JP7270929B2 - コンクリート混和剤、コンクリート組成物、コンクリート組成物の打込み方法、及びマスコンクリート - Google Patents
コンクリート混和剤、コンクリート組成物、コンクリート組成物の打込み方法、及びマスコンクリート Download PDFInfo
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Description
(A)標準養生強度を抑制し、構造体コンクリート強度と同じまたは近接させる。
(B)構造体コンクリート強度を増進し、標準養生強度と同じまたは近接させる。
(C)標準養生強度及び構造体コンクリート強度のいずれも増進し、かつ、双方を同じまたは近接させる。
(D)標準養生強度及び構造体コンクリート強度のいずれも抑制し、かつ、双方を同じまたは近接させる。
のいずれかのパターンによって達成することができる。
(1)型枠への打込み時のコンクリート温度が25℃以上
(2)型枠への打込み時の日平均気温が25℃以上
R1、R2、R3:水素原子又はメチル基
R4:水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基
R5O:炭素数2~4のオキシアルキレン基
x:0~5の整数
y:0又は1
n:1~300の整数
をそれぞれ示している。
α-アリル-ω-メトキシ-(ポリ)エチレングリコール、α-アリル-ω-メトキシ-(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、α-アリル-ω-ブトキシ-(ポリ)エチレングリコール、α-アリル-ω-ブトキシ-(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、α-アリル-ω-ヒドロキシ-(ポリ)エチレングリコール、α-アリル-ω-ヒドロキシ-(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、α-ビニル-ω-メトキシ-(ポリ)エチレングリコール、α-ビニル-ω-メトキシ-(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、α-ビニル-ω-ヒドロキシ-(ポリ)エチレングリコール、α-ビニル-ω-ヒドロキシ-(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、α-メタリル-ω-メトキシ-(ポリ)エチレングリコール、α-メタリル-ω-メトキシ-(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、α-メタリル-ω-ヒドロキシ-(ポリ)エチレングリコール、α-メタリル-ω-ヒドロキシ-(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、α-(3-メチル-3-ブテニル)-ω-メトキシ-(ポリ)エチレングリコール、α-(3-メチル-3-ブテニル)-ω-メトキシ-(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、α-(3-メチル-3-ブテニル)-ω-ヒドロキシ-(ポリ)エチレングリコール、α-(3-メチル-3-ブテニル)-ω-ヒドロキシ-(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、α-アクリロイル-ω-メトキシ-(ポリ)エチレングリコール、α-アクリロイル-ω-メトキシ-(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、α-アクリロイル-ω-ヒドロキシ-エチレングリコール、α-アクリロイル-ω-ヒドロキシ-プロピレングリコール、α-アクリロイル-ω-ヒドロキシ-(ポリ)エチレングリコール、α-アクリロイル-ω-ヒドロキシ-(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、α-メタクリロイル-ω-メトキシ-(ポリ)エチレングリコール、α-メタクリロイル-ω-メトキシ-(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、α-メタクリロイル-ω-ヒドロキシ-(ポリ)エチレングリコール、α-メタクリロイル-ω-ヒドロキシ-(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール等が挙げられる。
R6、R7、R8:水素原子、メチル基又は[―(CH2)pCOOM2]
p:0~2の整数
M1、M2:水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子の1/2、又は有機アミン
をそれぞれ示している。なお、[―(CH2)pCOOM2]は、COOM1又は他のCOOM2と無水物を形成していてもよく、係る場合はそれらの基においてM1、M2は存在しないものである。
(1)型枠への打込み時のコンクリート温度が25℃以上
(2)型枠への打込み時の日平均気温が25℃以上
コンクリート混和剤として使用されるA成分として、下記表1に示す、構成単位L、構成単位M、及び構成単位Sによって構成された水溶性ビニル共重合体からなる3種類(A-1,A-2,A-3)を用いた。ここで、A-1~A-3は、各構成単位L,M,Sの種類及び配合比率がそれぞれ異なるものである。
