JPH07333914A - 色分解フィルタ一体型光センサー、カラー情報記録装置およびカラー情報記録再生方法 - Google Patents

色分解フィルタ一体型光センサー、カラー情報記録装置およびカラー情報記録再生方法

Info

Publication number
JPH07333914A
JPH07333914A JP6123797A JP12379794A JPH07333914A JP H07333914 A JPH07333914 A JP H07333914A JP 6123797 A JP6123797 A JP 6123797A JP 12379794 A JP12379794 A JP 12379794A JP H07333914 A JPH07333914 A JP H07333914A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
information recording
information
layer
recording medium
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6123797A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Shimizu
治 清水
Minoru Uchiumi
実 内海
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP6123797A priority Critical patent/JPH07333914A/ja
Publication of JPH07333914A publication Critical patent/JPH07333914A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 支持体上に電極13、光導電層14を順次積
層してなり、電極上に電界または電荷量により情報形成
が可能な情報記録層を積層した情報記録媒体と対向して
配置して情報記録媒体への情報形成に使用される光セン
サーにおいて、該光センサーが層幅方向において半導電
性であると共に、電圧印加時露光に際して、光誘起電流
増幅作用を有し、かつ、支持体と隣接して色分解フィル
タ層16が設けられたものであり、色分解フィルタ層が
設けられた情報記録媒体と組み合わされて情報記録装置
とされ、また、色分解フィルタ一体型光センサーと情報
記録媒体を誘電体層を介して一体化して情報記録装置と
されるものである。 【効果】 この光センサーを使用して情報記録媒体と組
み合わして情報記録装置とすることにより、高感度の情
報記録を可能とすると共に、カラー情報を1面上に高感
度で記録でき、また、情報記録装置を小型化できるもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、情報記録媒体へカラー
情報を記録することができると共に、情報記録媒体への
情報記録性能が著しく増幅される色分解フィルタ一体型
光センサー、カラー情報記録装置、及びカラー情報記録
再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】前面に電極が設けられた光導電層からな
る光センサーと、該光センサーに対向し、後面に電極が
設けられた電荷保持層からなる情報記録媒体とを光軸上
に配置し、両電極層間に電圧を印加しつつ露光し、入射
光学像に応じて、電荷保持層に静電電荷を記録させ、そ
の静電電荷をトナー現像するかまたは電位読み取りによ
り生成する方法は、例えば特開平1−290366号公
報、特開平1−289975号公報に記載されている。
また、前記方法における電荷保持層を熱可塑性樹脂層と
し、静電電荷を熱可塑樹脂層表面に記録した後加熱し、
熱可塑性樹脂層表面にフロスト像を形成することにより
記録された静電電荷を可視化する方法は、例えば特開平
3−192288号公報に記載されている。
【0003】更に、本出願人等は、前記情報記録媒体に
おける情報記録層を高分子分散型液晶層として、前記同
様に電圧印加時露光し、光センサーにより形成される電
界により液晶層を配向させて情報記録を行い、情報記録
の再生にあたっては透過光あるいは反射光により可視情
報として再生する情報記録再生方法を、先に特願平4−
3394号、特願平4−24722号、特願平5−26
6646号として出願した。この情報記録再生方法は偏
向板を使用しなくとも記録された情報を可視化でき、カ
ラー光情報を三色分解光学系を用いR、G、B等の波長
帯域に3面分割して記録している。
【0004】しかしながら、上記した例えば特願平5−
266646号に記載される光センサーは、情報記録媒
体への情報記録性能が著しく増幅され高感度であるもの
の、カラー光情報を記録する場合には、三色分解プリズ
ムによりR、G、Bの波長帯域に三面分割をおこなうも
のであるが、この方法は高分解能とできるものの三色分
解プリズムを必要とし、また情報記録に3面必要とし、
装置を小型化できないという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、情報記録性
能が著しく増幅され、高感度であると共に、カラー情報
を記録をR、G、Bの三面分割することなく、一面上に
カラー情報を記録することができ、小型化が可能な光セ
ンサー、及びこの光センサーを使用したカラー情報記録
装置およびカラー情報記録再生方法の提供を課題とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の色分解フィルタ
一体型光センサーは、支持体上に電極、光導電層を順次
積層してなり、電極上に電界または電荷量により情報形
成が可能な情報記録層を積層した情報記録媒体と対向し
て配置して情報記録媒体への情報形成に使用される光セ
ンサーにおいて、該光センサーが層幅方向において半導
電性であると共に、光センサーの電極と情報記録媒体の
電極との間に情報露光した状態での電圧印加により、あ
るいは電圧印加した状態での情報露光により、情報露光
に起因する電流以上に増幅された光誘起電流を発生し、
情報露光に起因する強度以上の強度で情報記録媒体に情
報記録をすることができ、また、情報露光を終了した後
も電圧を印加し続けると緩和減衰型導電性を示し、引き
続き情報記録媒体に情報記録を継続する作用を有し、か
つ支持体と隣接して色分解フィルタ層が設けられたこと
を特徴とする。
【0007】また、本発明の第1のカラー情報記録装置
は、支持体上に電極、光導電層を順次積層した光センサ
ーと、支持体上に電極、電界または電荷量により情報形
成が可能な情報記録層を積層した情報記録媒体とを間隙
を設けて光軸上に対向して配置すると共に、光センサー
における電極と情報記録媒体における電極とが電圧印加
可能に結線された情報記録装置において、光センサーが
その層幅方向において半導電性であり、かつ、光センサ
ーの電極と情報記録媒体の電極との間に情報露光した状
態での電圧印加により、あるいは電圧印加した状態での
情報露光により光センサーが情報露光に起因する電流以
上に増幅された光誘起電流を発生し、情報露光に起因す
る強度以上の強度で情報記録媒体に情報記録をすること
ができ、また、情報露光を終了した後も電圧を印加し続
けると緩和減衰型導電性を示し、引き続き情報記録媒体
に情報記録を継続する作用を有するものであり、かつ光
センサー及び情報記録媒体の双方における支持体に隣接
して、それぞれ色分解フィルタ層が設けられたことを特
徴とする。
【0008】また、本発明の第1のカラー情報記録装置
は、その情報記録層が、液晶相および樹脂相からなるこ
とを特徴とする。
【0009】また、本発明の第1のカラー情報記録装置
は、その情報記録層がメモリー性を有することを特徴と
する。
【0010】また、本発明の第1のカラー情報記録装置
は、その光センサーへ105 〜106 V/cmの電界強
度の印加時に、該光センサーにおける未露光部での通過
電流密度が10-4〜10-7A/cm2 であり、かつ情報
記録媒体の比抵抗が1010〜1013Ω・cmであること
を特徴とする。
【0011】また、本発明の第2のカラー情報記録装置
は、下部支持体上に下部電極、光導電層、誘電体層、電
界または電荷量により情報形成が可能な情報記録層、上
部電極、上部支持体を順次積層してなると共に、その両
電極が電圧印加可能に結線された情報記録装置におい
て、下部電極と光導電層とからなる光センサー部がその
層幅方向において半導電性であり、かつ、両電極間に情
報露光した状態での電圧印加により、あるいは電圧印加
した状態での情報露光により光センサー部が情報露光に
起因する電流以上に増幅された光誘起電流を発生し、情
報露光に起因する強度以上の強度で情報記録層に情報記
録をすることができ、また、情報露光を終了した後も電
圧を印加し続けると緩和減衰型導電性を示し、引き続き
情報記録層に情報記録を継続する作用を有するものであ
り、かつ、下部支持体と上部支持体における少なくとも
下部支持体に隣接して色分解フィルタ層が設けられたこ
とを特徴とするカラー情報記録装置。
【0012】また、本発明の第2のカラー情報記録装置
は、その情報記録層が、液晶相および樹脂相からなるこ
とを特徴とする。
【0013】また、本発明の第2のカラー情報記録装置
は、その情報記録層がメモリー性を有することを特徴と
する。
【0014】また、本発明の第2のカラー情報記録装置
は、その光センサー部へ105 〜106 V/cmの電界
強度の印加時に、該光センサー部における未露光部での
通過電流密度が10-4〜10-7A/cm2 であり、かつ
情報記録層と上部電極とからなる情報記録部の比抵抗が
1010〜1013Ω・cmであることを特徴とする。
【0015】また、本発明の第1のカラー情報記録再生
方法は、支持体上に電極、光導電層を順次積層した光セ
ンサーと、支持体上に電極、電界または電荷量により情
報形成が可能な情報記録層を積層した情報記録媒体とを
間隙を設けて光軸上に対向して配置すると共に、光セン
サーにおける電極と情報記録媒体における電極とを電圧
印加可能に結線し、両電極間に情報露光した状態での電
圧印加により、あるいは電圧印加した状態での情報露光
により情報記録媒体へ情報記録を行った後、情報記録媒
