JPH0793985A - 半導体記憶装置及びそのデータ書込み方法 - Google Patents

半導体記憶装置及びそのデータ書込み方法

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JPH0793985A
JPH0793985A JP5239710A JP23971093A JPH0793985A JP H0793985 A JPH0793985 A JP H0793985A JP 5239710 A JP5239710 A JP 5239710A JP 23971093 A JP23971093 A JP 23971093A JP H0793985 A JPH0793985 A JP H0793985A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気的に消去可能な半導体記憶装置の消去前
書込み時間を短縮する。 【構成】 メモリセルトランジスタの制御ゲート電極4
に第1の電圧を印加すると共に、ソース2とドレイン3
とに共通の第2の電圧を印加することで、電子をF−N
トンネル効果により浮遊ゲート電極5に注入する書込み
を行う。この目的のために、一括書込み時に複数ワード
線と複数ビット線とを同時に選択するようにXアドレス
デコーダ回路及びYアドレスデコーダ回路を制御する一
括書込み制御回路と、一括書込み時にソース電位を切り
かえるソーススイッチ回路とを設ける。チャネル電流を
供給することを要せずに書込みを行ない、消費電流を低
減することにより複数ビットの同時一括書込みを可能と
する。これにより、消去前書込み時間を短縮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体記憶装置及びそ
のデータ書込み方法に関し、特に電気的に書込みが可能
な半導体メモリ集積回路装置及びそのデータ書込み方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】プログラマブルROMは、電源を切って
もデータの保持が可能で、且つ電気的にデータの書込み
が可能な半導体記憶装置の1つとして知られている。従
来のプログラマブルROM(以下PROMと呼ぶ)は、
例えば特開昭62−84496号公報に記載されてい
る。
【0003】図4は、上記公報に記載された型式のPR
OMのメモリセルトランジスタの断面を示している。同
図に示したメモリトランジスタでは、P型シリコン半導
体基板1の主面にn型領域を成すソース領域2及びドレ
イン領域3が、例えばイオン注入法により形成されてい
る。ソース及びドレイン領域2、3の間の半導体基板領
域の上方には、第1のゲート酸化膜6、浮遊ゲート(フ
ローティングゲート)電極5、第2のゲート酸化膜7及
び制御ゲート(コントロールゲート)電極4が順次形成
されている。
【0004】双方のゲート電極4及び5は、夫々例えば
多結晶シリコンから成り、双方のゲート酸化膜6及び7
は、夫々例えば2酸化シリコンから成る。ゲート電極4
及び6の側面部には側面酸化膜9が形成されており、ま
た、メモリトランジスタを囲んでメモリトランジスタ間
の分離領域を構成するフィールド酸化膜8が設けられ
る。
【0005】従来、上記PROMにおけるメモリトラン
ジスタへのデータの書込みは、まず半導体基板1とソー
ス領域2とを接地し、コントロールゲート4に例えば1
2V又は25Vの正の電圧VG を印加する。この状態で
ドレイン領域3に例えば8Vの正の電圧VDを印加す
る。このとき、メモリトランジスタにはチャネル電流が
流れ、ドレイン領域3近傍の空乏層で加速されて高エネ
ルギーを持ったホットエレクトロンがフローティングゲ
ート5に注入されることで、データの書込みが行なわれ
る。
【0006】図5は、図4に示したメモリトランジスタ
をメモリセルアレイとして備える従来のPROMの回路
図である。同図の回路は、公知の半導体集積回路技術に
よって1つの半導体基板上に形成される。
【0007】図5において、M11〜Mmnは、マトリクス
状に配列された個々のメモリトランジスタを示してい
る。同一行、例えば第1行に配列されたメモリトランジ
スタM11〜M1nのコントロールゲートは、第1番目のワ
