JP2866798B2 - 光センサー、情報記録装置および情報記録方法 - Google Patents
光センサー、情報記録装置および情報記録方法Info
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- JP2866798B2 JP2866798B2 JP6006437A JP643794A JP2866798B2 JP 2866798 B2 JP2866798 B2 JP 2866798B2 JP 6006437 A JP6006437 A JP 6006437A JP 643794 A JP643794 A JP 643794A JP 2866798 B2 JP2866798 B2 JP 2866798B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、情報記録媒体へ光情報
を可視情報または静電情報の形で記録することができる
光センサー、また、該光センサーと情報記録媒体とから
なる情報記録装置、情報記録方法、情報記録再生方法に
関し、特に情報記録媒体への情報記録性能が著しく増幅
される半導電性の光導電層を有する光センサーからなる
情報記録装置、情報記録方法および情報記録再生方法に
関する。
を可視情報または静電情報の形で記録することができる
光センサー、また、該光センサーと情報記録媒体とから
なる情報記録装置、情報記録方法、情報記録再生方法に
関し、特に情報記録媒体への情報記録性能が著しく増幅
される半導電性の光導電層を有する光センサーからなる
情報記録装置、情報記録方法および情報記録再生方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】前面に電極が設けられた光導電層からな
る光センサーと、該光センサーに対向し、後面に電極が
設けられた電荷保持層からなる情報記録媒体とを光軸上
に配置し、両導電層間に電圧を印加しつつ露光し、入射
光学像に応じて、電荷保持層に静電電荷を記録させ、そ
の静電電荷をトナー現像するかまたは電位読み取りによ
り再生する方法は、例えば特開平1−290366号公
報、特開平1−289975号公報に記載されている。
また、前記方法における電荷保持層を熱可塑性樹脂層と
し、静電電荷を熱可塑樹脂層表面に記録した後加熱し、
熱可塑性樹脂層表面にフロスト像を形成することにより
記録された静電電荷を可視化する方法は、例えば特開平
3−192288号公報に記載されている。
る光センサーと、該光センサーに対向し、後面に電極が
設けられた電荷保持層からなる情報記録媒体とを光軸上
に配置し、両導電層間に電圧を印加しつつ露光し、入射
光学像に応じて、電荷保持層に静電電荷を記録させ、そ
の静電電荷をトナー現像するかまたは電位読み取りによ
り再生する方法は、例えば特開平1−290366号公
報、特開平1−289975号公報に記載されている。
また、前記方法における電荷保持層を熱可塑性樹脂層と
し、静電電荷を熱可塑樹脂層表面に記録した後加熱し、
熱可塑性樹脂層表面にフロスト像を形成することにより
記録された静電電荷を可視化する方法は、例えば特開平
3−192288号公報に記載されている。
【0003】更に、本出願人等は、前記情報記録媒体に
おける情報記録層を高分子分散型液晶層として、前記同
様に電圧印加時露光し、光センサーにより形成される電
界により液晶層を配向させて情報記録を行い、情報記録
の再生にあたっては透過光あるいは反射光により可視情
報として再生する情報記録再生方法を、先に特願平4−
3394号、特願平4−24722号として出願した。
この情報記録再生方法は偏光板を使用しなくとも記録さ
れた情報を可視化できる。こうした情報記録方法におい
て、さらに高感度、高解像度の情報記録方法が求められ
ていた。
おける情報記録層を高分子分散型液晶層として、前記同
様に電圧印加時露光し、光センサーにより形成される電
界により液晶層を配向させて情報記録を行い、情報記録
の再生にあたっては透過光あるいは反射光により可視情
報として再生する情報記録再生方法を、先に特願平4−
3394号、特願平4−24722号として出願した。
この情報記録再生方法は偏光板を使用しなくとも記録さ
れた情報を可視化できる。こうした情報記録方法におい
て、さらに高感度、高解像度の情報記録方法が求められ
ていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、情報記録媒
体への情報形成に使用される光センサーであって、情報
形成能に優れ、情報記録感度の向上した光センサーおよ
び該光センサーからなる情報記録装置、情報記録方法お
よび情報記録再生方法の提供を課題とする。
体への情報形成に使用される光センサーであって、情報
形成能に優れ、情報記録感度の向上した光センサーおよ
び該光センサーからなる情報記録装置、情報記録方法お
よび情報記録再生方法の提供を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、電極上に光導
電層を有し、情報記録媒体への情報形成に使用される光
センサーにおいて、電圧印加時において、光センサーへ
105 〜106 V/cmの電界強度の印加時に、未露光
部での通過電流密度が10-4〜10-7A/cm2 を示す
半導電性であり、光センサーの電極と情報記録媒体との
電極間に電圧を印加した状態で情報露光すると、情報記
録媒体に情報露光に起因する電流以上に増幅された強度
で情報記録をすることができ、また、情報露光を終了し
た後も電圧を印加し続けると導電性を持続し、引き続き
情報記録媒体に情報記録を継続する作用を有する光セン
サーである。電極上に光導電層を有し、情報記録媒体へ
の情報形成に使用される光センサーにおいて、電極上に
電界または電荷量により情報形成が可能な情報記録層を
積層した情報記録媒体と対向して配置して使用され、電
圧印加時において、光センサーへ105 〜106 V/c
mの電界強度の印加時に、未露光部での通過電流密度が
10-4〜10-7A/cm2 を示す半導電性であり、光セ
ンサーの電極と情報記録媒体との電極間に電圧を印加し
た状態で情報露光すると、情報記録媒体に付与される電
界または電荷量が増幅され、また、情報露光を終了した
後も電圧を印加し続けると導電性を持続し、引き続き電
界または電荷量を情報記録媒体に付与し続ける作用を有
する光センサーである。光導電層が電荷発生層および電
荷輸送層の積層体から構成されている前記の光センサー
である。電荷発生層が電荷発生物質および樹脂バインダ
ーから構成されている前記の光センサーである。電荷発
生物質がフルオレノンアゾ顔料である前記の光センサー
である。電荷発生物質が、下記の化学構造式で示される
ビスアゾ顔料である前記の光センサーである。
電層を有し、情報記録媒体への情報形成に使用される光
センサーにおいて、電圧印加時において、光センサーへ
105 〜106 V/cmの電界強度の印加時に、未露光
部での通過電流密度が10-4〜10-7A/cm2 を示す
半導電性であり、光センサーの電極と情報記録媒体との
電極間に電圧を印加した状態で情報露光すると、情報記
録媒体に情報露光に起因する電流以上に増幅された強度
で情報記録をすることができ、また、情報露光を終了し
た後も電圧を印加し続けると導電性を持続し、引き続き
情報記録媒体に情報記録を継続する作用を有する光セン
サーである。電極上に光導電層を有し、情報記録媒体へ
の情報形成に使用される光センサーにおいて、電極上に
電界または電荷量により情報形成が可能な情報記録層を
積層した情報記録媒体と対向して配置して使用され、電
圧印加時において、光センサーへ105 〜106 V/c
mの電界強度の印加時に、未露光部での通過電流密度が
10-4〜10-7A/cm2 を示す半導電性であり、光セ
ンサーの電極と情報記録媒体との電極間に電圧を印加し
た状態で情報露光すると、情報記録媒体に付与される電
界または電荷量が増幅され、また、情報露光を終了した
後も電圧を印加し続けると導電性を持続し、引き続き電
界または電荷量を情報記録媒体に付与し続ける作用を有
する光センサーである。光導電層が電荷発生層および電
荷輸送層の積層体から構成されている前記の光センサー
である。電荷発生層が電荷発生物質および樹脂バインダ
ーから構成されている前記の光センサーである。電荷発
生物質がフルオレノンアゾ顔料である前記の光センサー
である。電荷発生物質が、下記の化学構造式で示される
ビスアゾ顔料である前記の光センサーである。
【0006】
【化4】
【0007】電荷発生層の樹脂バインダーが、ポリエス
テル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸
ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルア
セタール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂から選ばれる
少なくとも1種である前記の光センサーである。電荷輸
送層が電荷輸送性物質と樹脂バインダーからなる前記の
光センサーである。電荷輸送性物質がパラジメチルスチ
ルベンである前記の光センサーである。電荷輸送性物質
が下記のブタジエン誘導体である前記の光センサーであ
る。
テル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸
ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルア
セタール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂から選ばれる
少なくとも1種である前記の光センサーである。電荷輸
送層が電荷輸送性物質と樹脂バインダーからなる前記の
光センサーである。電荷輸送性物質がパラジメチルスチ
ルベンである前記の光センサーである。電荷輸送性物質
が下記のブタジエン誘導体である前記の光センサーであ
る。
【0008】
【化5】
【0009】電荷輸送層の樹脂バインダーが、ポリスチ
レン樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重
合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹
脂、フェノキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種である
前記の光センサーである。電極の比抵抗が106 Ω・c
m以下の導電率を有する前記の光センサーである。相対
湿度60%以下の暗所にてエージングを行って得られた
ものである前記の光センサーである。電圧印加同時露光
により露光部の導電性が未露光部の導電性よりも増加
し、露光を終了した後も電圧印加している間は露光部で
の導電性が未露光部の導電性より高く保持され、電圧印
加終了後に露光部での導電性が速やかに低下して未露光
部の導電性と等しくなり、繰り返し速やかに再使用が可
能な前記の光センサーである。直流コロナ帯電による正
あるいは負に帯電した場合の受容電位の絶対値が200
Vよりも小さい前記の光センサーである。熱刺激電流測
定により、40〜150℃の範囲に明瞭なピークが観測
される前記の光センサーである。
レン樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重
合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹
脂、フェノキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種である
前記の光センサーである。電極の比抵抗が106 Ω・c
m以下の導電率を有する前記の光センサーである。相対
湿度60%以下の暗所にてエージングを行って得られた
ものである前記の光センサーである。電圧印加同時露光
により露光部の導電性が未露光部の導電性よりも増加
し、露光を終了した後も電圧印加している間は露光部で
の導電性が未露光部の導電性より高く保持され、電圧印
加終了後に露光部での導電性が速やかに低下して未露光
部の導電性と等しくなり、繰り返し速やかに再使用が可
能な前記の光センサーである。直流コロナ帯電による正
あるいは負に帯電した場合の受容電位の絶対値が200
Vよりも小さい前記の光センサーである。熱刺激電流測
定により、40〜150℃の範囲に明瞭なピークが観測
される前記の光センサーである。
【0010】また、情報露光によって情報記録媒体へ光
情報を記録する情報記録装置において、前記の光センサ
ーと電極上に情報記録層を形成した情報記録媒体とを間
隙を設けて光軸上に対向配置し、光センサーの電極と情
報記録媒体の電極間に電圧印加を可能に結線した情報記
録装置である。情報記録層が、液晶相および樹脂相から
なる前記の情報記録装置である。情報記録層が、紫外線
硬化樹脂、液晶、界面活性剤からなる前記の情報記録装
置である。液晶がスメクチック液晶およびネマチック液
晶の混合物である前記の情報記録装置である。情報記録
層を構成する樹脂相が、紫外線硬化樹脂から構成されて
おり、情報記録層の表層が紫外線硬化樹脂のスキン層の
みから構成されている前記の情報記録装置である。情報
記録層が熱可塑性樹脂からなり、情報露光に応じた電荷
が情報記録層表面に付与された後、加熱され、情報露光
に応じたフロスト像が情報記録層表面に形成されるもの
である前記の情報記録装置である。情報記録層が、β−
ピネン重合体とα−メチルスチレン重合体との混合物で
ある前記の情報記録装置である。情報記録層が電荷保持
層からなり、情報露光に応じた電荷が情報記録層表面に
付与され、情報露光に応じた電荷が情報記録層表面に形
成されたものであるか、もしくは情報記録層表面に形成
された電荷をトナーによって現像する前記の情報記録装
置である。情報記録層がメモリー性を有する前記の情報
記録装置である。光センサーへ105 〜106 V/cm
の電界強度の印加時に、未露光部での通過電流密度が1
0-4〜10-7A/cm2 であり、情報記録媒体の比抵抗
が1010〜1013Ω・cmである前記の情報記録装置で
ある。光センサーと情報記録媒体を膜厚3〜30μmの
絶縁性フイルムからなるスペーサによって形成される空
気層を設けて対向して積層した前記の情報記録装置であ
る。
情報を記録する情報記録装置において、前記の光センサ
ーと電極上に情報記録層を形成した情報記録媒体とを間
隙を設けて光軸上に対向配置し、光センサーの電極と情
報記録媒体の電極間に電圧印加を可能に結線した情報記
録装置である。情報記録層が、液晶相および樹脂相から
なる前記の情報記録装置である。情報記録層が、紫外線
硬化樹脂、液晶、界面活性剤からなる前記の情報記録装
置である。液晶がスメクチック液晶およびネマチック液
晶の混合物である前記の情報記録装置である。情報記録
層を構成する樹脂相が、紫外線硬化樹脂から構成されて
おり、情報記録層の表層が紫外線硬化樹脂のスキン層の
みから構成されている前記の情報記録装置である。情報
記録層が熱可塑性樹脂からなり、情報露光に応じた電荷
が情報記録層表面に付与された後、加熱され、情報露光
に応じたフロスト像が情報記録層表面に形成されるもの
である前記の情報記録装置である。情報記録層が、β−
ピネン重合体とα−メチルスチレン重合体との混合物で
ある前記の情報記録装置である。情報記録層が電荷保持
層からなり、情報露光に応じた電荷が情報記録層表面に
付与され、情報露光に応じた電荷が情報記録層表面に形
成されたものであるか、もしくは情報記録層表面に形成
された電荷をトナーによって現像する前記の情報記録装
置である。情報記録層がメモリー性を有する前記の情報
記録装置である。光センサーへ105 〜106 V/cm
の電界強度の印加時に、未露光部での通過電流密度が1
0-4〜10-7A/cm2 であり、情報記録媒体の比抵抗
が1010〜1013Ω・cmである前記の情報記録装置で
ある。光センサーと情報記録媒体を膜厚3〜30μmの
絶縁性フイルムからなるスペーサによって形成される空
気層を設けて対向して積層した前記の情報記録装置であ
る。
【0011】下部電極上に光導電層、誘電体層、情報記
録層、上部電極を順に積層した情報記録装置において、
下部電極と光導電層からなる光センサー部は、前記の光
センサーからなり、下部電極と上部電極との間に電圧印
加を可能に結線した情報記録装置である。誘電体層がポ
リ−パラキシリレンである前記の情報記録装置である。
録層、上部電極を順に積層した情報記録装置において、
下部電極と光導電層からなる光センサー部は、前記の光
センサーからなり、下部電極と上部電極との間に電圧印
加を可能に結線した情報記録装置である。誘電体層がポ
リ−パラキシリレンである前記の情報記録装置である。
【0012】また、情報露光によって情報記録媒体へ光
情報を記録する情報記録再生方法において、前記の光セ
ンサーと電極上に情報記録層を形成した情報記録媒体を
使用し、光センサーもしくは情報記録媒体の少なくとも
いずれか一方の電極を透明電極とするとともに、光セン
サーと情報記録媒体を間隙を設けて光軸上に対向配置
し、両電極間に電圧を印加しつつ光情報の露光により情
報記録媒体への情報記録を行い、透過光あるいは反射光
により可視情報として情報記録媒体に記録した光情報の
再生を行う情報記録再生方法である。情報記録媒体にお
ける情報記録層が、液晶相および樹脂相からなる前記の
情報記録再生方法である。情報記録媒体における情報記
録層が、紫外線硬化樹脂、液晶、界面活性剤からなる前
記の情報記録再生方法である。液晶がスメクチック液晶
およびネマチック液晶の混合物である情報記録再生方法
である。情報記録層を構成する樹脂相が、紫外線硬化樹
脂から構成されており、情報記録層の表層が紫外線硬化
樹脂のスキン層のみから構成されている前記の情報記録
再生方法である。情報露光によって情報記録媒体へ光情
報を記録する情報記録方法において、前記の光センサー
と電極上に熱可塑性樹脂からなる情報記録層を形成した
情報記録媒体を使用し、光情報の露光によって電荷が情
報記録層上に付与された後に加熱し、情報露光に応じた
フロスト像を形成し、透過光あるいは反射光により可視
情報として情報記録媒体に記録した光情報の再生を行う
情報記録再生方法である。
情報を記録する情報記録再生方法において、前記の光セ
ンサーと電極上に情報記録層を形成した情報記録媒体を
使用し、光センサーもしくは情報記録媒体の少なくとも
いずれか一方の電極を透明電極とするとともに、光セン
サーと情報記録媒体を間隙を設けて光軸上に対向配置
し、両電極間に電圧を印加しつつ光情報の露光により情
報記録媒体への情報記録を行い、透過光あるいは反射光
により可視情報として情報記録媒体に記録した光情報の
再生を行う情報記録再生方法である。情報記録媒体にお
ける情報記録層が、液晶相および樹脂相からなる前記の
情報記録再生方法である。情報記録媒体における情報記
録層が、紫外線硬化樹脂、液晶、界面活性剤からなる前
記の情報記録再生方法である。液晶がスメクチック液晶
およびネマチック液晶の混合物である情報記録再生方法
である。情報記録層を構成する樹脂相が、紫外線硬化樹
脂から構成されており、情報記録層の表層が紫外線硬化
樹脂のスキン層のみから構成されている前記の情報記録
再生方法である。情報露光によって情報記録媒体へ光情
報を記録する情報記録方法において、前記の光センサー
と電極上に熱可塑性樹脂からなる情報記録層を形成した
情報記録媒体を使用し、光情報の露光によって電荷が情
報記録層上に付与された後に加熱し、情報露光に応じた
フロスト像を形成し、透過光あるいは反射光により可視
情報として情報記録媒体に記録した光情報の再生を行う
情報記録再生方法である。
【0013】情報記録層が、β−ピネン重合体とα−メ
チルスチレン重合体との混合物である前記の情報記録再
生方法である。情報露光によって情報記録媒体へ光情報
を記録する情報記録方法において、前記の光センサーと
電極上に電荷保持層からなる情報記録層を形成した情報
記録媒体を使用し、光情報の露光によって電荷を情報記
録層上に付与された後に、記録した光情報を電位センサ
ーによって読み取り再生を行う情報記録再生方法であ
る。
チルスチレン重合体との混合物である前記の情報記録再
生方法である。情報露光によって情報記録媒体へ光情報
を記録する情報記録方法において、前記の光センサーと
電極上に電荷保持層からなる情報記録層を形成した情報
記録媒体を使用し、光情報の露光によって電荷を情報記
録層上に付与された後に、記録した光情報を電位センサ
ーによって読み取り再生を行う情報記録再生方法であ
る。
【0014】情報露光によって情報記録媒体へ光情報を
記録する情報記録再生方法において、前記の光センサー
と電極上に電荷保持層からなる情報記録層を形成した情
報記録媒体を使用し、光情報の露光によって電荷を情報
記録層上に付与した後に、記録した光情報をトナーによ
って現像し、透過光または反射光によって可視情報とし
て光情報の再生を行う情報記録再生方法である。情報露
光によって情報記録媒体へ光情報を記録する情報記録方
法において、情報記録媒体が下部電極上に光導電層、誘
電体層、情報記録層、上部電極を順に積層しており、下
部電極と光導電層からなる光センサー部は、前記の光セ
ンサーからなり、下部電極と上部電極の少なくともいず
れか一方は透明電極とし、下部電極と上部電極との間に
電圧を印加しつつ光情報の露光により情報記録媒体への
情報記録を行い、透過光あるいは反射光により可視情報
として情報記録媒体に記録した光情報の再生を行う情報
記録再生方法である。誘電体層がポリ−パラキシリレン
である前記の情報記録再生方法である。
記録する情報記録再生方法において、前記の光センサー
と電極上に電荷保持層からなる情報記録層を形成した情
報記録媒体を使用し、光情報の露光によって電荷を情報
記録層上に付与した後に、記録した光情報をトナーによ
って現像し、透過光または反射光によって可視情報とし
て光情報の再生を行う情報記録再生方法である。情報露
光によって情報記録媒体へ光情報を記録する情報記録方
法において、情報記録媒体が下部電極上に光導電層、誘
電体層、情報記録層、上部電極を順に積層しており、下
部電極と光導電層からなる光センサー部は、前記の光セ
ンサーからなり、下部電極と上部電極の少なくともいず
れか一方は透明電極とし、下部電極と上部電極との間に
電圧を印加しつつ光情報の露光により情報記録媒体への
情報記録を行い、透過光あるいは反射光により可視情報
として情報記録媒体に記録した光情報の再生を行う情報
記録再生方法である。誘電体層がポリ−パラキシリレン
である前記の情報記録再生方法である。
【0015】記録した光情報をCCDセンサーを有する
スキャナーによって読みとり、昇華転写プリンタによっ
て画像の出力をする前記の情報記録再生方法である。
スキャナーによって読みとり、昇華転写プリンタによっ
て画像の出力をする前記の情報記録再生方法である。
【0016】光センサーと情報記録媒体の両電極間の印
加電圧が500〜1000Vの直流電圧であり、印加時
間が0.01〜0.1秒間であり、撮像用カメラでの光
センサー側からの投影露光が1/2〜1/200秒間で
ある前記の情報記録再生方法である。
加電圧が500〜1000Vの直流電圧であり、印加時
間が0.01〜0.1秒間であり、撮像用カメラでの光
センサー側からの投影露光が1/2〜1/200秒間で
ある前記の情報記録再生方法である。
【0017】また、情報露光によって情報記録媒体へ光
情報を記録する情報記録方法において、前記の情報記録
装置を用いて、両電極間に電圧を印加すると同時に情報
露光し、情報露光の終了と同時に電圧の印加を終了する
情報記録方法である。情報露光によって情報記録媒体へ
光情報を記録する情報記録方法において、前記の情報記
録装置を用いて、両電極間に電圧を印加すると同時に情
報露光し、情報露光を終了した後も電圧の印加を継続す
る情報記録方法である。情報露光によって情報記録媒体
へ光情報を記録する情報記録方法において、前記の情報
記録装置を用いて、両電極間に電圧の印加の開始後に情
報露光し、情報露光の終了と同時に電圧の印加を終了す
る情報記録方法である。情報露光によって情報記録媒体
へ光情報を記録する情報記録方法において、前記の情報
記録装置を用いて、両電極間に電圧の印加の開始後に情
報露光し、情報露光の終了後も電圧の印加を継続する情
報記録方法である。光センサーと情報記録媒体の両電極
間の印加電圧が500〜1000Vの直流電圧であり、
印加時間が0.01〜0.1秒間であり、撮像用カメラ
での光センサー側からの投影露光が1/2〜1/200
秒間である前記の情報記録方法である。
情報を記録する情報記録方法において、前記の情報記録
装置を用いて、両電極間に電圧を印加すると同時に情報
露光し、情報露光の終了と同時に電圧の印加を終了する
情報記録方法である。情報露光によって情報記録媒体へ
光情報を記録する情報記録方法において、前記の情報記
録装置を用いて、両電極間に電圧を印加すると同時に情
報露光し、情報露光を終了した後も電圧の印加を継続す
る情報記録方法である。情報露光によって情報記録媒体
へ光情報を記録する情報記録方法において、前記の情報
記録装置を用いて、両電極間に電圧の印加の開始後に情
報露光し、情報露光の終了と同時に電圧の印加を終了す
る情報記録方法である。情報露光によって情報記録媒体
へ光情報を記録する情報記録方法において、前記の情報
記録装置を用いて、両電極間に電圧の印加の開始後に情
報露光し、情報露光の終了後も電圧の印加を継続する情
報記録方法である。光センサーと情報記録媒体の両電極
間の印加電圧が500〜1000Vの直流電圧であり、
印加時間が0.01〜0.1秒間であり、撮像用カメラ
での光センサー側からの投影露光が1/2〜1/200
秒間である前記の情報記録方法である。
【0018】また、電極上に光導電層を有し、情報記録
媒体への情報形成に使用される光センサーにおいて、情
報露光前に全面に一様露光した後に、光センサーの電極
と情報記録媒体との電極間に電圧を印加した状態で情報
露光すると、情報記録媒体に情報露光に起因する電流以
上に増幅された強度で情報記録をすることができ、ま
た、情報露光を終了した後も電圧を印加し続けると導電
性を持続し、引き続き情報記録媒体に情報記録を継続す
る作用を有する光センサーである。電極の比抵抗が10
6 Ω・cm以下の導電率を有する前記の光センサーであ
る。光導電層がポリ−N−ビニルカルバゾールおよび色
素添加物を含有する前記の光センサーである。光導電層
の色素添加物が下記に示される化合物である前記の光セ
ンサーである。
媒体への情報形成に使用される光センサーにおいて、情
報露光前に全面に一様露光した後に、光センサーの電極
と情報記録媒体との電極間に電圧を印加した状態で情報
露光すると、情報記録媒体に情報露光に起因する電流以
上に増幅された強度で情報記録をすることができ、ま
た、情報露光を終了した後も電圧を印加し続けると導電
性を持続し、引き続き情報記録媒体に情報記録を継続す
る作用を有する光センサーである。電極の比抵抗が10
6 Ω・cm以下の導電率を有する前記の光センサーであ
る。光導電層がポリ−N−ビニルカルバゾールおよび色
素添加物を含有する前記の光センサーである。光導電層
の色素添加物が下記に示される化合物である前記の光セ
ンサーである。
【0019】
【化6】
【0020】光センサーを全面に一様露光した後の電圧
印加時において、光センサーへ105 〜106 V/cm
の電界強度の印加時に、情報未露光部での通過電流密度
が10-4〜10-7A/cm2 である前記の光センサーで
ある。光センサーを全面に一様露光後の直流コロナ帯電
による正あるいは負に帯電した場合の受容電位の絶対値
が200Vよりも小さい前記の光センサーである。
印加時において、光センサーへ105 〜106 V/cm
の電界強度の印加時に、情報未露光部での通過電流密度
が10-4〜10-7A/cm2 である前記の光センサーで
ある。光センサーを全面に一様露光後の直流コロナ帯電
による正あるいは負に帯電した場合の受容電位の絶対値
が200Vよりも小さい前記の光センサーである。
【0021】光センサーを全面に一様露光後の熱刺激電
流測定により、40〜150℃の範囲に明瞭なピークが
観測される前記の光センサーである。一様露光を相対湿
度60%以下、照度200ルックスの条件で行うことを
特徴とする前記の光センサーである。
流測定により、40〜150℃の範囲に明瞭なピークが
観測される前記の光センサーである。一様露光を相対湿
度60%以下、照度200ルックスの条件で行うことを
特徴とする前記の光センサーである。
【0022】また、情報露光によって情報記録媒体へ光
情報を記録する情報記録装置において、全面に一様露光
後の前記の光センサーと電極上に情報記録層を形成した
情報記録媒体とを間隙を設けて光軸上に対向配置し、光
センサーの電極と情報記録媒体の電極間に電圧印加を可
能に結線した情報記録装置である。情報記録媒体におけ
る情報記録層が、液晶相および樹脂相からなる前記の情
報記録装置である。情報記録媒体における情報記録層
が、紫外線硬化樹脂、液晶、界面活性剤からなる前記の
情報記録装置である。液晶がスメクチック液晶およびネ
マチック液晶の混合物である前記の情報記録装置であ
る。情報記録層を構成する樹脂相が、紫外線硬化樹脂か
ら構成されており、情報記録層の表層が紫外線硬化樹脂
のスキン層のみから構成されている前記の情報記録装置
である。光センサーへ105 〜106 V/cmの電界強
度の印加時に、情報未露光部での通過電流密度が10-4
〜10-7A/cm2 であり、情報記録媒体の比抵抗が1
010〜1013Ω・cmである前記の情報記録装置であ
る。情報記録層が熱可塑性樹脂からなり、情報露光に応
じた電荷が情報記録層表面に付与された後、加熱され、
情報露光に応じたフロスト像が情報記録層表面に形成さ
れるものである前記の情報記録装置である。情報記録層
が、β−ピネン重合体とα−メチルスチレン重合体との
混合物である前記の情報記録装置である。情報記録層が
電荷保持層からなり、情報露光に応じた電荷が情報記録
層表面に付与され、情報露光に応じた電荷が情報記録層
表面に形成されたものであるか、もしくは情報記録層表
面に形成された電荷をトナーによって現像する前記の情
報記録装置である。情報記録層がメモリー性を有する前
記の情報記録装置である。
情報を記録する情報記録装置において、全面に一様露光
後の前記の光センサーと電極上に情報記録層を形成した
情報記録媒体とを間隙を設けて光軸上に対向配置し、光
センサーの電極と情報記録媒体の電極間に電圧印加を可
能に結線した情報記録装置である。情報記録媒体におけ
る情報記録層が、液晶相および樹脂相からなる前記の情
報記録装置である。情報記録媒体における情報記録層
が、紫外線硬化樹脂、液晶、界面活性剤からなる前記の
情報記録装置である。液晶がスメクチック液晶およびネ
マチック液晶の混合物である前記の情報記録装置であ
る。情報記録層を構成する樹脂相が、紫外線硬化樹脂か
ら構成されており、情報記録層の表層が紫外線硬化樹脂
のスキン層のみから構成されている前記の情報記録装置
である。光センサーへ105 〜106 V/cmの電界強
度の印加時に、情報未露光部での通過電流密度が10-4
〜10-7A/cm2 であり、情報記録媒体の比抵抗が1
010〜1013Ω・cmである前記の情報記録装置であ
る。情報記録層が熱可塑性樹脂からなり、情報露光に応
じた電荷が情報記録層表面に付与された後、加熱され、
情報露光に応じたフロスト像が情報記録層表面に形成さ
れるものである前記の情報記録装置である。情報記録層
が、β−ピネン重合体とα−メチルスチレン重合体との
混合物である前記の情報記録装置である。情報記録層が
電荷保持層からなり、情報露光に応じた電荷が情報記録
層表面に付与され、情報露光に応じた電荷が情報記録層
表面に形成されたものであるか、もしくは情報記録層表
面に形成された電荷をトナーによって現像する前記の情
報記録装置である。情報記録層がメモリー性を有する前
記の情報記録装置である。
【0023】一様露光により半導電性を発現する前記の
光センサーと情報記録媒体を膜厚3〜30μmの絶縁性
