方法の好ましい例を示すと次のようになる。
1)一般式(2)で示されるHO−(R1O)n−R2とメタリルクロライド等のメタリルハライド(メタリル基を有するハロゲン化物)とを反応させて、単量体(i)を得る方法、2)メタリルアルコールあるいはメタリルアルコールアルキレンオキシド付加物にアルキレンオキシドを付加したメタリルアルコールアルキレンオキシド付加物のアルキレンオキシド末端水酸基にメチルクロライド、メチルブロマイド、エチルクロライド等のアルキルハライド(炭素数1〜20の炭化水素基を有するハロゲン化物)を反応させて単量体(i)を得る方法等を挙げることができる。
これらの場合において、単量体(i)を製造するのであれば、オキシアルキレン基の平均付加モル数nが100〜300となるようにすることとなる。
上記不飽和(ポリ)アルキレングリコールエーテル系単量体としては、上記工程Aを含む製造方法で得られるものであることが好ましく、1種又は2種以上を用いてもよい。2種以上用いる場合としては、
オキシアルキレン基の平均付加モル数nが1〜300の範囲において異なる2種以上の組み合わせであってもよい。このとき、オキシアルキレン基の平均付加モル数nの差は10以上であるのが好ましく、20以上であるのがより好ましい。例えば、平均付加モル数nが50〜300であるものと、平均付加モル数nが1〜50であるものとの組み合わせ等が好適である。この場合、nの差としては、10以上が好ましく、より好ましくは20以上である。また、これらの割合としては、平均付加モル数nが1〜50であるものよりも平均付加モル数nが50〜300であるものの割合(重量比)の方が多いことが好ましい。異なる3種以上の単量体(i)を用いる場合も、平均付加モル数nの差は、10以上であるのが好ましく、20以上であるのがより好ましい。
共重合の際の重合時間は、特に限定されないが、例えば、0.5〜10時間の範囲が適当であり、好ましくは0.5〜8時間、更に好ましくは1〜6時間の範囲がよい。重合時間が、この範囲より、長すぎたり短すぎたりすると、重合率の低下や生産性の低下をもたらし好ましくない。
共重合の際の全単量体成分の使用量は、他の原料及び重合溶媒を含む全原料に対して10〜99質量%の範囲が適当であるが、20〜98質量%の範囲が好ましく、25〜95質量%の範囲がより好ましく、30〜90質量%の範囲がさらに好ましく、30〜80質量%の範囲がとりわけ好ましく、40〜70質量%の範囲が最も好ましい。特に、全単量体成分の使用量がこの範囲より低すぎると、重合率の低下や生産性の低下をもたらし好ましくない。
なお、溶媒の溶存酸素濃度の調整は、重合反応槽で行なってもよく、あらかじめ溶存酸素量を調整した溶媒を用いてもよい。溶媒中の酸素を追い出す方法としては、例えば、下記の(1)〜(5)の方法が挙げられる。
(2)溶媒を入れた容器内の気相部分を窒素等の不活性ガスで置換したまま、液相部分を長時間激しく攪拌する。
(3)容器内に入れた溶媒に、窒素等の不活性ガスを長時間バブリングする。
(4)溶媒を一旦沸騰させた後、窒素等の不活性ガス雰囲気下で冷却する。
(5)配管の途中に静止型混合機(スタティックミキサー)を設置し、溶媒を重合反応槽に移送する配管内で窒素等の不活性ガスを混合する。
なお、重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミーエーションクロマトグラフィー(以下「GPC」という)によるポリエチレングリコール換算の重量平均分子量であり、後述するGPC測定条件により測定することが好ましい。
上記ポリカルボン酸系共重合体の分子量分布としては、セメント混和剤に用いられる重合体の製造方法における通常の条件で得られる重合体の分布であればよい。すなわち、セメント混和剤に用いられる重合体における通常の分子量分布の範囲であればよい。
なお、上記ポリカルボン酸系共重合体におけるカルボキシル基を全て未中和型に換算したときのカルボキシル基ミリ当量数は、以下のようにして計算することができる。例えば、不飽和カルボン酸としてアクリル酸を用い、不飽和(ポリ)アルキレングリコールエーテル系単量体(単量体(i))/不飽和カルボン酸(単量体(ii))=90/10(質量%)の組成比で共重合した場合、アクリル酸の分子量は72であるので、共重合体1g当たりのカルボキシル基ミリ当量数は、(0.1/72)×1000=1.39(meq/g)となる(計算例1)。また、例えば、単量体(ii)としてアクリル酸ナトリウムを用い、単量体(i)/単量体(ii)=90/10(質量%)の組成比で共重合した場合、アクリル酸ナトリウムの分子量は94であり、アクリル酸の分子量は72であるので、共重合体1g当たりのカルボキシル基ミリ当量数は、(0.1/94)/(0.9+0.1×72/94)×1000=1.09(meq/g)となる(計算例2)。