JP2883726B2 - 電池用セパレータの製造法 - Google Patents

電池用セパレータの製造法

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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は融点の異なる少なくとも二つの樹脂層から成
る電池用セパレータの新規な製造法に関する。
〔従来の技術〕
近年、高起電力、高エネルギー、自己放電の少なさ等
からリチウム電池が注目されている。
リチウム電池としては、例えば、負極を金属リチウ
ム、リチウムとアルミニウム等の金属との合金、カーボ
ンやグラファイト等のリチウムイオンを吸着またはイン
ターカレーションにより吸蔵する能力を有する有機材
料、あるいはリチウムイオンをドーピングした導電性高
分子で形成したもの等が知られている。
そして、このリチウム電池は電極構成材料としての金
属リチウムが強い反応性を有し、また、1,2−ジメトキ
シエタン、テトラヒドロフラン、プロピレンカーボネー
ト、エチレンカーボネート、ブチロラクトン等の有機溶
媒にLiPF6、LiCF3SO3、LiClO4、LiBF4等を電解質として
溶解した液を電解液としているので、外部短絡、正極・
負極の誤接続等により異常電流が流れた場合、これに伴
って内部温度が著しく上昇し、遂には火災や破裂という
重大事故を引き起こす危険性がある。
かような危険を回避するため、セパレータとして約80
〜150℃の温度において予め決定した長さおよび幅の寸
法を実質的に保持しつつ、実質的に無孔性のフィルムに
変成する多孔質樹脂層と、上記温度よりも少なくとも10
℃高い温度において予め決定した長さおよび幅の寸法を
実質的に保持し且つ多孔質構造を維持する多孔質樹脂層
を有する積層フィルムを使用することが提案されている
(特開昭62−10857号公報)。
このセパレータは正常通電時には正極と負極の間に位
置してこれら両極の短絡を防止すると共に、その多孔質
構造により両極間の電気抵抗を小さくして通電を容易に
する。そして、異常電流により内部温度が上昇した場合
には、一方の層が約80〜150℃の温度で溶融して無孔構
造となることにより、その電気抵抗が急激に増大して電
流が遮断されて過度の温度上昇が抑制され、火災や破裂
の危険が回避されるというものである。
このように温度の異常上昇があった場合、電気抵抗の
増大により電流を遮断し、火災、破裂を回避することに
より電池の安全を確保する機能を一般にシャットダウン
(shut−doun)特性(以下、SD特性と称す)と呼び、リ
チウム電池用セパレータ等には必須の特性である。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、上記公開公報には電池用セパレータの製造
法として、樹脂に充填材または可塑剤を混合した層と、
該樹脂とは融点の異なる樹脂に充填材または可塑剤を混
合した層から成る積層フィルムを成形し、次いでこの積
層フィルムを樹脂を溶解しないが、充填材、可塑剤を溶
解する溶媒中に浸漬することによりフィルム中から充填
材、可塑剤を抽出除去することにより多孔質化せしめる
方法が開示されている。なお、充填材としてはカーボ
ン、石炭、黒鉛、ケイ素、アルミニウム、カルシウム、
マグネシウム、ホウ素、チタニウム等が、可塑剤として
は有機エステル、エポキシ化合物、炭化水素物質、等が
用いられる。
しかしながら、この方法は溶媒を用いるので、その蒸
発揮散が不可避的であり製造現場の環境の悪化は無論の
こと、地球環境への影響を懸念される。また、充填材や
可塑剤の完全除去は困難であり、残存によるセパレータ
特性が悪化する恐れもある。
従って、本発明は溶媒を使用することなく積層多孔質
構造を有する電池用セパレータを容易に製造することの
できる新規な製法を提供することを目的とするものであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者は従来技術の有する上記問題を解決するた
め、鋭意研究の結果、融点の異なる樹脂を主成分とする
少なくとも二つの樹脂層から成る積層フィルムを特定温
度条件で低温延伸し、次いで特定温度条件で高温延伸す
ることにより、これらの樹脂層が各々多孔質化され、し
かも優れたSD特性を示す電池用セパレータが得られるこ
