JPH07318970A - 光センサー、情報記録装置および情報記録再生方法 - Google Patents

光センサー、情報記録装置および情報記録再生方法

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JPH07318970A
JPH07318970A JP11284794A JP11284794A JPH07318970A JP H07318970 A JPH07318970 A JP H07318970A JP 11284794 A JP11284794 A JP 11284794A JP 11284794 A JP11284794 A JP 11284794A JP H07318970 A JPH07318970 A JP H07318970A
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JP11284794A
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Osamu Shimizu
治 清水
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 高感度で特性が一定した光センサーを得る。 【構成】 電極上に光導電層を積層してなる光センサー
1と、電極13,13′上に電界または電荷により情報
記録可能な情報記録層11を積層してなる情報記録媒体
とが対向させて配置され、光センサーの電極と情報記録
媒体との電極間に電圧を印加した状態で情報露光する
と、情報記録媒体に情報露光に起因する電流以上に増幅
された強度で情報記録をすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、情報記録媒体への光情
報を可視情報または静電情報の形で記録することができ
る光センサーと情報記録媒体からなる情報記録システム
に関し、特に光導電層を構成する樹脂バインダーのすべ
てまたは一部が紫外線硬化型あるいは熱硬化型樹脂より
形成される光センサーに関し、また、光センサーと情報
記録媒体とからなる情報記録装置、情報記録再生方法に
関し、特に情報記録媒体への情報記録性能が著しく増幅
され、製造安定性、経時安定性に優れ、高い耐久性を有
する光センサーからなる情報記録装置、情報記録方法お
よび情報記録再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】前面に電極が設けられた光導電層からな
る光センサーと、該光センサーに対向し、後面に電極が
設けられた電荷保持層からなる情報記録媒体とを光軸上
に配置し、両導電層間に電圧を印加しつつ露光し、入射
光学像に応じて、電荷保持層に静電電荷を記録させ、そ
の静電電荷をトナー現像するかまたは電位読み取りによ
り再生する方法は、例えば特開平1−290366号公
報、特開平1−289975号公報に記載されている。
また、前記方法における電荷保持層を熱可塑性樹脂層と
し、静電電荷を熱可塑樹脂層表面に記録した後加熱し、
熱可塑性樹脂層表面にフロスト像を形成することにより
記録された静電電荷を可視化する方法は、例えば特開平
3−192288号公報に記載されている。更に、本出
願人等は、前記情報記録媒体における情報記録層を高分
子分散型液晶層として、前記同様に電圧印加時露光し、
光センサーにより形成される電界により液晶層を配向さ
せて情報記録を行い、情報記録の再生にあたっては透過
光あるいは反射光により可視情報として再生する情報記
録再生方法を、先に特願平4−3394号、特願平4−
24722号、特願平5−266646号として出願し
た。この情報記録再生方法は偏光板を使用しなくとも記
録された情報を可視化できる。
【0003】しかしながら、この種の情報記録媒体に情
報記録を行うために使用される光センサーは、情報記録
性能の点では優れているものの、表面硬度が低く耐久性
に劣るという問題がある。さらに、光センサー上に誘電
体層または情報記録層を溶剤を使用して塗布形成しよう
とする場合、誘電体層または情報記録層形成用の溶媒に
より電荷輸送性物質のような光導電性材料が溶出するこ
とにより成膜が困難であったり、成膜にむらが生じるこ
とがあり、また、溶出した光導電性材料が結晶化を起こ
す場合もあり、情報記録媒体としての使用が困難、ある
いは情報記録媒体作製が困難になるという課題も有して
いる。また、成膜が可能であっても、成膜後時間の経過
とともに電荷輸送性物質のような光導電性材料と液晶の
ような情報記録性物質との間の相互作用により、情報記
録層における液晶の溶出、あるいはまた、光導電層にお
ける電荷輸送性物質の溶出が生じることがあり、情報記
録媒体としての使用が困難になるという課題も有してい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、情報記録媒
体への情報形成に使用される光センサーであって、特性
が安定したものを製造することができ、また、高い耐久
性を有し、情報形成能に優れ、情報記録感度の向上した
光センサーおよび該光センサーからなる情報記録装置、
情報記録再生方法の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、電極上に光導
電層を有し、情報記録媒体への情報形成に使用される光
センサーにおいて、半導電性であり、光センサーの電極
と情報記録媒体との電極間に情報露光した状態で電圧を
印加する、あるいは電圧を印加した状態で情報露光する
と、情報記録媒体に情報露光に起因する電流以上に増幅
された強度で情報記録をすることができ、また、情報露
光を終了した後も電圧を印加し続けると緩和型導電性を
示し、引き続き情報記録媒体に情報記録を継続する作用
を有する光センサーにおいて、該光導電層を構成する樹
脂バインダーが紫外線硬化型あるいは熱硬化型樹脂より
形成されている光センサーである。電極上に光導電層を
有し、情報記録媒体への情報形成に使用される光センサ
ーにおいて、電極上に電界または電荷量により情報形成
が可能な情報記録層を積層した情報記録媒体と対向して
配置して使用され、半導電性であり、光センサーの電極
と情報記録媒体との電極間に情報露光した状態で電圧を
印加する、あるいは電圧を印加した状態で情報露光する
と、情報記録媒体に付与される電界または電荷量が増幅
され、また、情報露光を終了した後でも電圧を印加し続
けると導電性を持続し、引き続き電界または電荷量を情
報記録媒体に付与しつづける作用を有することを特徴と
する光センサーにおいて、該光導電層を構成する樹脂バ
インダーが紫外線硬化型あるいは熱硬化型樹脂より形成
される光センサーである。前記の光導電層が光導電性物
質、電荷輸送性物質、紫外線硬化型あるいは熱硬化型樹
脂を含有する単層である前記の光センサーである。前記
の光導電層が電荷発生層および電荷輸送層を積層体から
構成されている前記の光センサーである。
【0006】電極上に電荷発生層、電荷輸送層を有し、
情報記録媒体への情報形成に使用される光センサーにお
いて、半導電性であり、光センサーの電極と情報記録媒
体との電極間に情報露光した状態で電圧を印加する、あ
るいは電圧を印加した状態で情報露光すると、情報記録
媒体に情報露光に起因する電流以上に増幅された強度で
情報記録をすることができ、また、情報露光を終了した
後も電圧を印加し続けると緩和型導電性を示し、引き続
き情報記録媒体に情報記録を継続する作用を有すること
を特徴とする光センサーにおいて、該電荷輸送層を構成
する樹脂バインダーが紫外線硬化型あるいは熱硬化型樹
脂より形成される光センサーである。電極上に光導電層
を有し、情報記録媒体への情報形成に使用される光セン
サーにおいて、電極上に電界または電荷量により情報形
成が可能な情報記録層を積層した情報記録媒体と対向し
て配置して使用され、半導電性であり、光センサーの電
極と情報記録媒体との電極間に情報露光した状態で電圧
を印加する、あるいは電圧を印加した状態で情報露光す
ると、情報記録媒体に付与される電界または電荷量が増
幅され、また、情報露光を終了した後でも電圧を印加し
続けると導電性を持続し、引き続き情報記録媒体に情報
記録を継続する作用を有することを特徴とする光センサ
ーにおいて、該電荷輸送層を構成する樹脂バインダーが
紫外線硬化型あるいは熱硬化型樹脂より形成される光セ
ンサーである。電極上に電荷発生層、電荷輸送層を有
し、情報記録媒体への情報形成に使用される光センサー
において、半導電性であり、光センサーの電極と情報記
録媒体との電極間に情報露光した状態で電圧を印加す
る、あるいは電圧を印加した状態で情報露光すると、情
報記録媒体に情報露光に起因する電流以上に増幅された
強度で情報記録をすることができ、また、情報露光を終
了した後も電圧を印加し続けると緩和型導電性を示し、
引き続き情報記録媒体に情報記録を継続する作用を有す
ることを特徴とする光センサーにおいて、該電荷発生層
を構成する樹脂バインダーが紫外線硬化型あるいは熱硬
化型樹脂より形成される光センサーである。電極上に光
導電層を有し、情報記録媒体への情報形成に使用される
光センサーにおいて、電極上に電界または電荷量により
情報形成が可能な情報記録層を積層した情報記録媒体と
対向して配置して使用され、半導電性であり、光センサ
ーの電極と情報記録媒体との電極間に情報露光した状態
で電圧を印加する、あるいは電圧を印加した状態で情報
露光すると、情報記録媒体に付与される電界または電荷
量が増幅され、また、情報露光を終了した後でも電圧を
印加し続けると導電性を持続し、引き続き情報記録媒体
に情報記録を継続する作用を有することを特徴とする光
センサーにおいて、該電荷発生層を構成する樹脂バイン
ダーが紫外線硬化型あるいは熱硬化型樹脂より形成され
る光センサーである。電圧印加時において、光センサー
へ105 〜106 V/cmの電界強度の印加時に、未露
光部での通過電流密度が10-4〜10-7A/cm2であ
る前記の光センサーである。
【0007】また、情報露光によって情報記録媒体へ光
情報を記録する情報記録装置において、前記の光センサ
ーと電極上に情報記録層を形成した情報記録媒体とを間
隙を設けて光軸上に対向配置し、光センサーの電極と情
報記録媒体の電極間に電圧印加を可能に結線した情報記
録装置である。情報記録層が、液晶相および樹脂相から
なる前記の情報記録装置である。情報記録層が熱可塑性
樹脂からなり、情報露光に応じた電荷が情報記録層表面
に付与された後、加熱され、情報露光に応じたフロスト
像が情報記録層表面に形成されるものである前記の情報
記録装置である。情報記録層が電荷保持層からなり、情
報露光に応じた電荷が情報記録層表面に付与され、情報
露光に応じた電荷が情報記録層表面に形成されたもので
あるか、もしくは情報記録層表面に形成された電荷をト
