JP2019151517A - コンクリート組成物及びコンクリート硬化体 - Google Patents

コンクリート組成物及びコンクリート硬化体 Download PDF

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Abstract

【課題】高炉スラグを含有し、得られるコンクリート硬化体のCO2原単位を削減でき、且つ、強度発現性に優れたコンクリート組成物、及びCO2原単位が削減され、且つ、強度が高いコンクリート硬化体を提供する。【解決手段】結合材、水、細骨材、粗骨材及び混和剤を含み、結合材は、結合材の全質量に対し、70質量%以上100質量%以下の高炉セメントを含有し、前記高炉セメントは、比表面積の平均が2500cm2/g〜8000cm2/gの高炉スラグ微粉末を45質量%〜75質量%と、ポルトランドセメントを20質量%〜50質量%と、無水石膏及び二水石膏から選ばれる硫酸塩をSO3換算で1.0質量%〜4.5質量%と、を含み、高炉スラグ微粉末と、ポルトランドセメントと、硫酸塩との合計含有量が100質量%であり、且つ、終結時間が10時間〜48時間であるコンクリート組成物、及びコンクリート硬化体。【選択図】なし

Description

本開示は、コンクリート組成物及びコンクリート硬化体に関する。
コンクリート硬化体は建築物、土木構造物等の社会資本を構成する基幹の構造体である。しかし、建築物、土木構造物等の建設に要するCO排出量原単位(以下、CO原単位ということがある)を検討すると、例えば鉄筋コンクリート建築物では、建築物全体におけるCO原単位の30%〜40%がコンクリート硬化体に由来する。
このことから、建築物等の社会資本の建設に要するCO原単位を削減し、環境負荷を低減するには、コンクリート硬化体のCO原単位の削減が重要であるといえる。
また、コンクリート硬化体の形成に用いるコンクリート組成物は主成分としてセメントと骨材とを含むところ、一般に用いられるセメントであるポルトランドセメントを例に挙げれば、CO原単位は約750kg/t(1トン=1000kg)と推算される。一方、骨材の製造によるCO原単位はポルトランドセメントのCO原単位に対し、1/200程度である。従って、コンクリート硬化体のCO原単位を削減し、環境負荷の小さい建築物、土木建造物等を建設するためには、セメントのCO原単位を小さくすることが重要となる。
セメントのCO原単位を削減する手段としては、高炉スラグ、フライアッシュなどの産業副産物の利用が有効である。高炉スラグ微粉末、フライアッシュなどを適量ポルトランドセメントと混合することで、ポルトランドセメントと同様の水硬性を有し、且つ、セメントのCO原単位を削減する材料を得ることができる。例えば、高炉スラグをセメントに適用するためには、鉄鋼産業で製造される高炉水砕スラグをセメント粒子と同等の大きさまで微粉砕することが必要となる。しかし、既述の微粉砕工程を経ても、高炉スラグ微粉末のCO原単位は、一般的なポルトランドセメントの約1/30であり、CO原単位を大幅に削減することができる。
現状では、国内で年間2000万t〜2500万t製造される高炉スラグのうち、約700万tは海外に輸出されており、これを有効活用することにより、セメントを製造するためのCO原単位を削減することが可能となる。
ポルトランドセメントの一部に代えて高炉スラグ微粉末を使用したセメントとして高炉セメントが知られている。我が国の高炉セメントの製造は鉄鋼製造とほぼ時を同じくして始まっており、すでに1913年には高炉セメント工場が稼働している。
高炉スラグ微粉末を用いたセメントとして、既に日本工業規格JIS R5211(2009年)に高炉セメントが規格化されている。これによれば、高炉セメントA種では高炉スラグ微粉末の含有量が5質量%を超え30質量%以下、B種では30質量%を超え60質量%以下、C種では60質量%を超え70質量%以下と定められている。しかし、実際に流通し、使用されている高炉セメントは、高炉スラグ微粉末の含有量が40質量%〜45質量%程度の高炉セメントB種が大半を占める。
高炉セメントはポルトランドセメントに比べて製造時のCO原単位が少ないのみならず、以下に示す利点をも有している。
1)セメントが水と反応して硬化する時の水和発熱量が少ないため温度の発生が少ない、
2)アルカリシリカ反応性を有してコンクリート硬化体にひび割れを発生させる骨材に対して反応抑制効果がある、
3)海洋環境での塩化物の侵入を抑制する、等の品質上の利点である。
ただし、高炉セメントであっても、CO原単位の削減及び上記の効果は、例えば、高炉セメントA種は不十分である。
