JP2018024573A - ポリカルボン酸系共重合体と消泡剤とを含む無機粒子用添加剤、セメント用添加剤、およびセメント組成物 - Google Patents
ポリカルボン酸系共重合体と消泡剤とを含む無機粒子用添加剤、セメント用添加剤、およびセメント組成物 Download PDFInfo
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Abstract
Description
1.重合反応を開始するとモノマーが一定濃度以下になるまで重合が進行する。
2.重合率に比例して数平均分子量が増加する。
3.ポリマー分子(活性種)の数は一定で、重合率には関係しない。
4.分子量は、化学量論的に制御される。
5.通常の重合反応よりも狭い分子量分布のポリマーが得られる。
6.引き続いてモノマーを添加することで、再び重合反応を進めることができ、ブロックコポリマーを得ることもできる。
7.定量的な収率で、ポリマー鎖末端を変性することができる。
本発明の実施形態による無機粒子用添加剤は、ポリカルボン酸系共重合体と消泡剤とを含む。
本発明の実施形態に用いられるポリカルボン酸系共重合体は、一般式(1)で表される不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(a)由来の構造単位(I)と一般式(2)で表される不飽和カルボン酸系単量体(b)由来の構造単位(II)とを有するポリカルボン酸系共重合体である。
ポリカルボン酸系共重合体を得るための重合工程(共重合工程)は、溶液重合や塊状重合などの通常の方法で行うことができる。溶液重合は回分式でも連続式でも行うことができる。その際には任意の適切な溶媒を採用し得るが、例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール;ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン等の芳香族又は脂肪族炭化水素;酢酸エチル等のエステル化合物;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル化合物等が挙げられる。中でも、原料モノマー及び得られる重合体の溶解性の観点から、水および炭素数1〜4の低級アルコールからなる群より選択される少なくとも1種を用いることが好ましく、その中でも、水が脱溶剤工程を省略できる点でより好ましい。
RAFT重合の際の全単量体成分の使用量は、他の原料を含む全原料に対して、好ましくは15質量%以上であり、より好ましくは20質量%〜90質量%であり、さらに好ましくは25質量%〜80質量%であり、特に好ましくは30質量%〜60質量%であり、最も好ましくは35質量%〜40質量%である。RAFT重合の際の全単量体成分の使用量が上記範囲内にあれば、重合率が向上し得るとともに、生産性が向上しやすく、2分子停止反応などの副反応が起こりにくい。
RAFT重合において、全単量体のモル数に対するRAFT剤の添加モル数の比率としては、好ましくは1000分の1〜5分の1であり、より好ましくは500分の1〜10分の1であり、さらに好ましくは250分の1〜15分の1であり、特に好ましくは130分の1〜20分の1であり、最も好ましくは120分の1〜40分の1である。全単量体のモル数に対するRAFT剤の添加モル数の比率が上記範囲内にあれば、セメント組成物とした場合に所望の流動性を達成するための使用量をより低減でき、セメント組成物とする際に粘性をより低減できる、ポリカルボン酸系共重合体を提供することができる。さらに、優れた圧縮強度を有し、かつ、消泡剤の種類によらず所定の圧縮強度を有するセメント組成物を実現し得るポリカルボン酸系共重合体を得ることができる。
RAFT重合の重合開始剤としては、任意の適切な重合開始剤を採用し得る。このような重合開始剤としては、例えば、アゾ系開始剤や過酸化物などが挙げられる。