JPH086066A

JPH086066A - 撮像装置

Info

Publication number: JPH086066A
Application number: JP15818894A
Authority: JP
Inventors: Osamu Shimizu; 治清水; Minoru Uchiumi; 実内海
Original assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Current assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date: 1994-06-17
Filing date: 1994-06-17
Publication date: 1996-01-12

Abstract

(57)【要約】【目的】光センサと情報記録媒体とから成り、高解像
性、高感度である動画用の撮像装置を提供する。【構成】本発明の撮像装置は、第１の基板と第１の電極
と光導電層とを積層し、半導電性であり、誘起電流増幅
作用を有する円筒形状の光センサと、高分子分散型液晶
と第２の電極とを積層して成る長尺シート形状の情報記
録媒体と、前記第１の電極と前記第２の電極に電圧を印
加する電圧印加手段と、前記光センサに被写体像を結像
する結像手段と、前記光センサを円筒の軸を中心に回転
する回転手段と、情報記録媒体を移送する移送手段と、
から構成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、情報記録媒体へ光情報
を可視情報または静電情報の形で記録することのできる
光センサと情報記録媒体とからなる撮像装置に関する。
特に情報記録媒体への情報記録性能が著しく増幅される
半導電性の光導電層を有する光センサからなり、高解像
度、高感度である動画用の撮像装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】前面に電極が設けられた光導電層からな
る光センサと、その光センサに対向し、後面に電極が設
けられた電荷保持層からなる情報記録媒体とを光軸上に
配置し、両導電層間に電圧を印加しつつ露光し、入射光
学像に応じて、電荷保持層に静電電荷を記録させ、その
静電電荷をトナー現像するかまたは電位読み取りにより
再生する方法は、例えば特開平１─２９０３６６号公
報、特開平１─２８９９７５号公報に記載されている。
また、前記方法における電荷保持層を熱可塑性樹脂層と
し、静電電荷を熱可塑性樹脂層表面に記録した後加熱
し、熱可塑性樹脂層表面にフロスト像を形成することに
より記録された静電電荷を可視化する方法は、例えば特
開平３─１９２２８８号公報に記載されている。

【０００３】更に、本出願人等は、前記情報記録媒体に
おける情報記録層を高分子分散型液晶層として、前記同
様に電圧印加時露光し、光センサにより形成される電界
により液晶層を配向させて情報記録を行い、情報記録の
再生にあたっては透過光あるいは反射光により可視情報
として再生する情報記録再生方法を、先に特願平４─３
３９４号、特願平４─２４７２２号、特願平５─２６６
６４６号として出願した。この情報記録再生方法は偏光
板を使用しなくとも記録された情報を可視化できる。

【０００４】また、このような情報記録方法を応用した
動画等の早い動きのある画像を連続記録する撮像装置と
しては、特開平６─１４２６２号公報に記載がある。図
１５は従来の撮像装置の構成を示す図である。図１５に
おいて、１０２は撮像レンズ群、１０３はシャッタ、１
０４は３色分解光学系、１０５は導電性ドラム、１０６
は光導電層部材、１０７は記録媒体、１０８は間歇駆動
機構、１０９はフィードローラ、１１０はスイッチ、１
１１は電源である。

