JP4090105B2 - 発泡成形方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリスチレンなどの発泡樹脂製の断熱性容器あるいは建設用型材、または断熱床下地材などを製造するための発泡成形方法に関するものであって、特に、従来のベントホールを省略できる新規な発泡成形用金型装置に適用するための発泡成形方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明の背景となる発泡成形方法の概要を説明する。この発泡成形に用いられる金型装置の配置は、図3の断面略図に示すように、発泡製品が充填成形されるキャビティ1を形成するよう、凸型金型31と凹型金型21が対向配置されるとともに、凹型金型21は通常固定されているが、凸型金型31は、図3のように凹型金型21内にキャビティ1を形成した状態から水平に移動(図3では右方向へ)し、成形された発泡体を取り出すことができるよう移動可能に配置されている。そして、この金型21、31には、後記の加熱用スチームなどの用役が通過できるよう多数のベントホール22、32が透設されている。
【0003】
また、これら凹、凸金型21、31の裏面側には、スチームなどの用役が供給される凹側チャンバ2と凸側チャンバ3が形成されている。なお、この事例では、それぞれのチャンバ2、3の上部には、加熱用スチームなどを供給するための上部用役口24、34が設けられ、下部には、下部用役口25、35が設けられ、減圧ポンプあるいはドレン配管に接続されている。
【0004】
なお、金型21、31に透設された多数のベントホール22、32は、実際には、0.5mmφ程度のベントホールを10〜20個透設した外径7〜12mmの蓋を有する筒体からなるアルミニウム合金製コアベントを、金型21、31の表面に20〜30mmのピッチで孔明け配置したコアベント取付孔に嵌め込んで設けられているものである。
【0005】
このような発泡成形用金型装置を用いて、先ず金型を型閉してキャビテイ1を形成し、このキャビティ1内に、ポリスチレンなどの予備発泡させた発泡性原料ビーズを充填した後、この発泡性原料ビーズを加熱用スチームで加熱し、溶融発泡させ、冷却固化させて、所定の発泡ポリスチレン樹脂などからなる発泡成形体として取り出すのであるが、この発泡成形方法を、さらに工程順に具体的に説明する。
【0006】
特開昭57−174223号公報には、図4に示すような工程図が記載されており、その(a)(b)(c)(d)は、金型内の空気をスチームと置換するとともに、原料ビーズ間の空気をスチームと置換するための予熱排気工程を示し、(e)は、原料ビーズを融着させるための融着加熱工程を表示している。この図では、黒塗りつぶしの弁記号は閉鎖状態を、白抜き弁記号は開放状態を示す。
【0007】
それによると、(a)は排気工程で、キャビティ1内に発泡性原料ビーズを充填した後、ごく短時間、スチームを上部用役口24、34からチャンバ2、3に供給するとともに、下部用役口25、35から金型内の特にチャンバ2、3内の空気を吸引排出して内部を排気する。この場合、チャンバ2、3内をスチームでプラス圧に高め、ベントホール22、32を通じて原料ビーズ間にも一旦スチームを侵入させる。
【0008】
(b)はVS排気(両側排気)工程で、上部用役口24、34を閉じて、吸引減圧操作を継続して金型内を減圧状態にすれば、原料ビーズ間の空間に存在していた空気も両側の金型のベントホール22、32を経由して吸引され排出される。
【0009】
(c)は片側加熱工程で、下部用役口25、35を閉じて、減圧状態になった一方のチャンバ3側の上部用役口34から短時間、スチームを供給する。この場合、供給されたスチームは、金型31のベントール32、キャビティ1内の原料ビーズ間、金型21のベントホール22に順に透過して反対側のチャンバ2に流入することになり、原料ビーズと金型各部の全体が予熱されることになる。
【0010】
(d)は方向を逆にした逆片側加熱工程で、チャンバ2側から同様な操作を行い、キャビティ1内の空気を完全に排除するとともに、双方の金型21、31の温度差を可及的少なくしながら予熱する。
【0011】
(e)は本(融着)加熱工程であり、融着加熱用スチームを双方のチャンバ2、3に供給して、金型を加熱するとともに、それぞれの金型のベントホール22、32を通して原料ビーズをも加熱し、発泡を完了させるとともに相互に融着させ、発泡成形体を形成させる。
