JP3022337B2 - 合成樹脂発泡成形品の成形金型及び成形方法 - Google Patents

合成樹脂発泡成形品の成形金型及び成形方法

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JP3022337B2
JP3022337B2 JP8214200A JP21420096A JP3022337B2 JP 3022337 B2 JP3022337 B2 JP 3022337B2 JP 8214200 A JP8214200 A JP 8214200A JP 21420096 A JP21420096 A JP 21420096A JP 3022337 B2 JP3022337 B2 JP 3022337B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成樹脂発泡成形
品、特に軟質ポリウレタンフォーム等の連通気泡構造を
有する合成樹脂発泡成形品を成形する金型及びこの金型
を用いて合成樹脂発泡成形品を成形する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
図5に示すような自動車用シートバックパッドを軟質ポ
リウレタンフォームにて形成することが行われている。
このパッド100は、表面部101と周側部102と裏
面部103とが一体成形され、裏面部103に開放部1
04が形成されて、該裏面部が逆U字状をなす、袋形状
を有するものであるが、このような袋状のパッド100
をモールド成形する場合、従来は図6及び7に示すよう
な金型51を用いて成形することが行われている。即
ち、この金型51は、下型52と上型53と中子型54
とからなる3つ割り金型で、下型52と中子型54との
間に表面部及び周側部形成用キャビティ55a,55b
を形成すると共に、上型53と中子型54との間に裏面
部形成用キャビティ56a,56bを形成し、上記キャ
ビティ55a,55b,56a,56b内に軟質ポリウ
レタンフォーム発泡成形材料を供給し、型締めして、該
成形材料を発泡させ、成形品を得るものである。
【0003】この場合、上記図5に示すようなパッドを
成形するに際しては、パッド100の裏面部103上部
のトップパッド部103aと称される部分を成形するた
め、図6,7において、該トップパッド部を形成するキ
ャビティ56aの最奥部まで成形材料を充填する必要が
ある。このため、成形材料を上記キャビティ55a,5
5b,56a,56bに本来の供給量よりも若干過剰量
で注入して、型内の発泡圧力を高めることが一般的に行
われている方法である。
【0004】しかしながら、このような方法は、 成形材料が、本来必要とする量よりも余分に必要であ
る、 成形材料をこのようにキャビティ内に余分に供給する
ことで、反応ガスの発生も多くなり、特に図5に示すよ
うなシートバックパッド成形品のような複雑な形状の成
形品を成形すると、不良品の発生割合も高くなる、 金型内の発泡圧力を高めると、図8に示すように、金
型の割り位置(パーティング部)から得られた成形品1
05にバリ106が多く生じるので、脱型後に余分な工
数をかけて補修、仕上げを行う必要がある等の問題があ
る。
【0005】一方、クッションパッド等の自動車用内装
材をポリウレタンフォーム発泡成形材料にて成形する場
合、キャビティ部の気圧を調整する方法が提案されてい
る(実開昭58−60418号公報)。
【0006】この方法は、下型と中子型とで成形品の成
形用キャビティを形成すると共に、これら下型、中子型
を覆い被せるように上型を設置し、かつ中子型と上型と
で気圧調整室(チャンバー部)を形成し、中子型にこの
チャンバー部と上記キャビティとを連通するベントホー
ルを形成し、このベントホールを介してキャビティ内の
空気をチャンバー部に排出するようにしたものである。
【0007】しかし、この方法は、下型、中子型、上型
を用いるといっても、下型と中子型とで成形品の成形用
キャビティを形成し、従って成形品は下型と中子型とだ
けから成形され、上型はただ中子型との間にチャンバー
部を形成するだけであるので、本質的には2つ割型であ
り、それ故、図5に示すようなトップパッド部103a
を有するような袋形状の成形品は成形できない。このた
め、図5に示すような袋形状の成形品は依然として図
