JP2921812B2 - 不揮発性半導体記憶装置 - Google Patents

不揮発性半導体記憶装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、MFS[Metal-Ferroel
ectrics-Semiconductor](金属−強誘電体−半導体)ト
ランジスタを用いた多値データまたはアナログデータを
記憶するための不揮発性半導体記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】不揮発性半導体記憶装置として多く利用
されるマスクROM[Read Only Memory]は、製造工程の
最終段階でデータの書き込みを行うため、このデータの
書き換えができない。また、PROM[Erasable Progra
mable ROM]は、ユーザが直接データを書き込むことがで
きるが、一度書き込んだデータを書き換えることはでき
ない。
【0003】これに対して、EPROM[Erasable Prog
ramable ROM]、EEPROM[Electrically EPROM]及び
フラッシュEEPROMは、データの書き換えが可能と
なるが、書き込み速度が遅いという欠点がある。また、
本来揮発性であるDRAM[Dynamic Random Access Mem
ory]やSRAM[Static RAM]を電池等でバックアップす
れば高速アクセスが可能な不揮発性の半導体記憶装置と
して利用することができるが、記憶維持用に電池等の電
源が必要となる。
【0004】そこで、近年、高速アクセスが可能とな
り、しかも記憶維持用の電源を必要としない書き換え可
能な不揮発性半導体記憶装置として強誘電体の残留分極
を利用したものが注目を集めている。
【0005】上記不揮発性半導体記憶装置としては、例
えば「1988 IEEE ISSCC」に発表され
た"A Ferroelectric Nonvolatile Memory"がある。これ
は、図10に示すように、電極間の絶縁物として強誘電
体を介在させた記憶用容量素子Cを選択トランジスタQ
を介してワード線Wとビット線Bとに接続した構造のメ
モリセルを用いるものであり、記憶用容量素子Cが強誘
電体を用いたものであることを除けばDRAMと同様の
構成をなしている。このようなメモリセルは、記憶用容
量素子Cに一方の極性の電場のみを印加することにより
通常のDRAMとして動作させることができ、強誘電体
の抗電場を超えるような逆電場を印加した場合には、残
留分極を利用した不揮発性記憶を行わせることができる
ようになる。
【0006】また、「強誘電体薄膜集積化技術(261
頁)」(1992年2月 サイエンスフォーラム社発
行)には、メモリセルにMFSトランジスタを用いた不
揮発性半導体記憶装置についての記載がある。MFSト
ランジスタは、図11に示すように、MOSトランジス
タのチャンネル領域31の上層に強誘電体膜32を介し
てゲート電極33を設けたトランジスタであり、この強
誘電体膜32の残留分極により不揮発性記憶を行わせる
ことができるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記不揮発
性半導体記憶装置は、いずれも各メモリセルに2値のデ
ィジタルデータを1ビットずつ記憶させるものであり、
3値以上の多値データは一旦2値データに変換し、ま
た、アナログデータはA/D変換によって2値のディジ
タルデータに変換してから記憶させ、このデータを読み
出す場合にも、逆のD/A変換等を行う必要があった。
【0008】このため、従来の不揮発性半導体記憶装置
では、画像データ等を記憶する場合に大きな記憶容量が
必要となり、記憶装置が大型化し高価になるという問題
があった。
【0009】本発明は、上記事情に鑑み、強誘電体を用
いたMFSトランジスタに多値データまたはアナログデ
ータを直接記憶させることができる不揮発性半導体記憶
装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の不揮発性半導体
記憶装置は、読出用MOSトランジスタ及び書込用MO
Sトランジスタと、チャンネル領域の上層に強誘電体膜
を介したゲートを備えたMFSトランジスタとを有し、
該MFSトランジスタのゲートが該書込用MOSトラン
