JP4251509B2 - 発泡成型用金型装置および原料ビーズの充填方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、発泡ポリスチレン樹脂などからなる断熱性容器あるいは建設用型材、または断熱床下地材などを製造するための発泡成形方法において、原料である予備発泡させた発泡性原料ビーズを金型内のキャビティに充填するための充填方法、および発泡成型用金型装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
ここで、本発明の背景となる発泡成形方法の概要を説明すると、この発泡成形に用いられる金型装置の配置は、図3の断面略図に示すように、発泡製品が充填成形されるキャビティ1を形成するよう、凸型金型31と凹型金型21が対向配置されるとともに、凹型金型21は通常固定されているが、凸型金型31は、図3のように凹型金型21内にキャビティ1を形成した状態から水平に移動(図3では右方向へ)し、成形された発泡体を取り出すことができるよう移動可能に配置されている。そして、この金型21、31には、後記の加熱用スチームなどの用役が通過できるよう多数のベントホール22、32が透設されている。
【0003】
また、これら凹、凸金型21、31の裏面側には、スチーム、空気、冷却水などの用役が供給される凹側チャンバ2と凸側チャンバ3が形成され、凹型金型21のほぼ中央には原料ビーズをキャビテイ1内に充填するための原料ビーズ供給金具26が凹側チャンバ2を貫通して配置されている。なお、この事例では、それぞれのチャンバ2、3の上部には、加熱用スチームなどを供給するための上部用役口24、34が設けられ、下部には、下部用役口25、35が設けられ、減圧ポンプあるいはドレン配管に接続されている。
【0004】
このような発泡成形用金型装置を用いて、発泡成形体を製造するには、先ず、原料ビーズ容器(図示せず)から所定の発泡ポリスチレン樹脂などからなる予備発泡させた発泡性原料ビーズを原料ビーズ供給金具26を介してキャビティ1内に送入し充填した後、加熱用スチームで加熱し、溶融発泡させ、冷却固化させて、発泡成形体として取り出すという順に行われる。
【0005】
この原料ビーズの充填方法として、従来から1)クラッキング法、2)加圧充填法、3)圧縮充填法などが知られている。
1)クラッキング法は、原料ビーズ容器およびキャビテイ内を大気圧に連通し開放した状態で、インジェクタにより原料ビーズを機械的に搬送して充填する方法であるが、内部に滞留する空気が障害となって充填むらを生じやすく、充填密度がバラツキが大きくなるという欠点があった。
【0006】
2)加圧充填法は、原料ビーズ容器内を0.2〜1.5kg/cm2 程度に加圧し、チャンバを通じて大気圧に開放した状態のキャビテイ内に、その差圧を利用して搬送して充填する方法である。この場合、原料ビーズ容器からキャビテイまでの搬送通路内の差圧が利用できるので、前記クラッキング法に較べて充填むらが少なくなる利点が得られる。
【0007】
3)圧縮充填法は、原料ビーズ容器内の圧力pを加圧充填法より高めの1.0〜5.0kg/cm2 程度に加圧し、一方のチャンバ内を加圧して、ベントホールを通じて連通しているキャビテイ内圧力p1 の差圧(p−p1)を変化させて、原料ビーズを搬送して充填する方法であり、原料ビーズが圧縮された状態で送られるので、充填性に優れる。
【0008】
ところで、このような発泡成形方法に用いられる金型装置は、先に説明した通り、加熱用スチーム、排気、給気、給水などの用役をキャビテイ内に作用させるためのベントホールが多数形成されているため、次のような問題を内在している。すなわち、強度維持のため肉厚となり孔明け加工費も嵩んで金型材料費がコスト高となる、目詰まり防止など特別なメンテナンスのための費用もかかる、加熱冷却の熱効率が低い、冷却水が製品に浸透するので乾燥が必要になる、成形体の表面が凹凸になり印刷面に適さない、などのベントホールに起因する不都合が認識されるようになり、その改善が試みられている。
【0009】
そこで、従来の金型構造において、ベントホールを設けない凹型、凸型金型の組合せを準備して、原料ビーズの充填操作を試行してみた結果、前記クラッキング法を応用する場合は、凹型、凸型金型の型締めを完全には行わず、若干隙間を開けておくことにより、一応原料ビーズが送入可能ではあるが、充填むらが甚だしく実用の見通しは得られなかった。