一方、例えば、高炉スラグ微粉末の含有量が45質量%より多い高炉セメントB種では、普通ポルトランドセメントを単独で使用したコンクリートと比較し、強度発現性が低下する場合がある、普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートに比べて中性化が速く、乾燥収縮ひずみが大きい場合があるなどの問題がある。特に暑中コンクリート、マスコンクリートなど、コンクリートが温度履歴を受ける場合、長期的な強度が大きく低下する場合がある。高炉セメントで作製した硬化体の強度低下を抑制するため、コンクリートの水/結合材比を小さくする対応が考えられるが、その結果、施工コストが増加する懸念がある。
高炉スラグの含有量がより多い、高炉セメントC種は、CO原単位の削減効果はより大きくなるものの、上記の高炉セメントB種における強度低下などの問題がさらに発生するため、ほとんど利用されていないのが現状である。
現在一般に使用されている高炉セメントB種に対し、高炉スラグ微粉末の含有量を更に多くすることにより、CO原単位を抑制したコンクリート組成物の製造が可能となる。同時に、水和熱による温度ひび割れの発生抑制及びアルカリシリカ反応の抑制、また海洋環境での塩化物の侵入の抑制などの効果を高めることが可能となる。そのため、高炉セメントを用いたコンクリート組成物の強度発現性を改善するための技術が種々提案されてきた。
例えば、高炉セメントに用いる高炉スラグ微粉末の比表面積を大きくし、粒子系を小さくすることにより強度の発現性を改善する技術(例えば、特許文献1参照)、高炉セメントに、シリカフューム等のポゾラン活性を有する微粉末を添加し、初期強度の発現性を向上させる技術(例えば、特許文献2参照)、比表面積を大きくしつつ、初期の水和反応を抑制する成分を添加したり、特定の養生方法を適用したりすることで、得られるコンクリート硬化体の長期強度を確保する技術(例えば、特許文献3および特許文献4参照)等が提案されている。
特開昭61−242942号公報 特開2002−321949号公報 特開平4−310583号公報 特開平5−155648号公報
しかし、特許文献1及び特許文献2に記載の高炉セメントは、水和熱により温度履歴を受けたコンクリート硬化体の長期強度が低下しやすいという問題がある。
また、特許文献1〜特許文献4に記載の技術では、高炉スラグを微粉砕するのに要するCO原単位が大きく、高炉セメントの製造コストがかかる。さらには、得られるコンクリート組成物は、実用上十分な流動性が得難く、特に、高強度の硬化体の製造に好適な、水/結合材比が40%を下回る領域において、粘性が増加するため、コンクリート硬化体を製造するための打込み時において施工性が低下する等の問題があった。
本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、高炉スラグを含有し、得られるコンクリート硬化体のCO原単位を削減でき、且つ、強度発現性に優れたコンクリート組成物を提供することである。
本発明の他の実施形態が解決しようとする課題は、CO原単位が削減され、且つ、強度が高いコンクリート硬化体を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究した結果、特定の高炉スラグを用い、コンクリート組成物の終結時間を最適に制御することで、前記課題を解決しうることを見出した。
課題の解決手段は、以下の実施形態を含む。
<1> 結合材、水、細骨材、粗骨材及び混和剤を含み、結合材は、結合材の全質量に対し、70質量%以上100質量%以下の高炉セメントを含有し、前記高炉セメントは、比表面積の平均が2500cm/g〜8000cm/gの高炉スラグ微粉末を45質量%〜75質量%と、ポルトランドセメントを20質量%〜50質量%と、硫酸塩をSO換算で1.0質量%〜4.5質量%と、を含み、高炉スラグ微粉末と、ポルトランドセメントと、硫酸塩との合計含有量が100質量%であり、且つ、終結時間が10時間〜48時間であるコンクリート組成物。
<2> 高炉スラグ微粉末の比表面積の平均が、3000cm/g〜5000cm/gである<1>に記載のコンクリート組成物。
<3> 硫酸塩が、無水石膏及び二水石膏から選ばれる少なくとも1種を含む<1>又は<2>に記載のコンクリート組成物。
<4> 混和剤が、分子量500未満の糖類を、結合材100質量部に対して0.02質量部〜0.2質量部含有する<1>〜<3>のいずれか1つに記載のコンクリート組成物。
<5> 分子量500未満の糖類が、スクロース、フルクトース及びマルトースから選ばれる少なくとも1種である<4>に記載のコンクリート組成物。
<6> 分子量500未満の糖類が、スクロースと、フルクトース及びマルトースから選ばれる少なくとも1種とを含み、スクロースの含有量と、フルクトース及びマルトースの合計含有量との含有比率が、質量基準で50:50〜90:10の範囲にある<4>又は<5>に記載のコンクリート組成物。
