JP2002160235A - 合成樹脂発泡成形品の製造方法 - Google Patents
合成樹脂発泡成形品の製造方法Info
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- JP2002160235A JP2002160235A JP2000360849A JP2000360849A JP2002160235A JP 2002160235 A JP2002160235 A JP 2002160235A JP 2000360849 A JP2000360849 A JP 2000360849A JP 2000360849 A JP2000360849 A JP 2000360849A JP 2002160235 A JP2002160235 A JP 2002160235A
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- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
- Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【解決手段】 下型と、この下型の開放部を覆って着脱
可能に配設され、下型との間に密閉空間を形成する上型
と、上記下型と上型との密閉空間を合成樹脂発泡成形品
用材料が供給されるキャビティとする金型を用い、上記
キャビティ内に合成樹脂発泡成形品用材料を供給し、上
下型を閉じて合成樹脂発泡成形品用材料を発泡、硬化し
て脱型する合成樹脂発泡成形品の製造方法において、上
記合成樹脂発泡成形品用材料を大気圧下に供給し、上下
金型を型内のガス排出可能に閉じた後、該材料の充填完
了後ゲル化前に型内を完全密閉することを特徴とする合
成樹脂発泡成形品の製造方法を提供する。 【効果】 本発明の製造方法は、合成樹脂発泡成形品、
特に軟質ポリウレタンフォーム等の連通気泡構造或いは
独立気泡構造を有する合成樹脂発泡成形品の成形をバリ
の発生とボイド欠陥を抑えて製造することができ、金型
の清掃をも容易に行うことができるものである。
可能に配設され、下型との間に密閉空間を形成する上型
と、上記下型と上型との密閉空間を合成樹脂発泡成形品
用材料が供給されるキャビティとする金型を用い、上記
キャビティ内に合成樹脂発泡成形品用材料を供給し、上
下型を閉じて合成樹脂発泡成形品用材料を発泡、硬化し
て脱型する合成樹脂発泡成形品の製造方法において、上
記合成樹脂発泡成形品用材料を大気圧下に供給し、上下
金型を型内のガス排出可能に閉じた後、該材料の充填完
了後ゲル化前に型内を完全密閉することを特徴とする合
成樹脂発泡成形品の製造方法を提供する。 【効果】 本発明の製造方法は、合成樹脂発泡成形品、
特に軟質ポリウレタンフォーム等の連通気泡構造或いは
独立気泡構造を有する合成樹脂発泡成形品の成形をバリ
の発生とボイド欠陥を抑えて製造することができ、金型
の清掃をも容易に行うことができるものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成樹脂発泡成形
品、特に軟質ポリウレタンフォーム等の連通気泡構造或
いは独立気泡構造を有する合成樹脂発泡成形品の成形を
バリの発生とボイドを抑えて製造することができる上、
成形後の材料付着が削減され、金型の清掃を容易に行う
ことができる合成樹脂発泡成形品の製造方法に関する。
品、特に軟質ポリウレタンフォーム等の連通気泡構造或
いは独立気泡構造を有する合成樹脂発泡成形品の成形を
バリの発生とボイドを抑えて製造することができる上、
成形後の材料付着が削減され、金型の清掃を容易に行う
ことができる合成樹脂発泡成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、ポリウレタンフォーム材料の成形は、以下の方法が
採用されている。 (1) 上型、下型を開いた状態にしておく。 (2) ウレタン発泡原液を下型側に注入する。 (3) 上・下型を閉じる。