ード線W1 に共通接続されている。同様に、第m行に配
列されたメモリトランジスタQml〜Qmnのコントロール
ゲートは、第m番目のワード線Wm に共通接続されてい
る。
【0008】また、同一列、例えば第1列に配列された
メモリトランジスタM11〜Mm1のドレインは第1番目の
ビット線B1 に接続され、同様に他の列に配列されたメ
モリトランジスタM12〜Mm2、M1n-1〜Mmn-1、M1n
mnのドレインは、図示のごとく、夫々に対応するビッ
ト線B2、n-1、n に接続されている。行方向に相互に
隣接する各ビット列のメモリトランジスタの組、例えば
トランジスタM11及びM12、或いはトランジスタMm1
びMm2の各ソース領域は、集積度の向上を図るために共
通の領域として構成されている。
【0009】各ワード線W1 〜Wm と書込み用高電圧端
子Vppとの間には夫々、高抵抗素子を成すディプリーシ
ョン型トランジスタQw1〜Qwmが接続されている。ま
た、各ワード線W1〜WmとXアドレスデコーダ回路10
との間には夫々、スイッチング用のディプリーション型
トランジスタQx1〜Qxmが接続されている。なお、同図
及び後述の図面において、ディプリーション型トランジ
スタQw1、Qwm等は、図面上でソース、ドレイン間に線
が付加された記号で表示されており、エンハンスメント
型トランジスタQR等とは異なった記号で表示される。
【0010】各ビット線B1〜Bnは、Yアドレスデコー
ダ回路11の出力で制御されるスイッチング用のディプ
リーション型トランジスタQB1〜QBnを介してデータ線
CDに共通接続されている。このビット線選択用のスイ
ッチングトランジスタQB1〜QBnのゲート(同図では、
トランジスタQB1とQBnとについてのみ示している)
は、それぞれ上記ワード線W1 〜Wm と同様に、高抵抗
素子を成すディプリーション型トランジスタQpp1 〜Q
ppn を介して書込み用高電圧端子Vppに接続されてい
る。これらスイッチングトランジスタQB1〜QBnの夫々
のゲートは、制御線XWE(WEのトップバー付きを示
す。以下同様)に入力される制御信号で制御されるディ
プリーション型トランジスタQY1〜QYnを介して、対応
するYアドレスデコーダ回路11の出力ラインに結合さ
れている。
【0011】上記半導体記憶装置の作動について、メモ
リトランジスタM11へのデータ書込みを例として説明す
る。データ書込み時には、書込み用高電圧端子Vppに、
例えば12V又は25V電源から高電圧が供給される。
メモリトランジスタM11のコントロールゲートが接続さ
れているワード線W1 は、Xアドレスデコーダ回路10
の出力ラインW1’における略5Vの高レベル信号と制
御線XWEにおける略0Vの低レベル信号とによってデ
ィプリーション型トランジスタQx1をオフ状態にするこ
とと、ワード線W1 に高抵抗素子を成すディプリーショ
ン型トランジスタQw1が接続されていることとにより、
端子Vppの電圧に応じて高電圧が供給される。
【0012】このとき、非選択のワード線、例えばワー
ド線Wmには、Xアドレスデコーダ回路10の出力ライ
ンWm’の略0Vの低レベル信号と制御線XWEにおけ
る略0Vの低レベル信号とでディプリーション型トラン
ジスタQxmをオン状態にすることにより、Xアドレスデ
コーダ回路10の出力に従って略0Vの低レベル電位が
与えられる。
【0013】一方、Yアドレスデコーダ回路11の選択
出力B1を略5Vの高レベル信号にし、制御線XWEを
略0Vの低レベル信号にすることによってディプリーシ
ョン型トランジスタQY1をオフ状態にすると共に、ディ
プリーション型トランジスタQpp1 を端子Vppから供給
される高電圧によりオン状態にすることで、ビット線B
1 に接続されているスイッチングトランジスタQB1をオ
ン状態にする。これにより、メモリトランジスタQ11
ドレインが接続されているビット線B1には、書込み回
路12から端子Vppの電圧に応じて高電圧が供給され
る。
【0014】このとき、非選択のビット線、例えばビッ
ト線Bnについては、Yアドレスデコーダ回路11の非
選択出力、例えば出力ラインBn’における略0Vの低
レベル信号と制御線XWEにおける略0Vの低レベル信