アゾ系開始剤としては、具体的には、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩(和光純薬工業株式会社製の商品名「VA−044」など)、2,2’−アゾビス[2−(イミダゾリン−2−イル)プロパン]二硫酸塩二水和物(和光純薬工業株式会社製の商品名「VA−046B」など)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン](和光純薬工業株式会社製の商品名「VA−061」など)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(和光純薬工業株式会社製の商品名「V−50」など)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]n水和物(和光純薬工業株式会社製の商品名「VA−057」など)、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド](和光純薬工業株式会社製の商品名「VA−086」など)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)(和光純薬工業株式会社製の商品名「V−501」など)、2,2’−アゾビス(4‐メトキシ−2,4‐ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業株式会社製の商品名「V−70」など)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業株式会社製の商品名「V−65」など)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2’−アゾビス(2‐メチルブチロニトリル)(和光純薬工業株式会社製の商品名「V−59」など)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)(和光純薬工業株式会社製の商品名「V−40」など)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド](和光純薬工業株式会社製の商品名「VF−096」など)、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)(和光純薬工業株式会社製の商品名「VAm−110」など)、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル(和光純薬工業株式会社製の商品名「V−601」など)などが挙げられる。過酸化物としては、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、ターシャリーブチルヒドロペルオキシド(日本油脂株式会社製の商品名「パーブチルH−69」など)、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロペルオキシド(日本油脂株式会社製の商品名「パーオクタH」など)などが挙げられる。
RAFT重合においては、少量の重合開始剤で重合反応を開始する。重合開始剤の量が少量過ぎると、初期ラジカル濃度が低いために重合反応がうまく進まず、逆に多量過ぎると、初期ラジカル濃度が高くなりフリーラジカル重合が同時に進行し分散度の狭い共重合体が得られなくなる。過酸化水素のように重合開始剤1分子の開裂から1つのラジカルしか発生しない重合開始剤では、RAFT剤のモル数に対する重合開始剤のモル数の比率としては、好ましくは20モル%〜80モル%であり、より好ましくは30モル%〜70モル%であり、さらに好ましくは35モル%〜65モル%であり、特に好ましくは40モル%〜60モル%であり、最も好ましくは45モル%〜55モル%である。和光純薬工業株式会社製の商品名「V−50」のようなアゾ系開始剤を用いた場合は、重合開始剤1分子の開裂から2つのラジカルが発生するため、RAFT剤のモル数に対する重合開始剤のモル数の比率としては、好ましくは10モル%〜40モル%であり、より好ましくは15モル%〜35モル%であり、さらに好ましくは17モル%〜32モル%であり、特に好ましくは20モル%〜30モル%であり、最も好ましくは22モル%〜28モル%である。
RAFT重合において、重合温度は、用いられる重合方法、溶媒、重合開始剤、連鎖移動剤等により適宜定められるが、下限として、好ましくは0℃以上であり、より好ましくは30℃以上であり、さらに好ましくは50℃以上であり、上限として、好ましくは150℃以下であり、より好ましくは120℃以下であり、さらに好ましくは100℃以下である。