体に記録された情報を透過光または反射光により可視情
報として再生する情報記録再生方法において、光センサ
ーがその層幅方向において半導電性であり、かつ情報光
に起因する電流以上に増幅された光誘起電流を発生し、
情報露光に起因する強度以上の強度で情報記録媒体に情
報記録をすることができ、また、情報露光を終了した後
も電圧を印加し続けると緩和減衰型導電性を示し、引き
続き情報記録媒体に情報記録を継続する作用を有するも
のであり、かつ光センサー及び情報記録媒体における双
方の支持体に隣接して色分解フィルタ層が設けられるこ
とを特徴とする。
【0016】また、本発明の第2のカラー情報記録再生
方法は、下部支持体上に下部電極、光導電層、誘電体
層、電界または電荷量により情報形成が可能な情報記録
層、上部電極、上部支持体を順次積層した情報記録媒体
における両電極を電圧印加可能に結線すると共に、両電
極間に情報露光した状態での電圧印加により、あるいは
電圧印加した状態での情報露光により情報記録層へ情報
記録を行った後、情報記録層に記録された情報を透過光
または反射光により可視情報として再生する情報記録再
生方法において、下部電極、光導電層とからなる光セン
サー部が、その層幅方向において半導電性であり、かつ
情報光に起因する電流以上に増幅された光誘起電流を発
生し、情報露光に起因する強度以上の強度で情報記録層
に情報記録をすることができ、また、情報露光を終了し
た後も電圧を印加し続けると緩和減衰型導電性を示し、
引き続き情報記録層に情報記録を継続する作用を有する
ものであり、かつ下部支持体及び上部支持体における少
なくとも下部支持体に隣接して色分解フィルタ層が設け
られることを特徴とする。
【0017】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おける色分解フィルタ一体型光センサーは、支持体に隣
接して色分解フィルタ層を設けると共に、電極上に光導
電層を積層してなり、その光導電層は単層型のものと電
荷発生層および電荷輸送層を積層した積層型のものがあ
る。光導電層は、一般には光が照射されると照射部分で
光誘起電荷キャリア(電子、正孔)が発生し、それらの
キャリアが層幅を移動することができる機能を有するも
のであるが、本発明の色分解フィルタ一体型光センサー
における電極+光導電層からなる光センサー部は、光照
射時において情報記録媒体に付与される電界または電荷
量が光照射につれて経時的に増幅され、また光照射を終
了した後でも電圧を印加し続けるとその増加した導電性
を緩和減衰的に持続し、引き続き電界または電荷量を情
報記録媒体に付与し続ける作用をより有効かつ安定的に
引き起こすことができるものである。
【0018】本発明の色分解フィルタ一体型光センサー
における光導電層が単層型の場合について説明する。図
1は単層型光センサーを説明するための断面図であり、
(a)、(b)は別の態様を示す。図中13は電極、1
4は光導電層、15は基板、16は色分解フィルタであ
る。
【0019】光導電層14は、無機光導電性物質または
有機光導電性物質から形成される。無機光導電性物質と
してはSe、Se−Te、ZnO、TiO2 、Si、C
dS等が挙げられ、これらを単独もしくは複数組み合わ
せて蒸着、スパッタリング、CVD等により電極上に、
1〜30μm、好ましくは3〜20μmの膜厚で積層さ
れる。また、無機光導電性物質を微粒子として、バイン
ダーとしては、例えばシリコーン樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂、ビニルホルマール樹脂、ビニルアセタール樹
脂、ビニルブチラール樹脂、スチレン樹脂、スチレン−
ブタジエン共重合体樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹
脂、飽和または不飽和ポリエステル樹脂、メタクリル樹
脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体樹脂等が挙げられ、それぞれバインダ
ー樹脂を単独または複数のものを組み合わせて使用する
ことができる。この場合樹脂1重量部に対して光導電性
微粒子を0.1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部
の割合で分散させたものとするとよい。
【0020】また、有機光導電性物質には高分子光導電
性物質、及び低分子光導電性物質の絶縁性バインダー中
への分散物がある。高分子光導電性物質としては、例え
ばポリビニルカルバゾール(PVK)、PVKにおける
ビニル基の代わりにアリル基、アクリロキシアルキル基
のエチレン性不飽和基が含まれたポリ−N−エチレン性
不飽和基置換カルバゾール類、また、ポリ−N−アクリ
ルフェノチアジン、ポリ−N−(β−アクリロキシ)フ
ェノチアジン等のポリ−N−エチレン性不飽和基置換フ
ェノチアジン類、ポリビニルピレン等がある。なかでも
ポリ−N−エチレン性不飽和基置換カルバゾール類、特
にポリビニルカルバゾールが好ましく用いられる。
【0021】また、低分子光導電性物質としては、アル
キルアミノフェニル基等で置換されたオキサジアゾール
類、トリフェニルメタン誘導体、ヒドラゾン誘導体、ブ
タジエン誘導体、スチルベン誘導体等が挙げられる。ま
た、光導電層を後述する積層型光センサーで用いる電荷
発生性物質と電荷輸送性物質を1:1〜1:10、好ま
しくは1:2〜1:5の割合(重量比)で混合して用い
てもよい。
【0022】これらの有機光導電性物質1重量部を、電
気絶縁性樹脂0.1〜10重量部、好ましくは0.1〜
1重量部中に分散させて、皮膜形成性の有機光導電層と
してもよい。これらの有機光導電層の乾燥後の膜厚は1
〜50μmであり、好ましくは3〜20μmで電極上に
形成される。この範囲の膜厚とすることによって光セン
サーは良好な感度と画質を示す。
【0023】次に、積層型光センサーについて説明す
る。図2(a)、(b)は積層型光センサーを説明する
ための断面図であり、図中13は電極、14’は電荷発
生層、14''は電荷輸送層、15は基板、16は色分解
フィルタである。
【0024】図に示すように、積層型光センサーは電極
上に電荷発生層、電荷輸送層を順次積層して形成され、
無機材料系光センサーと有機材料系光センサーとがあ
る。
【0025】無機材料系における電荷発生層14’は、
Se−Te、硫黄や酸素等をドープしたSi等を蒸着、
スパッタリング、CVD等により電極上に、0.05μ
m〜1μmの膜厚に積層される。
【0026】次いで、この電荷発生層上に電荷輸送層と
して、Si、As2 Se3 、Si、メタン等をドープし
たSi等を同様にして1μm〜50μm、好ましくは3
〜20μmの膜厚に積層して形成される。
【0027】有機材料系における電荷発生層14’は電
荷発生性物質とバインダーからなる。電荷発生性物質と
しては、下記に示すピリリウム系染料、チアピリリウム
系染料、アズレニウム系染料、シアニン系染料、アズレ
ニウム系染料等のカオチン系染料、スクアリリウム塩系
染料、フタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ピラン
トロン系顔料等の多環キノン系顔料、インジゴ系顔料、
キナクリドン系顔料、ピロール系顔料、アゾ系顔料等の
染料、顔料を単独もしくは複数のものを組み合せて使用
することができる。なお、電荷発生性物質のうち蒸着法
で成膜可能なものは、バインダーを用いず、単独で成膜
することもできる。
【0028】バインダーとしては、例えばシリコーン樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ビニルホルマール樹脂、ビ
ニルアセタール樹脂、ビニルブチラール樹脂、スチレン
樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、エポキシ樹
脂、アクリル樹脂、飽和または不飽和ポリエステル樹
脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂等が挙げら
れ、それぞれバインダー樹脂を単独または複数のものを
組み合せて使用することができる。
【0029】これらの電荷発生剤とバインダーの混合比
は、電荷発生剤1重量部に対してバインダーを0.1〜
10重量部、好ましくは0.2〜1重量部の割合で使用
することが望ましい。電荷発生層は乾燥後膜厚として
0.01〜1μm、好ましくは0.1〜0.5μmとす
るとよく、このような膜厚とすることによって良好な感
度と画質を示す。
【0030】電荷輸送層14''は電荷輸送性物質とバイ
ンダーとからなる。電荷輸送性物質は、電荷発生層で発
生した電荷の輸送特性が良い性質であり、例えば、オキ
サジアゾール系、オキサゾール系、トリアゾール系、チ
アゾール系、トリフェニルメタン系、スチリル系、ピラ
ゾリン系、ヒドラゾン系、芳香族アミン系、カルバゾー
ル系、ポリビニルカルバゾール系、スチルベン系、エナ
ミン系、アジン系、トリフェニルアミン系、ブタジエン
系、多環芳香族化合物系、スチルベン二重体、ビフェニ
ル系等があり、ホール輸送特性の良い物質とすることが
必要である。なお、電荷輸送性物質で蒸着法で成膜可能
なものは、バインダーを用いず、単独で成膜することも
できる。
【0031】バインダーとしては、前記した電荷発生層
におけるバインダーと同様のもの、さらにポリアリレー
ト樹脂、フェノキシ樹脂が使用できるが、好ましくはス
チレン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、ポリ
カーボネート樹脂である。バインダーは、電荷輸送性物
質1重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは
0.1〜1重量部の割合で使用することが望ましい。電
荷輸送層は乾燥後膜厚として1〜50μmであり、好ま
しくは3〜20μmとするとよく、このような膜厚とす
ることによって良好な感度と画質が得られる。
【0032】光導電層には、電子受容性物質、増感色
素、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を添加して
もよい。
【0033】電子受容性物質および増感色素は、ベース
