JP2021046349A - コンクリート混和剤、コンクリート組成物、コンクリート組成物の打込み方法、及びマスコンクリート - Google Patents
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Abstract
Description
(A)標準養生強度を抑制し、構造体コンクリート強度と同じまたは近接させる。
(B)構造体コンクリート強度を増進し、標準養生強度と同じまたは近接させる。
(C)標準養生強度及び構造体コンクリート強度のいずれも増進し、かつ、双方を同じまたは近接させる。
(D)標準養生強度及び構造体コンクリート強度のいずれも抑制し、かつ、双方を同じまたは近接させる。
のいずれかのパターンによって達成することができる。
(1)型枠への打込み時のコンクリート温度が25℃以上
(2)型枠への打込み時の日平均気温が25℃以上
R1、R2、R3:水素原子又はメチル基
R4:水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基
R5O:炭素数2〜4のオキシアルキレン基
x:0〜5の整数
y:0又は1
n:1〜300の整数
をそれぞれ示している。
α−アリル−ω−メトキシ−(ポリ)エチレングリコール、α−アリル−ω−メトキシ−(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、α−アリル−ω−ブトキシ−(ポリ)エチレングリコール、α−アリル−ω−ブトキシ−(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、α−アリル−ω−ヒドロキシ−(ポリ)エチレングリコール、α−アリル−ω−ヒドロキシ−(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、α−ビニル−ω−メトキシ−(ポリ)エチレングリコール、α−ビニル−ω−メトキシ−(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、α−ビニル−ω−ヒドロキシ−(ポリ)エチレングリコール、α−ビニル−ω−ヒドロキシ−(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、α−メタリル−ω−メトキシ−(ポリ)エチレングリコール、α−メタリル−ω−メトキシ−(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、α−メタリル−ω−ヒドロキシ−(ポリ)エチレングリコール、α−メタリル−ω−ヒドロキシ−(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、α−(3−メチル−3−ブテニル)−ω−メトキシ−(ポリ)エチレングリコール、α−(3−メチル−3−ブテニル)−ω−メトキシ−(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、α−(3−メチル−3−ブテニル)−ω−ヒドロキシ−(ポリ)エチレングリコール、α−(3−メチル−3−ブテニル)−ω−ヒドロキシ−(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、α−アクリロイル−ω−メトキシ−(ポリ)エチレングリコール、α−アクリロイル−ω−メトキシ−(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、α−アクリロイル−ω−ヒドロキシ−エチレングリコール、α−アクリロイル−ω−ヒドロキシ−プロピレングリコール、α−アクリロイル−ω−ヒドロキシ−(ポリ)エチレングリコール、α−アクリロイル−ω−ヒドロキシ−(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、α−メタクリロイル−ω−メトキシ−(ポリ)エチレングリコール、α−メタクリロイル−ω−メトキシ−(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、α−メタクリロイル−ω−ヒドロキシ−(ポリ)エチレングリコール、α−メタクリロイル−ω−ヒドロキシ−(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール等が挙げられる。
R6、R7、R8:水素原子、メチル基又は[―(CH2)pCOOM2]
p:0〜2の整数
M1、M2:水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子の1/2、又は有機アミン
