JP2008183782A - 熱可塑性樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂発泡体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】成形加工費の蒸気原単位の向上を目的に、熱可塑性樹脂予備発泡粒子の型内発泡成形において、移動側と固定側の各々の金型及びフレームの昇温に使用する蒸気量を削減する成形方法を提供すること。
【解決手段】バックプレート、フレーム、センタープレート、型駒をそれぞれ備えてなる第1の成形型と第2の成形型からなる成形装置において、第1の成形型と第2の成形型を合わせて形成される成形空間に、熱可塑性樹脂予備発泡粒子を充填し、蒸気にて該熱可塑性樹脂予備発泡粒子を熱融着させる熱可塑性樹脂発泡体の製造方法において、
100℃以上、樹脂の融着蒸気圧力G−0.1MPaの飽和蒸気温度以下まで型駒の温度を昇温させた後、熱可塑性樹脂予備発泡粒子を成形空間内に充填することを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱可塑性樹脂発泡体の製造方法に関するものである。
一般的に熱可塑性樹脂予備発泡粒子から熱可塑性樹脂発泡体を得る方法としては、充填工程、金型昇温工程、一方加熱工程、逆一方加熱工程、両面加熱工程、冷却工程、離型工程、からなる一連の工程を1サイクルとして連続して行なわれている。
充填工程では、熱可塑性樹脂予備発泡粒子を第1の成形型と第2の成形型で構成される成形空間内に供給する。金型昇温工程では、成形空間と蒸気室に蒸気等の加熱媒体を所定時間供給する事によって、バックプレート、フレーム、センタープレート、型駒をそれぞれ備えてなる第1の成形型と第2の成形型を所定温度まで上昇させると同時に固定型と移動側の蒸気排出弁を開にする事によって蒸気室に存在する空気の除去を行なう。一方加熱工程、逆一方加熱工程では、固定側もしくは移動側のいずれか一方の蒸気供給弁を開にし、蒸気供給弁を開にした逆側の蒸気排出弁を閉にし、成形空間内に通す事によって成形空間内に充填された熱可塑性樹脂予備発泡粒子を温め、かつ、熱可塑性樹脂予備発泡粒子間に存在する空気の除去を行なう。両面加熱工程では、第1の成形型、第2の成形型各々の蒸気排出弁を両方閉の状態にし、両成形型の蒸気供給弁からから蒸気を供給し、所定の圧力で制御する事で、成形空間内に充填された熱可塑性樹脂予備発泡粒子を発泡させ、熱融着させる。冷却工程では、先の両面加熱工程で熱融着された熱可塑性樹脂発泡体を所定寸法形状で安定させる為に、蒸気排出弁を開にして蒸気室内の蒸気を排出した後に冷却水を供給する事で、蒸気室を構成する型駒を介して熱可塑性樹脂発泡体を冷却する。離型工程は、熱可塑性樹脂発泡体を金型内から取り出す。
以上のような一連の工程において、熱可塑性樹脂発泡体を得るには、大量の蒸気が使用される。工業的には、この蒸気の使用量を削減しながらも、良好な発泡体を得ることが課題とされてきた。
このような課題を解決するために、例えば、蒸気の圧力設定を2段階にする事によって、蒸気室内が開放系である一方加熱、逆一方加熱と蒸気室内が閉鎖系である両面加熱工程の初期における各々の目標蒸気設定圧力よりも実際の供給蒸気圧力を高く設定した1段目の圧力設定によって短時間で蒸気供給を終え、該蒸気室内が閉鎖系である両面加熱工程においても、目標蒸気設定圧力を超えない段階で、2段目の低圧力設定に切り替える事によって、蒸気使用量を抑制する方法が報告されている(特許文献1)。
また、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子発泡体を製造する方法において、引張強度が1200MPa以上のポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とするポリプロピレン系樹脂発泡粒子を第1の成形型と第2の成形型で構成される成形空間内に供給し、次いで成形空間と蒸気室に蒸気を供給してポリプロピレン系樹脂発泡粒子を熱融着せしめる際に、成形空間内のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の所定成形圧力の50%に相当する圧力に達するまでの昇圧速度を0.030MPa/sec以上とし、且つ、所定成形圧力に達するまでの昇圧速度を0.025MPa/sec以上としたことを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法が報告されている(特許文献2)。
しかしながら、これらの方法は、金型昇温工程において蒸気室内が開放系であり、それぞれの成形型内を蒸気等の加熱媒体によって所定時間加熱する事によって所定温度まで上昇させるまでの間は、蒸気は排気されているだけの状態である。この金型昇温工程における蒸気使用量は、成形1サイクル当たりに使用する蒸気量の約20〜30%であり、金型昇温工程のみの工夫では、成形サイクル全体の蒸気使用量の削減への寄与は僅かである。
特開平9−191673号公報 特開2003−266468号公報
本発明は、熱可塑性樹脂発泡体の製造方法において、使用する蒸気量を削減する製造方法を提供する事にある。
上記課題を解決する為に、鋭意検討した結果、第1の成形型と第2の成形型を合わせて形成される成形空間と蒸気室を閉鎖系とし、蒸気による昇温機構あるいは熱伝導による昇温機構の少なくとも1つにより、100℃以上、樹脂の融着蒸気圧力G−0.1MPaの飽和蒸気温度以下まで型駒の温度を昇温させた後、熱可塑性樹脂予備発泡粒子を成形空間内に充填することで、蒸気の使用量が大幅に削減できることを見出し、本発明を実現するに至った。
