JP2980057B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体装置の製造方
法に関し、特にゲート電極とソース、ドレイン拡散層上
に、チタンシリサイド層を自己整合的に形成するCMO
Sの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】上記本発明が属する技術分野に関連する
公知文献として、例えば特開平8−78361号公報等
の記載が参照される。上記公報には、チタンシリサイド
を用いたサリサイドプロセスにおいて、低抵抗で配線間
ショートのないチタンシリサイド膜を形成する方法とし
て、不純物が拡散されたシリコン領域上に、非晶質シリ
コン層を形成し、その後、高融点金属シリサイドが形成
される温度を超えない温度で前記シリコン領域を含む半
導体基板を加熱しながら、高融点金属を堆積させて、高
融点金属層を形成し、これによって前記高融点金属層と
前記シリコン領域界面に高融点金属とシリコンの非晶質
の混合層を形成し、その後熱処理によって高融点金属シ
リサイド層を形成する製造方法が提案されている。
【0003】図5(a)〜図5(c)は、CMOS半導
体装置の製造方法を主要製造工程を工程順に模式的に示
した断面図である。
【0004】まず、図5(a)に示すように、p型のシ
リコン基板1上に、厚さ200〜400nmのフィール
ド酸化膜4を選択酸化法により形成し、pウェル2とn
ウェル3をイオン注入法により形成した後、厚さ3〜6
nmのゲート酸化膜5を介して、厚さ150〜250n
mの多結晶シリコンのゲート電極6を、既知の方法で形
成する。
【0005】次に、ゲート電極6の側面に幅80〜15
0nmの酸化膜側壁7を、CVD技術と異方性エッチン
グ技術を用いて形成し、全面を厚さ5〜10nmの酸化
膜8で被った後、イオン注入と続く活性化アニールによ
り、nMOSのn型ソース、ドレイン拡散層9とpMO
Sのp型ソース、ドレイン拡散層10を形成する。
【0006】ここで、n型ソース、ドレイン拡散層9を
形成する際には、pMOS領域を、p型ソース、ドレイ
ン拡散層10を形成する際には、nMOS領域を、フォ
トレジストで被い、それぞれヒ素イオンと2フッ化ボロ
ン(BF2)イオンを20〜50keVの加速エネルギ
ーにて2〜5×1015cm-2のドーズ量で注入する。
【0007】活性化アニールは1000〜1050℃の
温度範囲で10〜30秒行う。
【0008】次に、図5(b)に示すように、全面に、
ヒ素イオンを、20〜80keVの加速エネルギー、2
〜5×1014cm-2のドーズ量で注入することによっ
て、nMOS、pMOSのゲート電極6とソース、ドレ
イン拡散層9、10の表層部を非晶質化する。
【0009】ここで、非晶質化のためのイオン注入種と
してヒ素を用いるのは、通常の半導体の製造工程で使わ
れている不純物の中では質量数が最も大きく、非晶質化
に最も適しているからである。
【0010】次に、ゲート電極6とソース、ドレイン拡
散層9、10の表面を露出させた状態で、スパッタ法に
より全面に厚さ20〜40nmのチタン膜を被着させ、
650〜750℃の温度範囲で10〜30秒熱処理を行
うことによって、チタン膜と、ゲート電極6およびソー
ス、ドレイン拡散層9、10とを反応させて、チタンシ
リサイド層を形成する。
【0011】次に、未反応のチタンを除去することによ
り、図5(c)に示すように、ゲート電極6とソース、
ドレイン拡散層9、10上に自己整合的に、厚さ30〜
60nmのチタンシリサイド層11を形成する。この
後、800〜900℃の温度範囲で10〜30秒熱処理
を行うことによって、相転移を起こさせ、チタンシリサ
イド層11の抵抗率を下げる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図5に
示した上記従来の製造方法においては、nMOSのチタ
ンシリサイド層の層抵抗を十分に低く抑えると、ゲート
電極6とソース、ドレイン拡散層9、10の表層部を非
晶質化するためのイオン注入により、pMOSの接合リ
ーク電流が増加する、という問題点を有している。
【0013】一般に、ソース、ドレイン拡散層を形成す
るために必要な2〜5×1015cm-2のドーズ量でヒ素
イオンを注入したシリコン上では、同程度のドーズ量で
2フッ化ボロン(BF2)イオンを注入したシリコン上
に較べて、チタンシリサイド化反応が阻害される傾向が
ある。
【0014】このため、非晶質化のヒ素イオンの注入エ
ネルギーが低く、非晶質化層が薄くしか形成できない場
合には、nMOSではpMOSに比べて、十分な膜厚の
チタンシリサイド層が形成されず、後工程の熱処理で凝
集が生じて、層抵抗が著しく上昇する、という問題が生
じる。
【0015】このような問題を防ぐためには、通常は非
晶質化のヒ素イオンの注入エネルギーを高くし、非晶質
化層を厚く形成することによって、チタンシリサイド化
反応を促進させるという手段が講じられる。
【0016】しかしながら、この場合には、pMOSの
接合リーク電流が増加するという新たな問題が生じる。
【0017】この理由について、図6を参照して以下に
説明する。図6は、pMOSのソース、ドレイン部の不
純物濃度の深さ方向分布を模式的に示したものである。
【0018】非晶質化のヒ素イオンを注入しないときの
接合深さXj0は、p型ソース、ドレインの不純物分布
とnウェルの不純物分布の交点となる。これに対し、非
晶質化のヒ素イオンを注入し、しかもその加速エネルギ
ーが高い場合の接合深さXj1は、p型ソース、ドレイ
ンの不純物分布のテールを非晶質化のヒ素が打ち消すた
め、もとの接合深さXj0よりも浅くなる。
【0019】接合深さが浅くなると、チタンシリサイド
層の底面と接合面との距離が短くなるため、スパイクや
欠陥に起因した接合リーク電流が増加することになる。
【0020】具体的な数値を挙げると、ゲート長が0.
