JPH11226960A - 合成樹脂発泡成形品の製造方法 - Google Patents

合成樹脂発泡成形品の製造方法

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JPH11226960A
JPH11226960A JP5276298A JP5276298A JPH11226960A JP H11226960 A JPH11226960 A JP H11226960A JP 5276298 A JP5276298 A JP 5276298A JP 5276298 A JP5276298 A JP 5276298A JP H11226960 A JPH11226960 A JP H11226960A
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JP
Japan
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chamber
mold
pressure
cavity space
piston
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Application number
JP5276298A
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English (en)
Inventor
Yutaka Hirata
豊 平田
Takashi Niimi
高志 新美
Masaaki Zenba
正顕 善場
Teruo Iwai
照夫 岩井
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 下型と、この下型の開放部を覆うことに
より下型との間に密閉キャビティ空間を形成する上型と
を具備し、これら上下型が互いに着脱可能に配設された
金型本体の上記キャビティ空間内に合成樹脂発泡成形品
用材料を供給してこれを発泡、成形する合成樹脂発泡成
形品の製造方法において、上記キャビティ空間内で上記
材料を発泡させ、ゲル化を終了させた後、このキャビテ
ィ空間内の圧力を降下させてゲル化が終了した発泡品の
気泡を連通化させ、その後成形品を脱型することを特徴
とする合成樹脂発泡成形品の製造方法。 【効果】 本発明によれば、自動車用内装材などの連通
気泡を有する合成樹脂発泡成形品を、成形効率良く、設
備及び生産コストを安くして成形することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成樹脂発泡成形
品、特に軟質ポリウレタンフォーム等の連通気泡構造を
有する合成樹脂発泡成形品を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
ウレタンモールド品(HR工法)は、金型から脱型した
後にクラッシングと呼ばれる工程により、独立気泡にな
っているセル膜を破って連通化させる必要がある。クラ
ッシングをせずにフォームを放置しておくと、変形や収
縮を起こしてしまい、例えば、図3に示されるように、
5分程度加熱した成形品aの脱型直後の形状が良好
(A)であっても、この内部は半独立気泡となっている
ため、そのまま何もせずに放置すると、シュリンクと呼
ばれるいわゆる“反り”が発生する(B)ため製品とし
て成り立たない。
【0003】このような、シュリンクを回避するため
に、一般的には、例えばローラークラッシュ、真空クラ
ッシュなどのクラッシング方法が採用されており、前者
は、図4に示されるように、互いに対向状態に設けられ
た複数のローラーbの間に、金型より脱型した合成樹脂
発泡成形品aを矢印方向に通し、上記ローラーbにより
成形品aを押しつぶすことによって、成形品内部のセル
膜を破壊する方法であり、後者は、成形した合成樹脂発
泡成形品の独立気泡のセル膜を真空下にて破壊する方法
である。
【0004】しかしながら、これらのクラッシング方法
は、いずれも、予め独立気泡を有する成形品を成形した
後に、クラッシング工程にて破泡を行うものであり、成
形した成形品を金型から脱型したものに対し、クラッシ
ング工程を独立して設けたり、設備が多く必要になるな
ど、生産効率が悪く、設備コスト、生産コストがかかる
という問題を有している。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、自動車用内装材などの連通気泡を有する合成樹脂発
泡成形品を効率良く、設備及び生産コストを削減し、簡
単かつ確実に合成樹脂発泡成形品を得ることができる合