すなわち本発明は、バックプレート、フレーム、センタープレート、型駒をそれぞれ備えてなる第1の成形型と第2の成形型からなる成形装置において、第1の成形型と第2の成形型を合わせて形成される成形空間に、熱可塑性樹脂予備発泡粒子を充填し、蒸気にて該熱可塑性樹脂予備発泡粒子を熱融着させる熱可塑性樹脂発泡体の製造方法において第1の成形型と第2の成形型を合わせて形成される成形空間を閉鎖系とし、蒸気による昇温あるいは熱伝導による昇温機構の少なくとも1つにより、100℃以上、樹脂の融着蒸気圧力G−0.1MPaの飽和蒸気温度以下まで型駒の温度を昇温させた後、熱可塑性樹脂予備発泡粒子を成形空間内に充填することを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体の製造方法に関する。
好ましい態様としては、
(1)第1の成形型と第2の成形型のそれぞれの蒸気による昇温機構に蒸気供給ラインを2つ以上設けた成形装置を用いること、
(2)前記成形型のバックプレート、フレーム、センタープレートの少なくとも何れかの一部に熱伝導による昇温機構を設けること、
(3)前記成形型のバックプレート、フレーム、センタープレートの蒸気室側の少なくとも一部に断熱材を施工した成形装置を用いること、
を特徴とする前記記載の熱可塑性樹脂発泡体の製造方法に関する。
本発明に係る熱可塑性樹脂発泡体の製造方法は、第1の成形型と第2の成形型を合わせて形成される成形空間と蒸気室を閉鎖系とし、蒸気による昇温機構あるいは熱伝導による昇温機構の少なくとも1つにより、100℃以上、樹脂の融着蒸気圧力G−0.1MPaの飽和蒸気温度以下まで型駒の温度を昇温させた後に、熱可塑性樹脂予備発泡粒子を成形空間内に充填することによって、型内発泡成形における蒸気使用量を大幅に削減する事が可能になった。しかも、この方法は既存の成形機を利用して容易に実施可能であることから、工業的にも大いに有利である。
また、蒸気による昇温機構に蒸気供給ラインを第1の成形型、第2の成形型のそれぞれに2以上設けることによって、金型昇圧工程、一方加熱工程、逆一方加熱工程の各工程と両面加熱工程の初期昇圧において必要蒸気圧力までの到達時間を短くする事が出来る。
また、前記成形型のバックプレート、フレーム、センタープレートの蒸気室側の少なくとも一部に断熱材を施工した成形装置を用いることによって、更なる金型昇温時間の短縮が図れると共に、蒸気使用量の削減に効果がある。
本発明に係る熱可塑性樹脂発泡体の製造方法は、バックプレート、センタープレート、型駒とフレームをそれぞれ備えてなる第1の成形型と第2の成形型からなる成形装置において、第1の成形型と第2の成形型を合わせて形成される成形空間11に、熱可塑性樹脂予備発泡粒子19を充填し、蒸気によって該熱可塑性樹脂予備発泡粒子を熱融着させる熱可塑性樹脂発泡体の製造方法において、第1の成形型と第2の成形型を合わせて形成される成形空間11と移動側蒸気室9及び固定側蒸気室10を閉鎖系とし、蒸気による昇温あるいは熱伝導による昇温機構の少なくとも1つにより、100℃以上、樹脂の融着蒸気圧力G−0.1MPaの飽和蒸気温度以下まで、移動側型駒7、固定側型駒8を昇温させた後、熱可塑性樹脂予備発泡粒子19を成形空間11内に充填することを特徴とするものである。
なお以下、第1の成形型を「固定型」と称し、固定型に備わっているバックプレート、センタープレート、型駒、フレーム、蒸気供給弁等をそれぞれ、固定側バックプレート2、固定側センタープレート6、固定側型駒8、固定側フレーム4、固定側蒸気供給弁14等のように称す場合がある。第2の成形型を「移動型」と称し、移動型に備わっているバックプレート、センタープレート、型駒、フレーム、蒸気供給弁等をそれぞれ、移動側バックプレート1、移動側センタープレート5、移動側型駒7、移動側フレーム3、移動側蒸気供給弁15等と称す場合がある。
本発明の特徴は、熱可塑性樹脂予備発泡粒子19を成形空間11に充填フィラー13を通して充填する前に、移動側バックプレート1、移動側フレーム3、移動側センタープレート5、移動側型駒7を備えてなる移動型と、固定側バックプレート2、固定側フレーム4、固定側センタープレート6、固定側型駒8を備えてなる固定型によって構成される成形空間11を固定側蒸気排出弁16、移動側蒸気排出弁17を閉とする事によって閉鎖系とし、固定側蒸気供給弁14と移動側蒸気供給弁15を通じて予め設定した蒸気圧力で、供給量時間制御を行って蒸気を供給する。あるいは熱伝導による昇温機構によって昇温を行う事によって、100℃以上、樹脂の融着蒸気圧力G−0.1MPaの飽和蒸気温度以下まで、移動側型駒7と固定側型駒8を昇温する事を特徴とする。
ここで、本発明において、金型とは、バックプレート、センタープレート、型駒で構成される。即ち、移動側金型とは、移動側バックプレート1、移動側センタープレート5、移動側型駒7で構成され、固定側金型は、固定側バックプレート2、固定側センタープレート6、固定側型駒8によって構成される。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂予備発泡粒子19としては、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレン改質ポリエチレン等のオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂とオレフィン系樹脂の混合樹脂、ポリ乳酸系樹脂等の脂肪族ポリエステル系樹脂などが挙げられ、これらを単独で用いても良いし、複数を用いても良い。複数を用いる場合、成形空間11を複数に分割することによって、2種類以上の熱可塑性樹脂予備発泡粒子を使用する方法がある。