15μm程度のMOSFETを実現しようとした場合、
短チャネル効果の観点から、接合深さは最大0.15μ
m程度に設定される。
【0021】一方、nMOSのチタンシリサイド層の層
抵抗を、線幅0.15μmのゲート電極上で10Ω/□
以下に抑えるためには、非晶質化のヒ素イオンの注入エ
ネルギーを60keV程度以上に設定する必要がある。
【0022】ところが、ヒ素イオンを60keV以上の
加速エネルギーで2〜5×1014cm-2注入すれば、そ
の分布は0.1μm以上に達するため、pMOSの接合
深さは、テールがヒ素に打ち消されて浅くなってしまう
のである。
【0023】したがって、本発明は、上記問題点に鑑み
てなされたものであって、その目的は、ゲート電極とソ
ース、ドレイン拡散層上に、チタンシリサイド層を自己
整合的に形成するCMOSにおいて、nMOSのチタン
シリサイド層の層抵抗を十分に低く抑え、かつ、pMO
Sの接合リーク電流の増加を抑制可能とした半導体装置
の製造方法を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本願第1発明の半導体装置の製造方法は、シリコン
基板上にnMOSおよびpMOSを形成する際、(a)
イオン注入とこれに続く活性化アニールによって、それ
ぞれのソース、ドレイン拡散層を形成する工程と、
(b)nMOS領域にのみ相対的に高エネルギーで、p
MOS領域にのみ相対的に低エネルギーで、シリコンゲ
ート電極およびソース、ドレイン拡散層の表層部を非晶
質化するためのイオン注入を行う工程と、(c)前記ゲ
ート電極およびソース、ドレイン拡散層表面を露出させ
た状態で、全面に高融点金属膜を被着させ、熱処理によ
って、前記高融点金属膜と、前記ゲート電極およびソー
ス、ドレイン拡散層とを反応させ、続いて前記高融点金
属膜の未反応部分を除去することによって、前記ゲート
電極および前記ソース、ドレイン拡散層上に、高融点金
属シリサイド層を自己整合的に形成する工程と、を含む
ことを特徴とする。本発明においては、高融点金属とし
ては、好ましくはチタンが用いられる。
【0025】また、本願第2発明の半導体装置の製造方
法は、シリコン基板上にnMOSおよびpMOSを形成
する際、(a)イオン注入と続く活性化アニールによっ
て、それぞれのソース、ドレイン拡散層を形成する工程
と、(b)nMOS領域にのみ相対的に高エネルギー
で、全面に相対的に低エネルギーで、シリコンゲート電
極およびソース、ドレイン拡散層の表層部を非晶質化す
るためのイオン注入を行う工程と、(c)前記ゲート電
極およびソース、ドレイン拡散層表面を露出させた状態
で、全面に高融点金属膜を被着させ、熱処理によって、
前記高融点金属膜と、前記ゲート電極およびソース、ド
レイン拡散層とを反応させ、続いて前記高融点金属膜の
未反応部分を除去することによって、前記ゲート電極お
よびソース、ドレイン拡散層上に高融点金属シリサイド
層を自己整合的に形成する工程と、を含むことを特徴と
する。本発明においては、高融点金属としては、好まし
くはチタンが用いられる。
【0026】本願第3発明の半導体装置の製造方法は、
シリコン基板上にnMOSおよびpMOSを形成する
際、(a)pMOSのソース、ドレイン拡散層を形成す
るためのイオン注入を行う工程と、(b)ソース、ドレ
インの活性化アニール温度以上の耐熱性を有するマスク
材料でpMOS領域を被い、nMOSのソース、ドレイ
ン拡散層を形成するためのイオン注入を行い、続けて活
性化アニールを行う工程と、(c)前記マスク材料をそ
のまま用い、nMOS領域にのみ相対的に高エネルギー
で、シリコンゲート電極およびソース、ドレイン拡散層
の表層部を非晶質化するためのイオン注入を行う工程
と、(d)前記マスク材料を除去し、全面に相対的に低
エネルギーで、シリコンゲート電極およびソース、ドレ
イン拡散層の表層部を非晶質化するためのイオン注入を
行う工程と、(e)前記ゲート電極およびソース、ドレ
イン拡散層表面を露出させた状態で、全面に高融点金属
膜を被着させ、熱処理によって、前記高融点金属膜と、
前記ゲート電極およびソース、ドレイン拡散層とを反応
させ、続いて前記高融点金属膜の未反応部分を除去する
ことによって、前記ゲート電極およびソース、ドレイン
拡散層上に高融点金属シリサイド層を自己整合的に形成
する工程と、を含むことを特徴とする。本発明において
は、高融点金属としては、好ましくはチタンが用いられ
る。
【0027】本願第4発明は、第3発明の半導体装置の
製造方法において、前記ソース、ドレインの活性化アニ
ール温度以上の耐熱性を有するマスク材料として、好ま
しくは、多結晶シリコンであることを特徴とする。
【0028】本願1乃至第4発明の半導体装置の製造方
法において、前記ゲート電極およびソース、ドレイン拡
散層の表層部を非晶質化するための不純物がリン、ヒ
素、アンチモンのいずれかであることを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について以下