6,7に示すような3つ割型の金型を使用して成形する
ことが必要である。同様にアンダーカット形状の厳しい
成形品の場合も、上記実開昭58−60418号公報の
方法は採用し難いものである。
【0008】また、この実開昭58−60418号公報
の方法は、比較的単純な形状をしたパッドを成形した場
合は、パーティング部付近にエア溜りが発生し、成形品
の不良率が非常に多くなるという問題があり、更にキャ
ビティのチャンバー部との間の圧力の調整がベントホー
ルを介してでしかできないので、ベントホールを大きく
したり、多く設けなければならず、このため局部的に空
気が抜けるためにフォームの発泡バランスが崩れる上、
成形後にベントホールに入ったバリの掃除を行うことが
面倒であるという問題がある。
【0009】更に、特公平7−102583号公報に
は、型のキャビティの気圧を低くする工程と、ポリオー
ル成分100重量部に対して発泡成分としての水0.1
〜0.6重量部を混合したポリウレタン材料を、前記キ
ャビティ内に注入して発泡させることにより流動及び充
満させる工程とを含むポリウレタン発泡体の成形方法が
開示されている。しかし、この方法は、型のキャビティ
の気圧を低くする工程においては、型を構成する少なく
とも二つの分割型の型閉時に生じるPL面間の隙間から
キャビティを真空吸引するものであり、型のPL面の周
囲は空間部を介して取り囲まれ、該空間部を減圧するこ
とによりPL面間の隙間からキャビティを真空吸引する
ものであるので、上記PL面間の隙間からバリが生じ易
いという問題がある。
【0010】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、自動車用シートバックパッド等のクッションパッ
ド、その他の自動車用内装材などの合成樹脂発泡成形品
を高発泡倍率でかつ低密度でバリ発生を可及的に少なく
して歩留り良く、しかも効率良く成形することができる
合成樹脂発泡成形品の成形金型及び成形方法を提供する
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、 (1)下型と、この下型の開放部を覆って着脱可能に配
設され、下型との間に密閉空間を形成する上型と、上記
密閉空間内に着脱可能に配設された中子型とを具備し、
上記中子型上面に上記上型との間に0.05〜2mmの
微小隙間を有するように枠状の区画壁を突設し、中子型
上面と上型との間に上記区画壁によって区画されたチャ
ンバー部を形成すると共に、このチャンバー部外の上記
密閉空間を合成樹脂発泡成形品用材料が供給されるキャ
ビティとする金型本体と、上記チャンバー部内の空気を
排出してチャンバー部内を減圧にする圧力調整装置とを
備え、上記チャンバー部内の空気を排出する際、上記上
型と枠状の区画壁との間に形成された微小隙間を介して
キャビティ内の空気を排出するよう構成したことを特徴
とする合成樹脂発泡成形品の成形金型。 (2)合成樹脂発泡成形品が軟質ポリウレタンフォーム
成形品である(1)記載の成形金型。 (3)上記区画壁の前壁部が中子型の上面先端部と離間
した位置に設けられ、この中子型先端部から区画壁の前
壁部に至る中子型上面と上型との間にトップパッド部成
形用キャビティが形成された軟質ポリウレタンフォーム
製自動車用パッド部成形用金型である(2)記載の金
型。 (4)下型と、この下型の開放部を覆って着脱可能に配
設され、下型との間に密閉空間を形成する上型と、上記
密閉空間内に着脱可能に配設された中子型とを具備し、
上記中子型上面に上記上型との間に0.05〜2mmの
微小隙間を有するように枠状の区画壁を突設し、中子型
上面と上型との間に上記区画壁によって区画されたチャ
ンバー部を形成すると共に、このチャンバー部外の上記
密閉空間を合成樹脂発泡成形品用材料が供給されるキャ
ビティとする金型本体と、上記チャンバー部内の空気を
排出してチャンバー部内を減圧にする圧力調整装置とを
備えた金型を使用し、上記キャビティ内に合成樹脂発泡
成形品用材料を大気圧下に供給し、金型を閉じた後、上
記圧力調整装置の作動により上記チャンバー部内の空気
を排出すると共に、上記上型と枠状の区画壁との間に形
成された微小隙間を介して上記キャビティ内の空気を排
出してキャビティ内を減圧にし、上記合成樹脂発泡成形