以下に、更に本発明について詳述する。
本発明において用いる熱可塑性樹脂予備発泡粒子の特性としては、発泡倍率、結晶化構造、粒子径、粒子形状、粒子重量、予備発泡粒子の粒子内セル径、予備発泡粒子の色等が挙げられる。
熱可塑性樹脂予備発泡粒子の発泡倍率は、3〜90倍が好ましく、更に好ましくは3〜60倍である。熱可塑性樹脂予備発泡粒子の発泡倍率は、エタノール浸水体積(ml)を重量(g)で割ったものに、ポリプロピレン系樹脂密度(g/ml)を掛けたものである。また、粒子径は1〜10mmが好ましく、更に好ましくは2〜8mmである。
本発明における熱可塑性樹脂予備発泡粒子からの熱可塑性樹脂発泡体の製造方法としては、(1)金型昇温工程、(2)充填工程、(3)一方加熱工程、(4)逆一方加熱工程、(5)両面加熱工程、(6)冷却工程、(7)離型工程、の一連の工程を1サイクルとしている。
(1)金型昇温工程では、固定側バックプレート2、固定側フレーム4、固定側センタープレート6、固定側型駒8を備えてなる第1の成形型(固定型)と移動側バックプレート1、移動側フレーム3、移動側センタープレート5、移動側型駒7を備えてなる第2の成形型(移動型)と合わせて成形空間11を形成し、固定側蒸気排出弁16、移動側蒸気排出弁17を閉にすることで成形空間11、移動側蒸気室9及び固定側蒸気室10を閉鎖系とし、固定側蒸気供給弁14と移動側蒸気供給弁15によって予め設定した蒸気圧力による供給量の時間制御を行ない、100℃以上、熱可塑性樹脂予備発泡粒子19の融着蒸気圧力G−0.1MPaの飽和蒸気温度以下まで移動側型駒7と固定側型駒8の温度を昇温させる。
ここで言う熱可塑性樹脂予備発泡粒子の融着蒸気圧力Gとは、型内発泡成形において成形空間11内に充填された熱可塑性樹脂予備発泡粒子を熱可塑性樹脂発泡体とする際に、発泡体内部の融着率が少なくとも60%となるのに必要な供給蒸気の最低蒸気圧力の事であり、主に両面加熱工程における圧力の事を示している。
前記融着蒸気圧力Gは、一方加熱工程及び逆一方加熱工程の圧力及び時間とも密接に関連しており、使用する熱可塑性樹脂予備発泡粒子の樹脂温度や発泡倍率等によっても変化するため、得ようとする発泡体毎に個別に設定することが好ましい。
ここで言う発泡体内部の融着率とは、発泡体を破断した破断面において、型内成形によって融着した熱可塑性樹脂予備発泡粒子が接合界面で割れている部分を未融着部分とし、熱可塑性樹脂予備発泡粒子自体が破断している部分を融着している部分として、融着部分の比率をパーセンテージで表したものである。なお、型駒の温度は、たとえば、型駒の成形空間側および/又は蒸気室側に熱電対を設置する事によって測定することが出来る。
次に金型昇温工程終了後、固定側蒸気供給弁14と移動側蒸気供給弁15を閉にして蒸気の供給を止め、固定側蒸気排出弁16、移動側蒸気排出弁17を開にして蒸気を排出し、熱可塑性樹脂予備発泡粒子を成形空間内に充填する。
また、本発明においては、移動側バックプレート1、移動側フレーム3、移動側センタープレート5の蒸気室側、固定側バックプレート2、固定側フレーム4、固定側センタープレートの蒸気室側の少なくとも一部に、断熱材を施工することが好ましい。更に好ましい態様としては、図4に示すように、固定側蒸気室内、移動側蒸気室内の略全面に断熱材22、23を施工する事によって、更なる蒸気使用量の削減及び金型昇温時間の短縮に効果が得られるため好ましい。断熱材の熱伝導率としては0.30W/m・K以下が好ましく、さらには0.20W/m・K以下が好ましい。断熱材の耐熱温度としては耐久性の面から200℃以上が好ましく、さらには250℃以上が好ましい。断熱材の厚みとしては経済的に5mm以下が好ましく、さらには3mm以下が好ましい。断熱材の吸水率としては、1%以下が好ましく、さらには0.5%以下であることが断熱材の経年劣化の面から好ましい。その他の物性、例えば、比重、圧縮強度、曲げ強度、熱膨張率については、その施工において問題が無ければ特に限定されるものではない。また、その施工態様としては、板状のものを貼り付け加工しても良いし、一体加工やコーティング処理を行なっても良い。
断熱材として使用される材料としては、合成樹脂、エラストマー、無機材料などの加工品が挙げられ、好ましくは、低吸水性、耐熱性にすぐれたもので、例えば、シリコンゴム、フッ素ゴム、フッ素樹脂、ポリエチレンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、カーボン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテルイミド、ポリフェニルサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド、ガラス繊維積層板、ゾノライト系ケイ素カルシウム積層板、セラミック粉末積層板またはこれらの複合材料などであり、これらを発泡したものでも良い。
