JP3698180B2 - 合成樹脂発泡成形品の成形金型及び成形方法 - Google Patents

合成樹脂発泡成形品の成形金型及び成形方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成樹脂発泡成形品、特に軟質ポリウレタンフォーム等の連通気泡構造或いは独立気泡構造を有する合成樹脂発泡成形品を成形する金型及びこの金型を用いて合成樹脂発泡品を成形する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、クッションパッド等の自動車用内装材をポリウレタンフォーム発泡成形材料にて成形する場合、キャビティ部の気圧を調整する方法が提案されている(実開昭58−60418号公報)。
【0003】
更に、特公平7−102583号公報には、型のキャビティの気圧を低くする工程と、ポリオール成分100重量部に対して発泡成分としての水0.1〜0.6重量部を混合したポリウレタン材料を、前記キャビティ内に注入して発泡させることにより流動及び充満させる工程とを含むポリウレタン発泡体の成形方法が開示されている。この方法は、型のキャビティの気圧を低くする工程においては、型を構成する少なくとも二つの分割型の型閉時に生じるPL面間の隙間からキャビティを真空吸引するものであり、型のPL面の周囲は空間部を介して取り囲まれ、該空間部を減圧することによりPL面間の隙間からキャビティを真空吸引するものである。
【0004】
しかしながら、これらの減圧発泡成形方式は、通常金型を静止、固定した状態やターンテーブルと呼ばれる10台車程度以下の小規模円形ラインで行うものであり、いわゆるレーストラック式ライン(40台車などの大規模ライン)では採用し難いものであった。
【0005】
即ち、一般的に軟質ポリウレタンフォーム製の車両用シートクッション材を大規模に製造する場合、金型が搭載された台車を一定サイクルで移動させて製造している。図5はこれを示すもので、金型を搭載した台車を軟質ポリウレタンフォーム発泡材料の注入位置Aに移動して金型キャビティに該材料を供給し、発泡させると共に、台車を加熱炉Bに移動してこの内部を走行させつつ材料の硬化を行い、次いで台車を脱型位置Cに移動して発泡成形品を脱型するものであるが、このようなレーストラック式ラインで減圧発泡成形を行う場合、真空ポンプ等の圧力調整装置も台車に搭載し、加熱炉内を通過させなければならず、このため台車、ラインが大がかりなものとなるだけでなく、真空ポンプ等の圧力調整装置が例えば100〜200℃という高温に曝されるので、損傷するおそれがある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、上記のようなレーストラック式ラインにおいても従来のラインを変更することなく、しかも圧力調整装置の損傷のおそれもなく減圧発泡成形することができ、このため自動車用シートバックパッド等のクッションパッド、その他の自動車用内装材などの合成樹脂発泡成形品を高発泡倍率でかつ低密度でバリ発生を可及的に少なくして歩留り良く、しかも効率良く成形することができる合成樹脂発泡成形品の成形金型及び成形方法を提供することを目的とする。
【0007】
本発明は、上記目的を達成するため、以下の成形金型、及び成形方法を提供する。
請求項1:
合成樹脂発泡成形品用材料が供給されるキャビティを有する金型本体と、真空発生器と、圧縮空気が入れられたエアタンクとを具備した合成樹脂発泡成形品の成形金型であって、
上記真空発生器が、上記エアタンクと連結された圧縮空気流通路と、この流通路を流れる上記エアタンク内からの圧縮空気を噴出させるノズル部と、このノズル部から噴出された圧縮空気が排出される排出路と、上記ノズル部からの圧縮空気噴出位置に連通する吸引分岐路とを備え、上記エアタンクから供給された圧縮空気を上記ノズル部から噴出させることにより、吸引分岐路内の空気をノズル部から噴出する圧縮空気に吸引して上記排出路から排出するように構成した真空発生器であり、