電流調節作用、ベース電流安定化作用もしくは光誘起電
流増幅作用を有する。電子受容性物質としては、例えば
ニトロ置換ベンゼン類、アミノ置換ベンゼン類、ハロゲ
ン置換ベンゼン類、置換ナフタレン類、ベンゾキノン
類、ニトロ置換フルオレノン類、クロラニル類あるいは
電荷輸送性物質に列挙した化合物等が、増感色素として
はトリフェニルメタン色素、ピリリウム塩色素、キサン
テン色素、ロイコ色素等が挙げられる。
【0034】電子受容性物質、増感色素は、それぞれ光
導電性物質1重量部に対して0.001〜10重量部、
好ましくは0.01〜1重量部の割合で添加される。
0.001重量部よりも少ないと作用は示さず、10重
量部よりも多い場合には、画質に悪影響を与える。
【0035】酸化防止剤としては、フェノール系酸化防
止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤を、紫外線
吸収剤としては、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフ
ェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸
収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤を、光安定剤
としては、紫外線安定剤、ヒンダートアミン系光安定剤
等を挙げることができる。
【0036】酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤につ
いては、単独あるいは複数を組み合わせて、光導電性物
質1重量部に対して0.001〜10重量部、好ましく
は0.01〜1重量部の割合で添加される。0.001
重量部よりも少ないとこれらの物質の添加の効果が得ら
れず、10重量部よりも多い場合には、画質に悪影響を
与える。積層型光センサーの場合は、電荷発生層、電荷
輸送層中にそれぞれ同様の割合で添加することができ
る。好ましくはこれらの物質は電荷発生層中に添加する
とよい。
【0037】また、電極13と光導電層14または電荷
発生層14’間に、光誘起電流増幅層を設けても良い。
光誘起電流増幅層は、光センサー中で光誘起によって発
生した電流を増幅する作用や、電極13から光導電層1
4または電荷発生層14’への電荷キャリヤー注入性を
制御して情報記録媒体に実質的に印加される電圧を調節
する作用、および、電極13から光導電層14または電
荷発生層14’への電荷キャリヤー注入性を均一化し、
情報記録媒体へ記録する情報のノイズ、ムラ等を軽減す
る作用を有する。第一の作用は光センサーとしての記録
感度の向上に効果的であり、第二の作用は記録画像の画
像濃度のコントロールに効果的であり、さらに、第三の
作用は記録画像の画質向上に効果的である。
【0038】この光誘起電流増幅層は、例えばシリコー
ン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ビニルホルマール樹
脂、ビニルアセタール樹脂、ビニルブチラール樹脂、ス
チレン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、エポ
キシ樹脂、アクリル樹脂、飽和または不飽和ポリエステ
ル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル
樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂等を単独ま
たは複数のものを組み合せたものからなる。さらに、可
溶性ポリアミド、フェノール樹脂、ポリウレタン、ポリ
ウレア、カゼイン、ポリペプチド、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸エステル重
合体、第四級アンモニウム塩含有重合体、セルロース化
合物等を単独または複数のものを組み合わせて使用する
こともできる。特にビニルホルマール樹脂、ビニルアセ
タール樹脂、ビニルブチラール樹脂が好ましい。
【0039】光誘起電流増幅層の厚さは、0.005〜
5μm、好ましくは0.05〜0.5μmが良く、ディ
ップコーティング、ロールコーティング、スピンコーテ
ィング等の方法によって塗布することができる。0.0
05μmよりも薄いと、画像ノイズの軽減作用はなくな
り、また5μmよりも厚いと電極から電荷発生層への電
荷キャリヤー注入を妨げてしまう。
【0040】また、光誘起電流増幅層には必要に応じ
て、各種の電子受容性物質、光導電性物質、無機塩類、
有機塩類が添加され、それぞれ添加物を単独または複数
のものを組み合わせて使用することができる。電子受容
性物質としては、例えば、置換ベンゼン類、置換ナフタ
レン類、置換および無置換ベンゾキノン類、置換および
無置換ナフトキノン類、置換および無置換アントラキノ
ン類、置換フルオレノン類、クロラニル類、置換キノジ
メタン類を挙げることができる。
【0041】光導電性物質としては、前記した単層系に
おける無機と有機の光導電性物質および積層系における
電荷発生性物質を用いることができる。電荷発生性物質
としては、ピリリウム系染料、チアピリリウム系染料、
アズレニウム系染料、シアニン系染料、アズレニウム系
染料等のカオチン系染料、スクアリリウム塩系染料、フ
タロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ピラントロン系
顔料等の多環キノン系顔料、インジゴ系顔料、キナクリ
ドン系顔料、ピロール系顔料、アゾ系顔料等の染料、顔
料を単独もしくは複数のものを組み合せて使用すること
ができる。
【0042】これらの添加物は、バインダー樹脂1重量
部に対して、0.001〜10重量部、好ましくは0.
05〜5重量部の割合で添加され、それぞれ添加物を単
独または複数のものを組み合わせて使用することがで
き、特に、置換ベンゾキノン類とアゾ顔料との組合せの
ように電子受容性化合物と有機光導電性顔料を組み合わ
せて用いることにより大きな増幅作用が得られ、好まし
い。
【0043】電極13は、後述する情報記録媒体側が不
透明であれば透明性を有することが必要であるが、情報
記録媒体側が透明性を有する場合には透明、不透明いず
れでもよく、106 Ω・cm以下の比抵抗を安定して与
える材料、例えば金、白金、亜鉛、チタン、銅、鉄、錫
等の金属薄膜導電膜、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜
鉛、酸化チタン、酸化タングステン、酸化バナジウム等
の金属酸化物導電膜、四級アンモニウム塩等の有機導電
膜等を、単独あるいは二種以上の複合材料として用いる
ことができる。なかでも酸化物導電体が好ましく、特に
酸化インジウム錫(ITO)が好ましい。電極13は蒸
着、スパッタリング、CVD、コーティング、メッキ、
ディッピング、電界重合等の方法により形成される。ま
たその膜厚は電極を構成する材料の電気特性、および情
報記録の際の印加電圧により変化させる必要があるが、
例えばITO膜では10〜300nm程度であり、光セ
ンサーとの間の全面、或いは任意のパターンに合わせて
形成される。また、二種類以上の材料を積層し用いるこ
ともできる。
【0044】基板15は、後述する情報記録媒体側が不
透明であれば透明性を有することが必要であるが、情報
記録媒体側が透明性を有する場合には透明、不透明いず
れでもよく、カード、フィルム、テープ、ディスク等の
形状を有し、光センサーを強度的に支持するものであ
り、光センサーを支持することができるある程度の強度
を有していれば、その材質、厚みは特に制限がない。例
えば、可撓性のあるプラスチックフィルム、或いはガラ
ス、ポリエチレン、ポリプロピレル、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルア
クリレート、ポリエステル、ポリカーボネート等のプラ
スチックシート、カード等の剛体が使用される。
【0045】なお、基板の電極13が設けられる面の他
方の面には、必要に応じて反射防止効果を有する層を積
層するか、また反射防止効果を発現しうる膜厚に透明基
板を調整するか、更に両者を組み合わせ、反射防止性を
付与するとよい。
【0046】次に、色分解フィルタ層16について説明
する。色分解フィルタ層は基板15に隣接して積層され
るもので、基板15における電極側に積層される場合に
は、基板上に色分解フィルタ層を設けた後、電極が色分
解フィルタ層上に積層され、また、基板における電極側
と反対面に積層される場合には、基板上に色分解フィル
タ層を設けた後、必要に応じて反射防止層が設けられ
る。
【0047】本発明で使用される色分解フィルタは、
R、G、Bの組み合わせ、或いはC、M、Yの組み合わ
せのいずれでもよく、それぞれの組み合せにブラックを
入れて4色にしたものでもよく、染色法、分散法、印刷
法、有機着色剤蒸着法、昇華転写法、写真発色法、電着
法、電子写真法、着色ポリマー重合法、インクジェット
法、偏光板法等のいずれかの方法により製造されるもの
である。例えば染色法により形成するには、ゼラチン、
カゼイン、ポリビニルアルコール等の親水性樹脂に重ク
ロム酸塩等の感光剤を添加した塗布液を、スピンコート
法等により透明基板上に塗布し、次いで、所定パターン
のマスクを用いて露光・現像を行い、その後、染料によ
り染色して第1着色層を形成する。その後、この第1着
色層上に二度染め防止のために防染層を設けてから第2
着色層及び第3着色層をそれぞれ第1着色層の形成と同
様にして形成する。これにより、基板上にR、G、Bの
組み合わせ、或いはC、M、Yの組み合わせの各着色層
を備えた色分解フィルタ一を得ることができる。
【0048】また、分散法により形成するには、透明感
光性樹脂に有機顔料、無機顔料等の着色剤を分散した感
光液を透明基板上に塗布して感光性樹脂層を形成する。
次に、この感光性樹脂層上に所定形状の開口パターンを
有するマスクを載置し、露光・現像工程を行い、第1着
色層を形成する。同様にして第2着色層、第3着色層を
形成して、R、G、Bの組み合わせ、或いはC、M、Y
の組み合わせの各着色層を備えた色分解フィルタを得る
ことができる。
【0049】印刷法により形成する方法は、大画面化が
可能であり、平版オフセット印刷、凹版オフセット印刷