に説明する。以下では、まず、本発明の実施の形態につ
いて、その概要及び作用効果について説明した後、各実
施の形態に詳細及びその実施例について説明する。
【0030】本発明の半導体装置の製造方法は、その好
ましい実施の形態において、シリコン基板上にnMOS
およびpMOSを形成する際、(a)イオン注入と続く
活性化アニールによって、それぞれのソース、ドレイン
拡散層(図1の9、10)を形成する工程(図1(a)
参照)と、(b)nMOS領域にのみ相対的に高エネル
ギーで(図1(b)参照)、pMOS領域にのみ相対的
に低エネルギーで(図1(c)参照)、シリコンゲート
電極(図1の6)およびソース、ドレイン拡散層の表層
部を非晶質化するためのイオン注入を行う工程と、
(c)ゲート電極およびソース、ドレイン拡散層表面を
露出させた状態で、全面にチタン膜を被着させ、熱処理
によって、前記チタン膜と、前記ゲート電極およびソー
ス、ドレイン拡散層とを反応させ、続いて前記チタン膜
の未反応部分を除去することによって、ゲート電極およ
びソース、ドレイン拡散層上にチタンシリサイド層(図
1の11)を自己整合的に形成する工程(図1(d)参
照)と、を備えている。
【0031】本発明の半導体装置の製造方法は、好まし
い第2の実施の形態において、シリコン基板上にnMO
SおよびpMOSを形成する際、(a)イオン注入と続
く活性化アニールによって、それぞれのソース、ドレイ
ン拡散層(図2の9、10)を形成する工程(図2
(a)参照)と、(b)nMOS領域に対してのみ、相
対的に高エネルギーで(図2(b)参照)、つづいて、
全面に、相対的に低エネルギーで(図2(c)参照)、
シリコンゲート電極(図2の6)およびソース、ドレイ
ン拡散層の表層部を非晶質化するためのイオン注入を行
う工程と、(b)シリコンゲート電極およびソース、ド
レイン拡散層表面を露出させた状態で、全面にチタン膜
を被着させ、熱処理によって、前記チタン膜と、前記シ
リコンゲート電極およびソース、ドレイン拡散層とを反
応させ、続いて前記チタン膜の未反応部分を除去するこ
とによって、前記ゲート電極およびソース、ドレイン拡
散層上にチタンシリサイド層(図1の11)を自己整合
的に形成する工程(図2(d)参照)と、を備えてい
る。
【0032】本発明の半導体装置の製造方法は、更に、
好ましい第3の実施の形態において、シリコン基板上に
nMOSおよびpMOSを形成する際、(a)pMOS
のソース、ドレイン拡散層を形成するためのイオン注入
を行う工程(図3(a)参照)と、(b)ソース、ドレ
インの活性化アニール温度以上の耐熱性を有するマスク
材料(図3(b)の13)でpMOS領域を被い、nM
OSのソース、ドレイン拡散層を形成するためのイオン
注入を行い、続けて活性化アニールを行う工程(図3
(b)参照)と、(c)マスク材料(図3(c)の1
3)をそのまま用い、nMOS領域にのみ相対的に高エ
ネルギーで、シリコンゲート電極およびソース、ドレイ
ン拡散層の表層部を非晶質化するためのイオン注入を行
う工程(図3(c)参照)と、(d)マスク材料を除去
し、全面に相対的に低エネルギーで、シリコンゲート電
極およびソース、ドレイン拡散層の表層部を非晶質化す
るためのイオン注入を行う工程(図3(d)参照)と、
(e)前記シリコンゲート電極およびソース、ドレイン
拡散層表面を露出させた状態で、全面にチタン膜を被着
させ、熱処理によって、前記チタン膜と、前記ゲート電
極およびソース、ドレイン拡散層とを反応させ、続いて
前記チタン膜の未反応部分を除去することによって、前
記ゲート電極およびソース、ドレイン拡散層上にチタン
シリサイド層(図4(e)の11)を自己整合的に形成
する工程(図4(e)参照)と、を備えている。
【0033】上記本発明の第3の実施の形態において、
前記ソース、ドレインの活性化アニール温度以上の耐熱
性を有するマスク材料として、好ましくは、多結晶シリ
コンが用いられる。
【0034】また、本発明の実施の形態においては、前
記シリコンゲート電極とソース、ドレイン拡散層の表面
を非晶質化するためのイオン注入種が、好ましくは、リ
ン、ヒ素、アンチモンのいずれかであることを特徴とし
ている。
【0035】[作用]本発明の半導体装置の製造方法の
作用効果について説明すると、本発明は、その好ましい
実施の形態において、ゲート電極およびソース、ドレイ
ン拡散層上にチタンシリサイド層を自己整合的に形成す
る際、nMOS領域には相対的に高エネルギーで、pM
OS領域には相対的に低エネルギーで、ゲート電極およ
びソース、ドレイン拡散層の表層部を非晶質化するため
のイオン注入を行うことにより、nMOSの層抵抗を十
分に低く抑え、かつ、pMOSの接合リーク電流の増加
を抑制することができる。
【0036】この理由を、図7を参照して以下に説明す
る。図7は、pMOSのソース、ドレイン部の不純物濃
