JP2958051B2 - フレキシブルプリント回路用基板及びその製造方法 - Google Patents
フレキシブルプリント回路用基板及びその製造方法Info
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- JP2958051B2 JP2958051B2 JP13711090A JP13711090A JP2958051B2 JP 2958051 B2 JP2958051 B2 JP 2958051B2 JP 13711090 A JP13711090 A JP 13711090A JP 13711090 A JP13711090 A JP 13711090A JP 2958051 B2 JP2958051 B2 JP 2958051B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、2種類の特定なポリアミック酸混合溶液を
特定の条件で金属箔上に直接流延塗布し、加熱イミド化
することにより、耐熱性、耐寒性、電気特性、機械特
性、耐薬品性に優れたカールのないフレキシブルプリン
ト回路用基板の製造方法に係るものである。
特定の条件で金属箔上に直接流延塗布し、加熱イミド化
することにより、耐熱性、耐寒性、電気特性、機械特
性、耐薬品性に優れたカールのないフレキシブルプリン
ト回路用基板の製造方法に係るものである。
本発明で得られたフレキシブルプリント回路用基板は
各種の電気、電子機器用配線基板のみならずフラットモ
ータ、テープキャリヤー、フロッピーディスクヘッド、
高周波アンテナ、電磁シールド板などにも利用される。
各種の電気、電子機器用配線基板のみならずフラットモ
ータ、テープキャリヤー、フロッピーディスクヘッド、
高周波アンテナ、電磁シールド板などにも利用される。
(従来技術) 従来、フレキシブルプリント回路用基板はポリイミド
フィルムと金属箔とを、低温硬化可能な接着剤で貼合わ
せて製造したものを回路加工していた。高温硬化の接着
剤であると、熱圧着時の熱履歴により、常温に戻したと
きに、基板のカール、ネジレ、反りなどが発生し、その
後のパターニング等の作業が不可能な為である。
フィルムと金属箔とを、低温硬化可能な接着剤で貼合わ
せて製造したものを回路加工していた。高温硬化の接着
剤であると、熱圧着時の熱履歴により、常温に戻したと
きに、基板のカール、ネジレ、反りなどが発生し、その
後のパターニング等の作業が不可能な為である。
ところが低温硬化の接着剤を使用しても、接着剤はも
ともと耐熱性に劣るため、回路加工した回路板として耐
熱性の良いポリイミドフィルム本来の耐熱性を発揮させ
ることが出来なかった。
ともと耐熱性に劣るため、回路加工した回路板として耐
熱性の良いポリイミドフィルム本来の耐熱性を発揮させ
ることが出来なかった。
そこで接着材を使用しないでフレキシブルプリント回
路用基板を製造し、回路加工する方法が検討された。例
えば米国特許3,179,634号に示されている様なピロメリ
ット酸等のテトラカルボン酸と4,4′−ジアミノジフェ
ニルエーテル等の芳香族第一級アミンとの重合により得
られるポリアミック酸溶液を銅箔に直接塗布し、次いで
加熱する事により溶媒の除去及びポリアミック酸を閉環
させて、ポリイミド銅張板を製造する方法である。
路用基板を製造し、回路加工する方法が検討された。例
えば米国特許3,179,634号に示されている様なピロメリ
ット酸等のテトラカルボン酸と4,4′−ジアミノジフェ
ニルエーテル等の芳香族第一級アミンとの重合により得
られるポリアミック酸溶液を銅箔に直接塗布し、次いで
加熱する事により溶媒の除去及びポリアミック酸を閉環
させて、ポリイミド銅張板を製造する方法である。
ところがこの方法では、上記反応が脱水縮合反応であ
る為に体積収縮が発生するが、そのため得られた回路基
板は、カールや、シワ、チヂレ等が発生し、場合によっ
ては金属箔と樹脂との間に剥離が生じてしまうといった
問題や、金属箔エッチング後のフィルムが大きくカール
してしまうといった欠点があり、この方法でフレキシブ
ルプリント回路用基板を製造する上で大きな問題となっ
ていた。
る為に体積収縮が発生するが、そのため得られた回路基
板は、カールや、シワ、チヂレ等が発生し、場合によっ
ては金属箔と樹脂との間に剥離が生じてしまうといった
問題や、金属箔エッチング後のフィルムが大きくカール
してしまうといった欠点があり、この方法でフレキシブ
ルプリント回路用基板を製造する上で大きな問題となっ
ていた。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、これまでにかかる欠点を克服すべく鋭意検
討した結果、2種類の特定なポリアミック酸混合溶液を
特定の条件で金属箔上に塗布し、硬化させる方法で製造
したフレキシブルプリント回路用基板が、カールやシワ
がなく、接着性および強度が優れ、しかも耐熱性が非常
に良好であるとの知見を得、本発明を完成するに至った
ものである。
討した結果、2種類の特定なポリアミック酸混合溶液を
特定の条件で金属箔上に塗布し、硬化させる方法で製造
したフレキシブルプリント回路用基板が、カールやシワ
がなく、接着性および強度が優れ、しかも耐熱性が非常
に良好であるとの知見を得、本発明を完成するに至った
ものである。
(課題を解決するための手段) 本発明は金属箔層(L)、3,3′,4,4′−ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンと
を反応させて得られたポリアミック酸溶液(A)、ピロ
メリット酸二無水物と4,4′−ジアミノジフェニルエー
テルを反応させて得られたポリアミック酸溶液(B)と
が、モル比が(A)と(B)の合計に対し(A)が75モ
ル%を越える割合の組成物を硬化させた第一のポリイミ
ド層(M)、モル比が(A)と(B)の合計に対し
(A)が75モル%以下の割合の組成物を硬化させた第二
のポリイミド層(N)がL,M,Nの順に構成されたフレキ