ナーによって現像する前記の情報記録装置である。情報
記録層がメモリー性を有する前記の情報記録装置であ
る。光センサーへ105 〜106 V/cmの電界強度の
印加時に、未露光部での通過電流密度が10-4〜10-7
A/cm2 であり、情報記録媒体の比抵抗が1010〜1
13Ω・cmである前記の情報記録装置である。下部電
極上に光導電層、誘電体層、情報記録層、上部電極を順
に積層した情報記録装置において、下部電極、光誘起電
流増幅層と光導電層からなる光センサー部は、前記の光
センサーからなり、下部電極と上部電極との間に電圧印
加を可能に結線した情報記録装置である。情報記録媒体
における情報記録層が、液晶相および樹脂相からなるこ
とを特徴とする前記の情報記録装置である。下部電極上
に光導電層、情報記録層、上部電極を順に積層した情報
記録装置において、下部電極、光導電層からなる光セン
サー部は、前記の光センサーからなり、下部電極と上部
電極との間に電圧印加を可能に結線したことを特徴とす
る情報記録装置である。情報記録媒体における情報記録
層が、液晶相および樹脂相からなる前記の情報記録装置
である。
【0008】また、情報露光によって情報記録媒体へ光
情報を記録する情報記録再生方法において、前記の光セ
ンサーと電極上に情報記録層を形成した情報記録媒体を
使用し、光センサーもしくは情報記録媒体の少なくとも
いずれか一方の電極を透明電極とするとともに、光セン
サーと情報記録媒体を間隙を設けて光軸上に対向配置
し、両電極間に情報露光した状態で電圧を印加する、あ
るいは電圧を印加した状態での情報露光により情報記録
媒体への情報記録を行い、透過光あるいは反射光により
可視情報として情報記録媒体に記録した光情報の再生を
行う情報記録再生方法である。
【0009】情報露光によって情報記録媒体へ光情報を
記録する情報記録方法において、前記の光センサーと電
極上に熱可塑性樹脂からなる情報記録層を形成した情報
記録媒体を使用し、光情報の露光によって電荷が情報記
録層上に付与された後に加熱し、情報露光に応じたフロ
スト像を形成し、透過光あるいは反射光により可視情報
として情報記録媒体に記録した光情報の再生を行うこと
を特徴とする情報記録再生方法である。情報露光によっ
て情報記録媒体へ光情報を記録する情報記録方法におい
て、前記の光センサーと電極上に電荷保持層からなる情
報記録層を形成した情報記録媒体を使用し、光情報の露
光によって電荷を情報記録層上に付与された後に、記録
した光情報を電位センサーによって読み取り再生を行う
情報記録再生方法である。
【0010】情報露光によって情報記録媒体へ光情報を
記録する情報記録再生方法において、前記の光センサー
と電極上に電荷保持層からなる情報記録層を形成した情
報記録媒体を使用し、光情報の露光によって電荷を情報
記録層上に付与した後に、記録した光情報をトナーによ
って現像し、透過光または反射光によって可視情報とし
て光情報の再生を行う情報記録再生方法である。情報露
光によって情報記録媒体へ光情報を記録する情報記録方
法において、情報記録媒体が下部電極上に光導電層、誘
電体層、情報記録層、上部電極を順に積層しており、下
部電極、光導電層からなる光センサー部は、前記の光セ
ンサーからなり、下部電極と上部電極の少なくともいず
れか一方は透明電極とし、下部電極と上部電極との間に
情報露光した状態で電圧を印加する、あるいは電圧を印
加しつつ光情報の露光により情報記録媒体への情報記録
を行い、透過光あるいは反射光により可視情報として情
報記録媒体に記録した光情報の再生を行う情報記録再生
方法である。情報露光によって情報記録媒体へ光情報を
記録する情報記録方法において、情報記録媒体が下部電
極上に光導電層、情報記録層、上部電極を順に積層して
おり、下部電極、光導電層からなる光センサー部は、請
求項1〜7に記載の光センサーからなり、下部電極と上
部電極の少なくともいずれか一方は透明電極とし、下部
電極と上部電極との間に情報露光した状態で電圧を印加
する、あるいは電圧を印加しつつ光情報の露光により情
報記録媒体への情報記録を行い、透過光あるいは反射光
により可視情報として情報記録媒体に記録した光情報の
再生を行うことを特徴とする情報記録再生方法である。
【0011】すなわち、情報記録媒体に情報記録を行う
ために使用される光センサーにおいて表面硬度が低く耐
久性にかける問題点に対して、紫外線硬化型樹脂あるい
は熱硬化型樹脂といった硬化型の樹脂をバインダー樹脂
に用いることは効果的であることを見いだしたものであ
る。光センサーの少なくとも最も表面に存在する層を硬
化することによって表面層の硬度が増し、未使用時にお
ける環境耐久性および使用時における繰り返し使用耐久
性が向上する。光センサーの最表面層ばかりでなく、光
センサー光導電層全体を硬化させることによっても同様
の効果が得られることはもちろんのことである。さら
に、硬化型樹脂をバインダー樹脂に用いることによっ
て、次の効果を得ることもできる。光センサー上に誘電
体層、情報記録層と積層する、あるいは情報記録層を直
接光センサーに積層した情報記録媒体を作製する場合、
誘電体層または情報記録層を溶剤を使用して塗布形成し
ようとすると、誘電体層または情報記録層形成用の溶媒
により電荷輸送性物質のような光導電性材料が溶出する
ことにより成膜が困難であったり、成膜にむらが生じる
ことがあり、また、溶出した光導電性材料が結晶化を起
こす場合もあり、情報記録媒体としての使用が困難、あ
るいは情報記録媒体作製が困難になるという問題があ
る。また、たとえ成膜が可能であっても、成膜後時間の
経過とともに電荷輸送性物質のような光導電性材料と液
晶のような情報記録性物質との間の相互作用により、情
報記録層における液晶の溶出、あるいはまた、光導電層
における電荷輸送性物質の溶出が生じることがあり、情
報記録媒体としての使用が困難になるという問題もあ
る。この問題に対し、光センサーの少なくとも最も表面
に存在する層を硬化させると、硬化バインダー樹脂によ
る電荷輸送性物質のような光導電性材料の隠蔽性が向上
すること、および溶媒によるバインダー樹脂の溶解性が
大きく低下することにより光センサー上への溶液の塗布
性が大きく向上し、情報記録媒体の製造を安定して行う
ことができる。さらに、作製後の情報記録媒体の経時安
定性についても、硬化バインダー樹脂による電荷輸送性
物質のような光導電性材料の隠蔽性が向上することによ
り、安定性が大きく向上することができる。
【0012】次に、本発明の光センサーにおける光誘起
電流増幅作用について説明する。増幅作用測定用光セン
サーとして、透明ガラス上にITO電極が設けられ、該
電極上に光導電層が積層された光センサーにおいて、そ
の光導電層上に0.16cm2 の金電極を積層する。そ
して、この両電極間にITO電極を正極として直流の一
定電圧を印加すると共に、電圧印加開始後0.5秒後に
基板側から0.033秒間光照射し、測定時間中の光セ
ンサーにおける電流値の挙動を、光照射開始時(t=
0)から測定する。なお、照射光は、キセノンランプ
(浜松ホトニクス社製L2274)を光源に、グリーン
フィルター(日本真空光学社製)により、緑色光を選択
して照射し、照射光強度を照度計(ミノルタ社製)で測
定し、20ルックスのものとする。図5にそのフィルタ
ー特性を示す。この光強度で光照射した時、透明基材、
ITO膜の光透過率、フィルターの分光特性を考慮する
と、光導電層には4.2×1011個/cm2 秒のフォト
ンが入射する。そして、入射したフォトンが全て光キャ
リアに変換されると、理論的には光電流としては単位面
積当たり1.35×10-6A/cm2 の電流が発生す
る。
【0013】ここで、前記測定装置により測定する場合
に、理論的光電流に対して、光センサーで実際に発生し
た光誘起電流の場合(光センサーで実際に発生した光誘
起電流値/理論的光電流値)をその光センサーにおける
量子効率と定義する。また光誘起電流とは、光照射部の
電流値から光を照射しない部分で流れる電流であるベー
ス電流値を差し引いたものであり、光照射中あるいは光
照射後もベース電流以上の光照射に起因する電流が流れ
るものをいい、いわゆる光電流とは相違する。本発明の
光センサーにおける光誘起電流増幅作用とは、このよう
な光誘起電流の挙動のことであると定義する。本発明に
おける光誘起電流増幅作用を有する光センサーと、光誘
起電流増幅作用を有しない光センサー(以下、比較セン
サーという)とを、前記測定装置での測定結果を使用し
て説明する。まず、比較センサーについての測定結果を
図6に示す。図6において、(m)線は、前記理論値
(1.35×10-6A/cm2 )を示す参考線で、光照
射を0.033秒間行い、光照射後も電圧印加を継続し
た状態を示す。(n)線は光誘起電流増幅作用を有しな
い光センサーの実測線で光照射中の光電流の増加はな
く、その値も理論値(1.35×10-6A/cm2 )を
超えず、この比較センサーにおける量子効率は0.4と
ほぼ一定である。光照射中の量子効率の変化を図7に示
す。
【0014】これに対して、本発明の光センサーは、一
例として図8に示すように光照射時は光誘起電流が増加
し、量子効率との関係を示す図9から明らかなように、
約0.01秒で量子効率は1を超え、その後も量子効率
は増加を続けることがわかる。
【0015】また、比較センサーでは光照射終了と同時
に光電流が急激に減衰するため、光照射後継続して電圧
印加しても光情報として有効な電流は得られない。これ
に対して、本発明の光センサーにおいては、光照射後も
電圧印加を継続することにより光誘起電流が継続して流
れ、引き続いて光誘起電流を取り出すことができ、光情
報をつづけて得ることができる。その詳細な理由は不明
であるが、本発明の光センサーにおいては、情報光の照
射に伴い発生する光誘起電荷キャリアの内の全てが電圧
印加状態において光導電層の層幅方向に移動するわけで
なく、光誘起電荷キャリアの一部が光導電層中あるいは
電極と光導電層の界面に存在するトラップサイトにトラ
ップされたような状態となり、このトラップされた電荷
は経時的に蓄積され、電圧印加した状態では露光により
発生する光電流に加えて、このトラップされた電荷によ
り誘起される電極からの注入電流が流れ、見かけの光誘
起電流量を経時的に増幅させるものと考えられる。そし
て電圧を印加した状態を維持しつつ露光を終了する場合
には、露光により生じる光キャリアはただちに減衰して
消滅するが、トラップされた電荷の減衰は緩やかである
ためトラップされた電荷により誘起される電極からの注
入電流は減衰しながらも十分な量が流れるものと推察さ
れる。このような減衰が緩やかに起こる特性を本発明で
は緩和型導電性を有していると称する。この光誘起電流
は本発明の光センサーにおける光をトリガーとした電流