<7> 混和剤が、さらに、分子内に、無水マレイン酸及びマレイン酸から選ばれる少なくとも1種を含む構成単位を2質量%〜20質量%を含み、質量平均分子量が2000〜500000である水溶性ビニル共重合体及びその塩から選ばれる1種以上を、混和剤の全固形分に対し、固形分換算で5質量%以上100質量%以下含有する<1>〜<6>のいずれか1つに記載のコンクリート組成物。
<8> 結合材が、比表面積が3000cm/g〜12000cm/gであり、CaCO含有量が石灰石微粉末全量に対し70質量%以上である石灰石微粉末を、結合材の全質量に対し、1質量%〜20質量%含有する<1>〜<7>のいずれか1つに記載のコンクリート組成物。
<9> <1>〜<8>のいずれか1つに記載のコンクリート組成物の硬化物であるコンクリート硬化体。
本発明の一実施形態によれば、高炉スラグを含有し、得られるコンクリート硬化体のCO原単位を削減でき、且つ、強度発現性に優れたコンクリート組成物を提供することができる。
本発明の他の実施形態によれば、CO原単位が削減され、且つ、強度が高いコンクリート硬化体を提供することができる。
以下、具体的な実施形態に基づき、本開示のコンクリート組成物及びコンクリート硬化体について詳細に説明するが、以下の実施形態に何ら限定されず、目的の範囲内において、適宜、変更を加えて実施することができる。
本明細書において「〜」を用いて記載した数値範囲は、「〜」の前後の数値を下限値及び上限値として含む数値範囲を表す。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
さらに、本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
また、「置換基」の表記は、特に断りのない限り、無置換のもの、置換基を更に有するものを包含する意味で用いられ、例えば「アルキル基」と表記した場合、無置換のアルキル基と置換基を更に有するアルキル基の双方を包含する意味で用いられる。その他の置換基についても同様である。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
<コンクリート組成物>
本開示のコンクリート組成物は、結合材、水、細骨材、粗骨材及び混和剤を含み、結合材は、結合材の全質量に対し、70質量%以上100質量%以下の高炉セメントを含有し、前記高炉セメントは、比表面積の平均が2500cm/g〜8000cm/gの高炉スラグ微粉末を45質量%〜75質量%と、ポルトランドセメントを20質量%〜50質量%と、硫酸塩をSO換算で1.0質量%〜4.5質量%と、を含み、高炉スラグ微粉末と、ポルトランドセメントと、硫酸塩との合計含有量が100質量%であり、且つ、終結時間が10時間〜48時間である。
本開示のコンクリート組成物の終結時間は、10時間〜48時間であり、好ましくは12時間〜36時間であり、より好ましくは15時間〜30時間である。
終結時間が上記範囲において、強度発現性が良好となる。詳細には、終結時間が10時間以上であることで、強度発現性を十分に高めることができ、さらには水和熱により温度履歴を受けたコンクリート組成物における長期強度の低下が抑制される。一方、終結時間が48時間より早いことで、強度発現性の低下が抑制され、且つ、施工効率も良好となる。
なお、本明細書における「終結時間」は、JIS A 1147(2007年)に規定されたコンクリートの凝結時間試験方法に準拠して測定したものである。終結時間は、コンクリート組成物の「凝結の終結時間」ともいう。
本開示のコンクリート組成物は、以下に詳述する特定の組成の結合材を所定量含み、さらに、汎用のポルトランドセメント及び高炉セメントB種の如きコンクリート組成物における終結時間よりも、より遅い範囲の終結時間を選択し、且つ、高炉スラグを高含有量で含有することで、得られるコンクリート硬化体のCO原単位を削減しつつ、強度発現性に優れるという効果を発現するに至った。
なお、終結時間は、後述の添加剤の種類と含有量とを選択することにより、調整することができる。
本開示のコンクリート組成物に含まれる結合材は、高炉セメントを全結合材中に70質量%以上100質量%以下の範囲で含有する。
結合材に含まれる高炉セメントは、比表面積が2500cm/g〜8000cm/gの高炉スラグ微粉末を45質量%〜75質量%と、ポルトランドセメントを20質量%〜50質量%と、硫酸塩をSO換算で1.0質量%〜4.5質量%とを含有し、高炉スラグ微粉末と、ポルトランドセメントと、硫酸塩との合計含有量が100質量%である。