号とにより、ディプリーション型トランジスタQYnをオ
ン状態にすることで、スイッチングトランジスタQBn
ゲートにYアドレスデコーダ回路11の出力に応じて略
0Vの低レベル電位が供給されるため、非選択のビット
線Bn は書込み回路12から高電圧が供給されない。
【0015】以上のようにして、選択されたワード線W
1の高電圧によりオン状態とされたメモリトランジスタ
11には、同様に選択されたビット線B1 からチャネル
電流が供給されることで、メモリセルトランジスタM11
のフローティングゲートにホットエレクトロンが注入さ
れ、データ書込みが行なわれる。
【0016】上記の如く、従来の半導体記憶装置のデー
タ書込み方法では、書込み時にホットエレクトロン注入
を利用しているので、書込みを行うメモリトランジスタ
にチャネル電流を流してホットエレクトロンを生成する
必要がある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】近年、注目を浴びてい
る半導体記憶装置の一つに、特公平4−80544号公
報に記載されている型式の、電気的に書込み及び消去を
行う半導体記憶装置がある。このような電気的に書込み
及び消去を行う半導体記憶装置では、データ消去時のメ
モリトランジスタのしきい値にばらつきが生ずることが
知られており、このばらつきを解消するために、消去を
行おうとするセルアレイ領域の全ビットをその消去前に
一旦書込みする、いわゆる消去前書込みを行なうこと
で、メモリトランジスタの消去前しきい値をそろえると
いう手段が一般的に採用される。
【0018】ところが、上記消去前書込みを、前記従来
の半導体記憶装置のデータ書込み方法で行う場合には、
その書込み時には各メモリトランジスタ全てにチャネル
電流が流れるので、全セルを一括に同時に書き込むこと
は、極めて大きな電流を必要とする。従って、従来、消
去前書込み時では、全体の消費電流の制限を考慮して例
えば1バイト(8bit )又は1ワード(16bit )単位で
シリアルにデータを書き込む方法が採用される。このた
め、全ビットの消去前書込みを完了させるまでに多大の
時間を要し、半導体記憶装置の高速化に障害となってい
た。
【0019】本発明は、上記従来の半導体記憶装置のデ
ータの書込み方法の問題に鑑み、各メモリトランジスタ
における書込み時の電流を低減することで、多数のビッ
トを同時に書き込むことを可能とし、これにより一括書
込み時間の低減を可能とする半導体記憶装置及びそのデ
ータの書込み方法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の半導体記憶装置のデータ書込み方法は、半
導体基板と、該半導体基板の主面に形成されたソース領
域及びドレイン領域と、少なくとも前記ソース領域及び
ドレイン領域の間の半導体領域の上方に順次形成された
第1ゲート絶縁膜、浮遊ゲート電極、第2ゲート絶縁
膜、及び、制御ゲート電極とを有する半導体記憶装置の
データ書込み方法において、前記半導体基板との間に、
前記制御ゲート電極に第1の正電圧を、前記ドレイン及
びソース領域に前記第1の正電圧よりも低い第2の正電
圧を夫々印加することにより、前記浮遊ゲート電極に電
子を注入することを特徴とする。
【0021】また、本発明の半導体記憶装置は、制御ゲ
ート電極、浮遊ゲート電極、ソース領域及びドレイン領
域を夫々有し、半導体基板上に行方向及び列方向に夫々
配列された複数のメモリトランジスタと、前記各行方向
に配列された1群のメモリトランジスタの制御ゲート電
極に共通に接続されたワード線と、前記各列方向に配列
された1群のメモリトランジスタのドレイン領域及びソ
ース領域に夫々共通に接続されたビット線及びソース線
と、少なくとも1つの前記ワード線を選択すると共に該
選択されたワード線に第1の正電圧を印加するワード線
選択回路と、少なくとも1つの前記ビット線を選択する
と共に該選択されたビット線に前記第1の正電圧よりも
低い第2の正電圧を印加するビット線選択回路と、複数
の前記ワード線及び複数の前記ビット線を同時に選択す
るように前記ワード線選択回路及び前記ビット線選択回
路を制御する一括選択制御回路と、前記一括選択制御回
路の選択に対応して前記選択されたビット線に対応する