上記金型本体が、下型と、この下型の開放部を覆って着脱可能に配設され、下型との間に密閉空間を形成する上型と、上記密閉空間内に着脱可能に配設された中子型とを具備し、上記中子型上面に上記上型との間に0.05〜2mmの微小隙間を有するように区画壁を突設し、中子型上面と上型との間に上記区画壁によって区画されたチャンバー部を形成すると共に、このチャンバー部外の上記密閉空間を合成樹脂発泡成形品用材料が供給されるキャビティとするものであり、かつ上記吸引分岐路を上記チャンバー部に連通させて、この吸引分岐路を介してチャンバー部内の空気を排出することにより、上記微小隙間を介してキャビティ内の空気を排出してキャビティ内を減圧にするよう構成した金型本体であることを特徴とする合成樹脂発泡成形品の成形金型。
請求項2:
合成樹脂発泡成形品が軟質ポリウレタンフォーム成形品である請求項1記載の成形金型。
請求項3:
走行自在な台車上に搭載され、台車が加熱炉内を走行する際にこの走行と一体にキャビティ内を減圧状態に維持して加熱炉内を通過するようにした請求項1又は2記載の金型。
請求項4:
合成樹脂発泡成形品用材料が供給されるキャビティを有する金型本体と、真空発生器と、圧縮空気が入れられたエアタンクとを具備し、
上記真空発生器が、上記エアタンクと連結された圧縮空気流通路と、この流通路を流れる上記エアタンク内からの圧縮空気を噴出させるノズル部と、このノズル部から噴出された圧縮空気が排出される排出路と、上記ノズル部からの圧縮空気噴出位置に連通する吸引分岐路とを備え、上記エアタンクから供給された圧縮空気を上記ノズル部から噴出させることにより、吸引分岐路内の空気をノズル部から噴出する圧縮空気に吸引して上記排出路から排出するように構成した真空発生器であり、
上記金型本体が、下型と、この下型の開放部を覆って着脱可能に配設され、下型との間に密閉空間を形成する上型と、上記密閉空間内に着脱可能に配設された中子型とを具備し、上記中子型上面に上記上型との間に0.05〜2mmの微小隙間を有するように区画壁を突設し、中子型上面と上型との間に上記区画壁によって区画されたチャンバー部を形成すると共に、このチャンバー部外の上記密閉空間を合成樹脂発泡成形品用材料が供給されるキャビティとする金型本体であり、
上記吸引分岐路を上記チャンバー部に連通させて、上記エアタンクから供給された圧縮空気を上記ノズル部から噴出させることにより、吸引分岐路内の空気をノズル部から噴出する圧縮空気に吸引して上記排出路から排出し、この吸引分岐路と連通する金型本体のキャビティを減圧して、このキャビティに供給された材料を減圧下に発泡、成形することを特徴とする合成樹脂発泡成形品の成形方法。
請求項5:
上記金型本体のキャビティを減圧にする際の減圧度が、大気圧からの減圧度として10〜500mmHgである請求項4記載の成形方法。
請求項6:
合成樹脂発泡成形品が軟質ポリウレタンフォームである請求項4又は5記載の成形方法。
請求項7:
金型を走行自在な台車に搭載し、台車を合成樹脂発泡成形品用材料供給位置に移動して上記材料を上記金型のキャビティ内に供給し、次いで上記台車を加熱炉内に移動し、加熱炉内を通過させながら上記材料を減圧下に発泡、成形し、最後に台車を成形品脱型位置に移動して金型内の発泡成形品を脱型するようにした請求項4,5又は6記載の成形方法。
【0008】
本発明によれば、圧力調整装置として、上記真空発生器とエアタンクを使用しただけであるので、圧力調整装置全体がコンパクトであり、台車に支障なく搭載し得ると共に、加熱炉内で高温に曝されても損傷が実質的になく、従って図5に示したようなレーストラック式ラインに適合して合成樹脂発泡体を減圧下に発泡、成形することができる。この場合、キャビティ内は必ずしも高真空にするものではなく、通常大気圧からの減圧度が300mmHg程度の減圧下でよいので、上記の真空発生器による減圧能でも十分である。また、本発明の成形金型及び成形方法は金型キャビティ内を減圧にして合成樹脂発泡成形品用材料を減圧下で発泡、成形するので、発泡倍率が向上し、材料の供給量を少なくしてキャビティに供給してより低密度の発泡成形品を成形することができると共に、金型内が負圧になるため、バリの発生も少なく、特に上述した(2)の構成の下型、上型、中子型からなる金型を使用することで、図6の自動車用シートバックパッドのような形状の複雑なものでも歩留り良く、従来品に比べてより軽量にして製造することができ、上述したようにバリも非常に少なく又はバリ発生をなくすこともできるので、仕上げ、修理工程を大幅に減少することが可能であり、上記実開昭58−60418号公報の従来技術の欠点が克服され、特に軟質ポリウレタンフォーム等の連通気泡構造の発泡成形品を得る場合に好適である。