ジスタを介して3値以上の多値データ又はアナログデー
タが入力される書込用ビット線に接続されると共に、一
方のソース又はドレインが該読出用MOSトランジスタ
を介して3値以上の多値データ又はアナログデータを読
み出す読出用ビット線に接続され、かつ、他方のドレイ
ン又はソースが共通電位に接続され、該書込用MOSト
ランジスタのゲートが書込用ワード線に接続されると共
に、該読出用MOSトランジスタのゲートが読出用ワー
ド線に接続されたメモリセルを備えており、そのことに
よって上記目的が達成される。
【0011】本発明の他の不揮発性半導体記憶装置は、
書込用MOSトランジスタと、チャンネル領域の上層に
強誘電体膜を介した第1ゲート及び通常の絶縁膜のみを
介した第2ゲートを備えたスプリットゲート型のMFS
トランジスタとからなり、該MFSトランジスタの第1
ゲートが該書込用MOSトランジスタを介して3値以上
の多値データ又はアナログデータが入力される書込用ビ
ット線に接続され、かつ、該第2ゲートが読出用ワード
線に接続されると共に、一方のソース又はドレインが3
値以上の多値データ又はアナログデータを読み出す読出
用ビット線に接続され、かつ、他方のドレイン又はソー
スが共通電位に接続され、該書込用MOSトランジスタ
のゲートが書込用ワード線に接続されたメモリセルを備
えており、そのことによって、上記目的が達成される。
【0012】本発明の他の不揮発性半導体記憶装置は、
それぞれ複数本ずつ設けた書込用ワード線及び読出用ワ
ード線と、書込用ビット線及び読出用ビット線との各交
差部にそれぞれマトリクス状に配置された請求項1又は
請求項2に記載のメモリセルと、各行の書込用ワード線
又は読出用ワード線を順に択一的にアクティブにする行
走査回路と、該行走査回路がいずれかの書込用ワード線
又は読出用ワード線をアクティブにしている間に、各列
の書込用ビット線又は読出用ビット線と入力データ線又
は出力データ線とを順に択一的に接続する列走査回路と
を備えており、そのことによって、上記目的が達成され
る。
【0013】
【作用】多値データ又はアナログデータを書込用ビット
線に入力した状態で、書込用ワード線をアクティブにし
て書込用MOSトランジスタをONにすると、MFSト
ランジスタのゲートにデータに応じた電圧が印加され
る。すると、このMFSトランジスタの強誘電体膜が印
加電圧に応じて分極し、印加電圧を取り去った後も残留
分極が生じる。従って、メモリセルは、書込用ビット線
に入力された多値データ又はアナログデータをMFSト
ランジスタの強誘電体膜における残留分極として不揮発
性記憶することができ、書き込み速度も高速なものとな
る。
【0014】また、読出用ビット線に電圧を印加した状
態で、読出用ワード線をアクティブにして読出用MOS
トランジスタをONにすると、MFSトランジスタに強
誘電体膜の残留分極に応じた電流が流れる。従って、こ
のときの電流の大きさを検出すれば、メモリセルに記憶
された多値データ又はアナログデータを読み出すことが
できる。
【0015】さらに、MFSトランジスタのゲートに対
して共通電位を逆極性の高電圧にすると、強誘電体膜が
逆方向に分極し飽和するため、記憶していたデータが消
去され、新たなデータの記憶が可能な状態となる。
【0016】この結果、請求項1の不揮発性半導体記憶
装置によれば、消去動作が必要となるが、高速な書き込
み速度で各メモリセルに多値データ又はアナログデータ
を不揮発性記憶させることができるようになる。
【0017】請求項2の発明によれば、MFSトランジ
スタをスプリットゲート型とすることにより、請求項1
の読出用MOSトランジスタを省略してメモリセルを2
トランジスタ構成とすることができるので、不揮発性半
導体記憶装置の高密度化に貢献することができるように
なる。
【0018】請求項3の発明によれば、行走査回路と列
走査回路とによってマトリクス状に配置されたメモリセ
ルが順に1つずつ選択され書き込み又は読み出しが行わ
れるので、特にアナログデータをシーケンシャルにアク
セスするFIFOメモリ等に適した不揮発性半導体記憶
装置を提供することができるようになる。
【0019】
【実施例】以下、図面を参照しながら、本発明の実施例
を詳述する。
【0020】<第1実施例>図1乃至図3は本発明の第
1実施例を示すものであって、図1はメモリセルの構成