前記ソース線に前記第2の正電圧を同時に印加するスイ
ッチ回路とを備え、複数の列及び複数の行方向に配列さ
れたメモリトランジスタに対して同時に一括書込みを行
うことを特徴とする。
【0022】従来の半導体記憶装置のデータ書込み方法
では、前述の如く、ソースとドレインとの間に所定の電
圧を印加することでその間にチャネル電流を流し、この
チャネル電流により生ずるホットエレクトロンにより、
浮遊ゲート電極へのエレクトロン注入が行なわれるもの
であった。本発明者は、特に仮想接地型アレイ構造のP
ROMについて鋭意研究を重ねた結果、基板との間でゲ
ートに第1の正電圧を、基板との間でソース及びドレイ
ンに第1の電圧よりも低い第2の電圧を、夫々印加する
ことにより、フローティングゲートにエレクトロンが注
入されることを発見し、本発明を想当するに至った。こ
のエレクトロン注入は、Fowler-Nordheim(F−N)ト
ンネル現象により生じているものと考えられる。
【0023】F−Nトンネル現象は、第1の酸化膜にお
ける電界が約107V/cm以上になると発生するもの
と考えられ、従って、第1の電圧及び第2の電圧を選定
するにあたっては、第1の酸化膜における電界が107
V/cm以上になるように選定する。この電界は、第1
の正電圧及び第2の正電圧の他に、第1の絶縁膜の膜
厚、ソース・ドレイン間の距離等の条件にも依存するも
のと考えられる。従って、印加する第1及び第2の正電
圧の電圧値は、一義的に定まるものではないが、これら
の数値を選定すると定まる。
【0024】
【作用】本発明の半導体記憶装置のデータの書込み方法
では、ソース領域及びドレイン領域に第2の正電圧が共
通に印加されることから、浮遊ゲート電極への電子注入
によるデータの書込み時には、メモリトランジスタにチ
ャネル電流が流れないため、各トランジスタ毎に必要な
書込み電流、従って全体の書込み電流が少なくて足りる
ので、多数のメモリトランジスタを同時に書き込むこと
が可能となる。
【0025】また、本発明の半導体記憶装置では、一括
書込みに際しては、ソース領域及びドレイン領域に夫々
第2の電圧が印加できるため、各メモリトランジスタに
はチャネル電流が流れず、データ書込み時に必要な電流
を低減することが出来るので、複数の列及び行のメモリ
トランジスタに対して同時にデータを書き込む際に必要
な電流が少く、多数のメモリトランジスタについて同時
書込みを行なってもその電源回路の容量を低く抑えるこ
とが出来る。
【0026】
【実施例】本発明について更に図面を参照して説明す
る。図1(a)は本発明の一実施例の半導体記憶装置の
制御方法が行なわれるメモリトランジスタの構造を示す
断面図である。このメモリトランジスタは、図4を参照
して説明した従来のメモリトランジスタと同様な構造を
有する。図1において、半導体記憶装置は、例えばP型
シリコン半導体基板1の主面に、n型領域を成すソース
2及びドレイン3が、イオン注入法等により形成されて
いる。ソース及びドレイン2、3の間の半導体基板領域
の上方には、第1のゲート酸化膜6、フローティングゲ
ート5、第2のゲート酸化膜7及びコントロールゲート
4が順次形成されている。
【0027】第1のゲート酸化膜6は、厚みが例えば1
15オングストロームの2酸化シリコンから成り、フロ
ーティングゲート5は、厚みが例えば1500オングス
トロームの多結晶シリコンから成る。第2のゲート酸化
膜7は、例えばシリコン酸化膜−窒化膜−シリコン酸化
膜の3層構造から成り、コントロールゲート4は、厚み
が例えば3000オングストロームの多結晶シリコンか
ら成る。コントロールゲート4及びフローティングゲー
ト6の側面部分には、厚みが例えば200オングストロ
ームの側面酸化膜9が形成されており、また、分離領域
を構成するフィールド酸化膜8は、厚みが例えば600
0オングストロームの2酸化シリコンから成る。
【0028】本発明に基づいて上記メモリトランジスタ
に対して書込みを行う場合には、例えば、図1(b)に
示したようなタイミングが使用される。即ち、まずP型
半導体基板1を接地し、コントロールゲート電極4に、
P型半導体基板1に対して正の高電圧VG 、例えば12
Vを印加し、次にソース2とドレイン3に共通の正の電
圧VD、例えば8Vを印加する。