【0012】
このように、金型に形成されているベントホールは、原料ビーズ間の空気の排出路として、あるいは加熱スチームの供給通路などとして、均質な発泡成形体を得るための重要な役割を果たしているのであるが、一方、以下のような問題点も認識されていた。
【0013】
(1)金型に多数のコアベント取付孔を透設したことによる強度低下を補うため、比較的厚めの肉厚8〜12mmのアルミニウム合金型材が用いられ、熱容量が大きく、加熱冷却の熱効率が劣る、あるいは昇温、降温の速度が遅くなり、制御精度が劣るなどの不具合があった。
【0014】
(2)一般的な一対の金型において2000〜4000個のコアベント取付孔が設けられているので、孔あけ作業が必要となり、加工コストが金型コストを押し上げ、また手作業によるコアベントの取り付け作業が必要であって、この作業で型表面に傷を付けることが避けられず、余分な手直し作業も必要であった。
【0015】
(3)ベントホールにスケールなどの目詰まりが生じて、このため加熱不良、離型不良、冷却不良が生じるので、コアベントの取替えまたは定期的な高圧洗浄水による洗浄が必要となっていた。
(4)成形体の表面にコアベント、ベントホールの跡が付くので、その表面の印刷、シールラベル貼付などの作業において不都合であった。
【0016】
(5)冷却工程では、チャンバ内で冷却水を吹きつけて冷却するため、ベントホールを通じて水分が浸透し、成形品の内部にまで6〜10%程度含水することになり、乾燥工程が必要であった。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、従来必要であったベントホールを金型面から省略した新規な金型装置を使用して、金型の製作コストとメンテナンスコストの削減、加熱冷却効率を向上させ省エネルギ、サイクル時間の短縮化、冷却工程後の乾燥工程の省略、成形体の外観品質の向上、などが可能となる発泡成形方法を提供する。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するためになされた本発明の発泡成形方法は、裏面側にチャンバを配設した一対の金型で包囲して形成した発泡成形用キャビテイに原料ビーズを充填し、それを加熱、発泡させて発泡成形体となし、それを冷却してから離型して取り出す発泡成形方法であって、次の各工程を含むことを特徴とするものである。
a)前記金型を型閉して、前記キャビテイを前記チャンバから気密に隔てた状態で形成するとともに、そのキャビテイに直通した用役通路を形成する型閉工程。
b)前記キャビティ内の圧力を大気圧以上の所定圧力に設定し、前記原料ビーズ容器内をキャビティ内圧力プラス0.5kg/cm2 未満の範囲に加圧して、その差圧によって原料ビーズを原料ビーズ容器からキャビティ内に送入、充填するとともに、前記チャンバには加熱スチームを送入してチャンバ周辺の金型装置全体を原料ビーズが発泡しない温度に加熱する充填工程。
c)前記キャビテイにキャビテイ用用役通路を通じて原料ビーズの融着温度未満の温度の加熱スチームを送入して、充填された原料ビーズを加熱するとともに、キャビテイを包囲する金型面に沿って凝縮水を生成させる内部加熱工程。
d)前記チャンバに原料ビーズの融着温度以上の加熱スチームを送入して、前記キャビテイ内の凝縮水を気化させ、原料ビーズの発泡、融着を進行させる融着加熱工程。
【0019】
本発明においては、以下に記載の金型装置を使用する形態に具体化することができる。
(1)前記一対の金型の合わせ目部分に沿って、キャビティ内に露出したスリットおよび、またはその金型の少なくとも一方の金型に取り付けられた付属部品のキャビティ内に露出したスリットを、充填する原料ビーズの外径寸法以下の開口幅に形成して配設するとともに、該スリットから外部の用役配管に連通する通路を設けた発泡成形用金型装置を使用する形態。
【0020】
(2)前記スリットをキャビテイの両端部分の2か所以上に分離して形成し、一方のスリットから他方のスリットへキャビテイ内を用役、例えば加熱用スチームを流通可能なものとした形態。
【0021】