【0010】
また、加圧充填法の場合には、同様に凹型、凸型金型の間に若干隙間を開けておくことによりキャビテイ内を大気圧に維持できるので、一応の充填操作は可能であるが、充填された原料ビーズは、操作後にクラッキングに相当する型閉め代寸法だけ圧縮されることになるが、図3の容器の底部になる平面部分と側壁部になる部分では、圧縮率が異なり、平面部は側壁部より充填率が大きくなって、充填密度むらが発生するという欠点は解消できなかった。なお、圧縮充填法の場合には、キャビテイ内を大気圧以上の所定の圧力に維持する必要があるものの、ベントホールの存在しない金型では加圧を保持しながら原料ビーズを送り込む手段がないので比較、検討することもできなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、従来必要であったベントホールを金型面から省略した新規な発泡成形用金型装置の実用化を図るものであり、ベントホールを備えていない発泡成形用金型装置を使用しながら、原料ビーズ充填時の充填むらをできるだけ防止できる発泡成型用金型装置および原料ビーズの充填方法を提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するためになされた本発明の発泡成型用金型装置は、狭隘な凹所を有しキャビティを形成する一対の組合せ金型が、型締めされた状態で組合せ金型の合わせ目部分に沿ってスリットを、その開口幅を供給される原料ビーズの粒径よりも小さいものとして配設するとともに、該スリットが金型装置のフレームに設けられた用役口に連通する型間通路と型間空間を両金型およびフレームの合わせ目に沿って配設したうえに、
型間空間と前記狭隘な凹所とを、原料ビーズの粒径よりも小さい開口幅の内部配管で連通したことを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の原料ビーズの充填方法は、請求項1に記載の発泡成形用金型装置を用いて、用役口からスリットを通じてキャビティを原料ビーズ容器よりもマイナス圧に調圧するとともに、用役口から内部配管を通じて狭隘な凹所を原料ビーズ容器よりもマイナス圧に調圧して、原料ビーズをキャビティに充填することを特徴とするものである。
【0014】
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の原料ビーズの充填方法に係る実施形態を説明する。本発明の原料ビーズの充填方法は、原料ビーズ容器から発泡成形用金型内のキャビティに原料ビーズを充填する方法であって、裏面側にチャンバを配設した一対の金型で包囲して、前記チャンバとは気密に隔てられた状態でキャビティを形成する第1ステップ、原料ビーズ容器内の圧力に対して、前記キャビティ内の圧力を所定のマイナス圧に維持しながら、該原料ビーズを前記キャビティに送入する第2ステップを含むものである。
【0016】
ここで、参考例である発泡成形用金型装置について、その要部断面略図参考図である図1を参照して、説明する。図1において、型閉時に、発泡成形体を形成するためのキャビティ4を包囲した状態で形成する一対の組合せ金型51、61において、その組合せ金型の合わせ目部分に沿って、キャビティ内の両端部分に露出したスリット7a、7bを、その開口幅を供給される原料ビーズの粒径より小さいものとして、配設するとともに、該スリットから外部の用役配管に連通する通路を設けたことを特徴とする発泡成形用金型装置が適当である。
【0017】
また、同様に発泡成形体を形成するためのキャビティ4を包囲した状態で形成する一対の組合せ金型51、61において、その組合せ金型の少なくとも一方の金型に取り付けられた付属部品、例えば、原料ビーズ供給金具8などのキャビティ内に露出した部分に、スリット8aを配設するとともに、該スリットから外部の用役配管に連通する通路を設けたことを特徴とする発泡成形用金型装置も適当である。このスリット8aの開口幅を供給される原料ビーズの粒径より小さいものとするのは、スリット7a、7bの場合と同様である。
【0018】
さらに、前記組合せ金型の合わせ目部分に沿って設けられたスリット7a、7bと、前記組合せ金型の少なくとも一方の金型に取り付けられた原料ビーズ供給金具8のキャビティ内に露出した部分に設けられたスリット8aとを併設した形態の発泡成形用金型装置も適当である。
【0019】
