JP2000058822A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JP2000058822A
JP2000058822A JP10227906A JP22790698A JP2000058822A JP 2000058822 A JP2000058822 A JP 2000058822A JP 10227906 A JP10227906 A JP 10227906A JP 22790698 A JP22790698 A JP 22790698A JP 2000058822 A JP2000058822 A JP 2000058822A
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acceleration energy
ion implantation
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Junichi Watanabe
純一 渡邉
Kazuto Ikeda
和人 池田
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体装置の製造方法に関し、シリサイド膜
の形成に先立つ非晶質化のためのイオン注入の突き抜け
を防止しつつ、ソース/ドレイン領域及びゲート電極の
シート抵抗を低減しうる半導体装置の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 シリコン基板10上に、ポリシリコンよ
りなるゲート電極16とソース/ドレイン拡散層24と
を有するトランジスタを形成する工程と、第1の加速エ
ネルギーでイオン注入を行い、ゲート電極16の表面領
域及びソース/ドレイン拡散層24の表面領域に非晶質
層26を形成する工程と、第1の加速エネルギーより高
い第2の加速エネルギーでイオン注入を行い、非晶質層
26の厚さを増加させる工程と、ゲート電極16上及び
ソース/ドレイン拡散層24上に、チタンシリサイド膜
32を選択的に形成する工程とにより半導体装置を製造
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置の製造
方法に係り、特に、MOSトランジスタのソース/ドレ
イン、ゲート電極のシート抵抗を低減する半導体装置の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】LSIの微細化に伴い、配線幅は減少
し、ソース/ドレイン拡散層は浅くなっている。このた
め、配線材料や拡散層などの電気抵抗は増加し、信号伝
達遅延を増大する一つの原因となっている。このような
伝達遅延を減少する一つの方法として、ゲート電極及び
ソース/ドレイン拡散層上に自己整合で金属シリサイド
膜を形成する技術が開発されている。
【0003】ソース/ドレイン拡散層上に自己整合で金
属シリサイド膜を形成する従来の半導体装置の製造方法
を図6を用いて説明する。なお、ゲート電極及び/又は
ソース/ドレイン拡散層上に自己整合で金属シリサイド
を形成する技術は、一般にサリサイド(Salicide:self-
aligned silicide)技術と呼ばれている。まず、通常の
MOSトランジスタの製造方法と同様にして、素子分離
膜102により画定されたシリコン基板100の素子領
域に、ポリシリコンよりなるゲート電極104と、ゲー
ト電極の両側のシリコン基板100中に形成されたソー
ス/ドレイン拡散層106とを有するMOSトランジス
タを形成する(図6(a))。
【0004】次いで、例えばスパッタ法により、シリコ
ンと反応して金属シリサイドとなる金属、例えば、タン
グステン、チタン、コバルトなどよりなる金属膜108
を形成する(図6(b))。続いて、金属膜108を形
成したシリコン基板100を熱処理し、金属膜108と
シリコンとが接する領域、すなわち、金属膜108とゲ
ート電極104との界面、金属膜108とソース/ドレ
イン領域106のシリコン基板100との界面におい
て、選択的にこれらをシリサイド化反応させ、この領域
に金属シリサイド膜110を形成する(図6(c))。
【0005】この後、未反応の金属膜108を除去し、
ゲート電極104上、ソース/ドレイン拡散層106上
にのみ金属シリサイド膜110を残存させる(図6
