JP2006321096A - ポーラス成形体成形用金型装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】発泡粒子間に空隙を残して通気性を持たせた発泡樹脂からなるポーラス成形体を成形することができる金型装置。
【解決手段】ポーラス成形体が充填成形されるキャビティ4を包囲、形成するよう、凸型金型61と凹型金型51が対向配置されている。その組合せ金型51、61には、従来のようなベントホールが設けられておらず、その合わせ目部分に沿ってキャビティ4内に露出した、スリット7a、7bを配設するとともに、該スリット7a、7bから外部の用役配管に接続される用役口73a、73bの間を連通させる通路として、型間通路71a、71bおよび内部配管72a、72bを設けた点にある。これら金型51、61の裏面側には、フレーム52、62と裏板53、63が取付けられ、スチームなどの用役が供給される凹側チャンバ5と凸側チャンバ6が形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】ポーラス成形体が充填成形されるキャビティ4を包囲、形成するよう、凸型金型61と凹型金型51が対向配置されている。その組合せ金型51、61には、従来のようなベントホールが設けられておらず、その合わせ目部分に沿ってキャビティ4内に露出した、スリット7a、7bを配設するとともに、該スリット7a、7bから外部の用役配管に接続される用役口73a、73bの間を連通させる通路として、型間通路71a、71bおよび内部配管72a、72bを設けた点にある。これら金型51、61の裏面側には、フレーム52、62と裏板53、63が取付けられ、スチームなどの用役が供給される凹側チャンバ5と凸側チャンバ6が形成されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、型内に充填した発泡性樹脂粒子を加熱発泡して得られる内部に気孔を持った発泡成形体樹脂からなるポーラス成形体を製造するための成形用金型装置に関する。
本発明の背景となる発泡成形方法の概要を説明すると、この発泡成形に用いられる金型装置の配置は、図4の断面略図に示すように、発泡製品が充填成形されるキャビティ1を形成するよう、凸型金型31と凹型金型21が対向配置されるとともに、凹型金型21は通常固定されているが、凸型金型31は、図のように凹型金型21内にキャビティ1を形成した状態から水平に移動(図3では右方向へ)し、成形された発泡体を取り出すことができるよう移動可能に配置されている。そして、この両金型21、31には、後記の加熱用スチームなどの用役が通過、供給できるよう多数のベントホール22、32が形成されている。
また、これら凹、凸金型21、31の裏面側には、スチームなどの用役が供給される凹側チャンバ2と凸側チャンバ3が形成されている。なお、この事例では、それぞれのチャンバ2、3の上部には、加熱用スチームなどを供給するための上部用役口24、34が設けられ、下部には、下部用役口25、35が設けられ、減圧ポンプあるいはドレン配管に接続されている。
なお、これら金型21、31に形成された多数のベントホール22、32は、実際には、0.5mmφ程度のベントホールを10〜20個透設した外径7〜12mmの蓋を有する筒体からなるコアベントを、金型21、31に20〜30mmのピッチで孔明け配置したコアベント取付孔に嵌め込んで設けられているものである。
このような発泡成形用金型装置を用いて、予備発泡させた原料ビーズをキャビティ1内に充填した後、加熱用スチームで加熱し、発泡、融着させ、冷却固化させて、所定の発泡ポリスチレン樹脂などからなる発泡成形体として取り出すのであるが、この発泡成形工程におけるベントホール22、32の役割について、さらに説明する。
特許文献1には、発泡成形工程が開示されており、それによると、まず排気工程では、キャビティ1内に原料ビーズを充填した後、ごく短時間、スチームを上部用役口24、34からチャンバ2、3に供給するとともに、下部用役口25、35から金型内の特にチャンバ2、3内の空気を吸引排出して内部を排気する。この場合、チャンバ2、3内をスチームでプラス圧に高め、ベントホール22、32を通じて原料ビーズ間にも一旦スチームを侵入させる。