り、ポリウレタンフォーム材料の成形は、以下の方法が
採用されている。 (1) 上型、下型を開いた状態にしておく。 (2) ウレタン発泡原液を下型側に注入する。 (3) 上・下型を閉じる。
【0003】この時、ウレタン発泡原液は化学反応でC
O2ガスを出し、金型内で成長する(フリー発泡し、体
積が増加する)。また、同時に、発生したCO2ガス
は、ベントホール、パーティングラインを通じて型外へ
排出される。 (4) 樹脂反応が進んだところで成形品を金型から取
り出し、成形品からバリを除去する。 (5) 金型のベントホール、パーティングラインに、
残ったポリウレタン付着物を掃除して除去し、再び上記
操作を繰り返す。
O2ガスを出し、金型内で成長する(フリー発泡し、体
積が増加する)。また、同時に、発生したCO2ガス
は、ベントホール、パーティングラインを通じて型外へ
排出される。 (4) 樹脂反応が進んだところで成形品を金型から取
り出し、成形品からバリを除去する。 (5) 金型のベントホール、パーティングラインに、
残ったポリウレタン付着物を掃除して除去し、再び上記
操作を繰り返す。
【0004】この場合、ウレタンの成長と型外へのガス
排出は、密接な関係があるが、上記方法ではバリ掃除の
具合に頼っているために、かなりガス排出(即ちウレタ
ンの成長)にバラツキが発生している。また、ガス排出
は、樹脂自体の硬化により自然に停止されるが、取り残
されたガスの質量や樹脂強度のバラツキ(型温、液温で
変わる)などによって停止が遅れ、結果として「ボイ
ド」というフォーム表面が引きちぎられたような欠陥が
発生してしまう。
排出は、密接な関係があるが、上記方法ではバリ掃除の
具合に頼っているために、かなりガス排出(即ちウレタ
ンの成長)にバラツキが発生している。また、ガス排出
は、樹脂自体の硬化により自然に停止されるが、取り残
されたガスの質量や樹脂強度のバラツキ(型温、液温で
変わる)などによって停止が遅れ、結果として「ボイ
ド」というフォーム表面が引きちぎられたような欠陥が
発生してしまう。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、合成樹脂発泡成形品、特に軟質ポリウレタンフォー
ム等の連通気泡構造或いは独立気泡構造を有する合成樹
脂発泡成形品の成形をバリの発生とボイドを抑えて製造
することができる上、成形後の材料付着を削減でき、金
型の清掃をも容易に行うことができる合成樹脂発泡成形
品の製造方法を提供することを目的とする。
で、合成樹脂発泡成形品、特に軟質ポリウレタンフォー
ム等の連通気泡構造或いは独立気泡構造を有する合成樹
脂発泡成形品の成形をバリの発生とボイドを抑えて製造
することができる上、成形後の材料付着を削減でき、金
型の清掃をも容易に行うことができる合成樹脂発泡成形
品の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するため、まず、金型内の材料について、金型内
に導入した直後から、型閉め、充填完了、ゲル
化、硬化までの材料変化について金型内部の材料の様
子及び環境を調べた結果、ボイド等の成形不良を減らす
には、金型内を上記−の間において、所定のタイミ
ングで完全密閉し、ガスの排出とフォーム成長とを停止
させることにより、意外にもボイド等の欠陥の発生がな
く、バリの発生が少ない優れた成形品を得ることができ
る上、成形品の脱型が容易で材料の付着を抑えて脱型を
行うことができ、また使用後の金型のメンテナンスをも
良好に行うことができることを知見した。
達成するため、まず、金型内の材料について、金型内
に導入した直後から、型閉め、充填完了、ゲル
化、硬化までの材料変化について金型内部の材料の様
子及び環境を調べた結果、ボイド等の成形不良を減らす
には、金型内を上記−の間において、所定のタイミ
ングで完全密閉し、ガスの排出とフォーム成長とを停止
させることにより、意外にもボイド等の欠陥の発生がな