【0009】
【発明の実施の形態及び実施例】
本発明の合成樹脂発泡成形品の成形方法は、特に軟質ポリウレタンフォーム等の連通気泡構造或いは独立気泡構造を有する合成樹脂発泡成形品の成形に好適に採用され、上述したように、合成樹脂発泡成形品用材料が供給されるキャビティを有する金型本体と、真空発生器と、圧縮空気が入れられたエアタンクとを具備し、上記真空発生器として、上記エアタンクと連結された圧縮空気流通路と、この流通路を流れる上記エアタンク内からの圧縮空気を噴出させるノズル部と、このノズル部から噴出された圧縮空気が排出される排出路と、上記ノズル部からの圧縮空気噴出位置に連通する吸引分岐路とを備えたものを使用し、この吸引分岐路を上記金型本体のキャビティに連通させて、上記エアタンクから供給された圧縮空気を上記ノズル部から噴出させることにより、吸引分岐路内の空気をノズル部から噴出する圧縮空気に吸引して上記排出路から排出し、この吸引分岐路と連通する金型本体のキャビティを減圧して、キャビティ内に供給された材料を減圧下に発泡、成形するものである。
【0010】
この場合、金型本体の構成については特に制限はなく、下型と上型との2つの割型からなる金型でも、3つ割型又はそれ以上の割型からなる金型でもよいが、図6に示すトップパッド部を有する袋形状のシートバックパッド等の自動車用クッションパッド、その他の自動車用内装材を成形する場合は、3つ割型又はそれ以上の割型からなる金型を用いて成形品を得ることが好適であり、具体的には図1〜3に示すような金型を用いることが好ましい。
【0011】
即ち、従来より、図6に示すような自動車用シートバックパッドを軟質ポリウレタンフォームにて形成することが行われている。このパッド100は、表面部101と周側部102と裏面部103とが一体成形され、裏面部103に開放部104が形成されて、該裏面部が逆U字状をなす、袋形状を有するものであるが、このような袋状のパッド100をモールド成形する場合、従来は図7及び8に示すような金型51を用いて成形することが行われている。即ち、この金型51は、下型52と上型53と中子型54とからなる3つ割り金型で、下型52と中子型54との間に表面部及び周側部形成用キャビティ55a,55bを形成すると共に、上型53と中子型54との間に裏面部形成用キャビティ56a,56bを形成し、上記キャビティ55a,55b,56a,56b内に軟質ポリウレタンフォーム発泡成形材料を供給し、型締めして、該成形材料を発泡させ、成形品を得るものである。
【0012】
この場合、上記図6に示すようなパッドを成形するに際しては、パッド100の裏面部103上部のトップパッド部103aと称される部分を成形するため、図7,8において、該トップパッド部を形成するキャビティ56aの最奥部まで成形材料を充填する必要がある。このため、成形材料を上記キャビティ55a,55b,56a,56bに本来の供給量よりも若干過剰量で注入して、型内の発泡圧力を高めることが一般的に行われている方法である。
【0013】
しかしながら、このような方法は、
▲1▼成形材料が、本来必要とする量よりも余分に必要である、
▲2▼成形材料をこのようにキャビティ内に余分に供給することで、反応ガスの発生も多くなり、特に図6に示すようなシートバックパッド成形品のような複雑な形状の成形品を成形すると、不良品の発生割合も高くなる、
▲3▼金型内の発泡圧力を高めると、図9に示すように、金型の割り位置(パーティング部)から得られた成形品105にバリ106が多く生じるので、脱型後に余分な工数をかけて補修、仕上げを行う必要がある
等の問題がある。
【0014】