次の両側排気工程では、上部用役口24、34を閉じて、吸引減圧操作を継続して金型内を減圧状態にすれば、原料ビーズ間の空間に存在していた空気も両側の金型に設けられているベントホール22、32を経由して吸引され、下部用役口25、35から排出される。
さらに、次の片側予熱工程では、下部用役口25、35を閉じて、減圧状態になった一方のチャンバ3側の上部用役口34から短時間、スチームを供給する。この場合、供給されたスチームは、金型31のベントホール32、キャビティ1内の原料ビーズ間、金型21のベントホール22に順に透過して反対側のチャンバ2に流入することになり、原料ビーズと金型各部の全体が予熱されることになる。
かくして、次の逆片側予熱工程で、スチームの流れ方向を逆にして、チャンバ2側から同様な操作を行い、キャビティ内の空気を完全に排除するとともに、双方の金型21、31の部分的温度差を可及的に少なくしながら予熱する。
このように、いわゆる準備工程が完了してから融着加熱工程に移る。ここでは、融着加熱用スチームを双方のチャンバ2、3に供給して、金型を加熱するとともに、それぞれの金型のベントホール22、32を通して原料ビーズをも加熱し、発泡を完了させるとともに相互に融着させ、発泡成形体を形成させる。
このように、金型に形成されているベントホールは、原料ビーズ間の空気の排出通路として、あるいは加熱スチームの供給通路などとして、均質な発泡成形体を得るための重要な役割を果たしているのであるが、一方、以下のような技術的背景が認識されるにいたった。
従来の発泡樹脂成形体のように、断熱保冷性・緩衝性が重視されたいわゆる「魚箱」など生鮮食品保管用・搬送用ボックスに代表される材料では、その材質は実質的に発泡粒子間には空隙がなく、通気性がない点に特徴があった。ところが、本発明出願人は、発泡粒子間には空隙を残して通気性を持たせたことを特徴とする発泡樹脂からなるポーラス成形体の開発を行っている。そして、このポーラス成形体を対象として、以上説明した金型装置を用いて試作した結果、次のような問題があることが判明した。
(1)金型に多数のコアベントを設けているため、ポーラス成形体を成形するには、熱容量が大きすぎて、微妙な温度調節が難しく、内部に好ましい空隙構造を持つポーラス成形体を製作できなかった。
(2)また、コアベントの個数を減らしたり、開口径を小さくして試みたが、成形体の表面と内部の融着度合いをコントロールすることができず、表皮を持ったポーラス成形体の製作は極めて困難であった。
(2)また、コアベントの個数を減らしたり、開口径を小さくして試みたが、成形体の表面と内部の融着度合いをコントロールすることができず、表皮を持ったポーラス成形体の製作は極めて困難であった。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、前記の発泡粒子間に空隙を残して通気性を持たせた発泡樹脂からなるポーラス成形体を成形することができる金型装置であって、従来必要であった金型のベントホールを不要としたポーラス成形体成形用金型装置を提供する。
本発明は、後記するポーラス成形体の開発過程において、本発明出願人がすでに提案している特開平11−342514号公報(特願平10−136873号)記載の金型装置が好ましく利用できることを見出したことに基いて完成したものであり、以下の内容からなる。
上記の問題は、第1発明である次の本発明のポーラス成形体成形用金型装置によって、解決することができる。それは、ポーラス成形体を形成するためのキャビティを包囲した状態で形成する一対の組合せ金型において、その組合せ金型の合わせ目部分に沿って、キャビティ内に露出したスリットを配設するとともに、該スリットから外部の用役配管に連通する通路を設けたことを特徴とするポーラス成形体成形用金型装置である。
また、上記の問題は、第2発明である次の本発明のポーラス成形体成形用金型装置によって、解決することができる。それは、ポーラス成形体を形成するためのキャビティを包囲した状態で形成する一対の組合せ金型において、その組合せ金型の少なくとも一方の金型に取り付けられた付属部品のキャビティ内に露出した部分に、スリットを配設するとともに、該スリットから外部の用役配管に連通する通路を設けたことを特徴とするポーラス成形体成形用金型装置である。
この第1および第2発明は、前記スリットのキャビティ側の開口幅を、充填する原料ビーズの外径寸法以下に形成した形態に具体化できる。