得られるコンクリート硬化体の性能、具体的には強度発現性、乾燥収縮ひずみの抑制効果などを好ましいものとする観点から、高炉セメント中における硫酸塩の含有量は、SO換算で1.0質量%〜4.5質量%とし、好ましくは2.0質量%〜4.5質量%である。硫酸塩の含有量をSO換算で1.0質量%以上とすることで、材齢3日程度までの初期強度の発現性が良好となり、乾燥収縮ひずみを抑制することができる。また、硫酸塩の含有量をSO換算で4.5質量%以下とすることで、長期強度発現性の低下が抑制されたり、得られるコンクリート硬化体の凍結融解に対する抵抗性及び耐火性が低下したりすることが抑制され、より高い性能が得られる。
結合材に用い得る硫酸塩は特に制限されず、公知の硫酸塩を用いることができる。
硫酸塩としては、例えば、石膏(硫酸カルシウム)、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウムなどが挙げられる。硫酸塩としては、汎用性及びセメント硬化特性への影響の観点から、石膏が好ましい。
石膏としては、無水石膏、半水石膏、二水石膏、排煙脱硫石膏、リン酸石膏、チタン石膏、フッ酸石膏、精錬石膏等が使用できる。なかでも無水石膏、二水石膏が特に好ましい。本開示における結合材に用いる硫酸塩は、無水石膏及び二水石膏から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
高炉セメント中に含まれる高炉スラグ微粉末の比表面積は、コンクリート組成物の流動性及び得られるコンクリート硬化体の強度発現性等の観点から、2500cm/g〜8000cm/gであり、好ましくは3000cm/g〜5000cm/gである。
高炉スラグ微粉末の比表面積が2500cm/g以上であることで、得られるコンクリート硬化体の初期強度の発現性の低下が抑制され、コンクリート組成物の流動性がより高まることによる混和剤の使用量の低下、惹いては、経時的な流動保特性の確保が困難となることを防止できる。高炉スラグ微粉末の比表面積が8000cm/g以下であることで、水和熱により温度履歴を受けたコンクリート硬化体を含む、得られるコンクリート硬化体の長期強度が十分に得られ、コンクリート組成物の流動性の低下に起因する混和剤の使用量の増加が抑制され、経済的な観点からも好ましい。
本明細書における高炉スラグ微粉末の比表面積は、JIS R 5201(2015年)に記載された比表面積試験に準拠して測定した価を用いている。
用いる高炉セメントにおける高炉スラグ微粉末の含有量は45〜75質量%とするが、好ましくは50〜70質量%とする。高炉スラグ微粉末の含有量が45質量%未満ではCO原単位の削減が不十分であり、75質量%超になると、得られるコンクリート硬化体の強度、乾燥収縮ひずみ及び凍結融解抵抗性等で、従来一般に使用されている高炉セメントを用いた場合と同等の性能を得ることが難しくなる。
高炉セメント中におけるポルトランドセメントの含有量は20質量%〜50質量%であり、好ましくは25質量%〜45質量%である。かかるポルトランドセメントとしては、普通ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントを適宜選択して使用することができる。
本開示のコンクリート組成物は、以上説明した高炉セメントを含有する結合材を使用する。結合材には、目的に応じて、更に他の成分を含有してもよい。結合材が、他の成分を適宜含有することにより、コンクリート組成物の性能をさらに向上させることができる。
コンクリート組成物の性能が向上する限りにおいて、かかる他の材料は特に制限されない。しかし、他の材料の含有量が、全結合材に対して30質量%超になると、高炉セメントの環境性能や力学性能が不十分となる場合がある。
コンクリート組成物の性能を向上させうる他の材料として、比表面積が3000cm/g〜12000cm/gであり且つCaCO含有量が70質量%以上である石灰石微粉末が挙げられる。かかる石灰石微粉末を結合材の全質量に対し、好ましくは1質量%〜20質量%、より好ましくは2質量%〜10質量%の割合で含有させて使用することができる。石灰石微粉末を上記含有量の範囲で使用すると、コンクリート組成物の流動性や得られるコンクリート硬化体の強度発現性が更に向上する。
結合材が含みうる前記石灰石微粉末以外の他の材料としては、フライアッシュ、シリカフューム、膨張材等が挙げられる。
本開示のコンクリート組成物において、結合材の調製方法には特に制限はない。本開示において規定される組成の結合材を調製できれば、いずれの方法を適用してもよく、調製方法としては、例えば、セメント工場での調製、生コンクリート工場での調製等が挙げられる。