成樹脂発泡成形品の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、(1)下型と、この下型の開放部を覆うこ
とにより下型との間に密閉キャビティ空間を形成する上
型とを具備し、これら上下型が互いに着脱可能に配設さ
れた金型本体の上記キャビティ空間内に合成樹脂発泡成
形品用材料を供給してこれを発泡、成形する合成樹脂発
泡成形品の製造方法において、上記キャビティ空間内で
上記材料を発泡させ、ゲル化を終了させた後、このキャ
ビティ空間内の圧力を降下させてゲル化が終了した発泡
品の気泡を連通化させ、その後成形品を脱型することを
特徴とする合成樹脂発泡成形品の製造方法、(2)上記
キャビティ空間内を大気圧より減圧にして上記材料を発
泡させ、ゲル化を終了させた後、このキャビティ空間内
を上記減圧度より更に減圧してゲル化が終了した発泡品
の気泡を連通化させるようにした(1)記載の製造方
法、(3)上記上型に開孔部を形成すると共に、この開
孔部を覆って上型上に有頭筒状のチャンバー部材を気密
状態に取り付け、かつ先端部が上記開孔部内に挿入され
た際、その外周壁面と上記開孔部壁面との間に上記チャ
ンバー部材内のチャンバー室と連通する微小間隙を形成
するピストンと、このピストンを上下方向に移動させる
と共に、常時はピストン先端面を上型下面位置に定置さ
せるピストン駆動装置とを上記チャンバー室内に設け、
このチャンバー室内の圧力を制御する圧力調整装置を配
設し、上記チャンバー室内の圧力を低下することによ
り、上記微小間隙を介してチャンバー室と連通するキャ
ビティ空間内を減圧するようにした(1)又は(2)記
載の製造方法、(4)上記ピストン駆動装置が、上型に
取り付けられた固定用台座に固定された上下端面が閉塞
された筒状のシリンダーを有し、上記ピストンの軸がこ
のシリンダーの上下端面を気密に貫通して上下方向移動
可能に配設されると共に、上記ピストンの軸に上記シリ
ンダー内に存して外周壁面がシリンダー内周壁面に摺接
し、上記シリンダー内を上部室と下部室とに仕切る区画
板を固定し、かつ上記シリンダーの上側部及び下側部に
それぞれ上記上部室及び下部室に空気を通気するエアー
管を連結して、上記上部室及び下部室における空気圧を
調整することにより、上記ピストンを上下動させ又はピ
ストン先端面を上型下面位置に定置させるようにした
(1),(2)又は(3)記載の製造方法、(5)合成
樹脂発泡成形品が軟質ポリウレタンフォーム成形品であ
る(1)乃至(4)のいずれか1項記載の製造方法を提
供する。
【0007】本発明によれば、ゲル化が終了した後に、
キャビティ空間内の圧力を降下させることにより、ゲル
化が終了した発泡品の独立気泡状のセル膜が破泡して連
通化するので、従来のような金型を脱型してからクラッ
シングを行ったり、真空装置のように設備を増やす必要
がないため、成形効率が向上し、設備コストや生産コス
トを削減することができる。
【0008】この場合、ゲル化終了後の圧力降下とは別
個に合成樹脂発泡成形品用材料を大気圧下に金型キャビ
ティ空間内に注入後、金型キャビティ空間内を減圧にし
て合成樹脂発泡成形品用材料を減圧下で発泡、成形させ
ることにより、発泡倍率が向上し、材料の供給量を少な
くしてキャビティ空間内に供給してより低密度の発泡成
形体を成形することができると共に、金型内が低圧にな
るため、バリの発生も少なく、従来品に比べてより軽量
にして製造することができ、上述したようにバリも非常
に少なく又はバリ発生をなくすこともできるので、仕上
げ、修理工程を大幅に減少することが可能であり、また
(3),(4)の方法の場合には、上記ピストン先端部
の外周壁面と開孔部周壁面との間隙にバリが侵入、形成
されていても、ピストンを下降又は上昇して開孔部を開
口することができるので、バリの掃除を容易に行うこと
ができ、特に軟質ポリウレタンフォーム等の連通気泡構
造の発泡成形品を得る場合に好適である。
【0009】
【発明の実施の形態及び実施例】本発明の合成樹脂発泡
成形品の製造方法は、特に、軟質ポリウレタンフォーム
等の連通気泡構造を有する合成樹脂発泡成形品の成形に
好適に採用され、自動車用クッションパッド、その他の
自動車用内装材を成形する場合に有効である。以下、図
1,2を参照して本発明の実施態様を具体的に説明す
る。
【0010】図1は本発明の実施に用いる金型の一例を
示すものであり、図1において、金型本体1は、凹状の
下型2と、その上端開放部を覆って配設される上型3と
を具備し、上記下型2と上型3とは互いに着脱可能に設
けられる。なお、上型3をフレームに固定し、エアバッ