また、上記実開昭58−60418号公報の方法は、下型と中子型とで成形品の成形用キャビティを形成すると共に、これら下型、中子型を覆い被せるように上型を設置し、かつ中子型と上型とで気圧調整室(チャンバー部)を形成し、中子型にこのチャンバー部と上記キャビティとを連通するベントホールを形成し、このベントホールを介してキャビティ内の空気をチャンバー部に排出するようにしたものである。
【0015】
しかし、この方法は、下型、中子型、上型を用いるといっても、下型と中子型とで成形品の成形用キャビティを形成し、従って成形品は下型と中子型とだけから成形され、上型はただ中子型との間にチャンバー部を形成するだけであるので、本質的には2つ割型であり、それ故、図6に示すようなトップパッド部103aを有するような袋形状の成形品は成形できない。このため、図6に示すような袋形状の成形品は依然として図7,8に示すような3つ割型の金型を使用して成形することが必要である。同様にアンダーカット形状の厳しい成形品の場合も、上記実開昭58−60418号公報の方法は採用し難いものである。
【0016】
また、この実開昭58−60418号公報の方法は、比較的単純な形状をしたパッドを成形した場合は、パーティング部付近にエア溜りが発生し、成形品の不良率が非常に多くなるという問題があり、更にキャビティのチャンバー部との間の圧力の調整がベントホールを介してでしかできないので、ベントホールを大きくしたり、多く設けなければならず、このため局部的に空気が抜けるためにフォームの発泡バランスが崩れる上、成形後にベントホールに入ったバリの掃除を行うことが面倒であるという問題がある。
【0017】
更に、特公平7−102583号公報には、上記PL面間の隙間からバリが生じ易いという問題がある。
【0018】
これに対し、図1〜3の金型は、これらの欠点を除去したものである。以下、図1〜3を参照して図6に示す袋形状のシートバッグパッドを成形する方法について詳述する。
【0019】
図1〜3は本発明の一実施例に係る金型を示すものであり、図1,2において、金型本体1は下型2と上型3と中子型4と3つ割構造に形成されている。上型3は下型2の上端開放部を覆って着脱可能に配設されていると共に、これら下型2と上型3とによって形成される密閉空間5内に中子型4が着脱可能に配設されている。
【0020】
この中子型4の上面には、枠状の区画壁6が一体に突設されている。この場合、この区画壁6は、前側の壁部6aが中子型4の先端部から所定距離離間した位置に設けられ、後側の壁部6bが中子型4の後端部に設けられ、両側部6cがそれぞれ中子型4の側端部より内側に存して設けられている。そして、上記中子型4の上面と上型3下面との間に上記区画壁6によって区画されたチャンバー部7が形成されていると共に、上記密閉空間5のチャンバー部7以外の空間がキャビティ8として形成されている。即ち、このキャビティ8は、上記中子型4下面と下型2上面との間に形成された表面部成形用キャビティ8aと、中子型4の両側下縁部に一体に設けられた垂下部4a外側面と下型2内側面との間に形成された周側部成形用キャビティ8bと、中子型4の上面と上型3の下面との間に形成された裏面部成形用キャビティ8c,8dが形成されており、この場合、上記中子型4の先端部から区画壁6の前壁部6aに至る中子型4上面と上型3との間がトップパッド部成形用キャビティ8cとして形成されている。
【0021】
また、上記中子型4は、エアシリンダー9によって上記密閉空間5内に上下方向移動可能に配設され、所定位置に保持されるようになっていると共に、図示していないが、上型3はフレームに固定され、エアバックにより下型2が上型3に対し装着、脱離するようになっている。
【0022】
この場合、上記下型2と上型3とのパーティング部にはパッキン10が介装されて、下型2と上型3とは気密状態に型締めされ、従って該パーティング部における空気の入出が遮断されるようになっている。
【0023】
また、図1に示す下型2に上型3及び中子型4がセットされた状態において、中子型4の区画壁6上端面と上型下面との間には微小隙間11が形成され、この微小隙間11を介してチャンバー部7とキャビティ8とが連通し、空気の流通が可能となるように構成されている。