また、別の好適な態様としては、移動側バックプレート1、移動側フレーム3、移動側センタープレート5、固定側バックプレート2、固定側フレーム4、固定側センタープレート6の少なくとも何れかの一部に熱伝導による昇温機構を設けることが、更に昇温速度を速めることが可能である為好ましい。更に好ましい態様としては、図5に示すように、固定側蒸気室内、移動側蒸気室内の略全面に昇温機構24、25を設ける。
昇温機構とは、具体的には熱伝導の良い鉄やアルミニウム等の金属材料やセラミックス等の無機材料などに熱電対を取り付けて電熱よって昇温を行なう機構や、熱伝導の良い配管中に高温のオイルや水を流す事によって昇温を行う機構等が挙げられる。昇温機構としては、必要に応じてその温度を変更できる機構である事が好ましい。
本発明においては、図4に示すように、第2固定側蒸気供給弁20、第2移動側蒸気供給弁21のように、第1の成形型と第2の成形型のそれぞれに蒸気供給ラインを2以上設設けることによって、蒸気圧力のコントロールを2段階以上に設定する事が可能になるので、(1)金型昇圧工程、後述の(3)一方加熱工程、(4)逆一方加熱工程において所定圧力に到達する時間を短くすることが出来るため、蒸気使用量の削減により効果がある。
(2)充填工程では、予備発泡させた熱可塑性樹脂予備発泡粒子を成形空間11に供給する。この際、必要に応じて空気含浸等の前処理を行っても良い。また、一般的に熱可塑性樹脂予備発泡粒子の充填方法としては、クラッキング充填方式と圧縮充填方式が挙げられるが、クラッキング充填方式においては、図2に示すような必要発泡体倍率となるように、クラッキング18と呼ばれる空気流路を確保する必要があるため、金型昇温工程後、成形空間にクラッキングを設ける為、成形型を開く。
圧縮充填成形については、成形空間11内にポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を充填する前に加圧タンク内で所定圧力まで加圧を行い、高圧力にて該ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を成形空間11に供給し、空気流路としては、固定側蒸気排出弁16と移動側蒸気排出弁17で調整することが可能であるので、充填工程への移行の際に敢えて成形型を開く必要がない。
(3)一方加熱工程では、固定側蒸気排出弁16を閉とし、移動側蒸気排出弁17を開とし、固定側蒸気供給弁14から蒸気等の加熱媒体を所定圧力で一定時間供給する事によって、成形空間11に充填された熱可塑性樹脂予備発泡粒子の昇温と成形空間11内に存在する空気と固定側蒸気室の空気の除去を行なう。発泡体の融着率にも影響し、使用する熱可塑性樹脂予備発泡粒子の樹脂温度や発泡倍率等によっても変化するため、発泡体毎に個別に圧力と時間を設定する。
(4)逆一方加熱工程では、移動側蒸気排出弁17を閉とし、固定側蒸気排出弁16を開とし、移動側蒸気供給弁15から蒸気等の加熱媒体を所定圧力で一定時間供給する事によって、成形空間11に充填された熱可塑性樹脂予備発泡粒子の昇温と成形空間11内に存在する空気と移動側蒸気室の空気の除去を行なう。前記一方加熱工程と同様、発泡体の融着率にも影響し、使用する熱可塑性樹脂予備発泡粒子の樹脂温度や発泡倍率等によっても変化するため、発泡体毎に個別に圧力と時間を設定する。
(5)両面加熱工程では、移動側蒸気排出弁16と固定側蒸気排出弁17を閉の状態にし、固定側蒸気供給弁14と移動側蒸気供給弁15から蒸気を供給し、所定の圧力で一定時間制御する。発泡体の形状を保持しうるために少なくとも発泡体内部の融着率を60%以上とする必要があり、一方加熱工程及び逆一方加熱工程の圧力及び時間とも密接に関連している事と、使用する熱可塑性樹脂予備発泡粒子の樹脂温度や発泡倍率等によっても変化する事から、発泡体毎に個別に設定する。
(6)冷却工程では、両面加熱工程で融着された熱可塑性樹脂発泡体を所定寸法、形状で安定させる為に、固定側蒸気供給弁14と移動側蒸気供給弁15から供給される蒸気を停止し、移動側蒸気排出弁16と固定側蒸気排出弁17を開にして大気開放系にした後に、冷却水を成形型内に供給することで、移動側センタープレート5、移動側型駒7、固定側センタープレート6、固定側型駒8を介して熱可塑性樹脂発泡体を冷却する。
(7)離型工程は、前記熱可塑性樹脂発泡体を金型内から取り出す工程である。前記熱可塑性樹脂発泡体を取り出した後の移動側バックプレート1、移動側フレーム3、移動側センタープレート5、移動側型駒7と固定側バックプレート2、固定側フレーム4、固定側センタープレート6、固定側型駒8の温度は概ね30〜60℃であり、次のサイクルの金型昇温工程は、この温度から開始される事になる。
以上のように、本発明の熱可塑性樹脂発泡体の製造方法によれば、第1の成形型と第2の成形型を合わせて形成される成形空間を閉鎖系とし、蒸気による昇温あるいは熱伝導による昇温機構の少なくとも1つにより、100℃以上、樹脂の融着蒸気圧力G−0.1MPaの飽和蒸気温度以下まで型駒の温度の昇温させた後に、熱可塑性樹脂予備発泡粒子を成形空間内に充填することで、従来の成形方法のように、熱可塑性樹脂予備発泡粒子を第1の成形型と第2の成形型で構成される成形空間内に供給した後に、大気開放系で第1の成形型と第2の成形型を所定温度まで上昇させる必要が無いので、金型昇温に使用する蒸気の消費量を、低減させることが可能となる。