シブルプリント回路用基板であり、金属箔上に3,3′,4,
4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラフェ
ニレンジアミンとを反応させて得られたポリアミック酸
溶液(A)と、ピロメリット酸二無水物と4,4′−ジア
ミノジフェニルエーテルを反応させて得られたポリアミ
ック酸溶液(B)とを、モル比が(A)と(B)の合計
に対し(A)が75モル%を越える割合で混合して得られ
たポリアミック酸混合物のワニス(C)を流延塗布し、
加熱乾燥後、この(C)層の上にモル比が(A)と
(B)の合計に対し(A)が75モル%以下の割合で混合
して得られたポリアミック酸混合物のワニス(D)を直
接あるいは加熱乾燥後に流延塗布し、加熱硬化させフレ
キシブルプリント回路用基板を得るものである。また、
M層とN層との厚みの比M/Nが1〜10であり、樹脂層全
体の組成がモル比がA/B=90/10〜60/40を充し、金属箔
エッチング除去後の樹脂層の線膨張係数が金属箔の線膨
張係数±20%以内であるフレキシブルプリント回路用基
板に係るものである。
テトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンと
を反応させて得られたポリアミック酸溶液(A)、ピロ
メリット酸二無水物と4,4′−ジアミノジフェニルエー
テルを反応させて得られたポリアミック酸溶液(B)と
が、モル比が(A)と(B)の合計に対し(A)が75モ
ル%を越える割合の組成物を硬化させた第一のポリイミ
ド層(M)、モル比が(A)と(B)の合計に対し
(A)が75モル%以下の割合の組成物を硬化させた第二
のポリイミド層(N)がL,M,Nの順に構成されたフレキ
シブルプリント回路用基板であり、金属箔上に3,3′,4,
4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラフェ
ニレンジアミンとを反応させて得られたポリアミック酸
溶液(A)と、ピロメリット酸二無水物と4,4′−ジア
ミノジフェニルエーテルを反応させて得られたポリアミ
ック酸溶液(B)とを、モル比が(A)と(B)の合計
に対し(A)が75モル%を越える割合で混合して得られ
たポリアミック酸混合物のワニス(C)を流延塗布し、
加熱乾燥後、この(C)層の上にモル比が(A)と
(B)の合計に対し(A)が75モル%以下の割合で混合
して得られたポリアミック酸混合物のワニス(D)を直
接あるいは加熱乾燥後に流延塗布し、加熱硬化させフレ
キシブルプリント回路用基板を得るものである。また、
M層とN層との厚みの比M/Nが1〜10であり、樹脂層全
体の組成がモル比がA/B=90/10〜60/40を充し、金属箔
エッチング除去後の樹脂層の線膨張係数が金属箔の線膨
張係数±20%以内であるフレキシブルプリント回路用基
板に係るものである。
(作用) 本発明は2種類のポリアミック酸溶液を連続的に、あ
るいは1層目を塗布し120℃以下で乾燥させた後に2層
目を流延塗布し、80℃〜350℃まで連続的に、または段
階的に0.5時間以上かけて昇温または保持加熱を行い、
加熱イミド化することにより、フレキシブルプリント回
路用基板を得るが、ポリアミック酸溶液を金属箔に流延
塗布してフレキシブルプリント回路用基板を得る方法
は、ロータリーコーター、ナイフコーター、ドクターブ
レード、フローコーター等の公知の塗布手段で50〜1000
μの均一な厚さに流延塗布する方法がとられる。
るいは1層目を塗布し120℃以下で乾燥させた後に2層
目を流延塗布し、80℃〜350℃まで連続的に、または段
階的に0.5時間以上かけて昇温または保持加熱を行い、
加熱イミド化することにより、フレキシブルプリント回
路用基板を得るが、ポリアミック酸溶液を金属箔に流延
塗布してフレキシブルプリント回路用基板を得る方法
は、ロータリーコーター、ナイフコーター、ドクターブ
レード、フローコーター等の公知の塗布手段で50〜1000
μの均一な厚さに流延塗布する方法がとられる。
また1層目を塗布後乾燥をする場合、120℃以下で乾
燥を行うが、120℃を超えて乾燥を行うとイミド化反応
が進行してしまい、2層目との間で剥離を生じる場合が
ある。
燥を行うが、120℃を超えて乾燥を行うとイミド化反応
が進行してしまい、2層目との間で剥離を生じる場合が
ある。
さらに2層目塗布後の加熱によるポリアミック酸溶液
の溶媒除去は、ポリイミド皮膜が形成される以前に、始
めから強い加熱を行うと、粗面となったりひきつったり
するので、加熱は低温から徐々に高くする様にした方が
好ましい。例えば、100℃から350℃まで0.5時間以上か
けて連続的に加熱する。0.5時間未満であると膜厚にも
よるが、脱溶媒が不十分であったり、イミドの閉環が不
十分で特性が発揮されないことがある。また例えば、10
0℃で30分、ついで150℃で30分、200℃で30分、250℃で
30分、300℃で30分、350℃で30分という具合いに段階的
に昇温してもよい。加熱雰囲気も空気中でさしつかえな
い場合もあるが金属箔として銅箔など酸化され易い金属
箔を様いる場合は減圧下ないしは不活性ガスを流しなが
ら非酸化性状態下に行う方が好ましい。この様にして形
成されたポリイミド皮膜層は一般的に10〜200μであ
る。
の溶媒除去は、ポリイミド皮膜が形成される以前に、始
めから強い加熱を行うと、粗面となったりひきつったり
するので、加熱は低温から徐々に高くする様にした方が
好ましい。例えば、100℃から350℃まで0.5時間以上か
けて連続的に加熱する。0.5時間未満であると膜厚にも
よるが、脱溶媒が不十分であったり、イミドの閉環が不
十分で特性が発揮されないことがある。また例えば、10
0℃で30分、ついで150℃で30分、200℃で30分、250℃で
30分、300℃で30分、350℃で30分という具合いに段階的
に昇温してもよい。加熱雰囲気も空気中でさしつかえな
い場合もあるが金属箔として銅箔など酸化され易い金属
箔を様いる場合は減圧下ないしは不活性ガスを流しなが