とを見い出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明に係る電池用セパレータの製造法は、高
融点樹脂層と低融点樹脂層(この層の融点をTmb℃とす
る)を有する積層フィルムを、−20℃〜(Tmb−30)℃
の低温度領域で1軸延伸し、次にこの延伸フィルムを
(Tmb−30)℃〜(Tmb−2)℃の高温度領域において前
記低温延伸と同一方向に延伸することにより多孔質化せ
しめることを特徴とするものである。
本発明において用いられる積層フィルムは高融点樹脂
層と低融点樹脂層を有するものである。これら樹脂層は
融点が異なるものであれば、その材質は同質或いは異質
のいずれであっても良い。
ここで融点が異なるとは高融点樹脂層と低融点樹脂層
の融点の差が5℃以上好ましくは10℃以上であることを
意味する。融点差がこれよりも小さい樹脂を用いて製造
された電池用セパレータは、異常電流により電池の内部
温度が上昇した場合、低融点樹脂層が溶融すると間もな
く高融点樹脂層も溶融してしまいセパレータのフィルム
形状乃至シート形状が保持されず、従って、SD特性も発
揮されなくなるので好ましくない。
本発明に用いられる積層フィルムは上記した如く少な
くとも一つの高融点樹脂層と、少なくとも一つの低融点
樹脂層を有するものであり、その具体例としては(a)
1つの高融点樹脂層と1つの低融点樹脂層から成る積層
フィルム、(b)1つの高融点樹脂層とその両面に低融
点樹脂層を設けた積層フィルム、(c)1つの低融点樹
脂層の両面に高融点樹脂層を設けた積層フィルム、
(d)高融点樹脂層−低融点樹脂層−高融点樹脂層−低
融点樹脂層のように融点の異なる樹脂層が交互に配置さ
れた積層フィルム等を挙げることができる。
そして、これら高融点樹脂層および低融点樹脂層はポ
リエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブテン
−1、ポリ−4−メチルペンテン、エチレン−プロピレ
ン共重合体のようなポリオレフィンやエチレン−テトラ
フルオロエチレン共重合体等を主成分として形成され
る。
電池における好ましいSD特性発現温度は電池に応じて
異なり、従って、積層フィルムの各層の融点はSD特性発
現温度に合わせることになる。例えば、リチウム電池の
場合、現時点ではSD特性発現温度約100〜140℃が好まし
いと認識されているので、低融点樹脂層の融点を約100
〜140℃とし、高融点樹脂層の融点を低融点樹脂層のそ
れよりも5℃以上高く好ましくは10℃以上高くする。
かような積層フィルムは例えば既に公知の共押出成形
法等により容易に成形できる。
共押出成形法を採用する際の押出温度(ダイス温度)
は特に限定されるわけではないが、作業性の点から高融
点樹脂の融点(この温度をTma℃とする)よりも約10〜1
50℃高い温度、即ち、(Tma+10)℃〜(Tma+150)℃
の間で行うのが好ましい。
そして、押出後にドラフト比、即ち、フィルムの巻取
速度を樹脂の押出速度で除した値が10〜400好ましくは2
0〜200の範囲で、巻取速度が約2〜400m/min、好ましく
は10〜200m/minになるように芯体上に巻取ることにより
長尺の積層フィルムが得られる。
本発明の方法においては、この積層フィルムを低温延
伸するが、この延伸に先立ち、該フィルムを(Tmb−3
0)℃〜(Tmb−2)℃の温度領域で所定時間(通常、数
秒〜数時間)加熱するアニーリングを施すことができ
る。このアリーリングを施すことにより、後に行われる
二つの延伸を経て得られる多孔質フィルムの空孔率を大
きなものとすることができる場合がある。
上記積層フィルムあるいはアニーリングを施した積層
フィルムは、先ず、−20℃〜(Tmb−30)℃の低温度領
域において、ロール延伸、テンター延伸等の方法で1軸
方向に延伸される。この際の温度が低過ぎる場合はフィ
ルムの破断が起こり易くて延伸が困難であり、温度が高
過ぎると次の工程での高温延伸を行っても目的とする多
孔質化されたセパレータを得ることができないので、い
ずれも好ましくない。
また、この低温延伸時の延伸率は、通常5〜150%、
好ましくは20〜100%であり、延伸速度は通常100〜1000
%/minである。なお、この延伸率は、積層フィルムの延
伸前の長さL0と低温延伸後の長さL1を用い、下記式
(I)により算出した値である。
本発明の方法では、この低温延伸の後に(Tmb−30)
℃〜(Tmb−2)℃の高温度領域において低温延伸時の