次に本発明を実施例及び比較例に基づき説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子である(株)カネカ製のLBS30(30倍品、融点:145℃)に、空気加圧処理により空気を含浸させて0.19〜0.22MPaの内圧を付与した後、成形空間11、移動側蒸気室9、固定側蒸気室10を閉鎖系とし、移動側蒸気供給弁15、固定側蒸気供給弁14から蒸気を供給した。本実施例における融着蒸気圧力は、0.4MPaであった為、100℃以上、樹脂の融着蒸気圧力G−0.1MPa=0.3MPaの飽和蒸気温度である133℃(丸善株式会社発行のボイラ便覧より)以下になるように、型駒を昇温した。具体的には、供給蒸気の設定圧力は移動側、固定側共に0.4MPaとして5秒間蒸気供給を行なった後、移動側蒸気排出弁16と固定側蒸気排出弁17を開にする事によって、蒸気を大気圧下に放出した。その結果、移動側型駒7、固定側型駒8の温度は115℃となった。
次工程の充填工程終了時には、移動側型駒7、固定側型駒8の温度は98℃であった。充填工程では、必要発泡体倍率となるように、クラッキング18を5mmに設定し、最大寸法が620×400×50mmの発泡体形状を持った成形空間11に内圧を付与したLBS30を成形空間11に充填した。一方加熱工程では、固定側蒸気排出弁16を閉にして固定側蒸気供給弁14から蒸気を供給し、設定圧力0.20MPaになるまで蒸気を供給した。この工程の所要時間は5秒であった。逆一方加熱工程では、移動側蒸気排出弁17を閉にして移動側蒸気供給弁15から蒸気を供給し、設定圧力0.24MPaになるまで蒸気を供給した。この工程の所要時間は2秒であった。次に、両面加熱工程では、供給蒸気の設定圧力は移動側、固定側共に0.4MPaで8秒間の蒸気の供給と圧力コントロールを行なった。
一方加熱工程、逆一方加熱工程、両面加熱工程における各設定圧力と設定時間は、発泡体の形状及びLBS30の樹脂特性から、発泡体の融着率が60%以上となるように、それぞれ設定したものである。冷却工程では、40℃の温水にて80秒冷却を行なうことで、発泡30倍の発泡体を得た。この時の1ショット当たりの成形に使用した蒸気量は、25kgであり、成形サイクルタイムは180秒であった。
(実施例2)
ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子である(株)カネカ製のLBS30(30倍品、融点:145℃)に、空気加圧処理により空気を含浸させて0.19〜0.22MPaの内圧を付与した。本実施例における融着蒸気圧力は、0.4MPaであった為、100℃以上、樹脂の融着蒸気圧力G−0.1MPa=0.3MPaの飽和蒸気温度である133℃(丸善株式会社発行のボイラ便覧より)以下になるように、型駒を昇温した。具体的には、昇温機構として、アルミニウム板に熱電対を取り付けて電熱よって昇温可能とし、外部より温度コントロールする可能である熱伝導機構を、図5のように、バックプレートとフレームに取り付けた成形型を使用し、移動側熱伝導機構24と固定側熱伝導機構25の電熱昇温を開始した後、成形空間11、移動側蒸気室9、固定側蒸気室10を閉鎖系とし、移動側蒸気供給15、固定側蒸気供給弁14から蒸気を供給した。
供給蒸気の設定圧力は移動側、固定側共に0.4MPaであり、3秒間蒸気供給を行なった後、移動側蒸気排出弁16と固定側蒸気排出弁17を開にする事によって、蒸気を大気圧下に放出した。その結果、移動側型駒7、固定側型駒8の表面温度は125℃となった。次工程の充填工程終了時には、移動側型駒7、固定側型駒8の温度は、115℃であり、実施例1と比較し、移動側熱伝導機構24と固定側熱伝導機構25の電熱昇温機構を設ける事によって、短い時間で高温度を維持出来ることが出来た。
充填工程では、必要発泡体倍率となるように、クラッキング18を5mmに設定し、最大寸法が620×400×50mmの発泡体形状を持った成形空間11に内圧を付与したLBS30を充填した。一方加熱工程では、固定側蒸気排出弁16を閉にして固定側蒸気供給14から蒸気を供給し、設定圧力0.20MPaになるまで蒸気を供給した。この工程の所要時間は5秒であった。逆一方加熱工程では、移動側蒸気排出弁17を閉にして移動側蒸気供給弁15から蒸気を供給し、設定圧力0.24MPaになるまで蒸気を供給した。この工程の所要時間は2秒であった。 次に、両面加熱工程では、供給蒸気の設定圧力を移動側、固定側共に0.40MPaとし、5秒間の蒸気の供給を行なった。
一方加熱工程、逆一方加熱工程、両面加熱工程における各設定圧力と設定時間は、発泡体の形状及びLBS30の樹脂特性から、発泡体の融着率が60%以上となるように、それぞれ設定したものである。
冷却工程では、移動側熱伝導機構24と固定側熱伝導機構25の電熱昇温を停止し、40℃の温水にて100秒冷却を行なうことで、発泡30倍の発泡体を得た。この時の1ショット当たりの成形に使用した蒸気量は、23kg/であった。成形サイクルタイムは175秒であり、実施例1よりも短い成形サイクルタイムとなった。
(実施例3)
ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子である(株)カネカ製のLBS30(30倍品、融点:145℃)に、空気加圧処理により空気を含浸させて0.19〜0.22MPaの内圧を付与した。本実施例における融着蒸気圧力は、0.4MPaであった為、100℃以上、樹脂の融着蒸気圧力G−0.1MPa=0.3MPaの飽和蒸気温度である133℃(丸善株式会社発行のボイラ便覧より)以下になるように、型駒を昇温した。