【０００５】以上の構成において動作を説明する。光導
電層部材１０６と記録媒体１０７とを対向させ、また、
光学シャッタ１０３と駆動手段１０９とを間歇駆動機構
１０８に連結させ、この間歇駆動機構１０８の第２の作
動により、光学シャッタ１０３と駆動手段１０９とを動
作させて光導電層部材１０６上に電磁波情報を入射して
光導電層部材１０６上に電磁波情報を記録し、間歇駆動
機構１０８の第２の作動により、光学シャッタ１０３を
作動させるとともに光導電層部材１０６と記録媒体１０
７とを作動させて記録媒体７上に情報の記録を行う。以
下、同様の動作の繰返しにより記録媒体１０７上に動き
の早い連続した画像が記録される。光導電層部材１０６
は、結像された光学像が所定時間経過すると、自然消滅
されるような材質が用いられる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】こうした情報記録方法
やそれを応用した撮像装置において、さらに高感度、高
解像度とすることが求められていた。本発明は、光セン
サによって情報記録媒体へ高解像度、高感度の情報形成
を行う、動画用の撮像装置の提供を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】第１発明である、第１の
基板と第１の電極と光導電層とを積層し、半導電性であ
り、光誘起電流増幅作用を有する円筒形状の光センサ
と、高分子分散型液晶と第２の電極とを積層して成る長
尺シート形状の情報記録媒体と、前記第１の電極と前記
第２の電極に電圧を印加する電圧印加手段と、前記光セ
ンサに被写体像を結像する結像手段と、前記光センサを
円筒の軸を中心に回転する回転手段と、情報記録媒体を
移送する移送手段と、から構成される撮像装置。第２発
明である、前記円筒形状の光センサの第１の基板には、
前記第１の電極と接続された複数に分割された分割電極
を具備した請求項１記載の撮像装置。第３発明である、
前記第１の基板は導電性の材料から成る基板であり、前
記第１の電極の役割を兼ね備える第１発明記載の撮像装
置。第４発明である、第１の基板と第１の電極と光導電
層とを積層し、半導電性であり、光誘起電流増幅作用を
有する閉ループベルト形状の光センサと、高分子分散型
液晶と第２の電極とを積層して成る長尺シート形状の情
報記録媒体と、前記第１の電極と前記第２の電極に電圧
を印加する電圧印加手段と、前記光センサに被写体像を
結像する結像手段と、前記閉ループベルト形状の光セン
サを周回する周回手段と、情報記録媒体を移送する移送
手段と、から構成される撮像装置。第５発明である、前
記情報記録媒体に記録された情報を読み取る読取り手段
を具備した第１〜第４発明記載の撮像装置。

【０００８】

【作用】第１発明の撮像装置によれば、光センサは円筒
形状であり第１の基板と第１の電極と光導電層とを積層
して成り、半導電性であり、光誘起電流増幅作用を有す
る。また、情報記録媒体は長尺シート形状であり高分子
分散型液晶と第２の電極とを積層して成る。従って、結
像手段によって前記光センサに被写体像が結像される
と、その光量に応じて光センサの光導電層に導電性パタ
ーンが発現する。この光センサの導電性パターンが発現
した部分を、回転手段によって前記光センサを円筒の軸
を中心に回転して情報記録媒体と対向圧着させて、更に
電圧印加手段によって前記第１の電極と前記第２の電極
に電圧が印加されると、この光センサに発現した導電性
パターンは光誘起電流パターンに変換されて、前記情報
記録媒体に光散乱像として記録される。この情報記録は
高解像度、高感度である。また、移送手段により前記情
報記録媒体は移送され、繰返し新たな情報記録を行うこ
とができる。なお、回転手段により前記光センサを円筒
の軸を中心に回転して再び被写体の像が結像されるまで
の時間間隔において、その前に光センサに発現した導電
性は消滅している。第２発明の撮像装置によれば、第１
発明において前記円筒形状の光センサの第１の基板に
は、前記第１の電極と接続された複数に分割された分割
電極を具備したことにより、電圧印加手段により印加さ
れる電圧の広がりや圧着部分以外で記録媒体に電界が印
加されることによる記録状態の劣化が無くなる。第３発
明の撮像装置によれば、前記第１の基板は導電性の材料
から成る基板であり、前記第１の電極の役割を兼ね備え
ることができ構成が簡単である。第４発明の撮像装置に
よれば、光センサは閉ループベルト形状であり第１の基
板と第１の電極と光導電層とを積層して成り、半導電性
であり、光誘起電流増幅作用を有する。また、情報記録
媒体は長尺シート形状であり高分子分散型液晶と第２の
電極とを積層して成る。従って、結像手段によって前記
光センサに被写体像が結像されると、その光量に応じて
光センサの光導電層に導電性パターンが発現する。この
光センサの導電性パターンが発現した部分を、周回手段
によって前記閉ループベルト形状の光センサを周回して
情報記録媒体と対向圧着させて、更に電圧印加手段によ
って前記第１の電極と前記第２の電極に電圧が印加され
ると、この光センサに発現した導電性パターンは光誘起
電流パターンに変換されて、前記情報記録媒体に光散乱
像として記録される。この情報記録は高解像度、高感度
である。また、移送手段により前記情報記録媒体は移送
され、繰返し新たな情報記録を行うことができる。ま
た、光センサは閉ループベルト形状であるから被写体像
が結像する面は平面であり、円筒形状の場合と比較して
結像手段の構成が簡単である。なお、周回手段により前
記光センサが周回して再び被写体の像が結像されるまで
の時間間隔において、その前に光センサに発現した導電
性は消滅している。第５発明の撮像装置によれば、第１
〜第４発明において前記情報記録媒体に記録された情報
を読み取る読取り手段を具備したことにより、撮像装置
上で記録された情報を読み取ることができる。