ら非酸化性状態下に行う方が好ましい。この様にして形
成されたポリイミド皮膜層は一般的に10〜200μであ
る。
金属箔の近傍の樹脂層では、樹脂冷却時に応力が発生
するが、2層構造をとるために、このとき発生する応力
と同等の応力を樹脂表面(N層)で発生させることがで
き、金属箔エッチング後のカールを防ぐことができる。
すなわちM層はN層と比較して線膨張係数が大きいため
樹脂冷却時にN層に比較して大きく収縮するので、樹脂
表面に収縮しようとする応力を発生することができる。
このときM/Nは1〜10が好ましく、M/Nが1より小さいと
樹脂層全体の線膨張係数が基材より大きくなり基板全体
が銅箔面を外側にカールしてしまう。一方M/Nが10より
大きいと充分な応力が発生しないため金属箔の近傍で発
生する応力とバランスをとることができずエッチング後
のフィルムがカールしてしまう。
するが、2層構造をとるために、このとき発生する応力
と同等の応力を樹脂表面(N層)で発生させることがで
き、金属箔エッチング後のカールを防ぐことができる。
すなわちM層はN層と比較して線膨張係数が大きいため
樹脂冷却時にN層に比較して大きく収縮するので、樹脂
表面に収縮しようとする応力を発生することができる。
このときM/Nは1〜10が好ましく、M/Nが1より小さいと
樹脂層全体の線膨張係数が基材より大きくなり基板全体
が銅箔面を外側にカールしてしまう。一方M/Nが10より
大きいと充分な応力が発生しないため金属箔の近傍で発
生する応力とバランスをとることができずエッチング後
のフィルムがカールしてしまう。
また、樹脂層は全体として、モル比がA/B=90/10〜60
/40となることが好ましく、本範囲を逸脱すると金属箔
エッチング除去後の樹脂層全体の線膨張係数が金属箔と
して標準的に使用する銅箔の線膨張係数±20%以内には
いらないため基板全体がカールしてしまう。
/40となることが好ましく、本範囲を逸脱すると金属箔
エッチング除去後の樹脂層全体の線膨張係数が金属箔と
して標準的に使用する銅箔の線膨張係数±20%以内には
いらないため基板全体がカールしてしまう。
本発明で用いる耐熱性樹脂は、フィルム形成能があ
り、金属箔との密着性があり、トータルでの線膨張係数
が金属箔と同程度であればよいが、つぎに示すようなポ
リイミドが最も目的にかなっている。
り、金属箔との密着性があり、トータルでの線膨張係数
が金属箔と同程度であればよいが、つぎに示すようなポ
リイミドが最も目的にかなっている。
すなわち、テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン
成分とを反応させるに当たり、3,3′,4,4′−ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミン
とを反応させて得られたポリアミック酸溶液(A)と、
ピロメリット酸二無水物と4,4′−ジアミノジフェニル
エーテルを反応させて得られたポリアミック酸溶液
(B)とを、モル比が(A)と(B)の合計に対し
(A)が75モル%を越える割合で混合して得られたポリ
アミック酸混合物のワニス(C)およびモル比が(A)
と(B)の合計に対し(A)が75モル%以下の割合で混
合して得られたポリアミック酸混合物のワニス(D)を
加熱硬化させて得られるポリイミドである。
成分とを反応させるに当たり、3,3′,4,4′−ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミン
とを反応させて得られたポリアミック酸溶液(A)と、
ピロメリット酸二無水物と4,4′−ジアミノジフェニル
エーテルを反応させて得られたポリアミック酸溶液
(B)とを、モル比が(A)と(B)の合計に対し
(A)が75モル%を越える割合で混合して得られたポリ
アミック酸混合物のワニス(C)およびモル比が(A)
と(B)の合計に対し(A)が75モル%以下の割合で混
合して得られたポリアミック酸混合物のワニス(D)を
加熱硬化させて得られるポリイミドである。
本発明に言うテトラカルボン酸二無水物とは、3,3′,
4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、ピロ
メリット酸二無水物であるが、この他の酸、例えば2,3,
3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,
3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水
物、3,3′,4,4′−P−テルフェニルテトラカルボン酸
二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無
水物、3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボ
ン酸二無水物、3,3′,4,4′−P−テルフェニルテトラ
カルボン酸二無水物、4,4′−ヘキサフルオロイソプロ
ピリデンビス(フタル酸無水物)等も併用することが出
来る。
4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、ピロ
メリット酸二無水物であるが、この他の酸、例えば2,3,
3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,
3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水
物、3,3′,4,4′−P−テルフェニルテトラカルボン酸
二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無
水物、3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボ
ン酸二無水物、3,3′,4,4′−P−テルフェニルテトラ
カルボン酸二無水物、4,4′−ヘキサフルオロイソプロ
ピリデンビス(フタル酸無水物)等も併用することが出