さらに詳細に説明すると、キャビティ4を形成する凸型金型61と凹型金型51のうち、凹型金型51は固定され移動できないが、凸型金型61は、図1のように凹型金型51内にキャビティ4を形成した状態から水平に移動(図1では右方向へ)し、成形工程で得られた発泡成形体を取り出すことができるよう移動可能に配置されているのが通例である。
【0020】
そして、これら金型51、61の裏面側には、フレーム52、62と裏板53、63が取付けられ、スチームなどの用役が供給される凹側チャンバ5と凸側チャンバ6が形成されている。なお、この事例では、フレーム52、62の上部には、上部用役口54、64が、下部には、下部用役口55、65が配設されていて、上部用役口54、64には、加熱用スチームが供給されるスチーム弁がそれぞれ取り付けられ、下部用役口55、65には、減圧ポンプまたはドレン配管に接続される弁が取り付けられている。
【0021】
そして、前記一対の組合せ金型51、61の合わせ目部分に沿ってキャビティ4内の両端部分に露出した、スリット7a、7bを配設するとともに、該スリット7a、7bから外部の用役配管に接続される用役口73a、73bの間を連通させる通路として、型間通路71a、71bおよびチャンバ5、6内を通過する内部配管72a、72bが設けられている。
【0022】
つまり、金型51、61には,従来のようなベントホールが設けられておらず、金型51、61を閉じたときには、キャビティ4は、凹側チャンバ5と凸側チャンバ6のそれぞれから気密に隔離された状態に形成されるとともに、スリット7a、7bと、これらスリットが専用の用役口73a、73bに連通する通路が形成されるのである。
【0023】
さらに、それら組合せ金型の少なくとも一方の金型に取り付けられた付属部品、例えば外部から貫通して金型51に取り付けられた原料ビーズ供給金具8のキャビティ内に露出した部分には、スリット8aを配設するとともに、該スリット8aから外部の用役配管に接続される用役口82aに連通する通路81aを設けられている。
【0024】
この場合の原料ビーズ供給金具8は、原料ビーズ容器(図示せず)から供給配管(図示せず)を通じて原料ビーズを供給するものであり、供給ノズル80とその周囲を取り囲む2重管81から構成され、その先端部分は金型51を通じてキャビティ4に臨む状態で配設されている。そして、この供給ノズル80と2重管81との間には通路81aが設けられていて、その先端部は環状のスリット8aとし、供給ノズル80のノズル口8bと同様に、キャビティ4に露出している。
【0025】
そして、前記供給ノズル80と2重管81との間の通路81aの他端は、金型外に臨む用役口82aに通じていて、この用役口82aから、キャビテイ4内の原料ビーズに対して、前記のスリット7a、7bと同様に、所要のスチーム、加圧空気の供給あるいは減圧操作などを行うことができるのである。
【0026】
以上詳細に説明した発泡成形用金型装置を使用すれば、原料ビーズの充填方法における第1ステップである、裏面側にチャンバ(参考、図1の符号5、6、以下同様)を配設した一対の金型(図1の符号51、61)で包囲して、前記チャンバとは気密に隔てられた状態でキャビティ(図1の符号4)を形成することができる。
【0027】
次いで、第2ステップである、原料ビーズ容器内の圧力に対して、前記キャビティ内の圧力を所定のマイナス圧に維持すれば、その差圧に基づいて、その容器内の原料ビーズは供給配管内を搬送され、前記原料ビーズ供給金具(図1の符号8)からキャビティ(図1の符号4)内に送入され、キャビティを充填することができるのである。なお、この差圧を維持するには、キャビティの両側部にあるスリット(図1の符号7a、7b)に連通している用役口(図1の符号73a、73b)から加圧、または減圧などの調圧操作を加えれば容易に行うことができる。
【0028】
この場合、原料ビーズ容器内の圧力を大気圧〜5.0kg/cm2 の範囲に保持して、さらには、前記キャビティ内の圧力を、原料ビーズ容器内の圧力マイナス0.5kg/cm2 未満であって、かつ大気圧以上の加圧状態に維持して原料ビーズを前記キャビティに送入するのが好ましい具体的な方法である。
【0029】
原料ビーズ容器内の圧力を大気圧〜5.0kg/cm2 の範囲とする理由は、この範囲の場合にキャビテイ内の原料ビーズは、最適の外径(容積)に圧縮減容され、金型キャビティの平面部分、側面部分あるいは狭隘な部分においても充填密度が比較的均一になるという好ましい効果が得られるからである。