を示す回路図、図2はメモリセルの構造を示す半導体装
置の部分縦断面図、図3はMFSトランジスタのゲート
電圧−ドレイン電流特性を示す図である。
【0021】本実施例の不揮発性半導体記憶装置のメモ
リセルは、図1に示すように、MFSトランジスタQ1
と書込用MOSトランジスタQ2と読出用MOSトラン
ジスタQ3とで構成されている。
【0022】MFSトランジスタQ1は、ゲートGが書
込用MOSトランジスタQ2のソースS−ドレインD間
を介して書込用ビット線WBに接続されると共に、ドレ
インDが読出用MOSトランジスタQ3のソースS−ド
レインD間を介して読出用ビット線RBに接続され、ソ
ースSが基板に接地されている。また、書込用MOSト
ランジスタQ2のゲートGは書込用ワード線WWに接続
されると共に、読出用MOSトランジスタQ3のゲート
Gは読出用ワード線RWに接続されている。
【0023】書込用ワード線WWは、メモリセルを書き
込み用に選択するための信号線であり、読出用ワード線
RWは、メモリセルを読み出し用に選択するための信号
線であって、共に負電圧でアクティブとなる。書込用ビ
ット線WBは、書き込み用のアナログデータが入力され
る信号線であり、読出用ビット線RBは、メモリセルに
記憶されたアナログデータが読み出される信号線であ
る。
【0024】MFSトランジスタQ1は、前記図11に
示したものと同様の構成の強誘電体を用いたトランジス
タであり、書込用MOSトランジスタQ2及び読出用M
OSトランジスタQ3は、共にPチャンネルのMOSト
ランジスタである。従って、図1に示すメモリセルは、
図2の構造の集積回路によって構成される。即ち、N-
型シリコン基板1の表層部に5箇所のP+型領域2〜6
を設け、P+型領域2、3には、書込用MOSトランジ
スタQ2のドレインDとソースSとを構成させ、P+型領
域4、5には、それぞれMFSトランジスタQ1のソー
スSとドレインDとを構成させ、同じP+型領域5とP+
型領域6とには、それぞれ読出用MOSトランジスタQ
3のソースSとドレインDを構成させている。また、P+
型領域2、3間のPチャンネル領域7の上層には、ゲー
ト酸化膜を介してゲート電極8が形成され、書込用MO
SトランジスタQ2のゲートGを構成させると共に、P+
型領域5、6間のPチャンネル領域9の上層にも、ゲー
ト酸化膜を介してゲート電極10が形成され、読出用M
OSトランジスタQ3のゲートGを構成させている。さ
らに、P+型領域4、5間のPチャンネル領域11の上
層には、ゲート酸化膜と強誘電体膜12とを介してゲー
ト電極13が形成され、MFSトランジスタQ1のゲー
トGを構成させると共に、このゲート電極13を書込用
MOSトランジスタQ2のソースSを構成するP+型領域
3に接続している。
【0025】上記N-型シリコン基板1は、N型の不純
物濃度を、例えば1016cm-3程度としている。P+
領域2〜6は、高濃度のP型不純物をドープした領域で
あり、例えば0.5μm〜2μm程度の深さに形成され
ている。強誘電体膜12は、PLZT((Pb,La)(Zr,Ti)
O3)またはチタン酸鉛(PbTiO3)等の強誘電体をゲート
酸化膜上にスパッタリング等によって、例えば100〜
500オングストローム程度の厚さに堆積させたもので
ある。なお、この強誘電体膜12は、ゲート酸化膜を介
さず直接N-型シリコン基板1上に堆積させることもで
きる。書込用MOSトランジスタQ2及び読出用MOS
トランジスタQ3のゲート電極8、10は、ポリシリコ
ン膜によって形成され、読出用MOSトランジスタQ3
のゲート電極13は、アルミニウム膜によって形成され
ている。
【0026】上記構成のMFSトランジスタQ1のゲー
トGに正負のゲート電圧を印加すると、強誘電体膜12
が分極を起こし、しかもこの分極の大きさが印加される
電場に対してヒステリシス特性を示すようになる。この
ため、図3に示すように、例えば−20V程度の十分に
高い負のゲート電圧VG1を印加すると、通常のPチャン
ネルのMOSトランジスタと同様にドレインD−ソース
S間に大きなドレイン電流ID1が流れ、強誘電体膜12
の分極も飽和する(図示a点)。そして、この後、ゲー
ト電圧VG1を取り去ると、強誘電体膜12にヒステリシ
ス特性による残留分極が生じ、これによってほぼ同じ大
きさのドレイン電流ID1が維持される(図示b点)。ま