来る。
本発明に言うジアミンとは、パラフェニレンジアミン
と4,4−ジアミノジフェニルエーテルであるがこの他の
アミン例えば4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′
−ジメチルベンジジン、4,4′−ジアミノ−P−テルフ
ェニル、4,4′−ジアミノ−P−クォーターフェニル、
2,8−ジアミノジフェニレンオキサイドなども併用する
ことができる。
と4,4−ジアミノジフェニルエーテルであるがこの他の
アミン例えば4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′
−ジメチルベンジジン、4,4′−ジアミノ−P−テルフ
ェニル、4,4′−ジアミノ−P−クォーターフェニル、
2,8−ジアミノジフェニレンオキサイドなども併用する
ことができる。
テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分との反
応は酸成分/アミン成分(モル比)0.90〜1.00で行うの
が好ましく、0.90より低いと重合度が上がらず硬化後の
皮膜特性が悪い。1.00より大きいと、硬化時にガスを発
生し、平滑な皮膜を得ることが出来ない。
応は酸成分/アミン成分(モル比)0.90〜1.00で行うの
が好ましく、0.90より低いと重合度が上がらず硬化後の
皮膜特性が悪い。1.00より大きいと、硬化時にガスを発
生し、平滑な皮膜を得ることが出来ない。
反応は通常、テトラカルボン酸二無水物またはジアミ
ン類と反応しない有機極性溶媒中で行われる。この有機
極性溶媒は、反応系に対して不活性であり、かつ生成物
に対して溶媒であること以外に、反応成分の少なくとも
一方、好ましくは両者に対して良溶媒でなければならな
い。この種の溶媒として代表的なものは、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチ
ルスルホン、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−
ピロリドン等があり、これらの溶媒は単独または組み合
わせて使用される。この他にも溶媒として組み合わせて
用いられるものとしてベンゼン、ジオキサン、キシレ
ン、トルエン、シクロヘキサン等の非極性溶媒が、原料
の分散媒、反応調節剤あるいは生成物からの揮散調節
剤、皮膜平滑剤等として使用される。
ン類と反応しない有機極性溶媒中で行われる。この有機
極性溶媒は、反応系に対して不活性であり、かつ生成物
に対して溶媒であること以外に、反応成分の少なくとも
一方、好ましくは両者に対して良溶媒でなければならな
い。この種の溶媒として代表的なものは、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチ
ルスルホン、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−
ピロリドン等があり、これらの溶媒は単独または組み合
わせて使用される。この他にも溶媒として組み合わせて
用いられるものとしてベンゼン、ジオキサン、キシレ
ン、トルエン、シクロヘキサン等の非極性溶媒が、原料
の分散媒、反応調節剤あるいは生成物からの揮散調節
剤、皮膜平滑剤等として使用される。
反応は一般的に無水の条件下で行うことが好ましい。
これはテトラカルボン酸二無水物が水により開環し、不
活性化し、反応を停止させる恐れがあるためである。こ
のため仕込原料中の水分も溶媒中の水分も除去する必要
がある。しかし一方、反応の進行を調節し、樹脂重合度
をコントロールするためにあえて水を添加することも行
われる。また反応は不活性ガス雰囲気中で行われること
が好ましい。これはジアミン類の酸化を防止するためで
ある。不活性ガスとしては一般的に乾燥窒素ガスが使用
される。
これはテトラカルボン酸二無水物が水により開環し、不
活性化し、反応を停止させる恐れがあるためである。こ
のため仕込原料中の水分も溶媒中の水分も除去する必要
がある。しかし一方、反応の進行を調節し、樹脂重合度
をコントロールするためにあえて水を添加することも行
われる。また反応は不活性ガス雰囲気中で行われること
が好ましい。これはジアミン類の酸化を防止するためで
ある。不活性ガスとしては一般的に乾燥窒素ガスが使用
される。
本発明で用いるポリイミド樹脂の合成反応は以下の様
な方法で行われる。即ち、3,3′,4,4′−ビフェニルテ
トラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンとを
反応させて得られたポリアミック酸溶液(A)と、ピロ
メリット酸二無水物と4,4′−ジアミノジフェニルエー
テルを反応させて得られたポリアミック酸溶液(B)と
を、モル比が(A)と(B)の合計に対し(A)が75モ
ル%を越える割合で混合攪拌してポリアミック酸混合物
のワニス(C)をまたモル比が(A)と(B)の合計に
対し(A)が75モル%以下の割合で混合攪拌することに
よってポリアミック酸混合物のワニス(D)を得る方法
である。
な方法で行われる。即ち、3,3′,4,4′−ビフェニルテ
トラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンとを
反応させて得られたポリアミック酸溶液(A)と、ピロ
メリット酸二無水物と4,4′−ジアミノジフェニルエー
テルを反応させて得られたポリアミック酸溶液(B)と
を、モル比が(A)と(B)の合計に対し(A)が75モ
ル%を越える割合で混合攪拌してポリアミック酸混合物
のワニス(C)をまたモル比が(A)と(B)の合計に
対し(A)が75モル%以下の割合で混合攪拌することに
よってポリアミック酸混合物のワニス(D)を得る方法
である。
A、Bを合成し、また、これらを混合してC、Dを得
る反応温度は0〜100℃であることが望ましい。0℃以
下だと反応の速度が遅く、100℃以上であると生成した
ポリアミック酸の閉環反応および解重合反応が開始する