等のオフセット方式、スクリーン印刷方式、フレキソ印
刷方式等により形成される。色分解フィルタの配列は、
後述する実施例ではストライプ配列のものを挙げている
が、これに限定されるものではなく、三角配列、モザイ
ク配列等としてもよい。
【0050】次に、上述した層構成において、電極と光
導電層とからなる光センサー部における光誘起電流増幅
作用について説明する。増幅作用測定用光センサーとし
て、色分解フィルタ層を設けないで支持体上に直接電極
を積層し、次いで上述した光導電層を積層し、更にその
光導電層上に0.16cm2 の金電極を積層する。そし
て、この両電極間にITO電極を正極として直流の一定
電圧を印加すると共に、電圧印加開始後0.5秒後に基
板側から0.033秒間光照射し、測定時間中の光セン
サーにおける電流値の挙動を、光照射開始時(t=0)
から測定する。なお、照射光は、キセノンランプ(浜松
ホトニクス社製L2274)を光源に、グリーンフィル
ター(日本真空光学社製)により、緑色光を選択して照
射し、照射光強度を照度計(ミノルタ社製)で測定し、
20ルックスのものとする。図3にそのフィルター特性
を示す。
【0051】この光強度で光照射した時、透明基材、I
TO膜の光透過率、フィルターの分光特性を考慮する
と、光導電層には4.2×1011個/cm2 秒のフォト
ンが入射する。そして、入射したフォトンが全て光キャ
リアに変換されると、理論的には光誘起電流としては単
位面積当たり1.35×10-6A/cm2 の電流が発生
する。ここで、前記測定装置により測定する場合に、理
論的光誘起電流に対して、光センサーで実際に発生した
光誘起電流の場合(光センサーで実際に発生した光誘起
電流値/理論的光誘起電流値)をその光センサーにおけ
る量子効率と定義する。また光誘起電流とは、光照射部
の電流値から光を照射しない部分で流れる電流であるベ
ース電流値を差し引いたものであり、光照射中あるいは
光照射後もベース電流以上の光照射に起因する電流が流
れるものをいい、いわゆる光誘起電流とは相違する。本
発明の光センサーにおける光誘起電流増幅作用とは、こ
のような光誘起電流の挙動のことであると定義する。
【0052】次に、光誘起電流増幅作用を有しない光セ
ンサー(以下、比較センサーという)として、上述した
光誘起電流増幅作用を有する光センサーにおいて、光導
電層を電極上に、絶縁層を介して積層して作製し、両者
の比較を、前記測定装置での測定結果を使用して説明す
る。なお、絶縁層の積層方法は、洗浄した電極上に、電
子ビーム蒸着によりSiO2 を100nmの膜厚で積層
し、形成した。
【0053】比較センサーについての測定例を図4に示
す。図4において(m)線は、前記理論値(1.35×
106 A/cm2 )を示す参考線で、光照射を0.03
3秒間行い、光照射後も電圧印加を継続した状態を示
す。(n)線は光誘起電流増幅作用を有しない光センサ
ーの実測線で光照射中の光誘起電流の増加はなく、その
値も理論値(1.35×106 A/cm2 )を超えず、
この比較センサーにおける量子効率は0.4とほぼ一定
である。光照射中の量子効率の変化を図5に示す。
【0054】これに対して、光誘起電流増幅作用を有す
る光センサーの測定例は、図6に示すように光照射時は
光誘起電流が増加し、量子効率との関係を示す図7から
明らかなように、約0.01秒で量子効率は1を超え、
その後も量子効率は増加を続けるものである。また、比
較センサーでは光照射終了と同時に光誘起電流が急激に
減衰するため、光照射後継続して電圧印加しても光情報
として有効な電流は得られない。これに対して、本発明
の光センサーにおいては、光照射後も電圧印加を継続す
ることにより光誘起電流が継続して流れ、引き続いて光
誘起電流を取り出すことができ、光情報をつづけて得る
ことができる。
【0055】その詳細な理由は不明であるが、本発明の
光センサーにおいては、情報光の照射に伴い発生する光
誘起電荷キャリアの内の全てが電圧印加状態において光
導電層の層幅方向に移動するわけでなく、光誘起電荷キ
ャリアの一部が光導電層中あるいは電極と光導電層の界
面に存在するトラップサイトにトラップされたような状
態となり、このトラップされた電荷は経時的に蓄積さ
れ、電圧印加した状態では露光により発生する光誘起電
流に加えて、このトラップされた電荷により誘起される
電極からの注入電流が流れ、見かけの光誘起電流量を経
時的に増幅させるものと考えられる。そして電圧を印加
した状態を維持しつつ露光を終了する場合には、露光に
より生じる光キャリアはただちに減衰して消滅するが、
トラップされた電荷の減衰は緩やかであるためトラップ
された電荷により誘起される電極からの注入電流は減衰
しながらも十分な量が流れるものと推察される。この光
誘起電流は本発明の光センサーにおける光をトリガーと
した電流増幅による効果であり、通常の感光体で予想さ
れる入射した光に起因する光誘起電流以上の電流が流れ
るために、情報記録媒体に対して効果的な光情報供与を
可能とするものである。
【0056】本発明における電極と光導電層とからなる
光センサー部は、電極を含めた素子全体として半導電性
であり、流れる電流密度から暗時の比抵抗が109 〜1
13Ω・cmであることが好ましい。特に、比抵抗が1
10〜1011Ω・cmの範囲の場合で増幅作用が顕著で
ある。比抵抗が1013Ω・cmよりも大きい光センサー
では、105 〜106 V/cmの電界強度範囲では本発
明の光センサーのような増幅作用を示さない。また、比
抵抗が109 Ω・cm未満の光センサーでは、電流が非
常に多く流れ、電流によるノイズが発生しやすく好まし
くない。
【0057】これに対して、一般の電子写真用で用いら
れている感光体素子は、暗抵抗率が1014〜1016Ω・
cmのものが用いられており、本発明の光センサーは一
般の電子写真に使用してもその目的を達することができ
ず、また一般の電子写真用の暗抵抗率が大きな光導電層
を有する感光体素子は、本発明の目的には使用すること
ができない。また、光センサーの比抵抗ρ(Ω・cm)
は、電流密度J(A/cm2 )との間に、光センサーの
膜厚d、電極面積S、印加電界強度E(V/cm)とす
ると ρ=(E・d/J・S)×(S/d)=E/J の関係式が成立するので印加電界強度と電流密度とから
求めることができる。
【0058】情報記録媒体における情報記録層が特に高
分子分散型液晶である場合には、液晶の動作電圧領域に
光センサーの感度を設定することが必要である。すなわ
ち、露光部において情報記録媒体に印加される電位(明
電位)と未露光部において情報記録媒体に印加される電
位(暗電位)との差であるコントラスト電圧を情報記録
媒体における液晶の動作電圧領域において一定の大きさ
をとることが必要となる。そのため、例えば光センサー
の未露光部における液晶層に印加される暗電位は、液晶
の動作開始電位程度に設定する必要がある。したがっ
て、情報記録媒体の抵抗率が室温で1010〜1013Ω・
cmであり、光センサーに105 〜106V/cmの電
界が与えられた状態で、10-4〜10-7A/cm2 のベ
ース電流が生じる程度の導電性が要求され、好ましくは
10-5〜10-6A/cm2 の範囲がよい。ベース電流が
10-7A/cm2 未満の光センサーでは液晶層が露光状
態でも配向せず、また10-4A/cm2 以上のベース電
流での光センサーでは未露光状態でも電圧印加と同時に
電流が多く流れ、液晶が配向し、露光したとしても未露
光部との間で透過率の差が得られない。また、液晶によ
って動作電圧および範囲が異なるものもあるので、印加
電圧および電圧印加時間を設定するにあたっては、情報
記録媒体における電圧配分を考慮する必要がある。
【0059】次に、本発明における第1のカラー情報記
録装置について説明する。図8は、第1のカラー情報記
録装置を断面で説明するための図で、図中1は光センサ
ー、2は情報記録媒体、11は情報記録層、13′は電
極、15は支持体、16は色分解フィルタ層であり、図
2と同一符号は同一内容を示す。なお、図8では、光セ
ンサーとして図2(a)に示す光センサーを図示した
が、図2(b)に示す光センサーにおいても、光導電層
と情報記録層を対向させる点で同様であり、この場合に
ついては省略する。
【0060】情報記録媒体2としては、その情報記録層
11が例えば特開平1−290366号公報、特開平1
−289975号公報に記載されているような電荷保持
層、また、例えば特開平3−192288号公報に記載
されるフロスト像を形成するものとすることもできる
が、高分子分散型液晶とする場合が、特に好ましい。
【0061】高分子分散型液晶は液晶相中に樹脂粒子が
分散した構造を有しているが、液晶材料は、スメクチッ
ク液晶、ネマチック液晶、コレステリック液晶あるいは
これらの混合物を使用することができる。液晶として
は、その配向性を保持し、情報を永続的に保持させる、
所謂メモリー性の観点から、スメクチック液晶を使用す
るのが好ましい。
【0062】スメクチック液晶としては、液晶性を呈す
る物質の末端基の炭素基が長いシアノビフェニル系、シ
アノターフェニル系、フェニルエステル系、更にフッ素
系等のスメクチックA相を呈する液晶物資、強誘電性液
晶として用いられるスメクチックC相を呈する液晶物
質、或いはスメクチックH、G、E、F等を呈する液晶
物質等が挙げられる。
【0063】樹脂粒子を形成する材料としては、例え
ば、紫外線硬化型樹脂であって、モノマー、オリゴマー
の状態で液晶材料と相溶性を有するもの、或いはモノマ
ー、オリゴマーの状態で液晶材料と共通の溶媒に相溶性
を有するものを好ましく使用できる。このような紫外線
硬化型樹脂としては、例えばアクリル酸エステル、メタ
クリル酸エステル等が挙げられる。その他、液晶材料と
共通の溶媒に相溶性を有する溶媒可溶型の熱硬化性樹
脂、例えばアクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリスチレン樹脂、およびこれらを主体として
共重合体等、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等を使用し
てもよい。
【0064】液晶材料と樹脂の使用割合は、液晶の含有
率が10重量%〜90重量%、好ましくは40重量%〜