く、バリの発生が少ない優れた成形品を得ることができ
る上、成形品の脱型が容易で材料の付着を抑えて脱型を
行うことができ、また使用後の金型のメンテナンスをも
良好に行うことができることを知見した。
【0007】更に、本発明者は、上記製造方法は、車両
用フロントシートの製造に好適に使用することができ、
特に、複雑な形状の成形品を成形する中子型を具備した
金型を使用する場合に好適であり、本方法は、軟質ポリ
ウレタンフォーム成形品の成形に好適であることを知見
し、本発明をなすに至ったものである。
用フロントシートの製造に好適に使用することができ、
特に、複雑な形状の成形品を成形する中子型を具備した
金型を使用する場合に好適であり、本方法は、軟質ポリ
ウレタンフォーム成形品の成形に好適であることを知見
し、本発明をなすに至ったものである。
【0008】従って、本発明は、下記(1)〜(3)の
製造方法を提供する。 (1)下型と、この下型の開放部を覆って着脱可能に配
設され、下型との間に密閉空間を形成する上型と、上記
下型と上型との密閉空間を合成樹脂発泡成形品用材料が
供給されるキャビティとする金型を用い、上記キャビテ
ィ内に合成樹脂発泡成形品用材料を供給し、上下型を閉
じて合成樹脂発泡成形品用材料を発泡、硬化して脱型す
る合成樹脂発泡成形品の製造方法において、上記合成樹
脂発泡成形品用材料を大気圧下に供給し、上下金型を型
内のガス排出可能に閉じた後、該材料の充填完了後ゲル
化前に型内を完全密閉することを特徴とする合成樹脂発
泡成形品の製造方法。 (2)金型として、上記密閉空間内に着脱可能に配設さ
れる中子型を具備し、該中子型を配設した際、該中子型
上面と上記上型下面とで低容量キャビティを形成すると
共に、該中子型下面と上記下型上面とで上記低容量キャ
ビティと隙間を介して連通する大容量キャビティを形成
する金型を使用し、合成樹脂発泡成形品用材料を大気圧
下に大容量キャビティ内へ供給し、金型を上記低容量キ
ャビティ側において型内のガス排出可能に閉じた後、該
材料が上記低容量キャビティに到達する前に金型内を完
全密閉する請求項1記載の合成樹脂発泡成形品の製造方
法。 (3)合成樹脂発泡成形品が軟質ポリウレタンフォーム
成形品である(1)又は(2)記載の合成樹脂発泡成形
品の製造方法。
製造方法を提供する。 (1)下型と、この下型の開放部を覆って着脱可能に配
設され、下型との間に密閉空間を形成する上型と、上記
下型と上型との密閉空間を合成樹脂発泡成形品用材料が
供給されるキャビティとする金型を用い、上記キャビテ
ィ内に合成樹脂発泡成形品用材料を供給し、上下型を閉
じて合成樹脂発泡成形品用材料を発泡、硬化して脱型す
る合成樹脂発泡成形品の製造方法において、上記合成樹
脂発泡成形品用材料を大気圧下に供給し、上下金型を型
内のガス排出可能に閉じた後、該材料の充填完了後ゲル
化前に型内を完全密閉することを特徴とする合成樹脂発
泡成形品の製造方法。 (2)金型として、上記密閉空間内に着脱可能に配設さ
れる中子型を具備し、該中子型を配設した際、該中子型
上面と上記上型下面とで低容量キャビティを形成すると
共に、該中子型下面と上記下型上面とで上記低容量キャ
ビティと隙間を介して連通する大容量キャビティを形成
する金型を使用し、合成樹脂発泡成形品用材料を大気圧
下に大容量キャビティ内へ供給し、金型を上記低容量キ
ャビティ側において型内のガス排出可能に閉じた後、該
材料が上記低容量キャビティに到達する前に金型内を完
全密閉する請求項1記載の合成樹脂発泡成形品の製造方
法。 (3)合成樹脂発泡成形品が軟質ポリウレタンフォーム
成形品である(1)又は(2)記載の合成樹脂発泡成形
品の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、図面を参
照して更に詳しく説明すると、本発明の合成樹脂発泡成
形品の製造方法は、例えば、図1に示される金型1のよ
うに、公知の形状の金型を使用して製造することができ
るものである。
照して更に詳しく説明すると、本発明の合成樹脂発泡成