【0029】このとき、ソース2及びドレイン3のP−
N接合部に高電界を持った空乏層が形成され、この電界
により電子と正孔の対が形成される。コントロールゲー
ト4には正の高電圧VG が印加されているため、薄膜を
成す第1のゲート絶縁膜6には、この高電圧VG及びソ
ース及びドレインに印加されている電圧VDに従って高
電界が形成される。第1のゲート絶縁膜6の電界が10
7V/cm以上となると、Fowler-Nordheim(F−N)ト
ンネル現象(以下、単にトンネル現象と呼ぶ)が生じ、
このトンネル現象により、ソース2及びドレイン3に印
加された電圧VD により形成された空乏層中に発生した
電子と正孔の対のうち、一部の電子が第1のゲート絶縁
膜6を通り抜けてフローティングゲート5に注入され、
本発明によるデータ書込みが行なわれるものと考えられ
る。
【0030】図2を参照して、本発明の第1の実施例の
半導体記憶装置を説明する。同図の回路は、公知の半導
体集積回路技術によって、一つの半導体基板上に形成さ
れる。なお、図2では、図5に示した要素と同様な要素
には同じ符号を付してあり、同様な要素についてはその
構成の説明を省略する。この実施例の半導体記憶装置
は、図5の従来の半導体記憶装置とは以下の点において
異なる。即ち、この実施例の半導体記憶装置では、全ビ
ットのメモリトランジスタに対して、一括してデータの
書込みを行うために、全ワード線及び全ビット線を選択
するようにXアドレスデコーダ回路10、Yアドレスデ
コーダ回路11を制御するための一括書込み制御回路
(図示せず)を、選択書込み制御回路(図示せず)とは
別に設けている。また、選択書込み時と一括書込み時と
でソース電位を切りかえるために、ソーススイッチ回路
14を設けている。一括書込み制御回路からは制御信号
MPが出力され、この制御信号MPにより、Xアドレス
デコーダ回路10、Yアドレスデコーダ回路11、書込
み回路12及びソーススイッチ回路14が制御される。
【0031】上記実施例の半導体記憶装置で一括データ
書込みを行う場合には、まず一括書込み制御回路から、
例えば0Vのような低レベルの制御信号MPを、Xアド
レスデコーダ回路10に入力する。この低レベルの制御
信号MPにより、Xアドレスデコーダ回路10では全ワ
ード線の選択モードに入り、Xアドレスデコーダ回路1
0の全出力ラインW1’〜Wm’が例えば5Vのような高
レベルの信号を出力する。この高レベルの出力と制御線
XWEにおける例えば0Vのような低レベル信号とによ
って、ディプリーション型トランジスタQx1〜Qxmは全
てオフ状態となり、書込み用高電圧端子Vppからディプ
リーション型トランジスタQw1〜Qwmを介して供給され
た例えば12Vのような高電圧が全ワード線W1 〜Wm
に供給される。
【0032】一方、Yアドレスデコーダ回路11に入力
された低レベルの制御信号MPにより、Yアドレスデコ
ーダ回路11が全ビット線の選択モードに入る。Yアド
レスデコーダ回路11の全出力ラインB1’〜Bn’は、
例えば5Vのような高レベルの出力となる。この高レベ
ル出力と制御線XWEにおける低レベル信号とによっ
て、ディプリーション型トランジスタQY1〜QYnは全て
オフ状態となり、書込み用高電圧端子Vppからディプリ
ーション型トランジスタQpp1 〜Qppn を介して供給さ
れた例えば12Vの高レベル信号が、各ビット線に接続
されている全てのスイッチングトランジスタQB1〜QBn
のゲートに供給される。これにより全てのスイッチング
トランジスタQB1〜QBnはオン状態になる。この状態で
書込み回路12に入力された制御信号MPにより、全ビ
ット線B1 〜Bn には、書込み用高電圧端子Vppからス
イッチングトランジスタQB1〜QBnを介して、例えば8
Vの高レベルの電圧が印加される。
【0033】他方、全てのソース線は、一括接続されて
ソーススイッチ回路14に接続されており、低レベルの
制御信号MPの入力により各ビット線B1〜Bnに供給さ
れた電圧と同電位の高レベル電圧がソーススイッチ回路
14から印加される。
【0034】上記実施例の半導体記憶装置では、以上の
ように作動することにより、全ワード線W1〜Wmが例え
ば12Vのような高電位、全ビット線B1〜Bn及び全ソ