各単量体の反応容器への投入方法としては、全量を反応容器に初期に一括投入する方法、全量を反応容器に分割若しくは連続投入する方法、一部を反応容器に初期に投入し、残りを反応容器に分割若しくは連続投入する方法のいずれでもよい。好適な投入方法としては、具体的には、単量体(a)と単量体(b)の全部とを反応容器に連続投入する方法、単量体(a)の一部を反応容器に初期に投入し、単量体(a)の残りと単量体(b)の全部とを反応容器に連続投入する方法、単量体(a)の一部と単量体(b)の一部とを反応容器に初期に投入し、単量体(a)の残りと単量体(b)の残りとをそれぞれ反応容器に交互に数回に分けて分割投入する方法などが挙げられる。また、反応途中で各単量体の反応容器への投入速度を連続的又は段階的に変えることにより各単量体の単位時間当りの投入質量比を連続的又は段階的に変化させて、ポリカルボン酸系共重合体中の構造単位(I)と構造単位(II)との比率が同一ポリマー鎖の中で連続的または段階的に変化するように重合してもよい。なお、重合開始剤や連鎖移動剤は反応容器に初めから仕込んでもよく、反応容器へ滴下してもよく、また目的に応じてこれらを組み合わせてもよい。
RAFT重合において、所定の分子量のポリカルボン酸系共重合体を再現性よく得るには、共重合反応を安定に進行させることが必要であることから、溶液重合を行う場合には、使用する溶媒の25℃における溶存酸素濃度を5ppm以下とすることが好ましい。この溶存酸素濃度は、より好ましくは0.01ppm〜4ppmであり、さらに好ましくは0.01ppm〜2ppmであり、特に好ましくは0.01ppm〜1ppmである。なお、溶媒に単量体を添加後、窒素置換等を行う場合には、単量体をも含んだ系の溶存酸素濃度を上記範囲内とすることが好ましい。上記溶媒の溶存酸素濃度の調整は、重合反応槽で行ってもよく、予め溶存酸素量を調整したものを用いてもよい。溶媒中の酸素を追い出す方法としては、例えば、下記の(1)〜(5)の方法が挙げられる。
(1)溶媒を入れた密閉容器内に窒素等の不活性ガスを加圧充填後、密閉容器内の圧力を下げることで溶媒中の酸素の分圧を低くする。窒素気流下で、密閉容器内の圧力を下げてもよい。
(2)溶媒を入れた容器内の気相部分を窒素等の不活性ガスで置換したまま液相部分を長時間激しく攪拌する。
(3)容器内に入れた溶媒に窒素等の不活性ガスを長時間バブリングする。
(4)溶媒を一旦沸騰させた後、窒素等の不活性ガス雰囲気下で冷却する。
(5)配管の途中に静止型混合機(スタティックミキサー)を設置し、溶媒を重合反応槽に移送する配管内で窒素等の不活性ガスを混合する。
得られたポリカルボン酸系共重合体は、そのままでも本発明の無機粒子用添加剤の必須成分として用いられるが、取り扱い性の観点から、pHを5以上に調整しておくことが好ましい。しかしながら、重合率の向上のため、pH5未満で共重合反応を行い、共重合後にpHを5以上に調整することが好ましい。pHの調整は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の一価金属及び二価金属の水酸化物および炭酸塩等の無機塩;アンモニア;有機アミン;などのアルカリ性物質の1種または2種以上を用いて行うことができる。また、反応終了後、必要ならば濃度調整を行うこともできる。
消泡剤としては、任意の適切な消泡剤を用いることができる。本発明の実施形態によれば、上記のような特定のポリカルボン酸系共重合体と消泡剤とを組み合わせて用いることにより、優れた圧縮強度を有しかつ消泡剤の種類によらず所定の圧縮強度を有するセメント組成物を得ることができる。消泡剤としては、例えば、オキシアルキレン系消泡剤、オキシアルキレン系以外の消泡剤が挙げられる。
無機粒子用添加剤は、任意の適切な追加成分を含んでいてもよい。追加成分としては、例えば、セメント混和剤として使用され得る分子中にスルホン基を有するスルホン酸系分散剤、A−1記載のポリカルボン酸系共重合体以外のポリカルボン酸系分散剤、水溶性高分子物質、高分子エマルジョン、硬化遅延剤、早強剤・促進剤、AE剤、ひび割れ低減剤、界面活性剤、防水材、防錆剤、セメント湿潤剤、増粘剤、分離低減剤、凝集剤、乾燥収縮低減剤、強度増進剤、セルフレベリング剤、着色剤、防カビ剤などが挙げられる。
1つの実施形態においては、無機粒子用添加剤はセメント用添加剤であり得る。
本発明の実施形態によるセメント組成物は、A−1項に記載のポリカルボン酸系共重合体と、A−2項に記載の消泡剤と、セメントと、を含む。セメント組成物は、実用的には、水および骨材をさらに含む。セメント組成物は、必要に応じてA−3項に記載の追加成分をさらに含んでいてもよい。
質量平均分子量および分子量分布は下記の測定条件で測定した。
装置:Waters Alliance(2695)
解析ソフト:Waters社製、Empowerプロフェッショナル+GPCオプション