延伸方向と同一方向に1軸延伸を行う。この高温延伸に
より、低温延伸時に積層フィルムに生じた極微細孔が拡
大されて空孔率が増大される。高温延伸時の温度が低過
ぎると空孔率の増加が達成できず、高過ぎると低融点樹
脂が溶融し、抵抗値の高いものしか得られないので、好
ましくない。
この高温延伸も低温延伸と同じくロール延伸、テンタ
ー延伸等により行うことができる。また、高温延伸時の
延伸率は、通常、10〜600%、好ましくは20〜300%であ
り、延伸速度は通常10〜400%/minである。なお、この
延伸率は、低温延伸済み積層フィルムの長さ(即ち、高
温延伸前の長さ)L1と高温延伸後の長さL2を用い、低温
延伸前の積層フィルムの長さL0を基準として下記式(I
I)により算出した値である。
上記低温延伸および高温延伸を順次施して得られるセ
パレータは延伸歪みを内蔵することがあり、その除去の
ため、高温延伸後にセパレータを緊張状態あるいは緩和
状態に保ち、所定温度、通常は該高温延伸時とほぼ同温
度に加熱する(この加熱をヒートセットと称す)ことが
できる。この歪み除去のための加熱時間は、温度、セパ
レータに残存する歪み量等に応じて設定するが、通常、
2秒〜10分である。
かような本発明の方法によって得られる電池用セパレ
ータは、高融点樹脂層と低融点樹脂層を有する積層体で
あり、これらの層がいずれも多孔質化されている。この
セパレータの多孔質構造は、例えば、電子顕微鏡観察
(倍率約5000〜40000倍)によって確認でき、その孔径
および空孔率は製造条件によって変わり得るが、通常、
孔径は約0.02〜1μm、空孔率は約20〜60%である。ま
た、有機電解液中で測定した電気抵抗は通常約10〜30Ω
・cm2である。
本発明によって得られるセパレータを組み込んだ電池
はその使用時に異常電流により内部温度が上昇すると、
セパレータの低融点樹脂層が溶融して無孔構造となり、
一方、高融点樹脂層はその融点までは溶融すること無く
セパレータ形状を保持する支持体として機能する。そし
て、低融点樹脂層の溶融無孔化により、電気抵抗が急激
に増大して電流が遮断され、そのために過度の温度上昇
が抑制されて安全が確保される。
本発明によって得られるセパレータの安全性について
より具体的に説明する。室温付近で有機電解液(電導度
約101mS/cm)中にて測定したリチウム電池用セパレータ
の電気抵抗は、一般に、厚さ25μmで約101Ω・cm2であ
る。
そして、異常電流による過度の温度上昇を抑制するた
め、電流を遮断するには電気抵抗値が室温付近の値より
も少なくとも2桁乃至3桁以上増大する必要があると認
識されている。
本発明者がこの発明の方法によって得られるセパレー
タについて試験したところ、該セパレータの室温付近で
の電気抵抗は厚さ25μmで約101Ω・cm2であるが、低融
点樹脂層の融点Tmb℃よりも高い温度では約105〜106Ω
・cm2となり、4桁から5桁の抵抗増加を示すことが判
明した。そして、この増大した電気抵抗値は約150℃以
上の温度まで維持されることも判明した。この大きな抵
抗増加はこのセパレータの電流遮断機能、即ち、SD特性
が優れていること、およびこのセパレータを組み込んだ
電池の安全性が優れていることを示すものである。
なお、本発明によって得られるセパレータは電解液に
対する濡れ性を向上させるため、コロナ放電処理、界面
活性剤含浸・乾燥処理、親水性モノマーのグラフト重合
処理等の親水化処理を施して電池に組み込んでも良い。
(発明の効果) 本発明は上記のように構成され、低温延伸および高温
延伸により積層フィルムを多孔質化するようにしたの
で、製造に際し溶媒を使用することが無く、製造現場お
よび地球環境に悪影響を及ぼすことなく、また容易に電
池用セパレータを製造し得る利点がある。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
実施例1 MIが3、融点が167℃のPPと、MIが0.3、融点が134℃
のPEを押出温度230℃で共押出しし、2層構造の積層フ
ィルムを得る。積層フィルムにおけるPE層の厚さは13μ
m、PP層の厚さは15μmであった。
この積層フィルムを温度115℃で5分間加熱しアニー
リングを施した後、温度25℃で長尺方向に延伸率が20%
になるように1軸延伸し、次いで、温度125℃で前記方
向と同方向に延伸率が90%になるように1軸延伸してセ
パレータを得た。
このセパレータの厚さは23μmであり、平均孔径は0.