増幅による効果であり、通常の感光体で予想される入射
した光に起因する光電流以上の電流が流れるために、情
報記録媒体に対して効果的な光情報供与を可能とするも
のである。
【0016】本発明の光センサーは、素子全体として半
導電性であり、流れる電流密度から暗時の比抵抗が10
9 〜1013Ω・cmであることが好ましい。特に、比抵
抗が1010〜1011Ω・cmの範囲のもので増幅作用が
顕著である。比抵抗が1013Ω・cmよりも大きい光セ
ンサーでは、105 〜106 V/cmの電界強度範囲で
は本発明の光センサーのような増幅作用を示さない。ま
た、比抵抗が109 Ω・cm未満の光センサーでは、電
流が非常に多く流れ、電流によるノイズが発生しやすく
好ましくない。これに対して、一般の電子写真用で用い
られている感光体素子は、暗抵抗率が1014〜1016Ω
・cmのものが用いられており、本発明の光センサーは
電子写真において、その目的を達することができず、ま
た一般の電子写真用の暗抵抗率が大きな光導電層を有す
る光センサーは、本発明の目的には使用することができ
ない。また、光センサの比抵抗ρ(Ω・cm)と電流密
度J(A/cm2 )の間には、光センサの膜厚d、電極
面積S、および印加電界強度E(V/cm)の間には、 ρ=(E・d/J・S)×(S/d)=E/J の関係式が成立するので、印加電界強度と電流密度から
求めることができる。
【0017】また、情報記録媒体における情報記録層が
特に高分子分散型液晶である場合には、液晶の動作電圧
領域に光センサーの感度を設定することが必要である。
すなわち、露光部において情報記録媒体に印加される電
位(明電位)と未露光部において情報記録媒体に印加さ
れる電位(暗電位)との差であるコントラスト電圧を情
報記録媒体における液晶の動作電圧領域において一定の
大きさをとることが必要となる。そのため、例えば光セ
ンサーの未露光部の液晶層に印加される暗電位は、液晶
の動作開始電位程度に設定する必要がある。したがっ
て、情報記録媒体の抵抗率が常温で1010〜1013Ω・
cmであり、光センサーに105 〜106V/cmの電
界が与えられた状態で、10-4〜10-7A/cm2 のベ
ース電流が生じる程度の導電性が要求され、好ましくは
10-5〜10-6A/cm2 の範囲がよい。ベース電流が
10-7A/cm2 未満の光センサーでは液晶層が露光状
態でも配向せず、また10-4A/cm2 以上のベース電
流での光センサーでは未露光状態でも電圧印加と同時に
電流が多く流れ、液晶が配向し、露光したとしても未露
光部との間で透過率の差が得られない。また、液晶によ
って動作電圧および範囲が異なるものもあるので、印加
電圧および電圧印加時間を設定するにあたっては、情報
記録媒体における電圧配分を考慮する必要がある。
【0018】本発明の光センサーの光導電層が単層から
構成されている場合の単層型の光センサーについて説明
する。図1は単層型光センサーを説明するための断面図
であり、図中13は電極、14は光導電層、15は基板
である。光導電層14は、無機光導電性物質または有機
光導電性物質および紫外線硬化型樹脂または熱硬化型樹
脂を含むバインダー樹脂から形成される。無機光導電性
物質としてはSe、Se−Te、ZnO、TiO2 、S
i、CdS等が挙げられる。また、有機光導電性物質と
しては、アルキルアミノフェニル基等で置換されたオキ
サジアゾール類、トリフェニルメタン誘導体、ヒドラゾ
ン誘導体、ブタジエン誘導体、スチルベン誘導体等が挙
げられ、これらの化合物を微粒子として単独あるいは複
数を組み合わせて用いることができる。
【0019】硬化により樹脂相を形成する未硬化の紫外
線硬化型樹脂や熱硬化型樹脂としては、モノマー、オリ
ゴマーの状態で使用する溶媒に対し良好な溶解性を示
し、かつ、微粒子凝集を引き起こさないものを好ましく
使用することが出来る。このような未硬化の紫外線硬化
型樹脂としては、例えばアクリル酸エステル、メタクリ
ル酸エステル等があげられ、モノマー、オリゴマーの状
態のものとしては、例えばジペンタエリスリトールヘキ
サアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプ
ロピレングリコールジアクリレート、イソシアヌール酸
(エチレンオキサイド変性)トリアクリレート、ジペン
タエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリス
リトールテトラアクリレート、ネオペンチルグリコール
ジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート等の
多官能性モノマーあるいは多官能性ウレタン系あるい
は、エステル系オリゴマー、さらにノニルフェノール変
性アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ヒ
ドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート等の単
官能性モノマーあるいはオリゴマー等が挙げられる。平
均分子量/平均官能基で示されるパラメータが160以
下の多官能性の未硬化の紫外線硬化樹脂が特に好まし
い。また、未硬化の熱硬化型樹脂としては、60℃以
上、120℃以下の温度で完全硬化するものであればよ
い。60℃以下で完全に硬化する樹脂では塗布した溶媒
の乾燥時に硬化が完了してしまいよい塗膜を形成するこ
とが出来ず、120℃以上で完全に硬化する樹脂では1
20℃以上で加熱を行うと光センサー自体の光導電性が
失われてしまうため使用できない。
【0020】これらの光導電性物質微粒子1重量部を、
樹脂形成成分0.1〜10重量部、好ましくは0.1〜
1重量部中に分散させて分散液を作製し、これを塗布
し、乾燥後の膜厚は5〜30μmであり、好ましくは3
〜20μmで電極上に形成される。この範囲の膜厚とす
ることによって光センサーは良好な感度と画質を示す。
上記分散液中には、電極層に対する濡れ性を向上させ、
成膜性を向上させることを目的として弗素系界面活性剤
を添加してもよい。このようなフッ素系界面活性剤とし
ては、例えば、フロラードFC−430、フロラードF
C−431(いずれも住友スリーエム社製)、EF−1
25M、EF−135M、EF−101、EF−20
1、EF−121(いずれも三菱マテリアル社製)等が
挙げられる。フッ素系界面活性剤は光導電性物質と樹脂
形成材料の合計量に対して0.1〜20重量%の割合で
使用される。その他、混合液中には光硬化剤が添加され
る。光硬化剤としては、例えばダロキュア1173、イ
ルガキュア184、ダロキュア1116、イルガキュア
651、イルガキュア907(いずれもチバガイギー社
製)、カヤキュアDETX、カヤキュアEPA、クンタ
キュアITX(いずれも、日本化薬社製)等が挙げられ
るが、液状であるダロキュア1173が混合物の相溶性
の面および硬化性の面で特に好ましい。また、必要に応
じて混合液の塗布性を向上させ、表面性をよくするため
にレベリング剤を添加してもよい。
【0021】次に、積層型光センサーについて説明す
る。図2は積層型光センサーを説明するための断面図で
あり、図中13は電極、14’は電荷発生層、14”は
電荷輸送層、15は基板である。図に示すように、積層
型光センサーは電極上に電荷発生層、電荷輸送層を順次
積層して形成される。電荷発生層14’は電荷発生性物
質とバインダー樹脂からなる。電荷発生性物質として
は、下記に示すピリリウム系染料、チアピリリウム系染
料、アズレニウム系染料、シアニン系染料、アズレニウ
ム系染料等のカオチン系染料、スクアリリウム塩系染
料、フタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ピラント
ロン系顔料等の多環キノン系顔料、インジゴ系顔料、キ
ナクリドン系顔料、ピロール系顔料、アゾ系顔料等の染
料、顔科を単独もしくは複数のものを組み合わせて使用
することができる。
【0022】
【化1】
【0023】
【化2】
【0024】
【化3】
【0025】また、使用可能なアゾ系顔料には多くのも
のを挙げることができるが、とくに好ましいアゾ系顔料
の化学構造を、中心骨格Aとカプラー部分Cpによって
【0026】
【化4】
【0027】としてあらわせば、Aの具体例としては以
下のものを挙げることができる。
【0028】
【化5】
【0029】
【化6】
【0030】
【化7】
【0031】
【化8】
【0032】また、Cpの具体例としては、
【0033】
【化9】
【0034】
【化10】
【0035】
【化11】
【0036】等が挙げられる。これらの中心骨格Aおよ
びカプラーCpは適宜組み合わせることによって電荷発
生物質として好適なアゾ染料を得ることができる。電荷
発生層用バインダー樹脂としては、硬化型樹脂もしくは
通常の溶媒可溶性の汎用樹脂を用いることが出来る。硬
化型バインダー樹脂としては上述の単層型光センサーで
用いられるものと同様のものを、電荷発生剤1重量部に
対してバインダーを0.1〜10重量部、好ましくは
0.2〜1重量部の割合で使用することができる。電荷
発生層は乾燥後膜厚として0.01〜1μmであり、好
ましくは0.1〜0.5μmとするとよく、このような
膜厚とすることによって良好な感度と画質を示す。溶媒
可溶性汎用バインダー樹脂としては、例えばシリコーン
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ビニルホルマール樹脂、
ビニルアセタール樹脂、ビニルブチラール樹脂、スチレ
ン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、エポキシ
樹脂、アクリル樹脂、飽和または不飽和ポリエステル樹
脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂等が挙げら
れ、それぞれバインダー樹脂を単独または複数のものを
組み合わせて使用することができる。
【0037】電荷輸送層14”は電荷輸送性物質とバイ
ンダー樹脂とからなる。電荷輸送性物質は、電荷発生層
で発生した電荷の輸送特性が良い物質であり、例えば、
オキサジアゾール系、オキサゾール系、トリアゾール
系、チアゾール系、トリフェニルメタン系、スチリル
系、ピラゾリン系、ヒドラゾン系、芳香族アミン系、カ
ルバゾール系、ポリビニルカルバゾール系、スチルベン
系、エナミン系、アジン系、ビフェニルアミン系、トリ
フェニルアミン系、ブタジエン系、多環芳香族化合物
系、スチルベン二重体等があり、ホール輸送特性の良い
物質とすることが必要である。バインダー樹脂として
は、前記した電荷発生層における硬化型バインダー樹脂
と同様のものを電荷輸送性物質1重量部に対して0.1
〜10重量部、好ましくは0.1〜1重量部の割合で使