使用カラム:東ソー社製、TSKgelガードカラム(内径6.0mm×40mm)+TSKgel G4000SWXL(内径7.8mm×300mm)+G3000SWXL(内径7.8mm×300mm)+G2000SWXL(内径7.8mm×300mm)
検出器:示差屈折率計(RI)検出器(Waters 2414)、フォトダイオードアレイ(PDA)検出器(Waters 2996)
溶離液:水10999g、アセトニトリル6001gの混合溶媒に酢酸ナトリウム三水和物115.6gを溶解し、さらに酢酸でpH6.0に調整したもの。
GPC標準サンプル:GLサイエンス製のポリエチレングリコール(ピークトップ分子量(Mp)272500、219300、107000、50000、24000、11840、6450、4250、1470)
検量線:上記ポリエチレングリコールのMp値を用いて3次式で作成した。
流量:1.0mL/分
カラム温度:40℃
測定温度:40℃
測定時間:45分
試料液注入量:100μL(試料濃度0.5質量%の溶離液溶液)
標準サンプル注入量:100μL(濃度0.1質量%の溶離液溶液)
解析法:得られたRIクロマトグラム(GPCチャート)において、図1の例に示すように、ポリマー溶出直前・溶出直後のベースラインにおいて平らに安定している部分を直線(図1の例における直線L)で結び、ポリマーを検出・解析した。ただし、モノマーピークがポリマーピークに重なって測定された場合(図1の例においてMがモノマーピーク)、モノマーとポリマーの重なり部分の最凹部において垂直分割して(図1の例における直線a、b)ポリマー部とモノマー部(図1の例における斜線部)を分離し、ポリマー部のみの分子量・分子量分布を測定した。ダイマー以上のオリゴマーが検出された場合はポリマー部に含めた。
ICP−MSは下記の測定条件で測定した。
装置:Agilent Technologies ICP質量分析装置7700型
測定条件:RFパワー:1500W、ネブライザポンプ:0.10rps、キャリアガス:0.70L/min
試験に使用した材料及びモルタルの配合は、太平洋普通ポルトランドセメント900g、強さ試験用ISO標準砂1350g、各共重合体と消泡剤(MA404)とを含むイオン交換水270gである。消泡剤の添加量は、各共重合体の固形分添加量に対して固形分で1%であった。室温20℃、相対湿度55%の下、下記の混練方法でホバートミキサーにより4分間機械練りしてモルタルを調製し、上部内径70mm、下部内径:100mm、高さ60mmの金属製のフローコーンに得られたモルタルを詰めた。次に、注水から5.5分後にフローコーンを垂直に持ち上げた後、テーブルに広がったモルタルの直径を直行する2方向について測定し、この平均をモルタルフロー値とした。
各バッチのモルタルの練混ぜは練混ぜ機(ホバート・ジャパン株式会社、ミキサーN50)を使用する。練混ぜ機の操作は,次のように行う。練り鉢にセメントを加え、各重合体と消泡剤とを含む水を加える。次に練混ぜ機をすぐに低速で始動させ、30秒後に,次の30秒間で砂を加える。練混ぜ機を高速にし,その後30秒練り混ぜる。練混ぜ機を90秒間休止する。休止の最初の15秒間に,練り鉢に付着したモルタルをかき落とす。高速で60秒間練混ぜを続ける。
セメントとして普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)、細骨材として大井川水系産陸砂および君津産山砂を9:1の比率で混合した砂、粗骨材として青海産砕石、混練水として水道水を用いた。セメント:573kg/m3、水:170kg/m3、実施例または比較例の無機粒子用添加剤を所定量で混合し(後述の表7)、強制練りミキサーを用いて60秒混練した後、さらに、細骨材:737kg/m3、粗骨材:866kg/m3を加えてさらに90秒混練することでコンクリート組成物とした。このコンクリート組成物の細骨材率(細骨材/細骨材+粗骨材)(容積比)は47%、水/セメント比(質量比)は0.30であった。なお、コンクリート組成物の温度が試験温度(約20℃)となるように、材料、強制練りミキサー、測定器具類を上の記試験温度雰囲気下で調温し、混練および各測定は上記の試験温度雰囲気下で行った。
供試体作成:100mm×200mm
供試体養生(1日):温度約20℃、湿度60%、恒温恒湿空気養生を24時間実施
供試体研磨:供試体面研磨(供試体研磨仕上げ機使用)
圧縮強度測定:自動圧縮強度測定器(前川製作所)
なお、フロー値および空気量の測定は、日本工業規格(JIS−A−1101、1128)に準拠して行った。