(d))。こうして、一連のサリサイド工程が完了す
る。ところで、金属膜としてチタンを用いた場合、シリ
サイド化反応の初期過程において準安定相である高抵抗
のC49結晶構造のTiSi2が形成され、その後、安
定相である低抵抗のC54結晶構造のTiSi2に構造
相転移する(C49及びC54については、例えば、"N
ucleation and morphology of TiSi2 on Si", R. J. Ne
manich et al., Mat. Res. Soc. Symp. Proc. Vol. 26
0, pp. 195-206 (1992)を参照)。
【0006】しかしながら、近年、半導体装置の微細化
とともにC49結晶構造からC54結晶構造への構造相
転移が妨げられることが明らかとなっている。その主な
原因は、C49チタンシリサイドの粒径が大きいと粒界
領域が小さくなり、ここから発生するC54チタンシリ
サイドの核発生頻度が減少するためと考えられている。
C54チタンシリサイドの核は、多結晶C49チタンシ
リサイドの粒界、特に、3つの結晶粒が近接している粒
界の3重点で多くの頻度で発生することが知られてお
り、デバイスサイズの縮小に伴う3重点の減少は、チタ
ンシリサイドの構造相転移を妨げることとなる。
【0007】一方、C49チタンシリサイドの結晶粒径
が大きくなる原因は、以下のように考えられている。上
記サリサイドプロセスにおいて、ソース/ドレイン拡散
層上に形成されるチタンシリサイドは、単結晶であるシ
リコン基板とチタン膜との反応によって形成される。こ
こで、表面まで結晶性の維持されたシリコン基板上にチ
タン膜を形成した場合、チタン膜はシリコン表面の格子
定数が異なるために完全なエピタキシャル成長による単
結晶は形成されず、結晶粒径の大きなチタン膜が形成さ
れる。このように粒径の大きなチタン膜からのチタンシ
リサイド形成は、粒径の大きなC49チタンシリサイド
の形成につながり、ひいてはC54チタンシリサイドへ
の構造相転移を阻害することとなる。
【0008】そこで、従来の他の半導体装置の製造方法
では、シリコン基板にイオン注入をすることによりシリ
コン基板の表面領域を非晶質化することが行われてい
た。具体的には、図6に示す半導体装置の製造方法にお
いて、金属膜108の形成前に、例えばAs(砒素)イ
オンを、加速エネルギー40keV、ドーズ量3×10
14cm-2の条件でイオン注入し、ソース/ドレイン拡散
層106の表面領域のシリコン基板100を非晶質化す
ることが行われていた。
【0009】非晶質化されたシリコン基板上にチタン膜
を形成すると、結晶粒径の小さなC49チタンシリサイ
ドが形成される。結晶粒径が小さくなることにより、結
晶領域に比べて相対的に粒界の領域が大きくなる。した
がって、C49チタンシリサイド中にC54チタンシリ
サイドの核の発生頻度が増加し、C49チタンシリサイ
ドからC54チタンシリサイドへの構造相転移が起こり
やすくなる。
【0010】こうして、安定相で低抵抗のC54チタン
シリサイドにより、ゲート電極、ソース/ドレイン電極
が形成されていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の半導体装置の製造方法では、非晶質化するために注
入したイオンがゲート電極となるポリシリコン、ゲート
酸化膜を突き抜けてチャネル領域に達し、トランジスタ
特性を劣化することがあった。注入イオンの加速エネル
ギーを低くすればイオンの突き抜けは低減されるが、結
晶粒径の小さなC49チタンシリサイドを形成するに十
分な厚さを有する非晶質層を形成することができなくな
り、その結果、C49チタンシリサイドからC54チタ
ンシリサイドへの構造層転移を阻害する要因となってし
まう。
【0012】本発明の目的は、シリサイド膜の形成に先
立つ非晶質化のためのイオン注入の突き抜けを防止しつ
つ、ソース/ドレイン領域及びゲート電極のシート抵抗
を低減しうる半導体装置の製造方法を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的は、シリコン基
板上にゲート絶縁膜を介して形成されたポリシリコンよ
りなるゲート電極と、前記ゲート電極の両側の前記シリ
コン基板中に形成されたソース/ドレイン拡散層とを有