フイルムからなるスペーサによって形成される空気層を
設けて対向して積層した前記の情報記録装置である。下
部電極上に光導電層、誘電体層、情報記録層、上部電極
を順に積層した情報記録装置において、下部電極と光導
電層からなる光センサー部は、一様露光により半導電性
を発現する前記の光センサーからなり、下部電極と上部
電極との間に電圧印加を可能に結線した情報記録装置で
ある。誘電体層がポリ−パラキシリレンである前記の情
報記録装置である。
光センサーと情報記録媒体を膜厚3〜30μmの絶縁性
フイルムからなるスペーサによって形成される空気層を
設けて対向して積層した前記の情報記録装置である。下
部電極上に光導電層、誘電体層、情報記録層、上部電極
を順に積層した情報記録装置において、下部電極と光導
電層からなる光センサー部は、一様露光により半導電性
を発現する前記の光センサーからなり、下部電極と上部
電極との間に電圧印加を可能に結線した情報記録装置で
ある。誘電体層がポリ−パラキシリレンである前記の情
報記録装置である。
【0024】また、情報露光によって情報記録媒体へ光
情報を記録する情報記録再生方法において、一様露光に
より半導電性を発現する前記の光センサーと電極上に情
報記録層を形成した情報記録媒体を使用し、光センサー
もしくは情報記録媒体の少なくともいずれか一方の電極
を透明電極とするとともに、光センサーを全面に一様露
光した後に光センサーと情報記録媒体を間隙を設けて光
軸上に対向配置し、両電極間に電圧を印加しつつ光情報
の露光により情報記録媒体への情報記録を行い、透過光
あるいは反射光により可視情報として情報記録媒体に記
録した光情報の再生を行う情報記録再生方法である。情
報記録媒体における情報記録層が、液晶相および樹脂相
からなる前記の情報記録再生方法である。情報記録媒体
における情報記録層が、紫外線硬化樹脂、液晶、界面活
性剤からなる前記の情報記録再生方法である。液晶がス
メクチック液晶およびネマチック液晶の混合物である情
報記録再生方法である。情報記録層を構成する樹脂相
が、紫外線硬化樹脂から構成されており、情報記録層の
表層が紫外線硬化樹脂のスキン層のみから構成されてい
る前記の情報記録再生方法である。情報露光によって情
報記録媒体へ光情報を記録する情報記録方法において、
一様露光により半導電性を発現する前記の光センサーと
電極上に熱可塑性樹脂からなる情報記録層を形成した情
報記録媒体を使用し、光センサーを全面に一様露光した
後に光情報の露光を行い、光情報の露光によって電荷が
情報記録層上に付与された後に加熱し、情報露光に応じ
たフロスト像を形成し、透過光あるいは反射光により可
視情報として情報記録媒体に記録した光情報の再生を行
う情報記録再生方法である。情報記録層が、β−ピネン
重合体とα−メチルスチレン重合体との混合物である情
報記録再生方法である。
情報を記録する情報記録再生方法において、一様露光に
より半導電性を発現する前記の光センサーと電極上に情
報記録層を形成した情報記録媒体を使用し、光センサー
もしくは情報記録媒体の少なくともいずれか一方の電極
を透明電極とするとともに、光センサーを全面に一様露
光した後に光センサーと情報記録媒体を間隙を設けて光
軸上に対向配置し、両電極間に電圧を印加しつつ光情報
の露光により情報記録媒体への情報記録を行い、透過光
あるいは反射光により可視情報として情報記録媒体に記
録した光情報の再生を行う情報記録再生方法である。情
報記録媒体における情報記録層が、液晶相および樹脂相
からなる前記の情報記録再生方法である。情報記録媒体
における情報記録層が、紫外線硬化樹脂、液晶、界面活
性剤からなる前記の情報記録再生方法である。液晶がス
メクチック液晶およびネマチック液晶の混合物である情
報記録再生方法である。情報記録層を構成する樹脂相
が、紫外線硬化樹脂から構成されており、情報記録層の
表層が紫外線硬化樹脂のスキン層のみから構成されてい
る前記の情報記録再生方法である。情報露光によって情
報記録媒体へ光情報を記録する情報記録方法において、
一様露光により半導電性を発現する前記の光センサーと
電極上に熱可塑性樹脂からなる情報記録層を形成した情
報記録媒体を使用し、光センサーを全面に一様露光した
後に光情報の露光を行い、光情報の露光によって電荷が
情報記録層上に付与された後に加熱し、情報露光に応じ
たフロスト像を形成し、透過光あるいは反射光により可
視情報として情報記録媒体に記録した光情報の再生を行
う情報記録再生方法である。情報記録層が、β−ピネン
重合体とα−メチルスチレン重合体との混合物である情
報記録再生方法である。
【0025】情報露光によって情報記録媒体へ光情報を
記録する情報記録方法において、一様露光により半導電
性を発現する前記の光センサーと電極上に電荷保持層か
らなる情報記録層を形成した情報記録媒体を使用し、光
センサーを全面に一様露光した後に光情報の露光を行
い、光情報の露光によって電荷を情報記録層上に付与さ
れた後に、記録した光情報を電位センサーによって読み
取り再生を行う情報記録再生方法である。情報露光によ
って情報記録媒体へ光情報を記録する情報記録再生方法
において、一様露光により半導電性を発現する前記の光
センサーと電極上に電荷保持層からなる情報記録層を形
成した情報記録媒体を使用し、光センサーを全面に一様
に露光した後に光情報の露光を行い、光情報の露光によ
って電荷を情報記録層上に付与した後に、記録した光情
報をトナーによって現像し、透過光または反射光によっ
て可視情報として光情報の再生を行う情報記録再生方法
である。情報露光によって情報記録媒体へ光情報を記録
する情報記録方法において、情報記録媒体が下部電極上
に光導電層、誘電体層、情報記録層、上部電極を順に積
層しており、下部電極と光導電層からなる光センサー部
は、一様露光により半導電性を発現する前記の光センサ
ーからなり、下部電極と上部電極の少なくともいずれか
一方は透明電極とし、光センサーを全面に一様に露光し
た後に、下部電極と上部電極との間に電圧を印加しつつ
光情報の露光により情報記録媒体への情報記録を行い、
透過光あるいは反射光により可視情報として情報記録媒
体に記録した光情報の再生を行う情報記録再生方法であ
る。誘電体層がポリ−パラキシリレンである前記の情報
記録再生方法である。
記録する情報記録方法において、一様露光により半導電
性を発現する前記の光センサーと電極上に電荷保持層か
らなる情報記録層を形成した情報記録媒体を使用し、光
センサーを全面に一様露光した後に光情報の露光を行
い、光情報の露光によって電荷を情報記録層上に付与さ
れた後に、記録した光情報を電位センサーによって読み
取り再生を行う情報記録再生方法である。情報露光によ
って情報記録媒体へ光情報を記録する情報記録再生方法
において、一様露光により半導電性を発現する前記の光
センサーと電極上に電荷保持層からなる情報記録層を形
成した情報記録媒体を使用し、光センサーを全面に一様
に露光した後に光情報の露光を行い、光情報の露光によ
って電荷を情報記録層上に付与した後に、記録した光情
報をトナーによって現像し、透過光または反射光によっ
て可視情報として光情報の再生を行う情報記録再生方法
である。情報露光によって情報記録媒体へ光情報を記録
する情報記録方法において、情報記録媒体が下部電極上
に光導電層、誘電体層、情報記録層、上部電極を順に積
層しており、下部電極と光導電層からなる光センサー部
は、一様露光により半導電性を発現する前記の光センサ
ーからなり、下部電極と上部電極の少なくともいずれか
一方は透明電極とし、光センサーを全面に一様に露光し
た後に、下部電極と上部電極との間に電圧を印加しつつ
光情報の露光により情報記録媒体への情報記録を行い、
透過光あるいは反射光により可視情報として情報記録媒
体に記録した光情報の再生を行う情報記録再生方法であ
る。誘電体層がポリ−パラキシリレンである前記の情報
記録再生方法である。
【0026】また、記録した光情報をCCDセンサーを
有するスキャナーによって読みとり、昇華転写プリンタ
によって画像の出力をする前記の情報記録再生方法であ
る。
有するスキャナーによって読みとり、昇華転写プリンタ
によって画像の出力をする前記の情報記録再生方法であ
る。
【0027】情報露光によって情報記録媒体へ光情報を
記録する情報記録方法において、前記の情報記録装置を
用いて、光センサーを全面に一様露光した後に、両電極
間に電圧を印加すると同時に情報露光し、情報露光の終
了と同時に電圧の印加を終了する情報記録方法である。
情報露光によって情報記録媒体へ光情報を記録する情報
記録方法において、前記の情報記録装置を用いて、光セ
ンサーを全面に一様に露光した後に、両電極間に電圧を
印加すると同時に情報露光し、情報露光を終了した後も
電圧の印加を継続する情報記録方法である。情報露光に
よって情報記録媒体へ光情報を記録する情報記録方法に
おいて、前記の情報記録装置を用いて、光センサーを全
面に一様に露光した後に、両電極間に電圧の印加の開始
後に情報露光し、情報露光の終了と同時に電圧の印加を
終了する情報記録方法である。情報露光によって情報記
録媒体へ光情報を記録する情報記録方法において、前記
の情報記録装置を用いて、光センサーを全面に一様に露
光した後に、両電極間に電圧の印加の開始後に情報露光
し、情報露光の終了後も電圧の印加を継続する情報記録
方法である。光センサーと情報記録媒体の両電極間の印
加電圧が500〜1000Vの直流電圧であり、印加時
間が0.01〜0.1秒間であり、撮像用カメラでの光
センサー側からの投影露光が1/2〜1/200秒間で
ある前記の情報記録方法である。
記録する情報記録方法において、前記の情報記録装置を
用いて、光センサーを全面に一様露光した後に、両電極
間に電圧を印加すると同時に情報露光し、情報露光の終
了と同時に電圧の印加を終了する情報記録方法である。
情報露光によって情報記録媒体へ光情報を記録する情報
記録方法において、前記の情報記録装置を用いて、光セ
ンサーを全面に一様に露光した後に、両電極間に電圧を
印加すると同時に情報露光し、情報露光を終了した後も
電圧の印加を継続する情報記録方法である。情報露光に
よって情報記録媒体へ光情報を記録する情報記録方法に
おいて、前記の情報記録装置を用いて、光センサーを全
面に一様に露光した後に、両電極間に電圧の印加の開始
後に情報露光し、情報露光の終了と同時に電圧の印加を
終了する情報記録方法である。情報露光によって情報記
録媒体へ光情報を記録する情報記録方法において、前記
の情報記録装置を用いて、光センサーを全面に一様に露
光した後に、両電極間に電圧の印加の開始後に情報露光
し、情報露光の終了後も電圧の印加を継続する情報記録
方法である。光センサーと情報記録媒体の両電極間の印
加電圧が500〜1000Vの直流電圧であり、印加時
間が0.01〜0.1秒間であり、撮像用カメラでの光
センサー側からの投影露光が1/2〜1/200秒間で
ある前記の情報記録方法である。
【0028】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
の情報記録システムにおける光センサーは、電極上に光
導電層を積層してなり、その光導電層は単層型のものと
電荷発生層及び電荷輸送層を積層した積層型のものがあ
る。光導電層は、一般には光が照射されると照射部分で
光キャリア(電子、正孔)が発生し、それらのキャリア
が層幅を移動することができる機能を有するものである
が、本発明の光センサーは後述する光導電層と電極とを
適宜組み合わせ、半導電性を持たせることにより、光セ
ンサーへの光照射時において情報記録媒体に付与される
電界または電荷量が光照射につれて経時的に増幅され、
また光照射を終了した後でも電圧を印加し続けるとその
増加した導電性を持続し、引続き電界または電荷量を情
報記録媒体に付与し続ける作用を有するに到るものであ
る。
の情報記録システムにおける光センサーは、電極上に光
導電層を積層してなり、その光導電層は単層型のものと
電荷発生層及び電荷輸送層を積層した積層型のものがあ
る。光導電層は、一般には光が照射されると照射部分で
光キャリア(電子、正孔)が発生し、それらのキャリア
が層幅を移動することができる機能を有するものである
が、本発明の光センサーは後述する光導電層と電極とを
適宜組み合わせ、半導電性を持たせることにより、光セ
ンサーへの光照射時において情報記録媒体に付与される
電界または電荷量が光照射につれて経時的に増幅され、
また光照射を終了した後でも電圧を印加し続けるとその
増加した導電性を持続し、引続き電界または電荷量を情
報記録媒体に付与し続ける作用を有するに到るものであ
る。
【0029】本発明の光センサーは、持続導電性および
増幅作用を有しているが、従来から知られている持続導
電性を有するといわれている光感光体は、本来は絶縁性
のものであり、これに光照射等によって導電性を与える
過程において、持続導電性が生じるものである。これに
対して、本発明の光センサーは、もともと半導電性の特
性を有しており、このことが本発明の作用を得るための
要件であり、絶縁性のものでは本発明の作用を得ること
はできない。
増幅作用を有しているが、従来から知られている持続導
電性を有するといわれている光感光体は、本来は絶縁性
のものであり、これに光照射等によって導電性を与える
過程において、持続導電性が生じるものである。これに
対して、本発明の光センサーは、もともと半導電性の特
性を有しており、このことが本発明の作用を得るための
要件であり、絶縁性のものでは本発明の作用を得ること
はできない。
【0030】本発明の光センサーにおける光電流の増幅
作用について説明する。増幅作用測定用光センサーとし
て、透明ガラス上にITO電極が設けられ、該電極上に
光導電層が積層された光センサーにおいて、その光導電
層上に0.16cm2 の金電極を積層する。そして、こ
の両電極間にITO電極を正極として直流の一定電圧を
印加すると共に、電圧印加開始後0.5秒後に基板側か
ら0.033秒間光照射し、測定時間中の光センサーに
おける電流値の挙動を、光照射開始時(t=0)から測
定する。なお、照射光は、キセノンランプ(浜松ホトニ
クス社製L2274)を光源に、グリーンフィルター
(日本真空光学社製)により、緑色光を選択して照射
し、照射光強度を照度計(ミノルタ社製)で測定し、2
0ルックスのものとする。図5にそのフイルター特性を
示す。
作用について説明する。増幅作用測定用光センサーとし
て、透明ガラス上にITO電極が設けられ、該電極上に
光導電層が積層された光センサーにおいて、その光導電
層上に0.16cm2 の金電極を積層する。そして、こ
の両電極間にITO電極を正極として直流の一定電圧を
印加すると共に、電圧印加開始後0.5秒後に基板側か
ら0.033秒間光照射し、測定時間中の光センサーに
おける電流値の挙動を、光照射開始時(t=0)から測
定する。なお、照射光は、キセノンランプ(浜松ホトニ
クス社製L2274)を光源に、グリーンフィルター
(日本真空光学社製)により、緑色光を選択して照射
し、照射光強度を照度計(ミノルタ社製)で測定し、2
0ルックスのものとする。図5にそのフイルター特性を
示す。
【0031】この光強度で光照射した時、透明基材、I
TO膜の光透過率、フィルターの分光特性を考慮する
と、光導電層には4.2×1011個/cm2 秒のフォト
ンが入射する。そして、入射したフォトンが全て光キャ
リアに変換されると、理論的には光電流としては単位面
積当たり1.35×10-6A/cm2 の電流が発生す
る。
TO膜の光透過率、フィルターの分光特性を考慮する
と、光導電層には4.2×1011個/cm2 秒のフォト
ンが入射する。そして、入射したフォトンが全て光キャ
リアに変換されると、理論的には光電流としては単位面
積当たり1.35×10-6A/cm2 の電流が発生す
る。
【0032】ここで、前記測定装置により測定する場合
に、理論的光電流に対して、光センサーで実際に発生し
た光誘起電流の割合(光センサーで実際に発生した光誘
起電流値/理論的光電流値)をその光センサーにおける
量子効率と定義する。また光誘起電流とは、光照射部の
電流値から光を照射しない部分で流れる電流であるベー
ス電流値を差し引いたものであり、光照射中あるいは光
照射後もベース電流以上の光照射に起因する電流が流れ
るものをいい、いわゆる光電流とは相違する。本発明の
光センサーにおける光電流の増幅作用とは、このような
光誘起電流の挙動のことであると定義する。
に、理論的光電流に対して、光センサーで実際に発生し
た光誘起電流の割合(光センサーで実際に発生した光誘
起電流値/理論的光電流値)をその光センサーにおける
量子効率と定義する。また光誘起電流とは、光照射部の
電流値から光を照射しない部分で流れる電流であるベー
ス電流値を差し引いたものであり、光照射中あるいは光
照射後もベース電流以上の光照射に起因する電流が流れ
るものをいい、いわゆる光電流とは相違する。本発明の
光センサーにおける光電流の増幅作用とは、このような
光誘起電流の挙動のことであると定義する。
【0033】本発明における光電流の増幅作用を有する
光センサーと、光電流増幅作用を有しない光センサー
(以下、比較センサーという)とを、前記測定装置での
測定結果を使用して説明する。まず、比較センサーにつ
いての測定結果を図6に示す。図6において(m)線
は、前記理論値(1.35×10-6A/cm2 )を示す
参考線で、光照射を0.033秒間行い、光照射後も電
圧印加を継続した状態を示す。(n)線は光電流増幅作
用を有しない光センサーの実測線で光照射中でも光電流
の増加はなく、一定値をとることがわかり、その一定値
も理論値(1.35×10-6A/cm2 )を越えない。
この比較センサーにおける量子効率はほぼ0.4と一定
である。光照射中の量子効率の変化を図7に示す。これ
に対して、本発明の光センサーは、図8に示すように光
照射時は光電流が増加し、量子効率との関係を示す図9
から明らかなように、約0.01秒で量子効率は1を越
え、その後も量子効率は増加を続けることがわかる。
光センサーと、光電流増幅作用を有しない光センサー
(以下、比較センサーという)とを、前記測定装置での
測定結果を使用して説明する。まず、比較センサーにつ
いての測定結果を図6に示す。図6において(m)線
は、前記理論値(1.35×10-6A/cm2 )を示す
参考線で、光照射を0.033秒間行い、光照射後も電
圧印加を継続した状態を示す。(n)線は光電流増幅作
用を有しない光センサーの実測線で光照射中でも光電流
の増加はなく、一定値をとることがわかり、その一定値
も理論値(1.35×10-6A/cm2 )を越えない。
この比較センサーにおける量子効率はほぼ0.4と一定
である。光照射中の量子効率の変化を図7に示す。これ
に対して、本発明の光センサーは、図8に示すように光
照射時は光電流が増加し、量子効率との関係を示す図9
から明らかなように、約0.01秒で量子効率は1を越
え、その後も量子効率は増加を続けることがわかる。
【0034】また、比較センサーでは光照射終了と同時
に光電流が零となるため、光照射後継続して電圧印加し
ても電流は流れない。これに対して、本発明の光センサ
ーにおいては、光照射終了後も電圧印加を継続すること
により光誘起電流が継続して流れ、引き続いて光誘起電
流を取り出すことができる。図10に比較センサー(理
論値)の単位面積当たり電流の積分値(単位面積当たり
の電荷量)の時間変化を示す。図においては、量子効率
1の理論的な光センサーにおける単位面積当たりの電流
の積分値の時間変化を(O)線で示し、比較用センサー
における単位面積当たり電流の積分値の時間変化を
(P)線で示す。図10の電流の積分値Q′は Q′=∫(JPHOTO −Jdark)dt(C/cm2 ) である。図から、比較センサーは光照射終了後、J
PHOTO −Jdarkが零になることから、積分値の増加は見
られない。
に光電流が零となるため、光照射後継続して電圧印加し
ても電流は流れない。これに対して、本発明の光センサ
ーにおいては、光照射終了後も電圧印加を継続すること
により光誘起電流が継続して流れ、引き続いて光誘起電
流を取り出すことができる。図10に比較センサー(理
論値)の単位面積当たり電流の積分値(単位面積当たり
の電荷量)の時間変化を示す。図においては、量子効率
1の理論的な光センサーにおける単位面積当たりの電流
の積分値の時間変化を(O)線で示し、比較用センサー
における単位面積当たり電流の積分値の時間変化を
(P)線で示す。図10の電流の積分値Q′は Q′=∫(JPHOTO −Jdark)dt(C/cm2 ) である。図から、比較センサーは光照射終了後、J
PHOTO −Jdarkが零になることから、積分値の増加は見
られない。
【0035】また、図11に本発明の光センサーにおけ
る単位面積当たり電流変化の積分値の時間変化を同様に
示す。なお、同様に量子効率1の理論的な光センサーに
おける単位面積当たり電流の積分値の時間変化を(P)
線で示し、本発明の光センサーにおける単位面積当たり
電流の積分値の時間変化を(O)線で示す。図に示すよ
うに、本発明の光センサーは、光照射終了後も増加を続
けるため、比較用センサーに比して大きな効果が得られ
ることがわかる。
る単位面積当たり電流変化の積分値の時間変化を同様に
示す。なお、同様に量子効率1の理論的な光センサーに
おける単位面積当たり電流の積分値の時間変化を(P)
線で示し、本発明の光センサーにおける単位面積当たり
電流の積分値の時間変化を(O)線で示す。図に示すよ
うに、本発明の光センサーは、光照射終了後も増加を続
けるため、比較用センサーに比して大きな効果が得られ
ることがわかる。
【0036】その詳細な理由は不明であるが、本発明の
光センサーにおいては、情報光の照射に伴い発生する光
キャリアの全てが電圧印加状態において光導電層の層幅
方向に移動せず、光キャリアの一部が光導電層中あるい
は電極と光導電層の界面に存在するトラップサイトにト
ラップされたような状態となり、このトラップされた電
荷は経時的に蓄積され、電圧印加した状態では露光によ
り発生する光電流に加えて、このトラップされた電荷に
より誘起される電流が流れ、見かけの光電流量を増幅さ
せるものと考えられる。そして電圧を印加した状態を維
持しつつ露光を終了する場合には、露光により生じる光
キャリアはただちに減衰して消滅するが、トラップされ
た電荷の減衰は緩やかであるためトラップされた電荷に
より誘起される電流は減衰しながらも十分な量が流れる
ものと推察される。この誘起電流は本発明の光センサー
における光に起因した増幅による効果であり、入射した
光量以上の電流が流れるために、情報記録媒体に対して
効果的な情報記録を可能とするものである。その後トラ
ップされた電荷は減衰するが、減衰速度は本発明の情報
記録方法の光センサーの繰り返し使用の時間と比べて十
分に速いので、光センサーの繰り返し使用が可能とな
る。
光センサーにおいては、情報光の照射に伴い発生する光
キャリアの全てが電圧印加状態において光導電層の層幅
方向に移動せず、光キャリアの一部が光導電層中あるい
は電極と光導電層の界面に存在するトラップサイトにト
ラップされたような状態となり、このトラップされた電
荷は経時的に蓄積され、電圧印加した状態では露光によ
り発生する光電流に加えて、このトラップされた電荷に
より誘起される電流が流れ、見かけの光電流量を増幅さ
せるものと考えられる。そして電圧を印加した状態を維
持しつつ露光を終了する場合には、露光により生じる光
キャリアはただちに減衰して消滅するが、トラップされ
た電荷の減衰は緩やかであるためトラップされた電荷に
より誘起される電流は減衰しながらも十分な量が流れる
ものと推察される。この誘起電流は本発明の光センサー
における光に起因した増幅による効果であり、入射した
光量以上の電流が流れるために、情報記録媒体に対して
効果的な情報記録を可能とするものである。その後トラ
ップされた電荷は減衰するが、減衰速度は本発明の情報
記録方法の光センサーの繰り返し使用の時間と比べて十
分に速いので、光センサーの繰り返し使用が可能とな
る。
【0037】また、光センサーを閉回路において電気的
測定をした場合には、次のような説明も考えられる。光
センサー作製後の熱的平衡状態において、光センサー内
部の光導電層バルク中、電極/電荷発生層界面、電荷発
生層/電荷輸送層界面のいずれかあるいは複数中に安定
な空間電荷が形成され、とくにそれが少数キャリアであ
ると、光センサーに順方向の電界を付与すると電極から
多数キャリアである正電荷が注入されベース電流が流れ
るが、空間電荷と容易に再結合しない。さらに、その状
態で露光による光キャリアを形成すると、光キャリアも
電界方向に移動しさらに大きな電流が流れる。そのキャ
リアは光センサの材料で決定される寿命(t)の間、閉
回路の中で流れ続け、見かけ上キャリアが増加したかの
ような状態となり、光電流増幅が起こるものと考えられ
る。光キャリアが寿命により消滅した時点で初期状態に
戻るため繰り返し使用が可能である。通常の有機光導電
材料における光キャリアの寿命は0.1〜1秒であり、
その過程で初期状態となる。
測定をした場合には、次のような説明も考えられる。光
センサー作製後の熱的平衡状態において、光センサー内
部の光導電層バルク中、電極/電荷発生層界面、電荷発
生層/電荷輸送層界面のいずれかあるいは複数中に安定
な空間電荷が形成され、とくにそれが少数キャリアであ
ると、光センサーに順方向の電界を付与すると電極から
多数キャリアである正電荷が注入されベース電流が流れ
るが、空間電荷と容易に再結合しない。さらに、その状
態で露光による光キャリアを形成すると、光キャリアも
電界方向に移動しさらに大きな電流が流れる。そのキャ
リアは光センサの材料で決定される寿命(t)の間、閉
回路の中で流れ続け、見かけ上キャリアが増加したかの
ような状態となり、光電流増幅が起こるものと考えられ
る。光キャリアが寿命により消滅した時点で初期状態に
戻るため繰り返し使用が可能である。通常の有機光導電
材料における光キャリアの寿命は0.1〜1秒であり、
その過程で初期状態となる。
【0038】一方、電子写真プロセスにおける持続導電
性の公知例として、「電子写真」シャファート著 井上
英一監訳(共立出版)には、持続性内部分極、持続導電
性の説明があるが、これらの現象と本発明の光センサー
の光に起因した増幅作用による光誘起電流の発生現象と
は異なるものである。シャファートの著書の持続性内部
分極では、Kallman、Rennert、Cals
onらの例を示し、光導電性絶縁材料に光照射すると同
時に電場を加えて光導電性絶縁材料の正電荷と負電荷を
分離させ、その結果、材料内に電荷がトラップされ、有
限の時間、固定、凍結されて内部分極電場が形成される
と説明している。そして、前記の特性を示す材料を電極
ではさみ、画像露光側の電極を透明電極とし、電圧印加
露光により像状に内部分極を形成させ、その後電極間を
接地し、さらに上部電極を剥離することで、内部電極部
の光導電性絶縁層表面に表面電位を形成させ、逆極性の
トナー粉体で現像し、顕像化するものである。すなわ
ち、絶縁性であったものを、露光された部分のみに分極
を引き起こし、表面電位を形成し、両者の表面電位の有
無を利用するものである。
性の公知例として、「電子写真」シャファート著 井上
英一監訳(共立出版)には、持続性内部分極、持続導電
性の説明があるが、これらの現象と本発明の光センサー
の光に起因した増幅作用による光誘起電流の発生現象と
は異なるものである。シャファートの著書の持続性内部
分極では、Kallman、Rennert、Cals
onらの例を示し、光導電性絶縁材料に光照射すると同
時に電場を加えて光導電性絶縁材料の正電荷と負電荷を
分離させ、その結果、材料内に電荷がトラップされ、有
限の時間、固定、凍結されて内部分極電場が形成される
と説明している。そして、前記の特性を示す材料を電極
ではさみ、画像露光側の電極を透明電極とし、電圧印加
露光により像状に内部分極を形成させ、その後電極間を
接地し、さらに上部電極を剥離することで、内部電極部
の光導電性絶縁層表面に表面電位を形成させ、逆極性の
トナー粉体で現像し、顕像化するものである。すなわ
ち、絶縁性であったものを、露光された部分のみに分極
を引き起こし、表面電位を形成し、両者の表面電位の有
無を利用するものである。
【0039】これに対して、本発明の光センサーの持続
導電性は、絶縁性材料の持続性の内部分極を利用するも
のではなく、もともと半導電性の素子を用い光キャリア
の一方の電荷がトラップされ基板電極からの逆極性電荷
の注入を促進させ、電圧印加露光でその効果がさらに大
きくなる増幅作用を引き起こすにともない生じるもの
で、増幅された電流がある有限時間、すなわち電圧印加
露光中および露光後の電圧印加状態で持続性を有するも
のである。
導電性は、絶縁性材料の持続性の内部分極を利用するも
のではなく、もともと半導電性の素子を用い光キャリア
の一方の電荷がトラップされ基板電極からの逆極性電荷
の注入を促進させ、電圧印加露光でその効果がさらに大
きくなる増幅作用を引き起こすにともない生じるもの
で、増幅された電流がある有限時間、すなわち電圧印加
露光中および露光後の電圧印加状態で持続性を有するも
のである。
【0040】また、別の例として、シャファートの著書
では、持続導電性は、Kallmann、Johnso
n、Nehr、Cassiers等の例を示し、次のよ
うに説明している。すなわち、持続導電性は浅いトラッ
プが関与する現象として説明され、持続導電性を示す光
導電性材料は浅いトラップが多くなければならず、照射
時に電子は吸収され光エネルギーで自由になり、伝導帯
に励起される。これらの電子の多くは伝導帯近傍にある
浅いトラップに落ち込み、照射中止後もそこにとどま
る。その後材料に強電場を加えると、浅いトラップにあ
る電子は、すべて伝導電子になる。また、浅いトラップ
にある電子は、熱エネルギーや赤外線照射で開放されて
伝導に寄与するとしている。したがって、ここで言う持
続導電性は、光照射によって形成されたトラップ電子が
照射後も有限時間存在し、その時間または逆極性帯電、
電界現象等で緩和される過程の時間を総じて持続導電性
として説明している。したがって、形成されたトラップ
電子の開放が起因する持続導電性と、本発明の光センサ
ーにおける、トラップにされた電荷により増幅作用が生
じて流れる持続導電性とは基本的に内容が異なるもので
ある。
では、持続導電性は、Kallmann、Johnso
n、Nehr、Cassiers等の例を示し、次のよ
うに説明している。すなわち、持続導電性は浅いトラッ
プが関与する現象として説明され、持続導電性を示す光
導電性材料は浅いトラップが多くなければならず、照射
時に電子は吸収され光エネルギーで自由になり、伝導帯
に励起される。これらの電子の多くは伝導帯近傍にある
浅いトラップに落ち込み、照射中止後もそこにとどま
る。その後材料に強電場を加えると、浅いトラップにあ
る電子は、すべて伝導電子になる。また、浅いトラップ
にある電子は、熱エネルギーや赤外線照射で開放されて
伝導に寄与するとしている。したがって、ここで言う持
続導電性は、光照射によって形成されたトラップ電子が
照射後も有限時間存在し、その時間または逆極性帯電、
電界現象等で緩和される過程の時間を総じて持続導電性
として説明している。したがって、形成されたトラップ
電子の開放が起因する持続導電性と、本発明の光センサ
ーにおける、トラップにされた電荷により増幅作用が生
じて流れる持続導電性とは基本的に内容が異なるもので
ある。
【0041】また、本発明の光センサーは、素子として
半導電性であり、流れる電流密度から暗時の比抵抗が1
09 〜1013Ω・cmであることが好ましい。とくに、
比抵抗が1010〜1011Ω・cmの範囲のもので増幅作
用が顕著である。比抵抗が1013Ω・cmよりも大きい
光センサーでは、105 〜106 V/cmの電界強度範
囲では本発明の光センサーのような増幅作用を示さな
い。また、比抵抗が109 未満の光センサーでは、電流
が非常に多く流れ、電流によるノイズが発生しやすく好
ましくない。これに対して、一般の電子写真用で用いら
れている感光体素子は、暗抵抗率が1014〜1016Ω・
cmのものが用いられており、本発明の光センサーは電