(3)前記(1)また(2)の金型構造に、金型の少なくとも一方の金型に取り付けられた原料ビーズ供給金具のキャビティ内に露出した部分に、充填する原料ビーズの外径寸法以下の開口幅に形成したスリットを併設するとともに、該スリットから外部の用役配管に連通する通路を設けた発泡成形用金型装置を使用する形態。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の発泡成形方法に係る実施形態を図1〜2を参照して説明する。図1は、本発明の発泡成形方法の工程を、左側の従来の工程と対比させて示した図であり、本発明の発泡成形方法は、1)型閉、2)充填、3)内部加熱、4)融着加熱、5)冷却、6)型開・離型、7)印刷などの後工程、の順に行われるものである。
以下に、それら各工程の内容について説明する。
【0023】
(1)型閉工程
裏面側にチャンバを配設した一対の金型を型閉して、該金型で包囲して形成した発泡成形用キャビテイを前記チャンバから気密に隔てた状態で形成するとともに、そのキャビテイに直通した用役通路を形成する型閉工程であり、本発明では、先に説明した従来の金型装置とは構造を異にする新規な金型装置が適用される。
【0024】
本発明において用いられる金型装置は、一対の金型の合わせ目部分に沿って、キャビティ内に露出したスリットを、充填する予備発泡原料ビーズの外径寸法以下の開口幅に形成して配設するとともに、該スリットから外部の用役配管に連通する通路を設けた金型装置が適当であり、その具体的な事例について、図2を参照しながらさらに詳細に説明する。
【0025】
図2に示すように、発泡成形体を形成するためのキャビティ4を包囲した状態で形成する一対の組合せ金型51、61において、その組合せ金型の合わせ目部分に沿って、キャビティ内の両端部分に露出したスリット7a、スリット7bを、その開口幅を供給される原料ビーズの粒径より小さいものとして、配設するとともに、該スリットから外部の用役配管に連通する通路が設けられている。
【0026】
さらに、前記構造に付け加えて、同じく一対の組合せ金型51、61の少なくとも一方の金型(例えば図2の金型51)に取り付けられた付属部品(例えば、図2の原料ビーズ供給金具8)などのキャビティ内に露出した部分に、スリット8aを併設するとともに、該スリットから外部の用役配管に連通する通路を設けた金型装置も適用可能である。このスリット8aの開口幅を供給される原料ビーズの粒径より小さいものするのは、先に説明したスリット7a、7bの場合と同様である。
【0027】
この場合、この金型装置の配置は、従来の場合と同様に、発泡成形体が充填成形されるキャビティ4を包囲、形成するよう、凸型金型61と凹型金型51が対向配置されている。なお、この凹型金型51は固定され移動できないが、凸型金型61は、図1のように凹型金型51内にキャビティ4を形成した状態から開く方向に移動(図2では右方向へ)し、所定形状の発泡成形体を取り出すことができるよう移動可能に配置されているのが通例である。
【0028】
そして、これら金型51、61の裏面側には、フレーム52、62と裏板53、63が設けられ、スチームなどの用役が供給される凹側チャンバ5と凸側チャンバ6が形成されている。さらに、フレーム52、62の上部には、上部用役口54、64が、下部には、下部用役口55、65が配設されていて、上部用役口54、64には、加熱用スチーム弁がそれぞれ取り付けられ、下部用役口55、65には、減圧タンクあるいは減圧ポンプやドレン配管に接続される弁が取り付けられているのは、従来の場合と同様である。
【0029】
そして、前記スリット7a、7bには、該スリット7a、7bから外部の用役配管に接続される用役口73a、73bとの間を連通させる通路として、型閉時に形成される型間通路71a、71bおよび予め取り付けられている内部配管72a、72bが設けられている。つまり、金型51、61には,従来のようなベントホールが設けられておらず、金型51、61が型閉してキャビティ4が形成されると、そのキャビテイ4は、凹側チャンバ5と凸側チャンバ6のそれぞれから気密に隔離されると同時に、用役口73a、73bに連通するスリット7a、7bが形成されるのである。
【0030】
さらに、前記金型51に取り付けられた原料ビーズ供給金具8のキャビティ内に露出した部分に併設されたスリット8aには、該スリット8aから外部の用役配管に接続される用役口82aに連通する通路81aを設けられている。
【0031】