形品の製造方法は、例えば、図1に示される金型1のよ
うに、公知の形状の金型を使用して製造することができ
るものである。
【0010】ここで、図1は、車両用フロントシートの
金型1の概略断面図を示す。この車両用フロントシート
用金型1は、下型2と、この下型2に着脱可能に接合さ
れる上型3と、この上型3にシリンダー4の作動によっ
て上下動可能に取付けられた中子型5とを具備する。
金型1の概略断面図を示す。この車両用フロントシート
用金型1は、下型2と、この下型2に着脱可能に接合さ
れる上型3と、この上型3にシリンダー4の作動によっ
て上下動可能に取付けられた中子型5とを具備する。
【0011】この中子型5の上面には、上記シリンダー
4を包囲するように上面にシール材6が取付けられた隔
離壁7が突設されていると共に、中子型5の先端部とこ
の隔離壁7との中間位置には、区画用突起8が突設され
ている。
4を包囲するように上面にシール材6が取付けられた隔
離壁7が突設されていると共に、中子型5の先端部とこ
の隔離壁7との中間位置には、区画用突起8が突設され
ている。
【0012】そして、上記下型2と上型3とを接合し、
シリンダー4を作動させて、中子型5を上型3に進出さ
せ、上記隔離壁7上面のシール材6が上型3下面に密着
させた際、下型2の一側壁と中子型5先端部との間に
は、隙間9が形成されるようになっており、上記下型2
上面と中子型5下面との間に大容量キャビティ10が形
成されると共に、上記上型3下面と中子型5先端側上面
と上記区画用突起8とによって、上記隙間9を介して大
容量キャビティ10に連通され、この大容量キャビティ
10に対しほぼ180°折れ曲がった状態で連なる低容
量キャビティ11が形成されるようになっており、ま
た、上記区画用突起8と隔離壁7との間に排気用空間1
2が形成されるようになっている。この場合、上記突起
8と上型3下面との間には、微小間隙13が形成される
ようになっており、上記低容量キャビティ11と排気用
空間12とは微小間隙13を介して連通している。
シリンダー4を作動させて、中子型5を上型3に進出さ
せ、上記隔離壁7上面のシール材6が上型3下面に密着
させた際、下型2の一側壁と中子型5先端部との間に
は、隙間9が形成されるようになっており、上記下型2
上面と中子型5下面との間に大容量キャビティ10が形
成されると共に、上記上型3下面と中子型5先端側上面
と上記区画用突起8とによって、上記隙間9を介して大
容量キャビティ10に連通され、この大容量キャビティ
10に対しほぼ180°折れ曲がった状態で連なる低容
量キャビティ11が形成されるようになっており、ま
た、上記区画用突起8と隔離壁7との間に排気用空間1
2が形成されるようになっている。この場合、上記突起
8と上型3下面との間には、微小間隙13が形成される
ようになっており、上記低容量キャビティ11と排気用
空間12とは微小間隙13を介して連通している。
【0013】上記上型3には、上記排気用空間12形成
位置に存してベント管14が設けられており、このベン
ト管14には、バルブ15が介装されている。また、上
記下型2と上型3との接合部には、パッキン16が介装
されており、従って、上記バルブ15を開くことによ
り、上記キャビティ10、11内のガスは、上記微小間
隙13及び排気用空間12よりベント管14を通って外
部に放出することができ、バルブ15を閉じると、金型
1内は完全に密閉されるようになっている。
位置に存してベント管14が設けられており、このベン
ト管14には、バルブ15が介装されている。また、上
記下型2と上型3との接合部には、パッキン16が介装
されており、従って、上記バルブ15を開くことによ
り、上記キャビティ10、11内のガスは、上記微小間
隙13及び排気用空間12よりベント管14を通って外
部に放出することができ、バルブ15を閉じると、金型
1内は完全に密閉されるようになっている。
【0014】なお、上記大・低容量のキャビティ10,
11により形成される車両用フロントシートは、大容量