子写真において、その目的を達することができず、また
一般の電子写真用の暗抵抗率が大きな光導電層を有する
光センサーは、本発明の目的には使用することができな
い。
半導電性であり、流れる電流密度から暗時の比抵抗が1
09 〜1013Ω・cmであることが好ましい。とくに、
比抵抗が1010〜1011Ω・cmの範囲のもので増幅作
用が顕著である。比抵抗が1013Ω・cmよりも大きい
光センサーでは、105 〜106 V/cmの電界強度範
囲では本発明の光センサーのような増幅作用を示さな
い。また、比抵抗が109 未満の光センサーでは、電流
が非常に多く流れ、電流によるノイズが発生しやすく好
ましくない。これに対して、一般の電子写真用で用いら
れている感光体素子は、暗抵抗率が1014〜1016Ω・
cmのものが用いられており、本発明の光センサーは電
子写真において、その目的を達することができず、また
一般の電子写真用の暗抵抗率が大きな光導電層を有する
光センサーは、本発明の目的には使用することができな
い。
【0042】また、光センサーの比抵抗ρ(Ω・cm)
と電流密度J(A/cm2 )の間には、光センサの膜厚
d、電極面積S、および印加電界強度E(V/cm)の
間には、 ρ=(E・d/J・S)×(S/d)=E/J の関係式が成立するので、印加電界強度と電流密度から
求めることができるが、本発明の各実施例においては、
電流密度によって表現する。
と電流密度J(A/cm2 )の間には、光センサの膜厚
d、電極面積S、および印加電界強度E(V/cm)の
間には、 ρ=(E・d/J・S)×(S/d)=E/J の関係式が成立するので、印加電界強度と電流密度から
求めることができるが、本発明の各実施例においては、
電流密度によって表現する。
【0043】次に、本発明の光センサーの特性について
説明する。光センサーの電気特性を測定するために、光
センサーの光導電層上に、膜厚10nm、表面抵抗1k
Ω/□、0.16cm2 の金電極を蒸着した測定用試料
を作製し、図12に示すような電流測定装置を構成し
た。図中、15は光センサー支持体、13は光センサー
電極、14は電荷発生層、電荷輸送層からなる光導電
層、30は金電極、31は光源、32はシャッター(コ
パル社製 No.0 電磁シャッター)、33はシャッ
ター駆動機構、34はパルスジェネレーター(横河ヒュ
ーレットパッカード社製)、35はオシロスコープであ
る。この電流測定装置において、光センサーの電極13
を正、金電極を負として、両電極間に300Vの直流電
圧を印加すると同時に、ガラス基板側から20ルックス
の緑色光を1/30秒間露光した。電圧印加は0.15
秒間継続し、その間の電流の時間変化をオシロコープに
より測定した。また露光をしないで電圧印加のみを行
い、同様にして電流測定した結果を同時に示す。結果を
図13および図14に示す。横軸は電圧印加時間
(秒)、縦軸は電流密度(A/cm2 )である。図13
は本発明の光センサーであり、図14は比較センサーで
ある。両者のベース電流を比較すると、ベース電流の値
が大きく異なるとともに、両者で先に述べた増幅作用の
有無が生じている。とくにベース電流の値が10-4〜1
0-7A/cm2 の電流密度の範囲で増幅作用が顕著であ
る。ベース電流が10-7A/cm2 未満の光センサーで
は、105 〜106 V/cmの電界強度範囲では本発明
の光センサーのような増幅作用を示さない。一方、ベー
ス電流値を、10-7A/cm2 以上とするために、10
6 V/cm以上の電界強度を与えると放電破壊や画像ノ
イズの発生が生じるので、高電界強度では使用すること
はできない。また、ベース電流が10-4A/cm2 以上
の光センサーは、電流を非常に多く流し、電流によるノ
イズが発生し易く好ましくない。
説明する。光センサーの電気特性を測定するために、光
センサーの光導電層上に、膜厚10nm、表面抵抗1k
Ω/□、0.16cm2 の金電極を蒸着した測定用試料
を作製し、図12に示すような電流測定装置を構成し
た。図中、15は光センサー支持体、13は光センサー
電極、14は電荷発生層、電荷輸送層からなる光導電
層、30は金電極、31は光源、32はシャッター(コ
パル社製 No.0 電磁シャッター)、33はシャッ
ター駆動機構、34はパルスジェネレーター(横河ヒュ
ーレットパッカード社製)、35はオシロスコープであ
る。この電流測定装置において、光センサーの電極13
を正、金電極を負として、両電極間に300Vの直流電
圧を印加すると同時に、ガラス基板側から20ルックス
の緑色光を1/30秒間露光した。電圧印加は0.15
秒間継続し、その間の電流の時間変化をオシロコープに
より測定した。また露光をしないで電圧印加のみを行
い、同様にして電流測定した結果を同時に示す。結果を
図13および図14に示す。横軸は電圧印加時間
(秒)、縦軸は電流密度(A/cm2 )である。図13
は本発明の光センサーであり、図14は比較センサーで
ある。両者のベース電流を比較すると、ベース電流の値
が大きく異なるとともに、両者で先に述べた増幅作用の
有無が生じている。とくにベース電流の値が10-4〜1
0-7A/cm2 の電流密度の範囲で増幅作用が顕著であ
る。ベース電流が10-7A/cm2 未満の光センサーで
は、105 〜106 V/cmの電界強度範囲では本発明
の光センサーのような増幅作用を示さない。一方、ベー
ス電流値を、10-7A/cm2 以上とするために、10
6 V/cm以上の電界強度を与えると放電破壊や画像ノ
イズの発生が生じるので、高電界強度では使用すること
はできない。また、ベース電流が10-4A/cm2 以上
の光センサーは、電流を非常に多く流し、電流によるノ
イズが発生し易く好ましくない。
【0044】(光センサーの熱刺激電流特性)本発明の
光センサーの電荷トラップサイトは定常状態において存
在する特異なトラップサイトであり、この電荷トラップ
サイトには、光増幅を行う前にある程度の量の電荷がト
ラップされているために熱刺激電流測定による観測が可
能である。本発明の光センサーの熱刺激電流測定は、光
導電層上に膜厚30nm、表面抵抗1kΩ/□、0.1
6cm2 の金電極を蒸着した測定用試料を作製し、短絡
熱刺激電流測定装置((株)東洋精機製作所製)を用い
て、図15に示す電流測定装置によって測定した。15
は光センサー支持体、13は電極、14は電荷発生層、
電荷輸送層からなる光導電層、30は金電極、100は
微小電流計である。光センサーの電極を正、金電極を負
として、両電極間に5Vの直流電圧を印加すると同時に
10℃/分の昇温速度で測定用光センサーを加熱した際
に流れる電流を微小電流計によって測定した。結果を図
16に示す。横軸は加熱温度(℃)、縦軸は電流値
(A)である。図において、A線は増幅作用を示す光セ
ンサーの電流の測定値であり、B線は増幅作用を示さな
い場合である。
光センサーの電荷トラップサイトは定常状態において存
在する特異なトラップサイトであり、この電荷トラップ
サイトには、光増幅を行う前にある程度の量の電荷がト
ラップされているために熱刺激電流測定による観測が可
能である。本発明の光センサーの熱刺激電流測定は、光
導電層上に膜厚30nm、表面抵抗1kΩ/□、0.1
6cm2 の金電極を蒸着した測定用試料を作製し、短絡
熱刺激電流測定装置((株)東洋精機製作所製)を用い
て、図15に示す電流測定装置によって測定した。15
は光センサー支持体、13は電極、14は電荷発生層、
電荷輸送層からなる光導電層、30は金電極、100は
微小電流計である。光センサーの電極を正、金電極を負
として、両電極間に5Vの直流電圧を印加すると同時に
10℃/分の昇温速度で測定用光センサーを加熱した際
に流れる電流を微小電流計によって測定した。結果を図
16に示す。横軸は加熱温度(℃)、縦軸は電流値
(A)である。図において、A線は増幅作用を示す光セ
ンサーの電流の測定値であり、B線は増幅作用を示さな
い場合である。
【0045】A線に示されるように、本発明の増幅作用
を有する光センサーでは40〜150℃の範囲内におい
て、ベース電流以外に明瞭なピーク状の波形が観測さ
れ、一方、増幅作用を有さないサンプルでは不明瞭であ
る。これは、光センサーが有するトラップサイトに捕捉
された電荷に起因するものと考えられ、熱刺激電流測定
にピークが明確に観測できる程度の電荷を蓄積している
光センサーでなければ増幅効果は期待できない。また、
このピークの形状、ピークの頂点、温度範囲等は用いる
材料によって異なる。
を有する光センサーでは40〜150℃の範囲内におい
て、ベース電流以外に明瞭なピーク状の波形が観測さ
れ、一方、増幅作用を有さないサンプルでは不明瞭であ
る。これは、光センサーが有するトラップサイトに捕捉
された電荷に起因するものと考えられ、熱刺激電流測定
にピークが明確に観測できる程度の電荷を蓄積している
光センサーでなければ増幅効果は期待できない。また、
このピークの形状、ピークの頂点、温度範囲等は用いる
材料によって異なる。
【0046】(光センサーの帯電光減衰特性)本発明の
光センサーの帯電光減衰特性を、光導電層を−5kV、
20秒間コロナ帯電した後、10秒間放置して暗減衰さ
せ、次いで25ルックスの緑色光を10秒間照射し、時
間経過における各光センサーの表面電位の変化量を静電
複写紙試験装置(川口電機製作所製 EPA−810
0)を用いて測定した。その結果を図17に示す。横軸
はコロナ帯電開始から光減衰終了までの経過時間
(秒)、縦軸は帯電電位(V)である。図中、E線は本
発明の光センサー、F線は比較センサーの測定結果であ
る。コロナ帯電を終了して10秒後の表面電位を受容電
位と定義すると、図からわかるように、本発明の光セン
サーは受容電位がほとんどなく、また暗減衰が早いこと
がわかり、また比較光センサーは、受容電位が約−70
0Vと大きく、また暗減衰が遅く、本発明の光センサー
と相違する帯電光減衰特性を有することがわかる。ま
た、受容電位の値や暗減衰曲線は用いる材料によって異
なる。
光センサーの帯電光減衰特性を、光導電層を−5kV、
20秒間コロナ帯電した後、10秒間放置して暗減衰さ
せ、次いで25ルックスの緑色光を10秒間照射し、時
間経過における各光センサーの表面電位の変化量を静電
複写紙試験装置(川口電機製作所製 EPA−810
0)を用いて測定した。その結果を図17に示す。横軸
はコロナ帯電開始から光減衰終了までの経過時間
(秒)、縦軸は帯電電位(V)である。図中、E線は本
発明の光センサー、F線は比較センサーの測定結果であ
る。コロナ帯電を終了して10秒後の表面電位を受容電
位と定義すると、図からわかるように、本発明の光セン
サーは受容電位がほとんどなく、また暗減衰が早いこと
がわかり、また比較光センサーは、受容電位が約−70
0Vと大きく、また暗減衰が遅く、本発明の光センサー
と相違する帯電光減衰特性を有することがわかる。ま
た、受容電位の値や暗減衰曲線は用いる材料によって異
なる。
【0047】(光センサーのエージング)また、詳細な
理由は不明であるが、本発明の光センサーは作製直後に
は十分な感度を安定的に示さない。そして、上述の増幅
作用を十分発現させるためには光センサーを作製後、一
定期間エージングする必要がある。とくに、エージング
は相対湿度60%以下の暗所にて行うことによってその
性能を発揮することができる。また、エージングによる
状態の変化は、先に述べた帯電光減衰測定の受容電位に
より確認することができる。図18に本発明の光センサ
ーの場合を示した。縦軸は受容電位(V)、横軸はエー
ジング時間(日)である。作製直後より受容電位は急激
に変化してゆき、2〜3日程度でその値は一定化する。
一定化した時点で光センサーはその性能を十分に発揮す
る。図19に、光センサーの電気特性の測定結果を示し
た。B線は作製半日後のものを示し、A線は同一のサン
プルを3日間エージングを行った後の測定結果である。
作製半日後よりも3日間エージングを行った後の方が増
幅作用が顕著になっていることがわかる。
理由は不明であるが、本発明の光センサーは作製直後に
は十分な感度を安定的に示さない。そして、上述の増幅
作用を十分発現させるためには光センサーを作製後、一
定期間エージングする必要がある。とくに、エージング
は相対湿度60%以下の暗所にて行うことによってその
性能を発揮することができる。また、エージングによる
状態の変化は、先に述べた帯電光減衰測定の受容電位に
より確認することができる。図18に本発明の光センサ
ーの場合を示した。縦軸は受容電位(V)、横軸はエー
ジング時間(日)である。作製直後より受容電位は急激
に変化してゆき、2〜3日程度でその値は一定化する。
一定化した時点で光センサーはその性能を十分に発揮す
る。図19に、光センサーの電気特性の測定結果を示し
た。B線は作製半日後のものを示し、A線は同一のサン
プルを3日間エージングを行った後の測定結果である。
作製半日後よりも3日間エージングを行った後の方が増
幅作用が顕著になっていることがわかる。
【0048】なお、以上述べてきた測定は、正孔輸送型
光センサーで行った結果であり、電子輸送型光センサー
を用いた場合には、極性を逆にして測定して同様の測定
結果を得ることができる。ただし、測定結果が逆極性で
得られることもある。
光センサーで行った結果であり、電子輸送型光センサー
を用いた場合には、極性を逆にして測定して同様の測定
結果を得ることができる。ただし、測定結果が逆極性で
得られることもある。
【0049】本発明の光センサーの光導電層が単層から
構成されている場合の単層型の光センサーについて説明
する。図1は単層型光センサーを説明するための断面図
であり、図中13は電極、14は光導電層、15は基板
である。光導電層14は、無機光導電性物質または有機
光導電性物質から形成される。無機光導電性物質として
はSe、Se−Te、ZnO、TiO2 、Si、CdS
等が挙げられ、これらを単独もしくは複数組み合わせて
蒸着、スパッタリング、CVD等により電極上に、1〜
30μm、好ましくは3〜20μmの膜厚で積層され
る。また、無機光導電性物質を微粒子として、バインダ
ーとしては、例えばシリコーン樹脂、ポリカーボネート
樹脂、ビニルホルマール樹脂、ビニルアセタール樹脂、
ビニルブチラール樹脂、スチレン樹脂、スチレン−ブタ
ジエン共重合体樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、飽
和または不飽和ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、塩
化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体樹脂等が挙げられ、それぞれバインダー樹脂
を単独または複数のものを組み合わせて使用することが
できる。この場合樹脂1重量部に対して光導電性微粒子
を0.1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部の割合
で分散させたものとするとよい。
構成されている場合の単層型の光センサーについて説明
する。図1は単層型光センサーを説明するための断面図
であり、図中13は電極、14は光導電層、15は基板
である。光導電層14は、無機光導電性物質または有機
光導電性物質から形成される。無機光導電性物質として
はSe、Se−Te、ZnO、TiO2 、Si、CdS
等が挙げられ、これらを単独もしくは複数組み合わせて
蒸着、スパッタリング、CVD等により電極上に、1〜
30μm、好ましくは3〜20μmの膜厚で積層され
る。また、無機光導電性物質を微粒子として、バインダ
ーとしては、例えばシリコーン樹脂、ポリカーボネート
樹脂、ビニルホルマール樹脂、ビニルアセタール樹脂、
ビニルブチラール樹脂、スチレン樹脂、スチレン−ブタ
ジエン共重合体樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、飽
和または不飽和ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、塩
化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体樹脂等が挙げられ、それぞれバインダー樹脂
を単独または複数のものを組み合わせて使用することが
できる。この場合樹脂1重量部に対して光導電性微粒子
を0.1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部の割合
で分散させたものとするとよい。
【0050】また、有機光導電性物質には高分子光導電
性物質、及び低分子光導電性物質の絶縁性バインダー中
への分散物がある。高分子光導電性物質としては、例え
ばポリビニルカルバゾール(PVK)、PVKにおける
ビニル基の代わりにアリル基、アクリロキシアルキル基
のエチレン性不飽和基が含まれたポリ−N−エチレン性
不飽和基置換カルバゾール類、また、ポリ−N−アクリ
ルフェノチアジン、ポリ−N−(β−アクリロキシ)フ
ェノチアジン等のポリ−N−エチレン性不飽和基置換フ
ェノチアジン類、ポリビニルピレン等がある。なかでも
ポリ−N−エチレン性不飽和基置換カルバゾール類、特
にポリビニルカルバゾールが好ましく用いられる。
性物質、及び低分子光導電性物質の絶縁性バインダー中
への分散物がある。高分子光導電性物質としては、例え
ばポリビニルカルバゾール(PVK)、PVKにおける
ビニル基の代わりにアリル基、アクリロキシアルキル基
のエチレン性不飽和基が含まれたポリ−N−エチレン性
不飽和基置換カルバゾール類、また、ポリ−N−アクリ
ルフェノチアジン、ポリ−N−(β−アクリロキシ)フ
ェノチアジン等のポリ−N−エチレン性不飽和基置換フ
ェノチアジン類、ポリビニルピレン等がある。なかでも
ポリ−N−エチレン性不飽和基置換カルバゾール類、特
にポリビニルカルバゾールが好ましく用いられる。
【0051】また、低分子光導電性物質としては、アル
キルアミノフェニル基等で置換されたオキサジアゾール
類、トリフェニルメタン誘導体、ヒドラゾン誘導体、ブ
タジエン誘導体、スチルベン誘導体等が挙げられる。ま
た、光導電層を積層型光センサーで用いる電荷発生性物
質と電荷輸送性物質を1:1〜1:10、好ましくは
1:2〜1:5の割合で混合して用いてもよい。
キルアミノフェニル基等で置換されたオキサジアゾール
類、トリフェニルメタン誘導体、ヒドラゾン誘導体、ブ
タジエン誘導体、スチルベン誘導体等が挙げられる。ま
た、光導電層を積層型光センサーで用いる電荷発生性物
質と電荷輸送性物質を1:1〜1:10、好ましくは
1:2〜1:5の割合で混合して用いてもよい。
【0052】これらの有機光導電性物質1重量部に対し
て、電気絶縁性樹脂0.1〜10重量部、好ましくは
0.1〜1重量部中に分散させて、皮膜形成性の有機光
導電層としてもよい。これらの有機光導電層の乾燥後の
膜厚は1〜50μmであり、好ましくは3〜20μmで
電極上に形成される。この範囲の膜厚とすることによっ
て光センサーは良好な感度と画質を示す。
て、電気絶縁性樹脂0.1〜10重量部、好ましくは
0.1〜1重量部中に分散させて、皮膜形成性の有機光
導電層としてもよい。これらの有機光導電層の乾燥後の
膜厚は1〜50μmであり、好ましくは3〜20μmで
電極上に形成される。この範囲の膜厚とすることによっ
て光センサーは良好な感度と画質を示す。
【0053】次に、積層型光センサーについて説明す
る。図2は積層型光センサーを説明するための断面図で
あり、図中13は電極、14′は電荷発生層、14″は
電荷輸送層、15は基板である。図に示すように、積層
型光センサーは電極上に電荷発生層、電荷輸送層を順次
積層して形成され、無機材料系光センサーと有機材料系
光センサーとがある。
る。図2は積層型光センサーを説明するための断面図で
あり、図中13は電極、14′は電荷発生層、14″は
電荷輸送層、15は基板である。図に示すように、積層
型光センサーは電極上に電荷発生層、電荷輸送層を順次
積層して形成され、無機材料系光センサーと有機材料系
光センサーとがある。
【0054】無機材料系における電荷発生層14′は、
Se−Te、硫黄や酸素等をドープしたSi等を蒸着、
スパッタリング、CVD等により電極上に、0.05μ
m〜1μmの膜厚に積層される。
Se−Te、硫黄や酸素等をドープしたSi等を蒸着、
スパッタリング、CVD等により電極上に、0.05μ
m〜1μmの膜厚に積層される。
【0055】次いで、この電荷発生層上に電荷輸送層と
して、Se、As2 Se3 、Si、メタン等をドープし
たSi等を同様にして1μm〜50μm、好ましくは3
〜20μmの膜厚に積層して形成するとよい。有機材料
系における電荷発生層14′は電荷発生性物質とバイン
ダーからなる。電荷発生性物質としては、下記に示すピ
リリウム系染料、チアピリリウム系染料、アズレニウム
系染料、シアニン系染料、アズレニウム系染料等のカチ
オン系染料、スクアリリウム塩系染料、フタロシアニン
系顔料、ペリレン系顔料、ピラントロン系顔料等の多環
キノン系顔料、インジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、
ピロール系顔料、アゾ系顔料等の染料、顔料を単独もし
くは複数のものを組み合わせて使用することができる。
して、Se、As2 Se3 、Si、メタン等をドープし
たSi等を同様にして1μm〜50μm、好ましくは3
〜20μmの膜厚に積層して形成するとよい。有機材料
系における電荷発生層14′は電荷発生性物質とバイン
ダーからなる。電荷発生性物質としては、下記に示すピ
リリウム系染料、チアピリリウム系染料、アズレニウム
系染料、シアニン系染料、アズレニウム系染料等のカチ
オン系染料、スクアリリウム塩系染料、フタロシアニン
系顔料、ペリレン系顔料、ピラントロン系顔料等の多環
キノン系顔料、インジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、
ピロール系顔料、アゾ系顔料等の染料、顔料を単独もし
くは複数のものを組み合わせて使用することができる。
【0056】具体的には、特開昭64−105956号
公報、特開昭49−105536号公報、特開昭47−
37543号公報、特開昭47−37544号公報、特
開昭62−2267号公報、特開昭61−162555
号公報、特開平1−17553号公報、特開昭64−3
8753号公報、特開昭64−28652号公報、特開
昭64−19356号公報、特開昭64−28650号
公報、特開昭64−29848号公報、特開平1−19
8761号公報、特開平1−198762号公報、特開
平1−198763号公報、特開平1−180553号
公報、特開平1−97760号公報、特開平1−164
954号公報、特開昭64−21459号公報、特開昭
56−120649号公報、特開昭64−25748号
公報、特開昭64−22969号公報、特開平1−20
1668号公報、特開平1−200362号公報、特開
平1−200361号公報、特開平1−146843号
公報、特開平1−146844号公報、特開平1−14
6845号公報、特開平1−146846号公報、特開
平1−146847号公報、特開平1−106864号
公報、特開平1−201670号公報、特開平1−25
5861号公報等に記載される電荷発生性物質等が挙げ
られる。
公報、特開昭49−105536号公報、特開昭47−
37543号公報、特開昭47−37544号公報、特
開昭62−2267号公報、特開昭61−162555
号公報、特開平1−17553号公報、特開昭64−3
8753号公報、特開昭64−28652号公報、特開
昭64−19356号公報、特開昭64−28650号
公報、特開昭64−29848号公報、特開平1−19
8761号公報、特開平1−198762号公報、特開
平1−198763号公報、特開平1−180553号
公報、特開平1−97760号公報、特開平1−164
954号公報、特開昭64−21459号公報、特開昭
56−120649号公報、特開昭64−25748号
公報、特開昭64−22969号公報、特開平1−20
1668号公報、特開平1−200362号公報、特開
平1−200361号公報、特開平1−146843号
公報、特開平1−146844号公報、特開平1−14
6845号公報、特開平1−146846号公報、特開
平1−146847号公報、特開平1−106864号
公報、特開平1−201670号公報、特開平1−25
5861号公報等に記載される電荷発生性物質等が挙げ
られる。
【0057】
【化7】
【0058】
【化8】
【0059】
【化9】
【0060】また、使用可能なアゾ系顔料には多くのも
のを挙げることができるが、とくに好ましいアゾ系顔料
の化学構造を、中心骨格Aとカプラー部分Cpによって
のを挙げることができるが、とくに好ましいアゾ系顔料
の化学構造を、中心骨格Aとカプラー部分Cpによって
【0061】
【化10】
【0062】としてあらわせば、Aの具体例としては以
下のものを挙げることができる。
下のものを挙げることができる。
【0063】
【化11】
【0064】
【化12】
【0065】
【化13】
【0066】
【化14】
【0067】また、Cpの具体例としては、
【0068】
【化15】
【0069】
【化16】
【0070】
【化17】
【0071】等が挙げられる。これらの中心骨格Aおよ
びカプラーCpは適宜組み合わせることによって電荷発
生性物質として好適なアゾ染料を得ることができる。
びカプラーCpは適宜組み合わせることによって電荷発
生性物質として好適なアゾ染料を得ることができる。
【0072】バインダーとしては、例えばシリコーン樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ビニルホルマール樹脂、ビ
ニルアセタール樹脂、ビニルブチラール樹脂、スチレン
樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、エポキシ樹
脂、アクリル樹脂、飽和または不飽和ポリエステル樹
脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂等が挙げら
れ、それぞれバインダー樹脂を単独または複数のものを
組み合わせて使用することができる。
脂、ポリカーボネート樹脂、ビニルホルマール樹脂、ビ
ニルアセタール樹脂、ビニルブチラール樹脂、スチレン
樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、エポキシ樹
脂、アクリル樹脂、飽和または不飽和ポリエステル樹
脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂等が挙げら
れ、それぞれバインダー樹脂を単独または複数のものを
組み合わせて使用することができる。
【0073】電荷発生性物質としては、好ましくはフル
オレノンアゾ顔料、ビスアゾ顔料であり、またバインダ
ーとして好ましくはポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体樹脂、ビニルブチラール樹脂が挙げら
れる。これらの電荷発生剤とバインダーの混合比は、電
荷発生剤1重量部に対してバインダーを0.1〜10重
量部、好ましくは0.2〜1重量部の割合で使用すると
ことが望ましい。電荷発生層は乾燥後膜厚として0.0
1〜1μmであり、好ましくは0.1〜0.5μmとす
るとよく、このような膜厚とすることによって良好な感
度と画質を示す。
オレノンアゾ顔料、ビスアゾ顔料であり、またバインダ
ーとして好ましくはポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体樹脂、ビニルブチラール樹脂が挙げら
れる。これらの電荷発生剤とバインダーの混合比は、電
荷発生剤1重量部に対してバインダーを0.1〜10重
量部、好ましくは0.2〜1重量部の割合で使用すると
ことが望ましい。電荷発生層は乾燥後膜厚として0.0
1〜1μmであり、好ましくは0.1〜0.5μmとす
るとよく、このような膜厚とすることによって良好な感
度と画質を示す。
【0074】電荷輸送層14″は電荷輸送性物質とバイ
ンダーとからなる。電荷輸送性物質は、電荷発生層で発
生した電荷の輸送特性が良い物質であり、例えば下記に
化学構造を示すオキサジアゾール系、オキサゾール系、
トリアゾール系、チアゾール系、トリフェニルメタン
系、スチリル系、ピラゾリン系、ヒドラゾン系、芳香族
アミン系、カルバゾール系、ポリビニルカルバゾール
系、スチルベン系、エナミン系、アジン系、トリフェニ
ルアミン系、ブタジエン系、多環芳香族化合物系、スチ
ルベン二量体等があり、ホール輸送性の良い物質とする
ことが必要である。
ンダーとからなる。電荷輸送性物質は、電荷発生層で発
生した電荷の輸送特性が良い物質であり、例えば下記に
化学構造を示すオキサジアゾール系、オキサゾール系、
トリアゾール系、チアゾール系、トリフェニルメタン
系、スチリル系、ピラゾリン系、ヒドラゾン系、芳香族
アミン系、カルバゾール系、ポリビニルカルバゾール
系、スチルベン系、エナミン系、アジン系、トリフェニ
ルアミン系、ブタジエン系、多環芳香族化合物系、スチ
ルベン二量体等があり、ホール輸送性の良い物質とする
ことが必要である。
【0075】好ましくは、ブタジエン系、スチルベン
系、トリフェニルアミン系電荷輸送性物質が挙げられ、
具体的には特開昭62−287257号公報、特開昭5
8−182640号公報、特開昭48−43942号公
報、特公昭34−5466号公報、特開昭58−198
043号公報、特開昭57−101844号公報、特開
昭59−195660号公報、特開昭60−69657
号公報、特開昭64−65555号公報、特開平1−1
64952号公報、特開昭64−57263号公報、特
開昭64−68761号公報、特開平1−230055
号公報、特開平1−142654号公報、特開平1−1
42655号公報、特開平1−155357号公報、特
開平1−155358号公報、特開平1−161245
号公報、特開平1−142643号、特開平2-616
44号公報等に記載した電荷輸送性物質が挙げられる。
系、トリフェニルアミン系電荷輸送性物質が挙げられ、
具体的には特開昭62−287257号公報、特開昭5
8−182640号公報、特開昭48−43942号公
報、特公昭34−5466号公報、特開昭58−198
043号公報、特開昭57−101844号公報、特開
昭59−195660号公報、特開昭60−69657
号公報、特開昭64−65555号公報、特開平1−1
64952号公報、特開昭64−57263号公報、特
開昭64−68761号公報、特開平1−230055
号公報、特開平1−142654号公報、特開平1−1
42655号公報、特開平1−155357号公報、特
開平1−155358号公報、特開平1−161245
号公報、特開平1−142643号、特開平2-616
44号公報等に記載した電荷輸送性物質が挙げられる。
【0076】
【化18】
【0077】
【化19】
【0078】
【化20】
【0079】
【化21】
【0080】
【化22】
【0081】これらの電荷発生性物質と電荷輸送性物質
の組合せとしては、その詳細な理由は不明であるが、電
荷発生性物質のイオン化ポテンシャルに対し、電荷輸送
性物質のイオン化ポテンシャルが小さいものの組み合わ
せが好ましく、本発明の光センサーにおいて好ましい電
流密度を得ることができる。例えばフルオレノンアゾ顔
料(電荷発生性物質)とスチルベン系の電荷輸送性物質
の組合せ、ビスアゾ系顔料(電荷発生性物質)とブタジ
エン系、ヒドラゾン系の電荷輸送性物質の組合せ等が良
好である。また、以上のように電荷として正孔を輸送す
ることに代えて電子を輸送する場合には、電子輸送性物
質としては以下に示す電子輸送性物質を用いることがで
きる。
の組合せとしては、その詳細な理由は不明であるが、電
荷発生性物質のイオン化ポテンシャルに対し、電荷輸送
性物質のイオン化ポテンシャルが小さいものの組み合わ
せが好ましく、本発明の光センサーにおいて好ましい電
流密度を得ることができる。例えばフルオレノンアゾ顔