品用材料を発泡、成形することを特徴とする合成樹脂発
泡成形品の成形方法。 (5)合成樹脂発泡成形品が軟質ポリウレタンフォーム
成形品である(4)記載の成形方法。 (6)成形金型が、中子型の上面先端部と離間した位置
に区画壁の前壁部を設け、この中子型先端部から区画壁
の前壁部に至る中子型上面と上型との間にトップバッド
部成形用キャビティが形成された自動車用シートパッド
成形用金型であり、軟質ポリウレタンフォーム製自動車
用シートパッドを成形するようにした(5)記載の成形
方法を提供する。
【0012】本発明の成形金型及び成形方法は、合成樹
脂発泡成形品用材料を大気圧下に金型キャビティ内に注
入後、金型キャビティ内を減圧にして合成樹脂発泡成形
品用材料を減圧下で発泡、成形するので、発泡倍率が向
上し、材料の供給量を少なくしてキャビティに供給して
より低密度の発泡成形体を成形することができると共
に、金型内が低圧になるため、バリの発生も少なく、特
に上述した(1),(3)の構成の下型、上型、中子型
からなる金型を使用することで、図5の自動車用シート
バックパッドのような形状の複雑なものでも歩留り良
く、従来品に比べてより軽量にして製造することがで
き、上述したようにバリも非常に少なく又はバリ発生を
なくすこともできるので、仕上げ、修理工程を大幅に減
少することが可能であり、上記実開昭58−60418
号公報の従来技術の欠点が克服され、特に軟質ポリウレ
タンフォーム等の連通気泡構造の発泡成形品を得る場合
に好適である。
【0013】
【発明の実施の形態及び実施例】本発明の合成樹脂発泡
成形品の成形方法は、特に軟質ポリウレタンフォーム等
の連通気泡構造或いは独立気泡構造を有する合成樹脂発
泡成形品の成形に好適に採用され、図5に示すトップパ
ッド部103aを有する袋形状のシートバックパッド等
の自動車用クッションパッド、その他の自動車用内装材
を成形する場合に有効である。以下、図1,2を参照し
て図5に示す袋形状のシートバックパッドを成形する方
法について詳述する。
【0014】図1,2は本発明の一実施例に係る金型を
示すものであり、図1,2において、金型本体1は下型
2と上型3と中子型4と3つ割構造に形成されている。
上型3は下型2の上端開放部を覆って着脱可能に配設さ
れていると共に、これら下型2と上型3とによって形成
される密閉空間5内に中子型4が着脱可能に配設されて
いる。
【0015】この中子型4の上面には、枠状の区画壁6
が一体に突設されている。この場合、この区画壁6は、
前側の壁部6aが中子型4の先端部から所定距離離間し
た位置に設けられ、後側の壁部6bが中子型4の後端部
に設けられ、両側部6cがそれぞれ中子型4の側端部よ
り内側に存して設けられている。そして、上記中子型4
の上面と上型3下面との間に上記区画壁6によって区画
されたチャンバー部7が形成されていると共に、上記密
閉空間5のチャンバー部7以外の空間がキャビティ8と
して形成されている。即ち、このキャビティ8は、上記
中子型4下面と下型2上面との間に形成された表面部成
形用キャビティ8aと、中子型4の両側下縁部に一体に
設けられた垂下部4a外側面と下型2内側面との間に形
成された周側部成形用キャビティ8bと、中子型4の上
面と上型3の下面との間に形成された裏面部成形用キャ
ビティ8c,8dが形成されており、この場合、上記中
子型4の先端部から区画壁6の前壁部6aに至る中子型
4上面と上型3との間がトップパッド部成形用キャビテ
ィ8cとして形成されている。
【0016】また、上記中子型4は、エアシリンダー9
によって上記密閉空間5内に上下方向移動可能に配設さ
れ、所定位置に保持されるようになっていると共に、図
示していないが、上型3はフレームに固定され、エアバ
ック等の適宜な手段で下型2が上型3に対し装着、脱離
するようになっている。
【0017】この場合、上記下型2と上型3とのパーテ
ィング部にはパッキン10が介装されて、下型2と上型
3とは気密状態に型締めされ、従って該パーティング部
における空気の入出が遮断されるようになっている。
【0018】また、図1に示す下型2に上型3及び中子
型4がセットされた状態において、中子型4の区画壁6
上端面と上型下面との間には微小隙間11が形成され、
この微小隙間11を介してチャンバー部7とキャビティ
8とが連通し、空気の流通が可能となるように構成され