なお、重合時にはアクリル酸を用い、重合後に アクリル酸に由来するカルボキシル基を水酸化ナトリウムで中和した場合にも、計算例2と同様に計算できる。また、例えば、単量体(ii)としてメタクリル酸ナトリウム及びアクリル酸ナトリウムを用い、単量体(i)/メタクリル酸ナトリウム/アクリル酸ナトリウム=90/5/5(質量%)の組成比で共重合した場合、メタクリル酸の分子量は86、メタクリル酸ナトリウムの分子量は108、アクリル酸の分子量は72、アクリル酸ナトリウムの分子量は94であるので、共重合体1g当たりのカルボキシル基ミリ当量数は、(0.05/108+0.05/94)/(0.9+0.05×86/108+0.05×72/94)×1000=1.02(meq/g)となる(計算例3)。
本発明のポリカルボン酸系共重合体は、上述の構成のものが好適であり、該重合体の分子量、分子量分布、重合体の構成単位、その割合、構成単位の分布は、上述のとおりであることが好ましいが、これらは、通常セメント混和剤として用いる条件で重合して得られるものであればよい。
本発明のポリカルボン酸系共重合体の製造方法としては、方法1)工程1として、メタリル基を有するハロゲン化物と、片末端置換(ポリ)アルキレングリコール(片末端を炭化水素基で置換した(ポリ)アルキレングリコール)とを反応させて、片末端置換(ポリ)アルキレングリコールメタリルエーテル(不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体)を得る工程、工程2として、工程1で得られた不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体(片末端置換(ポリ)アルキレングリコールメタリルエーテル単量体)と不飽和カルボン酸とを重合して共重合体を得る工程を有する製造方法が挙げられる。
また、方法2)工程1として、メタリルアルコールあるいはメタリルアルコールアルキレンオキシド付加物にアルキレンオキシドを付加したメタリルアルコールアルキレンオキシド付加物とアルキルハライド(炭素数1〜20の炭化水素基を有するハロゲン化物)を反応させて片末端置換(ポリ)アルキレングリコールメタリルエーテル(不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体)を得る工程、工程2として、工程1で得られた片末端置換ポリアルキレングリコールメタリルエーテルと不飽和カルボン酸を重合して共重合体を得る工程を有する製造方法が挙げられる。
片末端置換(ポリ)アルキレングリコールの構造はHO−(R1O)n−R2で表すことができ、式中R1Oは炭素数2〜18のオキシアルキレン基を表し、nが2以上の場合はR1Oはそれぞれ同一もしくは異なってもよく、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数であり100〜300である。上記nとしては、100以上300以下の範囲がセメント組成物の早期強度を向上させる観点から好ましい。片末端置換(ポリ)アルキレングリコールの具体例は炭素数1〜20の炭化水素基を末端に有する(ポリ)アルキレングリコールである。末端基R2の好ましい例としては、炭素数1〜20の直鎖または分岐アルキル基、炭素数1〜20のアルケニル基またはアルキニル基、炭素数6〜20のフェニル基またはアルキル置換フェニル基である。その中でも特に、セメント分散性能、早期強度発現性能の面から炭素数1〜20の直鎖または分岐アルキル基が好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基がより好ましい。ポリアルキレングリコール部分R1Oとしては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基が好ましい。これらの中でもセメント分散性能、セメント組成物の粘度低減効果の面からはオキシエチレン基、オキシプロピレン基が好ましい。2種以上のオキシアルキレン基が存在する場合は、オキシエチレン基が80モル%以上であることが好ましい。上記2種以上のオキシアルキレン基の組み合わせとしては、(オキシエチレン基/オキシプロピレン基)、(オキシエチレン基/オキシブチレン基)、(オキシエチレン基/オキシプロピレン基)が好ましい。
反応形態は(1)片末端置換(ポリ)アルキレングリコールにアルカリを反応させて、片末端置換(ポリ)アルキレングリコールの末端水酸基をアルコキシド化する工程、(2)アルコキシド化した片末端置換(ポリ)アルキレングリコールにメタリルハライドをSN2置換反応させる工程、(3)残存片末端置換(ポリ)アルキレングリコールを除去する工程、(4)残存メタリルハライドを除去する工程、(5)反応に使用した溶媒を除去する工程、(6)SN2置換反応により副生した塩を除去する工程からなる。但し、工程(3)〜(6)は必要に応じて行えばよい。