さらに、それらは、前記キャビティに前記スリットを複数個設けて、一方のスリットからキャビティを通過して他方のスリットに向けて用役を供給可能とした形態にも、好ましく具体化される。
さらに、それらは、前記キャビティに前記スリットを複数個設けて、一方のスリットからキャビティを通過して他方のスリットに向けて用役を供給可能とした形態にも、好ましく具体化される。
また、上記の問題は、第1、2発明の双方の特徴を備えた次の本発明のポーラス成形体成形用金型装置によって、解決することができる。それは、ポーラス成形体を形成するためのキャビティを包囲した状態で形成する一対の組合せ金型において、その組合せ金型の合わせ目部分に沿って、キャビティ内に露出した一対のスリットを配設するとともに、その組合せ金型の少なくとも一方の金型に取り付けられた原料ビーズ供給金具のキャビティ内に露出した部分に、スリットを配設して、それぞれのスリットから外部の用役配管に連通する個別の通路を設けたことを特徴とするポーラス成形体成形用金型装置である。
なお、本発明において、ポーラス成形体とは、発泡粒子間には空隙を残して通気性を持たせた発泡樹脂からなる成形体をいい、具体的には、本件出願人が出願した特願2005−37960号出願の明細書に記載の発泡樹脂成形体をいうこととする。
具体的に説明すると、(1)型内に充填した発泡性樹脂粒子を加熱発泡して得られる無数の発泡セルで構成される発泡成形体であって、図3の符号を参照すると、隣接する発泡セル(11)が接触面(11a)においてそれ自体が軟化溶融して結合されるとともに、少なくとも3個の発泡セルに囲まれる空間(12)が連なって形成される連通気孔からなり、容積気孔率が10〜40%である3次元細気孔を備え、かつ少なくとも0.16MPaの引裂き強度を有する発泡成形体である。そして、以下の付加的構造も含む。
(2)前記(1)の発泡成形体の外表面の一部または全部に、より容積気孔率の少ない表層部を付加した発泡成形体。
(3)前記(2)の表層部が、当該発泡成形体の発泡成形時に一体に成形されたものである発泡成形体。
(4)前記(1)(2)(3)の発泡成形体の一部に、より強度の大なる増強発泡体を付加した発泡成形体。
(3)前記(2)の表層部が、当該発泡成形体の発泡成形時に一体に成形されたものである発泡成形体。
(4)前記(1)(2)(3)の発泡成形体の一部に、より強度の大なる増強発泡体を付加した発泡成形体。
本発明の発泡成形用金型装置は、前記した特定のポーラス成形体を成形するための金型装置であって、以上に説明したように構成されているので、従来必要であったベントホールを省略した金型であり、加熱スチームをチャンバを経由することなく直接キャビティに供給でき、またチャンバを経由することなく直接キャビティ内から排気できるので、熱容量の大きい金型からの熱的影響とは独立して、微妙な温度調節が可能となることにより、ポーラス成形体を確実に発泡成形できる利点がある。
また、1)金型材料費が安価になり、金型の製作加工コストも削減できる。2)特別なメンテナンスが不要になる。3)加熱冷却の熱効率が向上し、省エネルギ、サイクル時間短縮に有効となる。4)用役操作の自由度が拡張できるなどという格別の効果がある。よって本発明は従来の問題点を解消したポーラス成形体成形用金型装置として、その工業的価値は極めて大なるものがある。
(第1発明)
次に、本発明の第1発明であるポーラス成形体成形用金型装置の実施形態について図1、2を参照して説明する。
図1において、この金型装置の配置は、従来の場合と同様に、ポーラス成形体が充填成形されるキャビティ4を包囲、形成するよう、凸型金型61と凹型金型51が対向配置されている。なお、この凹型金型51は固定され移動できないが、凸型金型61は、図1のように凹型金型51内にキャビティ4を形成した状態から水平に移動(図1では右方向へ)し、成形工程で得られた発泡成形体を取り出すことができるよう移動可能に配置される。
次に、本発明の第1発明であるポーラス成形体成形用金型装置の実施形態について図1、2を参照して説明する。
図1において、この金型装置の配置は、従来の場合と同様に、ポーラス成形体が充填成形されるキャビティ4を包囲、形成するよう、凸型金型61と凹型金型51が対向配置されている。なお、この凹型金型51は固定され移動できないが、凸型金型61は、図1のように凹型金型51内にキャビティ4を形成した状態から水平に移動(図1では右方向へ)し、成形工程で得られた発泡成形体を取り出すことができるよう移動可能に配置される。