用することができる。電荷輸送層は乾燥後膜厚として1
〜50μmであり、好ましくは3〜20μmとするとよ
く、このような膜厚とすることによって良好な感度と画
質が得られる。バインダーに紫外線硬化樹脂を用いた場
合には乾燥処理後に紫外線ランプを使用して紫外線を
0.1mJ/cm2 以上のエネルギーで照射し、塗布層
を硬化させる。バインダー樹脂に熱硬化性樹脂を用いた
場合には乾燥処理後に60℃以上、120℃以下の温度
で加熱を行い、塗布層を硬化させる。
【0038】電極13は、後述する情報記録媒体が不透
明であれば透明性を有することが必要であるが、情報記
録媒体が透明性を有する場合には透明、不透明いずれで
もよく、106 Ω・cm以下の比抵抗を安定して与える
材料、例えば金、白金、亜鉛、チタン、銅、鉄、錫等の
金属薄膜導電膜、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、
酸化チタン、酸化タングステン、酸化バナジウム等の金
属酸化物導電膜、四級アンモニウム塩等の有機導電膜等
を、単独あるいは二種以上の複合材料として用いること
ができる。なかでも酸化物導電体が好ましく、特にイン
ジウム錫複合酸化物(ITO)が好ましい。電極13は
蒸着、スパッタリング、CVD、コーティング、めっ
き、ディッピング、電界重合等の方法により形成され
る。またその膜厚は電極を構成する材料の電気特性、お
よび情報記録の際の印加電圧により返歌される必要があ
るが、例えばITO膜では10〜300nm程度であ
り、情報記録層との間の全面、或いは任意のパターンに
合わせて形成される。また、二種類以上の材料を積層し
て用いることもできる。
【0039】基板15は、後述する情報記録媒体が不透
明であれば透明性を有することが必要であるが、情報記
録媒体は透明性を有する場合には透明、不透明いずれで
もよく、カード、フィルム、テープ、ディスク等の形状
を有し、光センサーを強度的に支持するものである。光
センサー自体が支持性を有する場合には設ける必要がな
いが、光センサーを支持することができるある程度の強
度を有していれば、任意の厚さのものを用いることがで
きる。例えば可撓性のあるプラスチックフィルム、或い
はガラス、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリメ
チルアクリレート、ポリエステル、ポリカーボネード等
のプラスチックシート、カード等が使用される。なお、
基板の電極13が設けられる面の他方の面には、電極1
3が透明であれば必要に応じて反射防止効果を有する層
を積層するか、また反射防止効果を発現しうる膜厚に透
明基板を調整するか、更に両者を組み合わせることによ
り反射防止性を付与するとよい。
【0040】光導電層には電子受容性物質、増感色素、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を添加してもよ
い。電子受容性物質および増感色素にはベース電流の調
整、ベース電流の安定化、増感等の作用がある。電子受
容性物質としては、例えばニトロ置換ベンゼン類、アミ
ノ置換ベンゼン類、ハロゲン置換ベンゼン類、置換ナフ
タレン類、ベンゾキノン類、ニトロ置換フルオレノン
類、クロラニル類あるいは電荷輸送性物質に列挙した化
合物等が、増感色素としてはトリフェニルメタン色素、
ピリリウム塩色素、キサンテン色素、ロイコ色素等が挙
げられる。酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止
剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤を、紫外線吸
収剤としては、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェ
ノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤を、光安定剤と
しては、紫外線安定剤、ヒンダートアミン系光安定剤等
を挙げることができる。電子受容性物質、増感色素は、
それぞれ光導電性物質1重量部に対して0.001〜1
0重量部、好ましくは0.01〜1重量部の割合で添加
される。0.001重量部よりも少ないと作用を示さ
ず、10重量部よりも多い場合には、画質に悪影響を与
える。酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤について
は、単独あるいは複数を組み合わせて、光導電性物質1
重量部に対して0.001〜10重量部、好ましくは
0.01〜1重量部の割合で添加される。0.001重
量部よりも少ないとこれらの物質の添加の効果が得られ
ず、10重量部よりも多い場合には、画質に悪影響を与
える。積層型光センサーの場合は、電荷発生層、電荷輸
送層中にそれぞれ同様の割合で添加することができる。
好ましくはこれらの物質は電荷発生層中に添加するとよ
い。
【0041】また、電極13と光導電層14または電荷
発生層14’間に光誘起電流増幅層を設けてもよい。そ
の詳細な理由は不明であるが、光センサーにおける光誘
起によって発生した電流を増幅する作用や、電極13か
ら光導電層14または電荷発生層14’への電荷キャリ
ヤー注入性を制御して情報記録媒体に実質的に印加され
る電圧を調整する作用、および、電極13から光導電層
14または電荷発生層14’への電荷キャリヤー注入性
を均一化し、情報記録媒体へ記録する情報のノイズ、ム
ラ等を軽減する作用を有している。第一の作用は光セン
サーとしての記録感度の向上に効果的であり、第二の作
用は記録画像の画像濃度の調整に効果的であり、さら
に、第三の作用は記録画像の画質向上に効果的である。
光誘起電流増幅層には、例えばシリコーン樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂、ビニルホルマール樹脂、ビニルアセタ
ール樹脂、ビニルブチラール樹脂、スチレン樹脂、スチ
レン−ブタジエン共重合体樹脂、エポキシ樹脂、アクリ
ル樹脂、飽和または不飽和ポリエステル樹脂、メタクリ
ル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体樹脂等が挙げられ、それぞれバイ
ンダー樹脂を単独または複数のものを組み合わせて使用
することができる。さらに、可溶性ポリアミド、フェノ
ール樹脂、ポリウレタン、ポリウレア、カゼイン、ポリ
ペプチド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、無水マレイン酸エステル重合体、第四級アンモニウ
ム塩含有重合体、セルロース化合物等を使用することが
でき、それぞれバインダー樹脂を単独または複数のもの
を組み合わせて使用することができる。特にビニルホル
マール樹脂、ビニルアセタール樹脂、ビニルブチラール
樹脂が好ましい。光誘起電流増幅層の厚さは、0.00
5〜5μm、好ましくは0.05〜0.5μmが良く、
ディップコーティング、ロールコーティング、スピンコ
ーティング等の方法によって塗布することができる。
0.005μmよりも薄いと、画像ノイズの軽減作用は
なくなり、また5μmよりも厚いと電極から電荷発生層
への電荷キャリヤー注入を妨げてしまう。また、光誘起
電流増幅層には必要に応じて、各種の電子受容性物質、
光導電性物質が添加され、それぞれ添加物を単独または
複数のものを組み合わせて使用することができる。
【0042】電子受容性物質としては、例えば、1,3
−ジニトロベンゼンに代表される置換ベンゼン類、置換
ナフタレン類、p−ベンゾキノン、2,5−ジクロロ−
p−ベンゾキノン、2,3−ジクロロ−5,6−ジシア
ノ−p−ベンゾキノンに代表される置換および無置換ベ
ンゾキノン類、置換および無置換ナフトキノン類、置換
および無置換アントラキノン類、2,4,7−トリニト
ロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオ
レノンに代表される置換フルオレノン類、p−クロラニ
ル、o−クロラニルに代表されるクロラニル類、7,
7,8,8−テトラシアノキノジメタンに代表される置
換キノジメタン類を挙げることができる。光導電性物質
としては、前記した単層系における無機と有機の光導電
性物質および積層系における電荷発生性物質を用いるこ
とができ、例えば、無機光導電性物質としてはSe、S
e−Te、ZnO、TiO2 、Si、硫黄や酸素等をド
ープしたSi、CdS等が挙げられ、これらを微粒子と
して単有機光導電性物質のうち高分子光導電性物質とし
ては、例えばポリビニルカルバゾール(PVK)、PV
Kにおけるビニル基の代わりにアリル基、アクリロキシ
アルキル基のエチレン性不総和基が含まれたポリ−N−
エチレン性不飽和基置換カルバゾール類、また、ポリ−
N−アクリルフェノチアジン、ポリ−N−(β−アクリ
ロキシ)フェノチアジン等のポリ−N−エチレン性不飽
和基置換フェノチアジン類、ポリビニルピレン等が挙げ
られる。有機光導電性物質のうち低分子光導電性物質と
しては、アルキルアミノフェニル基等で置換されたオキ
サジアゾール類、トリフェニルメタン誘導体、ヒドラゾ
ン誘導体、ブタジエン誘導体、スチルベン誘導体等が挙
げられる。
【0043】電荷発生性物質としては、ピリリウム系染
料、チアピリリウム系染料、アズレニウム系染料、シア
ニン系染料、アズレニウム系染料等のカオチン系染料、
スクアリリウム塩系染料、フタロシアニン系顔料、ペリ
レン系顔料、ピラントロン系顔料等の多環キノン系顔
料、インジゴ系顔料、キナクドリン系顔料、ピロール系
顔料、アゾ系顔料等の染料、顔科を単独もしくは複数の
ものを組み合わせて使用することができる。これらの添
加物は、バインダー樹脂1重量部に対して、0.001
〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の割合で
添加され、それぞれ添加物を単独または複数のものを組
み合わせて使用することができ、特に、置換ベンゾキノ
ン類とアゾ顔料との組合せのように電子受容性化合物と
有機光導電性顔料を組み合わせて用いることにより大き
な増幅作用が得られ好ましい。
【0044】情報記録媒体2について説明する。まず、
本発明における情報記録媒体としては、その情報記録層
が高分子分散型液晶とする場合が挙げられる。高分子分
散型液晶は液晶相中に樹脂粒子が分散した構造を有して
いるが、液晶材料は、スメクチック液晶、ネマチック液
晶、コレステリック液晶あるいはこれらの混合物を使用
することができる。液晶としては、その配向性を保持
し、情報を永続的に保持させる、いわゆるメモリー性の
観点から、スメクチック液晶を使用するのが好ましい。
スメクチック液晶としては、液晶性を呈する物質の末端
基の炭素基が長いシアノビフェニル系、シアノターフェ