た、例えば+10V程度の正のゲート電圧VGEを印加す
ると、ドレイン電流IDが流れなくなると共に、強誘電
体膜12の分極が逆の極性(これを正の極性とする)に
飽和するので(図示c点)、このゲート電圧VGEを取り
去った後もドレイン電流IDが流れない状態が維持され
る(図示d点)。
【0027】従って、上記MFSトランジスタQ1に正
のゲート電圧VGEを印加して強誘電体膜12の分極を正
の極性に飽和させた後に、データに応じて負のゲート電
圧VG1を印加し分極を負の極性に飽和させるかどうかを
選択すれば、以降の強誘電体膜12に生じた残留分極の
極性によって2値データを不揮発性記憶させることがで
きるようになり、ドレインD−ソースS間に電圧を印加
してドレイン電流IDが流れるかどうかを検出すること
によってこの2値データを読み出すことができる。
【0028】また、上記正のゲート電圧VGEを印加した
後に、分極が飽和しない程度の各段階の負のゲート電圧
VG2〜VG4を印加した場合には(図示e点〜g点)、そ
の後ゲート電圧VG2〜VG4を取り去ってからも強誘電体
膜12にこれに応じた残留分極が生じ、この際に維持さ
れるドレイン電流ID2〜ID4の大きさもそれぞれ異なる
ようになる(図示h点〜j点)。そして、このゲート電
圧VGとドレイン電流IDとの関係がほぼ比例する領域が
存在するので、このゲート電圧VGを入力信号とし、ド
レイン電流IDの大きさを検出すれば、アナログデータ
または多値データを不揮発性記憶することができるよう
になる。
【0029】上記構成のメモリセルの消去、書き込み及
び読み出しの各動作を説明する。
【0030】まず、消去動作は、書込用ビット線WBに
0V、N-型シリコン基板1に負の電圧VGEを印加して
おき、書込用ワード線WWをアクティブ(負の電圧)と
することにより行う。すると、書込用MOSトランジス
タQ2がONとなり、MFSトランジスタQ1の強誘電体
膜12に正のゲート電圧VGEが印加されることになるの
で、この強誘電体膜12は、分極が正の極性に飽和しド
レイン電流IDが流れない状態となる。そして、ゲート
電圧VGEを取り去った後もドレイン電流IDが流れない
状態が維持され、これがメモリセルの初期化状態とな
る。
【0031】次に、書き込み動作は、書込用ビット線W
Bにアナログデータの負電圧を印加した状態で、書込用
ワード線WWをアクティブ(負の電圧)とすることによ
り行う。すると、書込用MOSトランジスタQ2がON
となり、MFSトランジスタQ1の強誘電体膜12にア
ナログデータに応じた負のゲート電圧VGが印加される
ことになる。このため、ゲート電圧VGが取り去られた
後にも、強誘電体膜12には、アナログデータに応じた
残留分極が生じ、これによってアナログデータを不揮発
性記憶することができる。しかも、この書き込み動作
は、フローティングゲートへの電子の注入等と異なり、
高速かつ確実に行うことができる。ただし、書き込み動
作の前には消去動作を行ってメモリセルを初期化する必
要があり、データのオーバーライトはできない。
【0032】上記のようにして書き込んだアナログデー
タの読み出し動作は、読出用ビット線RBにセンス電圧
を印加した状態で、書込用ワード線WWを非アクティブ
(0V)、読出用ワード線RWをアクティブ(負の電
圧)とすることにより行う。すると、読出用MOSトラ
ンジスタQ3がONとなり、MFSトランジスタQ1のド
レインD−ソースS間を介し強誘電体膜12の残留分極
に応じたドレイン電流IDが流れるので、このドレイン
電流IDの大きさを検出することにより記憶したアナロ
グデータを読み出すことができる。なお、この読み出し
動作はデータを破壊しないので、再書き込みは不要であ
る。
【0033】この結果、本実施例の不揮発性半導体記憶
装置によれば、高速アクセスが可能で記憶維持用の電源
も不要なMFSトランジスタQ1を用いたメモリセルに
アナログデータを直接記憶させることができるようにな
る。
【0034】なお、アナログデータは、MFSトランジ
スタQ1の強誘電体膜12の特性に応じて適宜レベル修
正等を行ってから書き込むことができる。また、読み出
したアナログデータは、適宜極性反転やイコライズによ
って元のアナログデータを復元する処理を行うことがで
きる。
【0035】<第2実施例>図4及び図5は本発明の第