また、これら金型51、61の裏面側には、フレーム52、62と裏板53、63が取付けられ、スチームなどの用役が供給される凹側チャンバ5と凸側チャンバ6が形成されている。なお、この事例では、フレーム52、62の上部には、上部用役口54、64が、下部には、下部用役口55、65が配設されていて、上部用役口54、64には、加熱用スチームが供給されるスチーム弁がそれぞれ取り付けられ、下部用役口55、65には、減圧ポンプまたはドレン配管に接続される弁が取り付けられている。
そして、この第1発明のポーラス成形体成形用金型装置の特徴とするところは、上記の通りポーラス成形体を形成するためのキャビティ4を包囲した状態で形成する一対の組合せ金型51、61において、その組合せ金型51、61の合わせ目部分に沿ってキャビティ4内に露出した、スリット7a、7bを配設するとともに、該スリット7a、7bから外部の用役配管に接続される用役口73a、73bの間を連通させる通路として、型間通路71a、71bおよび内部配管72a、72bを設けた点にある。
つまり、型閉されたときには、金型51、61には,従来のようなベントホールが設けられておらず、キャビティ4は、凹側チャンバ5と凸側チャンバ6のそれぞれから気密に隔離されていると同時に、外部への用役口73a、73bに通じるスリット7a、7bが形成されるのである。
このようなポーラス成形体成形用金型装置においては、その構成から容易に理解できるように、先に述べた原料ビーズに対する予熱排気工程および融着加熱工程を、従来のベントホールに代えてこのスリットを用いて、以下に述べるように行うことが可能となるのである。
すなわち、予熱排気工程においては、スリット7a〜用役口73a、またはスリット7b〜用役口73bから減圧排気してキャビティ4内を直接に減圧した後、予熱用スチームを同様に直接に供給すればよく、また融着加熱工程では、同様にスリット7a、7bから、融着温度のスチームをチャンバ内の原料ビーズに直接に供給すればよいことになる。この場合、必要があれば、別の用役口54、64からチャンバ5、6に所要のスチームを供給するようにできるのはいうまでもない。
この場合、原料ビーズによって前記スリット7a、7bが目詰まりをおこさないようにするには、そのキャビティ側の開口幅を、充填する原料ビーズの外径寸法である2.0〜8mmφ以下に形成する必要があり、また、はみ出し、バリ跡が少なくポーラス成形体の仕上がりを良好にするには、可及的に間隔を狭くする方が好ましいが、一方、用役の通過抵抗は少ないほうが好ましいので、その開口幅は、0.1〜1.5 mmとするのが適当である。
また、本発明において、前記スリット7aまたは7bは、金型51と金型61との合わせ目で凹部の谷部分に沿って設けるのが適当である。この場合、このスリット部分はポーラス成形体の外周囲の凸角稜線部に相当するので、わずかなバリなどが残ったとしても外観を損なうことが少ないからである。
また、内部配管72a、72bとしては、4〜15mmφの銅パイプを利用するのが適当である。
また、内部配管72a、72bとしては、4〜15mmφの銅パイプを利用するのが適当である。
なお、図1では、スリット7a〜金型間通路71a〜内部配管72a〜用役口73aからなる一連の通路と、スリット7b〜金型間通路71b〜内部配管72b〜用役口73bからなる一連の通路との2個の組合せが示されているが、本発明ではこの形態の限定されるものではなく、得られるポーラス成形体の形状、サイズに応じて、3個以上の組合せも可能であるし、また単数個で実施することも可能なのである。
また、前記スリットを複数個設けた場合には、例えば1対のスリット7a、7bの場合、図1に例示するように、キャビティの対向する両端部の対辺に位置する金型間の合わせ目に向かい合わせて配設するのが好ましい。スリットの長さを特に限定するものではないが、このようにすれば、一方のスリットからキャビティを通過して他方のスリットに向けて、スチームなどの用役を供給可能とした用役操作を採用することができ、特に、キャビティ内に充填した原料ビーズ間の空気をスチームで置換する操作や、原料ビーズの加熱操作が迅速に行うことができるようになるなどの利点が得られるので好ましい。
(第1発明の他の形態)
次に、第1発明である金型装置の他の実施形態について、その要部断面略図である図2を参照して、説明する。