具体的には、移動側断熱材22と固定側断熱材23によって断熱施工を実施した、成形空間11、移動側蒸気室9、固定側蒸気室10を閉鎖系とし、移動側蒸気供給弁15、固定側蒸気供給弁14から蒸気を供給した。ここで使用した移動側断熱材22と固定側断熱材23は、熱伝導率0.25W/m・k、耐熱温度250℃、厚み5mm、吸水率0.08%のポリエーテルエーテルケトン素材を所定形状に加工したものをビス止めしたものである。
供給蒸気の設定圧力は移動側、固定側共に0.4MPaであり、3秒間蒸気供給を行なった後、移動側排気弁16と固定側排気弁17を開にする事によって、蒸気を大気圧下に放出した。その結果、移動側型駒7、固定側型駒8の温度は130℃となった。
次工程である充填工程終了時には、移動側型駒7、固定側型駒8の温度は109℃であった。充填工程では、必要発泡体倍率となるように、クラッキング18を5mmに設定し、最大寸法が620×400×50mmの発泡体形状を持った成形空間11内に内圧を付与したLBS30を充填した。一方加熱工程では、固定側蒸気排出弁16を閉にして固定側蒸気供給弁14から蒸気を供給し、設定圧力0.20MPaになるまで蒸気を供給した。この工程の所要時間は5秒であった。逆一方加熱工程では、移動側蒸気排出弁17を閉にして移動側蒸気供給弁15から蒸気を供給し、設定圧力0.24MPaになるまで蒸気を供給した。この工程の所要時間は2秒であった。次に、両面加熱工程では、供給蒸気の設定圧力を移動側、固定側共に0.40MPaとし、5秒間の蒸気の供給と圧力コントロールを行なった。
一方加熱工程、逆一方加熱工程、両面加熱工程における各設定圧力と設定時間は、発泡体の形状及びLBS30の樹脂特性から、発泡体の融着率が60%以上となるように、それぞれ設定したものである。
冷却工程では、40℃の温水にて120秒冷却を行なうことで、発泡30倍の発泡体を得た。この時の1ショット当たりの成形に使用した蒸気量は、20kg/であった。実施例1と比較して、移動側断熱材22と固定側断熱材23によって断熱施工を実施する事による放熱ロス低減による蒸気使用量削減効果が確認出来た。この時の成形サイクルタイムは195秒であり、実施例1よりも長い成形サイクルタイムとなった。
(実施例4)
ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子である(株)カネカ製のLBS30(30倍品)に、空気加圧処理により空気を含浸させて0.19〜0.22MPaの内圧を付与した。本実施例における融着蒸気圧力は、0.4MPaであった為、100℃以上、樹脂の融着蒸気圧力G−0.1MPa=0.3MPaの飽和蒸気温度である133℃(丸善株式会社発行のボイラ便覧より)以下になるように、型駒を昇温した。
具体的には、成形空間11、移動側蒸気室9、固定側蒸気室10を閉鎖系とし、第2移動側蒸気供給弁20、第2固定側蒸気供給弁21から蒸気を供給した。供給蒸気の設定圧力は移動側、固定側共に0.5MPaであり、3秒間蒸気供給を行なった後、移動側蒸気排出弁16と固定側蒸気排出弁17を開にする事によって、蒸気を大気圧下に放出した。
蒸気の圧力0.5MPaにおける飽和温度は143℃であり、この時の移動側型駒7、固定側型駒8の温度は131℃であった。次工程である充填工程終了時には、109℃であった。蒸気供給ラインを2つ以上設けた成形装置を用いることによって、金型昇温工程の供給蒸気の設定圧力を高く設定する事が可能となり、実施例1よりも高温度を維持出来ることが出来た。充填工程では、必要発泡体倍率となるように、クラッキング18を5mmに設定し、最大寸法が620×400×50mmの発泡体形状を持った成形空間11に内圧を付与したLBS30を充填した。
一方加熱工程では、固定側排気弁16を閉にして固定側蒸気供給弁14から蒸気を供給し、設定圧力0.20MPaになるまで蒸気を供給した。この工程の所要時間は3秒であった。逆一方加熱工程では、移動側蒸気排出弁17を閉にして移動側蒸気供給弁15から蒸気を供給し、設定圧力0.24MPaになるまで蒸気を供給した。この工程の所要時間は1.5秒であり、2つ設けた蒸気供給ラインの高温側の供給蒸気の設定圧力を使用する事によって、実施例1よりも短時間で一方加熱工程、逆一方加熱工程を終了出来た。
次に、両面加熱工程では、昇温初期に第2移動側蒸気供給弁20、第2固定側蒸気供給弁21から蒸気を2秒間供給した後に、供給蒸気の設定圧力を0.4MPaに設定した移動側蒸気供給弁15、固定側蒸気供給弁14から4秒間の蒸気の供給と圧力コントロールを行なった。
一方加熱工程、逆一方加熱工程、両面加熱工程における各設定圧力と設定時間は、発泡体の形状及びLBS30の樹脂特性から、発泡体の融着率が60%以上となるように、それぞれ設定したものである。
冷却工程では、40℃の温水にて80秒冷却を行なうことで、発泡30倍の発泡体を得た。この時の1ショット当たりの成形に使用した蒸気量は、27kgであり、成形サイクルタイムは164秒であった。
(比較例1)
ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子である(株)カネカ製のLBS30(30倍品)に、空気加圧処理により空気を含浸させて0.19〜0.22MPaの内圧を付与した後、必要発泡体倍率となるように、クラッキング18を5mmに設定し、最大寸法が620×400×50mmの発泡体形状を持った成形空間11に内圧を付与したLBS30を充填した。次に金型昇温工程では成形空間11、移動側蒸気室9、固定側蒸気室10を開放系とし、移動側蒸気供給弁15、固定側蒸気供給弁14から蒸気を供給した。