ここで、原料ビーズ供給金具8は、原料ビーズ容器(図示せず)から供給配管(図示せず)を通じて原料ビーズを供給するものであり、供給ノズル80とそのの周囲を取り囲む2重管81から構成され、その先端部分は金型51を通じてキャビティ4に開口して配設されている。そして、この供給ノズル80と2重管81との間には通路81aが設けられていて、その先端部は環状のスリット8aとし、供給ノズル80のノズル口8bと同様に、キャビティ4に露出している。
【0032】
そして、前記供給ノズル80と2重管81との間の通路81aの他端は、金型外に臨む用役口82aに通じていて、この用役口82aから、キャビテイ4内の原料ビーズに対して、前記のスリット7a、7bと同様に、所要のスチーム、加圧空気の供給あるいは減圧操作などを行うことができるのである。
【0033】
以上詳細に説明した発泡成形用金型装置を使用すれば、一対の金型51、61を型閉して、該金型で包囲して形成した発泡成形用キャビテイを前記チャンバから気密に隔てた状態で形成するとともに、そのキャビテイに直通した専用の用役通路を形成するなど容易に行うことができるのである。
【0034】
(2)充填工程
前記型閉工程により金型を成形操作状態にする準備が整うので、以下原料ビーズの充填工程に入る。
ここで、前記キャビティ内の圧力を大気圧以上の所定圧力、好ましくは、0.1〜5.0kg/cmの範囲に設定し、前記原料ビーズ容器(図示せず)内をキャビティ内圧力プラス0.5kg/cm2 未満の範囲に加圧して、その差圧によって原料ビーズを原料ビーズ容器から搬送して、供給ノズル80を通じてキャビティ4内に送入、充填する。この場合、キャビティ内の圧力の調整はスリット7a、7b、8bの一部または全てを利用して外部の適宜な加圧装置により行えばよい。
なお、以下の説明は、特に指示のないかぎり、原料ビーズがポリスチレンの場合を基準にしている。
【0035】
そして、この充填工程の特徴的事項は、前記原料ビーズの充填とともに、前記金型の裏面にあるチャンバ5、6には加熱スチームを送入してチャンバ周辺の金型装置全体を原料ビーズが融着しない温度に加熱するところにある。この場合、加熱スチームとしては、0.2kg/cm2 の飽和スチーム(平衡温度、104℃)を約5秒間程度用いればよい。
【0036】
型閉工程から充填工程に入った金型装置は、繰り返し状態になった場合でも、前回の加熱操作以後時間が経過しているので、かなり温度が低下するから、後工程の発泡操作に備えて予熱しておくのが望ましいのであるが、従来の充填工程では、原料ビーズの充填用エアがキャビテイからチャンバを経由して排気されているため、この充填工程の段階で、金型を予熱することができなかったのに対して、本発明では、充填用エアの排気通路はチャンバから独立しているので、充填操作と別個に予熱操作を並行させることができるのである。
【0037】
この充填工程は、ほぼ5秒程度で完了するが、この段階で、金型52、61の表面温度は、97〜100℃に昇温させれば充分である。なお、ここでの予熱は、あくまでも発泡または融着操作の前段階として、金型装置内各部ができるだけ均一な温度に到達させるのが目的であるから、原料ビーズについては発泡や融着する温度まで上昇させないことが重要である。
【0038】
(2a)大気戻し工程または排気工程
上記充填工程により、キャビテイ4内の原料ビーズは加圧圧縮された状態で充填され、その空隙率は約40%程度に低下しているので、ここで大気戻し工程または従来のような排気工程を採用することは必ずしも本発明の必須事項ではないが、必要に応じて採用するのは差し支えない。
【0039】
ここで、大気戻し工程とは、充填時の加圧状態の前記キャビテイ4内を大気圧に開放する工程のことであり、この操作の際、加圧圧縮されていた原料ビーズ粒子が減圧膨張して相互間空間を押しつぶすので空隙率が40%から5〜20%に低減して、後工程の融着の障害になる粒子間空隙の残留空気量が減ることになり、発泡体内部の均一性が改善されるという利点が得られる。
【0040】
また、ここでいう排気工程は、前記キャビテイ4内を減圧して内部の空気を積極的に排気して、空隙率と残留空気量とを減少させる工程であるが、前記大気戻し工程によってそれらはかなり低いレベルに到達しているか、あるいは本発明でのキャビテイは、空気容積の大きなチャンバ5あるいはチャンバ6に通じていないので、後記の内部加熱工程の前段においても、容易に残留空気を排気できるので、通常は排気を主目的とした操作を採用する必要が少ない。
【0041】
(3)内部加熱工程