ニル系、フェニルエステル系、更にフッ素系等のスメク
チックA相を呈する液晶物質、強誘電性液晶として用い
られるスメクチックC相を呈する液晶物質、或いはスメ
クチックH、G、E、F等を呈する液晶物質等が挙げら
れる。樹脂粒子を形成する材料としては、例えば、紫外
線硬化型樹脂であって、モノマー、オリゴマーの状態で
液晶材料と相溶性を有するもの、或いはモノマー、オリ
ゴマーの状態で液晶材料と共通の溶媒に相溶性を有する
ものを好ましく使用できる。このような紫外線硬化型樹
脂としては、例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸
エステル等が挙げられる。その他、液晶材料と共通の溶
媒に相溶性を有する溶媒可溶型の熱硬化性樹脂、例えば
アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
リスチレン樹脂、およびこれらを主体とした共重合体
等、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等を使用してもよ
い。液晶材料と樹脂の使用割合は、液晶の含有率が10
重量%〜90重量%、好ましくは40重量%〜80重量
%となるように使用するとよく、10重量%未満である
と情報記録により液晶相が配向しても光透過性が低く、
また、90重量%を超えると液晶のしみ出し等の現象が
生じ、画像むらが生じ好ましくない。情報記録層の膜厚
は解像性に影響を与えるので、乾燥後膜厚0.1μm〜
10μm、好ましくは3μm〜8μmとするとよく、高
解像性を維持しつつ、動作電圧も低くすることができ
る。膜厚が薄すぎると情報記録のコントラストが低く、
また、厚すぎると動作電圧が高くなるので好ましくな
い。この情報記録媒体は、図3に示すように上述した光
センサーとポリイミドのような絶縁性樹脂フィルムスペ
ーサー19を介して、対向配置し、両電極13、13’
を電圧源Vを介して結線して第1の情報記録装置とされ
る。この装置における電極13、13’は、いずれか一
方、または両方が透明性であればよい。
【0045】次に、第2の情報記録システムについて説
明する。図4は、本説明の第2の情報記録装置を断面図
により示す図であり、図中20は誘電体層であり、ま
た、図2と同一符号は同一内容を示す。第2の情報記録
装置は、第1の情報記録装置における光センサーと情報
記録媒体とを誘電体層20を介して対向配置し、直接積
層したものである。第2の情報記録装置は、光センサー
における光導電層が溶媒を使用して塗布形成される場合
に特に適しており、光導電層上に情報記録層を直接塗布
形成すると、それらの相互作用により情報記録層におけ
る液晶が溶出したり、又、情報記録層形成用の溶媒によ
り光導電材料が溶出することによる画像ムラを防止する
ことができ、また光センサーと情報記録媒体との一体化
を可能とするものである。誘電体層20は、その形成に
あたって、光導電層形成材料、情報記録層形成材料にい
ずれに対しても溶解性を有しないことが必要であり、ま
た導電性を有しないことが必要である。導電性を有する
場合には、空間電荷の拡散が生じ、解像度の烈火が生じ
ることから絶縁性が要求される。また、誘電体層は液晶
層に印加される分配電圧を低下させたり、或いは解像性
を悪化させるので、膜厚は薄い方が好ましく、2μm以
下とするとよいが、逆に薄くすることにより、経時的な
相互作用による画像ノイズの発生ばかりでなく、積層塗
布する際にピンホール等の欠陥による浸透の問題が生じ
る。ピンホール等の欠陥による浸透性は積層塗布する材
料の固形分比率、溶媒の種類、粘度により異なるので、
積層塗布されるものの膜厚は適宜設定されるが、少なく
とも10μm以下の膜厚とするとよく、好ましくは0.
1〜3μmとするとよい。さらに、各層に印加される電
圧分配を考慮した場合、薄膜化と共に誘電率の高い材料
が好ましい。
【0046】誘電体層を形成する材料としては、無機材
料ではSiO2 ,TiO2 ,CeO2 ,Al2 3 ,G
eO2 ,Si34,AlN,TiN,MgF2 ,Zn
S,二酸化ケイ素と二酸化チタンの組み合せ、硫化亜鉛
と弗化マグネシウムの組み合せ、酸化アルミニウムとゲ
ルマニウムの組み合せ等を使用し、蒸着法、スパッタリ
ング法、CVD法等により積層して形成するとよい。ま
た、有機溶剤に対して相溶性の少ない水溶性樹脂、例え
ばポリビニルアルコール、水系ポリウレタン、水ガラス
等の水溶液を使用し、スピンコート法、ブレードコート
法、ロールコート法等により積層してもよい。更に、塗
布可能なフッ素樹脂を使用してもよく、この場合にはフ
ッ素系溶剤に溶解し、スピンコート法により塗布する
か、またブレードコート法、ロールコート法等により積
層してもよい。塗布可能なフッ素樹脂としては、例えば
特開平4−24722号公報等に開示されたフッ素樹
脂、更に真空系で膜形成されるポリパラキシリレン等の
有機材料を好ましく使用することができる。
【0047】次に、本発明の第1および第2の情報記録
装置における情報記録方法について説明する。図10
は、本発明の第1の情報記録装置における情報記録方法
を説明するための図である。第2の情報記録装置におい
ても同様である。図中11は情報記録層、13は光セン
サーの電極、13’は情報記録媒体の電極、14は光導
電層、21は光源、22は駆動機構を有するシャッタ
ー、23は電流となるパルスジェネレーター、24は暗
箱を示す。電極13、13’の間に、パルスジェネレー
ター23により適当な電圧を印加しつつ、光源21から
情報光を入射させると、光が入射した部分の光導電層1
4で発生した光キャリアは、両電極により形成される電
界により情報記録層11側の界面まで移動し、電圧の再
配分が行われ、情報記録層11における液晶層が配向
し、情報光のパターンに応じた記録が行われる。本発明
の情報記録方法においては面状アナログ記録が可能であ
り、液晶レベルでの記録が得られるので、高解像度の記
録となり、また露光パターンは液晶相の配向により可視
像化されて保持される。情報記録システムの形態として
は、カメラによる方法、またレーザーによる記録方法が
ある。カメラによる方法としては、通常のカメラに使用
されている写真フィルムの代わりに情報記録媒体が使用
され、記録部材とするもので、光学的なシャッタも使用
しうるし、また電気的なシャッタも使用しうるものであ
る。また、プリズム及びカラーフィルターにより光情報
を、R、G、B光成分に分離し、平行光として取り出し
R、G、Bの各色用の3個の情報記録媒体で1コマを形
成するか、または1個の情報記録媒体の異なる部分に
R、G、Bの各画像を記録して1コマとすることによ
り、カラー撮影することもできる。また、レーザーによ
る記録方法としては、光源としてはアルゴンレーザー
(514.488nm)、ヘリウム−ネオンレーザー
(633nm)、半導体レーザー(780nm、810
nm等)が使用でき、画像信号、文字信号、コード信
号、線画信号に対応したレーザー露光をスキャニングに
より行うものである。画像のようなアナログ的な記録
は、レーザーの光強度を変調して行い、文字、コード、
線画のようなデジタル的な記録は、レーザー光のON−
OFF制御により行う。また画像において網点形成され
るものには、レーザー光にドットジェネレーターON−
OFF制御によって形成するものである。なお、光セン
サーにおける光導電層の分光特性は、パンクロマティッ
クである必要はなく、レーザー光源の波長に感度を有し
ていればよい。
【0048】情報記録媒体に記録された露光情報は、図
11に示すように第1の情報記録装置の場合には情報記
録媒体を分離して、また第2の情報記録装置の場合には
そのまま透過光により情報を再生すると、情報記録部で
は液晶が電界方向に配向するために光Aは透過するのに
対して、情報を記録していない部位においては光Bは散
乱し、情報記録部とのコントラストがとれる。また、光
反射層を介して反射光により読み取ってもよい。図10
に示すように第一の情報記録装置において、例えば、撮
像用カメラ(マミヤ社製RB67)の写真フイルムに代
えて、この積層体からなる情報記録媒体を取り付けて光
センサーと情報記録媒体における両電極間に700Vの
直流電圧を0.04秒印加すると同時に、グレースケー
ルを1/30秒間、光センサー側から投影露光すること
により、情報記録媒体の情報記録層にグレースケールに
応じた光透過部からなる記録部が形成され、情報記録を
行うことができる。
【0049】次いで、情報記録媒体における記録情報
を、図12に示す情報出力装置により、情報記録媒体を
フィルムスキャナーによって記録情報を読み取り、その
情報を昇華転写プリンター(日本ビクター社製 SP−
5500)を使用して情報出力することによりグレース
ケールに応じた良好な印刷物を得ることができる。
【0050】液晶の配向により記録された情報は、目視
による読み取りが可能な可視情報であるが、投影機によ
り拡大して読み取ることもでき、レーザースキャニン
グ、或いはCCDを用いて高精度で情報を読み取ること
ができる。なお必要に応じてシュリーレン光学系を用い
ることにより散乱光を防ぐことができる。以上、情報記
録媒体として、情報露光による記録を液晶の配向により
可視化した状態とするものであるが、液晶と樹脂との組
み合せを選ぶことにより、一旦配向し、可視化した情報
は消去せず、メモリ性を付与することができる。また、
等方相転移付近の高温に加熱すると、メモリー性を消去
することができるので、再度の情報記録に使用すること
ができる。
【0051】情報記録装置における情報記録媒体として
は、例えば特開平3−7942号、特開平5−1077
75号、特開平5−107776号、特開平5−107
777号公報、特開平4−70842号公報等に記載さ
れている電荷保持層を情報記録層とする静電情報記録媒
体を使用してもよく、この場合には情報は情報記録媒体
において静電荷の形で蓄積されるので、その静電電荷を
トナー現像するか、またはその静電電荷を例えば特開平
1−290366号公報等に記載されるように電位読み
取りにより再生することができる。また、特開平4−4
6347号公報等に記載される、熱可塑性樹脂層を情報
記録層とする情報記録媒体を使用してもよく、この場合
には、前記同様に情報を静電荷の形で表面に蓄積した
後、熱可塑性樹脂層が加熱されることにより、情報をフ
ロスト像として蓄積し、可視情報として情報再生するこ
とが可能である。
【0052】
【作用】本発明の情報記録媒体への光情報の記録に使用
する光センサーは、電極上に光導電層が積層されてお
り、半導電性であり、情報記録媒体との間で情報露光し
た状態で電圧を印加する、あるいは電圧を印加した状態
で情報露光すると、情報記録媒体に付与される電界また
は電荷量が増幅され、また、情報露光を終了した後も電