料(電荷発生性物質)とスチルベン系の電荷輸送性物質
の組合せ、ビスアゾ系顔料(電荷発生性物質)とブタジ
エン系、ヒドラゾン系の電荷輸送性物質の組合せ等が良
好である。また、以上のように電荷として正孔を輸送す
ることに代えて電子を輸送する場合には、電子輸送性物
質としては以下に示す電子輸送性物質を用いることがで
きる。
【0082】
【化23】
【0083】バインダーとしては、前記した電荷発生層
におけるバインダーと同様のもの、さらにポリアリレー
ト樹脂、フェノキシ樹脂が使用できるが、好ましくはス
チレン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、ポリ
カーボネート樹脂である。バインダーは、電荷輸送性物
質1重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは
0.1〜1重量部の割合で使用することが望ましい。電
荷輸送層は乾燥後膜厚として1〜50μmであり、好ま
しくは3〜20μmとするとよく、このような膜厚とす
ることによって良好な感度と画質が得られる。また、電
荷発生性物質、電荷輸送性物質で蒸着法で成膜可能なも
のは、バインダーを用いず、単独で成膜することもでき
る。
におけるバインダーと同様のもの、さらにポリアリレー
ト樹脂、フェノキシ樹脂が使用できるが、好ましくはス
チレン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、ポリ
カーボネート樹脂である。バインダーは、電荷輸送性物
質1重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは
0.1〜1重量部の割合で使用することが望ましい。電
荷輸送層は乾燥後膜厚として1〜50μmであり、好ま
しくは3〜20μmとするとよく、このような膜厚とす
ることによって良好な感度と画質が得られる。また、電
荷発生性物質、電荷輸送性物質で蒸着法で成膜可能なも
のは、バインダーを用いず、単独で成膜することもでき
る。
【0084】また、上述した単層型光センサー、積層型
光センサーに有機光導電層を形成する場合には、溶剤と
して1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロ
エタン、クロロベンゼン、テトラヒドロフラン、シクロ
ヘキサノン、ジオキサン、1,2,3−トリクロロプロ
パン、エチルセルソルブ、1,1,1,−トリクロロエ
タン、メチルエチルケトン、クロロホルム、トルエン、
キシレン等を使用して塗布溶液とするとよく、塗布方法
としては、ブレードコーティング法、ディッピング法、
スピンナーコーティング法等が挙げられる。
光センサーに有機光導電層を形成する場合には、溶剤と
して1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロ
エタン、クロロベンゼン、テトラヒドロフラン、シクロ
ヘキサノン、ジオキサン、1,2,3−トリクロロプロ
パン、エチルセルソルブ、1,1,1,−トリクロロエ
タン、メチルエチルケトン、クロロホルム、トルエン、
キシレン等を使用して塗布溶液とするとよく、塗布方法
としては、ブレードコーティング法、ディッピング法、
スピンナーコーティング法等が挙げられる。
【0085】電極13は、後述する情報記録媒体が不透
明であれば透明性を有することが必要であるが、情報記
録媒体が透明性を有する場合には透明、不透明いずれで
もよく、106 Ω・cm以下の比抵抗を安定して与える
材料、例えば、金、白金、亜鉛、チタン、銅、鉄、錫等
の金属薄膜導電膜、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜
鉛、酸化チタン、酸化タングステン、酸化バナジウム等
の金属酸化物導電膜、四級アンモニウム塩等の有機導電
膜等を、単独あるいは二種以上の複合材料として用いる
ことができる。なかでも酸化物導電体が好ましく、特に
酸化インジウム錫(ITO)が好ましい。電極13は蒸
着、スパッタリング、CVD、コーティング、メッキ、
ディッピング、電解重合等の方法により形成される。ま
たその膜厚は電極を構成する材料の電気特性、および情
報記録の際の印加電圧により変化させる必要があるが、
例えばITO膜では10〜300nm程度であり、情報
記録層との間の全面、或いは任意のパターンに合わせて
形成される。また、二種類以上の材料を積層して用いる
こともできる。
明であれば透明性を有することが必要であるが、情報記
録媒体が透明性を有する場合には透明、不透明いずれで
もよく、106 Ω・cm以下の比抵抗を安定して与える
材料、例えば、金、白金、亜鉛、チタン、銅、鉄、錫等
の金属薄膜導電膜、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜
鉛、酸化チタン、酸化タングステン、酸化バナジウム等
の金属酸化物導電膜、四級アンモニウム塩等の有機導電
膜等を、単独あるいは二種以上の複合材料として用いる
ことができる。なかでも酸化物導電体が好ましく、特に
酸化インジウム錫(ITO)が好ましい。電極13は蒸
着、スパッタリング、CVD、コーティング、メッキ、
ディッピング、電解重合等の方法により形成される。ま
たその膜厚は電極を構成する材料の電気特性、および情
報記録の際の印加電圧により変化させる必要があるが、
例えばITO膜では10〜300nm程度であり、情報
記録層との間の全面、或いは任意のパターンに合わせて
形成される。また、二種類以上の材料を積層して用いる
こともできる。
【0086】基板15は、後述する情報記録媒体が不透
明であれば透明性を有することが必要であるが、情報記
録媒体が透明性を有する場合には透明、不透明いずれで
もよく、カード、フィルム、テープ、ディスク等の形状
を有し、光センサーを強度的に支持するものである。光
センサー自体が支持性を有する場合には設ける必要がな
いが、光センサーを支持することができるある程度の強
度を有していれば、その材質、厚みは特に制限がない。
例えば可撓性のあるプラスチックフィルム、或いはガラ
ス、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルア
クリレート、ポリエステル、ポリカーボネート等のプラ
スチックシート、カード等の剛体が使用される。
明であれば透明性を有することが必要であるが、情報記
録媒体が透明性を有する場合には透明、不透明いずれで
もよく、カード、フィルム、テープ、ディスク等の形状
を有し、光センサーを強度的に支持するものである。光
センサー自体が支持性を有する場合には設ける必要がな
いが、光センサーを支持することができるある程度の強
度を有していれば、その材質、厚みは特に制限がない。
例えば可撓性のあるプラスチックフィルム、或いはガラ
ス、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルア
クリレート、ポリエステル、ポリカーボネート等のプラ
スチックシート、カード等の剛体が使用される。
【0087】なお、基板の電極13が設けられる面の他
方の面には、電極13が透明であれば必要に応じて反射
防止効果を有する層を積層するか、また反射防止効果を
発現しうる膜厚に透明基板を調整するか、更に両者を組
み合わせることにより反射防止性を付与するとよい。光
導電層には電子受容性物質、増感色素、酸化防止剤、紫
外線吸収剤、光安定剤等を添加してもよい。電子受容性
物質および増感色素にはベース電流の調整、ベース電流
の安定化、増感等の作用がある。
方の面には、電極13が透明であれば必要に応じて反射
防止効果を有する層を積層するか、また反射防止効果を
発現しうる膜厚に透明基板を調整するか、更に両者を組
み合わせることにより反射防止性を付与するとよい。光
導電層には電子受容性物質、増感色素、酸化防止剤、紫
外線吸収剤、光安定剤等を添加してもよい。電子受容性
物質および増感色素にはベース電流の調整、ベース電流
の安定化、増感等の作用がある。
【0088】電子受容性物質としては、例えばニトロ置
換ベンゼン類、アミノ置換ベンゼン類、ハロゲン置換ベ
ンゼン類、置換ナフタレン類、ベンゾキノン類、ニトロ
置換フルオレノン類、クロラニル類あるいは電荷輸送性
物質に列挙した化合物等が、増感色素としてはトリフェ
ニルメタン色素、ピリリウム塩色素、キサンテン色素、
ロイコ色素等が挙げられる。酸化防止剤としては、フェ
ノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防
止剤を、紫外線吸収剤としては、サリチル酸系紫外線吸
収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾ
ール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収
剤を、光安定剤としては、紫外線安定剤、ヒンダートア
ミン系光安定剤等を挙げることができる。電子受容物
質、増感色素は、それぞれ光導電性物質1重量部に対し
て0.0001〜1重量部、好ましくは0.01〜1重
量部の割合で添加される。0.0001重量部よりも少
ないと作用を示さず、1重量部よりも多い場合には、増
幅作用に悪影響を与える。酸化防止剤、紫外線吸収剤、
光安定剤については、単独あるいは複数を組み合わせ
て、光導電性物質1重量部に対して0.0001〜1重
量部、好ましくは0.01〜1重量部の割合で添加され
る。0.0001重量部よりも少ないとこれらの物質の
添加の効果が得られず、1重量部よりも多い場合には、
増幅作用に悪影響を与える。積層型光センサーの場合
は、電荷発生層、電荷輸送層中にそれぞれ同様の割合で
添加することができる。好ましくはこれらの物質は電荷
発生層中に添加するとよい。
換ベンゼン類、アミノ置換ベンゼン類、ハロゲン置換ベ
ンゼン類、置換ナフタレン類、ベンゾキノン類、ニトロ
置換フルオレノン類、クロラニル類あるいは電荷輸送性
物質に列挙した化合物等が、増感色素としてはトリフェ
ニルメタン色素、ピリリウム塩色素、キサンテン色素、
ロイコ色素等が挙げられる。酸化防止剤としては、フェ
ノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防
止剤を、紫外線吸収剤としては、サリチル酸系紫外線吸
収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾ
ール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収
剤を、光安定剤としては、紫外線安定剤、ヒンダートア
ミン系光安定剤等を挙げることができる。電子受容物
質、増感色素は、それぞれ光導電性物質1重量部に対し
て0.0001〜1重量部、好ましくは0.01〜1重
量部の割合で添加される。0.0001重量部よりも少
ないと作用を示さず、1重量部よりも多い場合には、増
幅作用に悪影響を与える。酸化防止剤、紫外線吸収剤、
光安定剤については、単独あるいは複数を組み合わせ
て、光導電性物質1重量部に対して0.0001〜1重
量部、好ましくは0.01〜1重量部の割合で添加され
る。0.0001重量部よりも少ないとこれらの物質の
添加の効果が得られず、1重量部よりも多い場合には、
増幅作用に悪影響を与える。積層型光センサーの場合
は、電荷発生層、電荷輸送層中にそれぞれ同様の割合で
添加することができる。好ましくはこれらの物質は電荷
発生層中に添加するとよい。
【0089】本発明の光センサーの製造工程について説
明する。 (1)基板の処理 光センサーの基板に凹凸が形成されていると、光センサ
ーの特性に悪影響を及ぼすので、基材となる青板ガラス
等の基板の表面をサンドブラスト等によって表面研磨
し、表面を±0.1μm以下に平滑にする。平滑化した
基材を、アルカリ洗浄剤、中性洗浄剤等の洗浄液、有機
溶剤等を使用して、スクラバー洗浄、超音波洗浄等の方
法によって、基材表面に付着している油脂やその他の汚
染物質を除去した後、純水によるリンスを行い、乾燥を
行って表面の清浄化を行う。 (2)電極の成膜 充分に清浄化された基板上に、電極の導電膜を形成す
る。導電膜の形成は、蒸着、スパッタリング、CVD、
めっき、ディッピング、該当する化合物の熱分解等によ
って金属、あるいはITO膜等の金属酸化物膜を形成す
る。形成する導電膜は106 Ω・cm以下の比抵抗を示
す導電膜が好ましい。また、膜厚は例えばITO膜では
10〜300nm程度であり、光透過率が80%以上の
ものが好ましい。導電膜は、光センサーの情報記録層に
対向する全面、或いは任意の形成パターンに合わせて形
成される。
明する。 (1)基板の処理 光センサーの基板に凹凸が形成されていると、光センサ
ーの特性に悪影響を及ぼすので、基材となる青板ガラス
等の基板の表面をサンドブラスト等によって表面研磨
し、表面を±0.1μm以下に平滑にする。平滑化した
基材を、アルカリ洗浄剤、中性洗浄剤等の洗浄液、有機
溶剤等を使用して、スクラバー洗浄、超音波洗浄等の方
法によって、基材表面に付着している油脂やその他の汚
染物質を除去した後、純水によるリンスを行い、乾燥を
行って表面の清浄化を行う。 (2)電極の成膜 充分に清浄化された基板上に、電極の導電膜を形成す
る。導電膜の形成は、蒸着、スパッタリング、CVD、
めっき、ディッピング、該当する化合物の熱分解等によ
って金属、あるいはITO膜等の金属酸化物膜を形成す
る。形成する導電膜は106 Ω・cm以下の比抵抗を示
す導電膜が好ましい。また、膜厚は例えばITO膜では
10〜300nm程度であり、光透過率が80%以上の
ものが好ましい。導電膜は、光センサーの情報記録層に
対向する全面、或いは任意の形成パターンに合わせて形
成される。
【0090】(3)電極の処理 ついで、基材に設けた電極を基材で行ったのと同様にし
て洗浄を行う。電極上をアルカリ洗浄剤、中性洗浄剤等
の洗浄液、有機溶剤等を使用して、スクラバー洗浄、超
音波洗浄等の方法によって、電極表面に付着している油
脂やその他の汚染物質を除去した後、純水によるリンス
を行い、乾燥を行って、表面の清浄化を行う。とくに、
スクラブ処理による洗浄が好ましく、電極上に純水を噴
射した後にナイロン、アクリル繊維等のブラシあるいは
多孔性合成樹脂等から形成されたロール等によりスクラ
ブ処理を10〜60秒間行った後に、電極上に純水を噴
射して洗浄し、次いで基板にスピンを与えて電極上の水
分を除去し、さらに赤外線乾燥を行うことが好ましい。
また、スクラブ処理工程は複数回繰り返し行ってもよ
い。 (4)光導電層の作製 電極上へ形成する光導電層が無機光導電層の場合と有機
光導電層の場合があるが、無機光導電層は、光導電性物
質をスパッタリング、蒸着、CVD等の成膜手段あるい
は、無機光導電物質の微粒子を合成樹脂中に分散して塗
布し形成する。有機光導電層の場合には、有機光導電性
物質をバインダーとともに有機溶剤中に分散する。とく
に有機光導電性物質として顔料を使用する場合には、サ
ンドグラインダー、高強度剪断分散機、コロイドミル、
超音波分散装置により顔料の微粒子の分散性を高めるこ
とが必要となる。光導電層は、単層型あるいは電荷発生
層と電荷輸送層からなる積層型のいずれでもよく、とも
に光導電層を形成した後の表面状態が画質に影響し、平
滑かつ均一であることが要求される。 (5)電荷発生層の作製 有機光導電層が単層で形成されている場合には、有機光
導電層の厚さは1〜30μmであるが、有機光導電層が
電荷発生層と電荷輸送層の二層で形成されている場合に
は、電荷発生層の厚さは0.1〜0.5μm程度の非常
に薄いものである。したがって、電荷発生層用の分散液
は高度に分散することが必要となる。このためには、分
散をサンドグラインダー、高強度剪断分散機、コロイド
ミル、超音波分散装置、分散液を高圧として高速で互い
に衝突させる乳化分散装置等を使用することができ、前
方および側方散乱光の回折光による測定で50%平均粒
径が1μm以下、好ましくは0.5μm以下に高度に分
散することが望ましい。所定の濃度に調整した塗布液
は、ろ過し凝集物等を分離した後に、電極上に塗布する
が、塗布はスピンナーコート、ブレードコート、アプリ
ケータコート等によって行う。電荷発生層の塗布は、膜
厚が薄いので、固形分の少ない塗布液を塗布し、塗布膜
を密閉した容器内に収納して溶媒の蒸発速度を制御して
塗布膜の均一性を高めることが好ましく、溶媒の大部分
が蒸発した塗布膜について本乾燥し、所定の電荷発生層
を形成する。また、あらかじめ塗布前に、基板、機器
類、材料を所定の温度範囲内の雰囲気に充分の時間放置
した後、同様雰囲気において塗布を行うことが望まし
い。さらに、塗布から塗布膜の表面に被膜が形成される
までの乾燥雰囲気の気流も塗布膜に均一性に影響をおよ
ぼすので、無風状態とすることが好ましい。雰囲気の温
度としては、0〜50℃、好ましくは5〜30℃であっ
て設定温度に対し±20%以内、好ましくは±10%が
よい。
て洗浄を行う。電極上をアルカリ洗浄剤、中性洗浄剤等
の洗浄液、有機溶剤等を使用して、スクラバー洗浄、超
音波洗浄等の方法によって、電極表面に付着している油
脂やその他の汚染物質を除去した後、純水によるリンス
を行い、乾燥を行って、表面の清浄化を行う。とくに、
スクラブ処理による洗浄が好ましく、電極上に純水を噴
射した後にナイロン、アクリル繊維等のブラシあるいは
多孔性合成樹脂等から形成されたロール等によりスクラ
ブ処理を10〜60秒間行った後に、電極上に純水を噴
射して洗浄し、次いで基板にスピンを与えて電極上の水
分を除去し、さらに赤外線乾燥を行うことが好ましい。
また、スクラブ処理工程は複数回繰り返し行ってもよ
い。 (4)光導電層の作製 電極上へ形成する光導電層が無機光導電層の場合と有機
光導電層の場合があるが、無機光導電層は、光導電性物
質をスパッタリング、蒸着、CVD等の成膜手段あるい
は、無機光導電物質の微粒子を合成樹脂中に分散して塗
布し形成する。有機光導電層の場合には、有機光導電性
物質をバインダーとともに有機溶剤中に分散する。とく
に有機光導電性物質として顔料を使用する場合には、サ
ンドグラインダー、高強度剪断分散機、コロイドミル、
超音波分散装置により顔料の微粒子の分散性を高めるこ
とが必要となる。光導電層は、単層型あるいは電荷発生
層と電荷輸送層からなる積層型のいずれでもよく、とも
に光導電層を形成した後の表面状態が画質に影響し、平
滑かつ均一であることが要求される。 (5)電荷発生層の作製 有機光導電層が単層で形成されている場合には、有機光
導電層の厚さは1〜30μmであるが、有機光導電層が
電荷発生層と電荷輸送層の二層で形成されている場合に
は、電荷発生層の厚さは0.1〜0.5μm程度の非常
に薄いものである。したがって、電荷発生層用の分散液
は高度に分散することが必要となる。このためには、分
散をサンドグラインダー、高強度剪断分散機、コロイド
ミル、超音波分散装置、分散液を高圧として高速で互い
に衝突させる乳化分散装置等を使用することができ、前
方および側方散乱光の回折光による測定で50%平均粒
径が1μm以下、好ましくは0.5μm以下に高度に分
散することが望ましい。所定の濃度に調整した塗布液
は、ろ過し凝集物等を分離した後に、電極上に塗布する
が、塗布はスピンナーコート、ブレードコート、アプリ
ケータコート等によって行う。電荷発生層の塗布は、膜
厚が薄いので、固形分の少ない塗布液を塗布し、塗布膜
を密閉した容器内に収納して溶媒の蒸発速度を制御して
塗布膜の均一性を高めることが好ましく、溶媒の大部分
が蒸発した塗布膜について本乾燥し、所定の電荷発生層
を形成する。また、あらかじめ塗布前に、基板、機器
類、材料を所定の温度範囲内の雰囲気に充分の時間放置
した後、同様雰囲気において塗布を行うことが望まし
い。さらに、塗布から塗布膜の表面に被膜が形成される
までの乾燥雰囲気の気流も塗布膜に均一性に影響をおよ
ぼすので、無風状態とすることが好ましい。雰囲気の温
度としては、0〜50℃、好ましくは5〜30℃であっ
て設定温度に対し±20%以内、好ましくは±10%が
よい。
【0091】(6)電荷輸送層の作製 光導電層を電荷発生層と電荷輸送層の二層で構成した場
合には、電荷発生層上に電荷輸送層の塗布液を作製し、
均一に溶解した後にろ過を行い電荷発生層と同様の方法
によって、電荷発生層上に塗布し、膜厚を均一化するた
めに、乾燥雰囲気中の有機溶剤を調整しながら有機溶剤
を除去し、有機溶剤が揮散した後に本乾燥を行う。この
際、電荷輸送層の表面状態は塗布液中からの有機溶媒の
蒸発速度に依存するので、蒸発速度を適当に調整するこ
とが必要である。溶媒として蒸発乾燥速度が速い有機溶
媒を使用した場合には、波状の膜厚むらが生じ均一な塗
膜を得ることが困難であり、蒸発速度が遅い有機溶媒を
使用した場合には、乾燥時間が長くなるとともに、表面
張力の影響により膜厚に差が生じ易く、乾燥速度が速い
有機溶媒と乾燥速度が遅い有機溶媒とからなる混合溶媒
を溶剤として塗布液を作製するとよい塗膜が得られ、と
くに蒸気圧が100mmHg以上の蒸発速度が速い溶媒
と、蒸気圧が100mmHg以下の蒸発速度が遅い溶媒
とを組み合わせて用いることが好ましい。蒸発速度が速
い有機溶媒には、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメ
タン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサン、クロロホ
ルム等をあげることができ、また、蒸発速度が遅い有機
溶媒には、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベン
ゼン、1,4−ジオキサン、1,2,3−トリクロロプ
ロパン、メチルエチルケトン、トルエンなどを挙げるこ
とができる。また、塗布雰囲気温度や塗布液乾燥温度が
溶媒蒸発に大きな影響を与えるため、温度調整をするこ
とが望ましく、塗布雰囲気温度としては0〜50℃、好
ましくは5〜30℃であって、設定温度に対して±20
%、好ましくは±10%が良い。塗布膜の乾燥雰囲気温
度は、使用する溶媒によって決定すればよいが、60〜
100℃の範囲とし、±5%以内とすることが好まし
い。また、電荷発生層塗布と同様に、あらかじめ塗布前
に、基板、機器類、材料を所定の温度範囲内雰囲気に充
分に放置した後、同様の雰囲気において塗布を行うこと
が好ましい。さらに塗布から塗布膜の表面に被膜が形成
されるまでの乾燥雰囲気の気流も塗布膜の均一性に影響
を及ぼすので、無風状態とすることが好ましい。また、
本発明の光センサーをより高感度化するためには、電荷
輸送層中の電荷輸送剤成分のバインダーに対する重量比
を大きくすることが好ましく、特に5:1以上とするこ
とが好ましいが、電荷輸送剤成分の割合が多くなると塗
布膜強度が低下し、乾燥工程においてひび割れが発生し
やすいため、塗膜乾燥工程終了後に乾燥温度から室温ま
で徐冷却することが望ましく、特に1分間に4℃以下の
冷却速度で冷却することが好ましい。
合には、電荷発生層上に電荷輸送層の塗布液を作製し、
均一に溶解した後にろ過を行い電荷発生層と同様の方法
によって、電荷発生層上に塗布し、膜厚を均一化するた
めに、乾燥雰囲気中の有機溶剤を調整しながら有機溶剤
を除去し、有機溶剤が揮散した後に本乾燥を行う。この
際、電荷輸送層の表面状態は塗布液中からの有機溶媒の
蒸発速度に依存するので、蒸発速度を適当に調整するこ
とが必要である。溶媒として蒸発乾燥速度が速い有機溶
媒を使用した場合には、波状の膜厚むらが生じ均一な塗
膜を得ることが困難であり、蒸発速度が遅い有機溶媒を
使用した場合には、乾燥時間が長くなるとともに、表面
張力の影響により膜厚に差が生じ易く、乾燥速度が速い
有機溶媒と乾燥速度が遅い有機溶媒とからなる混合溶媒
を溶剤として塗布液を作製するとよい塗膜が得られ、と
くに蒸気圧が100mmHg以上の蒸発速度が速い溶媒
と、蒸気圧が100mmHg以下の蒸発速度が遅い溶媒
とを組み合わせて用いることが好ましい。蒸発速度が速
い有機溶媒には、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメ
タン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサン、クロロホ
ルム等をあげることができ、また、蒸発速度が遅い有機
溶媒には、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベン
ゼン、1,4−ジオキサン、1,2,3−トリクロロプ
ロパン、メチルエチルケトン、トルエンなどを挙げるこ
とができる。また、塗布雰囲気温度や塗布液乾燥温度が
溶媒蒸発に大きな影響を与えるため、温度調整をするこ
とが望ましく、塗布雰囲気温度としては0〜50℃、好
ましくは5〜30℃であって、設定温度に対して±20
%、好ましくは±10%が良い。塗布膜の乾燥雰囲気温
度は、使用する溶媒によって決定すればよいが、60〜
100℃の範囲とし、±5%以内とすることが好まし
い。また、電荷発生層塗布と同様に、あらかじめ塗布前
に、基板、機器類、材料を所定の温度範囲内雰囲気に充
分に放置した後、同様の雰囲気において塗布を行うこと
が好ましい。さらに塗布から塗布膜の表面に被膜が形成
されるまでの乾燥雰囲気の気流も塗布膜の均一性に影響
を及ぼすので、無風状態とすることが好ましい。また、
本発明の光センサーをより高感度化するためには、電荷
輸送層中の電荷輸送剤成分のバインダーに対する重量比
を大きくすることが好ましく、特に5:1以上とするこ
とが好ましいが、電荷輸送剤成分の割合が多くなると塗
布膜強度が低下し、乾燥工程においてひび割れが発生し
やすいため、塗膜乾燥工程終了後に乾燥温度から室温ま
で徐冷却することが望ましく、特に1分間に4℃以下の
冷却速度で冷却することが好ましい。
【0092】(7)保存 本乾燥を行った光センサーは、保存時の明暗、温度、湿
度、雰囲気等を調整して保存することが好ましく、相対
湿度60%以下の暗所下に保存を行い、エージングを行
うことにより、光センサーの性能を十分に引き出すこと
ができる。
度、雰囲気等を調整して保存することが好ましく、相対
湿度60%以下の暗所下に保存を行い、エージングを行
うことにより、光センサーの性能を十分に引き出すこと
ができる。
【0093】(8)切断および電極出し 得られた光センサーは、所定の大きさに切断するととも
に、露光時の電圧印加用の電極の接続部を形成する。次
に本発明の光センサーの光導電層に光メモリー効果(光
疲労作用)を有する光導電層を用いる場合について説明
する。光メモリー効果とは光照射により導電性が上昇し
光照射後においてもその上昇した導電性を一定期間持続
する作用のことをいう。例えば、光メモリー効果を有す
る感光体としては、特公平4−66022号公報等で用
いられる感光体が挙げられる。このような光メモリー効
果を有する光導電層は、単層型光センサーにおける光導
電層に使用した有機高分子光導電性物質および有機低分
子光導電性物質の絶縁性バインダー樹脂中への分散物か
ら形成され、単層型光センサーと全く同様に用いられ
る。しかしながら、このような従来の光メモリー性を有
する感光体を、本発明の光センサーとしてそのまま用い
ても情報記録媒体への情報記録用の光センサーとして使
用することはできない。このように本発明の光センサー
は、その作用、使用方法が全く異なり、従来から知られ
ている光メモリー効果とは相違するものである。
に、露光時の電圧印加用の電極の接続部を形成する。次
に本発明の光センサーの光導電層に光メモリー効果(光
疲労作用)を有する光導電層を用いる場合について説明
する。光メモリー効果とは光照射により導電性が上昇し
光照射後においてもその上昇した導電性を一定期間持続
する作用のことをいう。例えば、光メモリー効果を有す
る感光体としては、特公平4−66022号公報等で用
いられる感光体が挙げられる。このような光メモリー効
果を有する光導電層は、単層型光センサーにおける光導
電層に使用した有機高分子光導電性物質および有機低分
子光導電性物質の絶縁性バインダー樹脂中への分散物か
ら形成され、単層型光センサーと全く同様に用いられ
る。しかしながら、このような従来の光メモリー性を有
する感光体を、本発明の光センサーとしてそのまま用い
ても情報記録媒体への情報記録用の光センサーとして使
用することはできない。このように本発明の光センサー
は、その作用、使用方法が全く異なり、従来から知られ
ている光メモリー効果とは相違するものである。
【0094】十分な光メモリー効果を生じさせるために
は、前記光導電層中に、メモリー効果付与剤を添加する
必要がある。このようなメモリー効果付与剤としては、
まず、下記一般式(1)で示されるアリールメタン系色
素が挙げられる。
は、前記光導電層中に、メモリー効果付与剤を添加する
必要がある。このようなメモリー効果付与剤としては、
まず、下記一般式(1)で示されるアリールメタン系色
素が挙げられる。
【0095】
【化24】
【0096】(前記式中、R1 、R2 、R3 の少なくと
も1つは下記(2)式または(3)式で表されるもので
あり、また下記(2)式または(3)式で表されるもの
でなければ、水素原子、アルキル基、アリール基、また
はアラルキル基を表す。)
も1つは下記(2)式または(3)式で表されるもので
あり、また下記(2)式または(3)式で表されるもの
でなければ、水素原子、アルキル基、アリール基、また
はアラルキル基を表す。)
【0097】
【化25】
【0098】また、前記一般式(1)中、X- はアニオ
ンを示し、例えばCl- 、Br- 、I- 等のハロゲンイ
オン、BF4 −、SbF6 −、PF6 −、AsF6 −等
のアニオン、又はMn Xm - (式中、Mは金属原子、X
はハロゲン原子、mおよびnは整数を表す)。前記一般
式(1)で表される化合物のうち、R1 、R2 がN−エ
チル置換カルバゾール基でR3 がフェニル基であるアリ
ールメタン系色素、またはR1 、R2がp−ジメチルア
ミノフェニル基でR3 がフェニル基であるアリールメタ
ン色素とBF6 - 、PF6 - などの共有結合性の錯陰イ
オンとの組合せが持続導電性の高い光導電層を与えるの
で好ましい。
ンを示し、例えばCl- 、Br- 、I- 等のハロゲンイ
オン、BF4 −、SbF6 −、PF6 −、AsF6 −等
のアニオン、又はMn Xm - (式中、Mは金属原子、X
はハロゲン原子、mおよびnは整数を表す)。前記一般
式(1)で表される化合物のうち、R1 、R2 がN−エ
チル置換カルバゾール基でR3 がフェニル基であるアリ
ールメタン系色素、またはR1 、R2がp−ジメチルア
ミノフェニル基でR3 がフェニル基であるアリールメタ
ン色素とBF6 - 、PF6 - などの共有結合性の錯陰イ
オンとの組合せが持続導電性の高い光導電層を与えるの
で好ましい。
【0099】また、他のメモリー効果付与物質として、
ジアゾニウム塩類、酸無水物、o−ベンゾスルホイミ
ド、ニンヒドリン類、シアノ化合物、ニトロ化合物、塩
化スルホニル類、ジフェニルまたはトリフェニルメタン
類、o−ベンゾイル安息香酸等が挙げられる。これらの
中で好ましい具体例を下記に示す。
ジアゾニウム塩類、酸無水物、o−ベンゾスルホイミ
ド、ニンヒドリン類、シアノ化合物、ニトロ化合物、塩
化スルホニル類、ジフェニルまたはトリフェニルメタン
類、o−ベンゾイル安息香酸等が挙げられる。これらの
中で好ましい具体例を下記に示す。
【0100】
【化26】
【0101】更に、メモリー効果付与物質として、下記
具体例で示されるロイコ色素群が挙げられる。
具体例で示されるロイコ色素群が挙げられる。
【0102】
【化27】
【0103】
【化28】
【0104】
【化29】
【0105】
【化30】
【0106】これらのメモリー効果付与剤は、有機光導
電性物質1重量部に対して0.001〜1重量部、好ま
しくは0.001〜0.1重量部の割合で添加される。
メモリー効果付与剤の添加量が1重量部を越えると、光
センサーとしての増幅機能が著しく低下するので好まし
くない。また、メモリー効果付与物質は、分光感度が可
視光領域にないものもあり、可視光領域の光情報を利用
する場合には、可視光領域での感度を付与するために電