キャビティ10が実際の表面に位置させるシート本体を
形成すると共に、低容量キャビティ11がシートを裏面
に取付けるために必要な取り付け部分をそれぞれ形成す
るものである。低容量キャビティ11は、シートの取付
け部分を形成するものであるが、材料コスト削減の観点
から可能な限り低容量にすることが求められる箇所であ
る一方、容量を少なくしすぎると欠陥が生じ易い箇所で
ある。
11により形成される車両用フロントシートは、大容量
キャビティ10が実際の表面に位置させるシート本体を
形成すると共に、低容量キャビティ11がシートを裏面
に取付けるために必要な取り付け部分をそれぞれ形成す
るものである。低容量キャビティ11は、シートの取付
け部分を形成するものであるが、材料コスト削減の観点
から可能な限り低容量にすることが求められる箇所であ
る一方、容量を少なくしすぎると欠陥が生じ易い箇所で
ある。
【0015】上記大容量キャビティ10と、低容量キャ
ビティ11は、隙間9を介して連結されたもので、この
隙間9は、通常2〜20mm程度の幅を有するものとす
ることができる。
ビティ11は、隙間9を介して連結されたもので、この
隙間9は、通常2〜20mm程度の幅を有するものとす
ることができる。
【0016】本発明の製造方法に使用する金型1は、以
上のように、所定のタイミングで密閉構造になるように
設けられたもので、型閉めを行った後に、上記バルブ1
5を閉じることで、内外を完全に遮断して密閉できる構
造になっている。
上のように、所定のタイミングで密閉構造になるように
設けられたもので、型閉めを行った後に、上記バルブ1
5を閉じることで、内外を完全に遮断して密閉できる構
造になっている。
【0017】ここで、本発明でいう完全密閉とは、通気
がベントホールやパーティングライン間の僅かな隙間か
らも行われないようにする密閉状態のことをいい、図1
の例においては、金型のパーティングラインの所定箇所
に、パッキン16が配設されて、パーティングラインか
らの通気を遮断し、完全密閉できるように設けられてい
る。
がベントホールやパーティングライン間の僅かな隙間か
らも行われないようにする密閉状態のことをいい、図1
の例においては、金型のパーティングラインの所定箇所
に、パッキン16が配設されて、パーティングラインか
らの通気を遮断し、完全密閉できるように設けられてい
る。
【0018】本発明においては、上記のような金型を使
用して、合成樹脂発泡成形品、特に軟質ポリウレタンフ
ォーム成形品を製造するに際し、まずバルブ15を開い
てある状態において、下型にウレタン発泡原液を注入
し、次いで、上型を下型に接合した後、充填完了後ゲル
化前に、上記バルブ15を閉じて金型内を完全密閉す
る。これにより、フォームの成長を停止させるもので、
完全密閉は、ウレタン発泡原液の充填完了(キャビティ
内を発泡体が満たした状態)後からゲル化の始まる前ま
でに行う。充填完了後からゲル化が始まる前に密閉する
タイミングとは、一般的には、60秒以内、好ましくは
10〜50秒であるが、配合によってはゲル化が300
秒後に始まる場合があるので、材料に応じてその前に完
全密閉するタイミングを調整すればよい。一般的に、フ
リー発泡のゲル化カーブは、ウレタン発泡原液の注入
後、約60秒近辺にあり、この付近で樹脂化が急激に進
んでいるため、その前に金型内を完全密閉して金型内の
圧力を高くし、フォームの成長を停止させるものであ
る。つまり、図示したような通常の金型では、上記大容
量及び低容量キャビティへの発泡体充填完了時間は、3
0〜40秒であり、金型内部圧力を測定すると、ほぼこ
のタイミングで圧力上昇を開始するもので、型内(キャ
ビティ内)が樹脂で満たされ、ガスの行き場がなくなっ
て圧力上昇が始まるものである。従って、このようにキ
ャビティ内が樹脂で満たされ、これがゲル化前に、上記
のようにバルブ15を閉じて、金型内の圧力を閉じるこ
とにより、ボイドの発生が防止されるものである。
用して、合成樹脂発泡成形品、特に軟質ポリウレタンフ