【0030】
また、前記キャビティ内の圧力を大気圧以上に維持しつつ、原料ビーズ容器内の圧力に対してマイナス0.5kg/cm2 未満の差圧を設ける理由は、この範囲を外れる圧力状態では、搬送気流の流速が過剰でありキャビティ内あるいは充填通路の狭隘部分において原料ビーズの詰まりの現象がみられるようになるから好ましくないからである。
【0031】
さらに、第2のステップにおいて、原料ビーズ容器内の圧力を大気圧〜5.0kg/cm2 の範囲に保持しながら、前記キャビティ内の圧力を大気圧からマイナス1.0kg/cm2 までの大気圧以下の減圧状態に維持して、原料ビーズを前記キャビティに送入するのも好ましい具体的な方法となり得る。
【0032】
このように、原料ビーズ容器内の圧力を大気圧〜5.0kg/cm2 の範囲に保持しながら、キャビティ内の圧力を大気圧からマイナス1.0kg/cm2までの負圧に保つ利点は、圧縮減容を必要としない原料ビーズに対して、キャビティのみを減圧するため、充填時に負圧状態を保持し易く、キャビティの金型平面部分、または側面部分あるいは狭隘な部分においても、充填密度が均一になるという好ましい効果が得られるからである。
【0033】
さらに、参考例としての原料ビーズの充填方法によれば、以下の利点が得られる。
1)送入された原料ビーズは、キャビティのほぼ中央に位置する供給ノズルからキャビティの側端部に設けられたスリットの方向に流動して充填されるので、キャビティ内に充填むらが生じにくく、製品の品質が安定する。
2)充填された原料ビーズは、圧縮状態で充填されるので、原料ビーズの粒子間空間を少なくでき、その後に行われる加熱発泡時のスチームとの置換操作などが容易となる。
【0034】
充填時の調圧操作において、対象はキャビティ空間に限定されるので、従来のような両サイドのチャンバ空間を含む大容積の調圧が不要となり、調圧空間が1/20以下になるので、加圧、減圧装置の負荷が大幅に減少でき、機器のコンパクト化が可能となる。
【0035】
次に、本発明の発泡成形用金型装置について、その要部断面略図である図2を参照して、説明する。図2は、発泡成形用金型装置の下半分を省略した断面略図であり、型閉時に、発泡成形体を形成するためのキャビティ4を包囲した状態で形成する一対の組合せ金型51、61の合わせ目部分に沿って、キャビティ内の両端部分に露出したスリット7a、7b(図示せず)を、その開口幅を供給される原料ビーズの粒径より小さいものとして、配設する点で先の形態と同様であるが、以下の点で、その構造を異にする。
【0036】
それは、この組合せ金型51、61の合わせ目部分に沿ってキャビティ4内の両端部分に露出したスリット7aから外部の用役配管に接続される用役口93aの間を連通させる通路として、型閉時に、金型51、61の合わせ目部分で形成される型間通路91aと、同じく型閉時に、型間通路91aに連通し、外部の用役口93aを備え、かつ密閉されるフレーム52、62の合わせ目部分で包囲された状態で形成される型間空間92aを利用するものである。このスリット7a〜用役口93aに至る構造は、金型装置の下半分にも対称状態にして同様に設けられ得るものである。
【0037】
つまり、金型51、61には,従来のようなベントホールが設けられておらず、金型51、61を閉じたときには、キャビティ4は、凹側チャンバと凸側チャンバのそれぞれから気密に隔離された状態に形成されるとともに、スリット7aと、これらスリットが金型装置のフレーム(図2ではフレーム52側)に設けられた専用の用役口93aに連通する通路(型間通路91aおよび型間空間92a)が、先の図1の事例とは異なった形態で、両金型およびフレームの合わせ目に沿って形成されるのである。
【0038】
この図2に示す金型装置を使用すれば、本発明の原料ビーズの充填方法における第1ステップである、裏面側にチャンバを配設した一対の金型51、61で包囲して、前記チャンバとは気密に隔てられた状態でキャビティ4を形成することができる。
【0039】
次いで、第2ステップである、原料ビーズ容器内の圧力に対して、キャビティの両側部にあるスリット(7a、7b)に連通している用役口(93a、93b)から加圧、または減圧などの調圧操作を加えて、前記キャビティ内の圧力を所定のマイナス圧に維持すれば、その差圧に基づいて、その容器内の原料ビーズは供給配管内を搬送され、前記原料ビーズ供給金具(図1の符号8)からキャビティ4内に送入され、充填することができるのである。この場合、先の実施形態の場合に同様に、キャビティ内の圧力を好ましく設定することができる。