度の深さ方向分布を模式的に示したものである。
【0037】非晶質化のヒ素イオンを注入しても、その
加速エネルギーが低い場合には、p型ソース、ドレイン
の中に非晶質化のヒ素が完全に取り込まれるため、接合
深さXj1は、非晶質化のヒ素イオンを注入しないとき
の接合深さXj0と何ら変化が無い。したがって、接合
深さは深く保たれ、チタンシリサイド層の底面と接合面
との距離も長く保たれるため、接合リーク電流が増加す
ることは無いのである。
【0038】具体的な数値を挙げれば、pMOSのチタ
ンシリサイド層の層抵抗を、線幅0.15μmのゲート
電極上で、10Ω/□以下に抑えるためには、非晶質化
のヒ素の注入エネルギーを30keV程度に設定すれば
十分である。
【0039】したがって、ヒ素の分布は0.1μm以下
に収まり、pMOSの接合深さが影響を受けることは無
くなる。言うまでもなく、nMOS側には、非晶質化の
ヒ素イオンは、60keV程度以上の加速エネルギーで
注入されるため、nMOSのチタンシリサイド層の層抵
抗もまた、線幅0.15μmのゲート電極上で10Ω/
□以下に抑えられるのである。
【0040】上記した本発明の第1乃至第3の実施の形
態について、以下では図面を参照して更に詳細に説明す
る。
【0041】[実施の形態1]図1(a)〜図1(d)
は、本発明の半導体装置の製造方法の第1の実施の形態
について、主要工程を工程順に模式的に示した断面図で
ある。
【0042】まず、図1(a)に示すように、p型のシ
リコン基板1上に厚さ略200〜400nmのフィール
ド酸化膜4を形成し、pウェル2とnウェル3を形成し
た後、厚さ略3〜6nmのゲート酸化膜5を介して、厚
さ略150〜250nmの多結晶シリコンのゲート電極
6を形成する。
【0043】次に、ゲート電極6の側面に幅略80〜1
50nmの酸化膜側壁7を形成し、全面を厚さ略5〜1
0nmの酸化膜8で被った後、イオン注入と続く活性化
アニールにより、nMOSのn型ソース、ドレイン拡散
層9とpMOSのp型ソース、ドレイン拡散層10を形
成する。
【0044】ここで、n型ソース、ドレイン拡散層9を
形成する際にはpMOS領域を、p型ソース、ドレイン
拡散層10を形成する際にはnMOS領域を、フォトレ
ジストで被い、それぞれヒ素イオンと2フッ化ボロン
(BF2)イオンを、20〜50keVの加速エネルギ
ーで2〜5×1015cm-2のドーズ量で注入する。活性
化アニールは好ましくは略1000〜1050℃の温度
範囲で10〜30秒行う。
【0045】次に、図1(b)に示すように、pMOS
領域をフォトレジスト12で被い、nMOS領域にヒ素
イオンを40〜80keVの加速エネルギーで2〜5×
1014cm-2注入することによって、nMOSのゲート
電極6とソース、ドレイン拡散層9の表層部を非晶質化
する。
【0046】次に、図1(c)に示すように、nMOS
領域をフォトレジスト12で被い、pMOS領域にヒ素
イオンを20〜40keVの加速エネルギーで2〜5×
1014cm-2注入することによって、pMOSのゲート
電極6とソース、ドレイン拡散層10の表層部を非晶質
化する。
【0047】次に、ゲート電極6とソース、ドレイン拡
散層9、10の表面を露出させた状態で、全面に厚さ略
20〜40nmのチタン膜を被着させ、略650〜75
0℃の温度範囲で10〜30秒熱処理を行うことによっ
て、チタン膜と、ゲート電極6およびソース、ドレイン
拡散層9、10とを反応させて、チタンシリサイド層を
形成する。
【0048】次に、未反応のチタンを除去することによ
り、図1(d)に示すように、ゲート電極6とソース、
ドレイン拡散層9、10上に自己整合的に、厚さ30〜
60nmのチタンシリサイド層11を形成する。
【0049】この後、800〜900℃の温度範囲で1
0〜30秒熱処理を行うことによって、相転移を起こさ
せ、チタンシリサイド層11の抵抗率を下げる。
【0050】[実施例1]本発明の一実施例について図
面を参照して説明する。図1(a)〜図1(d)は、本
発明によるCMOSの製造方法の一実施例の主要製造工
程を工程順に模式的に示した断面図である。
【0051】まず、図1(a)に示すように、p型のシ
リコン基板1上に厚さ300nmのフィールド酸化膜4
を選択酸化法により形成し、pウェル2とnウェル3を
イオン注入法により形成した後、厚さ5nmのゲート酸
化膜5を介して、厚さ200nmの多結晶シリコンのゲ
ート電極6を既知の方法により形成する。次に、ゲート
電極6の側面に幅100nmの酸化膜側壁7をCVD技
術と異方性エッチング技術を用いて形成し、全面を厚さ
10nmの酸化膜8で被った後、イオン注入と続く活性
化アニールにより、nMOSのn型ソース、ドレイン拡
散層9とpMOSのp型ソース、ドレイン拡散層10を
形成する。ここで、n型ソース、ドレイン拡散層9を形
成する際にはpMOS領域を、p型ソース、ドレイン拡
散層10を形成する際にはnMOS領域を、フォトレジ