ためである。通常、反応は20℃前後で行われる。
る反応温度は0〜100℃であることが望ましい。0℃以
下だと反応の速度が遅く、100℃以上であると生成した
ポリアミック酸の閉環反応および解重合反応が開始する
ためである。通常、反応は20℃前後で行われる。
本発明により製造されたポリアミック酸生成物は、使
用するに当たって各種のシランカップリング剤、ボラン
カップリング剤、チタネート系カップリング剤、、アル
ミニウム系カップリング剤その他キレート系の接着性・
密着性向上剤や各種溶剤、フローエージェントを加えて
もよく、またゴムや低分子エポキシ等の可とう性賦与剤
や粘度調整剤、あるいはポリアミドイミド、ポリエーテ
ルイミド、ポリエステルイミド等をブレンドしてもよく
タルク、マイカ、石英粉末等の充填剤、カーボンブラッ
ク、フタロシアニンブルー等の着色剤、テトラブロモフ
ェニルメタン等の難燃剤、三酸化アンチモン等の難燃助
剤の少量を加えてもよい。
用するに当たって各種のシランカップリング剤、ボラン
カップリング剤、チタネート系カップリング剤、、アル
ミニウム系カップリング剤その他キレート系の接着性・
密着性向上剤や各種溶剤、フローエージェントを加えて
もよく、またゴムや低分子エポキシ等の可とう性賦与剤
や粘度調整剤、あるいはポリアミドイミド、ポリエーテ
ルイミド、ポリエステルイミド等をブレンドしてもよく
タルク、マイカ、石英粉末等の充填剤、カーボンブラッ
ク、フタロシアニンブルー等の着色剤、テトラブロモフ
ェニルメタン等の難燃剤、三酸化アンチモン等の難燃助
剤の少量を加えてもよい。
本発明で使用される金属箔は、一般には銅箔が用いら
れるが、他の金属箔を用いることもできる例えば、アル
ミ箔、ニッケル箔、ステンレス箔、タングステン箔など
も用いることが出来る。
れるが、他の金属箔を用いることもできる例えば、アル
ミ箔、ニッケル箔、ステンレス箔、タングステン箔など
も用いることが出来る。
このようにして得られた回路用基板は金属箔とフィル
ムは充分な接着強度を持ち、接着剤層を持たないため電
気的にも安定したフレキシブルプリント回路用基板とな
る。
ムは充分な接着強度を持ち、接着剤層を持たないため電
気的にも安定したフレキシブルプリント回路用基板とな
る。
(実施例) 実施例1 温度計、攪拌装置、環流コンデンサーおよび乾燥窒素
ガス吹き込み口を備えた4つ口セパラブルフラスコに精
製した無水のパラフェニレンジアミン108gをとり、これ
に無水のN−メチル−2−ピロリドン90重量%とトルエ
ン10重量%の混合溶剤を、全仕込原料中の固形分割合が
20重量%になるだけの量を加えて溶解した。乾燥窒素ガ
スは反応の準備段階より生成物取り出しまでの全行程に
わたり流しておいた。ついで精製した無水の3,3′,4,
4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物294gを攪拌
しながら少量ずつ添加するが発熱反応であるため、外部
水槽に約15℃の冷水を循環させてこれを冷却した。添加
後、内部温度を20℃に設定し、5時間攪拌し反応を終了
してポリアミック酸溶液(Aとする)を得た。次に上記
と同様の装置及び方法で無水の4,4′−ジアミノジフェ
ニルエーテル200gと精製した無水のピロメリット酸二無
水物218gを反応させてポリアミック酸(Bとする)を得
た。次にAおよびBを、モル比がA/B=90/10になるよう
に混合攪拌したCを得た。またモル比がA/B=40/60にな
るように混合攪拌してDを得た。
ガス吹き込み口を備えた4つ口セパラブルフラスコに精
製した無水のパラフェニレンジアミン108gをとり、これ
に無水のN−メチル−2−ピロリドン90重量%とトルエ
ン10重量%の混合溶剤を、全仕込原料中の固形分割合が
20重量%になるだけの量を加えて溶解した。乾燥窒素ガ
スは反応の準備段階より生成物取り出しまでの全行程に
わたり流しておいた。ついで精製した無水の3,3′,4,
4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物294gを攪拌
しながら少量ずつ添加するが発熱反応であるため、外部
水槽に約15℃の冷水を循環させてこれを冷却した。添加
後、内部温度を20℃に設定し、5時間攪拌し反応を終了
してポリアミック酸溶液(Aとする)を得た。次に上記
と同様の装置及び方法で無水の4,4′−ジアミノジフェ
ニルエーテル200gと精製した無水のピロメリット酸二無
水物218gを反応させてポリアミック酸(Bとする)を得
た。次にAおよびBを、モル比がA/B=90/10になるよう
に混合攪拌したCを得た。またモル比がA/B=40/60にな
るように混合攪拌してDを得た。
圧延銅箔上にこのポリアミック酸溶液AおよびB連続
的に乾燥後のフィルム厚みがそれぞれ20および5μにな
るように流延塗布した後、乾燥器にいれ100℃から200℃
まで連続的に1時間かけて昇温した後、乾燥器にいれ20
0℃から380℃まで連続的に1時間かけて昇温した。
的に乾燥後のフィルム厚みがそれぞれ20および5μにな
るように流延塗布した後、乾燥器にいれ100℃から200℃
まで連続的に1時間かけて昇温した後、乾燥器にいれ20
0℃から380℃まで連続的に1時間かけて昇温した。
この様にして製造されたフレキシブルプリント回路用
基板は接着強度(JIS C6481)が1.1Kg/cmで寸法変化率
(JIS C6481)が0.02%でまったくカールがなく、銅箔
をエッチングした後のフィルムもまったくカールがな
く、引っ張り強度(JIS K6760)は31Kg/mm2、伸び(JIS
K6760)は41%と優れた物であり、このフィルムの線膨
張係数は16ppm、用いた銅箔の線膨張係数は17ppmであ
り、その差は5.9%、また樹脂層全体の組成比はモル比
がA/B=80/20で特許請求範囲の第三項記載の条件を充し
ている。
基板は接着強度(JIS C6481)が1.1Kg/cmで寸法変化率
(JIS C6481)が0.02%でまったくカールがなく、銅箔