ォーム成形品を製造するに際し、まずバルブ15を開い
てある状態において、下型にウレタン発泡原液を注入
し、次いで、上型を下型に接合した後、充填完了後ゲル
化前に、上記バルブ15を閉じて金型内を完全密閉す
る。これにより、フォームの成長を停止させるもので、
完全密閉は、ウレタン発泡原液の充填完了(キャビティ
内を発泡体が満たした状態)後からゲル化の始まる前ま
でに行う。充填完了後からゲル化が始まる前に密閉する
タイミングとは、一般的には、60秒以内、好ましくは
10〜50秒であるが、配合によってはゲル化が300
秒後に始まる場合があるので、材料に応じてその前に完
全密閉するタイミングを調整すればよい。一般的に、フ
リー発泡のゲル化カーブは、ウレタン発泡原液の注入
後、約60秒近辺にあり、この付近で樹脂化が急激に進
んでいるため、その前に金型内を完全密閉して金型内の
圧力を高くし、フォームの成長を停止させるものであ
る。つまり、図示したような通常の金型では、上記大容
量及び低容量キャビティへの発泡体充填完了時間は、3
0〜40秒であり、金型内部圧力を測定すると、ほぼこ
のタイミングで圧力上昇を開始するもので、型内(キャ
ビティ内)が樹脂で満たされ、ガスの行き場がなくなっ
て圧力上昇が始まるものである。従って、このようにキ
ャビティ内が樹脂で満たされ、これがゲル化前に、上記
のようにバルブ15を閉じて、金型内の圧力を閉じるこ
とにより、ボイドの発生が防止されるものである。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例、比較例を示し、本発
明を具体的に説明するが、本発明は、下記実施例に制限
されるものではない。
明を具体的に説明するが、本発明は、下記実施例に制限
されるものではない。
【0020】〔実施例、比較例〕図1,2に示す金型を
使用し、軟質ポリウレタンフォーム製造用発泡原液(ブ
リヂストン社製エバーライトD)を用いて、フォーム成
形を行った。なお、この金型において、図2の下型2と
中子型5との間隙aは、約60mm、上型3と中子型5
との間隙bは約15mm、隙間9は約10mmである。
使用し、軟質ポリウレタンフォーム製造用発泡原液(ブ
リヂストン社製エバーライトD)を用いて、フォーム成
形を行った。なお、この金型において、図2の下型2と
中子型5との間隙aは、約60mm、上型3と中子型5
との間隙bは約15mm、隙間9は約10mmである。
【0021】図3に示したように、上記金型の下型に発
泡原液を注入してから、17秒後にバルブ15を開い
た状態で、上型3を閉じた。この場合、から35秒
後に大容量キャビティ10及び低容量キャビティ11に
発泡物が充満した。
泡原液を注入してから、17秒後にバルブ15を開い
た状態で、上型3を閉じた。この場合、から35秒
後に大容量キャビティ10及び低容量キャビティ11に
発泡物が充満した。
【0022】実施例にあっては、から37秒後にバル
ブ15を閉じ、金型を完全密閉した。一方、比較例に
あっては、その後もバルブ15を開いたままにした。上
記工程における金型内圧力の型内変化を図3に示す。実
施例においては、バルブを閉じた後、型内圧力が60k
Paまで上昇後、そのまま維持され、一方、比較例にあ
っては、型内圧力が40kPaまで上昇後、圧力が低下
することが観察された。
ブ15を閉じ、金型を完全密閉した。一方、比較例に
あっては、その後もバルブ15を開いたままにした。上
記工程における金型内圧力の型内変化を図3に示す。実
施例においては、バルブを閉じた後、型内圧力が60k
Paまで上昇後、そのまま維持され、一方、比較例にあ
っては、型内圧力が40kPaまで上昇後、圧力が低下
することが観察された。
【0023】
【発明の効果】本発明の製造方法は、合成樹脂発泡成形
品、特に軟質ポリウレタンフォーム等の連通気泡構造或
いは独立気泡構造を有する合成樹脂発泡成形品の成形を
バリの発生とボイド欠陥を抑えて製造することができ、
金型の清掃をも容易に行うことができるものである。