イオン交換水393.9g、α-メタクリロイル-ω-メトキシ-ポリ(9モル)オキシエチレン272.4g、メタクリル酸68.1g、アクリル酸メチル17.9g、3-メルカプトプロピオン酸7.9gを温度計、撹拌機、滴下ロート、窒素導入管を備えた反応容器に仕込み、撹拌しながら均一に溶解した後、雰囲気を窒素置換し、反応系の温度を温水浴にて60℃とした。次に20%過硫酸ナトリウム水溶液35.8gを加え重合反応を開始した。2時間後、20%過硫酸ナトリウム水溶液17.9gを加え2時間60℃を維持し、重合反応を終了した。これに30%水酸化ナトリウム水溶液を加えpH7に調整し、イオン交換水にて濃度を25%に調整した。この反応物をA-1とした。
イオン交換水357.7g、α-メタクリロイル-ω-メトキシ-ポリ(23モル)オキシエチレン284.3g、メタクリル酸68.4g、メタリルスルホン酸ナトリウム7.2g、3-メルカプトプロピオン酸6.5g、30%水酸化ナトリウム水溶液57.0gを温度計、撹拌機、滴下ロート、窒素導入管を備えた反応容器に仕込み、撹拌しながら均一に溶解した後、雰囲気を窒素置換し、反応系の温度を温水浴にて60℃とした。次に20%過硫酸ナトリウム水溶液36.0gを加え重合反応を開始した。2時間後、20%過硫酸ナトリウム水溶液18.0gを加え2時間60℃を維持し、重合反応を終了した。これに30%水酸化ナトリウム水溶液を加えpH7に調整し、イオン交換水にて濃度を25%に調整した。この反応物をA-2とした。
イオン交換水84.5g、α-(3-メチル-3-ブテニル)-ω-ヒドロキシ-ポリ(113モル)オキシエチレン330.3gを温度計、撹拌機、滴下ロート、窒素導入管を備えた反応容器に仕込み、撹拌しながら均一に溶解した後、雰囲気を窒素置換し、反応系の温度を温水浴にて60℃とした。次に10.0%過酸化水素水溶液19.2gを3.0時間かけて滴下し、それと同時にイオン交換水268.8gにアクリル酸38.4g、ヒドロキシエチルアクリレート15.4gを溶解させた水溶液を3時間かけて滴下し、それと同時にイオン交換15.4gに3-メルカプトプロピオン酸1.9g、アスコルビン酸1.9gを溶解させた水溶液を4.0時間かけて滴下した。その後0.5時間60℃を維持し、重合反応を終了した。これに30%水酸化ナトリウム水溶液を加えpH7に調整し、イオン交換水にて濃度を25%に調整した。この反応物をA-3とした。
装置:Shodex GPC-101(昭和電工製)
カラム:OHpak SB-806M HQ+SB-806M HQ(昭和電工製)
検出器:示差屈折計(RI)
溶離液:50mM硝酸ナトリウム水溶液
流量:0.7mL/分
カラム温度:40℃
試料濃度:試料濃度0.5質量%の溶離液溶液
標準物質:PEG/PEO(アジレント・テクノロジー製)
L-1:α-メタクリロイル-ω-メトキシ-ポリ(9モル)オキシエチレンから形成された構成単位
L-2:α-メタクリロイル-ω-メトキシ-ポリ(23モル)オキシエチレンから形成された構成単位
L-3:α-(3-メチル-3-ブテニル)-ω-ヒドロキシ-ポリ(113モル)オキシエチレンから形成された構成単位
L-4:ヒドロキシエチルアクリレートから形成された構成単位
をそれぞれ示すものである。
M-1:メタクリル酸から形成された構成単位
M-2:アクリル酸から形成された構成単位
をそれぞれ示すものである。
S-1:アクリル酸メチルから形成された構成単位
S-2:メタリルスルホン酸ナトリウムから形成された構成単位
をそれぞれ示すものである。
コンクリート混和剤として使用されるB成分として、
B-1:スクロース(試薬:キシダ化学製)
B-2:グルコース(試薬:キシダ化学製)
B-3:フルクトース(試薬:キシダ化学製)
の3種類を用いた。
コンクリート混和剤として使用されるC成分として、
C-1:グルコン酸ナトリウム(試薬:キシダ化学製)
の1種類を用いた。
コンクリート混和剤として使用されるD成分として、
D-1:リグニンスルホン酸ナトリウム(試薬:キシダ化学製)
の1種類を用いた。
上記説明した3種類のA成分、3種類のB成分、1種類のC成分、及び1種類のD成分を適宜組み合わせ、それぞれ一液化した混和剤No.d-1~d-7、及び混和剤No.dr-1~dr-2を調製した。なお、成分の含有量は固形分換算の割合(質量%)である。
上記によって製造されたA成分と、B成分、C成分、及びD成分を、表2~3に示す含有量となるように混ぜ合わせ、イオン交換水を用いて合計の固形分換算の濃度が25%となるように調製した。
・実施例1~7及び比較例1~2
55Lの強制二軸ミキサーに普通ポルトランドセメント(太平洋セメント、密度=3.16)と、骨材として、細骨材(大井川水系砂、密度=2.58)及び粗骨材(岡崎産砕石、密度=2.66)をそれぞれ表4に示す配合で、コンクリート混和剤(d-1~d-7、dr-1~2)を用いて、実施例1~7及び比較例1~2のコンクリート組成物を調製した(表5~6参照)。なお、各実施例及び比較例のコンクリート組成物において、市販のAE剤であるAE-300(竹本油脂製)を適宜用い、目標空気量を4.5±1.0%の範囲内、及び、目標スランプを18.0±1.5cmの範囲内となるように添加量の調整を行った。また、コンクリート組成物の調製は35℃環境下で行い、コンクリート組成物の練り上がり温度が35±2℃の範囲内になるように、調製前に各材料を35℃環境下で1日以上保管した。ここで、実施例1~5及び比較例1は、水/セメント比が55%となる配合を用いて調製したものであり、実施例6~7及び比較例2は水/セメント比が50%となる配合を用いて調製したものである。