温度計、攪拌機、滴下ロート、環流冷却器を備えたガラス製反応容器に、イオン交換水240部、3−メチル−3−ブテン−1−オールにエチレンオキサイドを50モル付加した不飽和アルコール147部、アクリル酸12.5部、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(和光純薬工業株式会社製の商品名「V−50」)0.0807部、連鎖移動剤として2−{[(2−カルボキシエチル)スルファニルチオカルボニル]スルファニル}プロパン酸0.303部を仕込み、300rpmで攪拌下、反応装置内を500mL/分で30分間窒素置換した後、70℃に昇温した。その後、3時間引き続いて、70℃に温度を維持して重合反応を完結させ、共重合体(1)の水溶液からなるセメント用添加剤(1)を得た。得られた共重合体(1)の物性を表1に示した。また、モルタル試験の結果を表3に示した。
3−メチル−3−ブテン−1−オールにエチレンオキサイドを50モル付加した不飽和アルコールとアクリル酸との組成比A(質量比)を表1のように変え、重合開始剤および連鎖移動剤の量を単量体成分の総モル数に対する各剤のモル比率が合成例1と同じになるように変えた以外は合成例1と同様に行い、共重合体(2)〜(8)の水溶液からなるセメント用添加剤(2)〜(8)を得た。得られた共重合体(2)〜(8)の物性を表1に示した。また、モルタル試験の結果を表3に示した。
温度計、攪拌機、滴下ロート、環流冷却器を備えたガラス製反応容器に、イオン交換水94.5部、3−メチル−3−ブテン−1−オールにエチレンオキサイドを50モル付加した不飽和アルコール200部、アクリル酸0.361部を仕込み、300rpmで攪拌下、反応装置内を500mL/分で窒素置換しながら60℃に昇温した後、そこへ重合開始剤である過酸化水素2.00%水溶液11.0部を添加し、アクリル酸16.6部をイオン交換水40.2部に溶解させた液を3時間、連鎖移動剤である3−メルカプトプロピオン酸0.652部を3.5時間、還元剤であるL−アスコルビン酸0.285部をイオン交換水36.5部に溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間引き続いて60℃に温度を維持して重合反応を完結させ、共重合体(C1)の水溶液からなるセメント用添加剤(C1)を得た。得られた共重合体(C1)の物性を表2に示した。また、モルタル試験の結果を表3に示した。
3−メチル−3−ブテン−1−オールにエチレンオキサイドを50モル付加した不飽和アルコールとアクリル酸との組成比A(質量比)を表2のように変え、重合開始剤、還元剤および連鎖移動剤の量を単量体成分の総モル数に対する各剤のモル比率が比較合成例1と同じになるように変えた以外は比較合成例1と同様に行い、共重合体(C2)〜(C8)の水溶液からなるセメント用添加剤(C2)〜(C8)を得た。得られた共重合体(C2)〜(C8)の物性を表2に示した。また、モルタル試験の結果を表3に示した。
温度計、攪拌機、滴下ロート、環流冷却器を備えたガラス製反応容器に、イオン交換水240部、3−メチル−3−ブテン−1−オールにエチレンオキサイドを50モル付加した不飽和アルコール139部、アクリル酸18.8部、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(和光純薬工業株式会社製の商品名「V−50」)0.436部、2−{[(2−カルボキシエチル)スルファニルチオカルボニル]スルファニル}プロパン酸1.64部を仕込み、300rpmで攪拌下、反応装置内を500mL/分で30分間窒素置換した後、70℃に昇温した。その後、3時間引き続いて、70℃に温度を維持して重合反応を完結させ、共重合体(9)の水溶液からなるセメント用添加剤(9)を得た。得られた共重合体(9)の物性を表4に示した。また、モルタル試験の結果を表6に示した。
連鎖移動剤の量を表4のように変え、重合開始剤の量を合成例9の重合開始剤と連鎖移動剤の量の比率と同じになるように変えた以外は合成例9と同様に行い、共重合体(10)〜(17)の水溶液からなるセメント用添加剤(10)〜(17)を得た。得られた共重合体(10)〜(17)の物性を表5に示した。また、モルタル試験の結果を表6に示した。