コンクリート組成物における混和剤は、一般に市販されているものを含め特に限定されない。混和剤としては、分子中にマレイン酸及び無水マレイン酸から選ばれる1種以上の構造を含む構成単位を2質量%〜20質量%の割合で有する、質量平均分子量2000〜500000の水溶性ビニル共重合体及びその塩から選ばれる混和剤(以下、特定混和剤と称することがある)が好ましく挙げられる。水溶性ビニル共重合体が塩の形態をとる場合の塩としては、特に制限されない。好ましい塩の具体例としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩などのアミン塩;などが挙げられる。
特定混和剤は、混和剤の全固形分に対する固形分換算で、5質量%以上100質量%の範囲で含有することが好ましい。
水溶性ビニル共重合体が含みうる、(無水)マレイン酸及び/又はその塩から形成された構成単位と共重合して、共重合体を形成しうる他の構成単位としては、具体的には、α−アリル−ω−メトキシ−ポリエチレングリコール、α−アリル−ω−メトキシ−ポリエチレンポリプロピレングリコール、α−アリル−ω−ブトキシ−ポリエチレングリコール、α−アリル−ω−ブトキシ−ポリエチレンポリプロピレングリコール、α−アリル−ω−ヒドロキシ−ポリエチレングリコール、α−アリル−ω−ヒドロキシ−ポリエチレンポリプロピレングリコール、α−メタリル−ω−ヒドロキシポリエチレングリコール、α−メタリル−ω−ヒドロキシポリプロピレングリコール、α−メタリル−ω−ヒドロキシポリエチレンポリプロピレングリコール、α−ブテニル−ω−ヒドロキシポリエチレングリコール、α−ブテニル−ω−ヒドロキシポリプロピレングリコール、α−ブテニル−ω−ヒドロキシポリエチレンポリブチレングリコール等の単量体由来の構成単位が挙げられる。
混和剤として好適な既述の水溶性ビニル共重合体は、公知の方法、例えば特開2012−51737号公報に記載の方法で合成することができる。
特定混和剤は、特に低い水/結合材比領域において、コンクリート組成物の粘性を低減する効果がある。
コンクリート組成物が含みうる混和剤は、分子量500未満の糖類を含有することが好ましい。混和剤が分子量500未満の糖類を含有する場合の含有量は、結合材100質量部に対して0.02質量部〜0.2質量部が好ましい。
分子量500未満の糖類の具体例としては、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース等の単糖類、トレハロース、マルトース、ラクトース、スクロース等の二糖類が挙げられる。なかでも、スクロース、フルクトース及びマルトースから選ばれる少なくとも1種が好ましい。
分子量500未満の糖類としては、スクロースと、フルクトース及びマルトースから選ばれる少なくとも1種とを含み、スクロースの含有量と、フルクトース及びマルトースの合計含有量との含有比率が、質量基準で50:50〜90:10の範囲にあるものがさらに好ましい。
糖類を含有することにより、コンクリート硬化体の強度が増進し、さらには、水和熱により温度履歴を受けたコンクリートの長期強度の低下をより効果的に抑制しうる。
(水/結合材比)
コンクリート組成物を混錬する場合、水と、ポルトランドセメント、高炉スラグ等の結合材と、の質量比(水/結合材比)を、小さくすると、粒子間の距離が狭くなり、また、液相部分に水和生成物が析出し充填するため、組織が緻密になり、圧縮強度の高いコンクリート硬化体が得られることが知られている。なお、特に断らない限り、本明細書における水/結合材比は質量基準である。
本開示のコンクリート組成物における水/結合材比には特に制限はなく、従来汎用の30%〜60%の範囲に好適に使用しうる。
本明細書における結合材とは、コンクリート硬化体の主成分であるポルトランドセメント、高炉スラグ、及び必要に応じて一般にポルトランドセメントと共に用いられるシリカフューム、フライアッシュなどのセメント組成物の硬化反応に関与する微粉末(固形分)を包含する意味で用いられる。なお、骨材、流動性向上のために添加される混和剤等は本明細書における結合材には包含されない。
本開示のコンクリート組成物は、効果を損なわない範囲内で、必要に応じて、さらに、AE調整剤、消泡剤、乾燥収縮低減剤、増粘剤、防腐剤、防水剤、防錆剤等のコンクリート組成物に用いられる公知の成分を含むことができる。
本開示のコンクリート組成物は、上記構成としたため、高炉スラグを含有し、得られるコンクリート硬化体のCO原単位を削減しつつ、強度発現性に優れるため、種々の建築物、構造体等の製造に好適に使用することができる。即ち、本開示のコンクリート組成物によれば、従来公知のコンクリート組成物を用いた場合に比較し、結合材の量を減じた調合又は配合とした場合にも、従来の調合又は配合と同等又はそれ以上の強度を有する建築物等の製造することができ、コンクリート組成物製造に際してのCO原単位を大きく削減することができる。