上記工程(4)は反応後の残存メタリルハライドを除去する工程であり、必要に応じて行えばよい。減圧、常圧蒸留にて容易に除去することができる。
上記工程(5)は反応に使用した溶媒を除去する工程であり、必要に応じて行えばよい。アルコキシド化に脱水溶媒を用いた場合、工程(1)の後に脱水溶媒を留去してもよい。また、蒸留で溶媒を留去する場合、工程(4)のメタリルハライドを除去する蒸留工程と同時に行っても良い。
上記工程(6)は副生した塩を除去する工程であり、必要に応じて行えばよい。
上記工程(4)は反応後の残存アルキルハライドを除去する工程であり、必要に応じて行えばよい。上記残存アルキルハライドは、減圧、常圧蒸留にて容易に除去することができる。
上記工程(5)は反応に使用した溶媒を除去する工程であり、必要に応じて行えばよい。アルコキシド化に脱水溶媒を用いた場合、工程(1)の後に脱水溶媒を留去してもよい。また、蒸留で溶媒を留去する場合、工程(4)のアルキルハライドを除去する蒸留工程と同時に行っても良い。
上記工程(6)は副生した塩を除去する工程であり、必要に応じて行えばよい。
上記セメント混和剤は、上記ポリカルボン酸系共重合体を必須とするものである。上記セメント混和剤における上記ポリカルボン酸系共重合体の含有量は、特に制限されないが、セメント混和剤中の固形分、すなわち不揮発分の20質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましい。
本発明において、セメント混和剤の固形分測定方法としては、以下の方法が好適である。
(固形分測定方法)
1.アルミ皿を精秤する。
2.1で精秤したアルミ皿に固形分測定物を精秤する。
3.窒素雰囲気下130℃に調温した乾燥機に2で精秤した固形分測定物を1時間入れる。
4.1時間後、乾燥機から取り出し、室温のデシケーター内で15分間放冷する。
5.15分後、デシケーターから取り出し、アルミ皿+測定物を精秤する。
6.5で得られた質量から1で得られたアルミ皿の質量を差し引き、2で得られた固定分の質量を除することで固形分を測定する。
上記セメント混和剤は、2種以上の共重合体が組み合わせされたものであってもよい。例えば、単量体(i)由来の構成単位(I)と単量体(ii)由来の構成単位(II)との比率が異なる2種以上の共重合体の組み合わせや、上記単量体(i)により導入された構成単位(I)のオキシアルキレン基の平均付加モル数が異なる2種以上の共重合体の組み合わせ等が可能である。
さらに、上記セメント組成物は、以下の(1)〜(20)に例示するような他の公知のセメント添加剤(材)を含有することができる。
(3)遅延剤:グルコン酸、グルコヘプトン酸、アラボン酸、リンゴ酸又はクエン酸、及び、これらの、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、トリエタノールアミン等の無機塩又は有機塩等のオキシカルボン酸;グルコース、フラクトース、ガラクトース、サッカロース、キシロース、アピオース、リボース、異性化糖などの単糖類や、二糖、三糖等のオリゴ糖、又はデキストリン等のオリゴ糖、又はデキストラン等の多糖類、これらを含む糖蜜類等の糖類;ソルビトール等の糖アルコール;珪弗化マグネシウム;リン酸並びにその塩又はホウ酸エステル類;アミノカルボン酸とその塩;アルカリ可溶タンパク質;フミン酸;タンニン酸;フェノール;グリセリン等の多価アルコール;アミノトリ( メチレンホスホン酸) 、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ( メチレンホスホン酸) 、ジエチレントリアミンペンタ( メチレンホスホン酸) 及びこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等のホスホン酸及びその誘導体等。
(5)鉱油系消泡剤:燈油、流動パラフィン等。
(6)油脂系消泡剤:動植物油、ごま油、ひまし油、これらのアルキレンオキシド付加物等。
(8)脂肪酸エステル系消泡剤:グリセリンモノリシノレート、アルケニルコハク酸誘導体、ソルビトールモノラウレート、ソルビトールトリオレエート、天然ワックス等。
(11)アミド系消泡剤:アクリレートポリアミン等。
(12)リン酸エステル系消泡剤:リン酸トリブチル、ナトリウムオクチルホスフェート等。
(13)金属石鹸系消泡剤:アルミニウムステアレート、カルシウムオレエート等。
(14)シリコーン系消泡剤:ジメチルシリコーン油、シリコーンペースト、シリコーンエマルジョン、有機変性ポリシロキサン(ジメチルポリシロキサン等のポリオルガノシロキサン)、フルオロシリコーン油等。