ストで被い、それぞれヒ素イオンと2フッ化ボロン(B
2)イオンを30keVと20keVの加速エネルギ
ーで3×1015cm-2注入する。活性化アニールは10
50℃の温度で10秒行う。
【0052】次に、図1(b)に示すように、pMOS
領域をフォトレジスト12で被い、nMOS領域にヒ素
イオンを60keVの加速エネルギーで3×1014cm
-2注入することによって、nMOSのゲート電極6とソ
ース、ドレイン拡散層9の表層部を非晶質化する。
【0053】次に、図1(c)に示すように、nMOS
領域をフォトレジスト12で被い、pMOS領域にヒ素
イオンを30keVの加速エネルギーで3×1014cm
-2注入することによって、pMOSのゲート電極6とソ
ース、ドレイン拡散層10の表層部を非晶質化する。
【0054】次に、ゲート電極6とソース、ドレイン拡
散層9、10の表面をフッ酸処理により露出させた状態
で、スパッタ法により全面に厚さ30nmのチタン膜を
被着させ、700℃の温度で10秒熱処理を行うことに
よって、チタン膜と、ゲート電極6およびソース、ドレ
イン拡散層9、10とを反応させて、チタンシリサイド
層を形成する。次に、水酸化アンモニウムと過酸化水素
水の混合溶液に浸して、未反応のチタンを除去すること
により、図1(d)に示すように、ゲート電極6とソー
ス、ドレイン拡散層9、10上に自己整合的に、厚さ4
5nmのチタンシリサイド層11を形成する。この後、
850℃の温度で30秒熱処理を行うことによって、相
転移を起こさせ、チタンシリサイド層11の抵抗率を下
げる。
【0055】[実施の形態2]次に、本発明の第2の実
施の形態について図面を参照して説明する。図2(a)
〜図2(d)は、本発明の半導体装置の製造方法の第2
の実施の形態を主要製造工程を工程順に模式的に示した
断面図である。
【0056】まず、図2(a)に示すように、p型のシ
リコン基板1上に厚さ略200〜400nmのフィール
ド酸化膜4を形成し、pウェル2とnウェル3を形成し
た後、厚さ略3〜6nmのゲート酸化膜5を介して、厚
さ略150〜250nmの多結晶シリコンのゲート電極
6を形成する。
【0057】次に、ゲート電極6の側面に幅が略80〜
150nmの酸化膜側壁7を形成し、全面を厚さ5〜1
0nmの酸化膜8で被った後、イオン注入と続く活性化
アニールにより、nMOSのn型ソース、ドレイン拡散
層9とpMOSのp型ソース、ドレイン拡散層10を形
成する。ここで、n型ソース、ドレイン拡散層9を形成
する際にはpMOS領域を、p型ソース、ドレイン拡散
層10を形成する際にはnMOS領域を、フォトレジス
トで被い、それぞれヒ素イオンと2フッ化ボロン(BF
2)イオンを20〜50keVの加速エネルギーで2〜
5×1015cm-2注入する。活性化アニールは好ましく
は1000〜1050℃の温度範囲で略10〜30秒行
う。
【0058】次に、図2(b)に示すように、pMOS
領域をフォトレジスト12で被い、nMOS領域にヒ素
イオンを40〜80keVの加速エネルギーで2〜5×
1014cm-2注入することによって、nMOSのゲート
電極6とソース、ドレイン拡散層9の表層部を非晶質化
する。
【0059】次に、図2(c)に示すように、全面にヒ
素イオンを20〜40keVの加速エネルギーで2〜5
×1014cm-2注入することによって、pMOSのゲー
ト電極6とソース、ドレイン拡散層10の表層部を非晶
質化する。
【0060】次に、ゲート電極6とソース、ドレイン拡
散層9、10の表面を露出させた状態で、全面に厚さ略
20〜40nmのチタン膜を被着させ、略650〜75
0℃の温度範囲で10〜30秒程熱処理を行うことによ
って、チタン膜と、ゲート電極6およびソース、ドレイ
ン拡散層9、10とを反応させて、チタンシリサイド層
を形成する。
【0061】次に、未反応のチタンを除去することによ
り、図2(d)に示すように、ゲート電極6とソース、
ドレイン拡散層9、10上に自己整合的に、厚さ30〜
60nmのチタンシリサイド層11を形成する。この
後、略800〜900℃の温度範囲で10〜30秒熱処
理を行うことによって、相転移を起こさせ、チタンシリ
サイド層11の抵抗率を下げる。
【0062】上記第1の実施の形態では、nMOS領域
に相対的に高エネルギーで、pMOS領域に相対的に低
エネルギーで、非晶質化のイオン注入を行うために、2
回のフォトリソグラフィ工程を付加する必要があった
が、この第2の実施の形態では、これが1回の付加で済
むという効果がある。
【0063】[実施例2]次に、本発明の第2の実施例
について図面を参照して以下に説明する。図2(a)〜
図2(d)は、本発明によるCMOSの製造方法の第2
の実施例の主要製造工程を工程順に模式的に示した断面
図である。
【0064】まず、図2(a)に示すように、p型のシ
リコン基板1上に厚さ300nmのフィールド酸化膜4
を選択酸化法により形成し、pウェル2とnウェル3を