をエッチングした後のフィルムもまったくカールがな
く、引っ張り強度(JIS K6760)は31Kg/mm2、伸び(JIS
K6760)は41%と優れた物であり、このフィルムの線膨
張係数は16ppm、用いた銅箔の線膨張係数は17ppmであ
り、その差は5.9%、また樹脂層全体の組成比はモル比
がA/B=80/20で特許請求範囲の第三項記載の条件を充し
ている。
実施例2 実施例1と同様な装置及び方法で、パラフェニレンジ
アミンと3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二
無水物からなるポリアミック酸溶液(Aとする)と、4,
4′−ジアミノジフェニルエーテルとピロメリット酸二
無水物からなるポリアミック酸溶液(Bとする)を合成
した。次にAおよびBを、モル比がA/B=80/20になるよ
うに混合攪拌したCを得た。またモル比がA/B=60/40に
なるように混合攪拌してDを得た。
アミンと3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二
無水物からなるポリアミック酸溶液(Aとする)と、4,
4′−ジアミノジフェニルエーテルとピロメリット酸二
無水物からなるポリアミック酸溶液(Bとする)を合成
した。次にAおよびBを、モル比がA/B=80/20になるよ
うに混合攪拌したCを得た。またモル比がA/B=60/40に
なるように混合攪拌してDを得た。
実施例1と同様な金属箔上にこのポリアミック酸溶液
Cを乾燥後のフィルム厚みが15μになるように流延塗布
し、100℃で30分乾燥させた後、乾燥したCの上に乾燥
後のフィルム厚みが10μになるようにDに流延塗布し、
乾燥器に入れ、100℃で30分間、150℃で30分間、200℃
で30分間、それぞれ加熱した後、乾燥器にいれ200℃で3
0分間、250℃で30分間、300℃で30分間、380℃で20分間
加熱した。
Cを乾燥後のフィルム厚みが15μになるように流延塗布
し、100℃で30分乾燥させた後、乾燥したCの上に乾燥
後のフィルム厚みが10μになるようにDに流延塗布し、
乾燥器に入れ、100℃で30分間、150℃で30分間、200℃
で30分間、それぞれ加熱した後、乾燥器にいれ200℃で3
0分間、250℃で30分間、300℃で30分間、380℃で20分間
加熱した。
この様にして製造されたフレキシブルプリント回路用
基板は接着強度が1.2Kg/cmで寸法変化率が0.07%でまっ
たくカールがなく、銅箔をエッチングした後のフィルム
もまったくカールがなく、引き張り強度は30Kg/mm2、伸
びは40%と優れた物であった。尚このフィルムの線膨張
係数は19ppm、用いた銅箔の線膨張係数は17ppmであり、
その差は11.8%、また樹脂層全体の組成比はモル比がA/
B=72/28で特許請求範囲の第三項記載の条件を充してい
る。
基板は接着強度が1.2Kg/cmで寸法変化率が0.07%でまっ
たくカールがなく、銅箔をエッチングした後のフィルム
もまったくカールがなく、引き張り強度は30Kg/mm2、伸
びは40%と優れた物であった。尚このフィルムの線膨張
係数は19ppm、用いた銅箔の線膨張係数は17ppmであり、
その差は11.8%、また樹脂層全体の組成比はモル比がA/
B=72/28で特許請求範囲の第三項記載の条件を充してい
る。
比較例1 実施例1と同様な装置及び方法で、パラフェニレンジ
アミンと3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二
無水物からなるポリアミック酸溶液(Aとする)と、4,
4′−ジアミノジフェニルエーテルとピロメリット酸二
無水物からなるポリアミック酸溶液(Bとする)を合成
した。次にAおよびBを、モル比がA/B=60/40になるよ
うに混合攪拌したCを得た。
アミンと3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二
無水物からなるポリアミック酸溶液(Aとする)と、4,
4′−ジアミノジフェニルエーテルとピロメリット酸二
無水物からなるポリアミック酸溶液(Bとする)を合成
した。次にAおよびBを、モル比がA/B=60/40になるよ
うに混合攪拌したCを得た。
実施例1と同様な金属箔上にこのポリアミック酸溶液
Cを乾燥後のフィルム厚みが25μになるように流延塗布
し、乾燥器に入れ、100℃で30分間、150℃で30分間、20
0℃で30分間、それぞれ加熱した後、乾燥器にいれ200℃
で30分間、250℃で30分間、300℃で30分間、380℃で20
分間加熱した。
Cを乾燥後のフィルム厚みが25μになるように流延塗布
し、乾燥器に入れ、100℃で30分間、150℃で30分間、20
0℃で30分間、それぞれ加熱した後、乾燥器にいれ200℃
で30分間、250℃で30分間、300℃で30分間、380℃で20
分間加熱した。
この様にして製造されたフレキシブルプリント回路用
基板は接着強度が1.2Kg/cmで寸法変化率が0.2%で銅箔
を外側にカールし、銅箔をエッチングした後のフィルム
もエッチング面を内側にカールしており、回路用基板と
しては不適当であった。引っ張り強度は30Kg/mm2、伸び
は40%であるが、このフィルムの樹脂層全体の組成比は
モル比がA/B=60/40だが、線膨張係数は28ppm、用いた
銅箔の線膨張係数は17ppmであり、その差は64.7%で特
許請求範囲の第三項記載の条件を充していない。
基板は接着強度が1.2Kg/cmで寸法変化率が0.2%で銅箔
を外側にカールし、銅箔をエッチングした後のフィルム
もエッチング面を内側にカールしており、回路用基板と
しては不適当であった。引っ張り強度は30Kg/mm2、伸び
は40%であるが、このフィルムの樹脂層全体の組成比は
モル比がA/B=60/40だが、線膨張係数は28ppm、用いた
銅箔の線膨張係数は17ppmであり、その差は64.7%で特
許請求範囲の第三項記載の条件を充していない。
比較例2 実施例1と同様な装置及び方法で、パラフェニレンジ