子受容性物質、増感色素等を更に添加することができ
る。電子受容性物質としては、例えばニトロ置換ベンゼ
ン、ジアミノ置換ベンゼン、ハロゲン置換ベンゼン、キ
ノン類、トリニトロフルオレノン等がある。また増感色
素としてはトリフェニルメタン色素、ピリリウム塩色
素、キサンテン色素などが挙げられる。電子受容性物
質、増感色素等は、有機光導電性物質1重量部に対して
0.001〜1重量部、好ましくは0.01〜1重量部
の割合で添加される。同時に光情報が赤外領域にある場
合には、フタロシアニン等の顔料、ピロール系、シアニ
ン系等の色素を同量程度添加するとよく、逆に紫外領域
にあるいはそれ以下の波長域に情報光がある場合には、
それぞれの波長吸収物質を同量添加することで目的が達
成される。
電性物質1重量部に対して0.001〜1重量部、好ま
しくは0.001〜0.1重量部の割合で添加される。
メモリー効果付与剤の添加量が1重量部を越えると、光
センサーとしての増幅機能が著しく低下するので好まし
くない。また、メモリー効果付与物質は、分光感度が可
視光領域にないものもあり、可視光領域の光情報を利用
する場合には、可視光領域での感度を付与するために電
子受容性物質、増感色素等を更に添加することができ
る。電子受容性物質としては、例えばニトロ置換ベンゼ
ン、ジアミノ置換ベンゼン、ハロゲン置換ベンゼン、キ
ノン類、トリニトロフルオレノン等がある。また増感色
素としてはトリフェニルメタン色素、ピリリウム塩色
素、キサンテン色素などが挙げられる。電子受容性物
質、増感色素等は、有機光導電性物質1重量部に対して
0.001〜1重量部、好ましくは0.01〜1重量部
の割合で添加される。同時に光情報が赤外領域にある場
合には、フタロシアニン等の顔料、ピロール系、シアニ
ン系等の色素を同量程度添加するとよく、逆に紫外領域
にあるいはそれ以下の波長域に情報光がある場合には、
それぞれの波長吸収物質を同量添加することで目的が達
成される。
【0107】このようにして作製した光センサーは作製
したままの状態では、本発明の特徴である半導電性を有
さないため、本発明で使用することはできない。本発明
で使用するためには、明所に所定時間以上に放置するこ
とにより、暗所においても所定の半導電性を示すセンサ
ーとなる。また、光センサーとしての使用前に十分な露
光量の光を全面に一様露光した後使用しても良い。
したままの状態では、本発明の特徴である半導電性を有
さないため、本発明で使用することはできない。本発明
で使用するためには、明所に所定時間以上に放置するこ
とにより、暗所においても所定の半導電性を示すセンサ
ーとなる。また、光センサーとしての使用前に十分な露
光量の光を全面に一様露光した後使用しても良い。
【0108】このメモリー効果により導電性上昇が引き
起こされる機構は明かではないが、光照射によってメモ
リー効果付与剤の基底レベルにある電子が励起され、活
性化レベルに引き上げられ、その基底レベルには正孔が
生成する。メモリー効果付与剤と有機光導電性物質とは
電子レベルが比較的接近していると考えられるので、相
互作用を引き起こしある準安定化状態となり、その結果
としてメモリー効果付与剤の対イオンが準安定的に存在
することとなり、準安定化状態であるためにメモリー性
として観測される。この準安定な対イオンが前述のトラ
ップサイトと同様の働きをし、導電性の上昇と増幅作用
を引き起こすものと考えられる。
起こされる機構は明かではないが、光照射によってメモ
リー効果付与剤の基底レベルにある電子が励起され、活
性化レベルに引き上げられ、その基底レベルには正孔が
生成する。メモリー効果付与剤と有機光導電性物質とは
電子レベルが比較的接近していると考えられるので、相
互作用を引き起こしある準安定化状態となり、その結果
としてメモリー効果付与剤の対イオンが準安定的に存在
することとなり、準安定化状態であるためにメモリー性
として観測される。この準安定な対イオンが前述のトラ
ップサイトと同様の働きをし、導電性の上昇と増幅作用
を引き起こすものと考えられる。
【0109】従来から知られているメモリー効果(持続
導電性)を有するといわれているものは、作製したのみ
で特別な処理をしていない状態では絶縁性であり、これ
に光パターンを与えることにより導電性を与える過程に
おいて、パターン状持続導電性が生じる。この絶縁性の
部分と持続導電性部分の差を利用して画像形成を行うも
のである。ただし、持続導電性が生じたということのみ
であり、このことをさらに光増幅作用と十分に結びつけ
た事例はない。本発明では使用する段階において既に半
導電性であることが本発明の特徴である増幅作用にとっ
て必要不可欠の物性であり、半導電性のものでのみ増幅
作用が生じ、絶縁性のものでは本発明の増幅作用は生じ
ない。
導電性)を有するといわれているものは、作製したのみ
で特別な処理をしていない状態では絶縁性であり、これ
に光パターンを与えることにより導電性を与える過程に
おいて、パターン状持続導電性が生じる。この絶縁性の
部分と持続導電性部分の差を利用して画像形成を行うも
のである。ただし、持続導電性が生じたということのみ
であり、このことをさらに光増幅作用と十分に結びつけ
た事例はない。本発明では使用する段階において既に半
導電性であることが本発明の特徴である増幅作用にとっ
て必要不可欠の物性であり、半導電性のものでのみ増幅
作用が生じ、絶縁性のものでは本発明の増幅作用は生じ
ない。
【0110】次に、本発明の情報記録装置について説明
する。図3は、第1の情報記録システムの態様を説明す
るための断面図で、情報記録層11、電極13′を順次
積層した情報記録媒体2と上述した光センサー1とをス
ペーサー19を介して対向配置し、積層して構成され
る。なお、以下の情報記録システムにおいて、光センサ
ーとして積層型光センサーでもって例示するが、単層型
光センサーも同様に使用される。
する。図3は、第1の情報記録システムの態様を説明す
るための断面図で、情報記録層11、電極13′を順次
積層した情報記録媒体2と上述した光センサー1とをス
ペーサー19を介して対向配置し、積層して構成され
る。なお、以下の情報記録システムにおいて、光センサ
ーとして積層型光センサーでもって例示するが、単層型
光センサーも同様に使用される。
【0111】情報記録媒体2について説明する。まず、
本発明における情報記録媒体としては、その情報記録層
が高分子分散型液晶とする場合が挙げられる。高分子分
散型液晶は液晶相中に樹脂粒子が分散した構造を有して
いるが、液晶材料は、スメクチック液晶、ネマチック液
晶、コレステリック液晶あるいはこれらの混合物を使用
することができる。液晶としては、その配向性を保持
し、情報を永続的に保持させる、所謂メモリー性の観点
から、スメクチック液晶を使用するのが好ましい。スメ
クチック液晶としては、液晶性を呈する物質の末端基の
炭素鎖が長いシアノビフェニル系、シアノターフェニル
系、フェニルエステル系、更にフッ素系等のスメクチッ
クA相を呈する液晶物質、強誘電性液晶として用いられ
るスメクチックC相を呈する液晶物質、或いはスメクチ
ックH、G、E、F等を呈する液晶物質等が挙げられ
る。
本発明における情報記録媒体としては、その情報記録層
が高分子分散型液晶とする場合が挙げられる。高分子分
散型液晶は液晶相中に樹脂粒子が分散した構造を有して
いるが、液晶材料は、スメクチック液晶、ネマチック液
晶、コレステリック液晶あるいはこれらの混合物を使用
することができる。液晶としては、その配向性を保持
し、情報を永続的に保持させる、所謂メモリー性の観点
から、スメクチック液晶を使用するのが好ましい。スメ
クチック液晶としては、液晶性を呈する物質の末端基の
炭素鎖が長いシアノビフェニル系、シアノターフェニル
系、フェニルエステル系、更にフッ素系等のスメクチッ
クA相を呈する液晶物質、強誘電性液晶として用いられ
るスメクチックC相を呈する液晶物質、或いはスメクチ
ックH、G、E、F等を呈する液晶物質等が挙げられ
る。
【0112】又、ネマチック液晶を使用してもよく、ス
メクチック或いはコレステリック液晶と混合することに
よりメモリー性を向上させることができ、例えば、シッ
フ塩基系、アゾキシ系、アゾ系、安息香酸フェニルエス
テル系、シクロヘキシル酸フェニルエステル系、ビフェ
ニル系、ターフェニル系、フェニルシクロヘキサン系、
フェニルピリジン系、フェニルオキサジン系、多環エタ
ン系、フェニルシクロヘキセン系、シクロヘキシルピリ
ミジン系、フェニル系、トラン系等の公知のネマチック
液晶を使用できる。又、ポリビニルアルコール等と液晶
材料を混合してマイクロカプセル化したものも使用でき
る。なお、液晶材料を選ぶ際には、屈折率の異方向性の
大きい材料の方がコントラストがとれるので好ましい。
メクチック或いはコレステリック液晶と混合することに
よりメモリー性を向上させることができ、例えば、シッ
フ塩基系、アゾキシ系、アゾ系、安息香酸フェニルエス
テル系、シクロヘキシル酸フェニルエステル系、ビフェ
ニル系、ターフェニル系、フェニルシクロヘキサン系、
フェニルピリジン系、フェニルオキサジン系、多環エタ
ン系、フェニルシクロヘキセン系、シクロヘキシルピリ
ミジン系、フェニル系、トラン系等の公知のネマチック
液晶を使用できる。又、ポリビニルアルコール等と液晶
材料を混合してマイクロカプセル化したものも使用でき
る。なお、液晶材料を選ぶ際には、屈折率の異方向性の
大きい材料の方がコントラストがとれるので好ましい。
【0113】樹脂粒子を形成する材料としては、例え
ば、紫外線硬化型樹脂であって、モノマー、オリゴマー
の状態で液晶材料と相溶性を有するもの、或いはモノマ
ー、オリゴマーの状態で液晶材料と共通の溶媒に相溶性
を有するものを好ましく使用できる。このような紫外線
硬化型樹脂としては、例えばアクリル酸エステル、メタ
クリル酸エステル等が挙げられ、モノマー、オリゴマー
の状態で、例えばジペンタエリスリトールヘキサアクリ
レート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ポ
リエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレン
グリコールジアクリレート、イソシアヌール酸(エチレ
ンオキサイド変性)トリアクリレート、ジペンタエリス
リトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトール
テトラアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリ
レート、ヘキサンジオールジアクリレート等の多官能性
モノマー或いは多官能性ウレタン系、エステル系オリゴ
マー、更にノニルフェノール変性アクリレート、N−ビ
ニル−2−ピロリドン、2−ヒドロキシ−3−フェノキ
シプロピルアクリレート等の単官能性モノマー或いはオ
リゴマー等が挙げられる。溶媒としては、共通の溶媒で
あれば特に問題はなく、例えばキシレン等に代表される
炭化水素系溶媒、クロロホルム等に代表されるハロゲン
化炭化水素系溶媒、メチルセロソルブ等に代表されるア
ルコール誘導体系溶媒、ジオキサン等に代表されるエー
テル系溶媒等が挙げられる。
ば、紫外線硬化型樹脂であって、モノマー、オリゴマー
の状態で液晶材料と相溶性を有するもの、或いはモノマ
ー、オリゴマーの状態で液晶材料と共通の溶媒に相溶性
を有するものを好ましく使用できる。このような紫外線
硬化型樹脂としては、例えばアクリル酸エステル、メタ
クリル酸エステル等が挙げられ、モノマー、オリゴマー
の状態で、例えばジペンタエリスリトールヘキサアクリ
レート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ポ
リエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレン
グリコールジアクリレート、イソシアヌール酸(エチレ
ンオキサイド変性)トリアクリレート、ジペンタエリス
リトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトール
テトラアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリ
レート、ヘキサンジオールジアクリレート等の多官能性
モノマー或いは多官能性ウレタン系、エステル系オリゴ
マー、更にノニルフェノール変性アクリレート、N−ビ
ニル−2−ピロリドン、2−ヒドロキシ−3−フェノキ
シプロピルアクリレート等の単官能性モノマー或いはオ
リゴマー等が挙げられる。溶媒としては、共通の溶媒で
あれば特に問題はなく、例えばキシレン等に代表される
炭化水素系溶媒、クロロホルム等に代表されるハロゲン
化炭化水素系溶媒、メチルセロソルブ等に代表されるア
ルコール誘導体系溶媒、ジオキサン等に代表されるエー
テル系溶媒等が挙げられる。
【0114】紫外線硬化型樹脂を硬化させる光硬化剤と
しては、例えば2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェ
ニルプロパン−1−オン(メルク社製 ダロキュア11
73)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
(チバ・ガイギー社製 イルガキュア184)、1−
(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−
メチルプロパン−1−オン(メルク社製 ダロキュア1
116)、ベンジルジメチルケタール(チバ・ガイギー
社製 イルガキュア651)、2−メチル−1−〔4−
(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパノン
−1(チバ・ガイギー社製 イルガキュア907)、
2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬社製 カヤ
キュアDETX)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチル
(日本化薬社製カヤキュアEPA)との混合物、イソプ
ロピルチオキサントン(ワードブレキンソップ社製 ク
ンタキュア・ITX)とp−ジメチルアミノ安息香酸エ
チルとの混合物等が挙げられるが、液状である2−ヒド
ロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン
が液晶材料、重合体形成性モノマー若しくはオリゴマー
との相溶性の面で特に好ましい。液晶材料と樹脂の使用
割合は、液晶の含有量が10重量%〜90重量%、好ま
しくは40重量%〜80重量%となるように使用すると
よく、10重量%未満であると情報記録により液晶相が
配向しても光透過性が低く、また、90重量%を越える
と液晶の滲み出し等の現象が生じ、画像ムラが生じ好ま
しくない。液晶は情報記録相中に多く存在させることに
より、コントラスト比を向上させ、動作電圧を低くする
ことができる。情報記録層の形成方法は、樹脂形成用材
料と液晶、光硬化剤等を溶媒に溶解または分散させた混
合溶液を、電極上にブレードコーター、ロールコータ
ー、或いはスピンコーター等の塗布方法により塗布し、
光または熱により樹脂形成用材料を硬化させることによ
り形成される。なお、必要に応じて、溶液の塗布適性を
向上させ、表面性を良くするためにレベリング剤を添加
してもよい。
しては、例えば2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェ
ニルプロパン−1−オン(メルク社製 ダロキュア11
73)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
(チバ・ガイギー社製 イルガキュア184)、1−
(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−
メチルプロパン−1−オン(メルク社製 ダロキュア1
116)、ベンジルジメチルケタール(チバ・ガイギー
社製 イルガキュア651)、2−メチル−1−〔4−
(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパノン
−1(チバ・ガイギー社製 イルガキュア907)、
2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬社製 カヤ
キュアDETX)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチル
(日本化薬社製カヤキュアEPA)との混合物、イソプ
ロピルチオキサントン(ワードブレキンソップ社製 ク
ンタキュア・ITX)とp−ジメチルアミノ安息香酸エ
チルとの混合物等が挙げられるが、液状である2−ヒド
ロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン
が液晶材料、重合体形成性モノマー若しくはオリゴマー
との相溶性の面で特に好ましい。液晶材料と樹脂の使用
割合は、液晶の含有量が10重量%〜90重量%、好ま
しくは40重量%〜80重量%となるように使用すると
よく、10重量%未満であると情報記録により液晶相が
配向しても光透過性が低く、また、90重量%を越える
と液晶の滲み出し等の現象が生じ、画像ムラが生じ好ま
しくない。液晶は情報記録相中に多く存在させることに
より、コントラスト比を向上させ、動作電圧を低くする
ことができる。情報記録層の形成方法は、樹脂形成用材
料と液晶、光硬化剤等を溶媒に溶解または分散させた混
合溶液を、電極上にブレードコーター、ロールコータ
ー、或いはスピンコーター等の塗布方法により塗布し、
光または熱により樹脂形成用材料を硬化させることによ
り形成される。なお、必要に応じて、溶液の塗布適性を
向上させ、表面性を良くするためにレベリング剤を添加
してもよい。
【0115】情報記録層形成にあたっては、樹脂形成用
材料と液晶との混合液が等方相を保持する温度以上に混
合溶液を加熱し、液晶と紫外線硬化型樹脂形成材料とを
完全に相溶させることが必要であり、これにより、樹脂
相と液晶相とが均一に分散した情報記録層とすることが
できる。液晶が等方相を示す温度以下で紫外線硬化させ
ると、液晶と紫外線硬化型樹脂材料との相分離が大きく
なるという問題が生じる。すなわち、液晶ドメインが成
長しすぎ、情報記録層表面にスキン層が完全に形成され
ず、液晶の滲み出し現象が生じたり、また紫外線硬化型
樹脂がマット化し、正確に情報を取り込むことが困難と
なり、好ましくなく、紫外線硬化型樹脂が液晶を保持で
きず、情報記録層を形成されないことすらある。他方、
溶媒を蒸発させる際に、等方相を保持するために加熱が
必要な場合には、特に電極に対する濡れ性が低下し、均
一な情報記録層が得られないという問題がある。
材料と液晶との混合液が等方相を保持する温度以上に混
合溶液を加熱し、液晶と紫外線硬化型樹脂形成材料とを
完全に相溶させることが必要であり、これにより、樹脂
相と液晶相とが均一に分散した情報記録層とすることが
できる。液晶が等方相を示す温度以下で紫外線硬化させ
ると、液晶と紫外線硬化型樹脂材料との相分離が大きく
なるという問題が生じる。すなわち、液晶ドメインが成
長しすぎ、情報記録層表面にスキン層が完全に形成され
ず、液晶の滲み出し現象が生じたり、また紫外線硬化型
樹脂がマット化し、正確に情報を取り込むことが困難と
なり、好ましくなく、紫外線硬化型樹脂が液晶を保持で
きず、情報記録層を形成されないことすらある。他方、
溶媒を蒸発させる際に、等方相を保持するために加熱が
必要な場合には、特に電極に対する濡れ性が低下し、均
一な情報記録層が得られないという問題がある。
【0116】電極に対する濡れ性を維持するとともに情
報記録層の表面に被膜を形成することを目的として、情
報記録層にフッ素系界面活性剤を添加するとよい。この
ようなフッ素系界面活性剤としては、例えば住友スリー
エム(株)製、フロラードFC−430、同フロラード
FC−431、N−(n−プロピル)−N−(β−アク
リロキシエチル)−パーフルオロオクチルスルホン酸ア
ミド(三菱マテリアル(株)製EF−125M)、N−
(n−プロピル)−N−(β−メタクリロキシエチル)
−パーフルオロオクチルスルホン酸アミド(三菱マテリ
アル(株)製EF−135M)、パーフルオロオクタン
スルホン酸(三菱マテリアル(株)製EF−101)、
パーフルオロカプリル酸(三菱マテリアル(株)製EF
−201)、N−(n−プロピル)−N−パーフルオロ
オクタンスルホン酸アミドエタノール(三菱マテリアル
(株)製EF−121)、更に三菱マテリアル(株)製
EF−102、同EF−103、同EF−104、同E
F−105、同EF−112、同EF−121、同EF
−122A、同EF−122B、同EF−122C、同
EF−122A3、同EF−123A、同EF−123
B、同EF−132、同EF−301、同EF−30
3、同EF−305、同EF−306A、同EF−50
1、同EF−700、同EF−201、同EF−20
4、同EF−351、同EF−352、同EF−80
1、同EF−802、同EF−125DS、同EF−1
200、同EF−L102、同EF−L155、同EF
−L174、同EF−L215等が挙げられる。また、
3−(2−パーフルオロヘキシル)エトキシ−1,2−
ジヒドロキシプロパン(三菱マテリアル(株)製MF−
100)、N−n−プロピル−N−2,3−ジヒドロキ
シプロピルパーフルオロオクチルスルホンアミド(三菱
マテリアル(株)製MF−110)、3−(2−パーフ
ルオロヘキシル)エトキシ−1,2−エポキシプロパン
(三菱マテリアル(株)製MF−120)、N−n−プ
ロピル−N−2,3−エポキシプロピルパーフルオロオ
クチルスルホンアミド(三菱マテリアル(株)製MF−
130)、パーフルオロヘキシルエチレン(三菱マテリ
アル(株)製MF−140)、N−(3−トリメトキシ
シリル)プロピル)パーフルオロヘプチルカルボン酸ア
ミド(三菱マテリアル(株)製MF−150)、N−
(3−トリメトキシシリル)プロピル)パーフルオロヘ
プチルスルホンアミド(三菱マテリアル(株)製MF−
160)等が挙げられる。フッ素系界面活性剤は、液晶
と樹脂形成材料との合計量に対して0.1〜20重量%
の割合で添加される。
報記録層の表面に被膜を形成することを目的として、情
報記録層にフッ素系界面活性剤を添加するとよい。この
ようなフッ素系界面活性剤としては、例えば住友スリー
エム(株)製、フロラードFC−430、同フロラード
FC−431、N−(n−プロピル)−N−(β−アク
リロキシエチル)−パーフルオロオクチルスルホン酸ア
ミド(三菱マテリアル(株)製EF−125M)、N−
(n−プロピル)−N−(β−メタクリロキシエチル)
−パーフルオロオクチルスルホン酸アミド(三菱マテリ
アル(株)製EF−135M)、パーフルオロオクタン
スルホン酸(三菱マテリアル(株)製EF−101)、
パーフルオロカプリル酸(三菱マテリアル(株)製EF
−201)、N−(n−プロピル)−N−パーフルオロ
オクタンスルホン酸アミドエタノール(三菱マテリアル
(株)製EF−121)、更に三菱マテリアル(株)製
EF−102、同EF−103、同EF−104、同E
F−105、同EF−112、同EF−121、同EF
−122A、同EF−122B、同EF−122C、同
EF−122A3、同EF−123A、同EF−123
B、同EF−132、同EF−301、同EF−30
3、同EF−305、同EF−306A、同EF−50
1、同EF−700、同EF−201、同EF−20
4、同EF−351、同EF−352、同EF−80
1、同EF−802、同EF−125DS、同EF−1
200、同EF−L102、同EF−L155、同EF
−L174、同EF−L215等が挙げられる。また、
3−(2−パーフルオロヘキシル)エトキシ−1,2−
ジヒドロキシプロパン(三菱マテリアル(株)製MF−
100)、N−n−プロピル−N−2,3−ジヒドロキ
シプロピルパーフルオロオクチルスルホンアミド(三菱
マテリアル(株)製MF−110)、3−(2−パーフ
ルオロヘキシル)エトキシ−1,2−エポキシプロパン
(三菱マテリアル(株)製MF−120)、N−n−プ
ロピル−N−2,3−エポキシプロピルパーフルオロオ
クチルスルホンアミド(三菱マテリアル(株)製MF−
130)、パーフルオロヘキシルエチレン(三菱マテリ
アル(株)製MF−140)、N−(3−トリメトキシ
シリル)プロピル)パーフルオロヘプチルカルボン酸ア
ミド(三菱マテリアル(株)製MF−150)、N−
(3−トリメトキシシリル)プロピル)パーフルオロヘ
プチルスルホンアミド(三菱マテリアル(株)製MF−
160)等が挙げられる。フッ素系界面活性剤は、液晶
と樹脂形成材料との合計量に対して0.1〜20重量%
の割合で添加される。
【0117】また、情報記録層形成における塗布溶液に
おける固形分濃度は10〜60重量%とするとよく、硬
化に際して、樹脂の種類、濃度、塗布層温度、また紫外
線照射条件等の硬化条件を適宜に設定することにより、
外表皮層として液晶相を有しない樹脂層のみからなるス
キン層を良好に形成させることができ、これにより情報
記録層における液晶の使用割合を増大することができ、
また液晶の滲み出しを無くすることができる。以上、樹
脂材料として紫外線硬化型樹脂について説明したが、そ
の他、液晶材料と共通の溶媒に相溶性を有する溶媒可溶
型の熱硬化性樹脂、例えばアクリル樹脂、メタクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、及びこれら
を主体とした共重合体等、エポキシ樹脂、シリコーン樹
脂等を使用してもよい。
おける固形分濃度は10〜60重量%とするとよく、硬
化に際して、樹脂の種類、濃度、塗布層温度、また紫外
線照射条件等の硬化条件を適宜に設定することにより、
外表皮層として液晶相を有しない樹脂層のみからなるス
キン層を良好に形成させることができ、これにより情報
記録層における液晶の使用割合を増大することができ、
また液晶の滲み出しを無くすることができる。以上、樹
脂材料として紫外線硬化型樹脂について説明したが、そ
の他、液晶材料と共通の溶媒に相溶性を有する溶媒可溶
型の熱硬化性樹脂、例えばアクリル樹脂、メタクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、及びこれら
を主体とした共重合体等、エポキシ樹脂、シリコーン樹
脂等を使用してもよい。
【0118】情報記録層の膜厚は解像性に影響を与える
ので、乾燥後膜厚0.1μm〜10μm、好ましくは3
μm〜8μmとするとよく、高解像性を維持しつつ、動
作電圧も低くすることができる。膜厚が薄すぎると情報
記録部のコントラストが低く、また、厚すぎると動作電
圧が高くなるので好ましくない。なお、情報記録層がそ
れ自体支持性を有し、支持体を省略する場合には、情報
記録層の表面にはスキン層が形成されているので、例え
ばITO膜を蒸着法、スパッタ法等により積層してもひ
び割れが生じなく、導電性の低下のないものとできる。
この場合、仮支持体上に設けた情報記録層上に電極を設
けた後、仮支持体を剥離して情報記録媒体とするとよ
い。
ので、乾燥後膜厚0.1μm〜10μm、好ましくは3
μm〜8μmとするとよく、高解像性を維持しつつ、動
作電圧も低くすることができる。膜厚が薄すぎると情報
記録部のコントラストが低く、また、厚すぎると動作電
圧が高くなるので好ましくない。なお、情報記録層がそ
れ自体支持性を有し、支持体を省略する場合には、情報
記録層の表面にはスキン層が形成されているので、例え
ばITO膜を蒸着法、スパッタ法等により積層してもひ
び割れが生じなく、導電性の低下のないものとできる。
この場合、仮支持体上に設けた情報記録層上に電極を設
けた後、仮支持体を剥離して情報記録媒体とするとよ
い。
【0119】情報記録媒体における電極13′は、上述
の光センサーにおける電極13と同様の材料、及び同様
の形成方法で基板15上に設けられる。この情報記録媒
体は、図3に示すように上述した光センサーとスペーサ
ー19を介して、対向配置し、両電極13、13′を電
圧源Vを介して結線して第1の情報記録システムとされ
る。このシステムにおける電極13、13′は、いずれ
か一方、または両方が透明性であればよい。
の光センサーにおける電極13と同様の材料、及び同様
の形成方法で基板15上に設けられる。この情報記録媒
体は、図3に示すように上述した光センサーとスペーサ
ー19を介して、対向配置し、両電極13、13′を電
圧源Vを介して結線して第1の情報記録システムとされ
る。このシステムにおける電極13、13′は、いずれ
か一方、または両方が透明性であればよい。
【0120】スペーサーとしては、ポリエチレンテレフ
タレート等のポリエステル、ポリイミド、ポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリ
ロニトリル、ポリアミド、ポリプロピレン、酢酸セルロ
ース、エチルセルロース、ポリカーボネート、ポリスチ
レン、ポリテトラフルオロエチレン等の絶縁性樹脂フィ
ルムを使用して形成するとよく、また、前記各樹脂溶液
を塗布、乾燥させて形成してもよい。また、スペーサー
部分と重ならないように電極のパターンが形成されてい
る場合には、アルミニウム、セレン、テルル、金、白
金、亜鉛、銅、鉄、錫等の金属材料、または無機あるい
は有機化合物を蒸着して形成してもよい。スペーサーの
膜厚は、光センサーと情報記録媒体との空隙距離とな
り、情報記録層に印加される電圧配分に影響を与えるの
で、少なくとも100μm以下とするとよく、好ましく
は3μm〜30μmとするとよい。
タレート等のポリエステル、ポリイミド、ポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリ
ロニトリル、ポリアミド、ポリプロピレン、酢酸セルロ
ース、エチルセルロース、ポリカーボネート、ポリスチ
レン、ポリテトラフルオロエチレン等の絶縁性樹脂フィ
ルムを使用して形成するとよく、また、前記各樹脂溶液
を塗布、乾燥させて形成してもよい。また、スペーサー
部分と重ならないように電極のパターンが形成されてい
る場合には、アルミニウム、セレン、テルル、金、白
金、亜鉛、銅、鉄、錫等の金属材料、または無機あるい
は有機化合物を蒸着して形成してもよい。スペーサーの
膜厚は、光センサーと情報記録媒体との空隙距離とな
り、情報記録層に印加される電圧配分に影響を与えるの
で、少なくとも100μm以下とするとよく、好ましく
は3μm〜30μmとするとよい。
【0121】次に、第2の情報記録システムについて説
明する。図4は、本発明の第2の情報記録システムを断
面図により示す図であり、図中20は誘電体層であり、
また、図2と同一符号は同一内容を示す。第2の情報記
録システムは、第1の情報記録システムにおける光セン
サーと情報記録媒体とを誘電体層20を介して対向配置
し、直接積層したものである。第2の情報記録システム
は、光センサーにおける光導電層が溶媒を使用して塗布
形成される場合に特に適しており、光導電層上に情報記
録層を直接塗布形成すると、それらの相互作用により情
報記録層における液晶が溶出したり、又、情報記録層形
成用の溶媒により光導電材料が溶出することによる画像
ムラを防止することができ、また光センサーと情報記録
媒体との一体化を可能とするものである。誘電体層20
は、その形成にあたって、光導電層形成材料、情報記録
層形成材料のいずれに対しても溶解性を有しないことが
必要であり、また導電性を有しないことが必要である。
導電性を有する場合には、空間電荷の拡散が生じ、解像
度の劣化が生じることから絶縁性が要求される。また、
誘電体層は液晶層にかかる分配電圧を低下させたり、或
いは解像性を悪化させるので、膜厚は薄い方が好まし
く、2μm以下とするとよいが、逆に薄くすることによ
り、経時的な相互作用による画像ノイズの発生ばかりで
なく、積層塗布する際にピンホール等の欠陥による浸透
の問題が生じる。ピンホール等の欠陥による浸透性は積
層塗布する材料の固形分比率、溶媒の種類、粘度により
異なるので、積層塗布されるものの膜厚は適宜設定され