2実施例を示すものであって、図4はメモリセルの構成
を示す回路図、図5はスプリットゲート型のMFSトラ
ンジスタの構造を示す半導体装置の部分縦断面図であ
る。なお、図1及び図2に示した第1実施例と同様の機
能を有する構成部材には同じ番号を付記して説明を省略
する。
【0036】本実施例の不揮発性半導体記憶装置のメモ
リセルは、図4に示すように、スプリットゲート型のM
FSトランジスタQ4と書込用MOSトランジスタQ2と
で構成されている。
【0037】スプリットゲート型のMFSトランジスタ
Q4は、第1ゲートG1が書込用MOSトランジスタQ2
のソースS−ドレインD間を介して書込用ビット線WB
に接続されると共に、第2ゲートG2が読出用ワード線
RWに接続され、かつ、ドレインDが読出用ビット線R
Bに接続されると共に、ソースSが基板に接地されてい
る。また、書込用MOSトランジスタQ2のゲートGは
書込用ワード線WWに接続されている。
【0038】スプリットゲート型のMFSトランジスタ
Q4は、上記図1におけるMFSトランジスタQ1と読出
用MOSトランジスタQ3とを組み合わせた構造のトラ
ンジスタであり、図5に示すように、N-型シリコン基
板1の表層部に設けたP+型領域4、6間のPチャンネ
ル領域11の上層に、ゲート酸化膜及び強誘電体膜12
を介した第1ゲート電極14と、ゲート酸化膜のみを介
した第2ゲート電極15とを形成することにより構成さ
れている。
【0039】従って、このMFSトランジスタQ4の場
合も、第1ゲートG1に印加する第1ゲート電圧VGと、
ドレインD−ソースS間のドレイン電流IDとの間に上
記図3に示したヒステリシス特性があらわれ、アナログ
データまたは多値データを不揮発性記憶することができ
るようになる。また、上記構成のメモリセルの消去、書
き込み及び読み出しの各動作も第1実施例の場合と同じ
である。
【0040】この結果、本実施例の場合も、高速アクセ
スが可能で記憶維持用の電源も不要なスプリットゲート
型のMFSトランジスタQ4を用いたメモリセルにアナ
ログデータを直接記憶させることができるようになる。
【0041】<第3実施例>図6乃至図9は本発明の第
3実施例を示すものであって、図6は不揮発性画像メモ
リの構成を示すブロック図、図7は不揮発性画像メモリ
の消去動作を示すタイムチャート、図8は不揮発性画像
メモリの書き込み動作を示すタイムチャート、図9は不
揮発性画像メモリの読み出し動作を示すタイムチャート
である。
【0042】本実施例の不揮発性画像メモリは、m本ず
つの書込用ワード線WW1〜WWm及び読出用ワード線R
W1〜RWmと、n本ずつの書込用ビット線WB1〜WBn
及び読出用ビット線RB1〜RBnとの各交差部に、上記
第1実施例又は第2実施例のメモリセルM11〜Mmnをn
×m個のマトリクス状に配置したものである。
【0043】書込用ワード線WW1〜WWmと読出用ワー
ド線RW1〜RWmとは、垂直走査シフトレジスタ21の
書込用出力WV1〜WVmと読出用出力RV1〜RVmとに
それぞれ接続されている。垂直走査シフトレジスタ21
は、垂直走査信号を順にシフトさせる回路であり、これ
によって書き込み時には書込用出力WV1〜WVmに接続
される書込用ワード線WW1〜WWmを順に1本ずつアク
ティブとし、読み出し時には読出用出力RV1〜RVmに
接続される読出用ワード線RW1〜RWmを順に1本ずつ
アクティブとするようになっている。
【0044】書込用ビット線WB1〜WBnは、書込用選
択回路22の各PチャンネルMOSトランジスタを介し
て入力データ線INに接続されている。また、読出用ビ
ット線RB1〜RBnは、読出用選択回路23の各Pチャ
ンネルMOSトランジスタを介して出力データ線OUT
に接続されている。書込用選択回路22は、各Pチャン
ネルMOSトランジスタのゲートを水平走査シフトレジ
スタ24の書込用出力WH1〜WHnに接続することによ
り、書き込み時にこの水平走査シフトレジスタ24によ
る水平走査信号のシフト動作に伴って、書込用ビット線
WB1〜WBnを順に1本ずつ入力データ線INに接続す
る回路である。また、読出用選択回路23は、各Pチャ
ンネルMOSトランジスタのゲートを水平走査シフトレ
ジスタ24の読出用出力RH1〜RHnに接続することに
より、読み出し時にこの水平走査シフトレジスタ24に