<コンクリート硬化体>
本開示のコンクリート硬化体は、本開示のコンクリート組成物の硬化体である。
本開示のコンクリート硬化体は、強度が高く、且つ、製造に際してのCO原単位を大きく削減することができる。
なお、コンクリート組成物を硬化させて硬化体を得る方法は特に制限はない。公知のコンクリート硬化体の製造方法が適用できる。
コンクリート硬化体の製造方法としては、例えば、コンクリート組成物を混錬し、型枠内に投入して硬化させる方法などが挙げられる。コンクリート硬化体の製造に際しては、公知の養生方法を必要に応じて適用することができる。
以下、実施例を挙げて、本開示のコンクリート組成物及びコンクリート硬化体についてより具体的に説明する。なお、実施例は、ある実施形態を示すものであり、以下の記載には何ら制限されない。
なお、以下の実施例等において、特に断らない限り、「%」、及び「部」は、質量基準である。
(1.高炉セメントの調製)
表1に記載の内容で、高炉スラグ微粉末、ポルトランドセメント及び石膏等を混合して、表1に記載の結合材〔結合材No.〕(C−1)〜(C−6)及び(Cr−1)〜(Cr−3)を調製した。なお、結合材No.(Cr−1)〜(Cr−3)は比較結合材である。
表1において、記載した各成分の略称(符号)の詳細は以下の通りである。
sg−1:比表面積が3920cm/gの高炉スラグ微粉末
sg−2:比表面積が2700cm/gの高炉スラグ微粉末
sg−3:比表面積が6100cm/gの高炉スラグ微粉末
sg−4:比表面積が2250cm/gの高炉スラグ微粉末
sg−5:比表面積が8800cm/gの高炉スラグ微粉末
pc−1:普通ポルトランドセメント
pc−2:早強ポルトランドセメント
gp−1:無水石膏
gp−2:二水石膏
lp−1:比表面積が4200cm/g、CaCO含有量が95%の石灰石微粉末
lp−2:比表面積が9100cm/g、CaCO含有量が91%の石灰石微粉末
(2.水溶性ビニル共重合体の合成)
(2−1)水溶性ビニル共重合体(d−1)の合成
水1800g、α−アリル−ω−メトキシポリ(30モル)エチレンポリ(5モル)プロピレングリコール1672g及びマレイン酸128gを反応容器に仕込み、反応容器内の雰囲気を窒素置換した後、徐々に加温して撹拌しながら均一に溶解した。反応系の温度を温水浴にて70°Cに保ち、過硫酸ナトリウムの20%水溶液130gを投入してラジカル重合反応を開始した。2時間経過後、更に過硫酸ナトリウム20%水溶液130gを投入し、ラジカル重合反応を5時間継続した。得られた共重合体に水を加え、その後、30%水酸化ナトリウム水溶液を250g投入して中和し、水溶性ビニル共重合体(d−1)の40%水溶液を得た。この水溶性ビニル共重合体(d−1)を分析したところ、マレイン酸から形成された構成単位を6.9質量%の割合で有する質量平均分子量22000(GPC法、プルラン換算)の水溶性ビニル共重合体であった。
(2−2)水溶性ビニル共重合体(d−2)の合成
水1000g、α−ブテニル−ω−ヒドロキシポリ(20モル)エチレングリコール966g、無水マレイン酸147gを反応容器に仕込み、反応容器内の雰囲気を窒素置換した後、撹拌しながら徐々に加温した。反応系の温度を温水浴にて70℃に保ち、過硫酸ナトリウムの20%水溶液100gを投入してラジカル重合反応を開始した。2時間経過後、更に過硫酸ナトリウム20%水溶液100gを投入し、ラジカル重合反応を6時間継続した。得られた共重合体に水を加え、その後、30%水酸化ナトリウム水溶液を250g投入して中和し、水溶性ビニル共重合体(d−2)の40%水溶液を得た。この水溶性ビニル共重合体(d−2)を分析したところ、マレイン酸から形成された構成単位を13.7質量%の割合で有する質量平均分子量38000(GPC法、プルラン換算)の水溶性ビニル共重合体であった。
以上で合成した水溶性ビニル共重合体(d−1)及び(d−2)の組成を表2に示した。
表2においてに記載の質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析装置により測定した値を用いている。
詳細には、GPCによる測定は、測定装置として、昭和電工(株)製、Shodex GPC−101を用い、検出器として、示差屈折計(RI)を用い、カラムとして、OHpak SB−G、OHpak SB−804HQ、OHpak SB−802.5HQを用い、試料濃度として、0.5質量%の溶離液溶液を用い、溶離液として、50mM硝酸ナトリウム水溶液を流速0.7mL(ミリリットル)/分で用いることにより、カラム温度40℃にて測定した。
検量線は、昭和電工(株)製のプルランを用いて作成した。
表2に記載の共重合体における構成単位の詳細を以下に示す。