るが、少なくとも10μm以下の膜厚とするとよく、好
ましくは0.1〜3μmとするとよい。さらに、各層に
掛かる電圧分配を考慮した場合、薄膜化と共に誘電率の
高い材料が好ましい。
明する。図4は、本発明の第2の情報記録システムを断
面図により示す図であり、図中20は誘電体層であり、
また、図2と同一符号は同一内容を示す。第2の情報記
録システムは、第1の情報記録システムにおける光セン
サーと情報記録媒体とを誘電体層20を介して対向配置
し、直接積層したものである。第2の情報記録システム
は、光センサーにおける光導電層が溶媒を使用して塗布
形成される場合に特に適しており、光導電層上に情報記
録層を直接塗布形成すると、それらの相互作用により情
報記録層における液晶が溶出したり、又、情報記録層形
成用の溶媒により光導電材料が溶出することによる画像
ムラを防止することができ、また光センサーと情報記録
媒体との一体化を可能とするものである。誘電体層20
は、その形成にあたって、光導電層形成材料、情報記録
層形成材料のいずれに対しても溶解性を有しないことが
必要であり、また導電性を有しないことが必要である。
導電性を有する場合には、空間電荷の拡散が生じ、解像
度の劣化が生じることから絶縁性が要求される。また、
誘電体層は液晶層にかかる分配電圧を低下させたり、或
いは解像性を悪化させるので、膜厚は薄い方が好まし
く、2μm以下とするとよいが、逆に薄くすることによ
り、経時的な相互作用による画像ノイズの発生ばかりで
なく、積層塗布する際にピンホール等の欠陥による浸透
の問題が生じる。ピンホール等の欠陥による浸透性は積
層塗布する材料の固形分比率、溶媒の種類、粘度により
異なるので、積層塗布されるものの膜厚は適宜設定され
るが、少なくとも10μm以下の膜厚とするとよく、好
ましくは0.1〜3μmとするとよい。さらに、各層に
掛かる電圧分配を考慮した場合、薄膜化と共に誘電率の
高い材料が好ましい。
【0122】誘電体層を形成する材料としては、無機材
料では SiO2 、TiO2、CeO2、Al2O3、GeO2、Si3N4 、AlN
、TiN 等を使用し、蒸着法、スパッタ法、化学蒸着
(CVD)法等により積層して形成するとよい。また、
有機溶剤に対して相溶性の少ない水溶性樹脂、例えばポ
リビニルアルコール、水系ポリウレタン、水ガラス等の
水溶液を使用し、スピンコート法、ブレードコート法、
ロールコート法等により積層してもよい。更に、塗布可
能なフッ素樹脂を使用してもよく、この場合にはフッ素
系溶剤に溶解し、スピンコート法により塗布するか、ま
たブレードコート法、ロールコート法等により積層して
もよい。塗布可能なフッ素樹脂としては、例えば特開平
1−131215号公報等に開示されたフッ素樹脂、更
に真空系で膜形成されるポリパラキシリレン等の有機材
料を好ましく使用することができる。
料では SiO2 、TiO2、CeO2、Al2O3、GeO2、Si3N4 、AlN
、TiN 等を使用し、蒸着法、スパッタ法、化学蒸着
(CVD)法等により積層して形成するとよい。また、
有機溶剤に対して相溶性の少ない水溶性樹脂、例えばポ
リビニルアルコール、水系ポリウレタン、水ガラス等の
水溶液を使用し、スピンコート法、ブレードコート法、
ロールコート法等により積層してもよい。更に、塗布可
能なフッ素樹脂を使用してもよく、この場合にはフッ素
系溶剤に溶解し、スピンコート法により塗布するか、ま
たブレードコート法、ロールコート法等により積層して
もよい。塗布可能なフッ素樹脂としては、例えば特開平
1−131215号公報等に開示されたフッ素樹脂、更
に真空系で膜形成されるポリパラキシリレン等の有機材
料を好ましく使用することができる。
【0123】次に、本発明の第1および第2の情報記録
装置における情報記録方法について説明する。図20
は、本発明の第1の情報記録装置における情報記録方法
を説明するための図である。第2の情報記録装置におい
ても同様である。図中11は情報記録層、13は光セン
サーの電極、13′は情報記録媒体の電極、14は光導
電層、21は光源、22は駆動機構を有するシャッタ
ー、23は電源となるパルスジェネレーター、24は暗
箱を示す。電極13、13′の間に、パルスジェネレー
ター23により電圧を印加しつつ、光源21から情報光
を入射させると、光が入射した部分の光導電層14で発
生した光キャリアは、両電極により形成される電界によ
り情報記録層11側の界面まで移動し、電圧の再配分が
行われ、情報記録層11における液晶相が配向し、情報
光のパターンに応じた記録が行われる。電圧印加時間お
よび露光時間は撮像条件により適宜設定することがで
き、それぞれ2〜200m秒、1/200〜1/2秒が
好ましい。
装置における情報記録方法について説明する。図20
は、本発明の第1の情報記録装置における情報記録方法
を説明するための図である。第2の情報記録装置におい
ても同様である。図中11は情報記録層、13は光セン
サーの電極、13′は情報記録媒体の電極、14は光導
電層、21は光源、22は駆動機構を有するシャッタ
ー、23は電源となるパルスジェネレーター、24は暗
箱を示す。電極13、13′の間に、パルスジェネレー
ター23により電圧を印加しつつ、光源21から情報光
を入射させると、光が入射した部分の光導電層14で発
生した光キャリアは、両電極により形成される電界によ
り情報記録層11側の界面まで移動し、電圧の再配分が
行われ、情報記録層11における液晶相が配向し、情報
光のパターンに応じた記録が行われる。電圧印加時間お
よび露光時間は撮像条件により適宜設定することがで
き、それぞれ2〜200m秒、1/200〜1/2秒が
好ましい。
【0124】情報記録媒体における情報記録層がとくに
高分子分散型液晶である場合には、液晶の動作電圧領域
に光センサーの感度を設定することが必要である。すな
わち、露光部において情報記録媒体に印加される電位
(明電位)と未露光部において情報記録媒体に印加され
る電位(暗電位)との差であるコントラスト電圧を情報
記録媒体における液晶の動作領域において大きくとるこ
とが必要となる。そのため、例えば光センサーの未露光
部の液晶層に印加される暗電位は、液晶の動作開始電位
程度に設定する必要がある。したがって、情報記録媒体
の抵抗率が常温で1010〜1013Ω・cmであり、光セ
ンサーに105 〜106 V/cmの電界が与えられた状
態で、10-4〜10-7A/cm2 のベース電流が生じる
程度の導電性が要求され、好ましくは10-5〜10-7A
/cm2 の範囲がよい。ベース電流が10-7A/cm2
未満の光センサーでは液晶層が露光状態でも配向せず、
また10-4A/cm2 以上のベース電流の光センサーで
は未露光状態でも電圧印加と同時に電流が多く流れ、液
晶が配向し、露光したとしても未露光部との間で透過率
の差が得られない。さらに、10-7A/cm2 未満のベ
ース電流の光センサーでは、105 〜106 V/cmの
電界強度内では本発明のような増幅作用を示さず、10
6 V/cm以上の電界強度を与えることによりベース電
流値を10-7A/cm2 以上にできたとしても、非常に
大きな電界強度であるため、放電破壊や画像ノイズを生
じ好ましくない。また、液晶によって動作電圧および範
囲が異なるものもあるので、印加電圧および電圧印加時
間を設定するにあたっては、情報記録媒体における電圧
配分を適宜設定し、情報記録層に印加される電圧配分を
液晶の動作電圧領域に設定するとよい。
高分子分散型液晶である場合には、液晶の動作電圧領域
に光センサーの感度を設定することが必要である。すな
わち、露光部において情報記録媒体に印加される電位
(明電位)と未露光部において情報記録媒体に印加され
る電位(暗電位)との差であるコントラスト電圧を情報
記録媒体における液晶の動作領域において大きくとるこ
とが必要となる。そのため、例えば光センサーの未露光
部の液晶層に印加される暗電位は、液晶の動作開始電位
程度に設定する必要がある。したがって、情報記録媒体
の抵抗率が常温で1010〜1013Ω・cmであり、光セ
ンサーに105 〜106 V/cmの電界が与えられた状
態で、10-4〜10-7A/cm2 のベース電流が生じる
程度の導電性が要求され、好ましくは10-5〜10-7A
/cm2 の範囲がよい。ベース電流が10-7A/cm2
未満の光センサーでは液晶層が露光状態でも配向せず、
また10-4A/cm2 以上のベース電流の光センサーで
は未露光状態でも電圧印加と同時に電流が多く流れ、液
晶が配向し、露光したとしても未露光部との間で透過率
の差が得られない。さらに、10-7A/cm2 未満のベ
ース電流の光センサーでは、105 〜106 V/cmの
電界強度内では本発明のような増幅作用を示さず、10
6 V/cm以上の電界強度を与えることによりベース電
流値を10-7A/cm2 以上にできたとしても、非常に
大きな電界強度であるため、放電破壊や画像ノイズを生
じ好ましくない。また、液晶によって動作電圧および範
囲が異なるものもあるので、印加電圧および電圧印加時
間を設定するにあたっては、情報記録媒体における電圧
配分を適宜設定し、情報記録層に印加される電圧配分を
液晶の動作電圧領域に設定するとよい。
【0125】本発明の情報記録方法においては、光セン
サーによっては電極13、13′間に電圧を印加する前
に、光センサーにおいて光キャリアを発生させるため
に、例えば1000ルクスの光を30秒間以上の強露光
を行う一様露光を行い、次いで暗所下での電圧印加露光
をしてもよい。本発明の情報記録方法においては面状ア
ナログ記録が可能であり、液晶レベルでの記録が得られ
るので、高解像度の記録となり、また露光パターンは液
晶相の配向により可視像化されて保持される。情報記録
システムの形態としては、カメラによる方法、またレー
ザーによる記録方法がある。カメラによる方法として
は、通常のカメラに使用されている写真フィルムの代わ
りに情報記録媒体が使用され、記録部材とするもので、
光学的なシャッタも使用しうるし、また電気的なシャッ
タも使用しうるものである。また、プリズム及びカラー
フィルターにより光情報を、R、G、B光成分に分離
し、平行光として取り出しR、G、Bの各色用の3個の
情報記録媒体で1コマを形成するか、または1個の情報
記録媒体の異なる部分にR、G、Bの各画像を記録して
1コマとすることにより、カラー撮影することもでき
る。
サーによっては電極13、13′間に電圧を印加する前
に、光センサーにおいて光キャリアを発生させるため
に、例えば1000ルクスの光を30秒間以上の強露光
を行う一様露光を行い、次いで暗所下での電圧印加露光
をしてもよい。本発明の情報記録方法においては面状ア
ナログ記録が可能であり、液晶レベルでの記録が得られ
るので、高解像度の記録となり、また露光パターンは液
晶相の配向により可視像化されて保持される。情報記録
システムの形態としては、カメラによる方法、またレー
ザーによる記録方法がある。カメラによる方法として
は、通常のカメラに使用されている写真フィルムの代わ
りに情報記録媒体が使用され、記録部材とするもので、
光学的なシャッタも使用しうるし、また電気的なシャッ
タも使用しうるものである。また、プリズム及びカラー
フィルターにより光情報を、R、G、B光成分に分離
し、平行光として取り出しR、G、Bの各色用の3個の
情報記録媒体で1コマを形成するか、または1個の情報
記録媒体の異なる部分にR、G、Bの各画像を記録して
1コマとすることにより、カラー撮影することもでき
る。
【0126】また、レーザーによる記録方法としては、
光源としてはアルゴンレーザー(514.488n
m)、ヘリウム−ネオンレーザー(633nm)、半導
体レーザー(780nm、810nm等)が使用でき、
画像信号、文字信号、コード信号、線画信号に対応した
レーザー露光をスキャニングにより行うものである。画
像のようなアナログ的な記録は、レーザーの光強度を変
調して行い、文字、コード、線画のようなデジタル的な
記録は、レーザー光のON−OFF制御により行う。ま
た画像において網点形成されるものには、レーザー光に
ドットジェネレーターON−OFF制御をかけて形成す
るものである。なお、光センサーにおける光導電層の分
光特性は、パンクロマティックである必要はなく、レー
ザー光源の波長に感度を有していればよい。情報記録媒
体に記録された露光情報は、図21に示すように第1の
情報記録システムの場合には情報記録媒体を分離して、
また第2の情報記録システムの場合にはそのまま透過光
により情報を再生すると、情報記録部では液晶が電界方
向に配向するために光Aは透過するのに対して、情報を
記録していない部位においては光Bは散乱し、情報記録
部とのコントラストがとれる。また、光反射層を介して
反射光により読み取ってもよい。液晶の配向により記録
された情報は、目視による読み取りが可能な可視情報で
あるが、投影機により拡大して読み取ることもでき、レ
ーザースキャニング、或いはCCDを用いて高精度で情
報を読み取ることができる。なお必要に応じてシュリー
レン光学系を用いることにより散乱光を防ぐことができ
る。以上、情報記録媒体として、情報露光による記録を
液晶の配向により可視化した状態とするものであるが、
液晶と樹脂との組合せを選ぶことにより、一旦配向し、
可視化した情報は消去せず、メモリ性を付与することが
できる。また、等方相転移付近の高温に加熱すると、メ
モリーを消去することができるので、再度の情報記録に
使用することができる。
光源としてはアルゴンレーザー(514.488n
m)、ヘリウム−ネオンレーザー(633nm)、半導
体レーザー(780nm、810nm等)が使用でき、
画像信号、文字信号、コード信号、線画信号に対応した
レーザー露光をスキャニングにより行うものである。画
像のようなアナログ的な記録は、レーザーの光強度を変
調して行い、文字、コード、線画のようなデジタル的な
記録は、レーザー光のON−OFF制御により行う。ま
た画像において網点形成されるものには、レーザー光に
ドットジェネレーターON−OFF制御をかけて形成す
るものである。なお、光センサーにおける光導電層の分
光特性は、パンクロマティックである必要はなく、レー
ザー光源の波長に感度を有していればよい。情報記録媒
体に記録された露光情報は、図21に示すように第1の
情報記録システムの場合には情報記録媒体を分離して、
また第2の情報記録システムの場合にはそのまま透過光
により情報を再生すると、情報記録部では液晶が電界方
向に配向するために光Aは透過するのに対して、情報を
記録していない部位においては光Bは散乱し、情報記録
部とのコントラストがとれる。また、光反射層を介して
反射光により読み取ってもよい。液晶の配向により記録
された情報は、目視による読み取りが可能な可視情報で
あるが、投影機により拡大して読み取ることもでき、レ
ーザースキャニング、或いはCCDを用いて高精度で情
報を読み取ることができる。なお必要に応じてシュリー
レン光学系を用いることにより散乱光を防ぐことができ
る。以上、情報記録媒体として、情報露光による記録を
液晶の配向により可視化した状態とするものであるが、
液晶と樹脂との組合せを選ぶことにより、一旦配向し、
可視化した情報は消去せず、メモリ性を付与することが
できる。また、等方相転移付近の高温に加熱すると、メ
モリーを消去することができるので、再度の情報記録に
使用することができる。
【0127】情報記録システムにおける情報記録媒体と
しては、例えば特開平3−7942号、特開平5−10
7775号、特開平5−107776号、特開平5−1
07777号公報、特開平4−70842号公報等に記
載されている電荷保持層を情報記録層とする静電情報記
録媒体を使用してもよく、この場合には情報は情報記録
媒体において静電荷の形で蓄積されるので、その静電電
荷をトナー現像するか、またはその静電電荷を例えば特
開平1−290366号公報等に記載されるように電位
読み取りにより再生することができる。ただし、本発明
の光センサーでは、ベース電流が従来の光センサーに比
べて大きいので、暗電位が必然的に高くなるので読みと
り時の補正が必要である。また、特開平4−46347
号公報等に記載される、熱可塑性樹脂層を情報記録層と
する情報記録媒体を使用してもよく、この場合には、前
記同様に情報を静電荷の形で表面に蓄積した後、熱可塑
性樹脂層が加熱されることにより、情報をフロスト像と
して蓄積し、可視情報として情報再生することが可能で
あるが、この場合も、暗電位が高くなるので、画像形成
の際には考慮が必要である。
しては、例えば特開平3−7942号、特開平5−10
7775号、特開平5−107776号、特開平5−1
07777号公報、特開平4−70842号公報等に記
載されている電荷保持層を情報記録層とする静電情報記
録媒体を使用してもよく、この場合には情報は情報記録
媒体において静電荷の形で蓄積されるので、その静電電
荷をトナー現像するか、またはその静電電荷を例えば特
開平1−290366号公報等に記載されるように電位
読み取りにより再生することができる。ただし、本発明
の光センサーでは、ベース電流が従来の光センサーに比
べて大きいので、暗電位が必然的に高くなるので読みと
り時の補正が必要である。また、特開平4−46347
号公報等に記載される、熱可塑性樹脂層を情報記録層と
する情報記録媒体を使用してもよく、この場合には、前
記同様に情報を静電荷の形で表面に蓄積した後、熱可塑
性樹脂層が加熱されることにより、情報をフロスト像と
して蓄積し、可視情報として情報再生することが可能で
あるが、この場合も、暗電位が高くなるので、画像形成
の際には考慮が必要である。
【0128】
【作用】本発明の情報記録媒体への光情報の記録に使用
する光センサーは、電極上に形成した光導電層が形成さ
れており、半導電性であり、情報記録媒体との間で電圧
を印加した状態で情報露光すると、情報記録媒体に付与
される電界または電荷量が増幅され、また、情報露光を
終了した後も電圧を印加し続けると導電性を持続し、引
き続き電界または電荷量を情報記録媒体に付与し続ける
作用を有している。この特性の詳細な理由は不明である
が、情報光の照射に伴い発生する光キャリアの全てが電
圧印加状態において光導電層の層幅方向に移動せず、光
キャリアの一部が光導電層中あるいは電極光導電層の界
面に存在するトラップサイトにトラップされたような状
態となり、このトラップされた電荷は経時的に蓄積さ
れ、電圧印加した状態では露光により発生する光電流に
加えて、このトラップにより誘起される電流が流れ、み
かけの光電流量を増幅させるものと考えられる。そして
電圧を印加した状態を維持しつつ露光を終了する場合に
は、露光により生じる光キャリアはただちに減衰して消
滅するが、トラップされた電荷の減衰は緩やかであるた
めトラップされた電荷により誘起される電流は減衰しな
がらも十分な量が流れるものと推察される。その結果、
本発明の光センサーを用いて情報記録媒体の情報記録を
行うと、高感度な情報記録が可能となる。
する光センサーは、電極上に形成した光導電層が形成さ
れており、半導電性であり、情報記録媒体との間で電圧
を印加した状態で情報露光すると、情報記録媒体に付与
される電界または電荷量が増幅され、また、情報露光を
終了した後も電圧を印加し続けると導電性を持続し、引
き続き電界または電荷量を情報記録媒体に付与し続ける
作用を有している。この特性の詳細な理由は不明である
が、情報光の照射に伴い発生する光キャリアの全てが電
圧印加状態において光導電層の層幅方向に移動せず、光
キャリアの一部が光導電層中あるいは電極光導電層の界
面に存在するトラップサイトにトラップされたような状
態となり、このトラップされた電荷は経時的に蓄積さ
れ、電圧印加した状態では露光により発生する光電流に
加えて、このトラップにより誘起される電流が流れ、み
かけの光電流量を増幅させるものと考えられる。そして
電圧を印加した状態を維持しつつ露光を終了する場合に
は、露光により生じる光キャリアはただちに減衰して消
滅するが、トラップされた電荷の減衰は緩やかであるた
めトラップされた電荷により誘起される電流は減衰しな
がらも十分な量が流れるものと推察される。その結果、
本発明の光センサーを用いて情報記録媒体の情報記録を
行うと、高感度な情報記録が可能となる。
【0129】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。 実施例1 (積層型光センサーの作製)充分洗浄した厚さ1.1m
mのガラス基板上に、スパッタリングにより面積抵抗8
0Ω/□、膜厚100nmのITO膜を成膜し、電極を
得た。電極をスクラバー洗浄機(商品名プレートクリー
ナー モデル602 ウルトラテック社)にて、純水噴
射2秒、スクラバー洗浄20秒、純水リンス15秒、高
速回転による水分の除去25秒、赤外線乾燥55秒の洗
浄処理を2回行った。その電極上に、電荷発生性物質と
して下記構造
mのガラス基板上に、スパッタリングにより面積抵抗8
0Ω/□、膜厚100nmのITO膜を成膜し、電極を
得た。電極をスクラバー洗浄機(商品名プレートクリー
ナー モデル602 ウルトラテック社)にて、純水噴
射2秒、スクラバー洗浄20秒、純水リンス15秒、高
速回転による水分の除去25秒、赤外線乾燥55秒の洗
浄処理を2回行った。その電極上に、電荷発生性物質と
して下記構造
【0130】
【化31】
【0131】を有するフルオレノンアゾ顔料3重量部使
用し、更にポリエステル樹脂(東洋紡製、バイロン20
0)1重量部、1,4−ジオキサン98重量部、シクロ
ヘキサノン98重量部を混合し、ペイントシェーカーに
て6時間分散して塗布液とし、スピンナーにて1400
rpm、0.4秒でコーティングし、コーティング後、
塗膜の表面に皮膜が形成されて、塗膜の表面が付着しな
くなるまでの間、無風下で放置しレベリング乾燥を行っ
た後、100℃、1時間乾燥して、膜厚0.3μmの電
荷発生層を積層した。この電荷発生層上に、電荷輸送性
物質として下記構造
用し、更にポリエステル樹脂(東洋紡製、バイロン20
0)1重量部、1,4−ジオキサン98重量部、シクロ
ヘキサノン98重量部を混合し、ペイントシェーカーに
て6時間分散して塗布液とし、スピンナーにて1400
rpm、0.4秒でコーティングし、コーティング後、
塗膜の表面に皮膜が形成されて、塗膜の表面が付着しな
くなるまでの間、無風下で放置しレベリング乾燥を行っ
た後、100℃、1時間乾燥して、膜厚0.3μmの電
荷発生層を積層した。この電荷発生層上に、電荷輸送性
物質として下記構造
【0132】
【化32】
【0133】のパラジメチルスチルベン25重量部を使
用し、更にポリスチレン樹脂(電気化学工業製、HRM
−3)5重量部、クロロベンゼン102重量部、ジクロ
ロメタン68重量部を均一に溶解した塗布液を、スピン
ナーにて400rpm、0.4秒でコーティングし、レ
ベリング乾燥を行った後、80℃、2時間乾燥して電荷
輸送層を積層し、電荷発生層と電荷輸送層とからなる膜
厚20μmの光導電層を有する光センサーを得た。以下
に、本発明の光センサーを用いた結果を示すが、相対湿
度60%以下の暗所下に3日間エージングした後の結果
である。
用し、更にポリスチレン樹脂(電気化学工業製、HRM
−3)5重量部、クロロベンゼン102重量部、ジクロ
ロメタン68重量部を均一に溶解した塗布液を、スピン
ナーにて400rpm、0.4秒でコーティングし、レ
ベリング乾燥を行った後、80℃、2時間乾燥して電荷
輸送層を積層し、電荷発生層と電荷輸送層とからなる膜
厚20μmの光導電層を有する光センサーを得た。以下
に、本発明の光センサーを用いた結果を示すが、相対湿
度60%以下の暗所下に3日間エージングした後の結果
である。
【0134】(光センサーの電気特性)前記で得た光セ
ンサーの電気特性を測定するために、光センサーの電荷
輸送層上に、0.16cm2 、厚さ10nm、表面抵抗
1kΩ/□の金電極を蒸着して電極とし、測定用試料と
し、図12に示すような電流測定装置を構成した。図
中、15は光センサー支持体、13は光センサー電極、
14は電荷発生層、電荷輸送層からなる光導電層、30
は金電極、31は光源、32はシャッター(コパル社製
No.0 電磁シャッター)、33はシャッター駆動
機構、34はパルスジェネレーター(横河ヒューレット
パッカード社製)、35はオシロスコープである。この
電流測定装置において、光センサーにおける電極13を
正、金電極を負として、両電極間に直流300Vを印加
するとともに、電圧印加開始後0.5秒後に、ガラス基
板側から0.033秒間光照射し、光照射開始時間をt
=0として、光センサーに流れる電流を測定した。照射
光はキセノンランプ(浜松ホトニクス社製L2274)
を光源に、グリーンフィルター(日本真空光学社製)を
使用して、緑色光を照射した。照射照度は、照度計(ミ
ノルタ社製)で測定し、20ルックスの照射強度とし
た。図5にフィルターの特性を示す。
ンサーの電気特性を測定するために、光センサーの電荷
輸送層上に、0.16cm2 、厚さ10nm、表面抵抗
1kΩ/□の金電極を蒸着して電極とし、測定用試料と
し、図12に示すような電流測定装置を構成した。図
中、15は光センサー支持体、13は光センサー電極、
14は電荷発生層、電荷輸送層からなる光導電層、30
は金電極、31は光源、32はシャッター(コパル社製
No.0 電磁シャッター)、33はシャッター駆動
機構、34はパルスジェネレーター(横河ヒューレット
パッカード社製)、35はオシロスコープである。この
電流測定装置において、光センサーにおける電極13を
正、金電極を負として、両電極間に直流300Vを印加
するとともに、電圧印加開始後0.5秒後に、ガラス基
板側から0.033秒間光照射し、光照射開始時間をt
=0として、光センサーに流れる電流を測定した。照射
光はキセノンランプ(浜松ホトニクス社製L2274)
を光源に、グリーンフィルター(日本真空光学社製)を
使用して、緑色光を照射した。照射照度は、照度計(ミ
ノルタ社製)で測定し、20ルックスの照射強度とし
た。図5にフィルターの特性を示す。
【0135】光照射の終了後も電圧印加を継続し、光照
射開始時間から0.15秒間電圧を印加を継続した。そ
の間の電流の時間変化をオシロコープにより測定した。
また露光をしないで電圧印加のみを行い、同様にして電
流測定した結果を同時に示す。なお、測定は室温で行っ
た。結果を図13に示す。横軸は電圧印加時間(秒)、
縦軸は電流密度(A/cm 2 )である。図において、A
線は露光した場合の電流測定値、B線は露光しないで電
圧のみを印加した場合である。A線に示されるように、
本発明の光センサーにより電流量は、2つの変曲点
(a)(b)が観測される。変曲点(a)から下の電流
量は、後述する比較センサーとの比較から、露光量に応
じた電流(以下、光誘起電流という)の量であると考え
られ、変曲点(a)から上の電流は、光センサーにより
増幅による光誘起電流と考えられる。また、変曲点
(b)は露光終了に伴う電流量の変化点であり、露光を
終了しても未露光時でも電圧印加に応じた電流が持続し
て流れ、徐々に減衰していくことがわかる。即ち、この
図から、本発明における光センサーは、露光の間では光
誘起電流が増加し続け、また、露光後も光誘起電流が持
続し、一定の時間を経て減衰していくことがわかる。ま
た、この光センサーに流れる電流値から、比抵抗は1.
6×1011Ω・cmであった。
射開始時間から0.15秒間電圧を印加を継続した。そ
の間の電流の時間変化をオシロコープにより測定した。
また露光をしないで電圧印加のみを行い、同様にして電
流測定した結果を同時に示す。なお、測定は室温で行っ
た。結果を図13に示す。横軸は電圧印加時間(秒)、
縦軸は電流密度(A/cm 2 )である。図において、A
線は露光した場合の電流測定値、B線は露光しないで電
圧のみを印加した場合である。A線に示されるように、
本発明の光センサーにより電流量は、2つの変曲点
(a)(b)が観測される。変曲点(a)から下の電流
量は、後述する比較センサーとの比較から、露光量に応
じた電流(以下、光誘起電流という)の量であると考え
られ、変曲点(a)から上の電流は、光センサーにより
増幅による光誘起電流と考えられる。また、変曲点
(b)は露光終了に伴う電流量の変化点であり、露光を
終了しても未露光時でも電圧印加に応じた電流が持続し
て流れ、徐々に減衰していくことがわかる。即ち、この
図から、本発明における光センサーは、露光の間では光
誘起電流が増加し続け、また、露光後も光誘起電流が持
続し、一定の時間を経て減衰していくことがわかる。ま
た、この光センサーに流れる電流値から、比抵抗は1.
6×1011Ω・cmであった。
【0136】(情報記録媒体の作製)厚さ1.1mmの
ガラス基板上に導電層として、膜厚100nmのITO
膜をスパッタリングにより成膜し、電極を得たのち、表
面洗浄を行った。この電極上に、多官能性モノマー(ジ
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、東亞合成化
学製、M−400)40重量部、光硬化開始剤(2−ヒ
ドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オ
ン、チバガイギー社製、ダロキュア1173)2重量
部、液晶を50重量部(そのうちスメクチック液晶(メ
ルク社製、S−6)が90%、ネマチック液晶(メルク
社製、E31LV)が10%)、界面活性剤(住友スリ
ーエム社製、フロラードFC−430)3重量部をキシ
レン96重量部中に均一に溶解して得た塗布液を、50
μmのギャップを設けたブレードコーターを用いてコー
ティングした後、47℃で3分間乾燥し、次いで47℃
で2分間減圧乾燥を行い、直ちに0.3J/cm2 の紫
外線照射によって塗布膜を硬化させ、膜厚6μmの情報
記録層を有する情報記録媒体を得た。情報記録層面を熱
メタノールを用いて液晶を抽出し、乾燥させた後、走査
型電子顕微鏡(日立製作所製 S−800)で1000
倍で内部構造を観察したところ、層の表面は0.6μm
の紫外線硬化型樹脂で覆われ、層内部には連続層を成す
液晶相中に、粒径0.1μmの樹脂粒子相が充填した構
造を有していた。
ガラス基板上に導電層として、膜厚100nmのITO
膜をスパッタリングにより成膜し、電極を得たのち、表
面洗浄を行った。この電極上に、多官能性モノマー(ジ
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、東亞合成化
学製、M−400)40重量部、光硬化開始剤(2−ヒ
ドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オ
ン、チバガイギー社製、ダロキュア1173)2重量
部、液晶を50重量部(そのうちスメクチック液晶(メ
ルク社製、S−6)が90%、ネマチック液晶(メルク
社製、E31LV)が10%)、界面活性剤(住友スリ
ーエム社製、フロラードFC−430)3重量部をキシ
レン96重量部中に均一に溶解して得た塗布液を、50
μmのギャップを設けたブレードコーターを用いてコー
ティングした後、47℃で3分間乾燥し、次いで47℃
で2分間減圧乾燥を行い、直ちに0.3J/cm2 の紫
外線照射によって塗布膜を硬化させ、膜厚6μmの情報
記録層を有する情報記録媒体を得た。情報記録層面を熱
メタノールを用いて液晶を抽出し、乾燥させた後、走査
型電子顕微鏡(日立製作所製 S−800)で1000
倍で内部構造を観察したところ、層の表面は0.6μm
の紫外線硬化型樹脂で覆われ、層内部には連続層を成す
液晶相中に、粒径0.1μmの樹脂粒子相が充填した構
造を有していた。
【0137】(情報記録方法)前記で作製した本発明の
光センサーと情報記録媒体とを、図3に示すようにし
て、厚さ10μmのポリイミドフィルムのスペーサを介
して空気ギャップを設けて対向させて積層した。この積
層体を組み込んだ、図20に示す情報記録装置におい
て、光センサーと情報記録媒体における両電極間に75
0Vの直流電圧を0.05秒印加すると同時に、撮像用
カメラ(マミヤ社製RB67改造品)にて、グレースケ
ール露光量が0.2〜200ルックスで1/30秒間、
光センサー側から投影露光した。露光後、情報記録媒体