するトランジスタを形成する工程と、第1の加速エネル
ギーでイオン注入を行い、前記ゲート電極の表面領域及
び前記ソース/ドレイン拡散層の表面領域に非晶質層を
形成する工程と、前記第1の加速エネルギーより高い第
2の加速エネルギーでイオン注入を行い、前記非晶質層
の厚さを増加させる工程と、チタン膜を堆積して熱処理
を行い、前記ゲート電極上及び前記ソース/ドレイン拡
散層上に、チタンシリサイド膜を選択的に形成する工程
とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法によ
って達成される。このようにして半導体装置を製造する
ことにより、シリコンの非晶質化のための注入イオンの
突き抜けを防止しつつ、ソース/ドレイン領域及びゲー
ト電極のシート抵抗を低減することができる。
【0014】また、上記の半導体装置の製造方法におい
て、前記第1の加速エネルギーは、注入したイオンが前
記ゲート電極下の前記シリコン基板に達しないエネルギ
ーに設定するようにしてもよい。また、上記の半導体装
置の製造方法において、前記第1の加速エネルギーでイ
オン注入を行う工程では、前記第2の加速エネルギーで
注入するイオンのチャネリングを抑止しうる厚さの前記
非晶質層を形成するようにしてもよい。
【0015】また、上記の半導体装置の製造方法におい
て、前記第1の加速エネルギーでイオン注入を行う工程
では、厚さが20nmより厚い前記非晶質層を形成する
ようにしてもよい。また、上記の半導体装置の製造方法
において、前記第1の加速エネルギーは、前記非晶質層
が形成されない部分の前記ゲート電極の厚さが130n
mよりも厚くなるエネルギーに設定するようにしてもよ
い。
【0016】また、上記の半導体装置の製造方法におい
て、前記第2の加速エネルギーでイオン注入を行う工程
では、前記チタンシリサイド膜が構造相転移するために
必要な厚さの前記非晶質層を形成するようにしてもよ
い。また、上記の半導体装置の製造方法において、前記
第2の加速エネルギーでイオン注入を行う工程では、シ
リサイド化反応により消費されるシリコンの厚さよりも
厚い前記非晶質層を形成するようにしてもよい。
【0017】また、上記の半導体装置の製造方法におい
て、前記第1の加速エネルギーでイオン注入を行う工程
又は前記第2の加速エネルギーでイオン注入を行う工程
では、Tiイオン、Siイオン、Geイオン、Arイオ
ン、Gaイオン又はAsイオンを注入することができ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態による半導体
装置の製造方法について図1乃至図5を用いて説明す
る。図1乃至図3は本実施形態による半導体装置の製造
方法を示す工程断面図、図4は本実施形態による半導体
装置の製造方法により製造したMOSトランジスタの電
気特性を示すグラフ、図5は注入イオンの突き抜けによ
り正常動作しなかったMOSトランジスタの電気特性を
示すグラフである。
【0019】本実施形態による半導体装置の製造方法
は、シリコン表面の非晶質化を、加速エネルギーの異な
る2回のイオン注入により行うことに特徴がある。以
下、本実施形態による半導体装置の製造方法について、
具体的な条件等を示しつつ詳細に説明する。まず、シリ
コン基板10に、例えばシャロートレンチ法により、シ
リコン基板10内に埋め込まれた素子分離膜12を形成
する。なお、図6に示す従来の半導体装置のように、通
常のLOCOS法により素子分離膜12を形成してもよ
い。また、図示しないが、N型トランジスタの形成領域
にPウェルを、P型トランジスタの形成領域にはNウェ
ルを形成してもよい。
【0020】次いで、素子分離膜12が形成されたシリ
コン基板10を熱酸化し、素子分離膜12により画定さ
れたシリコン基板10の素子領域上に、例えば膜厚約5
nmのシリコン酸化膜よりなるゲート絶縁膜14を形成
する(図1(a))。続いて、全面に、例えばCVD法
により膜厚約180nmのポリシリコン膜を堆積し、通
常のリソグラフィー技術及びエッチング技術を用いてポ
リシリコン膜をパターニングし、ポリシリコンよりなる
ゲート電極16を形成する。
【0021】この後、ゲート電極16をマスクとしてイ
オン注入を行い、ゲート電極16の両側のシリコン基板
10に、LDD構造の低濃度領域となる不純物拡散領域
