JP6755613B2 - 発泡樹脂製品の成形方法 - Google Patents
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Description
そこで、上記の問題点を解消して使用するエネルギーの減少を図ることができ、また成形サイクルの短縮化を図ることができる新たな発泡樹脂製品の成形方法の開発が求められていた。
更に厳密に言えば、一対の金型を型締めした後、最初に減圧をキャビティ内及び金型内に作用させ、その後、充填工程、加熱工程、冷却工程のいずれの工程に於いても、大気圧状態に戻すことなく減圧を作用させ、成形サイクルの始まりから終了までを一貫して減圧度を操作しつつ成形するようにしたものである。
本発明の発泡樹脂成形品の成形方法は、予備発泡した原料ビーズを凹型の固定型と凸型の移動型からなる一対の金型間に形成したキャビティ内に充填する充填工程と、金型裏面側のチャンバーに供給した加熱用流体により前記原料ビーズを加熱し発泡・融着する加熱工程と、次いでチャンバーに供給した冷却用流体により金型を冷却処理する冷却工程からなるものであり、その後、金型から製品を取り出す離型工程を経て製品の成形が終了する点は従来と基本的に同じである。
そして本発明では、前記充填工程、加熱工程、冷却工程のいずれの工程にも減圧を作用させ、成形サイクルの始まりから終了までを一貫して減圧度を操作しつつ成形するようにした点を特徴的構成としている。
図において1は凹型の固定型、2は凸型の移動型、3はこれら固定型1と移動型2で形成される成形用のキャビティである。前記固定型1および移動型2は裏面側にそれぞれ蒸気流通用の固定チャンバー1aと移動チャンバー2aを有しており、キャビティ3を構成する面には蒸気導入用の通気孔が形成されている。なお、V1、V2は前記固定チャンバー1a、移動チャンバー2aにそれぞれ蒸気や冷却水を流入したり、真空吸引を行うためのバルブである。
このように減圧を利用することにより、空気抵抗が小さく原料ビーズ21の流れがよいため原料ビーズ21をスムーズにキャビティ3内に導入することができ、またキャビティ3内が減圧状態となっているため溢路な部位もブリッジ現象が発生せず、原料ビーズ21の詰まりがなくて隅々まで均一に充填することが可能となる。
なお図1の状態では、バルブV1とバルブV2はともに真空吸引されるように開かれた状態となっている。
なお、図1の状態では、バルブV1とバルブV2はともに真空吸引されるように開かれた状態となっている。
従来の場合、加熱工程ではキャビティ内を蒸気により空気を排出後、大気圧から減圧して加熱用蒸気を供給し加熱処理を行っていたが、本発明では減圧状態を維持したまま加熱処理に移行するため、従来に比べて大幅に成形サイクルを短縮することができ、また真空度のギャップも小さく省エネルギーで減圧できる。更には、流入した蒸気は空気の断熱が小さいため自身が持つ熱エネルギーを原料ビーズ21に直接授受できて、効率的な加熱処理が行えることとなる。
なお、図3の状態では、バルブV1とバルブV2はともに加熱用蒸気を供給する状態となっている。
なお、図4の状態では、バルブV1とバルブV2はともに冷却水を供給する状態となっている。
なお、図5の状態では、バルブV1とバルブV2はともに真空吸引されるように開かれた状態となっている。
前述の説明においては、キャビティ内の圧力を調圧することを記載したが、このキャビティ内の圧力は固定チャンバー1a、および移動チャンバー2aの圧力とほぼ等しいとみなしてもよいことから、現実の成形機においては固定チャンバー1a、および移動チャンバー2aの圧力値を調整するようにしてキャビティ内の圧力操作を行っている。
充填工程、加熱工程、冷却工程を経るまでに要した時間は110秒であり、その後、金型から製品を取り出す離型工程(10秒)を 経て製品の成形を終了した。この場合、1サイクル120秒であり、本発明では成形効率を約70%向上できることが確認できた。
1a チャンバー
2 移動型
2a チャンバー
3 キャビティ
4 原料供給機
5 原料ホッパー
6 離型ピン
20 発泡樹脂成形品
21 原料ビーズ
V1 バルブ
V2 バルブ
Claims (6)
- 予備発泡した原料ビーズを一対の金型間に形成したキャビティ内に充填する充填工程と、金型裏面側のチャンバーに供給した加熱用流体により前記原料ビーズを加熱し発泡・融着する加熱工程と、次いでチャンバーに供給した冷却用流体により金型を冷却処理する冷却工程を含む発泡樹脂製品の成形方法であって、
充填終了時にもキャビティ内が減圧状態となるように減圧条件下で原料ビーズを充填し、この充填終了時の減圧状態に引き続いてキャビティ内の圧力をさらに減圧したうえ、加熱用蒸気を供給して加熱処理し、加熱処理後に更に真空吸引を行い冷却処理し、
前記充填工程、加熱工程、冷却工程のいずれの工程にも減圧を作用させ、成形サイクルの始まりから終了までを一貫して減圧度を操作しつつ成形するようにしたことを特徴とする発泡樹脂製品の成形方法。 - キャビティ内の圧力を−0.01〜−0.07MPaの範囲で調圧し、一方、原料ホッパー内の圧力を前記キャビティ内の圧力よりも高い圧力値に調圧して、両者の圧力差により原料ビーズをキャビティ内に充填するようにした請求項1に記載の発泡樹脂製品の成形方法。
- 充填終了時の減圧状態に引き続いてキャビティ内の圧力をさらに減圧し、充填されている原料ビーズ間の空気量を小さくした状態で加熱用蒸気を供給することにより、キャビティ内への加熱用蒸気の流入と拡散を加速させて加熱処理するようにした請求項1または2に記載の発泡樹脂製品の成形方法。
- キャビティ内の圧力を−0.06〜−0.09MPaの範囲まで減圧して加熱処理する請求項3に記載の発泡樹脂製品の成形方法。
- 加熱工程の終了後、金型に水噴霧してキャビティ内の飽和蒸気を急速に凝縮させることでより高い減圧状態とし、更に真空吸引して気化冷却により発泡成形体の発泡力を下げるように冷却処理する請求項1〜4のいずれかに記載の発泡樹脂製品の成形方法。
- キャビティ内の圧力が−0.06〜−0.09MPaとなるように真空吸引を行い冷却処理する請求項5に記載の発泡樹脂製品の成形方法。
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