ている。
【0019】ここで、上記中子型4の上面には、エアシ
リンダー9を取り囲むように隔離壁12が突設され、か
つこの隔離壁12上端部と上型3下面との間にはパッキ
ン13を介装して、エアシリンダー周りからチャンバー
部7内への空気の出入が遮断されている。
【0020】21は圧力調整装置であり、これは上記チ
ャンバー部7内と連通する空気流通孔22を有する連結
部材23を有する。そして、この連結部材23の空気流
通孔22には、排気弁24を介装する排気用管25及び
吸気弁26を介装する吸気管27の一端がそれぞれ連結
されている。また、上記吸気管27の他端は真空ポンプ
28に連結されている。29は制御部で、この制御部2
9からの指令により吸気弁26が開き、排気弁24が閉
じ、真空ポンプ28がチャンバー部7内の空気を吸引す
るように作動し、或いは吸気弁26が閉じ、排気弁24
が開き、外部の空気が排気弁24を通ってチャンバー部
7内に流入するように作動するものである。この場合、
上記チャンバー部7内の圧力を検知する圧力センサー3
0がリード線31を介して上記制御部29に接続され、
この圧力センサー30からの信号で上記制御部29によ
る真空ポンプ28の作動、排気弁24、吸気弁26の開
閉が行われるようになっている。従って、制御部29か
らの指令で吸気弁26を開き、排気弁24を閉じると共
に、真空ポンプ28を作動させることにより、チャンバ
ー部7内の空気が排気され、チャンバー部7内が減圧に
なると共に、上記中子型4の区画壁6と上型3との間に
形成された微小隙間11を通って上記キャビティ8内の
空気がチャンバー部7内から外部に排気され、減圧され
るようになっている。また、真空ポンプ28の作動を停
止し、排気弁24を開くと共に、吸気弁26を閉じるこ
とにより、上記チャンバー部7内、更には上記微小隙間
11を介して上記キャビティ8内が大気圧に戻されるよ
うになっている。
【0021】上記金型を使用して図5に示すような成形
品を軟質ポリウレタンフォームにて成形する場合は、図
1,2に示すように上型3に中子型4をセットし、下型
2をセットしていない状態で軟質ポリウレタンフォーム
発泡成形材料を下型2内に導入する。次いで、下型2を
セットし、吸気弁26を開き、排気弁24を閉じると共
に、真空ポンプ28を作動させる。これによりチャンバ
ー部7内の空気及び上記微小隙間11を介してキャビテ
ィ8内の空気が外部に排出され、減圧にされる。チャン
バー部7内が所定の減圧度になったことを圧力センサー
30が検知した場合、制御部29からの指令によりこの
減圧度に維持されるように真空ポンプ28及び排気弁2
4、吸気弁26の作動が制御される。即ち、所定の設定
値より圧力が高いと吸気弁26が開いて空気を排出し、
設定値より圧力が下がりすぎた場合は排気弁24が開い
て空気を供給するようになっている。
【0022】このように減圧下で成形材料を発泡、成形
した後、上型3及び中子型4を下型2から取りはずす。
【0023】以上のように下型2から上型3、中子型4
を取りはずした後、成形品を脱型する。
【0024】ここで、上記のようにキャビティ8内を減
圧するものであるが、大気圧からの減圧度は10〜50
0mmHg、より好ましくは100〜300mmHgで
あり、この減圧度合で発泡成形品の低密度化度合が変わ
るものである。
【0025】また、上記微小隙間11は、0.05〜2
mm、より好ましくは0.05〜0.5mm、更に好ま
しくは0.05〜0.2mmであることが好ましい。
【0026】図3,4は本発明に用いる他の金型を示す
もので、これは自動車用フロントクッションパッドを形
成し得るものであり、この金型は、キャビティ8が実質
的に下型2と中子型4との間に形成され、図1,2に示
すような裏面部成形用キャビティを有さない以外は図
1,2の金型と同様であり、またこの金型を用いた合成
樹脂発泡成形品を成形する方法も同様であるため、図
1,2と同一構成部品に同一の参照符号を付してその説
明を省略する。
【0027】次に、具体的な実施例を示す。 〔実施例1〕図1,2に示す金型を使用し、自動車用フ
ロントバックパッドを成形した。この場合、真空ポンプ
としては吸引力235L/minの能力のドライポンプ
(オリオン社製KRX−3SS)を使用し、排気弁及び
吸気弁としては高真空用電磁弁(使用圧力範囲10-8