アミンと3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二
無水物からなるポリアミック酸溶液(Aとする)と、4,
4′−ジアミノジフェニルエーテルとピロメリット酸二
無水物からなるポリアミック酸溶液(Bとする)を合成
した。次にAおよびBを、モル比がA/B=50/50になるよ
うに混合攪拌したCを得た。またモル比がA/B=20/80に
なるように混合攪拌してDを得た。
アミンと3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二
無水物からなるポリアミック酸溶液(Aとする)と、4,
4′−ジアミノジフェニルエーテルとピロメリット酸二
無水物からなるポリアミック酸溶液(Bとする)を合成
した。次にAおよびBを、モル比がA/B=50/50になるよ
うに混合攪拌したCを得た。またモル比がA/B=20/80に
なるように混合攪拌してDを得た。
実施例1と同様な金属箔上にこのポリアミック酸溶液
Cを乾燥後のフィルム厚みが15μになるように流延塗布
し、100℃で30分乾燥させた後、乾燥したCの上に乾燥
後のフィルム厚みが10μになるようにDを流延塗布し、
乾燥器に入れ、100℃で30分間、150℃で30分間、200℃
で30分間、それぞれ加熱した後、乾燥器にいれ200℃で3
0分間、250℃で30分間、300℃で30分間、380℃で20分間
加熱した。
Cを乾燥後のフィルム厚みが15μになるように流延塗布
し、100℃で30分乾燥させた後、乾燥したCの上に乾燥
後のフィルム厚みが10μになるようにDを流延塗布し、
乾燥器に入れ、100℃で30分間、150℃で30分間、200℃
で30分間、それぞれ加熱した後、乾燥器にいれ200℃で3
0分間、250℃で30分間、300℃で30分間、380℃で20分間
加熱した。
この様にして製造されたフレキシブルプリント回路用
基板は接着強度が1.2Kg/cmで寸法変化率が0.30%でまっ
たくカールがひどく、銅箔をエッチングした後のフィル
ムはほとんどカールがないが回路用基板としては不適当
であった。このフィルムの線膨張係数は32ppm、用いた
銅箔の線膨張係数は17ppmであり、その差は88.2%、ま
た樹脂層全体の組成比はモル比がA/B=38/62で特許請求
範囲の第三項記載の条件を充していない。
基板は接着強度が1.2Kg/cmで寸法変化率が0.30%でまっ
たくカールがひどく、銅箔をエッチングした後のフィル
ムはほとんどカールがないが回路用基板としては不適当
であった。このフィルムの線膨張係数は32ppm、用いた
銅箔の線膨張係数は17ppmであり、その差は88.2%、ま
た樹脂層全体の組成比はモル比がA/B=38/62で特許請求
範囲の第三項記載の条件を充していない。
比較例3 実施例1と同様な装置及び方法で、パラフェニレンジ
アミンと3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二
無水物からなるポリアミック酸溶液(Aとする)と、4,
4′−ジアミノジフェニルエーテルとピロメリット酸二
無水物からなるポリアミック酸溶液(Bとする)を合成
した。次にAおよびBを、モル比がA/B=70/30になるよ
うに混合攪拌したCを得た。またモル比がA/B=90/10に
なるように混合攪拌してDを得た。
アミンと3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二
無水物からなるポリアミック酸溶液(Aとする)と、4,
4′−ジアミノジフェニルエーテルとピロメリット酸二
無水物からなるポリアミック酸溶液(Bとする)を合成
した。次にAおよびBを、モル比がA/B=70/30になるよ
うに混合攪拌したCを得た。またモル比がA/B=90/10に
なるように混合攪拌してDを得た。
圧延銅箔上にこのポリアミック酸溶液AおよびB連続
的に乾燥後のフィルム厚みがそれぞれ20および5μにな
るように流延塗布した後、乾燥器にいれ100℃から200℃
まで連続的に1時間かけて昇温した後、乾燥器にいれ20
0℃から380℃まで連続的に1時間かけて昇温した。
的に乾燥後のフィルム厚みがそれぞれ20および5μにな
るように流延塗布した後、乾燥器にいれ100℃から200℃
まで連続的に1時間かけて昇温した後、乾燥器にいれ20
0℃から380℃まで連続的に1時間かけて昇温した。
この様にして製造されたフレキシブルプリント回路用
基板は接着強度が0.5Kg/cmで寸法変化率が0.1%でほと
んどカールしておらず、銅箔をエッチングした後のフィ
ルムは線膨張係数が15ppmであり、その差は11.8%、ま
た樹脂層全体の組成比はモル比がA/B=74/26と特許請求
範囲の第三項記載の条件は充していたが、第一及び第二
項の条件を充しておらず、樹脂表層において線膨張係数
の小さな樹脂を用いたために金属箔近傍で発生する応力
とバランスをとることができないためエッチング面を内
側にはげしくカールしており、回路用基板としては不適
当であった。
基板は接着強度が0.5Kg/cmで寸法変化率が0.1%でほと
んどカールしておらず、銅箔をエッチングした後のフィ
ルムは線膨張係数が15ppmであり、その差は11.8%、ま
た樹脂層全体の組成比はモル比がA/B=74/26と特許請求
範囲の第三項記載の条件は充していたが、第一及び第二
項の条件を充しておらず、樹脂表層において線膨張係数
の小さな樹脂を用いたために金属箔近傍で発生する応力
とバランスをとることができないためエッチング面を内
側にはげしくカールしており、回路用基板としては不適
当であった。
(発明の効果) 本発明の様にフィルム全体として、基材である金属箔
とほぼ同程度の線膨張係数を持たせることにより、金属
箔との膨張係数の差によって生じるカールを防ぎなが
ら、しかも特定の2種類の異なるポリアミック酸ワニス
を用い、銅箔との接着面近傍で生じる応力とフィルム表
面に於て発生させる応力とをバランスをとることができ