072μm、空孔率は35%、25℃における電気抵抗は14.5
Ω・cm2であった。
また、そのSD特性は第1図に示すとおりであった。第
1図から判るように、このセパレータは温度130℃付近
で抵抗値が4〜5桁急激に増大し(抵抗値が急激に増大
し始めるときの温度を「SD開始温度」と称す)、この大
きな抵抗値が維持され、そして167℃付近から抵抗値が
減少する(抵抗値が減少し始めるときの温度を「耐熱温
度」と称す)。
温度130℃付近での抵抗値の急激な増大は、多孔質PE
層が溶融したために生ずる現象であり、この抵抗増大現
象および増大した抵抗値が167℃付近まで維持されるこ
とから、このセパレータが優れたSD特性を有することが
理解できる。また、167℃付近から抵抗値が減少するの
はPP層も溶融し、セパレータとしての形状を維持しなく
なったために生ずる現象である。
なお、使用した樹脂のMI、融点およびセパレータ特性
は下記要領により測定した。
(MI) JIS K 7210に規定される方法により測定する。
(融点) 積層フィルムを形成するのに用いた樹脂を温度230℃
で5分間加熱して溶融させた後5℃/minの速度で25℃ま
で冷却する。次いで、5℃/minの速度で昇温させ、その
際の吸熱ピーク時の温度を融点とする。なお、吸熱ピー
クの測定にはセイコー電子工業社製、DSC200を用いた。
(平均孔径) カルロエルバ社製水銀圧入式ポロシメータ220型を用
いて測定する。
(空孔率) 比重計として東洋精機製作所製のDENSIMETER−Hを用
い未延伸の積層フィルムの密度(ρ0)を求める。
次に、該積層フィルムから得られたセパレータの厚
さ、面積および重量から該セパレータの見掛け密度(ρ
1)を求める。
そして、下記式(III)により空孔率を算出する 第4図に示すように直径20mmの白金板電極1、1を対
向させると共にその間にセパレータ2を配置し、シリコ
ーンゴム3、3をパッキンとし、更にポリテトラフルオ
ロエチレン板4、4で全体を両側から締めつける。
電解液としてはプロピレンカーボネートとジメトキシ
メタンを同容量ずつ混合し、これにLiBF4を1mol/lの濃
度になるように溶解せしめたものを使用し、これを電極
1、1とポリテトラフルオロエチレン板4、4の間に充
填されたPP製不織布5に含浸した。なお、図示を省略し
たが白金板電極には、抵抗計を接続し、電極とセパレー
タの間には薄型熱電対を配置した。
かような構造の測定セルを乾燥器中にセットし、5〜
7℃/minの速度で昇温させ、各温度における電気抵抗値
を測定する。
電気抵抗は国洋電機工業社製の抵抗計、LCRメーターK
C−533型を用い、1KHzの交流抵抗で測定し、下記式(I
V)により換算した。
電気抵抗=抵抗(Ω)×電極面積(cm2) …(IV) 実施例2 実施例1で用いたのと同じ積層フィルム(温度115℃
で5分間加熱してアニーリングしたもの)に対し、第1
表に示す条件で低温延伸および高温延伸を順次施し、10
種類のセパレータ(試料1〜10)を得た。なお、第1表
中の温度の単位は「℃」、延伸率の単位は「%」であ
る。
これら各セパレータの諸特性を第2表に示す。下記第
2表中の「抵抗」とはセパレータの温度25℃における抵
抗値である。
なお、これら各セパレータのSD特性の図示は省略する
が、いずれも約130℃付近で4〜5桁の急激な抵抗値増
大を示すと共に増大した抵抗値が約166℃付近まで維持
され、そして、約166℃付近から抵抗値の減少を示し、
優れたSD特性を有することが確認された。
実施例3 アニーリングを施さない積層フィルムを用いること以
外は実施例1と同様にしてセパレータ(試料11)を得
た。このセパレータの特性を第2表に併記する。
このセパレータのSD特性を第2図に示す。この第2図
からこのセパレータも優れたSD特性を有することが判
る。
比較例1 実施例1で用いたのと同じ積層フィルム(温度115℃
で5分間加熱してアニーリングを施したもの)に対し、
第1表に示す条件で低温延伸および高温延伸を順次施
し、3種類のセパレータ(試料12〜14)を得た。これら