ク等の適宜な手段で下型2を上型3に対し装着、脱離さ
せることが好適である。下型2と上型3とが図1に示す
ように結合した状態において、内部にキャビティ空間4
が形成される。なお、5は下型2と上型3との間に介装
されたリング状パッキンであり、このパッキン5の介装
により、下型2と上型3とのパーティング部は気密に保
持される。
【0011】上記上型3には、上端部から下端部に向か
うに従い漸次大径に形成された円錐台状の開孔部6が形
成されていると共に、上型3上面に上記開孔部6を覆っ
て有頭円筒状のチャンバー部材7がその下端面にリング
状パッキン7aを介装することにより気密に取り付けら
れている。上記チャンバー部材7内はチャンバー室8と
され、このチャンバー室8内の上型3上面には、上記開
孔部6の上縁部に存して断面L字状の2個の固定用台座
9,9が互いに所定間隔を存して固定されていると共
に、これら台座9,9間に上下端面が閉塞された円筒状
のシリンダー10が配設され、このシリンダー10の下
部が上記台座9,9に固定されている。
【0012】11はピストンで、その上端面中央部には
ピストン軸12が突設されている。このピストン軸12
は、図2に示すようにその上端部が上記シリンダー10
の下端面及び上端面をそれぞれ気密に貫通して上端面よ
り上方に上下動可能に突出している。なお、図中13,
14はそれぞれ軸受である。上記ピストン軸12には、
そのシリンダー10内に存してリング状の区画板15が
固定されており、この区画板15の外周面はリング状パ
ッキン16を介してシリンダー10の内周面に摺接され
ており、この区画板15の配設により、上記シリンダー
10内が互いに気密状態とされた上部室17と下部室1
8とに仕切られている。そして、上記シリンダー10の
上側部及び下側部には、それぞれ上記上部室17及び下
部室18に加圧空気を導入、排出するエアー管19,2
0の一端が連結されている。これらエアー管19,20
の他端はそれぞれ上記チャンバー部材7を気密に貫通
し、図示していないがコンプレッサー等の空気供給排出
装置に連結されており、この空気供給排出装置の作動に
より、上記上部室17及び下部室18内の空気圧が調節
され、上記区画板15を上下動させ、あるいは所定位置
に停止させ、これと一体にピストン軸12及びその先端
部(下端部)に連結されたピストン11を上下動させ、
あるいは所定位置に停止させるようになっている。
【0013】ここで、上記ピストン11は、常時は上記
開孔部6内に位置しており、ピストン11の先端面(下
端面)が上型3の該開孔部6周囲の下面位置に定置され
るように上記上部室17及び下部室18の空気圧が調節
される。この場合、ピストン11は、上記開孔部6の形
状に対応し、該開孔部6より若干小径の円錐台状に形成
され、ピストン11が開孔部6内に挿入された状態にお
いて、ピストン11の外周壁面と開孔部6の周壁面との
間に微小間隙Sが形成されるようになっており、これに
よりこの微小間隙S及び上記両台座9,9間の隙間を介
して上記キャビティ空間4が上記チャンバー室8と連通
するようになっている。また、上記ピストン軸12は、
シリンダー10の下端面位置より下側が下端部に向かう
に従い漸次大径に形成されており、これによりピストン
11は、図2に示したピストン11下端面が上型3下面
位置に定置された状態より上昇することが係止されてお
り、上記上部室17内の空気圧を下部室18内の空気圧
より大きくすることによって、図1中一点鎖線で示した
ように、ピストン11が下降し、開孔部6が開口するよ
うになっている。
【0014】21は圧力調整装置であり、これは上記チ
ャンバー室8内と連通する空気流通孔22を有する連結
部材23を有する。そして、この連結部材23の空気流
通孔22には、排気弁24を介装する排気用管25及び
吸気弁26を介装する吸気管27の一端がそれぞれ連結
されている。また、上記排気用管25の他端は真空ポン
プ28に連結されている。29は制御部で、この制御部
29からの指令により吸気弁26が閉じ、排気弁24が
開き、真空ポンプ28がチャンバー室8内の空気を吸引
するように作動し、或いは吸気弁26が開き、排気弁2
4が閉じ、外部の空気が吸気管27を通ってチャンバー
室8内に流入するように作動するものである。この場
合、上記チャンバー室8内の圧力を検知する圧力センサ
ー30がリード線31を介して上記制御部29に接続さ
れ、この圧力センサー30からの信号で上記制御部29
による真空ポンプ28の作動、排気弁24、吸気弁26
の開閉が行われるようになっている。従って、制御部2
9からの指令で吸気弁26を閉じ、排気弁24を開ける