(18)防錆剤:亜硝酸塩、リン酸塩、酸化亜鉛等。
(19)ひび割れ低減剤:ポリオキシアルキルエーテル等。
(20)膨張材;エトリンガイト系、石炭系等。
温度計、攪拌機、バブリング用窒素導入管、水分離器、還流冷却装置を備えたガラス製反応装置内にメトキシポリエチレングリコール(平均EO付加モル数120)200g(0.038mol)、30%水酸化ナトリウム水溶液7.5g(0.056mol)、シクロヘキサン60gを仕込み、攪拌下に液中に窒素バブリングを行いながら90℃まで加熱した。反応容器内を90℃に維持して24時間加熱を続け、水分離器に水5.9gを分離した。反応容器内の温度を80℃まで下げ、水分離器を装置から外し、窒素バブリングを停止してメタリルクロライド17.0g(0.188mol)を反応容器内に投入し、80℃で24時間反応させた。その後、反応容器内を100℃まで加熱し、窒素バブリングを再開して反応系内のシクロヘキサン及び過剰のメタリルクロライドを除去して、末端メチル基置換ポリエチレングリコールメタリルエーテル(平均EO付加モル数120)を得た。
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたガラス製反応装置内に、イオン交換水102g、メタリルアルコールに平均120モルのエチレンオキシドを付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテル198g、アクリル酸0.14gを仕込み、攪拌下に反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で58℃まで加熱した。反応容器内を58℃に保った状態で、2%過酸化水素水溶液16.98gを添加した。反応容器内を58℃に保った状態で、アクリル酸11.58gとイオン交換水16.32gからなるアクリル酸水溶液を3時間かけて滴下し、それと同時に、イオン交換水36.47gにL−アスコルビン酸0.88g及び3−メルカプトプロピオン酸0.49gを溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、2時間引き続いて58℃に濃度を維持した後、重合反応を終了した。その後、酸性の反応溶液を重合反応温度以下の温度で水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH6に中和し、重量平均分子量42000の重合体水溶破からなる比較セメント分散剤1を得た。
これは、ポリアルキレン鎖の末端構造が−OH(水酸基)であり、オキシアルキレン基の平均付加モル数が120モルのポリカルボン酸系共重合体によって構成されるものであり、本発明のポリカルボン酸系共重合体に対する比較例であるとともに本発明の製造方法に対する比較例でもある(比較例1)。
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたガラス製反応装置内に、イオン交換水102g、製造例1で得た末端メチル基置換ポリエチレングリコールメタリルエーテル198.0g、アクリル酸0.14gを仕込み、攪拌下に反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で58℃まで加熱した。反応容器内を58℃に保った状態で、2%過酸化水素水溶漆16.94gを添加した。反応容器内を58℃に保った状態で、アクリル酸11.55gとイオン交挽水16.32gからなるアクリル酸水溶液を3時間かけて滴下し、それと同時に、イオン交換水36.47gにL−アスコルビン酸0.88g及び3−メルカプトプロピオン酸0.49gを溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、2時間引き続いて58℃に温度を維持した後、重合反応を終了した。その後、酸性の反応溶液を重合反応温度以下の温度で水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH6に中和し、重量平均分子量43000の重合体水溶液からなる本発明のセメント分散剤1を得た。
これは、ポリアルキレン鎖の末端構造が炭化水素基であり、オキシアルキレン基の平均付加モル数が120モルのポリカルボン酸系共重合体によって構成されるものであり、本発明のポリカルボン酸系共重合体及び本発明の製造方法に係る実施例である(実施例1)。