80重量%となるように使用するとよく、10重量%未
満であると情報記録により液晶相が配向しても光透過性
が低く、また、90重量%を超えると液晶のしみ出し等
の現象が生じ、画像むらが生じ好ましくない。
【0065】情報記録層の膜厚は解像性に影響を与える
ので、乾燥後膜厚0.1μm〜10μm、好ましくは3
μm〜8μmとするとよく、高解像性を維持しつつ、動
作電圧も低くすることができる。膜厚が薄すぎると情報
記録部のコントラストが低く、また、厚すぎると動作電
圧が高くなるので好ましくない。
【0066】色分解フィルタ層16は、光センサーと同
様にして基板15の裏面あるいは基板15と電極13’
の間に、光センサーと同様の方法で設けるとよい。情報
記録媒体における色分解フィルタ層は、光センサーにお
ける色分解フィルタ層によりR、G、B等に分解されて
記録された情報を、カラー情報として再生するために設
けられる。そのため、情報記録に際しては、互いの色分
解フィルタを位置合わせしておくか、また、情報記録媒
体を上下、左右方向に移動、更に回転移動をさせること
ができる位置合わせステージ上に載置し、光センサーに
おける色分解フィルタ層との位置合わせを可能としてお
くとよい。
【0067】電極13′、支持体15は、光センサーに
おけるものと同じとできるが、電極及び支持体は、光セ
ンサー、情報記録媒体におけるいずれか一方、又は両方
が透明性であればよい。
【0068】この情報記録媒体は、図8に示すように、
光センサー1とポリイミドのような絶縁性樹脂フィルム
スペーサー19を介して、対向配置し、お互いに設けら
れた色分解フィルタの各色が完全に重なりあうように調
整したのち、両電極13、13’を電圧源Vを介して結
線して第1の情報記録装置とされる。
【0069】スペーサー19の膜厚は、3μm〜20μ
m、好ましくは6μm〜12μmとするとよい。
【0070】次に、本発明における第2の情報記録装置
について説明する。図9は、断面図により示す図であ
り、図中20は誘電体層であり、また、図8と同一符号
は同一内容を示す。また、以下、光導電層側の支持体、
電極をそれぞれ下部支持体、下部電極、情報記録層側の
支持体、電極をそれぞれ上部支持体、上部電極と称す
る。
【0071】第2の情報記録装置は、第1の情報記録装
置における光センサーと情報記録媒体とを誘電体層20
を介して対向させて、直接積層したものである。第2の
情報記録装置は、光導電層が溶媒を使用して塗布形成さ
れる場合に特に適しており、光導電層上に情報記録層を
直接塗布形成すると、それらの相互作用により情報記録
層における液晶が溶出したり、又、情報記録層形成用の
溶媒により光導電材料が溶出することにより画像ムラを
生じるので、これを防止することができ、また光センサ
ーと情報記録媒体との一体化させ、装置の簡略化を可能
とするものである。
【0072】誘電体層20の形成にあたって、光導電層
形成材料、情報記録層形成材料のいずれに対しても溶解
性を有しないことが必要であり、また導電性を有しない
ことが必要である。導電性を有する場合には、空間電荷
の拡散が生じ、解像度の劣化が生じることから、106
Ω・cm以上の電気絶縁性が要求される。また、誘電体
層は液晶層にかかる分配電圧を低下させたり、或いは解
像性を悪化させるので、膜厚は少なくとも10μm以下
の膜厚とするとよく、好ましくは0.1〜3μmとする
とよい。薄すぎると、経時的な相互作用による画像ノイ
ズの発生ばかりでなく、ピンホール等の欠陥による浸透
の問題が生じる。
【0073】誘電体層は、各層に掛かる電圧分配を考慮
した場合、薄膜化と共に誘電率の高い材料が好ましい。
誘電体層を形成する材料としては、無機材料ではSiO
2 ,TiO2 ,CeO2 ,Al2 3 ,GeO2 ,Si
3 4 ,AiN,TiN,MgF2 ,ZnS,二酸化珪
素と二酸化チタンの組み合せ、硫化亜鉛と弗化マグネシ
ウムの組み合せ、酸化アルミニウムとゲルマニウムの組
み合せ等を使用し、蒸着法、スパッタ法、化学蒸着(C
VD)法等により積層して形成するとよい。また、有機
溶剤に対して相溶性の少ない水溶性樹脂、例えばポリビ
ニルアルコール、水系ポリウレタン、水ガラス等の水溶
液を使用し、スピンコート法、ブレードコート法、ロー
ルコート法等により積層してもよい。更に、塗布可能な
フッ素樹脂を使用してもよく、この場合にはフッ素系溶
剤に溶解し、スピンコート法により塗布するか、またブ
レードコート法、ロールコート法等により積層してもよ
い。塗布可能なフッ素樹脂としては、例えば特開平4−
24722号公報等に開示されたフッ素樹脂、更に真空
系で膜形成されるポリパラキシリレン等の有機材料を好
ましく使用することができる。
【0074】この第2の情報記録装置においては、情報
再生を光センサー部側又は情報記録媒体部側からの透過
光で行う場合には、光センサー側の色分解フィルタ層を
介して行うことができるので、情報記録層側の上部支持
体に隣接する色分解フィルタ層を省略することができ
る。また、図9に示すごとく、色分解フィルタ層を光セ
ンサー、情報記録層双方に設ける場合には、双方の色分
解フィルタ層の位置合わせをして積層することが必要で
あるが、誘電体層を誘電体ミラー層とし、情報記録層側
からの読み出し光を入射し、反射光で読み取ることがで
きる。一般には、光センサーは着色しているので、ノイ
ズのないカラー情報がえられる。
【0075】次に、本発明の第1および第2の情報記録
装置における情報記録方法について説明する。図10
は、本発明の第1の情報記録装置における情報記録方法
を説明するための図である。第2の情報記録装置におい
ても同様である。図中11は情報記録層、13、13’
は電極、14は光導電層、21は光源、22は駆動機構
を有するシャッター、23は電源となるパルスジェネレ
ーター、24は暗箱を示す。
【0076】光センサーと情報記録媒体におけるそれぞ
れの色分解フィルタを、位置合わせステージ(図示せ
ず)により位置合わせし、対向させた後、電極13、1
3’の間に、パルスジェネレーター23により適当な電
圧を印加しつつ、光源21から情報光を入射させると、
光が入射した部分の光導電層14で発生した光キャリア
は、両電極により形成される電界により情報記録層11
側の界面まで移動し、電圧の再配分が行われ、情報記録
層11における液晶層が配向し、情報光のパターンに応
じた記録が行われる。本発明の情報記録方法においては
面状アナログ記録が可能であり、液晶レベルでの記録が
得られるので、高解像度の記録となりうる。
【0077】情報記録装置の形態としては、カメラによ
る方法等があり、通常のカメラに使用されている写真フ
ィルムの代わりに情報記録媒体が使用され、記録部材と
するもので、光学的なシャッタも使用でき、また電気的
なシャッタも使用できる。例えば、撮像用カメラ(マミ
ヤ社製RB67改造品)に図10に示す情報記録装置を
組み込み、両電極間に700Vの直流電圧を0.04秒
印加すると同時に、グレースケールを1/30秒間、光
センサー側から投影露光すると、情報記録層にグレース
ケールに応じた光透過部からなる記録部が形成され、情
報記録を行うことができる。
【0078】情報記録媒体に記録された情報は、図11
に示すように第1の情報記録装置の場合には情報記録媒
体を分離して、また第2の情報記録装置の場合にはその
まま透過光により情報を再生する。情報が記録された部
位は、液晶が電界方向に配向するために光Aは透過する
のに対して、情報を記録していない部位においては光B
は散乱し、情報記録部とのコントラストがとれる。ま
た、支持体や電極を反射性のものとするか、または光反
射層を設けて反射光により読み取ってもよい。
【0079】また、情報記録媒体に記録された情報は、
図12に示す情報出力系のように、情報記録媒体をフィ
ルムスキャナー41にかけて記録情報を読み取り(42
はパソコン)、その情報を昇華転写プリンター43(例
えば、JVC社製 SP−5500)を使用して出力す
ることにより、良好な印刷物を得ることができる。
【0080】液晶の配向により記録された情報は、目視
による読み取りが可能な可視情報であるが、投影機によ
り拡大して読み取ることもでき、或いはCCDを用いて
高精度で情報を読み取ることができる。なお必要に応じ
てシュリーレン光学系を用いることにより散乱光を防ぐ
ことができる。
【0081】情報記録媒体における記録は、液晶の配向
により可視化した状態とするものであるが、液晶と樹脂
との組み合せを選ぶことにより、一旦配向し、可視化し
た情報は消去せず、メモリ性を付与することができる。
また、等方相転移付近の高温に加熱すると、メモリー性
を消去することができるので、再度の情報記録に使用す
ることができる。
【0082】
【作用及び発明の効果】本発明の色分解フィルタ一体型
光センサーにおける光センサー部は、情報露光に起因す
る電流以上に増幅された光誘起電流を発生し、情報露光
に起因する強度以上の強度で情報記録媒体に情報記録を
することができ、また、情報露光を終了した後も電圧を
印加し続けると緩和減衰型導電性を示し、引き続き情報
記録媒体に情報記録を継続する作用を有するので、高感
度で情報記録を可能とするものであるが、色分解フィル
タ層を設けることにより、カラー情報を1面上に高感度
で記録できると共に、情報記録装置を小型化できるもの
である。
【0083】また、本発明の第1のカラー情報記録装置
及びカラー情報記録再生方法は、色分解フィルタ一体型
光センサーと、同じく色分解フィルタ層を設けた情報記
録媒体とからなり、特に情報記録層として高分子分散型
液晶とすることにより、情報記録層に記録されたカラー
情報を、可視化、再生できるものであり、また、装置の
小型化が図れるものである。また、第2のカラー情報記
録装置及びカラー情報記録再生方法は、色分解フィルタ
一体型光センサーと情報記録媒体とを一体化させること
により、情報記録装置を簡便化できると共に、良好なカ
ラー情報を可視化、再生できるものである。以下に本発
明の実施例を説明する。
【0084】
【実施例1】 (積層型光センサーの作製)充分洗浄した厚さ1.1m
mのガラス基板上に、顔料分散法によりストライプカラ
ーフィルタ(RGB各6μm)層を設け、次いで、この
色分解フィルタ層上に、スパッタリングにより面積抵抗
80Ω/口、膜厚100nmのITO膜を成膜し、電極