イオン注入法により形成した後、厚さ5nmのゲート酸
化膜5を介して、厚さ200nmの多結晶シリコンのゲ
ート電極6を既知の方法により形成する。次に、ゲート
電極6の側面に幅100nmの酸化膜側壁7をCVD技
術と異方性エッチング技術を用いて形成し、全面を厚さ
10nmの酸化膜8で被った後、イオン注入と続く活性
化アニールにより、nMOSのn型ソース、ドレイン拡
散層9とpMOSのp型ソース、ドレイン拡散層10を
形成する。ここで、n型ソース、ドレイン拡散層9を形
成する際にはpMOS領域を、p型ソース、ドレイン拡
散層10を形成する際にはnMOS領域を、フォトレジ
ストで被い、それぞれヒ素イオンと2フッ化ボロン(B
2)イオンを30keVと20keVの加速エネルギ
ーで3×1015cm-2注入する。活性化アニールは10
50℃の温度で10秒行う。
【0065】次に、図2(b)に示すように、pMOS
領域をフォトレジスト12で被い、nMOS領域にヒ素
イオンを60keVの加速エネルギーで3×1014cm
-2注入することによって、nMOSのゲート電極6とソ
ース、ドレイン拡散層9の表層部を非晶質化する。
【0066】次に、図2(c)に示すように、全面にヒ
素イオンを30keVの加速エネルギーで3×1014
-2注入することによって、pMOSのゲート電極6と
ソース、ドレイン拡散層10の表層部を非晶質化する。
【0067】次に、ゲート電極6とソース、ドレイン拡
散層9、10の表面をフッ酸処理により露出させた状態
で、スパッタ法により全面に厚さ30nmのチタン膜を
被着させ、700℃の温度で10秒熱処理を行うことに
よって、チタン膜と、ゲート電極6およびソース、ドレ
イン拡散層9、10とを反応させて、チタンシリサイド
層11を形成する。次に、水酸化アンモニウムと過酸化
水素水の混合溶液に浸して、未反応のチタンを除去する
ことにより、図2(d)に示すように、ゲート電極6と
ソース、ドレイン拡散層9、10上に自己整合的に、厚
さ45nmのチタンシリサイド層11を形成する。この
後、850℃の温度で30秒熱処理を行うことによっ
て、相転移を起こさせ、チタンシリサイド層11の抵抗
率を下げる。
【0068】[実施の形態3]次に、本発明の第3の実
施の形態について図面を参照して説明する。図3(a)
〜図4(e)は、本発明の半導体装置の製造方法の第3
の実施の形態の主要製造工程を工程順に模式的に示した
断面図である。なお、図3及び図4は図面作成の都合で
分図されたものである。
【0069】まず、図3(a)に示すように、p型のシ
リコン基板1上に厚さ略200〜400nmのフィール
ド酸化膜4を形成し、pウェル2とnウェル3を形成し
た後、厚さ略3〜6nmのゲート酸化膜5を介して、厚
さ略150〜250nmの多結晶シリコンのゲート電極
6を形成する。次に、ゲート電極6の側面に幅が80〜
150nmの酸化膜側壁7を形成し、全面を厚さ略5〜
10nmの酸化膜8で被った後、pMOSのp型ソー
ス、ドレイン拡散層10を形成するためのイオン注入を
行う。この際、nMOS領域をフォトレジストで被い、
2フッ化ボロン(BF2)イオンを20〜50keVの
加速エネルギで2〜5×1015cm-2注入する。
【0070】次に、図3(b)に示すように、厚さ略1
50〜250nmの多結晶シリコン13をマスクとして
pMOS領域を被い、nMOSのソース、ドレイン拡散
層9を形成するために、ヒ素イオンを20〜50keV
の加速エネルギーで2〜5×1015cm-2注入し、続け
て活性化アニールを略1000〜1050℃の温度範囲
で10〜30秒程行う。
【0071】次に、図3(c)に示すように、多結晶シ
リコン13をマスクとしてそのまま用い、nMOS領域
にヒ素イオンを40〜80keVの加速エネルギーで2
〜5×1014cm-2注入することによって、nMOSの
ゲート電極6とソース、ドレイン拡散層9の表層部を非
晶質化する。
【0072】次に、多結晶シリコン13を除去し、図3
(d)に示すように、全面にヒ素イオンを20〜40k
eVの加速エネルギーで2〜5×1014cm-2注入する
ことによって、pMOSのゲート電極6とソース、ドレ
イン拡散層10の表層部をも非晶質化する。
【0073】次に、ゲート電極6とソース、ドレイン拡
散層9、10の表面を露出させた状態で、全面に厚さ略
20〜40nmのチタン膜を被着させ、略650〜75
0℃の温度範囲で10〜30秒熱処理を行うことによっ
て、チタン膜と、ゲート電極6およびソース、ドレイン
拡散層9、10とを反応させて、チタンシリサイド層を
形成する。次に、未反応のチタンを除去することによ
り、図3(d)に示すように、ゲート電極6とソース、
ドレイン拡散層9、10上に自己整合的に、厚さ略30
〜60nmのチタンシリサイド層11を形成する。この
後、略800〜900℃の温度範囲で10〜30秒熱処
理を行うことによって、相転移を起こさせ、チタンシリ
サイド層11の抵抗率を下げる。
【0074】前記第1、第2の実施の形態では、nMO