18を形成する(図1(b))。次いで、全面に、例え
ばCVD法によりシリコン酸化膜よりなる絶縁膜を堆積
し、その後この絶縁膜をエッチバックし、ゲート電極1
6の側壁にのみ絶縁膜を残存させる。こうして、ゲート
電極16の側壁に、サイドウォール絶縁膜20を形成す
る。
【0022】続いて、ゲート電極16及びサイドウォー
ル絶縁膜20をマスクとしてイオン注入を行い、ゲート
電極16の両側のシリコン基板10に、LDDの高濃度
領域となる不純物拡散領域22を形成する(図1
(c))。この後、熱処理により、不純物拡散領域1
8、22に導入した不純物を活性化し、LDD構造より
なるソース/ドレイン拡散層24を形成する。こうし
て、ゲート電極16、ソース/ドレイン拡散層24を有
するMOSトランジスタを形成する(図2(a))。
【0023】次いで、後工程で金属シリサイド電極を形
成する領域のシリコンを非晶質化するイオン注入を行
う。ここで、本実施形態による半導体装置の製造方法
は、電極形成領域を非晶質化するためのイオン注入を、
エネルギーの異なる2回のイオン注入により行うことに
特徴がある。第1のイオン注入は、電極形成領域の表面
近傍を非晶質化するためのものである。すなわち、第1
のイオン注入では、ゲート電極16を突き抜けない十分
低い加速エネルギーにより、電極形成領域の表面近傍を
非晶質化するに十分なドーズ量でイオン注入を行う。第
1のイオン注入後、ゲート電極16の表面領域及びソー
ス/ドレイン拡散層24の表面領域には、非晶質層26
が形成される(図2(b))。
【0024】MOSトランジスタの形成後のポリシリコ
ンよりなるゲート電極16は、電極形成のためのイオン
注入及び活性化アニールを経て形成されており、結晶が
柱状化している。そのため、ゲート電極16中における
イオンの阻止能が低く、従来の半導体装置の製造方法の
条件で非晶質化のためのイオン注入を行うと注入イオン
がチャネル領域まで突き抜けてしまう。
【0025】そこで、本実施形態による半導体装置の製
造方法では、まず、突き抜けが起こらない十分に低いエ
ネルギーでイオン注入を行い、ゲート電極16を構成す
るポリシリコンの表面に非晶質層26を形成する。こう
することにより、後述の第2のイオン注入におけるイオ
ンの突き抜けを抑制することができる。すなわち、ポリ
シリコン表面に非晶質層26を形成しておくことによ
り、第2のイオン注入で注入されるイオンをランダムに
散乱させてイオンの直進性を妨げることができる。
【0026】なお、第2のイオン注入におけるイオンの
チャネリングを防止するために、第1のイオン注入で
は、少なくとも厚さ約20nmの非晶質層26を形成す
ることが望ましい。また、本願発明者らが経験的に得た
知識によれば、注入イオンがチャネル領域に達しないよ
うにするためには、非晶質化されないポリシリコンの厚
さが130nm以上残存するようにイオンの加速エネル
ギーを設定することが望ましい。
【0027】イオン注入の具体的な条件は、注入するイ
オンの種類やポリシリコンの厚さにより変化する。例え
ば、イオンとして砒素(As)を用いた場合、約10〜
30keVの加速エネルギーを適用することができる。
ドーズ量は、ポリシリコン、ソース/ドレイン拡散層表
面のシリコン基板10の結晶状態を非晶質化することが
できる条件とする。なお、加速エネルギーを20ke
V、ドーズ量を1×10 14cm-2としてAsイオン注入
を行った場合、断面TEM観察より、厚さ約25nmの
非晶質層26を形成できることが判った。
【0028】注入するイオン種は、シリコンを非晶質化
するに十分な質量を有するイオンから選択することが望
ましい。また、p型トランジスタ及びn型トランジスタ
の双方の領域を同時に非晶質化するためには、シリコン
基板中で電気的に中性(ドーパントとして機能しない)
となるイオン種から選択することが望ましい。例えば、
Ti、Si、Ge、Arなどを適用することができる。
ただし、必ずしも中性イオンである必要はなく、Gaや
Asなどのドーパントイオンを用いてもよい。また、B
2イオンなどの分子イオンを用いてもよい。
【0029】第2のイオン注入は、後に堆積するチタン
膜の結晶粒径が拡大するのを防止する非晶質層を形成す
るための主たるイオン注入である。第1のイオン注入で
は電極形成領域の表面近傍を非晶質化するが、イオンの
チャネリング防止の効果はあるものの、チタンの粒径拡