前記充填工程の原料ビーズ充填と予熱が完了した段階で、次の内部加熱工程に移行してもよい。ここでは、前記キャビテイにキャビテイ用用役通路を通じて原料ビーズの融着温度未満の温度の加熱スチームを、例えばスリット7aから送入してスリット7bから抜き出すようにして、充填された原料ビーズを融着直前の温度まで加熱するとともに、キャビテイを包囲する金型面に沿って凝縮水を生成させる工程である。
【0042】
この工程では、原料ビーズの温度を高めておくことが必要であるが、この段階で原料ビーズ相互の融着が部分的にでも生じていると後工程の加熱に際して均一な加熱が阻害されるので、融着温度以上のスチームを供給しないことが重要である。また、この工程において、送入された飽和スチームがキャビテイの外壁となっている金型に触れて、冷却され、金型面に沿ってある程度の凝縮水を生成させる必要があるため、金型によってある程度冷却される温度のスチームを供給することも重要である。この場合は、104〜109℃(蒸気圧0.2〜0.4kg/cm2 )までのスチームが好ましく、この工程の所要時間は、2〜5秒程度である。
【0043】
(4)融着加熱工程
以上の準備ができた段階で、前記両方のチャンバ5、6に原料ビーズの融着温度以上の加熱スチームを急激に送入して、前記キャビテイ内に熱を伝えて、前記凝縮水を高温のスチームに気化させて、原料ビーズ粒子間に瞬間的に急激に浸透させ、原料ビーズの発泡、融着を進行させる工程である。この場合の加熱スチームは、温度109〜120℃(蒸気圧0.4〜1.0kg/cm2 )が適当である。
【0044】
この工程において、キャビテイ内の凝縮水を高温のスチームに気化させて加熱する手段を用いる理由は、原料ビーズ間に浸透し易いスチームを利用することにより、部分的に不均一な融着が生じないよう防止しながら相互間の融着を促進するためである。
【0045】
また、この融着加熱工程の所要時間は、おおよそ15秒程度のごく短時間でその目的は達せられる。本発明では間接加熱の形式でありながら、従来の方法の場合の12秒という事例と較べても殆ど遜色がない理由は、充填工程で予備加熱できる、原料ビーズ間空隙率が減少できる、内部加熱工程で凝縮水を利用しているなどにあると思われる。
【0046】
(5)冷却工程
融着した成形体を冷却、固化するには、従来と同様な方法が採用される。すなわち、チャンバ内に配置した冷却水配管(図示せず)から冷却水を放射してある程度冷却してから、内部を減圧して水分を気化させ、その潜熱として熱を消費させて効果的に内部温度を低下させる。
【0047】
この冷却工程の所要時間は、従来の100秒程度かかる場合に比較して、おおよそ50秒程度に短縮される。その理由は、加熱温度自体が低く抑えられる他、キャビティが密閉されており、冷却水を効果的に使用でき金型温度を下げることができるという効果に基づくものと思われる。
【0048】
(6)型開・離型工程
成形体が固化して、所定の形状が維持できる程度の温度まで低下したきに、成形体を取り出すために、例えば、図2の凸型金型61を右方向に移動させて、両金型を型開し、次いで左側の凹型金型51に付属しているエジェクトピン装置(図示せず)によって、成形体を右方向に押し出す。この場合、原料ビーズ供給金具8のスリット8aから圧縮空気を送り込むようにすれば、成形体の離型がより容易となる。
【0049】
(7)後工程)
離型後は、印刷工程、ラベル貼り工程あるいは包装工程など仕様に応じた後工程が設定されるが、本発明の場合には、冷却工程で放射された冷却水がキャビテイ内に侵入することがないから、従来の方法では得られた成形体の含水率が6〜10%であったのに較べて、4%以下に止まるので、従来必要であった乾燥工程を省略できるという利点がある。この点においても、本発明はその生産性の向上に大きく寄与できるものである。
【0050】
本発明では、採用した各工程の説明の中で述べた作用効果の他、従来必要とされていたベントホールを金型から省略することにより得られた利点を整理すると次の通りになる。
(1)金型から従来のような多数のコアベント取付孔を取り除くことができるので、強度低下の恐れがなく、従来の肉厚8〜12mmのアルミニウム合金型材を肉厚4〜8mmに低減でき、その結果、熱容量が小さくなって加熱冷却の熱効率が向上し、温度制御の精度も向上する。
【0051】
(2)コアベント取付孔の孔明け作業が不要となって、加工コストが大幅に削減でき、製作コストが低減できる。