よる水平走査信号のシフト動作に伴って、読出用ビット
線RB1〜RBnを順に1本ずつ出力データ線OUTに接
続する回路である。
【0045】出力データ線OUTは、抵抗Rを介して電
源−VDDに接続されると共に、極性反転器25を介して
外部に引き出されている。
【0046】上記構成の不揮発性画像メモリの動作を図
7〜図9に基づいて説明する。
【0047】消去時には、図7に示すように、入力デー
タ線INに0Vの電圧を印加すると共に、N-型シリコ
ン基板1に負の電圧VGEを印加しておき、垂直走査シフ
トレジスタ21と水平走査シフトレジスタ24とに全て
の書込用出力がアクティブとなる垂直走査信号と水平走
査信号とを送る。すると、全ての書込用ビット線WB1
〜WBnが0Vの入力データ線INに接続されると共
に、全ての書込用ワード線WW1〜WWmがアクティブと
なるので、全てのメモリセルM11〜Mmnの記憶データが
消去されることになる。
【0048】また、書き込み時には、図8に示すよう
に、入力データ線INに画像のアナログデータを入力し
ながら、垂直走査シフトレジスタ21と水平走査シフト
レジスタ24とにそれぞれ書込用出力が順に1つずつア
クティブとなる垂直走査信号と水平走査信号とを送る。
すると、垂直走査シフトレジスタ21の書込用出力WV
1〜WVmが順に1つずつアクティブ(−VH)となり、
また、これら垂直走査シフトレジスタ21のそれぞれの
書込用出力WV1〜WVmがアクティブとなっている間
に、水平走査シフトレジスタ24の各書込用出力WH1
〜WHnが順にアクティブ(−VH)となる。従って、
各書込用ビット線WB1〜WBnは、水平走査シフトレジ
スタ24における対応する書込用出力WH1〜WHnがア
クティブになるたびに入力データ線INに接続され、ア
ナログデータを順にサンプリングすることになる。そし
て、この際にアクティブとなっている垂直走査シフトレ
ジスタ21の書込用出力WV1〜WVmに接続された書込
用ワード線WW1〜WWm上のメモリセルM11〜Mmnにサ
ンプリングされたアナログデータが書き込まれる。
【0049】上記のように書き込まれたアナログデータ
を読み出す場合には、図9に示すように、垂直走査シフ
トレジスタ21と水平走査シフトレジスタ24とに、そ
れぞれ読出用出力が順に1つずつアクティブとなる垂直
走査信号と水平走査信号とを送る。すると、垂直走査シ
フトレジスタ21の読出用出力RV1〜RVmが順に1つ
ずつアクティブ(−VH)となり、また、これら垂直走
査シフトレジスタ21のそれぞれの読出用出力RV1〜
RVmがアクティブとなっている間に、水平走査シフト
レジスタ24の各読出用出力RH1〜RHnが順にアクテ
ィブ(−VH)となる。従って、各読出用ビット線RB
1〜RBnは、水平走査シフトレジスタ24における対応
する読出用出力RH1〜RHnがアクティブになるたびに
出力データ線OUTに接続され、その際にアクティブと
なっている垂直走査シフトレジスタ21の読出用出力R
V1〜RVmに接続された読出用ワード線RW1〜RWm上
のメモリセルM11〜Mmnから読み出したアナログデータ
を順に出力データ線OUTに送り出すことになる。この
出力データ線OUTに送り出されたアナログデータは、
極性反転器25で極性を反転され、元の画像のアナログ
データとして出力される。
【0050】この結果、本実施例の不揮発性画像メモリ
によれば、マトリクス状に配置されたメモリセルM11〜
Mmnに順に1画素分ずつのアナログデータを記憶させる
ことができ、また、これを順に読み出して元の画像のア
ナログデータを出力することができる。
【0051】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、高速アクセスが可能で記憶維持用の電源も不
要な不揮発性半導体記憶装置のメモリセルに多値データ
やアナログデータを直接記憶させることができるように
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すものであって、メモ
リセルの構成を示す回路図である。
【図2】本発明の第1実施例を示すものであって、メモ
リセルの構造を示す半導体装置の部分縦断面図である。
【図3】本発明の第1実施例を示すものであって、MF
Sトランジスタのゲート電圧−ドレイン電流特性を示す
図である。