図2は、当該成形用金型装置の下半分を省略した断面略図であり、型閉時に、ポーラス成形体を形成するためのキャビティ4を包囲した状態で形成する一対の組合せ金型51、61の合わせ目部分に沿って、キャビティ内の両端部分に露出したスリット7a、7b(図示せず)を、その開口幅を供給される原料ビーズの粒径より小さいものとして、配設する点で先に説明した形態と同様であるが、以下の点で、その構造を異にする。
次に、第1発明である金型装置の他の実施形態について、その要部断面略図である図2を参照して、説明する。
図2は、当該成形用金型装置の下半分を省略した断面略図であり、型閉時に、ポーラス成形体を形成するためのキャビティ4を包囲した状態で形成する一対の組合せ金型51、61の合わせ目部分に沿って、キャビティ内の両端部分に露出したスリット7a、7b(図示せず)を、その開口幅を供給される原料ビーズの粒径より小さいものとして、配設する点で先に説明した形態と同様であるが、以下の点で、その構造を異にする。
それは、この組合せ金型51、61の合わせ目部分に沿ってキャビティ4内の両端部分に露出したスリット7aから外部の用役配管に接続される用役口93aの間を連通させる通路として、型閉時に、キャビティ側から外部に向けて金型51、61の合わせ目部分に沿って形成される型間通路91aと、同じく型閉時に、前記型間通路91aに連通し、外部の用役口93aを備え、かつ密閉されるフレーム52、62の合わせ目部分で包囲された状態で形成される型間空間92aを利用するものである。なお、このスリット7a〜用役口93aに至る構造は、金型装置の下半分にも対称状態にして同様に設けられ得るものである。
つまり、金型51、61には、従来のようなベントホールが設けられておらず、金型51、61を閉じたときには、キャビティ4は、凹側チャンバと凸側チャンバのそれぞれから気密に隔離された状態に形成されるとともに、スリット7aと、これらスリットが金型装置のフレーム(図7ではフレーム52側)に設けられた専用の用役口93aに連通する通路、すなわち型間通路91aおよび型間空間92aが、先の図1の事例とは異なった形態で、キャビティ側から両金型およびフレームの合わせ目に沿って外部に向けて形成されるのである。
この図2に示す金型装置においては、図1で説明した先の実施形態の場合と全く同様に発泡成形時に操作できるものであり、同様な利点を全て享受できるうえ、製作時に配管工事が必要である独立した内部配管72a、72bが不要であるから、金型装置の製作コストが抑えられ、メンテナンスも不要となる利点が得られるのである。
本発明のポーラス成形体成形用金型装置は、以上詳細に説明したような技術的要素から構成されており、その利点を整理して示すと次の通りである。
(1)金型から従来のような多数のコアベント取付孔を取り除くことができるので、強度低下の恐れがなく、従来の肉厚8〜12mmのアルミニウム合金型材を肉厚4〜8mmに低減でき、その結果、熱容量が小さくなって加熱冷却の熱効率が向上し、温度制御の精度も向上し、材料コストも低減できる。
(1)金型から従来のような多数のコアベント取付孔を取り除くことができるので、強度低下の恐れがなく、従来の肉厚8〜12mmのアルミニウム合金型材を肉厚4〜8mmに低減でき、その結果、熱容量が小さくなって加熱冷却の熱効率が向上し、温度制御の精度も向上し、材料コストも低減できる。
(2)コアベント取付孔の孔明け作業やコアベント自体の取付作業が不要となって、加工コストが大幅に削減でき、金型の製作コストが低減できる。
(3)また、目詰まりに基づく加熱不良、離型不良、冷却不良が発生せず、コアベントの取替えまたは定期的な高圧洗浄水による洗浄などのメンテナンス作業が全く不要となる。
(3)また、目詰まりに基づく加熱不良、離型不良、冷却不良が発生せず、コアベントの取替えまたは定期的な高圧洗浄水による洗浄などのメンテナンス作業が全く不要となる。
(4)成形体製品の表面にコアベント、ベントホールの跡が付かないので、外観品質が向上し、表面印刷、シールラベルの貼付などの工程の障害が解消される。
(5)冷却工程で用いられる冷却水がキャビティ内に進入しなくなるので、成形体の水分が従来の6〜10%程度から0.5〜4%程度にまで低下するから、乾燥工程が不要となり、サイクル時間短縮に大いに寄与する。