【0040】
そして、この図2に示す金型装置を用いる本発明によれば、先の図1の場合と同様な利点を全て享受できるうえ、製作時に配管工事が必要である独立した内部配管72a、72bが不要であるから、金型装置の製作コストが抑えられ、メンテナンスも不要となる利点が得られるのである。
【0041】
また、本発明では、キャビティ4を包囲した状態で形成する一対の組合せ金型51、61において、図2に示すように、原料ビーズが進入しにくく、充填されにくい凹所あるいは狭隘な部位41、42を、内部配管43、44によって、前述の型間空間92aに連通させた構造の金型装置を利用することができる。この場合、この内部配管43、44のキャビティ4への開口幅は、スリット7aのときに同じく、供給される原料ビーズの粒径より小さいものとする。
【0042】
この実施形態によれば、型間空間92aの調圧操作に連動して、前記の狭隘な部位41、42が、原料ビーズ容器に対して所要のマイナス圧に調節されるので、本来原料ビーズが進入しにくいこれら狭隘な部位41、42にも、原料ビーズが進入しやすくなるので、充填むらが解消できる利点がある。
【0043】
【発明の効果】
本発明の原料ビーズの充填方法は、以上に説明したように構成されているので、下記のようにベントホールを金型面から省略した新規な発泡成形用金型装置の実用化が可能となる他、製品品質の安定化、原料ビーズ粒子間空間のスチームとの置換操作の容易化、あるいは調圧機器のコンパクト化に寄与するなどの優れた効果がある。
【0044】
また、従来の発泡成形用金型装置では、キャビティとチャンバとを連通させるベントホールは必要不可欠なものであったが、本発明によって、ベントホールを金型面から省略した新規な発泡成形用金型装置の実用化が可能となった。
【0045】
その結果、a)金型材料費が安価になり、金型の製作加工コストも削減できる。b)特別なメンテナンスが不要になる。c)加熱冷却の熱効率が向上し、省エネルギ、サイクル時間短縮に有効となる。d)成形体の含水率が低下するので乾燥後工程が省略できる。e)成形体の表面が滑らかで外観品質に優れる。f)用役操作の自由度が拡張できるなどという、ベントホールを省略した場合の多くの効果を実現できるようになったのである。よって本発明は従来の問題点を解消した原料ビーズの充填方法として、その工業的価値は極めて大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例として示す発泡成形用金型装置の要部断面略図。
【図2】本発明に用いられる発泡成形用金型装置の要部断面略図。
【図3】従来の発泡成形用金型装置の要部断面略図。
【符号の説明】
4 キャビティ、41、42 狭隘部位、43、44 内部配管、5 凹側チャンバ、51 凹型金型、54 上部用役口、55 下部用役口、6 凸側チャンバ、61 凸型金型、64 上部用役口、65 下部用役口、7a、7b スリット、72a、72b 内部配管、73a、73b 用役口、8 原料ビーズ供給金具、8b ノズル口、80 供給ノズル、8a スリット、81 2重管、81a 通路、82a 用役口。91a 型間通路、92a 型間空間、93a用役口。
Claims (2)
- 狭隘な凹所を有しキャビティを形成する一対の組合せ金型が、型締めされた状態で組合せ金型の合わせ目部分に沿ってスリットを、その開口幅を供給される原料ビーズの粒径よりも小さいものとして配設するとともに、該スリットが金型装置のフレームに設けられた用役口に連通する型間通路と型間空間を両金型およびフレームの合わせ目に沿って配設したうえに、
型間空間と前記狭隘な凹所とを、原料ビーズの粒径よりも小さい開口幅の内部配管で連通したことを特徴とする発泡成型用金型装置。 - 請求項1に記載の発泡成形用金型装置を用いて、用役口からスリットを通じてキャビティを原料ビーズ容器よりもマイナス圧に調圧するとともに、用役口から内部配管を通じて狭隘な凹所を原料ビーズ容器よりもマイナス圧に調圧して、原料ビーズをキャビティに充填することを特徴とする原料ビーズの充填方法。
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