圧を印加し続けると導電性を持続し、引き続き電界また
は電荷量を情報記録媒体に付与し続ける作用を有してい
る。さらに、この種の情報記録媒体に情報記録を行うた
めに使用される光センサーにおいて表面硬度が低く耐久
性にかける問題点に対して、光センサーの少なくとも最
も表面に存在する層を紫外線硬化型樹脂あるいは熱硬化
型樹脂をバインダー樹脂に用い硬化することによって表
面層の硬度が増し、未使用時における環境耐久性および
使用時における繰り返し使用耐久性が向上する作用を有
している。
【0053】また、光センサー上に誘電体層、情報記録
層と積層する、あるいは情報記録層を直接光センサーに
積層した情報記録媒体を作製する場合、誘電体操または
情報記録層を溶剤を使用して塗布形成しようとすると、
誘電体層または情報記録層形成用の溶媒により電荷輸送
性物質のような光導電材料が溶出することにより成膜が
困難であったり、成膜にむらが生じることがあり、ま
た、溶出した光導電材料が結晶化を起こす場合もあり、
情報記録媒体としての使用が困難、あるいは情報記録媒
体作製が困難になるという問題がある。また、たとえ成
膜が可能であっても、成膜後時間が経過し電荷輸送性物
質のような光導電性材料と液晶のような情報記録性物質
との間の相互作用により、情報記録層における液晶の溶
出、あるいはまた、光導電層における電荷輸送性物質の
溶出が生じることがあり、情報記録媒体としての使用が
困難になるという問題もある。
【0054】この問題に対し、光センサーの少なくとも
最も表面に存在する層を硬化させると、硬化バインダー
樹脂による電荷輸送性物質のような光導電性材料の隠蔽
性が向上すること、および、溶媒によるバインダー樹脂
の溶解性が大きく低下することにより光センサー上への
溶液塗布性が大きく向上し、情報記録媒体の製造の安定
性が大きく向上し、さらに、作製後の情報記録媒体の経
時安定性についても、硬化バインダー樹脂による電荷輸
送性物質のような光導電材料の隠蔽性が向上することに
より、安定性が大きく向上する作用を有する。
【0055】
【実施例】
実施例1 (積層型光センサーの作製)充分洗浄した厚さ1.1m
mのガラス基板上に、スパッタリングにより表面抵抗8
0Ω/口、膜厚100nmのITO膜を成膜し、電極を
得た。電極をスクラバー洗浄機(商品名プレートクリー
ナー モデル602 ウルトラテック社)にて、純水噴
射2秒、スクラバー洗浄20秒、純水リンス15秒、高
速回転による水分の除去25秒、赤外線乾燥55秒の洗
浄処理を2回行った。この電極上に、電荷発生性物質と
して下記構造
【0056】
【化12】
【0057】を有するフルオレノンアゾ顔料3重量部と
ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)、バイロン200)
1重量部と、テトラヒドロフラン196重量部を混合
し、ペイントシェーカーによって充分に混練を行い、得
られた塗布液をスピンナーにて1400rpm、0.4
秒で塗布し、無塵化で放置し乾燥を行った後、100
℃、1時間乾燥して膜厚0.3μmの電荷発生層を形成
した。次に、この電荷発生層上に、電荷輸送性物質とし
て下記構造の
【0058】
【化13】
【0059】ビフェニルアミン誘導体25重量部と多官
能モノマーであるジペンタエリスリトールヘキサアクリ
レート(東亞合成化学工業製、M−400、分子量/官
能基=117)5重量部、光硬化開始剤として2−ヒド
ロキシ−2メチル−1−フェニルプロパン−1−オン
(チバガイギー社製、商品名ダロキュア1173)0.
25重量部と、ジクロロメタン68重量部、1,1,2
−トリクロロエタン102重量部とを均一に溶解し塗布
液とし、スピンナーにて400rpm、0.4秒で塗布
し、塗膜の表面に皮膜が形成されて、塗膜の表面が付着
しなくなるまでの間、無風下で放置しレベリング乾燥を
行った後、80℃、0.5時間乾燥し、直ちに0.6J
/cm2 の紫外線照射によって塗布膜を硬化させ、膜厚
20μmの電荷輸送層を形成し、光センサーを作製し
た。得られた光センサーの表面硬度は1000g重の荷
重による鉛筆硬度で2Hであった。
【0060】(光センサーの電気特性)前記で得た光セ
ンサーの電気特性を測定するために、光センサーの電荷
輸送層上に、0.16cm2 、厚さ10nm、表面抵抗
1kΩ/口の金電極を蒸着して電極とし、測定用試料と
し、図13に示す電流測定装置を構成した。図中、15
は光センサー支持体、13は光センサー電極、14は電
荷発生層、電荷輸送層からなる光導電層、30は金電
極、31は光源、32はシャッター(コパル社製No.
0 電磁シャッター)、33はシャッター駆動機構、3
4はパルスジェネレーター(横河ヒューレットパッカー
ド社製)、35はオシロスコープである。
【0061】この電流測定装置において、光センサーに
おける電極13を正極、金電極を負極として、両電極間
に直流300Vを印加するとともに、電圧印加開始後
0.5秒後に、ガラス基板側から0.033秒間光照射
し、光照射開始時間をt=0として、光センサーに流れ
る電流を測定した。照射光はキセノンランプ(浜松ホト
ニクス社製L2274)を光源に、グリーンフィルター
(日本真空光学社製)を使用して、緑色光を照射した。
照射照度は、照度計(ミノルタ社製)で測定し、20ル
ックスの照度強度とした。図5にフィルターの特性を示
す。
【0062】光照射の終了後も電圧印加を継続し、光照
射開始時間から0.15秒間電圧印加を継続した。その
間の電流の時間変化をオシロスコープにより測定した。
また露光をしないで電圧印加のみを行い、同様にして電
流測定した結果を同時に示す。なお、測定は室温で行っ
た。結果を図14に示す。横軸は電圧印加時間(秒)、
縦軸は電流密度(A-6/cm2 )である。図において、
(A)線は露光した場合の電流測定値、(B)線は露光
しないで電圧のみを印加した場合である。A線に示され
るように、本発明の光センサーにより電流値は、2つの
変曲点(a)(b)が観測される。変曲点(a)から下
の電流量は、後述する比較センサーとの比較から、露光
量に応じた電流(以下、光誘起電流という)の量である
と考えられる。また、変曲点(b)は露光終了に伴う電
流量の変化点であり、露光を終了しても未露光時でも電
圧印加に応じた電流が持続して流れ、徐々に減衰してい
くことがわかる。即ち、この図から、本発明における光
センサーは、露光の間では光誘起電流が増加し続け、露
光後も光誘起電流が持続し、一定の時間を経て徐々に減
衰していくことがわかる。この光センサーに流れる電流
値から、比抵抗は5.4×1010Ωcmであった。
【0063】(情報記録媒体の作製)厚さ1.1mmの
ガラス基板上に導電層として、膜厚100nmのITO
膜をスパッタリングにより成膜し、電極を得たのち、表
面洗浄を行った。この電極上に、多官能性モノマー(ジ
ペンタエリストールヘキサアクリレート、東亞合成化学
工業製、M−400)40重量部、光硬化開始剤(2−
ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−
オン(チバガイギー社製、ダロキュア1173)2重量
部、液晶を50重量部(そのうちスメクチック液晶(メ
ルク社製、S−6)が90%、ネマチック液晶(メルク
社製、E31LV)が10%)、界面活性剤(住友スリ
ーエム社製、フロラードFC−430)3重量部をキシ
レン96重量部中に均一に溶解して得た塗布液を、50
μmの間隔を設けたブレードコーターを用いて塗布した
後、47℃で3分間乾燥し、次いで47℃で2分間減圧
乾燥を行い、直ちに0.3J/cm2 の紫外線照射によ
って塗布膜を硬化させ、膜厚6μmの情報記録層を有す
る情報記録媒体を得た。情報記録層面を熱メタノールを
用いて液晶を抽出し、乾燥させた後、走査型電子顕微鏡
(日立製作所製 S−800)で1000倍で内部構造
を観察したところ、層の表面は0.6μmの紫外線硬化
型樹脂で覆われ、層内部には連続層を成す液晶相中に、
粒径0.1μmの樹脂粒子相が充填した構造を有してい
た。
【0064】(情報記録方法および記録特性)前記で作
製した本発明の光センサーの情報記録媒体とを、図3に
示すようにして、厚さ10μmのポリイミドフィルムの
スペーサを介して空気層からなる間隙を設けて対向させ
て積層した。図10に示す情報記録装置において、この
積層体を撮像用カメラ(マミヤ社製RB67)のフイル
ムに代えて装着し、光センサーと情報記録媒体における
両電極間に750Vの直流電圧を0.04秒印加すると
同時に、グレースケール露光量が0.2〜200ルック
スで1〜30秒間、光センサー側から投影露光した。露
光後、情報記録媒体を取り出した。透過光により情報記
録媒体を観察したところ、情報記録層にはグレースケー
ルに応じた光透過部からなる記録部が観察された。次い
で、情報記録媒体における記録情報を、図12に示すよ
うに構成した情報出力装置により再生した。図中、41
は情報記録媒体用スキャナー、42はパソコン、43は
プリンターである。情報記録媒体を、CCDラインセン
サーを用いたスキャナーによって記録情報を読み取り、
その情報を昇華転写プリンター(日本ビクター社製、S
P−5500)を使用して情報出力した結果、グレース
ケールに応じた階調性を有し、良好な印刷物が得られ
た。
【0065】比較例1 (積層型光センサーの作製)充分洗浄した厚さ1.1m
mのガラス基板上に、スパッタリングにより表面抵抗8
0Ω/口、膜厚100nmのITO膜を成膜し、電極を
得た。電極をスクラバー洗浄機(商品名プレートクリー
ナー モデル602 ウルトラテック社)にて、純水噴
射2秒、スクラバー洗浄20秒、純水リンス15秒、高
速回転による水分の除去25秒、赤外線乾燥55秒の洗
浄処理を2回行った。この電極上に、電荷発生性物質と
して下記構造
【0066】
【化14】
【0067】を有するフルオレノンアゾ顔料3重量部と
ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)、バイロン200)
1重量部と、テトラヒドロフラン196重量部を混合
し、ペイントシェーカーによって充分に混練を行い、得
られた塗布液をスピンナーにて1400rpm、0.4
秒で塗布し、無塵化で放置し乾燥を行った後、100
℃、1時間乾燥して膜厚0.3μmの電荷発生層を形成
した。次に、この電荷発生層上に、電荷輸送性物質とし
て下記構造の
【0068】
【化15】
【0069】トリフェニルアミン誘導体25重量部と多
官能モノマーであるジペンタエリスリトールヘキサアク
リレート(東亞合成化学工業製、M−400、分子量/
官能基=117)5重量部、光硬化開始剤として2−ヒ
ドロキシ−2メチル−1−フェニルプロパン−1−オン
(チバガイギー社製、商品名ダロキュア1173)0.