温度計、攪拌機、滴下ロート、環流冷却器を備えたガラス製反応容器に、イオン交換水90.4部、3−メチル−3−ブテン−1−オールにエチレンオキサイドを50モル付加した不飽和アルコール191部、アクリル酸0.345部を仕込み、300rpmで攪拌下、反応装置内を500mL/分で窒素置換しながら60℃に昇温した後、そこへ重合開始剤である過酸化水素2.00%水溶液15.0部を添加し、アクリル酸25.5部をイオン交換水22.6部に溶解させた液を3時間、連鎖移動剤である3−メルカプトプロピオン酸3.75部を3.5時間、還元剤であるL−アスコルビン酸0.389部をイオン交換水51.1部に溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間引き続いて60℃に温度を維持して重合反応を完結させ、共重合体(C9)の水溶液からなるセメント用添加剤(C9)を得た。得られた共重合体(C9)の物性を表5に示した。また、モルタル試験の結果を表6に示した。
連鎖移動剤の量を表5のように変えた以外は比較合成例9と同様に行い、共重合体(C10)〜(C15)の水溶液からなるセメント用添加剤(C10)〜(C15)を得た。得られた共重合体(C10)〜(C15)の物性を表5に示した。また、モルタル試験の結果を表6に示した。
合成例3で得られた共重合体(3)150部および消泡剤(マイクロエア404(MA404)、BASFジャパン株式会社製:ポリアルキレングリコール誘導体)4部を混合し、組成物を調製した。共重合体(3)の配合量が0.150%/C(セメント)となるようにして、上記の手順で圧縮強度試験用試料を作成し、および、1日後の圧縮強度を測定した。結果を表7に示す。
参考合成例3で得られた共重合体(C3)155部および消泡剤(マイクロエア404(MA404)、BASFジャパン株式会社製:ポリアルキレングリコール誘導体)4部を混合し、組成物を調製した。共重合体(C3)の配合量が0.155%/C(セメント)となるようにして、上記の手順で圧縮強度試験用試料を作成し、および、1日後の圧縮強度を測定した。結果を表7に示す。
表7に示す配合で組成物を調製し、および、圧縮強度試験用試料を作成した。得られた圧縮強度試験用試料の1日後の圧縮強度を測定した。結果を表7に示す。なお、表中のAE剤はポゾリス社製「MA202」であり、表中の配合量は固形分濃度である。
表7に示す配合で組成物を調製し、および、圧縮強度試験用試料を作成した。得られた圧縮強度試験用試料の1日後の圧縮強度を測定した。結果を表7に示す。
Claims (8)
- ポリカルボン酸系共重合体と消泡剤とを含む無機粒子用添加剤であって、
該ポリカルボン酸系共重合体が、一般式(1)で表される不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(a)由来の構造単位(I)と一般式(2)で表される不飽和カルボン酸系単量体(b)由来の構造単位(II)とを有するポリカルボン酸系共重合体であって、該ポリカルボン酸系共重合体がリビング重合により得られたものである、無機粒子用添加剤。
- 前記一般式(1)中のR2がメチル基である、請求項1に記載の無機粒子用添加剤。
- 前記リビング重合がRAFT重合である、請求項1または2に記載の無機粒子用添加剤。
- 前記RAFT重合で用いるRAFT剤が、ジチオエステル、トリチオカルボネート、ジチオカルバメート、キサンタンから選ばれる少なくとも1種の官能基を有する、請求項3に記載の無機粒子用添加剤。
- 前記ポリカルボン酸系共重合体の分散度が1.0〜1.8である、請求項1から4までのいずれかに記載の無機粒子用添加剤。
- 前記ポリカルボン酸系共重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで得られたポリエチレングリコール換算の質量平均分子量Mwが100000以下である、請求項1から5までのいずれかに記載の無機粒子用添加剤。
- セメント用添加剤である、請求項1から6のいずれかに記載の無機粒子用添加剤。
- ポリカルボン酸系共重合体と消泡剤とセメントとを含むセメント組成物であって、
該ポリカルボン酸系共重合体が、一般式(1)で表される不飽和ポリアルキレングリコール系単量体(a)由来の構造単位(I)と一般式(2)で表される不飽和カルボン酸系単量体(b)由来の構造単位(II)とを有するポリカルボン酸系共重合体であって、該ポリカルボン酸系共重合体がリビング重合により得られたものである、セメント組成物。
Applications Claiming Priority (2)
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