品、特に軟質ポリウレタンフォーム等の連通気泡構造或
いは独立気泡構造を有する合成樹脂発泡成形品の成形を
バリの発生とボイド欠陥を抑えて製造することができ、
金型の清掃をも容易に行うことができるものである。
【図1】本発明の一実施例にかかるポリウレタンフォー
ム材料を合成樹脂発泡成形品用材料とする車両用フロン
トシートの金型を示す概略断面図である。
ム材料を合成樹脂発泡成形品用材料とする車両用フロン
トシートの金型を示す概略断面図である。
【図2】図1の金型のX−X’片側断面図である。
【図3】実施例,比較例の金型内部の経時的な圧力増加
を示した観測データである。
を示した観測データである。
1 金型 2 下型 3 上型 5 中子型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F202 AA31L AG18 AM26 AM33 CA01 CB01 CK81 4F204 AA31L AG18 AM26 AM33 EA01 EB01 EF01 EK23 EK24 EL06 EL16 EL17 EL18
Claims (3)
- 【請求項1】 下型と、この下型の開放部を覆って着脱
可能に配設され、下型との間に密閉空間を形成する上型
と、上記下型と上型との密閉空間を合成樹脂発泡成形品
用材料が供給されるキャビティとする金型を用い、上記
キャビティ内に合成樹脂発泡成形品用材料を供給し、上
下型を閉じて合成樹脂発泡成形品用材料を発泡、硬化し
て脱型する合成樹脂発泡成形品の製造方法において、上
記合成樹脂発泡成形品用材料を大気圧下に供給し、上下
金型を型内のガス排出可能に閉じた後、該材料の充填完
了後ゲル化前に型内を完全密閉することを特徴とする合
成樹脂発泡成形品の製造方法。 - 【請求項2】 金型として、上記密閉空間内に着脱可能
に配設される中子型を具備し、該中子型を配設した際、
該中子型上面と上記上型下面とで低容量キャビティを形
成すると共に、該中子型下面と上記下型上面とで上記低
容量キャビティと隙間を介して連通する大容量キャビテ
ィを形成する金型を使用し、合成樹脂発泡成形品用材料
を大気圧下に大容量キャビティ内へ供給し、金型を上記
低容量キャビティ側において型内のガス排出可能に閉じ
た後、該材料が上記低容量キャビティに到達する前に金
型内を完全密閉する請求項1記載の合成樹脂発泡成形品
の製造方法。 - 【請求項3】 合成樹脂発泡成形品が軟質ポリウレタン
フォーム成形品である請求項1又は2記載の合成樹脂発
泡成形品の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2000360849A JP2002160235A (ja) | 2000-11-28 | 2000-11-28 | 合成樹脂発泡成形品の製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0315112U (ja) * | 1989-06-23 | 1991-02-15 | ||
JPH0999445A (ja) * | 1995-08-01 | 1997-04-15 | Bridgestone Corp | 合成樹脂発泡成形品の成形金型及び成形方法 |
JPH11226960A (ja) * | 1998-02-18 | 1999-08-24 | Bridgestone Corp | 合成樹脂発泡成形品の製造方法 |
-
2000
- 2000-11-28 JP JP2000360849A patent/JP2002160235A/ja active Pending
Patent Citations (3)
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JPH0315112U (ja) * | 1989-06-23 | 1991-02-15 | ||
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