を取り出した。透過光により情報記録媒体を観察したと
ころ、情報記録層にはグレースケールに応じた光透過部
からなる記録部が観察された。
光センサーと情報記録媒体とを、図3に示すようにし
て、厚さ10μmのポリイミドフィルムのスペーサを介
して空気ギャップを設けて対向させて積層した。この積
層体を組み込んだ、図20に示す情報記録装置におい
て、光センサーと情報記録媒体における両電極間に75
0Vの直流電圧を0.05秒印加すると同時に、撮像用
カメラ(マミヤ社製RB67改造品)にて、グレースケ
ール露光量が0.2〜200ルックスで1/30秒間、
光センサー側から投影露光した。露光後、情報記録媒体
を取り出した。透過光により情報記録媒体を観察したと
ころ、情報記録層にはグレースケールに応じた光透過部
からなる記録部が観察された。
【0138】次いで、情報記録媒体における記録情報
を、図22に示すように構築した情報出力装置により再
生した。図中、41はフィルムスキャナー、42はパソ
コン、43はプリンターである。情報記録媒体を、CC
Dラインセンサーを用いたスキャナー(ニコン社製、L
S−3500改造品)によって記録情報を読み取り、そ
の情報を昇華転写プリンター(JVC社製、SP−55
00)を使用して情報出力した結果、グレースケールに
応じた良好な印刷物が得られた。
を、図22に示すように構築した情報出力装置により再
生した。図中、41はフィルムスキャナー、42はパソ
コン、43はプリンターである。情報記録媒体を、CC
Dラインセンサーを用いたスキャナー(ニコン社製、L
S−3500改造品)によって記録情報を読み取り、そ
の情報を昇華転写プリンター(JVC社製、SP−55
00)を使用して情報出力した結果、グレースケールに
応じた良好な印刷物が得られた。
【0139】(比較光センサーの作製とその電気特性)
充分洗浄した厚さ1.1mmのガラス基板上に、膜厚1
00nmのITO膜をスパッタリングにより成膜し、電
極を得た。電極をスクラバー洗浄機(商品名プレートク
リーナー モデル602 ウルトラテック社)にて、純
水噴射2秒、スクラバー洗浄20秒、純水リンス15
秒、高速回転による水分の除去25秒、赤外線乾燥55
秒の洗浄処理を2回行った。次いで、その電極上に、電
子ビーム蒸着によりSiO2 を100nmの膜厚で積層
し、絶縁層を形成した。更にこの絶縁層上に実施例1同
様にして積層型光導電層を設け、光センサーを作製し
た。この光センサーの電気特性を、実施例1と同様の電
流測定装置を使用して測定した。その結果を図14に示
す。また露光をしないで電圧印加のみを行い、同様にし
て電流測定した結果を同時に示す。図から、露光時のみ
光照射に応じた光電流の増加が観測され、光電流増幅が
ないためほぼ定常電流で、情報記録に寄与する電流量は
少なく、また露光を終了すると電流は直ちに減衰し消失
していることがわかる。また、この比較光センサーと前
記情報記録媒体を使用して同様の情報記録装置を作製
し、両電極間に750Vの直流電圧を0.05秒間印加
すると同時に、実施例1同様にグレースケールを露光量
0.2〜200ルックスで1/30秒間、光センサー側
から投影露光した。露光後、情報記録媒体を取り出し、
前記同様の情報出力装置により、読み取りおよび出力を
行ったが、情報記録媒体に情報は記録されていなかっ
た。この光センサーを使用して情報記録を行うために
は、更に高強度の光を照射するか、長時間の露光が必要
であり、高感度な情報記録には使用できないものであ
る。
充分洗浄した厚さ1.1mmのガラス基板上に、膜厚1
00nmのITO膜をスパッタリングにより成膜し、電
極を得た。電極をスクラバー洗浄機(商品名プレートク
リーナー モデル602 ウルトラテック社)にて、純
水噴射2秒、スクラバー洗浄20秒、純水リンス15
秒、高速回転による水分の除去25秒、赤外線乾燥55
秒の洗浄処理を2回行った。次いで、その電極上に、電
子ビーム蒸着によりSiO2 を100nmの膜厚で積層
し、絶縁層を形成した。更にこの絶縁層上に実施例1同
様にして積層型光導電層を設け、光センサーを作製し
た。この光センサーの電気特性を、実施例1と同様の電
流測定装置を使用して測定した。その結果を図14に示
す。また露光をしないで電圧印加のみを行い、同様にし
て電流測定した結果を同時に示す。図から、露光時のみ
光照射に応じた光電流の増加が観測され、光電流増幅が
ないためほぼ定常電流で、情報記録に寄与する電流量は
少なく、また露光を終了すると電流は直ちに減衰し消失
していることがわかる。また、この比較光センサーと前
記情報記録媒体を使用して同様の情報記録装置を作製
し、両電極間に750Vの直流電圧を0.05秒間印加
すると同時に、実施例1同様にグレースケールを露光量
0.2〜200ルックスで1/30秒間、光センサー側
から投影露光した。露光後、情報記録媒体を取り出し、
前記同様の情報出力装置により、読み取りおよび出力を
行ったが、情報記録媒体に情報は記録されていなかっ
た。この光センサーを使用して情報記録を行うために
は、更に高強度の光を照射するか、長時間の露光が必要
であり、高感度な情報記録には使用できないものであ
る。
【0140】(本発明の光センサーと比較光センサーと
の情報記録性能の比較)前記本発明の光センサーと比較
用の光センサーによる情報記録媒体への情報記録性能を
比較するために、各光センサーの電荷輸送層上に0.1
6cm2 、膜厚10nm、表面抵抗1kΩ/□の金電極
を積層し測定用試料を作製し、図23に示すようにし
て、測定用試料、コンデンサーC1 (160pF)及び
抵抗R1 (1000MΩ)、電源(E)、電圧計(V)
からなる電圧測定回路を作製した。コンデンサーと抵抗
は情報記録媒体に対応する。この測定回路に光センサー
の電極を正、金電極を負として両電極間に直流の一定電
圧(ここでは500V)を印加すると同時に、ガラス基
板側から0.033秒間光照射し、測定時間中の光セン
サーにおける電流値挙動を、光照射開始時(t=0)か
ら測定する。なお、照射光は、キセノンランプ(浜松ホ
トニクス社製L2274)を光源に、グリーンフィルタ
ー(日本真空光学社製)により、緑色光を選択して照射
し、照射光強度を照度計(ミノルタ社製)で測定し、2
0ルックスのものとした。図5にそのフイルター特性を
示す。光照射終了後も光照射開始から0.15秒間電圧
印加を継続し、その間の電圧の時間変化をオシロスコー
プにより測定した。また露光をしないで電圧印加のみを
行い、露光した測定結果とともに、図24に示した。図
中、露光した場合を(A)、露光しない場合を(B)で
示す。さらに、露光した場合と露光しない場合の差を電
圧の光照射による増加量(△V)の時間変化を図25に
示す。本発明の光センサーの場合を(C)、比較光セン
サーの場合を(D)で示す。図における電圧の増加量
は、情報記録媒体に記録される情報と考えることがで
き、△Vが大きいほど光センサーとして高性能であると
いえる。この結果から、本発明の光センサーは、比較光
センサーに比して高感度の情報記録に適していることが
確認される。
の情報記録性能の比較)前記本発明の光センサーと比較
用の光センサーによる情報記録媒体への情報記録性能を
比較するために、各光センサーの電荷輸送層上に0.1
6cm2 、膜厚10nm、表面抵抗1kΩ/□の金電極
を積層し測定用試料を作製し、図23に示すようにし
て、測定用試料、コンデンサーC1 (160pF)及び
抵抗R1 (1000MΩ)、電源(E)、電圧計(V)
からなる電圧測定回路を作製した。コンデンサーと抵抗
は情報記録媒体に対応する。この測定回路に光センサー
の電極を正、金電極を負として両電極間に直流の一定電
圧(ここでは500V)を印加すると同時に、ガラス基
板側から0.033秒間光照射し、測定時間中の光セン
サーにおける電流値挙動を、光照射開始時(t=0)か
ら測定する。なお、照射光は、キセノンランプ(浜松ホ
トニクス社製L2274)を光源に、グリーンフィルタ
ー(日本真空光学社製)により、緑色光を選択して照射
し、照射光強度を照度計(ミノルタ社製)で測定し、2
0ルックスのものとした。図5にそのフイルター特性を
示す。光照射終了後も光照射開始から0.15秒間電圧
印加を継続し、その間の電圧の時間変化をオシロスコー
プにより測定した。また露光をしないで電圧印加のみを
行い、露光した測定結果とともに、図24に示した。図
中、露光した場合を(A)、露光しない場合を(B)で
示す。さらに、露光した場合と露光しない場合の差を電
圧の光照射による増加量(△V)の時間変化を図25に
示す。本発明の光センサーの場合を(C)、比較光セン
サーの場合を(D)で示す。図における電圧の増加量
は、情報記録媒体に記録される情報と考えることがで
き、△Vが大きいほど光センサーとして高性能であると
いえる。この結果から、本発明の光センサーは、比較光
センサーに比して高感度の情報記録に適していることが
確認される。
【0141】(本発明の光センサーと比較光センサーと
の帯電光減衰特性の比較)前記本発明の光センサーと比
較用の光センサーの各光導電層上に、−5kV、20秒
間コロナ帯電した後、10秒間放置して暗減衰させ、次
いで25ルックスの図5のフィルターを透過した緑色光
を10秒間照射し、その間の各光センサーの表面電位の
変化量を測定する一連の測定を静電気帯電試験装置(川
口電機製作所製 EPA−8100)を使用してダイナ
ミック方式で測定した。その結果を図17に示す。横軸
はコロナ帯電開始から光減衰終了までの経過時間
(秒)、縦軸は帯電電位(V)である。図中、(E)は
本発明の光センサー、(F)は比較センサーの測定結果
である。コロナ帯電終了10秒後の表面電位の値を受容
電位と定義すると、図に示されているように、本発明の
光センサーは受容電位がほとんどなく、また暗減衰が早
いことがわかり、また比較光センサーは、受容電位が−
700Vと高く、また暗減衰が遅く、本発明の光センサ
ーと相違する帯電光減衰特性を有することがわかる。
の帯電光減衰特性の比較)前記本発明の光センサーと比
較用の光センサーの各光導電層上に、−5kV、20秒
間コロナ帯電した後、10秒間放置して暗減衰させ、次
いで25ルックスの図5のフィルターを透過した緑色光
を10秒間照射し、その間の各光センサーの表面電位の
変化量を測定する一連の測定を静電気帯電試験装置(川
口電機製作所製 EPA−8100)を使用してダイナ
ミック方式で測定した。その結果を図17に示す。横軸
はコロナ帯電開始から光減衰終了までの経過時間
(秒)、縦軸は帯電電位(V)である。図中、(E)は
本発明の光センサー、(F)は比較センサーの測定結果
である。コロナ帯電終了10秒後の表面電位の値を受容
電位と定義すると、図に示されているように、本発明の
光センサーは受容電位がほとんどなく、また暗減衰が早
いことがわかり、また比較光センサーは、受容電位が−
700Vと高く、また暗減衰が遅く、本発明の光センサ
ーと相違する帯電光減衰特性を有することがわかる。
【0142】(本発明の光センサーと比較センサーの熱
刺激電流測定の比較)本発明の光センサーでは、電荷ト
ラップサイトには、光増幅を行う前にある程度の量の電
荷がトラップされているために熱刺激電流測定による観
測が可能である。光センサーの光導電層上に膜厚30n
m、表面抵抗1kΩ/□、0.16cm2 の金電極を蒸
着した測定用試料を作製し、短絡熱刺激電流測定装置
((株)東洋精機製作所製)を用いて、図15に示す電
流測定装置により、光センサーの電極を正、金電極を負
として、両電極間に5Vの直流電圧を印加すると同時に
10℃/分の昇温速度で測定用光センサーを加熱した際
に流れる電流を微小電流計によって熱刺激電流を測定し
た。図中、15は光センサー支持体、13は光センサー
電極、14は電荷発生層、電荷輸送層からなる光導電
層、30は金電極、100の微小電流計、101は直流
電源であり、100および101には、微小電流計付き
直流電源(HP4140B ヒューレットパッカード社
製)を使用した。試料の温度測定は、保温カバーで覆わ
れた試料載置部において、試料近傍でアルメルクロメル
熱電対によって測定した。
刺激電流測定の比較)本発明の光センサーでは、電荷ト
ラップサイトには、光増幅を行う前にある程度の量の電
荷がトラップされているために熱刺激電流測定による観
測が可能である。光センサーの光導電層上に膜厚30n
m、表面抵抗1kΩ/□、0.16cm2 の金電極を蒸
着した測定用試料を作製し、短絡熱刺激電流測定装置
((株)東洋精機製作所製)を用いて、図15に示す電
流測定装置により、光センサーの電極を正、金電極を負
として、両電極間に5Vの直流電圧を印加すると同時に
10℃/分の昇温速度で測定用光センサーを加熱した際
に流れる電流を微小電流計によって熱刺激電流を測定し
た。図中、15は光センサー支持体、13は光センサー
電極、14は電荷発生層、電荷輸送層からなる光導電
層、30は金電極、100の微小電流計、101は直流
電源であり、100および101には、微小電流計付き
直流電源(HP4140B ヒューレットパッカード社
製)を使用した。試料の温度測定は、保温カバーで覆わ
れた試料載置部において、試料近傍でアルメルクロメル
熱電対によって測定した。
【0143】結果を図16に示す。横軸は加熱温度
(℃)、縦軸は電流値(A)である。図において、A線
は増幅作用を示す光センサーの電流の測定値であり、B
線は増幅作用を示さない場合である。A線に示されるよ
うに、本発明の増幅作用を有する光センサーでは40〜
150℃の範囲内において、ベース電流以外に明瞭なピ
ーク状の波形が観測され、一方、増幅作用を有さない比
較センサーでは不明瞭である。
(℃)、縦軸は電流値(A)である。図において、A線
は増幅作用を示す光センサーの電流の測定値であり、B
線は増幅作用を示さない場合である。A線に示されるよ
うに、本発明の増幅作用を有する光センサーでは40〜
150℃の範囲内において、ベース電流以外に明瞭なピ
ーク状の波形が観測され、一方、増幅作用を有さない比
較センサーでは不明瞭である。
【0144】(光センサーのエージング)エージングに
よる状態の変化は、先に述べた帯電光減衰測定の受容電
位により確認することができる。相対湿度60%以下の
室温暗所にて、試料作製後エージングを行った試料を用
いて、エージングによる受容電位の変化を測定した。
よる状態の変化は、先に述べた帯電光減衰測定の受容電
位により確認することができる。相対湿度60%以下の
室温暗所にて、試料作製後エージングを行った試料を用
いて、エージングによる受容電位の変化を測定した。
【0145】図18に本発明の光センサーの場合を示し
た。縦軸は受容電位(V)、横軸はエージング時間
(日)である。受容電位が一定化した時点で光センサー
はその性能を十分に、再現性良く発揮する。図19に光
センサーの電気特性の測定結果を示した。B線は作製後
半日間エージング後の結果で、A線は同一試料を3日間
エージングを行った後の測定結果である。作製後半日エ
ージングを行った状態よりも3日間エージングを行った
後の方が、増幅作用が顕著になっていることがわかる。
た。縦軸は受容電位(V)、横軸はエージング時間
(日)である。受容電位が一定化した時点で光センサー
はその性能を十分に、再現性良く発揮する。図19に光
センサーの電気特性の測定結果を示した。B線は作製後
半日間エージング後の結果で、A線は同一試料を3日間
エージングを行った後の測定結果である。作製後半日エ
ージングを行った状態よりも3日間エージングを行った
後の方が、増幅作用が顕著になっていることがわかる。
【0146】実施例2 (積層型光センサーの作製)充分洗浄した厚さ1.1m
mのガラス基板上に、膜厚100nmのITO膜をスパ
ッタリングにより成膜し電極を作製し、実施例1と同様
の洗浄処理を行った。その電極上に、電荷発生剤として
下記構造
mのガラス基板上に、膜厚100nmのITO膜をスパ
ッタリングにより成膜し電極を作製し、実施例1と同様
の洗浄処理を行った。その電極上に、電荷発生剤として
下記構造
【0147】
【化33】
【0148】を有するビスアゾ顔料3重量部、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル混合樹脂(電気化学工業製 デンカビニ
ール #1000Dとアルドリッチ社製 18,32
5.89J 酢酸ビニル樹脂との75:25の混合物)
1重量部とを、1,4−ジオキサン98重量部、シクロ
ヘサノン98重量部と混合し、混合機により充分に混練
を行い塗布液とし、スピンナーにて1400rpm、
0.4秒でコーティングし、コーティング後、塗膜の表
面に皮膜が形成されて、塗膜の表面が付着しなくなるま
での間、無風下で放置しレベリング乾燥を行った後、1
00℃、1時間乾燥して、膜厚300nmの電荷発生層
を積層した。この電荷発生層上に、電荷輸送性物質とし
て下記構造
ル−酢酸ビニル混合樹脂(電気化学工業製 デンカビニ
ール #1000Dとアルドリッチ社製 18,32
5.89J 酢酸ビニル樹脂との75:25の混合物)
1重量部とを、1,4−ジオキサン98重量部、シクロ
ヘサノン98重量部と混合し、混合機により充分に混練
を行い塗布液とし、スピンナーにて1400rpm、
0.4秒でコーティングし、コーティング後、塗膜の表
面に皮膜が形成されて、塗膜の表面が付着しなくなるま
での間、無風下で放置しレベリング乾燥を行った後、1
00℃、1時間乾燥して、膜厚300nmの電荷発生層
を積層した。この電荷発生層上に、電荷輸送性物質とし
て下記構造
【0149】
【化34】
【0150】を有するブタジエン誘導体(アナン製 T
−405)50重量部とスチレン−ブタジエン共重合体
樹脂(電気化学工業製 クリアレン730L)10重量
部とをクロロベンゼン68重量部、ジクロロメタン68
重量部、1,1,2−トリクロロエタン136重量部と
を均一に溶解し塗布液とし、スピンナーにて350rp
m、0.4秒でコーティングし、塗膜の表面に皮膜が形
成されて、塗膜の表面が付着しなくなるまでの間、無風
下で放置しレベリング乾燥を行った後、80℃、2時間
乾燥して電荷輸送層を積層し、電荷発生層と電荷輸送層
とからなる膜厚20μmの光導電層を有する本発明にお
ける光センサーを作製し、室温、相対湿度60%以下の
暗所下で3日間エージングを行った。
−405)50重量部とスチレン−ブタジエン共重合体
樹脂(電気化学工業製 クリアレン730L)10重量
部とをクロロベンゼン68重量部、ジクロロメタン68
重量部、1,1,2−トリクロロエタン136重量部と
を均一に溶解し塗布液とし、スピンナーにて350rp
m、0.4秒でコーティングし、塗膜の表面に皮膜が形
成されて、塗膜の表面が付着しなくなるまでの間、無風
下で放置しレベリング乾燥を行った後、80℃、2時間
乾燥して電荷輸送層を積層し、電荷発生層と電荷輸送層
とからなる膜厚20μmの光導電層を有する本発明にお
ける光センサーを作製し、室温、相対湿度60%以下の
暗所下で3日間エージングを行った。
【0151】(光センサーの電気特性)この光センサー
を使用して実施例1と同様の方法によって、300Vの
直流電圧を印加すると同時に、ガラス基板側から20ル
ックスの緑色光を1/30秒間露光した。電圧印加は
0.15秒間継続し、その間の電流の時間変化をオシロ
コープにより測定した。また露光をしないで電圧印加の
みを行い、同様にして電流測定した結果を同時に図26
に示す。図から実施例1に記載の光センサーと同様の光
増幅機能を有していることがわかる。また、この光セン
サーに流れる電流値から、比抵抗は1.0×1011Ω・
cmであった。
を使用して実施例1と同様の方法によって、300Vの
直流電圧を印加すると同時に、ガラス基板側から20ル
ックスの緑色光を1/30秒間露光した。電圧印加は
0.15秒間継続し、その間の電流の時間変化をオシロ
コープにより測定した。また露光をしないで電圧印加の
みを行い、同様にして電流測定した結果を同時に図26
に示す。図から実施例1に記載の光センサーと同様の光
増幅機能を有していることがわかる。また、この光セン
サーに流れる電流値から、比抵抗は1.0×1011Ω・
cmであった。
【0152】(情報記録方法)実施例1記載の情報記録
装置を構成し、光センサーと情報記録媒体の両電極間に
750Vの直流電圧を印加すると同時に、グレースケー
ルを1/30秒間、光センサー側から投影露光した。電
圧印加時間は0.05秒間とした。露光後、情報記録媒
体を取り出し、実施例1同様の情報出力系により読み取
りおよび出力を行ったところ、良好な印刷物が得られ
た。
装置を構成し、光センサーと情報記録媒体の両電極間に
750Vの直流電圧を印加すると同時に、グレースケー
ルを1/30秒間、光センサー側から投影露光した。電
圧印加時間は0.05秒間とした。露光後、情報記録媒
体を取り出し、実施例1同様の情報出力系により読み取
りおよび出力を行ったところ、良好な印刷物が得られ
た。
【0153】(光センサーの熱刺激電流測定)実施例1
と同様の方法で、熱刺激電流測定を行った。結果を図2
7に示す。横軸は加熱温度(℃)、縦軸は電流値であ
り、実施例1同様に、40〜150℃の範囲内におい
て、明瞭なピーク状の波形が観測された。
と同様の方法で、熱刺激電流測定を行った。結果を図2
7に示す。横軸は加熱温度(℃)、縦軸は電流値であ
り、実施例1同様に、40〜150℃の範囲内におい
て、明瞭なピーク状の波形が観測された。
【0154】実施例3 (光センサーの作製)ポリ−N−ビニルカルバゾール
(PVK)に下記構造で示される
(PVK)に下記構造で示される
【0155】
【化35】
【0156】チアピリリウム塩系色素を、100:0.
001の割合(モル比)で混合し、クロロホルム中に固
形分が4重量%となるように溶液を調整し、この溶液を
ガラス基板上に形成した厚さ100nm、面積抵抗80
Ω/□のITO透明電極上に200μmのギャップを設
けたブレードコーターにて3cm/秒の速度で塗布し、
10分放置後、80℃、1時間乾燥して、膜厚10μm
の光センサーを作製した。
001の割合(モル比)で混合し、クロロホルム中に固
形分が4重量%となるように溶液を調整し、この溶液を
ガラス基板上に形成した厚さ100nm、面積抵抗80
Ω/□のITO透明電極上に200μmのギャップを設
けたブレードコーターにて3cm/秒の速度で塗布し、
10分放置後、80℃、1時間乾燥して、膜厚10μm
の光センサーを作製した。
【0157】(光センサーの電気特性)この光センサー
を使用して実施例1と同様に金電極を蒸着して測定用試
料を作製し、ITO透明電極側を上面となるようにし
て、25℃、55%RHの雰囲気で、蛍光灯(36W
1灯 東芝製 ワットブライター FLR40SW/M
/36)下1m、照度200ルックスの条件で2日間放
置して露光を行い、光センサーを半導電性とした後、実
施例1と同様の電流測定装置によって、暗室下で300
Vの直流電圧をITO電極側を正として印加すると同時
に、ITO電極側から20ルックスの緑色光で1/30
秒間露光した。電圧印加は0.15秒間継続し、その間
の電流の時間変化を測定した結果を図28に示す。図か
ら、この光センサーは実施例1記載の光センサーと同様
の光電流増幅機能を有していることがわかる。また、光
センサーに300Vの直流電圧を同様の極性で印加しな
がら、60ルックスの前露光処理を施すことによっても
同様の効果が得られた。
を使用して実施例1と同様に金電極を蒸着して測定用試
料を作製し、ITO透明電極側を上面となるようにし
て、25℃、55%RHの雰囲気で、蛍光灯(36W
1灯 東芝製 ワットブライター FLR40SW/M
/36)下1m、照度200ルックスの条件で2日間放
置して露光を行い、光センサーを半導電性とした後、実
施例1と同様の電流測定装置によって、暗室下で300
Vの直流電圧をITO電極側を正として印加すると同時
に、ITO電極側から20ルックスの緑色光で1/30
秒間露光した。電圧印加は0.15秒間継続し、その間
の電流の時間変化を測定した結果を図28に示す。図か
ら、この光センサーは実施例1記載の光センサーと同様
の光電流増幅機能を有していることがわかる。また、光
センサーに300Vの直流電圧を同様の極性で印加しな
がら、60ルックスの前露光処理を施すことによっても
同様の効果が得られた。
【0158】実施例4 実施例3のチアピリリウム系染料に代えて、下記構造
【0159】
【化36】
【0160】のトリフェニルメタン系色素(マラカイト
グリーン、BF4 塩)を用いた点を除き実施例3と同様
に光センサーを作製した。 (光センサーの電気特性)光センサーの電気的特性を実
施例3と同様に測定し、その結果を図29に示す。この
光センサーは実施例3記載の光センサーと同様の光電流
増幅機能を有しており、また光センサーに300Vの直
流電圧を電圧印加露光時と同様の極性で印加しながら、
80ルックスの前露光処理を施すことによっても同様の
効果が得られた。
グリーン、BF4 塩)を用いた点を除き実施例3と同様
に光センサーを作製した。 (光センサーの電気特性)光センサーの電気的特性を実
施例3と同様に測定し、その結果を図29に示す。この
光センサーは実施例3記載の光センサーと同様の光電流
増幅機能を有しており、また光センサーに300Vの直
流電圧を電圧印加露光時と同様の極性で印加しながら、
80ルックスの前露光処理を施すことによっても同様の
効果が得られた。
【0161】実施例5 実施例3のチアピリリウム系染料に代えて、下記構造
【0162】
【化37】
【0163】のトリフェニルメタン系色素(クリスタル
バイオレット、BF4 塩)を用いた点を除き実施例3と
同様に光センサーを作製した。 (光センサーの電気特性)光センサーの電気的特性を実
施例3と同様に測定し、その結果を図29に示す。この
光センサーは実施例3記載の光センサーと同様の光電流
増幅機能を有していた。
バイオレット、BF4 塩)を用いた点を除き実施例3と
同様に光センサーを作製した。 (光センサーの電気特性)光センサーの電気的特性を実
施例3と同様に測定し、その結果を図29に示す。この
光センサーは実施例3記載の光センサーと同様の光電流
増幅機能を有していた。
【0164】実施例6 実施例1で作製した光センサーにおける光導電層上に、
下記構造
下記構造
【0165】
【化38】
【0166】のジパラキシリレンを真空下で気化重合さ
せ、ポリ−モノクロロパラキシリレンを成膜し、膜厚
0.6μmの誘電体層を積層した。次いで、この誘電体
層上に、実施例1で作製した紫外線硬化型樹脂及び液晶
物質からなる塗布液を用いて、実施例1同様にして情報
記録層を積層した。さらに、この情報記録層上に、スパ
ッタリングでITOを20nm成膜することにより、導
電層を積層し、情報記録装置を作製した。この情報記録
装置の両電極間に680Vの直流電圧を印加すると同時
に、実施例1同様にグレースケールを露光量0.2〜2
00ルックスで1/30秒間、光センサー側から投影露
光した。電圧印加時間は0.08秒間とした。露光後、
情報記録媒体を取り出し、実施例1同様の情報出力装置
により、読み取りおよび出力を行ったところ、良好な印
刷物が得られた。
せ、ポリ−モノクロロパラキシリレンを成膜し、膜厚
0.6μmの誘電体層を積層した。次いで、この誘電体
層上に、実施例1で作製した紫外線硬化型樹脂及び液晶
物質からなる塗布液を用いて、実施例1同様にして情報
記録層を積層した。さらに、この情報記録層上に、スパ
ッタリングでITOを20nm成膜することにより、導
電層を積層し、情報記録装置を作製した。この情報記録
装置の両電極間に680Vの直流電圧を印加すると同時
に、実施例1同様にグレースケールを露光量0.2〜2
00ルックスで1/30秒間、光センサー側から投影露
光した。電圧印加時間は0.08秒間とした。露光後、
情報記録媒体を取り出し、実施例1同様の情報出力装置
により、読み取りおよび出力を行ったところ、良好な印
刷物が得られた。
【0167】実施例7 (情報記録媒体の作製)充分に洗浄したガラス基板上に
SnO2 を100nm蒸着し電極を作製した後、電極を
実施例1と同様の洗浄処理を行った。この電極上にβ−
ピネン重合体(理化ハーキュレス社製、ピコライトS1
15)4重量部、α−メチルスチレン重合体(理化ハー
キュレス社製、クリスタレックス3100)16重量
部、キシレン80重量部を均一になるよう混合して得ら
れた塗布液を、スピンナーにて2000rpm、5秒で
コーティングした後、室温にて30分間放置して、膜厚
0.7μmの情報記録層を有する情報記録媒体を得た。
SnO2 を100nm蒸着し電極を作製した後、電極を
実施例1と同様の洗浄処理を行った。この電極上にβ−
ピネン重合体(理化ハーキュレス社製、ピコライトS1
15)4重量部、α−メチルスチレン重合体(理化ハー
キュレス社製、クリスタレックス3100)16重量
部、キシレン80重量部を均一になるよう混合して得ら
れた塗布液を、スピンナーにて2000rpm、5秒で
コーティングした後、室温にて30分間放置して、膜厚
0.7μmの情報記録層を有する情報記録媒体を得た。
【0168】(情報記録方法)実施例1で作製した光セ
ンサーと、前記で作製した情報記録媒体とを使用して実
施例1と同様の情報記録装置を作製し、両電極間に80
0Vの直流電圧を印加すると同時にグレースケールを露
光量0.2〜200ルックスで0.1秒間、光センサー
側から投影露光した。電圧印加時間は0.5秒間とし
た。露光後、情報記録媒体を取り出し、80℃、30秒
間加熱して現像を行ったところ、グレースケールに対応
したフロスト像が形成された。この情報記録媒体におけ
るフロスト像を、実施例1同様に、図22に示される情
報出力装置により読み取ることができた。フロスト像を
形成する情報記録媒体は、ある程度の電位が帯電してい
ないと、加熱後十分なフロスト像が形成されない。本実
施例の場合、約150V程度の電位の帯電が要求される
が、本発明の光センサーは、半導電性であるため、高感
度と必要なベース電流の供給の両方を実現できた。この
ような光センサーでない場合には、帯電をあらかじめを
するか、あるいは情報記録時の印加電圧を大きくするこ
とが必要となるが、前者はあらかじめ帯電するために手
間がかかり、後者では印加電圧が大きくなり、放電破壊
を起こす可能性が高くなる。
ンサーと、前記で作製した情報記録媒体とを使用して実
施例1と同様の情報記録装置を作製し、両電極間に80
0Vの直流電圧を印加すると同時にグレースケールを露
光量0.2〜200ルックスで0.1秒間、光センサー
側から投影露光した。電圧印加時間は0.5秒間とし
た。露光後、情報記録媒体を取り出し、80℃、30秒
間加熱して現像を行ったところ、グレースケールに対応
したフロスト像が形成された。この情報記録媒体におけ
るフロスト像を、実施例1同様に、図22に示される情
報出力装置により読み取ることができた。フロスト像を
形成する情報記録媒体は、ある程度の電位が帯電してい
ないと、加熱後十分なフロスト像が形成されない。本実
施例の場合、約150V程度の電位の帯電が要求される
が、本発明の光センサーは、半導電性であるため、高感
度と必要なベース電流の供給の両方を実現できた。この
ような光センサーでない場合には、帯電をあらかじめを
するか、あるいは情報記録時の印加電圧を大きくするこ
とが必要となるが、前者はあらかじめ帯電するために手
間がかかり、後者では印加電圧が大きくなり、放電破壊
を起こす可能性が高くなる。
【0169】実施例8 (情報記録媒体の作製)充分洗浄した厚さ1.1mmの
ガラス基板上に、膜厚100nmのITO膜をスパッタ
法により成膜し電極を得た後、電極を実施例1と同様の
洗浄処理を行った。その電極上に、フッ素樹脂(サイト
ップ、旭硝子製、ガラス転移温度100℃、吸水率0.
01%、比抵抗1×1018Ω・cm)の7%フッ素系溶
剤溶液を、スピンナーにて1500rpm、20秒で塗
布し、室温で3時間乾燥後、情報記録層の膜厚3μmの
情報記録層を有する情報記録媒体を得た。
ガラス基板上に、膜厚100nmのITO膜をスパッタ
法により成膜し電極を得た後、電極を実施例1と同様の
洗浄処理を行った。その電極上に、フッ素樹脂(サイト
ップ、旭硝子製、ガラス転移温度100℃、吸水率0.