【0024】
ここで、上記中子型4の上面には、エアシリンダー9を取り囲むように隔離壁12が突設され、かつこの隔離壁12上端部と上型3下面との間にはパッキン13を介装して、エアシリンダー周りからチャンバー部7内への空気の出入が遮断されている。
【0025】
21は圧力調整装置であり、これはエゼクタ式真空発生器22とエアタンク23とからなる。エゼクタ式真空発生器22は、図3に示したように、真空発生器本体22a内に圧縮空気流通路22bが形成され、その先端にノズル部22cが設けられていると共に、ノズル部22cの先側に排出路22dが形成され、かつ上記ノズル部22cの噴出部には吸引分岐路22eが形成されたものである。なお、上記排出路22dは基端側から先端側に向うに従い、漸次流路径が大きくなるように形成され、ディフューザとして構成されているものである。このエゼクタ式真空発生器22の圧縮空気流通路22bには、圧縮空気が収容されたエアタンク23の圧縮空気供給口23aと導管24を介して連結されていると共に、上記吸引分岐路22eは、上記チャンバー部7内と連通する空気流通孔25を有する連結部材26の該空気流通孔25と連通している。そして、上記エアタンク23内の圧縮空気を真空発生器22の圧縮空気流通路22bに導入し、ノズル部22cから噴出させ、排出路22dから圧力を減じながら排出することにより、吸引分岐路22e内の空気がこの排出路22dを流れる上記エアタンク23からの圧縮空気に吸引されて排出され、これによってこの吸引分岐路22eに連通するチャンバー部7内の空気、更にこのチャンバー部7と微小隙間11を介して連通するキャビティ8内の空気が吸引され、チャンバー部7、更にキャビティ8内が減圧されるようになっている。またこの場合、エアタンク23からの空気供給を停止すると、真空発生器22外部の空気が排出路22dから吸引分岐路22eを通ってチャンバー部7、更にキャビティ8に流入し、チャンバー部7、キャビティ8内が大気圧に戻されるようになっている。
【0026】
而して、上記金型30は、図4に示すように、台車31上に搭載する。この台車31は、タイヤ32を装備し、走行自在なもので、図5に示す回転式ラインを走行するものである。
【0027】
なお、図4において、33はフレームで、上型3はこのフレーム33に固定されている。また、34はエアバックで、このエアバック34が収縮することによって下型2が上型3から離間し、金型30が開いた状態となり、この状態で下型2内に原料が供給される。更に、エアバック34が膨張することによって下型2が上昇し、上型3にセットされるものである。また、35クランプを示す。
【0028】
上記台車31に金型30を搭載した状態で図6に示すような成形品を軟質ポリウレタンフォームにて成形する場合は、図1,2に示すように上型3に中子型4をセットし、下型2をセットしていない状態(エアバック34を収縮した状態)で、まず軟質ポリウレタンフォーム発泡材料の注入位置Aに台車31を移動し、ポリウレタンフォーム発泡成形材料を下型2内に導入する。次いで、エアバック34を膨張して下型2を上型3にセットした後、エアタンク23から圧縮空気を真空発生器22に上記のように導入して、金型のチャンバー部7、更にキャビティ8内を減圧にして、上記材料を発泡、成形させ、台車31を加熱炉Bに移動させ、加熱炉B内を走行させ、減圧下に発泡体の硬化を行う。次いで、加熱炉Bを出た台車31を脱型位置Cに移動すると共に、上記エアタンク23からの圧縮空気の真空発生器22への導入を停止する。これにより、上述したようにチャンバー部7、キャビティ8内を大気下に戻す。このようにチャンバー部7及びキャビティ8内を大気圧に戻してから上型3を下型2から取りはずすことによりスムーズに上型3を脱離し得るが、チャンバー部7及びキャビティ8内が減圧下にあるままでは上型3を下型2から取りはずし難いものである。以上のように下型2から上型3、中子型4を取りはずした後、成形品を脱型し、また上記のステップを繰り返す。
【0029】