orr〜2kgf/cm2、CKD HVB形)を使用
し、圧力センサーとしては−0.5〜0.5kgf/c
2までの圧力レンジを持つ圧力トランスミッター(長
野計器社製KH25)を使用した。また、上記微小隙間
11は0.1mm程度とした。なお、金型のキャビティ
容積は28.7リットルであり、ポリウレタンフォーム
発泡成形材料としては(株)ブリヂストン製のバック用
汎用HRフォーム処方を用いた。この成形材料は、金型
を用いずにフリー発泡させた場合に密度0.035g/
cm3のフォームが得られる。
【0028】まず、従来金型でキャビティ内を減圧にせ
ず、大気下で1300gの成形材料を注入して発泡、成
形した。この結果、密度0.042g/cm3のフォー
ム成形品が得られたが、これより密度の小さいフォーム
成形品は得られなかった。また、成形品は下型と上型と
のパーティング部から硬化したバリがかなり発生してい
た。
【0029】次に、図1,2に示す金型でキャビティ内
の圧力を100mmHg下げ、この状態で成形材料11
00gの発泡、成形を行った。その結果、密度が0.0
38g/cm3のフォーム成形品が得られ、この成形品
には殆んどバリは生じなかった。
【0030】更に、キャビティ内の圧力を300mmH
g下げ、この状態で成形材料970gの発泡、成形を行
った結果、密度が0.030g/cm3のフォーム成形
品が得られ、しかも成形品にバリは全く生じなかった。
【0031】〔実施例2〕図3,4の金型を用いて自動
車用フロントクッションパッドを上記実施例と同様に成
形した。この場合、真空ポンプ、排気弁、吸気弁、圧力
センサーは実施例1と同様のものを用いた。また、上型
と中子型との間の隙間11は全周に亘って0.1mm程
度とした。なお、金型のキャビティ容積は28リットル
であり、ポリウレタンフォーム発泡成形材料としては
(株)ブリヂストン製のクッション用高反発配合処方を
用いた。この成形材料は、金型を用いずにフリー発泡さ
せた場合に密度0.042g/cm3のフォームが得ら
れる。
【0032】まず、従来金型でキャビティ内を減圧にせ
ず、大気下で1500gの成形材料を注入し、発泡、成
形した。この結果、密度0.050g/cm3(オーバ
ーオール)のフォーム成形品が得られたが、これより密
度の小さいフォーム成形品は得られず、クッションパッ
ド裏面にエア溜りが発生してしまった。また、0.05
0g/cm3以上の密度の成形品は下型と上型とのパー
ティング部から硬化したバリがかなり発生していた。
【0033】次に、図3,4に示す金型でキャビティ内
の圧力を100mmHg下げ、この状態で成形材料13
20gの発泡、成形を行った。その結果、密度が0.0
45g/cm3のフォーム成形品が得られ、この成形品
には殆んどバリは生じなかった。
【0034】更に、キャビティ内の圧力を200mmH
g下げ、この状態で成形材料1180gの発泡、成形を
行った結果、密度が0.040g/cm3のフォーム成
形品が得られ、しかも成形品にバリは全く生じなかっ
た。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、自動車用シートバック
パッド等のクッションパッド、その他の自動車用内装材
などの合成樹脂発泡成形品を高発泡倍率でかつ低密度で
バリ発生を可及的に少なくして歩留り良く、しかも効率
良く成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフロントバックパッド用金型の構造の
一例を示す概略側断面図である。
【図2】本発明のフロントバックパッド用金型の構造の
一例を示す概略横断面図である。
【図3】本発明のフロントクッションパッド用金型の構
造の一例を示す概略側断面図である。
【図4】本発明のフロントクッションパッド用金型の構
造の一例を示す概略横断面図である。
【図5】フロントバックパッド製品の形状の一例を示す
斜視図である。
【図6】従来のフロントバックパッド用金型の構造の一
例を示す概略側断面図である。
【図7】従来のフロントバックパッド用金型の構造の一
例を示す概略横断面図である。
【図8】上記図6,7の金型を使用して得たウレタンフ
ォーム成形品のバリ発生状況を示す概略横断面図であ
る。
【符号の説明】