25重量部と、ジクロロメタン68重量部、1,1,2
−トリクロロエタン102重量部とを均一に溶解し塗布
液とし、スピンナーにて400rpm、0.4秒で塗布
し、塗膜の表面に皮膜が形成されて、塗膜の表面が付着
しなくなるまでの間、無風下で放置しレベリング乾燥を
行った後、80℃、2時間乾燥し、膜厚20μmの電荷
輸送層を形成し、光センサーを作製した。得られた光セ
ンサーの表面硬度は1000g重の荷重による鉛筆硬度
で2Bであった。また、光センサーの電気特性は作製ロ
ットによりばらつきが生じた。
【0070】実施例2 実施例1で作製した光センサーにおける光導電層上に、
フッ素樹脂(サイトップ、旭硝子製、ガラス転移温度1
00℃、吸水率0.01%、比抵抗1×1018Ω・c
m)の3.5%フッ素系溶剤溶液を、スピンナーにて1
000rpm、20秒で塗布し、室温で2時間乾燥後、
80℃、1時間乾燥することにより膜厚1μmの誘電体
層を積層した。次いで、この誘電体層上に、実施例1で
示した情報記録層の作製方法と同様に情報記録層を作製
し、さらにその情報記録層上にスパッタリングでITO
を20nm成膜することにより導電層を積層し、情報記
録媒体を作製した。この情報記録装置の両電極間に75
0Vの直流電圧を印加すると同時に、実施例1同様にグ
レースケールを露光量0.2〜200ルックスで1/3
0秒間、光センサー側から投影露光した。電圧印加時間
は0.02秒間とした。露光後、情報記録媒体を取り出
し、実施例1同様の情報出力装置により、読み取りおよ
び出力を行ったところ、良好な印刷物が得られた。情報
記録媒体の作製は容易で、電荷輸送性物質の溶出や結晶
化、また液晶の溶出等の経時的変化は生じなかった。
【0071】比較例2 比較例1で作製した光センサーにおける光導電層上に、
フッ素樹脂(サイトップ、旭硝子製、ガラス転移温度1
00℃、吸水率0.01%、比抵抗1×1018Ω・c
m)の3.5%フッ素系溶剤溶液を、スピンナーにて1
000rpm、20秒で塗布し、室温で2時間乾燥後、
80℃、1時間乾燥することにより膜厚1μmの誘電体
層を積層した。次いで、この誘電体層上に、実施例1で
示した情報記録層の作製方法と同様に情報記録層を作製
し、さらにその情報記録層上にスパッタリングでITO
を20nm成膜することにより導電層を積層し、情報記
録媒体を作製した。情報記録媒体の作製はできるもの
の、個体差により経時的変化を生じ、電荷輸送性物質の
溶出や結晶化、また液晶の溶出が起こった。
【0072】実施例3 実施例1で作製した光センサーにおける光導電層上に、
実施例1で示した情報記録層の作製方法と同様に情報記
録層を作製し、さらにその情報記録層上にスパッタリン
グでITOを20nm成膜することにより導電層を積層
し、情報記録媒体を作製した。作製は容易で、電荷輸送
性物質の溶出や結晶化、また液晶の溶出等の経時的変化
は生じなかった。
【0073】比較例3 比較例1で作製した光センサーにおける光導電層上に、
実施例1で示した情報記録層の作製方法と同様に情報記
録層を作製し、さらにその情報記録層上にスパッタリン
グでITOを20nm成膜することにより導電層を積層
し、情報記録媒体を作製した。情報記録媒体の作製は非
常に困難で、情報記録層塗布の際、光センサーが溶解し
てしまい光センサー層と情報記録層が明確にわかれて積
層することができず、両者が混ざりあった状態となり、
満足のゆく情報記録媒体の作製ができなかった。
【0074】この情報記録装置の両電極間に500Vの
直流電圧を印加すると同時に、実施例1同様にグレース
ケールを露光量0.2〜200ルックスで1/30秒
間、光センサー側から投影露光した。電圧印加時間は
0.02秒間とした。露光後、情報記録媒体を取り出
し、実施例1同様の情報出力装置により、読み取りおよ
び出力を行ったところ、認識できる画像とはなっていな
かった。また、作製後すぐに電荷輸送性物質の結晶化が
生じ、経時的に結晶が成長していった。
【0075】実施例4 (情報記録媒体の作製)充分に洗浄したガラス基板上に
酸化錫を100nm蒸着し電極を作製した後、電極を実
施例1と同様の洗浄処理を行った。この電極上にβ−ピ
ネン重合体(理化ハーキュレス社製、クリスタレックス
3100)16重量部、キシレン80重量部を均一にな
るように混合して得られた塗布液を、スピンナーにて2
000rpm、5秒で塗布した後、室温にて30分間放
置して、膜厚0.7μmの情報記録媒体を得た。 (情報記録方法)実施例1で作製した光センサーと、前
記で作製した情報記録媒体とを使用して実施例1と同様
の情報記録媒体を作製し、両電極間に850Vの直流電
圧を印加すると同時にグレースケール露光量0.2〜2
00ルックスで0.1秒間、光センサー側から投影露光
した。電圧印加時間は0.5秒間とした。露光後、情報
記録媒体を取り出し、80℃、30秒間加熱して現像を
行ったところ、グレースケールに対応したフロスト像が
形成された。この情報記録媒体におけるフロスト像を、
実施例1同様に、図12に示される情報出力装置により
読み取ることができ、画像むらやノイズのない良好な画
像が得られた。
【0076】実施例5 (情報記録媒体の作製)充分洗浄した厚さ1.1mmの
ガラス基板上に、膜厚100nmのITO膜をスパッタ
法により成膜し電極を得た後、電極を実施例1と同様の
洗浄処理を行った。その電極上に、フッ素樹脂(サイト
ップ、旭硝子製、ガラス転移温度100℃、吸水率0.
01%、比抵抗1×1018Ω・cm)の7%フッ素系溶
剤溶液を、スピンナーにて1500rpm、20秒で塗
布し、室温で3時間乾燥後、情報記録層の膜厚3μmの
情報記録層を有する情報記録媒体を得た。 (情報記録方法)この情報記録媒体と実施例1で作製し
た光センサーとを使用して実施例1同様の情報記録装置
を作製し、両電極間に950Vの直流電圧を印加すると
同時にグレースケールを露光量0.2〜200ルックス
で1/30秒間、光センサー側から投影露光した。電圧
印加時間は0.1秒間とした。情報記録媒体の樹脂面の
静電情報を、図15に示す情報出力装置により、振動容
量型表面電位計(モデル344、トレック製)を用いて
読み取ることができた。
【0077】
【発明の効果】本発明の光センサーは光導電層を構成す
るバインダー樹脂が紫外線硬化型樹脂または熱硬化型樹
脂を含有した光センサーであるので、光導電層の表面硬
度が大きく、電気的特性が安定した光センサーを得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における光センサーを説明する断面図で
ある。
【図2】本発明における他の光センサーを説明する断面
図である。
【図3】本発明の第1の情報記録装置を説明する断面図
である。
【図4】本発明の第2の情報記録装置を説明する断面図
である。
【図5】本発明の光センサーの光電流の増幅作用を説明
するために使用した測定系で使用したグリーンフィルタ
ーの分光特性を示す図である。
【図6】比較用センサーの光電流増幅作用の測定結果を
示す図である。
【図7】比較用センサーの光照射中における量子効率の
変化を示す図である。
【図8】本発明の光センサーにおける光電流増幅作用の
測定結果を示す図である。
【図9】本発明の光センサーの光照射中における量子効
率の変化を示す図である。
【図10】本発明の情報記録方法を説明するための図で
ある。
【図11】本発明の情報記録装置における記録情報の再
生方法を説明するための図である。
【図12】本発明の情報記録装置システムにおける記録
情報の他の再生方法を説明するための図である。
【図13】電流測定装置を説明する図である。
【図14】本発明の光センサーの電流測定結果を示す図
である。
【図15】情報出力装置を説明する図である。
【符号の説明】
1…光センサー、2…情報記録媒体、11…情報記録
層、13、13′…電極、14′…電荷発生層、14″
…電荷輸送層、15…基板、19…スペーサー、20…
誘電体層、21…光源、22…駆動機構を有するシャッ
ター、23…パルスジェネレーター(電源)、24…暗
箱、30…金電極、31…光源、32…シャッター、3
3…シャッター駆動機構、34…パルスジェネレータ
ー、35…オシロスコープ、41…フィルムスキャナ
ー、42…パソコン、43…プリンター

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極上に光導電層を有し、情報記録媒体
    への情報形成に使用される光センサーにおいて、半導電
    性であり、光センサーの電極と情報記録媒体との電極間
    に情報露光した状態で電圧を印加する、あるいは電圧を
    印加した状態で情報露光すると、情報記録媒体に情報露
    光に起因する電流以上に増幅された強度で情報記録をす
    ることができ、また、情報露光を終了した後も電圧を印
    加し続けると緩和型導電性を示し、引き続き情報記録媒
    体に情報記録を継続する作用を有する光センサーにおい
    て、該光導電層を構成する樹脂バインダーが紫外線硬化
    型あるいは熱硬化型樹脂より形成されていることを特徴
    とする光センサー。
  2. 【請求項2】 電極上に光導電層を有し、情報記録媒体
    への情報形成に使用される光センサーにおいて、電極上
    に電界または電荷量により情報形成が可能な情報記録層
    を積層した情報記録媒体と対向して配置して使用され、
    半導電性であり、光センサーの電極と情報記録媒体との
    電極間に情報露光した状態で電圧を印加する、あるいは
    電圧を印加した状態で情報露光すると、情報記録媒体に
    付与される電界または電荷量が増幅され、また、情報露
    光を終了した後でも電圧を印加し続けると導電性を持続
    し、引き続き電界または電荷量を情報記録媒体に付与し
    つづける作用を有することを特徴とする光センサーにお
    いて、該光導電層を構成する樹脂バインダーが紫外線硬
    化型あるいは熱硬化型樹脂より形成されることを特徴と
    する光センサー。
  3. 【請求項3】 該光導電層が光導電性物質、電荷輸送性
    物質、紫外線硬化型あるいは熱硬化型樹脂を含有する単
    層であることを特徴とする請求項1〜2記載の光センサ
    ー。
  4. 【請求項4】 該光導電層が電荷発生層および電荷輸送
    層を積層体から構成されている請求項1〜2記載の光セ
    ンサー。