大を抑止するに十分な膜厚を得ることはできない。そこ
で、第2のイオン注入により、チタンの粒径拡大を抑止
するに十分な厚さの非晶質層を形成する。すなわち、第
2のイオン注入では、所望の厚さの非晶質層を形成する
ことができる加速エネルギーにより、電極形成領域の表
面近傍を非晶質化するに十分なドーズ量でイオン注入を
行う。第2のイオン注入後、ゲート電極16の表面領域
及びソース/ドレイン拡散層24の表面領域には、非晶
質層26よりも厚い非晶質層28が形成される(図2
(c))。
【0030】なお、チタン膜の粒径が拡大するのを防止
するために、第2のイオン注入では、シリサイド化反応
により消費されるシリコンの厚さよりも厚い非晶質層2
8を形成することが望ましい。すなわち、非晶質層28
とシリコン基板10或いは非晶質層28とゲート電極1
6との界面の位置がシリサイド化反応後のシリサイドと
シリコンとの界面の位置よりも深くなるように設定する
とよい。この膜厚はチタンの膜厚に依存するが、後述す
るようなチタンの膜厚を選択する場合、少なくとも厚さ
約25nmの非晶質層28を形成することが望ましい。
【0031】イオン注入の具体的な条件は、注入するイ
オンの種類やポリシリコンの厚さにより変化する。例え
ば、イオンとして砒素(As)を用いた場合、約30〜
50keVの加速エネルギーを適用することができる。
ドーズ量は、ポリシリコン、ソース/ドレイン拡散層表
面のシリコン基板10の結晶状態を非晶質化することが
できる条件とする。なお、加速エネルギーを40ke
V、ドーズ量を3×10 14cm-2としてAsイオン注入
を行った場合、断面TEM観察より、厚さ約50nmの
非晶質層28を形成できることが判った。
【0032】注入するイオン種は、シリコンを非晶質化
するに十分な質量を有するイオンから選択することが望
ましい。また、p型トランジスタ及びn型トランジスタ
の双方の領域を同時に非晶質化するためには、シリコン
基板中で電気的に中性(ドーパントとして機能しない)
となるイオン種から選択することが望ましい。例えば、
Ti、Si、Ge、Arなどを適用することができる。
ただし、必ずしも中性イオンである必要はなく、Gaや
Asなどのドーパントイオンを用いてもよい。また、B
2イオンなどの分子イオンを用いてもよい。
【0033】なお、注入イオンとしてAsイオンを用
い、イオンのチャネル領域への突き抜けに関してサーマ
ルウェーブ法により評価したところ、非晶質化のための
イオン注入を行っていない試料ではシグナル33、加速
エネルギーを40keV、ドーズ量を3×1014cm-2
としてイオン注入を行った試料ではシグナル92であっ
たが、加速エネルギー20keV、ドーズ量1×1014
cm-2の第1のイオン注入と、加速エネルギー40ke
V、ドーズ量3×1014cm-2の第2のイオン注入を行
う本実施形態による半導体装置の製造方法により形成し
た試料ではシグナル40であった。すなわち、第1のイ
オン注入で非晶質層26を形成した後に第2のイオン注
入で非晶質層28を形成することにより、ポリシリコン
ゲートを突き抜けてチャネル領域に達するAsを減少で
きることが判った。
【0034】このようにして、ゲート電極16及びソー
ス/ドレイン拡散層24表面に非晶質層28を形成した
後、全面に、例えばスパッタ法により、膜厚約30nm
のチタン膜30を堆積する(図3(a))。このとき、
チタン膜30とシリコンとが接触する領域(非晶質層2
8)は、結晶構造が不規則化されているので、粒径の大
きなチタン膜30が形成されるのを抑制することができ
る。
【0035】次いで、例えば700℃、30秒の短時間
熱処理を行い、チタン膜30とシリコンとが接触してい
る領域を選択的にシリサイド化する。こうして、ゲート
電極16上及びソース/ドレイン拡散層24上に選択的
にチタンシリサイド膜32を形成する(図3(b))。
なお、この熱処理により形成されるチタンシリサイド膜
32は、C49結晶構造のチタンシリサイドである。
【0036】続いて、化学溶液により未反応のチタン膜
30を除去し、ゲート電極16上及びソース/ドレイン
拡散層24上に選択的にチタンシリサイド膜32を残存
させる。この後、例えば800℃、30秒の短時間熱処
理により、チタンシリサイド膜32を、C49結晶構造