をそれぞれ示している。なお、[―(CH2)pCOOM2]は、COOM1又は他のCOOM2と無水物を形成していてもよく、係る場合はそれらの基においてM1、M2は存在しないものである。
(1)型枠への打込み時のコンクリート温度が25℃以上
(2)型枠への打込み時の日平均気温が25℃以上
コンクリート混和剤として使用されるA成分として、下記表1に示す、構成単位L、構成単位M、及び構成単位Sによって構成された水溶性ビニル共重合体からなる4種類(A−1,A−2,A−3,A−4)を用いた。ここで、A−1〜A−4は、各構成単位L,M,Sの種類及び配合比率がそれぞれ異なるものである。
イオン交換水357.7g、α−メタクリロイル−ω−メトキシ−ポリ(23モル)オキシエチレン284.3g、メタクリル酸68.4g、メタリルスルホン酸ナトリウム7.2g、3−メルカプトプロピオン酸6.5g、30%水酸化ナトリウム水溶液57.0gを温度計、撹拌機、滴下ロート、窒素導入管を備えた反応容器に仕込み、攪拌しながら均一に溶解した後、雰囲気を窒素置換し、反応系の温度を温水浴にて60℃とした。次に20%過硫酸ナトリウム水溶液36.0gを加え重合反応を開始した。2時間後、20%過硫酸ナトリウム水溶液18.0gを加え2時間60℃を維持し、重合反応を終了した。これに30%水酸化ナトリウム水溶液を加えpH7に調整し、イオン交換水にて濃度を25%に調整した。この反応物をA−1とした。
イオン交換水393.9g、α−メタクリロイル−ω−メトキシ−ポリ(9モル)オキシエチレン272.4g、メタクリル酸68.1g、アクリル酸メチル17.9g、3−メルカプトプロピオン酸7.9gを温度計、撹拌機、滴下ロート、窒素導入管を備えた反応容器に仕込み、攪拌しながら均一に溶解した後、雰囲気を窒素置換し、反応系の温度を温水浴にて60℃とした。次に20%過硫酸ナトリウム水溶液35.8gを加え重合反応を開始した。2時間後、20%過硫酸ナトリウム水溶液17.9gを加え2時間60℃を維持し、重合反応を終了した。これに30%水酸化ナトリウム水溶液を加えpH7に調整し、イオン交換水にて濃度を25%に調整した。この反応物をA−2とした。
α−アリル−ω−メトキシ−ポリ(33モル)オキシエチレン360.8g、無水マレイン酸35.7gを温度計、撹拌機、窒素導入管を備えた反応容器に仕込み、攪拌しながら加温して均一に溶解した後、雰囲気を窒素置換し、反応系の温度を温水浴にて80℃とした。次にアゾビスイソブチロニトリル2.0gを加え1時間80℃を維持し、重合反応を開始した。1時間後、アゾビスイソブチロニトリル1.6gを加え3時間80℃を維持し、重合反応を終了した。これに30%水酸化ナトリウム水溶液を加えpH7に調整し、イオン交換水にて濃度を25%に調整した。この反応物をA−3とした。
イオン交換水84.5g、α−(3−メチル−3−ブテニル)−ω−ヒドロキシ−ポリ(113モル)オキシエチレン330.3gを温度計、撹拌機、滴下ロート、窒素導入管を備えた反応容器に仕込み、攪拌しながら均一に溶解した後、雰囲気を窒素置換し、反応系の温度を温水浴にて60℃とした。次に10.0%過酸化水素水溶液19.2gを3.0時間かけて滴下し、それと同時にイオン交換水268.8gにアクリル酸38.4g、ヒドロキシエチルアクリレート15.4gを溶解させた水溶液を3時間かけて滴下し、それと同時にイオン交換15.4gに3−メルカプトプロピオン酸1.9g、アスコルビン酸1.9gを溶解させた水溶液を4.0時間かけて滴下した。その後0.5時間60℃を維持し、重合反応を終了した。これに30%水酸化ナトリウム水溶液を加えpH7に調整し、イオン交換水にて濃度を25%に調整した。この反応物をA−4とした。
装置:Shodex GPC−101(昭和電工製)
カラム:OHpak SB−806M HQ+SB−806M HQ(昭和電工製)
検出器:示差屈折計(RI)
溶離液:50mM硝酸ナトリウム水溶液
流量:0.7mL/分
カラム温度:40℃
試料濃度:試料濃度0.5質量%の溶離液溶液
標準物質:PEG/PEO(アジレント・テクノロジー製)
L−1:α−メタクリロイル−ω−メトキシ−ポリ(23モル)オキシエチレンから形成された構成単位
L−2:α−メタクリロイル−ω−メトキシ−ポリ(9モル)オキシエチレンから形成された構成単位
L−3:α−アリル−ω−メトキシ−ポリ(33モル)オキシエチレンから形成された構成単位
L−4:α−(3−メチル−3−ブテニル)−ω−ヒドロキシ−ポリ(113モル)オキシエチレンから形成された構成単位
L−5:ヒドロキシエチルアクリレートから形成された構成単位
をそれぞれ示すものである。
M−1:メタクリル酸から形成された構成単位
M−2:無水マレイン酸から形成された構成単位