L−1:α−アリル−ω−メトキシポリ(30モル)エチレンポリ(5モル)プロピレングリコールから形成された構成単位
L−2:α−ブテニル−ω−ヒドロキシポリ(20モル)エチレングリコールから形成された構成単位
L−3:マレイン酸から形成された構成単位
(3.コンクリート組成物の調製)
〔実施例1〜実施例28、比較例1〜比較例10〕
既述の方法で得た高炉セメント及び水溶性ビニル共重合体を用いて、以下に示す方法で実施例及び比較例のコンクリート組成物を調製した。
55リットルのパン型強制練りミキサーを用い、表3及び表4に記載の条件で、90秒間練混ぜを行い、コンクリート組成物を調製した。尚、各例のコンクリート組成物について、AE剤(竹本油脂社製、商品名AE−300)を用い、空気量を4.5±1.0%とし、またスランプを、水/結合材比が30%の場合は21±1.5cm、それ以外の場合は18±1.5cmに調整した。調製は20℃環境下で行った。
表3において用いた材料の詳細を以下に示す。
細骨材:大井川水系産陸砂(表乾密度2.58g/cm
粗骨材:岡崎産砕石(表乾密度2.68g/cm
表4において、配合No.は、表3に記載の配合No.に対応する。
結合材の種類は表1に記載の結合材の種類に対応する。
添加量は、全結合材量に対する混和剤の固形分換算の割合〔質量基準〕である。
表4に記載の各材料の詳細を以下に示す。
e−1:竹本油脂社製のコンクリート用高性能AE減水剤、商品名:チューポール(登録商標、以下同様)HP−11
e−2:竹本油脂社製のコンクリート用高性能AE減水剤、商品名チューポールHP−8
e−3:竹本油脂社製のコンクリート用AE減水剤(高機能タイプ)、商品名チューポールEX60
d−1、d−2:表2に記載の水溶性ビニル共重合体
f−1:グルコース(試薬、キシダ化学(株)製:分子量500未満の糖類)
f−2:フルクトース(試薬、キシダ化学(株)製:分子量500未満の糖類)
f−3:マルトース(試薬、キシダ化学(株)製:分子量500未満の糖類、水和物を使用)
f−4:スクロース(試薬、キシダ化学(株)製:分子量500未満の糖類)
f−5:トレハロース(試薬、キシダ化学(株)製:分子量500未満の糖類、水和物を使用)
f−6:スクロースとフルクトースを6:4の質量比率で混合したもの
f−7:スクロースとマルトースを6:4の質量比率で混合したもの
f−8:スクロースとフルクトースを8:2の質量比率で混合したもの
f−9:グルコン酸ナトリウム(試薬、キシダ化学(株)製)
f−10:クエン酸三ナトリウム(試薬、キシダ化学(株)製)
f−11:ラフィノース(試薬、キシダ化学(株)製、水和物を使用)
f−12:フルクトオリゴ糖(試薬、和光純薬工業(株)製)
(4.コンクリート組成物の物性)
調製した各例のコンクリート組成物について、スランプ、空気量、コンクリートの粘性及び終結時間を、下記のように測定し、結果を表5にまとめて示した。
・スランプ(cm):練混ぜ直後のコンクリート組成物について、JIS−A1101(2005年)に準拠して測定した。
・空気量(容積%):練混ぜ直後のコンクリート組成物及び60分間練り舟に静置したコンクリート組成物について、JIS−A1128(2005年)に準拠して測定した。
・コンクリートの粘性:コンクリート組成物について、人的評価により粘性を評価した。
・コンクリートの終結時間(時間):コンクリート組成物について、JIS A1147(2007年)に準拠して測定した。
(5.コンクリート硬化体の物性)
調製したコンクリート組成物を硬化して得たコンクリート硬化体について、圧縮強度を、下記のように測定し、結果を表5にまとめて示した。
・標準水中養生供試体の圧縮強度(N/mm):JIS−A1108(2006年)に準拠し、材齢28日で測定した。一般的にこの条件でコンクリートの強度管理が行われる。
・簡易断熱養生供試体の圧縮強度(N/mm):水和熱により温度履歴を受けたコンクリートの強度、すなわち構造体強度を推定するため、各例で得られたコンクリート組成物の簡易断熱養生強度をJASS5T−606(2015年)に準拠し、材齢91日で測定した。
・構造体強度補正値:標準水中養生供試体の圧縮強度から簡易断熱養生供試体の圧縮強度を減じて求めた。
(6.コンクリート組成物及びコンクリート硬化体の評価)
表5の測定結果等に基づいて、各例のコンクリート組成物及びコンクリート硬化体を次のように評価した。結果を上記表4に併記した。
なお、各評価においては、実施例と比較例との対比は、配合No.1〜配合No.5それぞれにおいて、別に行い、表4に示す如く、配合No.1では比較例1を、配合No.2では比較例2を、配合No.3では比較例3を、配合No.4では比較例4を、配合No.5では比較例5を、それぞれ配合の基準品(コントロール)とした。
(4−1)コンクリートの粘性