  5. 【請求項5】 電極上に電荷発生層、電荷輸送層を有
    し、情報記録媒体への情報形成に使用される光センサー
    において、半導電性であり、光センサーの電極と情報記
    録媒体との電極間に情報露光した状態で電圧を印加す
    る、あるいは電圧を印加した状態で情報露光すると、情
    報記録媒体に情報露光に起因する電流以上に増幅された
    強度で情報記録をすることができ、また、情報露光を終
    了した後も電圧を印加し続けると緩和型導電性を示し、
    引き続き情報記録媒体に情報記録を継続する作用を有す
    ることを特徴とする光センサーにおいて、該電荷輸送層
    を構成する樹脂バインダーが紫外線硬化型あるいは熱硬
    化型樹脂より形成されることを特徴とする光センサー。
  6. 【請求項6】 電極上に光導電層を有し、情報記録媒体
    への情報形成に使用される光センサーにおいて、電極上
    に電界または電荷量により情報形成が可能な情報記録層
    を積層した情報記録媒体と対向して配置して使用され、
    半導電性であり、光センサーの電極と情報記録媒体との
    電極間に情報露光した状態で電圧を印加する、あるいは
    電圧を印加した状態で情報露光すると、情報記録媒体に
    付与される電界または電荷量が増幅され、また、情報露
    光を終了した後でも電圧を印加し続けると導電性を持続
    し、引き続き情報記録媒体に情報記録を継続する作用を
    有することを特徴とする光センサーにおいて、該電荷輸
    送層を構成する樹脂バインダーが紫外線硬化型あるいは
    熱硬化型樹脂より形成されることを特徴とする光センサ
    ー。
  7. 【請求項7】 電極上に電荷発生層、電荷輸送層を有
    し、情報記録媒体への情報形成に使用される光センサー
    において、半導電性であり、光センサーの電極と情報記
    録媒体との電極間に情報露光した状態で電圧を印加す
    る、あるいは電圧を印加した状態で情報露光すると、情
    報記録媒体に情報露光に起因する電流以上に増幅された
    強度で情報記録をすることができ、また、情報露光を終
    了した後も電圧を印加し続けると緩和型導電性を示し、
    引き続き情報記録媒体に情報記録を継続する作用を有す
    ることを特徴とする光センサーにおいて、該電荷発生層
    を構成する樹脂バインダーが紫外線硬化型あるいは熱硬
    化型樹脂より形成されることを特徴とする光センサー。
  8. 【請求項8】 電極上に光導電層を有し、情報記録媒体
    への情報形成に使用される光センサーにおいて、電極上
    に電界または電荷量により情報形成が可能な情報記録層
    を積層した情報記録媒体と対向して配置して使用され、
    半導電性であり、光センサーの電極と情報記録媒体との
    電極間に情報露光した状態で電圧を印加する、あるいは
    電圧を印加した状態で情報露光すると、情報記録媒体に
    付与される電界または電荷量が増幅され、また、情報露
    光を終了した後でも電圧を印加し続けると導電性を持続
    し、引き続き情報記録媒体に情報記録を継続する作用を
    有することを特徴とする光センサーにおいて、該電荷発
    生層を構成する樹脂バインダーが紫外線硬化型あるいは
    熱硬化型樹脂より形成されることを特徴とする光センサ
    ー。
  9. 【請求項9】 電圧印加時において、光センサーへ10
    5 〜106 V/cmの電界強度の印加時に、未露光部で
    の通過電流密度が10-4〜10-7A/cm2であること
    を特徴とする請求項1〜6記載の光センサー。
  10. 【請求項10】 情報露光によって情報記録媒体へ光情
    報を記録する情報記録装置において、請求項1〜7に記
    載の光センサーと電極上に情報記録層を形成した情報記
    録媒体とを間隙を設けて光軸上に対向配置し、光センサ
    ーの電極と情報記録媒体の電極間に電圧印加を可能に結
    線したことを特徴とする情報記録装置。
  11. 【請求項11】 情報記録層が、液晶相および樹脂相か
    らなることを特徴とする請求項8記載の情報記録装置。
  12. 【請求項12】 情報記録層が熱可塑性樹脂からなり、
    情報露光に応じた電荷が情報記録層表面に付与された
    後、加熱され、情報露光に応じたフロスト像が情報記録
    層表面に形成されるものであることを特徴とする請求項
    8記載の情報記録装置。
  13. 【請求項13】 情報記録層が電荷保持層からなり、情
    報露光に応じた電荷が情報記録層表面に付与され、情報
    露光に応じた電荷が情報記録層表面に形成されたもので
    あるか、もしくは情報記録層表面に形成された電荷をト
    ナーによって現像することを特徴とする請求項8記載の
    情報記録装置。
  14. 【請求項14】 情報記録層がメモリー性を有すること
    を特徴とする請求項8〜11記載の情報記録装置。
  15. 【請求項15】 光センサーへ105 〜106 V/cm
    の電界強度の印加時に、未露光部での通過電流密度が1
    -4〜10-7A/cm2 であり、情報記録媒体の比抵抗
    が1010〜1013Ω・cmであることを特徴とする請求
    項8〜11記載の情報記録装置。
  16. 【請求項16】 下部電極上に光導電層、誘電体層、情
    報記録層、上部電極を順に積層した情報記録装置におい
    て、下部電極、光誘起電流増幅層と光導電層からなる光
    センサー部は、請求項1〜7に記載の光センサーからな
    り、下部電極と上部電極との間に電圧印加を可能に結線
    したことを特徴とする情報記録装置。
  17. 【請求項17】 情報記録媒体における情報記録層が、
    液晶相および樹脂相からなることを特徴とする請求項1
    4記載の情報記録装置。
  18. 【請求項18】 下部電極上に光導電層、情報記録層、
    上部電極を順に積層した情報記録装置において、下部電
    極、光導電層からなる光センサー部は、請求項1〜7に
    記載の光センサーからなり、下部電極と上部電極との間
    に電圧印加を可能に結線したことを特徴とする情報記録
    装置。
  19. 【請求項19】 情報記録媒体における情報記録層が、
    液晶相および樹脂相からなることを特徴とする請求項1
    6記載の情報記録装置。
  20. 【請求項20】 情報露光によって情報記録媒体へ光情
    報を記録する情報記録再生方法において、請求項1〜7
    に記載の光センサーと電極上に情報記録層を形成した情
    報記録媒体を使用し、光センサーもしくは情報記録媒体
    の少なくともいずれか一方の電極を透明電極とするとと
    もに、光センサーと情報記録媒体を間隙を設けて光軸上
    に対向配置し、両電極間に情報露光した状態で電圧を印
    加する、あるいは電圧を印加した状態での情報露光によ
    り情報記録媒体への情報記録を行い、透過光あるいは反
    射光により可視情報として情報記録媒体に記録した光情
    報の再生を行うことを特徴とする情報記録再生方法。
  21. 【請求項21】 情報露光によって情報記録媒体へ光情
    報を記録する情報記録方法において、請求項1〜7に記
    載の光センサーと電極上に熱可塑性樹脂からなる情報記
    録層を形成した情報記録媒体を使用し、光情報の露光に
    よって電荷が情報記録層上に付与された後に加熱し、情
    報露光に応じたフロスト像を形成し、透過光あるいは反
    射光により可視情報として情報記録媒体に記録した光情
    報の再生を行うことを特徴とする情報記録再生方法。
  22. 【請求項22】 情報露光によって情報記録媒体へ光情
    報を記録する情報記録方法において、請求項1〜7に記
    載の光センサーと電極上に電荷保持層からなる情報記録
    層を形成した情報記録媒体を使用し、光情報の露光によ
    って電荷を情報記録層上に付与された後に、記録した光
    情報を電位センサーによって読み取り再生を行うことを
    特徴とする情報記録再生方法。
  23. 【請求項23】 情報露光によって情報記録媒体へ光情
    報を記録する情報記録再生方法において、請求項1〜7
    に記載の光センサーと電極上に電荷保持層からなる情報
    記録層を形成した情報記録媒体を使用し、光情報の露光
    によって電荷を情報記録層上に付与した後に、記録した
    光情報をトナーによって現像し、透過光または反射光に
    よって可視情報として光情報の再生を行うことを特徴と
    する情報記録再生方法。
  24. 【請求項24】 情報露光によって情報記録媒体へ光情
    報を記録する情報記録方法において、情報記録媒体が下
    部電極上に光導電層、誘電体層、情報記録層、上部電極
    を順に積層しており、下部電極、光導電層からなる光セ
    ンサー部は、請求項1〜7に記載の光センサーからな
    り、下部電極と上部電極の少なくともいずれか一方は透
    明電極とし、下部電極と上部電極との間に情報露光した
    状態で電圧を印加する、あるいは電圧を印加しつつ光情
    報の露光により情報記録媒体への情報記録を行い、透過
    光あるいは反射光により可視情報として情報記録媒体に
    記録した光情報の再生を行うことを特徴とする情報記録
    再生方法。
  25. 【請求項25】 情報露光によって情報記録媒体へ光情
    報を記録する情報記録方法において、情報記録媒体が下
    部電極上に光導電層、情報記録層、上部電極を順に積層
    しており、下部電極、光導電層からなる光センサー部
    は、請求項1〜7に記載の光センサーからなり、下部電
    極と上部電極の少なくともいずれか一方は透明電極と
    し、下部電極と上部電極との間に情報露光した状態で電
    圧を印加する、あるいは電圧を印加しつつ光情報の露光
    により情報記録媒体への情報記録を行い、透過光あるい
    は反射光により可視情報として情報記録媒体に記録した
    光情報の再生を行うことを特徴とする情報記録再生方
    法。
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