と共に、真空ポンプ28を作動させることにより、チャ
ンバー室8内の空気が排気され、チャンバー室8内が減
圧になると共に、上記微小間隙Sを通って上記キャビテ
ィ空間4内の空気がチャンバー室8内から外部に排気さ
れ、減圧されるようになっている。また、真空ポンプ2
8の作動を停止し、排気弁24を閉じると共に、吸気弁
26を開けることにより、上記チャンバー室8内、更に
は上記微小間隙Sを介して上記キャビティ空間4内が大
気圧に戻されるようになっている。
【0015】而して、本発明においては、合成樹脂発泡
成形品用材料を金型内で発泡、ゲル化させて発泡成形品
を製造するものであり、この場合、金型キャビティ空間
内を減圧にして減圧下に発泡、ゲル化を行っても、大気
圧下に発泡、ゲル化を行ってもよいが、ゲル化を終了し
た後にキャビティ空間内の圧力を降下させ、これにより
発泡品のセル膜を破壊し、連通化させるものである。
【0016】ここで、上記上型を使用して、上記キャビ
ティ空間4に相応した形状の成形品を軟質ポリウレタン
フォームにて成形する場合について説明すると、ピスト
ン11の下端面が上型3の下面位置に定置された上型3
を下型2へセットしていない状態で軟質ポリウレタンフ
ォーム発泡成形品材料を下型2内に導入する。次いで、
下型2と上型3をセットし、上記成形品材料を発泡、充
満させ、ゲル化を終了させた後、真空ポンプ28を作動
させてキャビティ空間4内の圧力を下げる。上記材料の
発泡、充満、ゲル化の条件は公知の方法を採用すること
ができ、大気圧下、減圧下のいずれであってもよく、大
気圧下の場合は、圧力調整装置21を停止させればよ
く、また、減圧下にする場合には後述する方法で減圧す
ればよい。
【0017】キャビティ空間4内の減圧は、吸気弁26
を閉じ、排気弁24を開くと共に、真空ポンプ28を作
動させることにより、チャンバー室8内の空気及び上記
微小間隙Sを介してキャビティ空間4内の空気が外部に
排出されることにより行われる。チャンバー室8内が所
定の減圧度になったことを圧力センサー30が検知した
場合、制御部29からの指令によりこの減圧度に維持さ
れるように真空ポンプ28及び排気弁24、吸気弁26
の作動が制御される。即ち、所定の設定値より圧力が高
いと排気弁24が開いて空気を排出し、設定値より圧力
が下がりすぎた場合は吸気弁26が開いて空気を供給す
るようになっている。
【0018】本発明においては、ピストン11の下端面
が上型3の下面位置に定置された上型3を下型2へセッ
トしていない状態で軟質ポリウレタンフォーム発泡成形
品材料を下型2内に導入し、下型2と上型3をセット
し、吸気弁26を閉じ、排気弁24を開くと共に、真空
ポンプ28を作動させ、これによりチャンバー室8内の
空気及び上記微小間隙Sを介してキャビティ空間4内の
空気を外部に排出し、減圧にした状態で発泡、ゲル化を
行うことが好ましく、これにより、低密度のフォームを
得ることができる。
【0019】ここで、上記のようにキャビティ空間4内
を減圧して発泡、ゲル化させる場合、大気圧からの減圧
度は10〜500mmHg、より好ましくは100〜3
00mmHgであり、この減圧度合で発泡成形品の低密
度化度合が変わるものである。
【0020】また、本発明においては、ゲル化の終了し
た発泡品をゲル化終了時のキャビティ空間内圧より圧力
を降下させた状態でキュアし、セル膜を破泡して連通化
を行った後、成形品を脱型する。なお、脱型は、キャビ
ティ空間内を大気圧にして行うものである。
【0021】ここで、上述したように、ゲル化が終了し
た発泡品の気泡を連通化するため、ゲル化終了後にキャ
ビティ空間内の圧力を降下させるものであるが、その圧
力降下の開始時期は、ゲル化終了時点Aから脱型時点B
までの時間を1とした場合、好ましくはゲル化終了時点
A〜1/2、より好ましくはゲル化終了時点A〜1/
3、更に好ましくはゲル化終了時点A〜1/4の時点で
行うことが好ましく、ゲル化終了時点より早い時点で圧
力降下を開始すると、成形品にボイドという欠陥が生じ
るという不利を伴う場合があり、1/2より遅い時点で
圧力降下を開始すると、連通化しないという不利を伴う
場合がある。
【0022】ここで、上記圧力降下は、瞬時でもよい
が、脱型時まで保持させることは差支えなく、脱型時に
キャビティ空間内を大気圧にして脱型を行えばよい。
【0023】また、減圧度はゲル化終了直後のキャビテ
ィ空間4内の圧力より低くすればよく、ゲル化終了時の
キャビティ空間4内の圧力に応じて適宜調整されるが、
ゲル化終了直後のキャビティ空間4内の圧力より0.2
〜0.8kgf/cm2、より好ましくは0.4〜0.