からC54結晶構造へ構造層転移する。この際、C49
チタンシリサイドの粒径は小さいので、C54チタンシ
リサイドへの構造層転移が妨げられることはない。
【0037】こうして、ゲート電極16上、ソース/ド
レイン拡散層24上に、低抵抗のチタンシリサイド膜3
2よりなる電極を形成する(図3(c))。このように
して製造した半導体装置についてチタンシリサイド膜3
2のシート抵抗を測定したところ、シート抵抗は約5Ω
/□であり、従来の半導体装置と比較して遜色のない低
抵抗のチタンシリサイド膜32を形成できることが判っ
た。
【0038】また、本実施形態による半導体装置の製造
方法により形成したMOSトランジスタについて、任意
に選択した50個のMOSトランジスタの特性試験を行
ったところ、すべてのトランジスタについて図4に示す
ような良好なId−Vd特性を得ることができた。一
方、上記実施形態の第2のイオン注入と同一の条件によ
るイオン注入のみで非晶質層を形成したMOSトランジ
スタに関して同様の測定を行ったところ、約20%のト
ランジスタがイオンの突き抜けによって正常動作しなか
った(図5参照)。
【0039】このように、本実施形態によれば、シリサ
イド電極を形成する領域のシリコンを非晶質化するイオ
ン注入を、加速エネルギーの異なる2回のイオン注入に
より行うので、非晶質化するために注入するイオンがチ
ャネル領域に突き抜けるのを効果的に防止することがで
きる。なお、上記実施形態では、2回のイオン注入によ
り非晶質層を形成したが、3回以上のイオン注入により
非晶質層を形成してもよい。少なくとも、後工程でのイ
オン注入の際のチャネリングを防止するためのイオン注
入と、チタン膜の粒径拡大を防止しうる厚さの非晶質層
を形成するためのイオン注入が含まれれば、必ずしも2
回のイオン注入である必要はない。
【0040】また、上記実施形態では、LDD構造のM
OSトランジスタについて本発明を適用した例を示した
が、サリサイドプロセスを適用しうる構造であれば如何
なる構造であってもよい。また、上記実施形態では、ゲ
ート上及びソース/ドレイン拡散層上に選択的にシリサ
イド膜を形成する場合を示したが、ソース/ドレイン拡
散層上のみに選択的にシリサイド膜を形成する場合にも
適用することができる。
【0041】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、シリコン
基板上にゲート絶縁膜を介して形成されたポリシリコン
よりなるゲート電極と、ゲート電極の両側のシリコン基
板中に形成されたソース/ドレイン拡散層とを有するト
ランジスタを形成する工程と、第1の加速エネルギーで
イオン注入を行い、ゲート電極の表面領域及びソース/
ドレイン拡散層の表面領域に非晶質層を形成する工程
と、第1の加速エネルギーより高い第2の加速エネルギ
ーでイオン注入を行い、非晶質層の厚さを増加させる工
程と、チタン膜を堆積して熱処理を行い、ゲート電極上
及びソース/ドレイン拡散層上に、チタンシリサイド膜
を選択的に形成する工程とにより半導体装置を製造する
ので、シリコンの非晶質化のための注入イオンの突き抜
けを防止しつつ、ソース/ドレイン領域及びゲート電極
のシート抵抗を低減することができる。これによりトラ
ンジスタ特性を向上することができるので、このように
形成したトランジスタを、高集積で超高速動作が必要と
されるデジタルIC、アナログICなどに適用すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による半導体装置の製造方
法を示す工程断面図(その1)である。
【図2】本発明の一実施形態による半導体装置の製造方
法を示す工程断面図(その2)である。
【図3】本発明の一実施形態による半導体装置の製造方
法を示す工程断面図(その3)である。
【図4】本発明の一実施形態による半導体装置の製造方
法により製造したMOSトランジスタの電気特性を示す
グラフである。
【図5】注入イオンの突き抜けにより正常動作しなかっ
たMOSトランジスタの電気特性を示すグラフである。
【図6】従来の半導体装置の製造方法を示す工程断面図
である。
【符号の説明】