1 金型本体 2 下型 3 上型 4 中子型 5 密閉空間 6 区画壁 6a 壁部 6b 壁部 6c 両側部 7 チャンバー部 8 キャビティ 8a 表面部成形用キャビティ 8b 周側部成形用キャビティ 8c,8d 裏面部成形用キャビティ 9 エアシリンダー 10 パッキン 11 微小隙間 12 隔離壁 13 パッキン 21 圧力調整装置 22 空気流通孔 23 連結部材 24 排気弁 25 排気用管 26 吸気弁 27 吸気管 28 真空ポンプ 29 制御部 30 圧力センサー 31 リード線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−132311(JP,A) 実開 昭58−60418(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 39/00 - 39/44 B29C 33/00 - 33/76

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下型と、この下型の開放部を覆って着脱
    可能に配設され、下型との間に密閉空間を形成する上型
    と、上記密閉空間内に着脱可能に配設された中子型とを
    具備し、上記中子型上面に上記上型との間に0.05〜
    2mmの微小隙間を有するように枠状の区画壁を突設
    し、中子型上面と上型との間に上記区画壁によって区画
    されたチャンバー部を形成すると共に、このチャンバー
    部外の上記密閉空間を合成樹脂発泡成形品用材料が供給
    されるキャビティとする金型本体と、上記チャンバー部
    内の空気を排出してチャンバー部内を減圧にする圧力調
    整装置とを備え、上記チャンバー部内の空気を排出する
    際、上型と枠状の区画壁との間に形成された上記微小隙
    間を介してキャビティ内の空気を排出するよう構成した
    ことを特徴とする合成樹脂発泡成形品の成形金型。
  2. 【請求項2】 合成樹脂発泡成形品が軟質ポリウレタン
    フォーム成形品である請求項1記載の成形金型。
  3. 【請求項3】 上記区画壁の前壁部が中子型の上面先端
    部と離間した位置に設けられ、この中子型先端部から区
    画壁の前壁部に至る中子型上面と上型との間にトップパ
    ッド部成形用キャビティが形成された軟質ポリウレタン
    フォーム製自動車用パッド部成形用金型である請求項2
    記載の金型。
  4. 【請求項4】 下型と、この下型の開放部を覆って着脱
    可能に配設され、下型との間に密閉空間を形成する上型
    と、上記密閉空間内に着脱可能に配設された中子型とを
    具備し、上記中子型上面に上記上型との間に0.05〜
    2mmの微小隙間を有するように枠状の区画壁を突設
    し、中子型上面と上型との間に上記区画壁によって区画
    されたチャンバー部を形成すると共に、このチャンバー
    部外の上記密閉空間を合成樹脂発泡成形品用材料が供給
    されるキャビティとする金型本体と、上記チャンバー部
    内の空気を排出してチャンバー部内を減圧にする圧力調
    整装置とを備えた金型を使用し、上記キャビティ内に合
    成樹脂発泡成形品用材料を大気圧下に供給し、金型を閉
    じた後、上記圧力調整装置の作動により上記チャンバー
    部内の空気を排出すると共に、上記上型と枠状の区画壁
    との間に形成された微小隙間を介して上記キャビティ内
    の空気を排出してキャビティ内を減圧にし、上記合成樹
    脂発泡成形品用材料を発泡、成形することを特徴とする
    合成樹脂発泡成形品の成形方法。
  5. 【請求項5】 合成樹脂発泡成形品が軟質ポリウレタン
    フォームである請求項4記載の成形方法。
  6. 【請求項6】 成形金型が、中子型の上面先端部と離間
    した位置に区画壁の前壁部を設け、この中子型先端部か
    ら区画壁の前壁部に至る中子型上面と上型との間にトッ
    プバッド部成形用キャビティが形成された自動車用シー
    トパッド成形用金型であり、軟質ポリウレタンフォーム
    製自動車用シートパッドを成形するようにした請求項5
    記載の成形方法。
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