供給蒸気の設定圧力は移動側、固定側共に0.40MPaであり、5秒間蒸気供給を行なった後、移動側蒸気排出弁16と固定側蒸気排出弁17を開にする事によって、蒸気を大気圧下に放出した。
一方加熱工程では、固定側蒸気排出弁16を閉にして固定側蒸気供給弁14から蒸気を供給し、設定圧力0.20MPaになるまで蒸気を供給した。この工程の所要時間は8秒であった。逆一方加熱工程では、移動側蒸気排出弁17を閉にして移動側蒸気供給弁15から蒸気を供給し、設定圧力0.24MPaになるまで蒸気を供給した。この工程の所要時間は3秒であった。次に、両面加熱工程では、供給蒸気の設定圧力を移動側、固定側共に0.40MPaとし、8秒間の蒸気の供給と圧力コントロールを行なった。
一方加熱工程、逆一方加熱工程、両面加熱工程における各設定圧力と設定時間は、発泡体の形状及びLBS30の樹脂特性から、発泡体の融着率が60%以上となるように、それぞれ設定したものである。冷却工程では、40℃の温水にて80秒冷却を行なうことで、発泡30倍の発泡体を得た。この時の1ショット当たりの成形に使用した蒸気量は、31kgであり、成形サイクルタイムは186秒であった。
(比較例2)
ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子である(株)カネカ製のLBS30(30倍品)に、空気加圧処理により空気を含浸させて0.19〜0.22MPaの内圧を付与した後、必要発泡体倍率となるように、クラッキング18を5mmに設定し、最大寸法が620×400×50mmの発泡体形状を持った成形空間11に内圧を付与したLBS30を充填した。
次に移動側熱伝導機構24と固定側熱伝導機構25の電熱昇温を開始した後、金型昇温工程にて成形空間11、移動側蒸気室9、固定側蒸気室10を開放系とし、移動側蒸気供給弁15、固定側蒸気供給弁14から蒸気を供給した。
供給蒸気の設定圧力は移動側、固定側共に0.40MPaであり、3秒間蒸気供給を行なった後、移動側蒸気排出弁16と固定側蒸気排出弁17を開にする事によって、蒸気を大気圧下に放出した。
一方加熱工程では、固定側蒸気排出弁16を閉にして固定側蒸気供給弁14から蒸気を供給し、設定圧力0.20MPaになるまで蒸気を供給した。この工程の所要時間は6秒であった。逆一方加熱工程では、移動側蒸気排出弁17を閉にして移動側蒸気供給弁15から蒸気を供給し、設定圧力0.24MPaになるまで蒸気を供給した。この工程の所要時間は2秒であった。
次に、両面加熱工程では、供給蒸気の設定圧力を移動側、固定側共に0.40MPaとし、6秒間の蒸気の供給と圧力コントロールを行なった。
一方加熱工程、逆一方加熱工程、両面加熱工程における各設定圧力と設定時間は、発泡体の形状及びLBS30の樹脂特性から、発泡体の融着率が60%以上となるように、それぞれ設定したものである。
冷却工程では、40℃の温水にて120秒冷却を行なうことで、発泡30倍の発泡体を得た。この時の1ショット当たりの成形に使用した蒸気量は、28kgであり、成形サイクルタイムは200秒であった。
(比較例3)
ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子である(株)カネカ製のLBS30(30倍品)に、空気加圧処理により空気を含浸させて0.19〜0.22MPaの内圧を付与した後、必要発泡体倍率となるように、クラッキング18を5mmに設定し、最大寸法が620×400×50mmの発泡体形状を持った成形空間11に内圧を付与したLBS30を充填した。
次に金型昇温工程にて移動側断熱材22と固定側断熱材23によって断熱施工を実施した成形空間11、移動側蒸気室9、固定側蒸気室10を開放系とし、移動側蒸気供給弁15、固定側蒸気供給弁14から蒸気を供給した。供給蒸気の設定圧力は移動側、固定側共に0.40MPaであり、3秒間蒸気供給を行なった後、移動側蒸気排出弁16と固定側蒸気排出弁17を開にする事によって、蒸気を大気圧下に放出した。
一方加熱工程では、固定側蒸気排出弁16を閉にして固定側蒸気供給弁14から蒸気を供給し、設定圧力0.20MPaになるまで蒸気を供給した。この工程の所要時間は6秒であった。逆一方加熱工程では、移動側蒸気排出弁17を閉にして移動側蒸気供給弁15から蒸気を供給し、設定圧力0.24MPaになるまで蒸気を供給した。この工程の所要時間は2秒であった。
次に、両面加熱工程では、供給蒸気の設定圧力を移動側、固定側共に0.40MPaとし、6秒間の蒸気の供給と圧力コントロールを行なった。
一方加熱工程、逆一方加熱工程、両面加熱工程における各設定圧力と設定時間は、発泡体の形状及びLBS30の樹脂特性から、発泡体の融着率が60%以上となるように、それぞれ設定したものである。
冷却工程では、40℃の温水にて120秒冷却を行なうことで、発泡30倍の発泡体を得た。この時の1ショット当たりの成形に使用した蒸気量は、28kgであり、成形サイクルタイムは218秒であった。
(比較例4)
ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子である(株)カネカ製のLBS30(30倍品)に、空気加圧処理により空気を含浸させて0.19〜0.22MPaの内圧を付与した後、必要発泡体倍率となるように、クラッキング18を5mmに設定し、最大寸法が620×400×50mmの発泡体形状を持った成形空間11に内圧を付与したLBS30を充填した。