8kgf/cm2低くすればよく、これによりセル膜の
破泡を良好に行うことができる。減圧度が0.2kgf
/cm2より少ないと、連通化効果が小さく、シュリン
クしてしまい、減圧度が0.8kgf/cm2より多い
と、金型が破壊される場合がある。
【0024】なお、上記した金型を用いて成形を行った
場合、上記のように下型2から上型3を取りはずした
後、図1中一点鎖線で示すようにピストン11を下降さ
せ、開孔部6を開口することにより、上記微小間隙Sに
侵入したバリの掃除を行うことができる。
【0025】更に、上記微小間隙Sは0.05〜2m
m、より好ましくは0.05〜0.5mm、更に好まし
くは0.05〜0.2mmであることが好ましい。更
に、上記開孔部6の下端部直径は30〜400mm、特
に100〜200mmとすることが好ましい。上記開孔
部は成形品の体積により、複数設けてもよい。
【0026】次に、具体的な実施例を示す。 〔実施例〕図1,2に示す金型を使用し、成形を行っ
た。この場合、真空ポンプとしては吸引力235L/m
inの能力のドライポンプ(オリオン社製KRX−3S
S)を使用し、排気弁24及び吸気弁26としては高真
空用電磁弁(使用圧力範囲10-8Torr〜2kgf/
cm2 、CKD HVB形)を使用し、圧力センサー3
0としては−0.5〜0.5kgf/cm2 までの圧力
レンジを持つ圧力トランスミッター(長野計器社製KH
25)を使用した。また、上記微小間隙Sは0.1m
m、開孔部6の下端部直径は80mmとした。なお、金
型のキャビティ容積は20リットルであり、ポリウレタ
ンフォーム発泡成形品材料としては(株)ブリヂストン
製のバック用汎用HRフォーム(タイプB)を用いた。
この成形品材料は、金型を用いずにフリー発泡させた場
合に密度0.035g/cm3 のフォームが得られるも
のである。
【0027】まず、上記ポリウレタンフォーム発泡成形
品材料1000gを図1,2に示される金型に大気圧下
で注入し、キャビティ空間内の圧力を制御せず、発泡、
ゲル化を行い、その後脱型した(比較例1)。この場
合、注入から30秒後に充填完了し、金型キャビティ空
間内が0.4kgf/cm2加圧状態となり、注入60
秒後がゲルポイントであった。また、注入5分後に大気
圧下で脱型を行った。得られた成形品は半独立気泡にな
っており、そのまま放置するとシュリンクした。
【0028】次に、注入してから30秒後(型充填時
点)でキャビティ内の圧力を降下させてピーク圧よりも
0.6kgf/cm2減圧にし、この状態で注入4.5
分後までこの圧力に保持し、大気圧に戻して注入5分後
に脱型したものは、成形品にボイドが発生し、良品とは
ならなかった(比較例2)。
【0029】また、注入してから60秒後(ゲルポイン
ト時点)で大気圧より0.2kgf/cm2 減圧にし、
以後上記比較例2と同様の操作を行って得られた成形品
は、セル荒れが発生し、同様に良品とはならなかった
(比較例3)。
【0030】一方、注入してから90秒後(ゲル化終了
時点)及び120秒後にそれぞれピーク圧より0.6k
gf/cm2 減圧にし、この状態で注入4.5分後まで
この圧力に保持し、大気圧に戻して注入5分後に脱型し
たものは、良好にセル膜の破泡が生じ、脱型後に成形品
を放置してもシュリンクが実質的になく、特に前者の場
合は、全くシュリンクが生じなかった(実施例1,
2)。
【0031】なお、注入してから210秒後に減圧した
ものは、シュリンクが認められた。
【0032】また、図1,2に示す金型でキャビティ空
間内の圧力を100mmHg下げ、この状態で成形品材
料1100gの発泡、成形を行った。その結果、密度が
0.038g/cm3 のフォーム成形品が得られ、この
成形品にはほとんどバリは生じなかった。更に、キャビ
ティ内の圧力を300mmHg下げ、この状態で成形材
料970gの発泡、成形を行った結果、密度が0.03
0g/cm3 のフォーム成形品が得られ、しかも成形品
にバリは全く生じなかったが、これらの方法において、
ゲル化終了直後に上記キャビティ空間内の圧力から更に
50mmHg圧力を降下し、脱型直前まで同圧力に保持
し、脱型時に大気圧に戻して脱型を行ったものも、シュ
リンクは全く生じなかった。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、自動車用内装材などの
連通気泡を有する合成樹脂発泡成形品を、成形効率良
く、設備及び生産コストを安くして成形することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す概略断面図である。
【図2】同例のチャンバー部材配設位置近傍の拡大断面
図である。
【図3】合成樹脂発泡体のシュリンクを示す状態図であ
る。