(3)また、使用中の目詰まりに基づく加熱不良、離型不良、冷却不良が発生せず、コアベントの取替えまたは定期的な高圧洗浄水による洗浄などのメンテナンス作業が全く不要となる。
(4)製品の表面にコアベント、ベントホールの跡が付かないので、外観仕上がりが綺麗になるから、表面印刷、シールラベルの貼付などに不都合がなく、商品価値を高めることができる。
【0052】
【発明の効果】
本発明の発泡成形方法は、以上に説明したように構成されているので、従来必要であったベントホールを金型面から省略した新規な金型装置の使用が可能となり、成形体の外観品質の向上に寄与することができる。また、金型の製作コストとメンテナンスコストの削減と併せて、加熱冷却効率の向上に伴う省エネルギやサイクル時間の短縮化、さらには冷却工程後の乾燥後工程の省略化によりさらにサイクル時間が短縮化できるという優れた効果がある。よって本発明は従来の問題点を解消した発泡成形方法として、その工業的価値は極めて大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の工程例と従来の工程例の比較図。
【図2】本発明の実施形態を説明するための金型装置の要部断面図。
【図3】従来の発泡成形用金型装置の要部断面図。
【図4】従来の発泡成形工程の流れを示すフロー図。
【符号の説明】
4 キャビテイ、5 チャンバ、51 金型、52 フレーム、53 裏板、54 上部用役口、55 下部用役口、6 チャンバ、61 金型、62 フレーム、63 裏板、64 上部用役口、65 下部用役口、7a、7b スリット、71a、71b 型間通路、73a、73b 用役口、72a、72b 内部配管、8 原料ビーズ供給金具、80 供給ノズル、8a スリット、8b ノズル口、81 2重管、81a 通路、82a 用役口。

Claims (5)

  1. 裏面側にチャンバを配設した一対の金型で包囲して形成した発泡成形用キャビテイに原料ビーズを充填し、それを加熱、発泡させて発泡成形体となし、それを冷却してから離型して取り出す発泡成形方法であって、次の各工程を含むことを特徴とする発泡成形方法。
    a)前記金型を型閉して、前記キャビテイを前記チャンバから気密に隔てた状態で形成するとともに、そのキャビテイに直通した用役通路を形成する型閉工程。
    b)前記キャビティ内の圧力を大気圧以上の所定圧力に設定し、前記原料ビーズ容器内をキャビティ内圧力プラス0.5kg/cm2 未満の範囲に加圧して、その差圧によって原料ビーズを原料ビーズ容器からキャビティ内に送入、充填するとともに、前記チャンバには加熱スチームを送入してチャンバ周辺の金型装置全体を原料ビーズが発泡しない温度に加熱する充填工程。
    c)前記キャビテイにキャビテイ用用役通路を通じて原料ビーズの融着温度未満の温度の加熱スチームを送入して、充填された原料ビーズを加熱するとともに、キャビテイを包囲する金型面に沿って凝縮水を生成させる内部加熱工程。
    d)前記チャンバに原料ビーズの融着温度以上の加熱スチームを送入して、前記キャビテイ内の凝縮水を気化させ、原料ビーズの発泡、融着を進行させる融着加熱工程。
  2. 前記型閉工程において、前記一対の金型の合わせ目部分に沿って、キャビティ内に露出したスリットおよび、またはその金型の少なくとも一方の金型に取り付けられた付属部品のキャビティ内に露出したスリットを、充填する原料ビーズの外径寸法以下の開口幅に形成して配設するとともに、該スリットから外部の用役配管に連通する通路を設けた発泡成形用金型装置を使用する請求項1に記載の発泡成形方法。
  3. 請求項2に記載の発泡成形用金型装置に、金型の少なくとも一方の金型に取り付けられた原料ビーズ供給金具のキャビティ内に露出した部分に、充填する原料ビーズの外径寸法以下の開口幅に形成したスリットを併設するとともに、該スリットから外部の用役配管に連通する通路を設けた発泡成形用金型装置を使用する請求項2に記載の発泡成形方法。
  4. 前記充填工程において、前記キャビティ内の圧力を0.1〜5.5kg/cm2 の範囲に設定する請求項1に記載の発泡成形方法。
  5. 前記充填工程と内部加熱工程との間で、前記キャビテイ内を加圧状態から大気圧に開放する大気戻し工程または前記キャビテイ内を減圧して内部の空気を排気する排気工程を介在させる請求項1から4までのいずれかに記載の発泡成形方法。
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