調製した各実施例及び比較例のコンクリート組成物について、記述した試験方法に基づいて、スランプ、空気量、及びコンクリート温度を測定した。測定結果を下記の表5~表6に示す。
混和剤中のB成分における添加量は、混和剤添加量から算出した、結合材に対するB成分の固形分換算割合(結合材×質量%)である。
・スランプ(cm):練混ぜ直後のコンクリート組成物について、JIS-A1101(2005)に準拠して測定した。
・空気量(容積%):練混ぜ直後のコンクリート組成物について、JIS-A1128(2005)に準拠して測定した。
・コンクリート温度(℃):練混ぜ直後のコンクリート組成物について、JIS-A1156(2006)に準拠して測定した。
調製した各実施例及び比較例のコンクリート組成物について、記述した試験方法及び算出式に基づいて、スランプ保持性、標準養生強度、簡易断熱養生強度及びS値の測定結果を下記の表7~表8に示す。
・スランプ保持性:調製した各実施例及び比較例のコンクリート組成物について、練り混ぜ直後から35℃環境下にて30分間静置後のコンクリート組成物のスランプをJIS-A1101に準拠して測定した。30分間静置後のスランプと調整直後のスランプとの差が3cm以内のものを“◎”、3cm超~6cm以内のものを“○”、6cm超のものを“×”として評価した。
・標準養生強度(N/mm2):調製した各実施例及び比較例のコンクリート組成物について、供試体を作製した後、脱型まで乾燥しないように20±3℃の環境下で保存し、脱型後は20±3℃の水中で養生を行った後、JIS-A1108(2018)に準拠して、材齢28日の圧縮強度を測定した。
・簡易断熱養生強度(N/mm2):調製した各実施例及び比較例のコンクリート組成物について、JASS5 T-606(2018)に準拠して、材齢91日の簡易断熱養生における圧縮強度を測定した。
・S値(N/mm2):標準養生強度から簡易断熱養生強度を減じて算出した。
・基準との差:各実施例のS値から各配合のA成分、もしくはA成分に加え、C成分及びD成分から少なくとも1つで構成された基準となる混和剤を用いた水準(配合1であれば比較例1、配合2であれば比較例2)におけるS値を差し引いて算出した。
・実施例8~10及び比較例3
コンクリート混和剤(d-1、dr-1)について、表9に示す環境温度下において、それ以外は試験区分2に示した方法を用いて、実施例8~10及び比較例3のコンクリート組成物を調製した。また、コンクリート組成物の練り上がり温度が各環境温度に対して±2℃の範囲内になるように、調製前に各材料を所定の環境下で1日以上保管した。調製したコンクリート組成物について、試験区分3、4と同様に、スランプ、空気量、コンクリート温度、標準養生強度、簡易断熱養生強度、及びS値を測定した。測定結果を表9に示す。
・実施例11~12及び比較例4~5
コンクリート混和剤(d-1、dr-1)について、3m3強制2軸ミキサーを用いて、25℃環境下において、それ以外は試験区分2と同様の方法を用いて、実施例11~12及び比較例4~5のコンクリート組成物を調製した(表10参照)。調製したコンクリート組成物について、試験区分3、4と同様に、スランプ、空気量、コンクリート温度、及び標準養生強度を測定した。また、調製したコンクリート組成物について、JASS5T-605(2018)に準拠して、表10に示す寸法の模擬部材を作製し、20℃環境下で保管した後、材齢91日のコア供試体の圧縮強度を測定した。なお、各コア供試体は各構造体の柱の中央部から100mm離れた位置で縦方向に構造体1体あたり2か所以上から採取した。
Claims (8)
- 水溶性ビニル共重合体から選ばれる少なくとも1種以上のA成分と、
糖類から選ばれる少なくとも1種以上のB成分と
を含有し、
前記B成分は、
スクロース及び/またはグルコース、及びフルクトースで構成されるコンクリート混和剤(但し、水溶性ビニル共重合体は、下記の化1で示される不飽和単量体から形成された構成単位Lを50~99質量%と、下記の化2で示される不飽和カルボン酸系単量体から形成された構成単位Mを1~50質量%の割合で含有し、質量平均分子量が2000~500000のものを示す)。
- 前記B成分は、
前記スクロース及び前記グルコースの合計質量を前記フルクトースの質量で除した質量比が50/50~90/10の範囲である請求項1記載のコンクリート混和剤。 - 請求項1または2記載のA成分及びB成分を含有するコンクリート混和剤、水、細骨材、粗骨材、及び結合材を含有するコンクリート組成物。
- 前記コンクリート混和剤に含まれる前記B成分の前記結合材に対する添加量は、
0.001~0.2質量%の範囲である請求項3記載のコンクリート組成物。 - 前記結合材は、
ポルトランドセメントを含有する請求項3または4記載のコンクリート組成物。 - 前記結合材は、
前記ポルトランドセメントを70質量%以上含有する請求項5記載のコンクリート組成物。 - 下記の(1)、(2)の少なくともいずれか一つの打込み時の条件を満たす請求項3~6のいずれか一つの項記載のコンクリート組成物の打込み方法。
(1)型枠への打込み時のコンクリート温度が25℃以上
(2)型枠への打込み時の日平均気温が25℃以上 - 請求項3~6記載のコンクリート組成物を含有することを特徴とするマスコンクリート。
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