ース線S1〜Sn/2が例えば8Vのような高電位となり、
全ビットのメモリトランジスタのフローティングゲート
へ、トンネル現象により第1のゲート絶縁膜を通り抜け
た電子が注入され、これによりデータ書き込みが行なわ
れる。このときに必要な電流は、チャネル電流を流すた
めに従来必要であった電流に比して極めて小さい。
【0035】従って、本発明によれば、半導体記憶装置
の記憶容量の大きさに関係なく、全ビットの一括書込み
を同時に行なうことが可能となり、データ消去に際して
従来必要であった大きな消去前書込み時間を短縮するこ
とが出来る。
【0036】図3は、本発明の第2の実施例の半導体記
憶装置の回路図である。本実施例のメモリセルアレイは
仮想接地型アレイ構造となっている。仮想接地型アレイ
は、各メモリトランジスタのソース又はドレインの一方
に設けられていたビットコンタクトを不要にした高密度
アレイ対応の構造として知られている。仮想接地型アレ
イの代表的な例は、米国特許第3,916,169号公報、第3,93
4,233号公報、第4,021,781号公報、第4,387,447号公報な
どに記載されている。
【0037】図3において、M11〜Mmnはメモリトラン
ジスタであり、行列状に配列されてメモリセルアレイを
構成する。同一行、例えば第1行に配列されたメモリト
ランジスタM11〜M1nのコントロールゲートは、第1番
目のワード線W1 に共通に接続されている。同様に、第
m行に配列されたメモリトランジスタMm1〜Mmnのコン
トロールゲートは、第m番目のワード線Wm に共通接続
されている。
【0038】また、同一列、例えば第1列に配列された
メモリトランジスタM11〜Mm1のドレインは、第1番目
のビット線B1 に共通に接続されている。同様に、第2
列に配列されたメモリトランジスタM12〜Mm2のドレイ
ンは、第2番目のビット線B2 に共通に接続されてい
る。第2番目のビット線B2 は、更に、第1列に配列さ
れたメモリトランジスタM11〜Mm1のソースに共通に接
続されている。同様に、第n列に配列されたメモリトラ
ンジスタM1n〜Mmnのドレインは、第n-1 列に配列され
たメモリトランジスタM1n-1〜Mmn-1のソースと共通
に、ビット線Bn に共通接続されている。第n列に配列
されたメモリトランジスタM1n〜Mmnのソースは、ビッ
ト線Bn+1 に共通接続されている。従って、この実施例
では、偶数番目のビット線が前記第1の実施例の構成で
示したソース線に相当する。
【0039】各ワード線W1 〜Wm と書込み用高電圧端
子Vppとの間には夫々、高抵抗素子を成すディプリーシ
ョン型トランジスタQw1〜QWmが接続されている。この
構成は第1の実施例と同様である。
【0040】各ビット線B1 〜Bn+1 と、書込み回路1
2との間及びソーススイッチ回路14との間には夫々、
ビット線選択用の選択トランジスタSel11〜Seln+11
びSel12〜Seln+12が直列に接続されている。書込み回
路12側の選択トランジスタSel11〜Seln+11のゲート
は、制御線XWEにおける制御信号で制御されるディプ
リーション型トランジスタQY1〜QYn+1を介して、ま
た、ソーススイッチ回路14側の選択トランジスタSel
12〜Seln+12のゲートは、直接にYアドレスデコーダ
回路11の出力ラインに接続される。
【0041】選択トランジスタSel11〜Seln+11と書込
み回路12との間は、第1の実施例と同様にデータ線C
Dにより接続されている。この選択トランジスタSel11
〜Seln+11のゲートは夫々、ワード線W1 〜Wmにおけ
ると同様に、高抵抗素子を成すディプリーション型トラ
ンジスタQpp1 〜Qppn+1 を介して、書込み用高電圧端
子Vppに接続されている。
【0042】第2の実施例の半導体記憶装置では、図示
しない一括書込み制御回路から供給される制御信号MP
が、Xアドレスデコーダ回路10、Yアドレスデコーダ
回路11、書込み回路12、ソーススイッチ回路14を
制御しており、ソーススイッチ回路14の出力ライン
は、フローティング電位と接地電位との間で切り替えら
れる。
【0043】第2の実施例の半導体記憶装置の作動にお
いて、全ビットの一括書込みを行なうためには、まず、