S領域に相対的に高エネルギーで、pMOS領域に相対
的に低エネルギーで、非晶質化のイオン注入を行うため
に、それぞれ2回と1回のフォトリソグラフィ工程を付
加する必要があったが、この実施の形態では、フォトリ
ソグラフィ工程を新たに付加する必要が無いという効果
がある。
【0075】[実施例3]次に、本発明の第3の実施例
について図面を参照して説明する。図3(a)〜図4
(e)は、本発明によるCMOSの製造方法の第3の実
施例の主要製造工程を工程順に模式的に示した断面図で
ある。
【0076】まず、図3(a)に示すように、p型のシ
リコン基板1上に厚さ300nmのフィールド酸化膜4
を選択酸化法により形成し、pウェル2とnウェル3を
イオン注入法により形成した後、厚さ5nmのゲート酸
化膜5を介して、厚さ200nmの多結晶シリコンのゲ
ート電極6を既知の方法により形成する。次に、ゲート
電極6の側面に幅100nmの酸化膜側壁7をCVD技
術と異方性エッチング技術を用いて形成し、全面を厚さ
10nmの酸化膜8で被った後、pMOSのp型ソー
ス、ドレイン拡散層10を形成するためのイオン注入を
行う。この際、nMOS領域をフォトレジストで被い、
2フッ化ボロン(BF2)イオンを20keVの加速エ
ネルギーで3×1015cm-2注入する。
【0077】次に、図3(b)に示すように、厚さ20
0nmの多結晶シリコン13をマスクとしてpMOS領
域を被い、nMOSのソース、ドレイン拡散層9を形成
するために、ヒ素イオンを30keVの加速エネルギー
で35×1015cm-2注入し、続けて活性化アニールを
1050℃の温度範囲で10秒行う。
【0078】次に、図3(c)に示すように、多結晶シ
リコン13をマスクとしてそのまま用い、nMOS領域
にヒ素イオンを60keVの加速エネルギーで3×10
14cm-2注入することによって、nMOSのゲート電極
6とソース、ドレイン拡散層9の表層部をも非晶質化す
る。
【0079】次に、多結晶シリコン13を除去し、図3
(d)に示すように、全面にヒ素イオンを30keVの
加速エネルギーで3×1014cm-2注入することによっ
て、pMOSのゲート電極6とソース、ドレイン拡散層
10の表層部を非晶質化する。
【0080】次に、ゲート電極6とソース、ドレイン拡
散層9、10の表面をフッ酸処理により露出させた状態
で、スパッタ法により全面に厚さ30nmのチタン膜を
被着させ、700℃の温度で10秒熱処理を行うことに
よって、チタン膜と、ゲート電極6およびソース、ドレ
イン拡散層9、10とを反応させて、チタンシリサイド
層を形成する。次に、水酸化アンモニウムと過酸化水素
水の混合溶液に浸して、未反応のチタンを除去すること
により、図3(d)に示すように、ゲート電極6とソー
ス、ドレイン拡散層9、10上に自己整合的に、厚さ4
5nmのチタンシリサイド層11を形成する。この後、
850℃の温度で30秒熱処理を行うことによって、相
転移を起こさせ、チタンシリサイド層11の抵抗率を下
げる。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ゲート電極とソース、ドレイン拡散層上に、チタンシリ
サイド層を自己整合的に形成するCMOSにおいて、n
MOSのチタンシリサイド層の層抵抗を十分に低く抑
え、かつ、pMOSの接合リーク電流の増加を抑制する
ことができる、という効果を奏する。
【0082】その理由は、本発明においては、nMOS
領域に相対的に高エネルギーで、pMOS領域に相対的
に低エネルギーで、ゲート電極とソース、ドレイン拡散
層の表層部を非晶質化するためのイオン注入を行う、よ
うにしたためである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置の製造方法の一実施例を製
造工程順に模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の半導体装置の製造方法の第2の実施例
を製造工程順に模式的に示す断面図である。
【図3】本発明の半導体装置の製造方法の第3の実施例
を製造工程順に模式的に示す断面図である。
【図4】本発明の半導体装置の製造方法の第3の実施例
を製造工程順に模式的に示す断面図である。
【図5】従来のCMOSの製造方法の製造工程順に模式
的に示した断面図である。
【図6】pMOSのソース、ドレイン部の不純物濃度の
深さ方向分布を示す図である。
【図7】pMOSのソース、ドレイン部の不純物濃度の
深さ方向分布を示す図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板 2 pウェル 3 nウェル 4 フィールド酸化膜 5 ゲート酸化膜 6 ゲート電極 7 酸化膜側壁 8 酸化膜 9 n型ソース、ドレイン拡散層 10 p型ソース、ドレイン拡散層 11 チタンシリサイド層 12 フォトレジスト 13 多結晶シリコン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 29/78 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 27/092 H01L 21/8238 H01L 21/28 - 21/288 H01L 29/78 H01L 21/336 H01L 21/265