【図4】従来品のローラークラッシュを示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 金型本体 2 下型 3 上型 4 キャビティ空間 5 リング状パッキン 6 開孔部 7 チャンバー部材 7a リング状パッキン 8 チャンバー室 9 固定用台座 10 シリンダー 11 ピストン 12 ピストン軸 13,14 軸受 15 区画板 16 リング状パッキン 17 上部室 18 下部室 19,20 エアー管 21 圧力調整装置 22 空気流通孔 23 連結部材 24 排気弁 25 排気用管 26 吸気弁 27 吸気管 28 真空ポンプ 29 制御部 30 圧力センサー 31 リード線 S 微小間隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩井 照夫 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町1番地 株式 会社ブリヂストン横浜工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下型と、この下型の開放部を覆うことに
    より下型との間に密閉キャビティ空間を形成する上型と
    を具備し、これら上下型が互いに着脱可能に配設された
    金型本体の上記キャビティ空間内に合成樹脂発泡成形品
    用材料を供給してこれを発泡、成形する合成樹脂発泡成
    形品の製造方法において、上記キャビティ空間内で上記
    材料を発泡させ、ゲル化を終了させた後、このキャビテ
    ィ空間内の圧力を降下させてゲル化が終了した発泡品の
    気泡を連通化させ、その後成形品を脱型することを特徴
    とする合成樹脂発泡成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記キャビティ空間内を大気圧より減圧
    にして上記材料を発泡させ、ゲル化を終了させた後、こ
    のキャビティ空間内を上記減圧度より更に減圧してゲル
    化が終了した発泡品の気泡を連通化させるようにした請
    求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記上型に開孔部を形成すると共に、こ
    の開孔部を覆って上型上に有頭筒状のチャンバー部材を
    気密状態に取り付け、かつ先端部が上記開孔部内に挿入
    された際、その外周壁面と上記開孔部壁面との間に上記
    チャンバー部材内のチャンバー室と連通する微小間隙を
    形成するピストンと、このピストンを上下方向に移動さ
    せると共に、常時はピストン先端面を上型下面位置に定
    置させるピストン駆動装置とを上記チャンバー室内に設
    け、このチャンバー室内の圧力を制御する圧力調整装置
    を配設し、上記チャンバー室内の圧力を低下することに
    より、上記微小間隙を介してチャンバー室と連通するキ
    ャビティ空間内を減圧するようにした請求項1又は2記
    載の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記ピストン駆動装置が、上型に取り付
    けられた固定用台座に固定された上下端面が閉塞された
    筒状のシリンダーを有し、上記ピストンの軸がこのシリ
    ンダーの上下端面を気密に貫通して上下方向移動可能に
    配設されると共に、上記ピストンの軸に上記シリンダー
    内に存して外周壁面がシリンダー内周壁面に摺接し、上
    記シリンダー内を上部室と下部室とに仕切る区画板を固
    定し、かつ上記シリンダーの上側部及び下側部にそれぞ
    れ上記上部室及び下部室に空気を通気するエアー管を連
    結して、上記上部室及び下部室における空気圧を調整す
    ることにより、上記ピストンを上下動させ又はピストン
    先端面を上型下面位置に定置させるようにした請求項
    1,2又は3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 合成樹脂発泡成形品が軟質ポリウレタン
    フォーム成形品である請求項1乃至4のいずれか1項記
    載の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002160235A (ja) * 2000-11-28 2002-06-04 Bridgestone Corp 合成樹脂発泡成形品の製造方法
JP2005133082A (ja) * 2003-10-08 2005-05-26 Mitsuma Giken Kk 連泡性ゴム材料の製造方法及びゴムローラの製造方法
JP2010083124A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Mitac Precision Technology (Kunshan) Corp 微細発泡成形品の射出成形システム及びその方法

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