を設けた。電極面をスクラバー洗浄機(商品名プレート
クリーナーモデル602 ウルトラテック社)にて、純
水噴射2秒、スクラバー洗浄20秒、純水リンス15
秒、高速回転による水分の除去25秒、赤外線乾燥55
秒の洗浄処理を2回行った。
【0085】洗浄後、電極上に、電荷発生性物質として
下記構造
【0086】
【化1】
【0087】を有するジスアゾ顔料3重量部、ポリビニ
ルホルマール樹脂1重量部とを、1,4─ジオキサン9
8重量部、シクロヘキサノン98重量部と混合し、ペイ
ントシェーカーによって充分に混練を行い、塗布液と
し、スピンナーコーティング(1400rpm、0.4
秒)し、風乾後、100℃、1時間乾燥して、膜厚0.
3μmの電荷発生層を積層した。
【0088】次に、この電荷発生層上に、電荷輸送性物
質として下記構造
【0089】
【化2】
【0090】を有するヒドラゾン誘導体3重量部とポリ
カーボネート樹脂(三菱瓦斯化学工業(株)製 ユーピ
ロンZ200)2重量部とを、ジクロロメタン22重量
部に均一に溶解して塗布液とし、スピンナーコーティン
グ(400rpm、0.4秒)した。この塗膜の表面に
皮膜が形成されて、塗膜の表面が付着性が無くなるまで
の間、無風下で放置しレベリング乾燥を行った後、80
℃、2時間乾燥して電荷輸送層を積層し、電荷発生層と
電荷輸送層とからなる膜厚10μmの光導電層を有する
本発明の光センサーを作製した。
【0091】(光センサーの電気特性)得られた光セン
サーの電気特性を測定するために、上述した光センサー
の作製において色分解フィルタ層を設けない以外は、同
様にして光センサーを作製し、その光センサーにおける
電荷輸送層上に、0.16cm2 、厚さ10nm、表面
抵抗1kΩ/口の金電極を蒸着して電極とし、測定用媒
体とし、図13に示す電流測定装置を構成した。図中、
15は支持体、13は電極、14は電荷発生層、電荷輸
送層からなる光導電層、30は金電極、31は光源、3
2はシャッター(コパル(株)製 NO.0 電磁シャ
ッター)、33はシャッター駆動機構、34はパルスジ
ェネレーター(横河ヒューレットパッカード社製)、3
5はオシロスコープである。
【0092】この電流測定装置において、光センサーに
おける電極13を正、金電極を負として、両電極間に1
50Vの直流電圧を印加するとともに、電圧印加開始後
0.5秒後に、ガラス基板側から0.033秒間光照射
し、光照射開始時間をt=0として、光センサーに流れ
る電流を測定した。照射光は、キセノンランプ(浜松ホ
トニクス社製L2274)を光源に、グリーンフィルタ
ー(日本真空光学社製)により得られる緑色光を、20
luxの強度で照射した。照射光強度を照度計(ミノル
タ社製)で測定し、使用したフィルターの特性は前述し
た図3に示すものである。
【0093】光照射の終了後も電圧印加を継続し、光照
射開始時間から0.15秒間電圧印加を継続した。その
間の電流の時間変化をオシロスコープにより測定した。
また露光をしないで電圧印加のみを行い、同様にして電
流測定した結果を同時に示す。なお、測定は室温で行っ
た。光センサーの測定結果を図14に示す。横軸は電圧
印加時間(秒)、縦軸は電流密度(A/cm2 )であ
る。図において、(A)線は露光した場合の電流測定
値、(B)線は露光しないで電圧のみを印加した場合で
ある。
【0094】(A)線に示されるように、電流値は、2
つの変曲点(a)、(b)が観測される。変曲点(a)
から下の電流量は、後述する比較センサーとの比較か
ら、露光量に応じた電流(以下、光誘起電流という)の
量であると考えられる。また、変曲点(b)は露光終了
に伴う電流量の変化点であり、露光を終了しても未露光
時でも電圧印加に応じた電流が持続して流れ、徐々に減
衰していくことがわかる。すなわち、この図から、本発
明における光センサーは、露光の間は光誘起電流が増加
し続け、露光後も光誘起電流が持続し、一定の時間を経
て減衰していくことがわかる。この光センサーに流れる
電流値から、比抵抗は(1.0×1011)Ωcmであっ
た。
【0095】また、見かけの量子の算出を行い図15に
示した。本発明の光センサーでは量子効率1を大きく超
え、最大1.6近くまでの値を示した。
【0096】(情報記録媒体の作製)光センサーの場合
と同様に、厚さ1.1mmのガラス基板上にストライプ
カラーフィルタ(RGB各6μm)を形成し、この上に
膜厚100nmのITO膜をスパッタリングにより成膜
し、電極を得たのち、表面洗浄を行った。
【0097】この電極上に、多官能性モノマー(ジペン
タエリストールヘキサアクリレート、東亜合成化学工業
製、M−400)40重量部、光硬化開始剤(2−ヒド
ロキシ−2−メチル−1−フェルプロパン−1−オン、
チバガイギー社製、ダロキュア1173)2重量部、液
晶(スメクチック液晶(メルク社製、S−6)を90
%、ネマチック液晶(メルク社製、E31LV)を10
%含有)50重量部、界面活性剤(住友スリーエム社
製、フロラードFC−430)3重量部をキシレン96
重量部中に均一に溶解して得た塗布液を、50μmの間
隔を設定したブレードコーターを用いて塗布した後、4
7℃で3分間乾燥し、次いで47℃で2分間減圧乾燥を
行い、直ちに0.3J/cm2 の紫外線照射によって塗
布膜を硬化させ、膜厚6μmの情報記録層を有する情報
記録媒体を得た。
【0098】情報記録層面を熱メタノールを用いて液晶
を抽出し、乾燥させた後、走査型電子顕微鏡(日立製作
所製 S−800)で1000倍で内部構造を観察した
ところ、層の表面は0.6μmの紫外線硬化型樹脂で覆
われ、層内部には連続層を成す液晶相中に、粒径0.1
μmの樹脂粒子相が充填した構造を有していた。
【0099】(情報記録方法および記録特性)上記の実
施例で作製した色分解フィルタ層を有する光センサーと
情報記録媒体とを、それぞれのストライプカラーフィル
タがRGBカラーおよびストライプラインの長軸方向、
短軸方向の全てが合致するように、上下左右回転をさせ
セットし、図8に示すようにして、厚さ10μmのポリ
イミドフィルムのスペーサを介して空気ギャップを設け
て対向させて積層した。
【0100】この積層体を図10に示すように、撮像用
カメラ(マミヤ社製RB67)に写真フイルムにかえて
装着し、光センサーと情報記録媒体の両電極間に800
Vの直流電圧を0.04秒印加すると同時に、グレース
ケール露光量が0.2〜200ルックスで1/30秒
間、光センサー側から投影露光した。露光後、情報記録
媒体を取り出した。透過光により情報記録媒体を観察し
たところ、情報記録層にはグレースケールに応じた光透
過部からなる記録部が観察された。
【0101】また、グレースケールに代えて、上記と同
様にして、カラー画像を記録し、露光後、情報記録媒体
を取り出した。透過光により情報記録媒体を観察したと
ころ、情報記録層にはカラー画像が観察された。
【0102】また、グレースケールを記録した情報記録
媒体を、図16に示すように、情報記録媒体における支
持体側から読み出し光を照射し、CCDラインセンサー
41を用いた透過光学系イメージスキャナー装置によっ
て記録情報を読み取り、その情報を、図12に示す情報
出力装置により再生した。図中、41はCCDラインセ
ンサーを用いた透過光学系イメージスキャナー装置、4
2はパソコン、43は昇華転写プリンターである。昇華
転写プリンター(日本ビクター社製、SP−5500)
を使用して情報出力した結果、グレースケールに応じた
良好な印刷物が得られた。
【0103】また、カラー画像を記録した情報記録媒体
を、同様にして、昇華転写プリンター(日本ビクター社
製、SP−5500)を使用して情報出力した結果、良
好なカラー印刷物が得られた。
【0104】
【実施例2】充分洗浄した厚さ1.1mmのガラス基板
上に、スパッタリングにより面積抵抗80Ω/口、膜厚
100nmのITO膜を成膜し、電極を得た。このガラ
ス基板の電極を設けていない側に、実施例1同様に顔料
分散法によりストライプカラーフィルム(RGB各6μ
m)を形成した後、上記電極をスクラバー洗浄機(商品
名プレートクリーナー モデル602 ウルトラテック
社)にて、純水噴射2秒、スクラバー洗浄20秒、純水
リンス15秒、高速回転による水分の除去25秒、赤外
線乾燥55秒の洗浄処理を2回行った。
【0105】以下は、実施例1同様にして光センサーを
作製した。
【0106】得られた光センサーと実施例1と同様に作
製した情報記録媒体とを使用して実施例1同様の情報記
録装置を作製し、同様にグレースケール、及びカラー画
像を記録、再生したところ、実施例1同様の結果が得ら
れた。
【0107】
【実施例3】実施例1で作製した光センサーにおける光
導電層上に、ポリビニルアルコール5重量部(日本合成
化学(株)製,AH−26,ケン化度97〜99%)を
イオン交換水95重量部中に溶解した塗布液を用いて、
これをスピンナーにてコーティングを行い、膜厚1μm
の誘電体層を積層した。
【0108】次いで、この誘電体層上に、実施例1で示
した情報記録層の作製方法と同様に情報記録層を作製
し、さらにその情報記録層上にスパッタリングでITO
を20nm成膜することにより導電層を積層し、情報記
録媒体を作製した。
【0109】この情報記録装置の両電極間に680Vの
直流電圧を印加すると同時に、実施例1同様にグレース
ケール、及びカラー画像を光センサー側から投影露光し
た。電圧印加時間は0.03秒間とした。
【0110】露光後、情報記録媒体における光導電層側
から読み出し光を照射し、実施例1同様にグレースケー
ル、及びカラー画像を再生したところ、実施例1同様の
結果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の色分解フィルタ一体型光セ
ンサーにおいて、光導電層が単層型である場合を説明す
るための断面図である。
【図2】 図2は、本発明の色分解フィルタ一体型光セ
ンサーにおいて、光導電層が積層型である場合を説明す
るための断面図である。
【図3】 図3は光センサーにおける光誘起電流の増幅
作用を説明するために使用した測定系で使用したグリー
ンフィルターの分光特性を示す図である。
【図4】 図4は、比較センサーの光誘起電流増幅作用
の測定結果を示す図である。
【図5】 図5は、比較センサーの光照射中における量