【図4】本発明の第2実施例を示すものであって、メモ
リセルの構成を示す回路図である。
【図5】本発明の第2実施例を示すものであって、スプ
リットゲート型のMFSトランジスタの構造を示す半導
体装置の部分縦断面図である。
【図6】本発明の第3実施例を示すものであって、不揮
発性画像メモリの構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第3実施例を示すものであって、不揮
発性画像メモリの消去動作を示すタイムチャートであ
る。
【図8】本発明の第3実施例を示すものであって、不揮
発性画像メモリの書き込み動作を示すタイムチャートで
ある。
【図9】本発明の第3実施例を示すものであって、不揮
発性画像メモリの読み出し動作を示すタイムチャートで
ある。
【図10】強誘電体による記憶用容量素子を用いたメモ
リセルの回路図である。
【図11】MFSトランジスタの構造を示す半導体装置
の平面及び縦断面図である。
【符号の説明】
12 強誘電体膜 21 垂直走査シフトレジスタ 22 書込用選択回路 23 読出用選択回路 24 水平走査シフトレジスタ Q1 MFSトランジスタ Q2 書込用MOSトランジスタ Q3 読出用MOSトランジスタ Q4 MFSトランジスタ WW 書込用ワード線 RW 読出用ワード線 WB 書込用ビット線 RB 読出用ビット線 M11〜Mmn メモリセル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 27/10 451 G11C 11/22 H01L 21/8247 H01L 29/788 H01L 29/792

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 読出用MOSトランジスタ及び書込用M
    OSトランジスタと、チャンネル領域の上層に強誘電体
    膜を介したゲートを備えたMFSトランジスタとを有
    し、 該MFSトランジスタのゲートが該書込用MOSトラン
    ジスタを介して3値以上の多値データ又はアナログデー
    タが入力される書込用ビット線に接続されると共に、一
    方のソース又はドレインが該読出用MOSトランジスタ
    を介して3値以上の多値データ又はアナログデータを読
    み出す読出用ビット線に接続され、かつ、他方のドレイ
    ン又はソースが共通電位に接続され、該書込用MOSト
    ランジスタのゲートが書込用ワード線に接続されると共
    に、該読出用MOSトランジスタのゲートが読出用ワー
    ド線に接続されたメモリセルを備えた不揮発性半導体記
    憶装置。
  2. 【請求項2】 書込用MOSトランジスタと、チャンネ
    ル領域の上層に強誘電体膜を介した第1ゲート及び通常
    の絶縁膜のみを介した第2ゲートを備えたスプリットゲ
    ート型のMFSトランジスタとからなり、 該MFSトランジスタの第1ゲートが該書込用MOSト
    ランジスタを介して3値以上の多値データ又はアナログ
    データが入力される書込用ビット線に接続され、かつ、
    該第2ゲートが読出用ワード線に接続されると共に、一
    方のソース又はドレインが3値以上の多値データ又はア
    ナログデータを読み出す読出用ビット線に接続され、か
    つ、他方のドレイン又はソースが共通電位に接続され、
    該書込用MOSトランジスタのゲートが書込用ワード線
    に接続されたメモリセルを備えた不揮発性半導体記憶装
    置。
  3. 【請求項3】 それぞれ複数本ずつ設けた書込用ワード
    線及び読出用ワード線と、書込用ビット線及び読出用ビ
    ット線との各交差部にそれぞれマトリクス状に配置され
    た請求項1又は請求項2に記載のメモリセルと、 各行の書込用ワード線又は読出用ワード線を順に択一的
    にアクティブにする行走査回路と、 該行走査回路がいずれかの書込用ワード線又は読出用ワ
    ード線をアクティブにしている間に、各列の書込用ビッ
    ト線又は読出用ビット線と入力データ線又は出力データ
    線とを順に択一的に接続する列走査回路とを備えた不揮
    発性半導体記憶装置。
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