(5)冷却工程で用いられる冷却水がキャビティ内に進入しなくなるので、成形体の水分が従来の6〜10%程度から0.5〜4%程度にまで低下するから、乾燥工程が不要となり、サイクル時間短縮に大いに寄与する。
(6)本発明の最大の利点は、従来の金型では実現のできなかった用役操作が可能になるという点である。なんとなれば、従来、原料ビーズにスチームなどの用役を作用させるには、用役口から供給された用役が、いずれかのチャンバに作用した後、ベントホールを経由して原料ビーズに作用を及ぼすというものであったが、本発明では、チャンバに作用させる用役通路とキャビティに作用させる用役通路とを分離、独立させ、加圧空気、スチーム、減圧空気、冷却水などの用役は、スリットを通じてキャビティ内に直接に作用させることになるので、用役操作の自由度が拡張されたことになる。
例えば、キャビティ内を減圧にしたい場合、従来の金型では、両方のチャンバも減圧にする必要があったが、本発明では、チャンバ容積の1/10オーダの容積であるキャビティのみを対象にして減圧操作を行うことが可能となった。したがって、従来よりレスポンスが迅速に行われるから、その操作性が大幅に改善されるなどのメリットが得られるのである。
また、本発明の金型装置では、チャンバとキャビティには、個別の加熱蒸気を供給して、温度、圧力条件を個別に設定することが可能なので、チャンバから加熱される金型面に接する成形体の表面を緻密に発泡成形すると同時に、成形体の内部をポーラスに成形するために、部分的に融着程度を変化させるよう温度条件の異なる加熱蒸気をチャンバとキャビティに供給するなど、従来の金型装置では不可能だった条件設定が可能となる。
さらに、発泡成形の各工程において用役を導入する場合でも、キャビティとチャンバには予め設定した個別の用役または同一の用役を供給することができる。かくして、例えば、チャンバに予め加熱蒸気を供給して金型自体を原料樹脂粒子の融着温度に上げておき、その後に原料樹脂粒子を充填して、成形体の表面の融着を先行させることで、強固な表皮を形成させるというような操作が可能となるのである。
(第2発明)
次に、本発明の第2発明の成形用金型装置の形態について説明する。
第1発明と同様な、ポーラス成形体を形成するためのキャビティを包囲した状態で形成する一対の組合せ金型において、その特徴とするところは、その組合せ金型の少なくとも一方の金型に取り付けられた付属部品、例えば図1に例示するように原料ビーズ供給金具8のキャビティ内に露出した部分に、スリット8aを配設するとともに、該スリット8aから外部の用役配管に接続される用役口82aに連通する通路81aを設けた点にある。
次に、本発明の第2発明の成形用金型装置の形態について説明する。
第1発明と同様な、ポーラス成形体を形成するためのキャビティを包囲した状態で形成する一対の組合せ金型において、その特徴とするところは、その組合せ金型の少なくとも一方の金型に取り付けられた付属部品、例えば図1に例示するように原料ビーズ供給金具8のキャビティ内に露出した部分に、スリット8aを配設するとともに、該スリット8aから外部の用役配管に接続される用役口82aに連通する通路81aを設けた点にある。
この場合の原料ビーズ供給金具8は、供給ノズル80とその周囲を取り囲む2重管81から構成され、その先端部分は金型51を通じてキャビティ4に臨む状態で配設されている。そして、この供給ノズル80と2重管81との間には通路81aが設けられていて、その先端部は環状のスリット8aとし、供給ノズル80のノズル口8bと同様に、キャビティ4に露出している。
そして、前記供給ノズル80と2重管81との間の通路81aの他端は、金型外に臨む用役口82aに通じていて、この用役口82aから、キャビテイ4内の原料ビーズに対して、第1発明の前記のスリット7a、7bの場合と同様に、所要のスチーム、加圧空気の供給あるいは減圧操作などを行うことができるのである。
この図1による事例では、原料ビーズ供給金具8の先端にスリット8aを配設した事例を示したが、第2発明は、この形態に限定されるものではなく、金具51の取り付けられるその他の付属部品、例えば、冷却水配管金具、排出用イジェクトピン金具などを利用することも可能である。
また、図1の示す事例は全体として、第2発明における原料ビーズ供給金具8の先端に設けたスリット8aとともに、第1発明における組合せ金型の合わせ目部分に配設したスリット7aまたは7bを併設したものである。スリット8a単独に設けた形態であっても本発明の目的を達することが可能であるが、このように、組合せ金型の合わせ目部分に配設したスリット7aまたは7bを併設する形態がより好ましい。