コンクリート組成物について、人的評価により粘性を次の基準で評価した。
S:基準品に比較し粘性が低い
A:基準品と粘性が同等
B:基準品に比較し粘性が高い
(4−2)標準水中養生供試体の圧縮強度
コンクリート硬化体について、標準水中養生供試体の圧縮強度を次の基準で評価した。S:標準水中養生強度が、各配合の基準品の値に対して+6N/mm以上
A:標準水中養生強度が、各配合の基準品の値に対して+4N/mm以上、+6N/mm未満
B:標準水中養生強度が、各配合の基準品の値に対して+2N/mm以上、+4N/mm未満
C:標準水中養生強度が、各配合の基準品の値に対して+2N/mm未満
(4−3)簡易断熱養生供試体の圧縮強度
コンクリート硬化体について、簡易断熱養生供試体の圧縮強度を次の基準で評価した。
S:構造体強度補正値が、各配合の基準品の値に対して−3N/mm以下
A:構造体強度補正値が、各配合の基準品の値に対して−3N/mm超、−1.5N/mm未満
B:構造体強度補正値が、各配合の基準品の値に対して−1.5N/mm超、0N/mm未満
C:構造体強度補正値が、各配合の基準品の値以上
表4、表5の結果から明らかなように、得られるコンクリート硬化体のCO原単位を削減できることを前提として、実施例によれば、強度発現性に優れたコンクリート組成物を得られることがわかった。また、得られたコンクリート組成物の硬化物である実施例のコンクリート硬化体はいずれも、各配合の基準品である比較例のコンクリート硬化体よりも強度が高かった。
より詳細には、例えば、同水準の配合No.1のコンクリート組成物を用いた実施例1〜実施例3と、比較例1との対比において、スランプ、空気量は同等であるが、終結時間を調整することで、得られたコンクリート硬化体の物性が改良されていることがわかる。

Claims (9)

  1. 結合材、水、細骨材、粗骨材及び混和剤を含み、
    結合材は、結合材の全質量に対し、70質量%以上100質量%以下の高炉セメントを含有し、
    前記高炉セメントは、比表面積の平均が2500cm/g〜8000cm/gの高炉スラグ微粉末を45質量%〜75質量%と、ポルトランドセメントを20質量%〜50質量%と、硫酸塩をSO換算で1.0質量%〜4.5質量%と、を含み、高炉スラグ微粉末と、ポルトランドセメントと、硫酸塩との合計含有量が100質量%であり、
    且つ、終結時間が10時間〜48時間であるコンクリート組成物。
  2. 高炉スラグ微粉末の比表面積の平均が、3000cm/g〜5000cm/gである請求項1に記載のコンクリート組成物。
  3. 硫酸塩が、無水石膏及び二水石膏から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1又は請求項2に記載のコンクリート組成物。
  4. 混和剤が、分子量500未満の糖類を、結合材100質量部に対して0.02質量部〜0.2質量部含有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のコンクリート組成物。
  5. 分子量500未満の糖類が、スクロース、フルクトース及びマルトースから選ばれる少なくとも1種である請求項4に記載のコンクリート組成物。
  6. 分子量500未満の糖類が、スクロースと、フルクトース及びマルトースから選ばれる少なくとも1種とを含み、スクロースの含有量と、フルクトース及びマルトースの合計含有量との含有比率が、質量基準で50:50〜90:10の範囲にある請求項4又は請求項5に記載のコンクリート組成物。
  7. 混和剤が、さらに、分子内に、無水マレイン酸及びマレイン酸から選ばれる少なくとも1種を含む構成単位を2質量%〜20質量%を含み、質量平均分子量が2000〜500000である水溶性ビニル共重合体及びその塩から選ばれる1種以上を、混和剤の全固形分に対し、固形分換算で、5質量%以上100質量%以下含有する請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のコンクリート組成物。
  8. 結合材が、比表面積が3000cm/g〜12000cm/gであり、CaCO含有量が石灰石微粉末全量に対し70質量%以上である石灰石微粉末を、結合材の全質量に対し、1質量%〜20質量%含有する請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のコンクリート組成物。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のコンクリート組成物の硬化物であるコンクリート硬化体。
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