るため、金属箔エッチング後のカールやシワおよび寸法
変化を著しく軽減することが出来る。
とほぼ同程度の線膨張係数を持たせることにより、金属
箔との膨張係数の差によって生じるカールを防ぎなが
ら、しかも特定の2種類の異なるポリアミック酸ワニス
を用い、銅箔との接着面近傍で生じる応力とフィルム表
面に於て発生させる応力とをバランスをとることができ
るため、金属箔エッチング後のカールやシワおよび寸法
変化を著しく軽減することが出来る。
従来困難であった全くカールの生じない接着層のない
フレキシブルプリント回路用基板を製造することが可能
になり、こうして得られたフレキシブルプリント回路用
基板は、接着層がないために耐熱性に優れ、カールがな
いために加工性も良く、またフィルムとしての特性も優
れた基板であった。
フレキシブルプリント回路用基板を製造することが可能
になり、こうして得られたフレキシブルプリント回路用
基板は、接着層がないために耐熱性に優れ、カールがな
いために加工性も良く、またフィルムとしての特性も優
れた基板であった。
Claims (4)
- 【請求項1】金属箔層(L)、3,3′,4,4′−ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミン
とを反応させて得られたポリアミック酸溶液(A)、ピ
ロメリット酸二無水物と4,4′−ジアミノジフェニルエ
ーテルとを反応させて得られたポリアミック酸溶液
(B)とが、モル比が(A)と(B)の合計に対し
(A)が75モル%を越える割合の組成物を硬化させた第
一のポリイミド層(M)、モル比が(A)と(B)の合
計に対し(A)が75モル%以下の割合の組成物を硬化さ
せた第二のポリイミド層(N)がL,M,Nの順に構成され
たフレキシブルプリント回路用基板。 - 【請求項2】金属箔上に3,3′,4,4′−ビフェニルテト
ラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンとを反
応させて得られたポリアミック酸溶液(A)、ピロメリ
ット酸二無水物と4,4′−ジアミノジフェニルエーテル
とを反応させて得られたポリアミック酸溶液(B)と
を、モル比が(A)と(B)の合計に対し(A)が75モ
ル%を越える割合で混合して得られたポリアミック酸混
合物のワニス(C)を流延塗布し、加熱乾燥後、この
(C)層上にモル比が(A)と(B)の合計に対し
(A)が75モル%以下の割合で混合して得られたポリア
ミック酸混合物のワニス(D)を直接あるいは加熱乾燥
後に流延塗布し、加熱硬化させることを特徴とするフレ
キシブルプリント回路用基板の製造方法。 - 【請求項3】樹脂層全体が、モル比がA/B=90/10〜60/4
0を充たし、しかも金属箔エッチング除去後の樹脂層全
体の線膨張係数が金属箔の線膨張係数±20%以内である
ことを特徴とする請求項1記載のフレキシブルプリント
回路用基板。 - 【請求項4】M層とN層の厚さの比M/Nが1〜10である
ことを特徴とする請求項1記載のフレキシブルプリント
回路用基板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13711090A JP2958051B2 (ja) | 1990-05-29 | 1990-05-29 | フレキシブルプリント回路用基板及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13711090A JP2958051B2 (ja) | 1990-05-29 | 1990-05-29 | フレキシブルプリント回路用基板及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0432289A JPH0432289A (ja) | 1992-02-04 |
JP2958051B2 true JP2958051B2 (ja) | 1999-10-06 |
Family
ID=15191074
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13711090A Expired - Lifetime JP2958051B2 (ja) | 1990-05-29 | 1990-05-29 | フレキシブルプリント回路用基板及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2958051B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3539685B2 (ja) * | 2000-03-14 | 2004-07-07 | 日鉱金属加工株式会社 | ハードディスクドライブサスペンション用銅合金箔 |
KR100820221B1 (ko) * | 2000-06-16 | 2008-04-07 | 유니티카 가부시끼가이샤 | 플렉시블프린트 배선판용 기판의 제조방법 및플렉시블프린트 배선판용 기판 |
JP2007317943A (ja) * | 2006-05-26 | 2007-12-06 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 基板および半導体装置 |
JP5368143B2 (ja) * | 2009-03-26 | 2013-12-18 | 旭化成イーマテリアルズ株式会社 | ポリイミド金属積層板及びその製造方法 |
CN220785102U (zh) * | 2021-05-13 | 2024-04-16 | 株式会社村田制作所 | 层叠基板以及天线基板 |
-
1990
- 1990-05-29 JP JP13711090A patent/JP2958051B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0432289A (ja) | 1992-02-04 |
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