ここで、上記のようにキャビティ8内を減圧するものであるが、大気圧からの減圧度は10〜500mmHg、より好ましくは100〜300mmHgであり、この減圧度合で発泡成形品の低密度化度合が変わるものである。
【0030】
また、上記微小隙間11は、0.05〜2mm、より好ましくは0.05〜0.5mm、更に好ましくは0.05〜0.2mmであることが好ましい。
【0031】
次に、具体的な実施例を示す。
〔実施例〕
図1〜3に示す金型を使用し、これを図4に示すように台車に搭載し、図5に示す回転式ラインに従って自動車用フロントバックパッドを成形した。この場合、エゼクタ式真空発生器としてはCKD製VPA08QRを使用した。この真空発生器の使用条件は下記の通りである。
使用条件:供給空気圧力 2kgf
消費空気量 20リットル/分(1.5分使用)
到達真空度 大気圧からの減圧度200mmHg
また、エアタンクには50リットルの空気を入れ、30リットルを使用した。更に、上記微小隙間11は0.1mm程度とした。なお、金型のキャビティ容積は25リットルであり、ポリウレタンフォーム発泡成形材料としては(株)ブリヂストン製のバック用汎用HRフォーム処方を用いた。この成形材料は、金型を用いずにフリー発泡させた場合に密度0.035g/cm3のフォームが得られる。
【0032】
まず、従来金型でキャビティ内を減圧にせず、大気下で1300gの成形材料を注入して発泡、成形した。この結果、密度0.042g/cm3のフォーム成形品が得られたが、これより密度の小さいフォーム成形品は得られなかった。また、成形品は下型と上型とのパーティング部から硬化したバリがかなり発生していた。
【0033】
次に、図1〜3に示す金型でエゼクタ式真空発生器を上述したように作動させ、キャビティ内の圧力を大気圧からの減圧度200mmHgに下げ、この状態で成形材料900gの発泡、成形を行った。その結果、密度が0.034g/cm3のフォーム成形品が得られ、この成形品にはバリは全く生じなかった。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、金型を台車に搭載し、加熱炉内を走行する回転式ラインに支障なく適用させることができ、これによって自動車用シートバックパッド等のクッションパッド、その他の自動車用内装材などの合成樹脂発泡成形品を連続的に高発泡倍率でかつ低密度でバリ発生を可及的に少なくして歩留り良く、しかも効率良く成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフロントバックパッド用金型の構造の一例を示す概略側断面図である。
【図2】本発明のフロントバックパッド用金型の構造の一例を示す概略横断面図である。
【図3】真空エゼクタ器の概略断面図である。
【図4】金型を台車に搭載した状態の部分断面側面図である。
【図5】回転式ラインの概略図である。
【図6】フロントバックパッド製品の形状の一例を示す斜視図である。
【図7】従来のフロントバックパッド用金型の構造の一例を示す概略側断面図である。
【図8】従来のフロントバックパッド用金型の構造の一例を示す概略横断面図である。
【図9】上記図7,8の金型を使用して得たウレタンフォーム成形品のバリ発生状況を示す概略横断面図である。
【符号の説明】
1 金型本体
2 下型
3 上型
4 中子型
5 密閉空間
6 区画壁
6a 壁部
6b 壁部
6c 両側部
7 チャンバー部
8 キャビティ
8a 表面部成形用キャビティ
8b 周側部成形用キャビティ
8c,8d 裏面部成形用キャビティ
9 エアシリンダー
10 パッキン
11 微小隙間
12 隔離壁
13 パッキン
21 圧力調整装置
22 真空発生器
22a 真空発生器本体
22b 圧縮空気流通路
22c ノズル部
22d 排出路
22e 吸引分岐路
23 エアタンク
23a 圧縮空気供給口
24 導管
25 空気流通孔
26 連結部材
30 金型
31 台車
32 タイヤ
33 フレーム
34 エアバック
A 軟質ポリウレタンフォーム発泡材料の注入位置
B 加熱炉
C 脱型位置

Claims (7)