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリコン基板上にnMOSおよびpMOS
    を形成する際、 (a)イオン注入とこれに続く活性化アニールによっ
    て、それぞれのソース、ドレイン拡散層を形成する工程
    と、 (b)nMOS領域にのみ相対的に高エネルギーで、p
    MOS領域にのみ相対的に低エネルギーで、シリコンゲ
    ート電極およびソース、ドレイン拡散層の表層部を非晶
    質化するためのイオン注入を行う工程と、 (c)前記ゲート電極およびソース、ドレイン拡散層表
    面を露出させた状態で、全面に高融点金属膜を被着さ
    せ、熱処理によって、前記高融点金属膜と、前記ゲート
    電極およびソース、ドレイン拡散層とを反応させ、続い
    て前記高融点金属膜の未反応部分を除去することによっ
    て、前記ゲート電極および前記ソース、ドレイン拡散層
    上に、高融点金属シリサイド層を自己整合的に形成する
    工程と、 を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】シリコン基板上にnMOSおよびpMOS
    を形成する際、 (a)イオン注入と続く活性化アニールによって、それ
    ぞれのソース、ドレイン拡散層を形成する工程と、 (b)nMOS領域にのみ相対的に高エネルギーで、全
    面に相対的に低エネルギーで、シリコンゲート電極およ
    びソース、ドレイン拡散層の表層部を非晶質化するため
    のイオン注入を行う工程と、 (c)前記ゲート電極およびソース、ドレイン拡散層表
    面を露出させた状態で、全面に高融点金属膜を被着さ
    せ、熱処理によって、前記高融点金属膜と、前記ゲート
    電極およびソース、ドレイン拡散層とを反応させ、続い
    て前記高融点金属膜の未反応部分を除去することによっ
    て、前記ゲート電極およびソース、ドレイン拡散層上に
    高融点金属シリサイド層を自己整合的に形成する工程
    と、 を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】シリコン基板上にnMOSおよびpMOS
    を形成する際、 (a)pMOSのソース、ドレイン拡散層を形成するた
    めのイオン注入を行う工程と、 (b)ソース、ドレインの活性化アニール温度以上の耐
    熱性を有するマスク材料でpMOS領域を被い、nMO
    Sのソース、ドレイン拡散層を形成するためのイオン注
    入を行い、続けて活性化アニールを行う工程と、 (c)前記マスク材料をそのまま用い、nMOS領域に
    のみ相対的に高エネルギーで、シリコンゲート電極およ
    びソース、ドレイン拡散層の表層部を非晶質化するため
    のイオン注入を行う工程と、 (d)前記マスク材料を除去し、全面に相対的に低エネ
    ルギーで、シリコンゲート電極およびソース、ドレイン
    拡散層の表層部を非晶質化するためのイオン注入を行う
    工程と、 (e)前記ゲート電極およびソース、ドレイン拡散層表
    面を露出させた状態で、全面に高融点金属膜を被着さ
    せ、熱処理によって、前記高融点金属膜と、前記ゲート
    電極およびソース、ドレイン拡散層とを反応させ、続い
    て前記高融点金属膜の未反応部分を除去することによっ
    て、前記ゲート電極およびソース、ドレイン拡散層上に
    高融点金属シリサイド層を自己整合的に形成する工程
    と、 を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】前記ソース、ドレインの活性化アニール温
    度以上の耐熱性を有するマスク材料が、多結晶シリコン
    であることを特徴とする請求項3記載の半導体装置の製
    造方法。
  5. 【請求項5】前記ゲート電極およびソース、ドレイン拡
    散層の表層部を非晶質化するための不純物がリン、ヒ
    素、アンチモンのいずれかであることを特徴とする請求
    項1〜4記載の半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】前記高融点金属がチタンであることを特徴
    とする請求項1〜5のいずれか一に記載の半導体装置の
    製造方法。
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