M−3:アクリル酸から形成された構成単位
をそれぞれ示すものである。
S−1:メタリルスルホン酸ナトリウムから形成された構成単位
S−2:アクリル酸メチルから形成された構成単位
をそれぞれ示すものである。
コンクリート混和剤として使用されるB成分として、
B−1:ポールファイン510−AN(竹本油脂製)から調製したナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物水溶液
B−2:アクセリート100(日産化学製)から調製したメラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物水溶液
の2種類を用いた。
コンクリート混和剤として使用されるC成分として、
C−1:スクロース(試薬:キシダ化学製)
C−2:グルコン酸ナトリウム(試薬:キシダ化学製)
C−3:フルクトース(試薬:キシダ化学製)
C−4:マルトース(試薬:キシダ化学製)
C−5:ソルビトール(試薬:キシダ化学製)
の5種類を用いた。
更に、コンクリート混和剤として使用されるD成分として、
D−1:リグニンスルホン酸ナトリウム(試薬:キシダ化学製)
を用いた。
上記説明した4種類のA成分、2種類のB成分、5種類のC成分、及び1種類のD成分を適宜組み合わせ、それぞれ一液化した混和剤No.d−1〜d−19、及び混和剤No.dr−1〜dr−6を調製した。なお、成分の含有量は固形分換算の割合(質量%)である。
上記によって製造されたA成分と、B成分、C成分、及びD成分を、表2〜3に示す含有量となるように混ぜ合わせ、イオン交換水を用いて合計の固形分換算の濃度が25%となるように調製した。
・実施例1〜20及び比較例1〜7
55Lの強制二軸ミキサーに普通ポルトランドセメント(太平洋セメント、密度=3.16)と、骨材として、細骨材(大井川水系砂、密度=2.58)及び粗骨材(岡崎産砕石、密度=2.66)をそれぞれ表4に示す配合で、コンクリート混和剤(d−1〜d−19、dr−1〜dr−6)を用いて、実施例1〜20及び比較例1〜7のコンクリート組成物を調製した(表5〜7参照)。なお、各実施例及び比較例のコンクリート組成物において、市販のAE剤であるAE−300(竹本油脂製)を適宜用い、目標空気量を4.5±1.0%の範囲内、及び、目標スランプを18.0±1.5cmの範囲内となるように添加量の調整を行った。また、コンクリート組成物の調製は35℃環境下で行い、コンクリート組成物の練り上がり温度が35±2℃の範囲内になるように、調製前に各材料を35℃環境下で1日以上保管した。ここで、実施例1〜13及び比較例1〜3は、水/セメント比が50%となる配合を用いて調製したものであり、実施例14〜19及び比較例4〜6は水/セメント比が55%となる配合を用いて調製したものであり、実施例20及び比較例7は水/セメント比が45%となる配合を用いて調製したものである。
調製した各実施例及び比較例のコンクリート組成物について、記述した試験方法に基づいて、スランプ、空気量、及びコンクリート温度を測定した。測定結果を下記の表5〜表7に示す。
混和剤中のC成分における添加量は、混和剤添加量から算出した、セメントに対するC成分の固形分換算割合(セメント×質量%)である。
・スランプ(cm):練混ぜ直後のコンクリート組成物について、JIS−A1101(2005)に準拠して測定した。
・空気量(容積%):練混ぜ直後のコンクリート組成物について、JIS−A1128(2005)に準拠して測定した。
・コンクリート温度(℃):練混ぜ直後のコンクリート組成物について、JIS−A1156(2006)に準拠して測定した。
調製した各実施例及び比較例のコンクリート組成物について、記述した試験方法及び算出式に基づいて、標準養生強度、簡易断熱養生強度及びS値の測定結果を下記の表8〜表10に示す。
・標準養生強度(N/mm2):調製した各実施例及び比較例のコンクリート組成物について、供試体を作製した後、脱型まで乾燥しないように20±3℃の環境下で保存し、脱型後は20±3℃の水中で養生を行った後、JIS−A1108(2018)に準拠して、材齢28日の圧縮強度を測定した。
・簡易断熱養生強度(N/mm2):調製した各実施例及び比較例のコンクリート組成物について、JASS5 T−606(2018)に準拠して、材齢91日の簡易断熱養生における圧縮強度を測定した。
・S値(N/mm2):標準養生強度から簡易断熱養生強度を減じて算出した。
標準養生強度増加量は、各配合のA成分、もしくはA成分及びD成分で構成された基準となる混和剤を用いた水準(配合1であれば比較例1、配合2であれば比較例4、配合3であれば比較例7)に対して、+3.0N/mm2以上のものを“◎”、+3.0N/mm2未満〜0N/mm2超のものを“○”、0N/mm2以下のものを“×”として評価した。