10…シリコン基板 12…素子分離膜 14…ゲート絶縁膜 16…ゲート電極 18…不純物拡散領域 20…サイドウォール絶縁膜 22…不純物拡散領域 24…ソース/ドレイン拡散層 26…非晶質層 28…非晶質層 30…チタン膜 32…チタンシリサイド膜 100…シリコン基板 102…素子分離膜 104…ゲート電極 106…ソース/ドレイン拡散層 108…金属膜 110…金属シリサイド膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4M104 AA01 BB01 BB25 BB37 CC01 CC05 DD04 DD37 DD43 DD80 DD82 DD84 DD88 DD89 DD99 FF14 GG09 HH04 HH07 HH16 5F040 DA01 DA06 DA10 DC01 EC01 EC04 EC06 EC07 EC13 EF02 EF11 EH02 EK05 FA03 FA05 FB02 FB04 FC00 FC15 FC19

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン基板上にゲート絶縁膜を介して
    形成されたポリシリコンよりなるゲート電極と、前記ゲ
    ート電極の両側の前記シリコン基板中に形成されたソー
    ス/ドレイン拡散層とを有するトランジスタを形成する
    工程と、 第1の加速エネルギーでイオン注入を行い、前記ゲート
    電極の表面領域及び前記ソース/ドレイン拡散層の表面
    領域に非晶質層を形成する工程と、 前記第1の加速エネルギーより高い第2の加速エネルギ
    ーでイオン注入を行い、前記非晶質層の厚さを増加させ
    る工程と、 チタン膜を堆積して熱処理を行い、前記ゲート電極上及
    び前記ソース/ドレイン拡散層上に、チタンシリサイド
    膜を選択的に形成する工程とを有することを特徴とする
    半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 前記第1の加速エネルギーは、注入したイオンが前記ゲ
    ート電極下の前記シリコン基板に達しないエネルギーに
    設定することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の半導体装置の製造
    方法において、 前記第1の加速エネルギーでイオン注入を行う工程で
    は、前記第2の加速エネルギーで注入するイオンのチャ
    ネリングを抑止しうる厚さの前記非晶質層を形成するこ
    とを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 前記第1の加速エネルギーでイオン注入を行う工程で
    は、厚さが20nmより厚い前記非晶質層を形成するこ
    とを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
    半導体装置の製造方法において、 前記第1の加速エネルギーは、前記非晶質層が形成され
    ない部分の前記ゲート電極の厚さが130nmよりも厚
    くなるエネルギーに設定することを特徴とする半導体装
    置の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の
    半導体装置の製造方法において、 前記第2の加速エネルギーでイオン注入を行う工程で
    は、前記チタンシリサイド膜が構造相転移するために必
    要な厚さの前記非晶質層を形成することを特徴とする半
    導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 前記第2の加速エネルギーでイオン注入を行う工程で
    は、シリサイド化反応により消費されるシリコンの厚さ
    よりも厚い前記非晶質層を形成することを特徴とする半
    導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の
    半導体装置の製造方法において、 前記第1の加速エネルギーでイオン注入を行う工程又は
    前記第2の加速エネルギーでイオン注入を行う工程で
    は、Tiイオン、Siイオン、Geイオン、Arイオ
    ン、Gaイオン又はAsイオンを注入することを特徴と
    する半導体装置の製造方法。
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