セパレータの特性を第2表に併記する。該セパレータの
特性から、延伸温度を本発明の方法に規定する範囲以外
に設定すると、空孔率が低く、且つ電気抵抗の高いフィ
ルムしか得られないことが判る。
なお、第2表中における空孔率、平均孔径、抵抗の単
位は、「%」、「μm」、「Ω・cm2」であり、SD開始
温度および耐熱温度の単位はいずれも「℃」である。
実施例4 (積層フィルムの製造) 5種類の積層フィルム(試料15〜19)を第3表に示す
樹脂を用いて、共押出法により成形する。試料15、18お
よび19のPEは高密度PE、試料16のPEは低密度PE、試料17
のPEは直鎖状低密度PEである。
なお、試料15〜17は2層構造の積層フィルム、試料18
は低融点樹脂層の両面に高融点樹脂層を形成した3層構
造品、試料19は高融点樹脂層の両面に低融点樹脂層を形
成した3層構造品である。
これら積層フィルムを製造する際の条件は第4表に示
すように設定した。第4表中における押出温度およびア
ニーリング温度、アニーリング時間、層厚さの単位
「℃」、「秒」、「μm」である。
(電池用セパレータの製造) 上記積層フィルムを用い延伸およびその後のヒートセ
ット温度(ヒートセット時間はいずれも30秒である)の
条件を第5表に示すように設定して作業し、電池用セパ
レータを得た。なお、第5表中における延伸温度および
ヒートセット温度の単位は「℃」、延伸率の単位は
「%」である。
これら電池用セパレータの特性を実施例1の場合と同
様にして測定し、得られた結果を第6表に示す。
なお、これら各セパレータのSD特性の図示は省略する
が、いずれも110〜130℃付近で4〜5桁の急激な抵抗値
増大を生じ、そしてこの増大した値が165℃付近まで維
持されると共に、165℃付近から抵抗値の減少を生じ、
優れたSD特性を有することが確認された。
比較例2 MIおよび融点が第3表に示す値であるPP、PE(高密度
品)を用い、第4表に示す条件により2枚の単層フィル
ムを溶融押出成形し、これらフィルムを第5表に示す条
件により延伸およびヒートセットして2種類の単層多孔
質セパレータ(試料20、21)を得た。
これらセパレータの特性を第6表に併記すると共に、
そのSD特性を曲線A(試料20)およびB(試料21)とし
て第3図に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本発明に係る方法により得られた
電池用セパレータのSD特性を示すグラフ、第3図は比較
例によって得られたセパレータのSD特性を示すグラフ、
第4図はセパレータのSD特性を測定するための装置の概
略を示す断面図である。 1…白金板電極、2…セパレータ 3…シリコーンゴム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01M 2/16 C08J 9/00 B32B 5/32

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高融点樹脂層と低融点樹脂層(この層の融
    点をTmb℃とする)を有する積層フィルムを、−20℃〜
    (Tmb−30)℃の低温度領域で1軸延伸し、次にこの延
    伸フィルムを(Tmb−30)℃〜(Tmb−2)℃の高温度領
    域において前記低温延伸と同一方向に延伸することによ
    り多孔質化せしめることを特徴とする電池用セパレータ
    の製造法。
  2. 【請求項2】積層フィルムを(Tmb−30)℃〜(Tmb−
    2)℃の温度でアニーリングした後延伸に供する請求項
    1記載の電池用セパレータの製造法。
  3. 【請求項3】高融点樹脂層が融点150℃以上のポリプロ
    ピレンから成り、低融点樹脂層が融点100〜140℃のポリ
    エチレンから成る積層フィルムを用いる請求項1または
    2記載の電池用セパレータの製造法。
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