この形態の発泡成形用金型装置によれば、キャビティ4の対向する両端部分とキャビティ4の中央部分の少なくとも3か所に用役供給可能なスリットが設けられるので、それら8a〜7a、7a〜7b、7b〜8aの各スリット間に品質要求に応じた用役の供給が可能になるうえ、用役の供給、停止など制御操作の自由度が増加するから、ポーラス成形体の種類、形状などに対応した最適の用役操作が行えるという利点が得られる。
4:キャビティ
5:凹側チャンバ、51:凹型金型
52、62:フレーム
53、63:裏板
54、64:上部用役口
55、65:下部用役口、
6:凸側チャンバ、61:凸型金型
7a、7b:スリット
71a、71b:型間通路
72a、72b:内部配管
73a、73b:用役口
5:凹側チャンバ、51:凹型金型
52、62:フレーム
53、63:裏板
54、64:上部用役口
55、65:下部用役口、
6:凸側チャンバ、61:凸型金型
7a、7b:スリット
71a、71b:型間通路
72a、72b:内部配管
73a、73b:用役口
Claims (5)
- ポーラス成形体を形成するためのキャビティを包囲した状態で形成する一対の組合せ金型において、その組合せ金型の合わせ目部分に沿って、キャビティ内に露出したスリットを配設するとともに、該スリットから外部の用役配管に連通する通路を設けたことを特徴とするポーラス成形体成形用金型装置。
- ポーラス成形体を形成するためのキャビティを包囲した状態で形成する一対の組合せ金型において、その組合せ金型の少なくとも一方の金型に取り付けられた付属部品のキャビティ内に露出した部分に、スリットを配設するとともに、該スリットから外部の用役配管に連通する通路を設けたことを特徴とするポーラス成形体成形用金型装置。
- 前記スリットのキャビティ側の開口幅を、充填する原料ビーズの外径寸法以下に形成した請求項1または2に記載のポーラス成形体成形用金型装置。
- 前記キャビティに前記スリットを複数個設けて、一方のスリットからキャビティを通過して他方のスリットに向けて用役を供給可能とした請求項1〜3のいずれかに記載の発泡成形用金型装置。
- ポーラス成形体を形成するためのキャビティを包囲した状態で形成する一対の組合せ金型において、その組合せ金型の合わせ目部分に沿って、キャビティ内に露出した一対のスリットを配設するとともに、その組合せ金型の少なくとも一方の金型に取り付けられた原料ビーズ供給金具のキャビティ内に露出した部分に、スリットを配設して、それぞれのスリットから外部の用役配管に連通する個別の通路を設けたことを特徴とするポーラス成形体成形用金型装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005145700A JP2006321096A (ja) | 2005-05-18 | 2005-05-18 | ポーラス成形体成形用金型装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005145700A JP2006321096A (ja) | 2005-05-18 | 2005-05-18 | ポーラス成形体成形用金型装置 |
Publications (1)
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JP2006321096A true JP2006321096A (ja) | 2006-11-30 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005145700A Withdrawn JP2006321096A (ja) | 2005-05-18 | 2005-05-18 | ポーラス成形体成形用金型装置 |
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-
2005
- 2005-05-18 JP JP2005145700A patent/JP2006321096A/ja not_active Withdrawn
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