子効率の変化を示す図である。
【図6】 図6は、本発明の光センサーにおける光誘起
電流増幅作用の測定結果を示す図である。
【図7】 図7は、本発明の光センサーの光照射中にお
ける量子効率の変化を示す図である。
【図8】 図8は、本発明の第1の情報記録装置をその
断面で説明する図である。
【図9】 図9は、本発明の第2の情報記録装置をその
断面で説明する図である。
【図10】 図10は、本発明の第1の情報記録装置に
おける情報記録方法を説明する図である。
【図11】 図11は、本発明の第1の情報記録装置の
記録情報の再生方法を説明する図である。
【図12】 図12は、情報出力装置の一例を説明する
図である。
【図13】 図13は、光センサーの電流測定装置を説
明する図である。
【図14】 図14は、本発明の色分解フィルタ一体型
光センサーにおける光センサー部の測定結果を示す図で
ある。
【図15】 図15は、本発明の色分解フィルタ一体型
光センサーにおける光センサー部の量子効率の変化を示
す図である。
【図16】 図16は、CCDラインセンサーを用いた
透過光学系イメージスキャナー装置を説明するための図
である。
【符号の説明】
1は色分解フィルタ一体型光センサー、2は情報記録媒
体、11は情報記録層、13は光センサーの電極、1
3′は情報記録媒体の電極、14は光導電層、14’は
電荷発生層、14''は電荷輸送層、15は基板、16は
色分解フィルタ層、17はスペーサー、20は誘電体
層、21は光源、22は駆動機構を有するシャッター、
23はパルスジェネレーター(電源)、24は暗箱、3
0金電極、31は光源、32はシャッター、33はシャ
ッター駆動機構、34はパルスジェネレーター(電
源)、35はオシロスコープ、41はCCDラインセン
サー、42はパソコン、43はプリンターである。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に電極、光導電層を順次積層し
    てなり、電極上に電界または電荷量により情報形成が可
    能な情報記録層を積層した情報記録媒体と対向して配置
    して情報記録媒体への情報形成に使用される光センサー
    において、該光センサーが層幅方向において半導電性で
    あると共に、光センサーの電極と情報記録媒体の電極と
    の間に情報露光した状態での電圧印加により、あるいは
    電圧印加した状態での情報露光により、情報露光に起因
    する電流以上に増幅された光誘起電流を発生し、情報露
    光に起因する強度以上の強度で情報記録媒体に情報記録
    をすることができ、また、情報露光を終了した後も電圧
    を印加し続けると緩和減衰型導電性を示し、引き続き情
    報記録媒体に情報記録を継続する作用を有し、かつ、支
    持体と隣接して色分解フィルタ層が設けられたことを特
    徴とする色分解フィルタ一体型光センサー。
  2. 【請求項2】 支持体上に電極、光導電層を順次積層し
    た光センサーと、支持体上に電極、電界または電荷量に
    より情報形成が可能な情報記録層を積層した情報記録媒
    体とを間隙を設けて光軸上に対向して配置すると共に、
    光センサーにおける電極と情報記録媒体における電極と
    が電圧印加可能に結線された情報記録装置において、光
    センサーがその層幅方向において半導電性であり、か
    つ、光センサーの電極と情報記録媒体の電極との間に情
    報露光した状態での電圧印加により、あるいは電圧印加
    した状態での情報露光により光センサーが情報露光に起
    因する電流以上に増幅された光誘起電流を発生し、情報
    露光に起因する強度以上の強度で情報記録媒体に情報記
    録をすることができ、また、情報露光を終了した後も電
    圧を印加し続けると緩和減衰型導電性を示し、引き続き
    情報記録媒体に情報記録を継続する作用を有するもので
    あり、かつ光センサー及び情報記録媒体の双方における
    支持体に隣接して、それぞれ色分解フィルタ層が設けら
    れたことを特徴とするカラー情報記録装置。
  3. 【請求項3】 情報記録層が、液晶相および樹脂相から
    なることを特徴とする請求項2記載のカラー情報記録装
    置。
  4. 【請求項4】 情報記録層がメモリー性を有することを
    特徴とする請求項2〜3のいずれか1つ記載のカラー情
    報記録装置。
  5. 【請求項5】 光センサーへ105 〜106 V/cmの
    電界強度の印加時に、該光センサーにおける未露光部で
    の通過電流密度が10-4〜10-7A/cm2であり、か
    つ情報記録媒体の比抵抗が1010〜1013Ω・cmであ
    ることを特徴とする請求項2〜4いずれか1つ記載のカ
    ラー情報記録装置。
  6. 【請求項6】 下部支持体上に下部電極、光導電層、誘
    電体層、電界または電荷量により情報形成が可能な情報
    記録層、上部電極、上部支持体を順次積層してなると共
    に、その両電極が電圧印加可能に結線された情報記録装
    置において、下部電極と光導電層とからなる光センサー
    部が、その層幅方向において半導電性であり、かつ、両
    電極間に情報露光した状態での電圧印加により、あるい
    は電圧印加した状態での情報露光により光センサー部が
    情報露光に起因する電流以上に増幅された光誘起電流を
    発生し、情報露光に起因する強度以上の強度で情報記録
    層に情報記録をすることができ、また、情報露光を終了
    した後も電圧を印加し続けると緩和減衰型導電性を示
    し、引き続き情報記録層に情報記録を継続する作用を有
    するものであり、かつ、下部支持体と上部支持体におけ
    る少なくとも下部支持体に隣接して色分解フィルタ層が
    設けられたことを特徴とするカラー情報記録装置。
  7. 【請求項7】 情報記録層が、液晶相および樹脂相から
    なることを特徴とする請求項6記載の情報記録装置。
  8. 【請求項8】 情報記録層がメモリー性を有することを
    特徴とする請求項6〜7のいずれか1つ記載のカラー情
    報記録装置。
  9. 【請求項9】 下部電極と光導電層とからなる光センサ
    ー部へ105 〜106 V/cmの電界強度の印加時に、
    該光センサー部における未露光部での通過電流密度が1
    -4〜10-7A/cm2 であり、かつ情報記録層と上部
    電極とからなる情報記録媒体部の比抵抗が1010〜10
    13Ω・cmであることを特徴とする請求項6〜8いずれ
    か1つ記載のカラー情報記録装置。
  10. 【請求項10】 支持体上に電極、光導電層を順次積層
    した光センサーと、支持体上に電極、電界または電荷量
    により情報形成が可能な情報記録層を積層した情報記録
    媒体とを間隙を設けて光軸上に対向して配置すると共
    に、光センサーにおける電極と情報記録媒体における電
    極とを電圧印加可能に結線し、両電極間に情報露光した
    状態での電圧印加により、あるいは電圧印加した状態で
    の情報露光により情報記録媒体へ情報記録を行った後、
    情報記録媒体に記録された情報を透過光または反射光に
    より可視情報として再生する情報記録再生方法におい
    て、光センサーがその層幅方向において半導電性であ
    り、かつ情報光に起因する電流以上に増幅された光誘起
    電流を発生し、情報露光に起因する強度以上の強度で情
    報記録媒体に情報記録をすることができ、また、情報露
    光を終了した後も電圧を印加し続けると緩和減衰型導電
    性を示し、引き続き情報記録媒体に情報記録を継続する
    作用を有するものであり、かつ光センサー及び情報記録
    媒体における双方の支持体に隣接して色分解フィルタ層
    が設けられることを特徴とするカラー情報記録再生方
    法。
  11. 【請求項11】 下部支持体上に下部電極、光導電層、
    誘電体層、電界または電荷量により情報形成が可能な情
    報記録層、上部電極、上部支持体を順次積層した情報記
    録媒体における両電極を電圧印加可能に結線すると共
    に、両電極間に情報露光した状態での電圧印加により、
    あるいは電圧印加した状態での情報露光により情報記録
    層へ情報記録を行った後、情報記録層に記録された情報
    を透過光または反射光により可視情報として再生する情
    報記録再生方法において、下部電極、光導電層とからな
    る光センサー部がその層幅方向において半導電性であ
    り、かつ情報光に起因する電流以上に増幅された光誘起
    電流を発生し、情報露光に起因する強度以上の強度で情
    報記録層に情報記録をすることができ、また、情報露光
    を終了した後も電圧を印加し続けると緩和減衰型導電性
    を示し、引き続き情報記録層に情報記録を継続する作用
    を有するものであり、かつ、下部支持体及び上部支持体
    における少なくとも下部支持体に隣接して色分解フィル
    タ層が設けられることを特徴とするカラー情報記録再生
    方法。
JP6123797A 1994-06-06 1994-06-06 色分解フィルタ一体型光センサー、カラー情報記録装置およびカラー情報記録再生方法 Pending JPH07333914A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6123797A JPH07333914A (ja) 1994-06-06 1994-06-06 色分解フィルタ一体型光センサー、カラー情報記録装置およびカラー情報記録再生方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6123797A JPH07333914A (ja) 1994-06-06 1994-06-06 色分解フィルタ一体型光センサー、カラー情報記録装置およびカラー情報記録再生方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07333914A true JPH07333914A (ja) 1995-12-22