01%、比抵抗1×1018Ω・cm)の7%フッ素系溶
剤溶液を、スピンナーにて1500rpm、20秒で塗
布し、室温で3時間乾燥後、情報記録層の膜厚3μmの
情報記録層を有する情報記録媒体を得た。
【0170】(情報記録方法)この情報記録媒体と実施
例1で作製した光センサーとを使用して実施例1同様の
情報記録系を構築し、両電極間に900Vの直流電圧を
印加すると同時にグレースケールを露光量0.2〜20
0ルックスで1/30秒間、光センサー側から投影露光
した。電圧印加時間は0.1秒間とした。情報記録媒体
の樹脂面の静電情報を、図30に示す情報出力装置によ
り、振動容量型表面電位計(モデル344、トレック
製)を用いて読みとることができた。
例1で作製した光センサーとを使用して実施例1同様の
情報記録系を構築し、両電極間に900Vの直流電圧を
印加すると同時にグレースケールを露光量0.2〜20
0ルックスで1/30秒間、光センサー側から投影露光
した。電圧印加時間は0.1秒間とした。情報記録媒体
の樹脂面の静電情報を、図30に示す情報出力装置によ
り、振動容量型表面電位計(モデル344、トレック
製)を用いて読みとることができた。
【0171】また、読み取りの際にはベース電流値より
あらかじめ予想できる読み取りに不必要な電位、この場
合には200Vをあらかじめ差し引いてデータ処理を行
うことにより速やかな情報変換が可能である。不必要な
電位を差し引いて処理をしないとデータ解析に時間を要
し、その後の処理を速やかに行うことができない。
あらかじめ予想できる読み取りに不必要な電位、この場
合には200Vをあらかじめ差し引いてデータ処理を行
うことにより速やかな情報変換が可能である。不必要な
電位を差し引いて処理をしないとデータ解析に時間を要
し、その後の処理を速やかに行うことができない。
【0172】また、本発明の光センサーは、増幅作用を
有しているので、微弱な光であっても、電位差に変換で
きるために、従来ものよりも低露光域から検出すること
ができ、高感度であった。
有しているので、微弱な光であっても、電位差に変換で
きるために、従来ものよりも低露光域から検出すること
ができ、高感度であった。
【0173】実施例9 充分に洗浄した厚さ1.1mmのガラス基板上に、スパ
ッタリングによって、0.16cm2 、面積抵抗80Ω
/□、膜厚50nmのITO膜を成膜し、透明電極を作
製した。電極をスクラバー洗浄機(プレートクリーナー
モデル602 ウルトラテック社)にて、純水噴射2
秒間、スクラバー洗浄20秒間、純水リンス15秒間、
高速回転による水分の除去25秒間、赤外線乾燥55秒
間の洗浄処理を2回行った。電荷発生性物質として実施
例2で使用したものと同一のビスアゾ顔料3重量部と、
表1および表2に示したバインダー樹脂1重量部とを、
表1、表2に示した溶媒196重量部と混合し、混合機
により十分に混練を行い塗布液を作製し、この塗布液を
電極上に塗布し、塗膜の表面に皮膜が形成されて、塗膜
の表面が付着しなくなるまでの間、無風下で放置しレベ
リング乾燥を行った後、100℃、1時間乾燥して膜厚
0.3μmの電荷発生層を形成した。なお、本実施例で
使用したバインダー樹脂としては、分子量1,000〜
100,000の範囲のものであり、この範囲のものを
使用するのが望ましい。
ッタリングによって、0.16cm2 、面積抵抗80Ω
/□、膜厚50nmのITO膜を成膜し、透明電極を作
製した。電極をスクラバー洗浄機(プレートクリーナー
モデル602 ウルトラテック社)にて、純水噴射2
秒間、スクラバー洗浄20秒間、純水リンス15秒間、
高速回転による水分の除去25秒間、赤外線乾燥55秒
間の洗浄処理を2回行った。電荷発生性物質として実施
例2で使用したものと同一のビスアゾ顔料3重量部と、
表1および表2に示したバインダー樹脂1重量部とを、
表1、表2に示した溶媒196重量部と混合し、混合機
により十分に混練を行い塗布液を作製し、この塗布液を
電極上に塗布し、塗膜の表面に皮膜が形成されて、塗膜
の表面が付着しなくなるまでの間、無風下で放置しレベ
リング乾燥を行った後、100℃、1時間乾燥して膜厚
0.3μmの電荷発生層を形成した。なお、本実施例で
使用したバインダー樹脂としては、分子量1,000〜
100,000の範囲のものであり、この範囲のものを
使用するのが望ましい。
【0174】次に、電荷輸送物質として実施例2で使用
したものと同一のブタジエン誘導体(アナン社製、T4
05)25重量部と、スチレン−ブタジエン共重合体樹
脂(電気化学工業社製 クリアレン730L)5重量部
とを、クロロベンゼン102重量部、ジクロロメタン6
8重量部を均一に溶解して塗布液を作製した。この溶液
を先に作製した電荷発生層上に塗布し、レベリング乾燥
を行った後、80℃、2時間乾燥して膜厚20μmの電
荷輸送層を形成して光センサーを作製した。
したものと同一のブタジエン誘導体(アナン社製、T4
05)25重量部と、スチレン−ブタジエン共重合体樹
脂(電気化学工業社製 クリアレン730L)5重量部
とを、クロロベンゼン102重量部、ジクロロメタン6
8重量部を均一に溶解して塗布液を作製した。この溶液
を先に作製した電荷発生層上に塗布し、レベリング乾燥
を行った後、80℃、2時間乾燥して膜厚20μmの電
荷輸送層を形成して光センサーを作製した。
【0175】作製した光センサーを3日間エージングを
行った後に、光センサーの電気特性、情報記録性能およ
び帯電光減衰の評価を実施例1と同様にして行った。帯
電光減衰測定からは受容電位(V)を、電気測定からは
ベース電流密度(A/cm2 )を、情報記録性能からは
コントラスト電圧(V)をそれぞれ測定し、以上の各バ
インダー樹脂における結果を表1および表2に示した。
なお、コントラスト電圧は図25における0.04秒後
における電圧の増加量のことと定義する。また、ポリ塩
化ビニルおよびポリ塩化ビニリデンを用いた試料番号8
および12の電気特性の測定結果を、それぞれ図31、
図32に示す。
行った後に、光センサーの電気特性、情報記録性能およ
び帯電光減衰の評価を実施例1と同様にして行った。帯
電光減衰測定からは受容電位(V)を、電気測定からは
ベース電流密度(A/cm2 )を、情報記録性能からは
コントラスト電圧(V)をそれぞれ測定し、以上の各バ
インダー樹脂における結果を表1および表2に示した。
なお、コントラスト電圧は図25における0.04秒後
における電圧の増加量のことと定義する。また、ポリ塩
化ビニルおよびポリ塩化ビニリデンを用いた試料番号8
および12の電気特性の測定結果を、それぞれ図31、
図32に示す。
【0176】
【表1】
【0177】
【表2】
【0178】実施例10 実施例2で使用したものと同一のビスアゾ顔料3重量部
と、ポリビニルホルマール樹脂1重量部とを、1,4−
ジオキサン:シクロヘキサノン=1:1の混合溶媒19
6重量部と混合し、混合機により十分に混練を行い塗布
液を作製し、この塗布液を実施例10と同様に作製した
電極上に塗布し、100℃、1時間乾燥して膜厚0.3
μmの電荷発生層を形成した。
と、ポリビニルホルマール樹脂1重量部とを、1,4−
ジオキサン:シクロヘキサノン=1:1の混合溶媒19
6重量部と混合し、混合機により十分に混練を行い塗布
液を作製し、この塗布液を実施例10と同様に作製した
電極上に塗布し、100℃、1時間乾燥して膜厚0.3
μmの電荷発生層を形成した。
【0179】次に、電荷輸送物質として実施例2で使用
したものと同一のブタジエン誘導体(アナン社製、T4
05)25重量部、表3および表4に示したバインダー
樹脂5重量部、クロロベンゼン102重量部、ジクロロ
メタン68重量部とを均一に溶解して塗布液を作製し
た。この溶液を先に作製した電荷発生層上に塗布し、レ
ベリング乾燥を行った後、80℃、2時間乾燥して膜厚
20μmの電荷輸送層を形成して光センサーを作製し
た。作製した光センサーを3日間暗所にてエージングを
行った後に、光センサーの電気特性、情報記録性能およ
び帯電光減衰の評価を実施例1と同様にして行った。帯
電光減衰測定からは受容電位(V)を、電気測定からは
ベース電流密度(A/cm2 )を、情報記録性能からは
コントラスト電圧(V)をそれぞれ測定し、以上の各バ
インダー樹脂における結果を表3および表4に示した。
したものと同一のブタジエン誘導体(アナン社製、T4
05)25重量部、表3および表4に示したバインダー
樹脂5重量部、クロロベンゼン102重量部、ジクロロ
メタン68重量部とを均一に溶解して塗布液を作製し
た。この溶液を先に作製した電荷発生層上に塗布し、レ
ベリング乾燥を行った後、80℃、2時間乾燥して膜厚
20μmの電荷輸送層を形成して光センサーを作製し
た。作製した光センサーを3日間暗所にてエージングを
行った後に、光センサーの電気特性、情報記録性能およ
び帯電光減衰の評価を実施例1と同様にして行った。帯
電光減衰測定からは受容電位(V)を、電気測定からは
ベース電流密度(A/cm2 )を、情報記録性能からは
コントラスト電圧(V)をそれぞれ測定し、以上の各バ
インダー樹脂における結果を表3および表4に示した。
【0180】
【表3】
【0181】
【表4】
【0182】実施例11 実施例2の光センサーを用い、実施例1で光センサーの
情報記録性能を評価するために用いた図23に示した電
圧測定回路を用いて同様の評価を行った。評価は、60
0Vの電圧を露光前に、それぞれ20m秒間、40
m秒間、60m秒間、80m秒間行った後に露光を
行うとともに、露光の終了後も電圧の印加を続けた点を
除き実施例1と同様に行い、露光前の電圧印加をしなか
ったものを比較試料として行った。コンデンサと抵抗に
加わる電圧の電圧印加および光照射に伴う増加量(△
V)の時間変化を図33および図34に示した。図33
に示すように、比較試料に比して電圧の増加量は、露光
前に電圧を印加したものにおいてもほぼ同様の変化を示
し、いずれにおいても増幅作用を示した。
情報記録性能を評価するために用いた図23に示した電
圧測定回路を用いて同様の評価を行った。評価は、60
0Vの電圧を露光前に、それぞれ20m秒間、40
m秒間、60m秒間、80m秒間行った後に露光を
行うとともに、露光の終了後も電圧の印加を続けた点を
除き実施例1と同様に行い、露光前の電圧印加をしなか
ったものを比較試料として行った。コンデンサと抵抗に
加わる電圧の電圧印加および光照射に伴う増加量(△
V)の時間変化を図33および図34に示した。図33
に示すように、比較試料に比して電圧の増加量は、露光
前に電圧を印加したものにおいてもほぼ同様の変化を示
し、いずれにおいても増幅作用を示した。
【0183】また、図34より、露光前の電圧印加時間
の調整によって、メモリー性高分子分散液晶などの情報
記録媒体などの情報記録媒体に加わる電圧の大きさを調
整することが可能となり、情報記録媒体に応じて適切な
電圧および露光時間の設定も容易となる。
の調整によって、メモリー性高分子分散液晶などの情報
記録媒体などの情報記録媒体に加わる電圧の大きさを調
整することが可能となり、情報記録媒体に応じて適切な
電圧および露光時間の設定も容易となる。
【0184】
【発明の効果】以上のように、本発明の光センサーは、
弱い光によって情報露光された場合でも、情報記録媒体
に付与される電界または電荷量が増幅され、液晶、フロ
スト像形成物質、電荷保持媒体等の情報記録媒体への高
感度、高解像度の情報記録が可能となり、記録した光情
報も、複雑な光学的、電気的、化学的な処理が不要であ
り、容易に可視情報として再生することができ、また、
光情報をR、G、Bの各光成分に分離して情報露光する
ことによってカラー画像の記録も可能である。
弱い光によって情報露光された場合でも、情報記録媒体
に付与される電界または電荷量が増幅され、液晶、フロ
スト像形成物質、電荷保持媒体等の情報記録媒体への高
感度、高解像度の情報記録が可能となり、記録した光情
報も、複雑な光学的、電気的、化学的な処理が不要であ
り、容易に可視情報として再生することができ、また、
光情報をR、G、Bの各光成分に分離して情報露光する
ことによってカラー画像の記録も可能である。
【図1】本発明の光センサーを説明するための断面図で
ある。
ある。
【図2】本発明の他の光センサーを説明するための断面
図である。
図である。
【図3】本発明の第1の情報記録システムを説明するた
めの断面図である。
めの断面図である。
【図4】本発明の第2の情報記録システムを説明するた
めの断面図である。
めの断面図である。
【図5】本発明の光センサーの光電流の増幅作用を説明
するために測定系で使用したグリーンフィルターの分光
特性を示す図である。
するために測定系で使用したグリーンフィルターの分光
特性を示す図である。
【図6】比較センサーの光電流増幅作用の測定結果を示
す図である。
す図である。
【図7】比較センサーの光照射中における量子効率の変
化を示す図である。
化を示す図である。
【図8】本発明の光センサーの光電流増幅作用の測定結
果を示す図である。
果を示す図である。
【図9】本発明の光センサーの光照射中における量子効
率の変化を示す図である。
率の変化を示す図である。
【図10】比較用センサーにおける電流密度の積分値
(電荷密度)の時間変化を示す図である。
(電荷密度)の時間変化を示す図である。
【図11】本発明の光センサーの電流密度の積分値(電
荷密度)の時間変化を示す図である。
荷密度)の時間変化を示す図である。
【図12】本発明の光センサーの電気特性を評価するた
めに使用した測定回路を説明するための図である。
めに使用した測定回路を説明するための図である。
【図13】本発明の光センサーの1実施例の電気特性を
示す図である。
示す図である。
【図14】比較光センサーの電気特性を示す図である。
【図15】本発明の光センサーの熱刺激電流測定に使用
した測定回路を説明する図である。
した測定回路を説明する図である。
【図16】本発明の光センサーおよび比較光センサーの
熱刺激電流測定結果を説明する図である。
熱刺激電流測定結果を説明する図である。
【図17】光センサーの帯電光減衰特性を示す図であ
る。
る。
【図18】光センサーのエージングによる受容電位の変
化を説明する図である。
化を説明する図である。
【図19】作製半日後と、エージング後の光センサーの
電気特性を説明する図である。
電気特性を説明する図である。
【図20】本発明の情報記録方法を説明するための図で
ある。
ある。
【図21】本発明の情報記録システムにおける記録情報
の再生方法を説明するための図である。
の再生方法を説明するための図である。
【図22】本発明の情報記録システムにおける記録情報
の他の再生方法を説明するための図である。
の他の再生方法を説明するための図である。
【図23】本発明における光センサーの電気特性を評価
するために使用した測定回路を説明するための図であ
る。
するために使用した測定回路を説明するための図であ
る。
【図24】本発明における光センサーの露光した場合と
露光しない場合の電圧の変化を説明するための図であ
る。
露光しない場合の電圧の変化を説明するための図であ
る。
【図25】本発明の光センサーを用いた場合の情報記録
媒体上の電圧変化のシミュレーションを示す図である。
媒体上の電圧変化のシミュレーションを示す図である。
【図26】本発明の他の光センサーの実施例の電気特性
を示す図である。
を示す図である。
【図27】本発明の他の光センサー熱刺激電流の測定結
果を説明する図である。
果を説明する図である。
【図28】本発明の他の光センサーの電気特性を示す図
である。
である。
【図29】本発明の他の光センサーの電気特性を示す図
である。
である。
【図30】本発明の情報記録システムにおける記録情報
の他の再生方法を説明するための図である。
の他の再生方法を説明するための図である。
【図31】本発明における他の光センサーの電気特性を
示す図である。
示す図である。
【図32】本発明における他の光センサーの電気特性を
示す図である。
示す図である。
【図33】本発明における光センサーの情報記録性能を
説明する図である。
説明する図である。
【図34】本発明における光センサーの情報記録性能を
説明する図である。
説明する図である。
1…光センサー、2…情報記録媒体、11…情報記録
層、13、13′…電極、14′…電荷発生層、14″
…電荷輸送層、15…基板、19…スペーサー、20…
誘電体層、21…光源、22…駆動機構を有するシャッ
ター、23…パルスジェネレーター(電源)、24…暗
箱、30…金電極、31…光源、32…シャッター、3
3…シャッター駆動機構、34…パルスジェネレーター
(電源)、35…オシロスコープ、41…CCDを用い
たスキャナー、42…パソコン、43…プリンター、C
1 …コンデンサー、R1 …抵抗、100…微小電流計、
101…直流電源
層、13、13′…電極、14′…電荷発生層、14″
…電荷輸送層、15…基板、19…スペーサー、20…
誘電体層、21…光源、22…駆動機構を有するシャッ
ター、23…パルスジェネレーター(電源)、24…暗
箱、30…金電極、31…光源、32…シャッター、3
3…シャッター駆動機構、34…パルスジェネレーター
(電源)、35…オシロスコープ、41…CCDを用い
たスキャナー、42…パソコン、43…プリンター、C
1 …コンデンサー、R1 …抵抗、100…微小電流計、
101…直流電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 大吾 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 坂野 真一 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (56)参考文献 特開 昭51−32345(JP,A) 特開 平5−2280(JP,A) 特開 平4−37764(JP,A) 特開 平4−70864(JP,A) 特開 平2−89023(JP,A) 特開 平1−97921(JP,A) 特開 平4−70843(JP,A) 特開 平4−277718(JP,A) 特開 昭58−35516(JP,A) 特開 昭62−194779(JP,A) 特開 平4−70845(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/135 G01J 1/02 G02F 1/13 505 G03G 5/047 G03G 5/05 G03G 5/14 H04N 1/40
Claims (85)
- 【請求項1】 電極上に光導電層を有し、情報記録媒体
への情報形成に使用される光センサーにおいて、電圧印
加時において、光センサーへ105 〜106V/cmの
電界強度の印加時に、未露光部での通過電流密度が10
-4〜10-7A/cm2 を示す半導電性であり、光センサ
ーの電極と情報記録媒体との電極間に電圧を印加した状
態で情報露光すると、情報記録媒体に情報露光に起因す
る電流以上に増幅された強度で情報記録をすることがで
き、また、情報露光を終了した後も電圧を印加し続ける
と導電性を持続し、引き続き情報記録媒体に情報記録を
継続する作用を有することを特徴とする光センサー。 - 【請求項2】 電極上に光導電層を有し、情報記録媒体
への情報形成に使用される光センサーにおいて、電極上
に電界または電荷量により情報形成が可能な情報記録層
を積層した情報記録媒体と対向して配置して使用され、
電圧印加時において、光センサーへ105 〜106 V/
cmの電界強度の印加時に、未露光部での通過電流密度
が10-4〜10-7A/cm2 を示す半導電性であり、光
センサーの電極と情報記録媒体との電極間に電圧を印加
した状態で情報露光すると、情報記録媒体に付与される
電界または電荷量が増幅され、また、情報露光を終了し
た後も電圧を印加し続けると導電性を持続し、引き続き
電界または電荷量を情報記録媒体に付与し続ける作用を
有することを特徴とする光センサー。 - 【請求項3】 光導電層が電荷発生層および電荷輸送層
の積層体から構成されていることを特徴とする請求項1
〜2記載の光センサー。 - 【請求項4】 電荷発生層が電荷発生物質および樹脂バ
インダーから構成されていることを特徴とする請求項3
記載の光センサー。 - 【請求項5】 電荷発生物質がフルオレノンアゾ顔料を
用いることを特徴とする請求項3〜4記載の光センサ
ー。 - 【請求項6】 電荷発生物質が、下記の化学構造式で示
されるビスアゾ顔料であることを特徴とする請求項3〜
4記載の光センサー。 【化1】 - 【請求項7】 電荷発生層の樹脂バインダーが、ポリエ
ステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、酢
酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニル
アセタール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂から選ばれ
る少なくとも1種であることを特徴とする請求項3〜6
記載の光センサー。 - 【請求項8】 電荷輸送層が電荷輸送性物質と樹脂バイ
ンダーからなることを特徴とする請求項3〜7記載の光
センサー。 - 【請求項9】 電荷輸送性物質がパラジメチルスチルベ
ンであることを特徴とする請求項3〜8記載の光センサ
ー。 - 【請求項10】 電荷輸送性物質が下記のブタジエン誘
導体であることを特徴とする請求項3〜8記載の光セン
サー。 【化2】 - 【請求項11】 電荷輸送層の樹脂バインダーが、ポリ
スチレン樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン
共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート
樹脂、フェノキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種であ
ることを特徴とする請求項3〜10記載の光センサー。 - 【請求項12】 電極の比抵抗が106 Ω・cm以下の
導電率を有することを特徴とする請求項1〜11記載の
光センサー。 - 【請求項13】 相対湿度60%以下の暗所にてエージ
ングを行って得られたものであることを特徴とする請求
項1〜12記載の光センサー。 - 【請求項14】 電圧印加同時露光により露光部の導電
性が未露光部の導電性よりも増加し、露光を終了した後
も電圧印加している間は露光部での導電性が未露光部の
導電性より高く保持され、電圧印加終了後に露光部での
導電性が速やかに低下して未露光部の導電性と等しくな
り、繰り返し速やかに再使用が可能な請求項1〜13記
載の光センサー。 - 【請求項15】 直流コロナ帯電による正あるいは負に
帯電した場合の受容電位の絶対値が200Vよりも小さ
いことを特徴とする請求項1〜14記載の光センサー。 - 【請求項16】 熱刺激電流測定により、40〜150
℃の範囲に明瞭なピークが観測されることを特徴とする
請求項1〜15記載の光センサー。 - 【請求項17】 情報露光によって情報記録媒体へ光情
報を記録する情報記録装置において、請求項1〜16に
記載の光センサーと電極上に情報記録層を形成した情報
記録媒体とを間隙を設けて光軸上に対向配置し、光セン
サーの電極と情報記録媒体の電極間に電圧印加を可能に
結線したことを特徴とする情報記録装置。 - 【請求項18】 情報記録層が、液晶相および樹脂相か
らなることを特徴とする請求項17記載の情報記録装
置。 - 【請求項19】 情報記録層が、紫外線硬化樹脂、液
晶、界面活性剤からなることを特徴とする請求項17〜
18記載の情報記録装置。 - 【請求項20】 液晶がスメクチック液晶およびネマチ
ック液晶の混合物であることを特徴とする請求項17〜
19記載の情報記録装置。 - 【請求項21】 情報記録層を構成する樹脂相が、紫外
線硬化樹脂から構成されており、情報記録層の表層が紫
外線硬化樹脂のスキン層のみから構成されていることを
特徴とする請求項17〜20記載の情報記録装置。 - 【請求項22】 情報記録層が熱可塑性樹脂からなり、
情報露光に応じた電荷が情報記録層表面に付与された
後、加熱され、情報露光に応じたフロスト像が情報記録
層表面に形成されるものであることを特徴とする請求項
17記載の情報記録装置。 - 【請求項23】 情報記録層が、β−ピネン重合体とα
−メチルスチレン重合体との混合物であることを特徴と
する請求項22記載の情報記録装置。 - 【請求項24】 情報記録層が電荷保持層からなり、情
報露光に応じた電荷が情報記録層表面に付与され、情報
露光に応じた電荷が情報記録層表面に形成されたもので
あるか、もしくは情報記録層表面に形成された電荷をト
ナーによって現像することを特徴とする請求項17記載
の情報記録装置。 - 【請求項25】 情報記録層がメモリー性を有すること
を特徴とする請求項17〜24に記載の情報記録装置。 - 【請求項26】 情報記録媒体の比抵抗が1010〜10
13Ω・cmであることを特徴とする請求項17〜25記
載の情報記録装置。 - 【請求項27】 光センサーと情報記録媒体を膜厚3〜
30μmの絶縁性フイルムからなるスペーサによって形
成される空気層を設けて対向して積層したことを特徴と
する請求項17〜26記載の情報記録装置。 - 【請求項28】 下部電極上に光導電層、誘電体層、情
報記録層、上部電極を順に積層した情報記録装置におい
て、下部電極と光導電層からなる光センサー部は、請求
項1〜16に記載の光センサーからなり、下部電極と上
部電極との間に電圧印加を可能に結線したことを特徴と
する情報記録装置。 - 【請求項29】 誘電体層がポリ−パラキシリレンであ
ることを特徴とする請求項28記載の情報記録装置。 - 【請求項30】 情報露光によって情報記録媒体へ光情
報を記録する情報記録再生方法において、請求項1〜1
6に記載の光センサーと電極上に情報記録層を形成した
情報記録媒体を使用し、光センサーもしくは情報記録媒
体の少なくともいずれか一方の電極を透明電極とすると
ともに、光センサーと情報記録媒体を間隙を設けて光軸
上に対向配置し、両電極間に電圧を印加しつつ光情報の
露光により情報記録媒体への情報記録を行い、透過光あ
るいは反射光により可視情報として情報記録媒体に記録
した光情報の再生を行うことを特徴とする情報記録再生
方法。 - 【請求項31】 情報記録媒体における情報記録層が、
液晶相および樹脂相からなることを特徴とする請求項3
0記載の情報記録再生方法。 - 【請求項32】 情報記録媒体における情報記録層が、
紫外線硬化樹脂、液晶、界面活性剤からなることを特徴
とする請求項30〜31記載の情報記録再生方法。 - 【請求項33】 液晶がスメクチック液晶およびネマチ
ック液晶の混合物であることを特徴とする請求項31〜
32記載の情報記録再生方法。 - 【請求項34】 情報記録層を構成する樹脂相が、紫外
線硬化樹脂から構成されており、情報記録層の表層が紫
外線硬化樹脂のスキン層のみから構成されていることを
特徴とする請求項31〜33記載の情報記録再生方法。 - 【請求項35】 情報露光によって情報記録媒体へ光情
報を記録する情報記録方法において、請求項1〜16に
記載の光センサーと電極上に熱可塑性樹脂からなる情報
記録層を形成した情報記録媒体を使用し、光情報の露光
によって電荷が情報記録層上に付与された後に加熱し、
情報露光に応じたフロスト像を形成し、透過光あるいは
反射光により可視情報として情報記録媒体に記録した光
情報の再生を行うことを特徴とする情報記録再生方法。 - 【請求項36】 情報記録層が、β−ピネン重合体とα
−メチルスチレン重合体との混合物であることを特徴と
する請求項35記載の情報記録再生方法。 - 【請求項37】 情報露光によって情報記録媒体へ光情
報を記録する情報記録方法において、請求項1〜16に
記載の光センサーと電極上に電荷保持層からなる情報記
録層を形成した情報記録媒体を使用し、光情報の露光に
よって電荷を情報記録層上に付与された後に、記録した
光情報を電位センサーによって読み取り再生を行うこと
を特徴とする情報記録再生方法。 - 【請求項38】 情報露光によって情報記録媒体へ光情
報を記録する情報記録再生方法において、請求項1〜1
6に記載の光センサーと電極上に電荷保持層からなる情
報記録層を形成した情報記録媒体を使用し、光情報の露
光によって電荷を情報記録層上に付与した後に、記録し
た光情報をトナーによって現像し、透過光または反射光
によって可視情報として光情報の再生を行うことを特徴
とする情報記録再生方法。 - 【請求項39】 情報露光によって情報記録媒体へ光情
報を記録する情報記録方法において、情報記録媒体が下
部電極上に光導電層、誘電体層、情報記録層、上部電極
を順に積層しており、下部電極と光導電層からなる光セ
ンサー部は、請求項1〜17に記載の光センサーからな
り、下部電極と上部電極の少なくともいずれか一方は透
明電極とし、下部電極と上部電極との間に電圧を印加し
つつ光情報の露光により情報記録媒体への情報記録を行
い、透過光あるいは反射光により可視情報として情報記
録媒体に記録した光情報の再生を行うことを特徴とする
情報記録再生方法。 - 【請求項40】 誘電体層がポリ−パラキシリレンであ
ることを特徴とする請求項39記載の情報記録再生方
法。 - 【請求項41】 記録した光情報をCCDセンサーを有
するスキャナーによって読みとり、昇華転写プリンタに
よって画像の出力をすることを特徴とする請求項30〜
36あるいは請求項38〜40記載の情報記録再生方
法。 - 【請求項42】 光センサーと情報記録媒体の両電極間
の印加電圧が500〜1000Vの直流電圧であり、印
加時間が0.01〜0.1秒間であり、撮像用カメラで
の光センサー側からの投影露光が1/2〜1/200秒
間であることを特徴とする請求項30〜41記載の情報
記録再生方法。 - 【請求項43】 情報露光によって情報記録媒体へ光情
報を記録する情報記録方法において、請求項17〜29
の情報記録装置を用いて、両電極間に電圧を印加すると
同時に情報露光し、情報露光の終了と同時に電圧の印加
を終了することを特徴とする情報記録方法。 - 【請求項44】 情報露光によって情報記録媒体へ光情
報を記録する情報記録方法において、請求項17〜29
の情報記録装置を用いて、両電極間に電圧を印加すると
同時に情報露光し、情報露光を終了した後も電圧の印加
を継続することを特徴とする情報記録方法。 - 【請求項45】 情報露光によって情報記録媒体へ光情
報を記録する情報記録方法において、請求項17〜29
の情報記録装置を用いて、両電極間に電圧の印加の開始
後に情報露光し、情報露光の終了と同時に電圧の印加を
終了することを特徴とする情報記録方法。 - 【請求項46】 情報露光によって情報記録媒体へ光情
報を記録する情報記録方法において、請求項17〜29
の情報記録装置を用いて、両電極間に電圧の印加の開始
後に情報露光し、情報露光の終了後も電圧の印加を継続
することを特徴とする情報記録方法。 - 【請求項47】 光センサーと情報記録媒体の両電極間
の印加電圧が500〜1000Vの直流電圧であり、印
加時間が0.01〜0.1秒間であり、撮像用カメラで
の光センサー側からの投影露光が1/2〜1/200秒
間であることを特徴とする請求項43〜46記載の情報
記録方法。 - 【請求項48】 電極上に光導電層を有し、情報記録媒
体への情報形成に使用される光センサーにおいて、情報
露光前に全面に一様露光した後に、光センサーの電極と
情報記録媒体との電極間に電圧を印加した状態で情報露
光すると、情報記録媒体に情報露光に起因する電流以上
に増幅された強度で情報記録をすることができ、また、
情報露光を終了した後も電圧を印加し続けると導電性を
持続し、引き続き情報記録媒体に情報記録を継続する作
用を有することを特徴とする光センサー。 - 【請求項49】 電極の比抵抗が106 Ω・cm以下の
導電率を有することを特徴とする請求項48記載の光セ
ンサー。 - 【請求項50】 光導電層がポリ−N−ビニルカルバゾ
ールおよび色素添加物を含有することを特徴とする請求
項48〜49記載の光センサー。 - 【請求項51】 光導電層の色素添加物が下記に示され
る化合物であることを特徴とする請求項50記載の光セ
ンサー。 【化3】 - 【請求項52】 光センサーを全面に一様露光した後の
電圧印加時において、光センサーへ105 〜106 V/
cmの電界強度の印加時に、情報未露光部での通過電流
密度が10-4〜10-7A/cm2 であることを特徴とす
る請求項48〜51記載の光センサー。 - 【請求項53】 光センサーを全面に一様露光後の直流
コロナ帯電による正あるいは負に帯電した場合の受容電
位の絶対値が200Vよりも小さいことを特徴とする請
求項48〜52記載の光センサー。 - 【請求項54】 光センサーを全面に一様露光後の熱刺
激電流測定により、40〜150℃の範囲に明瞭なピー
クが観測されることを特徴とする請求項48〜53記載
の光センサー。 - 【請求項55】 一様露光を相対湿度60%以下、照度
200ルックスの条件で行うことを特徴とする請求項4
8〜54記載の光センサー。 - 【請求項56】 情報露光によって情報記録媒体へ光情
報を記録する情報記録装置において、全面に一様露光後
の請求項48〜55に記載の光センサーと電極上に情報
記録層を形成した情報記録媒体とを間隙を設けて光軸上
に対向配置し、光センサーの電極と情報記録媒体の電極
間に電圧印加を可能に結線したことを特徴とする情報記
録装置。 - 【請求項57】 情報記録媒体における情報記録層が、
液晶相および樹脂相からなることを特徴とする請求項5
6記載の情報記録装置。 - 【請求項58】 情報記録媒体における情報記録層が、
紫外線硬化樹脂、液晶、界面活性剤からなることを特徴
とする請求項56〜57記載の情報記録装置。 - 【請求項59】 液晶がスメクチック液晶およびネマチ
ック液晶の混合物であることを特徴とする請求項56〜
58記載の情報記録装置。 - 【請求項60】 情報記録層を構成する樹脂相が、紫外
線硬化樹脂から構成されており、情報記録層の表層が紫
外線硬化樹脂のスキン層のみから構成されていることを
特徴とする請求項56〜59記載の情報記録装置。 - 【請求項61】 光センサーへ105 〜106 V/cm
の電界強度の印加時に、情報未露光部での通過電流密度
が10-4〜10-7A/cm2 であり、情報記録媒体の比
抵抗が1010〜1013Ω・cmであることを特徴とする
請求項56〜60記載の情報記録装置。 - 【請求項62】 情報記録層が熱可塑性樹脂からなり、
情報露光に応じた電荷が情報記録層表面に付与された
後、加熱され、情報露光に応じたフロスト像が情報記録
層表面に形成されるものであることを特徴とする請求項
56記載の情報記録装置。 - 【請求項63】 情報記録層が、β−ピネン重合体とα
−メチルスチレン重合体との混合物であることを特徴と
する請求項62記載の情報記録装置。 - 【請求項64】 情報記録層が電荷保持層からなり、情
報露光に応じた電荷が情報記録層表面に付与され、情報
露光に応じた電荷が情報記録層表面に形成されたもので
あるか、もしくは情報記録層表面に形成された電荷をト
ナーによって現像することを特徴とする請求項56記載
の情報記録装置。 - 【請求項65】 情報記録層がメモリー性を有すること
を特徴とする請求項56〜64記載の情報記録装置。 - 【請求項66】 光センサーと情報記録媒体を膜厚3〜
30μmの絶縁性フイルムからなるスペーサによって形
成される空気層を設けて対向して積層したことを特徴と
する請求項56〜65記載の情報記録装置。 - 【請求項67】 下部電極上に光導電層、誘電体層、情
報記録層、上部電極を順に積層した情報記録装置におい
て、下部電極と光導電層からなる光センサー部は、請求
項48〜55に記載の光センサーからなり、下部電極と
上部電極との間に電圧印加を可能に結線したことを特徴
とする情報記録装置。 - 【請求項68】 誘電体層がポリ−パラキシリレンであ
ることを特徴とする請求項67記載の情報記録装置。 - 【請求項69】 情報露光によって情報記録媒体へ光情
報を記録する情報記録再生方法において、請求項48〜
55に記載の光センサーと電極上に情報記録層を形成し
た情報記録媒体を使用し、光センサーもしくは情報記録
媒体の少なくともいずれか一方の電極を透明電極とする
とともに、光センサーを全面に一様露光した後に光セン
サーと情報記録媒体を間隙を設けて光軸上に対向配置
し、両電極間に電圧を印加しつつ光情報の露光により情
報記録媒体への情報記録を行い、透過光あるいは反射光
により可視情報として情報記録媒体に記録した光情報の
再生を行うことを特徴とする情報記録再生方法。 - 【請求項70】 情報記録媒体における情報記録層が、
液晶相および樹脂相からなることを特徴とする請求項6
9記載の情報記録再生方法。 - 【請求項71】 情報記録媒体における情報記録層が、
紫外線硬化樹脂、液晶、界面活性剤からなることを特徴
とする請求項69〜70記載の情報記録再生方法。 - 【請求項72】 液晶がスメクチック液晶およびネマチ
ック液晶の混合物であることを特徴とする請求項69〜
71記載の情報記録再生方法。 - 【請求項73】 情報記録層を構成する樹脂相が、紫外
線硬化樹脂から構成されており、情報記録層の表層が紫
外線硬化樹脂のスキン層のみから構成されていることを
特徴とする請求項69〜72記載の情報記録再生方法。 - 【請求項74】 情報露光によって情報記録媒体へ光情
報を記録する情報記録方法において、請求項48〜55
に記載の光センサーと電極上に熱可塑性樹脂からなる情
報記録層を形成した情報記録媒体を使用し、光センサー
を全面に一様露光した後に光情報の露光を行い、光情報
の露光によって電荷が情報記録層上に付与された後に加
熱し、情報露光に応じたフロスト像を形成し、透過光あ
るいは反射光により可視情報として情報記録媒体に記録
した光情報の再生を行うことを特徴とする情報記録再生
方法。 - 【請求項75】 情報記録層が、β−ピネン重合体とα
−メチルスチレン重合体との混合物であることを特徴と
する請求項74記載の情報記録再生方法。 - 【請求項76】 情報露光によって情報記録媒体へ光情
報を記録する情報記録方法において、請求項48〜55
に記載の光センサーと電極上に電荷保持層からなる情報
記録層を形成した情報記録媒体を使用し、光センサーを
全面に一様露光した後に光情報の露光を行い、光情報の
露光によって電荷を情報記録層上に付与された後に、記
録した光情報を電位センサーによって読み取り再生を行
うことを特徴とする情報記録再生方法。 - 【請求項77】 情報露光によって情報記録媒体へ光情
報を記録する情報記録再生方法において、請求項48〜
55に記載の光センサーと電極上に電荷保持層からなる
情報記録層を形成した情報記録媒体を使用し、光センサ
ーを全面に一様に露光した後に光情報の露光を行い、光
情報の露光によって電荷を情報記録層上に付与した後
に、記録した光情報をトナーによって現像し、透過光ま
たは反射光によって可視情報として光情報の再生を行う
ことを特徴とする情報記録再生方法。 - 【請求項78】 情報露光によって情報記録媒体へ光情
報を記録する情報記録方法において、情報記録媒体が下
部電極上に光導電層、誘電体層、情報記録層、上部電極
を順に積層しており、下部電極と光導電層からなる光セ
ンサー部は、請求項48〜55に記載の光センサーから
なり、下部電極と上部電極の少なくともいずれか一方は
透明電極とし、光センサーを全面に一様に露光した後
に、下部電極と上部電極との間に電圧を印加しつつ光情
報の露光により情報記録媒体への情報記録を行い、透過
光あるいは反射光により可視情報として情報記録媒体に
記録した光情報の再生を行うことを特徴とする情報記録
再生方法。 - 【請求項79】 誘電体層がポリ−パラキシリレンであ
ることを特徴とする請求項78記載の情報記録再生方
法。 - 【請求項80】 記録した光情報をCCDセンサーを有
するスキャナーによって読みとり、昇華転写プリンタに
よって画像の出力をすることを特徴とする請求項69〜
73あるいは請求項76〜79記載の情報記録再生方
法。 - 【請求項81】 情報露光によって情報記録媒体へ光情
報を記録する情報記録方法において、請求項56〜68
の情報記録装置を用いて、光センサーを全面に一様露光
した後に、両電極間に電圧を印加すると同時に情報露光
し、情報露光の終了と同時に電圧の印加を終了すること
を特徴とする情報記録方法。 - 【請求項82】 情報露光によって情報記録媒体へ光情
報を記録する情報記録方法において、請求項56〜68
の情報記録装置を用いて、光センサーを全面に一様に露
光した後に、両電極間に電圧を印加すると同時に情報露
光し、情報露光を終了した後も電圧の印加を継続するこ
とを特徴とする情報記録方法。 - 【請求項83】 情報露光によって情報記録媒体へ光情
報を記録する情報記録方法において、請求項56〜68
の情報記録装置を用いて、光センサーを全面に一様に露
光した後に、両電極間に電圧の印加の開始後に情報露光
し、情報露光の終了と同時に電圧の印加を終了すること
を特徴とする情報記録方法。 - 【請求項84】 情報露光によって情報記録媒体へ光情
報を記録する情報記録方法において、請求項56〜68
の情報記録装置を用いて、光センサーを全面に一様に露
光した後に、両電極間に電圧の印加の開始後に情報露光
し、情報露光の終了後も電圧の印加を継続することを特
徴とする情報記録方法。 - 【請求項85】 光センサーと情報記録媒体の両電極間
の印加電圧が500〜1000Vの直流電圧であり、印
加時間が0.01〜0.1秒間であり、撮像用カメラで
の光センサー側からの投影露光が1/2〜1/200秒
間であることを特徴とする請求項80〜84記載の情報
記録方法。
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-
1994
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