全ワード線W1 〜Wm を高電圧にする。この様子は、第
1の実施例で述べたものと同様であり、その詳細な説明
は省略する。
【0044】次に、全ビット線B1 〜Bn+1 を高レベル
電圧にする。これは、以下のようにして行なわれる。Y
アドレスデコーダ回路11に入力された例えば0Vのよ
うな低レベルの制御信号MPは、Yアドレスデコーダ回
路11の全出力ラインを例えば5Vの高レベルに設定す
る。制御線XWEにおける例えば0Vのような低レベル
信号と、Yアドレスデコーダの出力ラインの高レベル信
号とによりディプリーション型トランジスタQY1〜Q
Yn+1は全てオフ状態となる。これより、書込み用高電圧
端子Vppからディプリーション型トランジスタQpp1
ppn+1 を介して供給された例えば12Vのような高レ
ベル信号が、各選択トランジスタSel11〜Seln+11のゲ
ートに供給される。従って、選択トランジスタSel11
Seln+11はオン状態となり、書込み回路12に入力され
た制御信号MPにより書込み回路12から供給された高
レベル電圧が全ビット線B1 〜Bn+1 に供給される。こ
のとき、ソーススイッチ回路14側の選択トランジスタ
Sel12〜Seln+12は、Yアドレスデコーダ回路11から
の高レベル出力によりオン状態となっている。
【0045】第2の実施例の半導体記憶装置では、選択
トランジスタSel12〜Seln+12に接続されているソース
スイッチ回路14は、制御信号MPが入力された時点で
フローティング電位となっている。このため、全ビット
線B1 〜Bn+1 は他方の選択トランジスタSell1〜Sel
n+11から供給される高レベル電圧により高レベル電位に
維持される。このビット線B1〜Bn+1の高電圧レベルと
全ワード線W1 〜Wmの高電圧レベルとにより、全ビッ
トのメモリトランジスタへのデータ書込みが行なわれ
る。
【0046】上記第2の実施例の半導体記憶装置では、
アレイ構造を仮想接地型アレイとしているために、セル
アレイの高集積化が可能である。しかしこの場合にも、
メモリトランジスタのコントロールゲートに第1の電圧
を加えると共に、ソースとドレインとに共通の第2の電
圧を印加することにより、トンネル効果により電子をフ
ローティングゲートへ注入し書込みを行う構成は第1の
実施例と同様である。
【0047】また、一括書込みを行うために、全ワード
線及び全ビット線を選択するようにワード線選択回路及
びビット線選択回路を制御する一括書込み制御回路と、
一括書込み時にソース線(第2の実施例では、仮想接地
型アレイを採用するのでビット線としてある)の電位を
切り替えるソーススイッチ回路とを備える構成も第1の
実施例と同様である。
【0048】なお、上記第1及び第2の実施例の半導体
記憶装置では、メモリセルアレイの全ビットを書き込む
回路構成とそれに伴う書込み動作について説明したが、
かかる構成に限るものではなく、例えば、上記メモリセ
ルアレイを複数に分割して、分割した夫々のアレイ群に
対してこれら実施例の回路構成及び書込み動作を適用し
てもよい。
【0049】上記第2の実施例の半導体記憶装置では、
従来の半導体記憶装置の回路構成に加え、一括書込みを
行うために全ワード線、全ビット線を選択するようにワ
ード線選択回路とビット線選択回路とを制御するための
一括書込み制御回路と、一括書込み時にソース線の電位
を切り替えるためのソーススイッチ回路と備えることと
した。
【0050】従来、16Mbit レベルの半導体記憶装置
の消去前書込み時間は、書込みパルスを10μsec とし
て、消費電流の関係で1ワード(16bit )単位等によ
り書込みが行なわれていたため、書込み時間として、1
0μsec ×16×106bit/16bit =10sec 、つま
り10秒の時間がかかっていた。ところが本発明を採用
すると、チャネル電流を利用しないために消費電流を気
にせず全ビットを一括して書き込むことが可能となり、
原理的に10μsecオーダーの書込み時間で一括書込み
が可能となる。従って、電気的に書込み及び消去が可能
な半導体記憶装置において、消去前書込み時間が従来に
比べて大幅に減少する。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の半導体記