温度計、攪拌機、バブリング用窒素導入管、水分離器、還流冷却装置を備えたガラス製反応装置内にメトキシポリエチレングリコール(平均EO付加モル数25)200g(0.177mol)、30%水酸化ナトリウム水溶液35.3g(0.265mol)、シクロヘキサン60gを仕込み、攪拌下に液中に窒素バブリングを行いながら80℃まで加熱した。反応容器内を80℃に維持して24時間加熱を続け、水分離器に水28.0gを分離した。その後、反応容器内の温度を70℃まで下げ、水分離器を装置から外し、窒素バブリングを停止してメタリルクロライド79.9g(0.882mol)を反応容器内に投入し、70℃で24時間反応させた。その後、反応容器内を100℃まで加熱し、窒素バブリングを再開して反応系内のシクロヘキサン及び過剰のメタリルクロライドを除去して、メタリルオキシメトキシポリエチレングリコール(平均EO付加モル数25)を得た。
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたガラス製反応装置内に、イオン交換水102g、製造例3で合成したメタリルオキシメトキシポリエチレングリコール198g、アクリル酸0.14gを仕込み、攪拌下に反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で58℃まで加熱した。反応容器内を58℃に保った状態で、2%過酸化水素水溶液76.63gを添加した。反応容器内を58℃に保った状態で、アクリル酸52.75gとイオン交換水16.32gからなるアクリル酸水溶液を3時間かけて滴下し、それと同時に、イオン交換水36.47gにL−アスコルビン酸3.97g及び3−メルカプトプロピオン酸2.96gを溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、2時間引き続いて58℃に温度を維持した後、重合反応を終了した。その後、酸性の反応溶液を重合反応温度以下の温度で水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH6に中和し、重量平均分子量31000の重合体水溶液からなる参考セメント分散剤1を得た。
これは、ポリアルキレン鎖の末端構造が炭化水素基であり、オキシアルキレン基の平均付加モル数が25モルのポリカルボン酸系共重合体によって構成されるものであり、本発明の製造方法に係る実施例である(実施例2)。
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたガラス製反応装置内に、イオン交換水102g、メタリルアルコールに平均25モルのエチレンオキシドを付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテル198g、アクリル酸0.14gを仕込み、攪拌下に反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で58℃まで加熱した。反応容器内を58℃に保った状態で、2%過酸化水素水溶液77.54gを添加した。反応容器内を58℃に保った状態で、アクリル酸53.38gとイオン交換水16.32gからなるアクリル酸水溶液を3時間かけて滴下し、それと同時に、イオン交換水36.47gにL−アスコルビン酸4.02g及び3−メルカプトプロピオン酸2.96gを溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、2時間引き続いて58℃に温度を維持した後、重合反応を終了した。その後、酸性の反応溶液を重合反応温度以下の温度で水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH6に中和し、重量平均分子量33000の重合体水溶液からなる比較セメント分散剤2を得た。
これは、ポリアルキレン鎖の末端構造が−OH(水酸基)であり、オキシアルキレン基の平均付加モル数が25モルのポリカルボン酸系共重合体によって構成されるものであり、本発明のポリカルボン酸系共重合体に対する比較例であるとともに本発明の製造方法に対する比較例でもある(比較例2)。
以上のようにして得られた本発明のセメント分散剤1、比較セメント分散剤1及び2、参考セメント分散剤1を用いて調製されたセメント混和剤を用いてコンクリート組成物を調製し、下記の方法でスランプフロー値、空気量、圧縮強度を測定した。なお、コンクリート組成物の温度が20℃の試験温度になるように、試験に使用する材料、ミキサー、測定器具類を試験温度雰囲気下で調温し、混練および各測定もこの試験雰囲気下で行った。結果を表1に示す。
<コンクリート試験配合>
コンクリート試験に用いるコンクリート組成物の配合は、以下のとおりである。
単位セメント量:573.3kg/m3
単位水量:172.0kg/m3(ポリマー、消泡剤等の混和剤を含む)
単位細骨材量:737.2kg/m3
単位粗骨軒量:866.0kg/m3
水/セメント比:30%