Family

ID=14869554

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6123797A Pending JPH07333914A (ja) 1994-06-06 1994-06-06 色分解フィルタ一体型光センサー、カラー情報記録装置およびカラー情報記録再生方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07333914A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20140037714A (ko) * 2012-09-19 2014-03-27 삼성전자주식회사 가변 광결정 칼라 필터 및 이를 포함한 칼라 영상 표시 장치
KR102225837B1 (ko) * 2020-10-29 2021-03-11 한국 천문 연구원 우주용 색편광 필터

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20140037714A (ko) * 2012-09-19 2014-03-27 삼성전자주식회사 가변 광결정 칼라 필터 및 이를 포함한 칼라 영상 표시 장치
KR102225837B1 (ko) * 2020-10-29 2021-03-11 한국 천문 연구원 우주용 색편광 필터

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5903296A (en) Photoelectric sensor, information recording system and information recording and reproducing method
US5717626A (en) Photoelectric sensor, information recording system, and information recording and reproducing method
JP4117806B2 (ja) 光センサー
JPH07333914A (ja) 色分解フィルタ一体型光センサー、カラー情報記録装置およびカラー情報記録再生方法
JP3623026B2 (ja) 光センサー、情報記録装置及び情報記録再生方法
JPH06260664A (ja) 光センサーの製造方法
JPH07333641A (ja) 情報記録媒体、情報記録装置及び情報記録再生方法
JPH1065136A (ja) 光センサー、情報記録装置及び情報記録再生方法
JP3623027B2 (ja) 光センサー、情報記録装置及び情報記録再生方法
JP3352531B2 (ja) 光センサー、情報記録装置および情報記録再生方法
JP2866801B2 (ja) 光センサー、情報記録装置および情報記録方法
JPH0854643A (ja) 光センサー、情報記録装置および情報記録再生方法
JP3372288B2 (ja) 光センサーおよび情報記録システム
JP2866798B2 (ja) 光センサー、情報記録装置および情報記録方法
JPH089397A (ja) カラー情報記録再生装置
JP3153344B2 (ja) 情報記録媒体及び静電情報記録再生方法
JPH06265931A (ja) 情報記録システムおよび情報記録方法
JPH09203661A (ja) 光センサー、情報記録装置及び情報記録再生方法
JPH06252426A (ja) 光センサーの製造方法
JP3969675B2 (ja) 光センサー、情報記録装置および情報記録再生方法
JP2006245601A (ja) 光センサー
JPH0728257A (ja) 光センサー、情報記録装置および情報記録再生方法
JPH07318970A (ja) 光センサー、情報記録装置および情報記録再生方法
JPH08220556A (ja) 光センサー、情報記録装置および情報記録方法
JPH086066A (ja) 撮像装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080906

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090906

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100906

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100906

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110906

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120906

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130906

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250