憶装置及びそのデータ書込み方法によると、メモリトラ
ンジスタのデータの一括同時のデータ書込みを可能とし
たことにより、消去前書込み時間が大幅に短縮できるの
で、半導体記憶装置の高速化を可能にした顕著な効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は夫々、本発明のデータ書込
み方法を説明するためのメモリトランジスタの断面図及
び書込み時のタイミングチャート。
【図2】本発明の第1の実施例の半導体記憶装置の回路
図。
【図3】本発明の第2の実施例の半導体記憶装置の回路
図。
【図4】従来のデータ書込み方法を説明するためのメモ
リトランジスタの断面図。
【図5】従来の半導体記憶装置の回路図。
【符号の説明】
1 半導体基板 2 ソース 3 ドレイン 4 コントロールゲート 5 フローティングゲート 6 第1のゲート絶縁膜 7 第2のゲート絶縁膜 8 フィールド絶縁膜 9 側面絶縁膜 10 Xアドレスデコーダ回路 11 Yアドレスデコーダ回路 12 書込み回路 13 読出し回路 14 ソーススイッチ回路
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 29/788 29/792 H01L 29/78 371

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板と、該半導体基板の主面に形
    成されたソース領域及びドレイン領域と、少なくとも前
    記ソース領域及びドレイン領域の間の半導体領域の上方
    に順次形成された第1ゲート絶縁膜、浮遊ゲート電極、
    第2ゲート絶縁膜、及び、制御ゲート電極とを有する半
    導体記憶装置のデータ書込み方法において、 前記半導体基板との間に、前記制御ゲート電極に第1の
    正電圧を、前記ドレイン及びソース領域に前記第1の正
    電圧よりも低い第2の正電圧を夫々印加することによ
    り、前記浮遊ゲート電極に電子を注入することを特徴と
    する半導体記憶装置のデータ書込み方法。
  2. 【請求項2】 前記浮遊ゲート電極への電子の注入が、
    前記第1の絶縁膜に形成される約107V/cm以上の
    電界によるトンネル効果を利用するものである、請求項
    1に記載の半導体記憶装置のデータ書込み方法。
  3. 【請求項3】 制御ゲート電極、浮遊ゲート電極、ソー
    ス領域及びドレイン領域を夫々有し、半導体基板上に行
    方向及び列方向に夫々配列された複数のメモリトランジ
    スタと、前記各行方向に配列された1群のメモリトラン
    ジスタの制御ゲート電極に共通に接続されたワード線
    と、前記各列方向に配列された1群のメモリトランジス
    タのドレイン領域及びソース領域に夫々共通に接続され
    たビット線及びソース線と、少なくとも1つの前記ワー
    ド線を選択すると共に該選択されたワード線に第1の正
    電圧を印加するワード線選択回路と、少なくとも1つの
    前記ビット線を選択すると共に該選択されたビット線に
    前記第1の正電圧よりも低い第2の正電圧を印加するビ
    ット線選択回路と、複数の前記ワード線及び複数の前記
    ビット線を同時に選択するように前記ワード線選択回路
    及び前記ビット線選択回路を制御する一括選択制御回路
    と、前記一括選択制御回路の選択に対応して該選択され
    たビット線に対応する前記ソース線に対して前記第2の
    正電圧を印加するスイッチ回路とを備え、複数の列及び
    複数の行方向に配列されたメモリトランジスタに対して
    同時に一括書込みを行うことを特徴とする半導体記憶装
    置。
  4. 【請求項4】 前記データ書込みが、F−Nトンネル効
    果を利用するものである、請求項3に記載の半導体記憶
    装置。
  5. 【請求項5】 前記メモリトランジスタが仮想接地型ア
    レイ構造に配置される、請求項3又は4に記載の半導体
    記憶装置。
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