セメント:太平洋セメント社普通ポルトランドセメント
細骨材:君津産山砂と掛川産陸砂を3/7で混合したもの
粗骨材:青梅産砕石
<コンクリート組成物の調製>
上記コンクリート原料、配合により、練り混ぜ量が30Lとなるようにそれぞれの材料を計量し、パン型強制練りミキサーを使用して下記に記載の方法によって材料の混練を実施した。
まず、細骨材を10秒間混練した後、セメントを加えて10秒間さらに混練した。その後、セメント混和剤を含む所定量の水道水を加えて30−90秒間混練した。その後、さらに粗骨材を加えて90秒間混練して、コンクリート組成物を得た。また、評価試験においては、セメント混和剤を含む水道水を加えた後の混練開始時間をゼロ分とした。
<セメント混和剤の調製>
使用したセメント混和剤はセメント分散剤と消泡剤を用いて調製した。セメント分散剤は本発明のセメント分散剤1、比較セメント分散剤1及び2、参考セメント分散剤1を用いた。消泡剤には市販のオキシアルキレン系消泡剤を用い、空気量が1.5±0.5vol.(容量)%となるように調製した。得られたセメント混和剤を、それぞれ、本発明のセメント混和剤1、比較セメント混和剤1及び2、参考セメント混和剤1とした。
<評価試験項目と測定方法>
スランプフロー値:JIS−A1101
圧縮強度:JIS−A1008(供試体作成:JIS−A1132)
空気量:JIS−A1128
評価試験の結果を表1に示す。
上記実施例及び比較例によって、上記性能が、オキシアルキレン基の平均付加モル数が大きな場合に不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体構成単位における末端構造に関連していることが立証されている。すなわち、上記実施例においては、エチレンオキシドの平均付加モル数が120であるセメント分散剤において、ポリエチレングリコール鎖の末端がメチル基となっていて、これによって、所定のスランプフロー値を得るための添加量を少なくすることができ、24時間における圧縮強度を高めることができることが示されている。なお、オキシアルキレン基の平均付加モル数が大きくなれば、セメント分散剤の使用量が少なくなるとともに圧縮強度が高くなり、それに加えて末端構造が炭化水素基であれば、更にこれらの性能が向上することが示されている。
したがって、オキシアルキレン基の平均付加モル数が大きな場合に、末端構造を水酸基の形態にするのではなく、炭化水素基が結合した形態とすれば、オキシアルキレン基の平均付加モル数が大きいことと相まって、セメントの分散性能を高め、コンクリート組成物等のセメント組成物の早期強度とセメント組成物の状態、特にセメント組成物の分離抵抗性を損なうことなく、セメント組成物の粘性を低減できる等の利点を発揮することが示されているといえる。オキシアルキレン基の平均付加モル数が100以上と大きな場合であれば、これによって発揮されるセメント組成物に対する作用効果は同様であり、また、末端構造を炭化水素基が結合した形態とすれば、これによって発揮される作用機構も同様であることから、本明細書において開示した種々の形態において本発明の有利な作用効果を発揮することができるといえる。更に、上記実施例において開示された製造方法によれば、用途に応じて好適なポリアルキレン鎖長とすることができ、特にオキシアルキレン基の平均付加モル数を大きくすることができ、特定の末端構造のポリアルキレン鎖を有する不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体を調製して当該単量体に由来する構造をもつポリカルボン酸系共重合体を製造することができるという有利な効果を奏することになる。
Claims (4)
- 前記不飽和カルボン酸系単量体由来の構成単位は、(メタ)アクリル酸(塩)に由来する構造を必須とすることを特徴とする請求項1に記載のセメント混和剤用ポリカルボン酸系共重合体。
- 不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体由来の構成単位と不飽和カルボン酸系単量体由来の構成単位とを必須構成単位とするポリカルボン酸系共重合体を製造する方法であって、
該製造方法は、メタリル基を有するハロゲン化物と片末端を炭化水素基で置換した(ポリ)アルキレングリコールとを反応させて不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体を得る工程を含むものであることを特徴とするポリカルボン酸系共重合体の製造方法。 - 請求項1又は2記載のポリカルボン酸系共重合体を含んでなることを特徴とするセメント混和剤。
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