簡易断熱養生強度増加量は、各配合のA成分、もしくはA成分及びD成分で構成された基準となる混和剤を用いた水準(配合1であれば比較例1、配合2であれば比較例4、配合3であれば比較例7)に対して、+6.0N/mm2以上のものを“◎”、+6.0N/mm2未満〜+3.0N/mm2以上のものを“○”、+3.0N/mm2未満〜0N/mm2超のものを“△”、0N/mm2以下のものを“×”として評価した。
S値低減量は、各配合のA成分のみ、またはA成分及びD成分で構成された基準となる混和剤を用いた水準(配合1であれば比較例1、配合2であれば比較例4、配合3であれば比較例7)に対して、−3.0N/mm2以下のものを“◎”、−3.0N/mm2超〜−1.5N/mm2以下のものを“○”、−1.5N/mm2超から0N/mm2以下のものを“△”、及び、0N/mm2超のものを“×”として評価した。
・実施例21〜23及び比較例11
コンクリート混和剤(d−1、dr−1)について、表11に示す環境温度下において、それ以外は試験区分2に示した方法を用いて、実施例21〜23及び比較例11のコンクリート組成物を調製した。また、コンクリート組成物の練り上がり温度が各環境温度に対して±2℃の範囲内になるように、調製前に各材料を所定の環境下で1日以上保管した。調製したコンクリート組成物について、試験区分3、4と同様に、スランプ、空気量、コンクリート温度、標準養生強度、簡易断熱養生強度、及びS値を測定した。測定結果を表11に示す。
・実施例24〜25及び比較例9〜10
コンクリート混和剤(d−1、dr−1)について、3m3強制2軸ミキサーを用いて、25℃環境下において、それ以外は試験区分2と同様の方法を用いて、実施例24〜25及び比較例9〜10のコンクリート組成物を調製した(表12参照)。調製したコンクリート組成物について、試験区分3、4と同様に、スランプ、空気量、コンクリート温度、及び標準養生強度を測定した。また、調製したコンクリート組成物について、JASS5 T−605(2018)に準拠して、表12に示す寸法の模擬部材を作製し、20℃環境下で保管した後、材齢91日のコア供試体の圧縮強度を測定した。なお、各コア供試体は各構造体の柱の中央部から100mm離れた位置で縦方向に構造体1体あたり2か所以上から採取した。
Claims (10)
- 水溶性ビニル共重合体から選ばれる少なくとも1種以上のA成分と、
芳香環を有するアルデヒド縮合物からなるB成分と
を含有し、
前記A成分/前記B成分の質量比が30/1〜1/20の範囲であるコンクリート混和剤(但し、水溶性ビニル共重合体は、下記の化1で示される不飽和単量体から形成された構成単位Lを50〜99質量%と、下記の化2で示される不飽和カルボン酸系単量体から形成された構成単位Mを1〜50質量%の割合で含有し、質量平均分子量が2000〜500000のものを示す)。
- 前記A成分/前記B成分の質量比が18/1〜1/10の範囲である請求項1記載のコンクリート混和剤。
- 前記B成分は、
ナフタレンスルホン酸及び/又はナフタレンスルホン酸塩とホルムアルデヒドとの縮合物、及び/又は、メラミンスルホン酸及び/又はメラミンスルホン酸塩とホルムアルデヒドとの縮合物である請求項1または2記載のコンクリート混和剤。 - 前記B成分は、
ナフタレンスルホン酸及び/又はナフタレンスルホン酸塩とホルムアルデヒドとの縮合物である請求項1または2記載のコンクリート混和剤。 - 下記のC成分を更に含有する請求項1〜4のいずれか一つの項記載のコンクリート混和剤(ここで、C成分は、糖類、及び、オキシカルボン酸及び/またはオキシカルボン酸塩から選ばれる少なくとも一つの成分を示す)。
- 前記C成分は、
スクロース、フルクトース、及びグルコン酸及び/又はグルコン酸塩から選ばれる少なくとも一つである請求項5記載のコンクリート混和剤。 - 請求項1〜6のいずれか一つの項記載のコンクリート混和剤、セメント、水、細骨材、及び粗骨材を含有するコンクリート組成物。
- 前記C成分の前記セメントに対する添加量は、
0.001〜0.2質量%の範囲である請求項7記載のコンクリート組成物。 - 下記の(1)、(2)の少なくともいずれか一つの打込み時の条件を満たす請求項7または8記載のコンクリート組成物の打込み方法。
(1)型枠への打込み時のコンクリート温度が25℃以上
(2)型枠への打込み時の日平均気温が25℃以上 - 請求項7または8記載のコンクリート組成物を含有することを特徴とするマスコンクリート。
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