次に金型昇温工程にて成形空間11、移動側蒸気室9、固定側蒸気室10を開放系とし、移動側蒸気供給弁20、固定側蒸気供給弁21から蒸気を供給した。供給蒸気の設定圧力は移動側、固定側共に0.5MPaであり、3秒間蒸気供給を行なった後、移動側蒸気排出弁16と固定側蒸気排出弁17を開にする事によって、蒸気を大気圧下に放出した。
一方加熱工程では、固定側蒸気排出弁16を閉にして固定側蒸気供給弁14から蒸気を供給し、設定圧力0.20MPaになるまで蒸気を供給した。この工程の所要時間は3秒であった。逆一方加熱工程では、移動側蒸気排出弁17を閉にして移動側蒸気供給弁15から蒸気を供給し、設定圧力0.24MPaになるまで蒸気を供給した。この工程の所要時間は2秒であった。
次に、両面加熱工程では、供給蒸気の設定圧力を移動側、固定側共に0.4MPaとし6秒間の蒸気の供給と圧力コントロールを行なった。
一方加熱工程、逆一方加熱工程、両面加熱工程における各設定圧力と設定時間は、発泡体の形状及びLBS30の樹脂特性から、発泡体の融着率が60%以上となるように、それぞれ設定したものである。
冷却工程では、40℃の温水にて80秒冷却を行なうことで、発泡30倍の発泡体を得た。この時の1ショット当たりの成形に使用した蒸気量は、33kgであり、成形サイクルタイムは165秒であった。
Figure 2008183782
Figure 2008183782
表1、表2より、実施例1と比較例1を比較することで、金型昇温工程を充填工程の前に実施することによって、19.4%の蒸気使用量を削減する事が出来た。成形サイクルタイムとしては3.2%短縮できた。実施例2と比較例1との比較においては、熱伝導による昇温機構を設けることの効果についてみることが出来るが、その結果、25.8%の蒸気使用量を削減する事ができ、成形サイクルタイムとしては5.9%短縮できた。
実施例3と比較例1との比較では、バックプレート、センタープレート、フレームの蒸気室側の少なくとも一部に断熱材を施工することの効果を検証することが出来るが、35.4%の蒸気使用量を削減することができた。実施例4と比較例1との比較では、第1の成形型と第2の成形型のそれぞれに蒸気供給ラインを2つ以上設けることについて検証できるが、その結果、12.9%の蒸気使用量を削減する事ができ、成形サイクルタイムとしては11.8%短縮できた。
上記以外にも熱伝導による昇温機構とバックプレート、センタープレート、フレームの蒸気室側の少なくとも一部に断熱材を施工することと第1の成形型と第2の成形型のそれぞれに蒸気供給ラインを2つ以上設けることによる組み合わせを変える事によって、蒸気使用量の面からも成形サイクルタイムの面からも有利な組み合わせを発泡体の形状や使用する熱可塑性樹脂の特性等によって選択する事が可能である。
金型昇温工程時の成形型の一態様を示した図である。 充填工程時の成形型の一態様を示した図である。 加熱工程時の成形型の一態様を示した図である。 成形型内部に断熱材を施工した一例を示した図である。 成形型内部に昇温機構を設けた一例を示した図である。
符号の説明
1 移動側バックプレート
2 固定側バックプレート
3 移動側フレーム
4 固定側フレーム
5 移動側センタープレート
6 固定側センタープレート
7 移動側型駒
8 固定側型駒
9 移動側蒸気室
10 固定側蒸気室
11 成形空間
12 離型ピン
13 充填フィラー
14 固定側蒸気供給弁
15 移動側蒸気供給弁
16 固定側蒸気排出弁
17 移動側蒸気排出弁
18 クラッキング
19 熱可塑性樹脂予備発泡粒子
20 固定側第2蒸気供給弁
21 移動側第2蒸気供給弁
22 移動側断熱材
23 固定側断熱材
24 移動側熱伝導機構
25 固定側熱伝導機構

Claims (4)

  1. バックプレート、フレーム、センタープレート、型駒をそれぞれ備えてなる第1の成形型と第2の成形型からなる成形装置において、第1の成形型と第2の成形型を合わせて形成される成形空間に、熱可塑性樹脂予備発泡粒子を充填し、蒸気にて該熱可塑性樹脂予備発泡粒子を熱融着させる熱可塑性樹脂発泡体の製造方法において、第1の成形型と第2の成形型を合わせて形成される成形空間を閉鎖系とし、蒸気による昇温あるいは熱伝導による昇温機構の少なくとも1つにより、100℃以上、樹脂の融着蒸気圧力G−0.1MPaの飽和蒸気温度以下まで型駒の温度を昇温させた後、熱可塑性樹脂予備発泡粒子を成形空間内に充填することを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体の製造方法。
  2. 第1の成形型と第2の成形型のそれぞれの蒸気による昇温機構に蒸気供給ラインを2つ以上設けた成形装置を用いることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂発泡体の製造方法。
  3. 前記成形型のバックプレート、フレーム、センタープレートの少なくとも何れかの一部に熱伝導による昇温機構を設けることを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂発泡体の製造方法。
  4. 前記成形型のバックプレート、フレーム、センタープレートの蒸気室側の少なくとも一部に断熱材を施工した成形装置を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂発泡体の製造方法。
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