  1. 合成樹脂発泡成形品用材料が供給されるキャビティを有する金型本体と、真空発生器と、圧縮空気が入れられたエアタンクとを具備した合成樹脂発泡成形品の成形金型であって、
    上記真空発生器が、上記エアタンクと連結された圧縮空気流通路と、この流通路を流れる上記エアタンク内からの圧縮空気を噴出させるノズル部と、このノズル部から噴出された圧縮空気が排出される排出路と、上記ノズル部からの圧縮空気噴出位置に連通する吸引分岐路とを備え、上記エアタンクから供給された圧縮空気を上記ノズル部から噴出させることにより、吸引分岐路内の空気をノズル部から噴出する圧縮空気に吸引して上記排出路から排出するように構成した真空発生器であり、
    上記金型本体が、下型と、この下型の開放部を覆って着脱可能に配設され、下型との間に密閉空間を形成する上型と、上記密閉空間内に着脱可能に配設された中子型とを具備し、上記中子型上面に上記上型との間に0.05〜2mmの微小隙間を有するように区画壁を突設し、中子型上面と上型との間に上記区画壁によって区画されたチャンバー部を形成すると共に、このチャンバー部外の上記密閉空間を合成樹脂発泡成形品用材料が供給されるキャビティとするものであり、かつ上記吸引分岐路を上記チャンバー部に連通させて、この吸引分岐路を介してチャンバー部内の空気を排出することにより、上記微小隙間を介してキャビティ内の空気を排出してキャビティ内を減圧にするよう構成した金型本体であることを特徴とする合成樹脂発泡成形品の成形金型。
  2. 合成樹脂発泡成形品が軟質ポリウレタンフォーム成形品である請求項1記載の成形金型。
  3. 走行自在な台車上に搭載され、台車が加熱炉内を走行する際にこの走行と一体にキャビティ内を減圧状態に維持して加熱炉内を通過するようにした請求項1又は2記載の金型。
  4. 合成樹脂発泡成形品用材料が供給されるキャビティを有する金型本体と、真空発生器と、圧縮空気が入れられたエアタンクとを具備し、
    上記真空発生器が、上記エアタンクと連結された圧縮空気流通路と、この流通路を流れる上記エアタンク内からの圧縮空気を噴出させるノズル部と、このノズル部から噴出された圧縮空気が排出される排出路と、上記ノズル部からの圧縮空気噴出位置に連通する吸引分岐路とを備え、上記エアタンクから供給された圧縮空気を上記ノズル部から噴出させることにより、吸引分岐路内の空気をノズル部から噴出する圧縮空気に吸引して上記排出路から排出するように構成した真空発生器であり、
    上記金型本体が、下型と、この下型の開放部を覆って着脱可能に配設され、下型との間に密閉空間を形成する上型と、上記密閉空間内に着脱可能に配設された中子型とを具備し、上記中子型上面に上記上型との間に0.05〜2mmの微小隙間を有するように区画壁を突設し、中子型上面と上型との間に上記区画壁によって区画されたチャンバー部を形成すると共に、このチャンバー部外の上記密閉空間を合成樹脂発泡成形品用材料が供給されるキャビティとする金型本体であり、
    上記吸引分岐路を上記チャンバー部に連通させて、上記エアタンクから供給された圧縮空気を上記ノズル部から噴出させることにより、吸引分岐路内の空気をノズル部から噴出する圧縮空気に吸引して上記排出路から排出し、この吸引分岐路と連通する金型本体のキャビティを減圧して、このキャビティに供給された材料を減圧下に発泡、成形することを特徴とする合成樹脂発泡成形品の成形方法。
  5. 上記金型本体のキャビティを減圧にする際の減圧度が、大気圧からの減圧度として10〜500mmHgである請求項4記載の成形方法。
  6. 合成樹脂発泡成形品が軟質ポリウレタンフォームである請求項4又は5記載の成形方法。
  7. 金型を走行自在な台車に搭載し、台車を合成樹脂発泡成形品用材料供給位置に移動して上記材料を上記金型のキャビティ内に供給し、次いで上記台車を加熱炉内に移動し、加熱炉内を通過させながら上記材料を減圧下に発泡、成形し、最後に台車を成形品脱型位置に移動して金型内の発泡成形品を脱型するようにした請求項4,5又は6記載の成形方法。
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