【０００９】

【実施例】以下本発明の撮像装置について好適な実施例
に基づいて説明する。（実施例１）図１は本発明の撮像装置（実施例１）の構
成を示す図である。図１において、１は第１の基板、２
は第１の電極、３は光導電層、４は第２の基板、５は第
２の電極、６は高分子分散型液晶、７は光センサ、８は
情報記録媒体、９は被写体、１０はレンズ、１１はシャ
ッタ、１２は３色分解光学系、１３は制御回路、１４は
フィードローラ、１５はフィードローラ軸、１６は電
源、１７はスイッチ、１８は抵抗、１９は読取り装置、
２０はドラムである。なお、光センサ７等が外光から遮
光される為の遮光構造（図示せず）を具備している。

【００１０】以上の構成において動作を説明する。制御
回路１３によってシャッタ１１が開かれると、被写体９
から発せられた光は結像手段であるレンズ１０を通り、
更に３色分解光学系１２によってＲ，Ｇ，Ｂの３色に色
分解されて、光センサ７の結像面に被写体９のＲ，
Ｇ，Ｂ像が結像される。この３色分解光学系１２は、ダ
イクロイックプリズムと全反射面と行路補正用プリズム
とによって一体的に構成されている。被写体９のＲ，
Ｇ，Ｂ像は光センサ７の光導電層に変化をもたらし、光
導電層３には光量に応じた導電性のパターンが発現す
る。この間ドラム２０は停止している。

【００１１】所定の時間が経過した後、制御回路１３に
よってシャッタ１１が閉じられる。シャッターが閉じら
れた後においても光導電層３に発現した導電性のパター
ンはすぐには消滅することが無く短時間は持続する。シ
ャッターが閉じられた後ドラム２０は回転手段（図示せ
ず）によって回転させられ、情報記録媒体８と密着す
る。フィードローラ１４は、フィードローラ軸１５にお
いて回動自在に軸受に支持されており、制御装置１３に
よって制御される回転駆動手段によって回転し情報記録
媒体８を移送するとともに情報記録媒体８をドラム２０
の周面の光センサ７に密着させて、摩擦力によってドラ
ム２０を回転駆動する。即ち実施例１においては、フィ
ードローラ１４はドラム２０を回転する回転手段の構成
要素であり、かつ情報記録媒体８を移送する移送手段の
構成要素でもある。

【００１２】ドラム２０と情報記録媒体８の密着位置に
おいて、第１の電極２と第２の電極との間には電圧印加
手段によって電圧が印加されるようになっている。電源
１６において、一方の電極端子はアースされ、このアー
ス端子はアースを通じて情報記録媒体８の第１の電極に
接続されている。またもう一方の電極端子は制御回路１
３によって開閉を制御されるスイッチ１７を介して、更
にドラム２０を介して第２１電極に接続されている。ド
ラム２０を金属材料等の良導電性の材料で造り、第１の
基材と第１の電極の両方の役割をするように構成するこ
ともできる。また、第１の電極と第２の電極との間には
抵抗１８が接続されており、スイッチ１７が開いた状態
においては、電極間の蓄積電荷は抵抗１８を通過して放
電させられるため両電極間には電位差は生じない。

【００１３】前述の光の像が光センサ７上において導電
性パターンに変換され、その部分において光センサ７と
情報記録媒体８が密着した状態において、スイッチ１７
が閉じられ所定の電圧が印加されると、光導電層３の導
電性パターンに応じて電流が流れる。これを光誘起電流
と呼び、本発明における光導電層はこの光誘起電流を増
幅する作用が顕著である点が特徴の一つとなっている。
この光誘起電流によって高分子分散型液晶は配向させら
れて光散乱体から光透過体へと変化する。光センサ７に
情報記録媒体８が密着して移送されている間に所定の電
圧を所定の時間だけ印加された後、高分子分散型液晶６
のメモリ機能によって配向の状態は保たれる。即ち結像
した像は高分子分散型液晶６の光散乱状態の違いとして
記録される。スイッチ１７は制御装置１３によって制御
されており、情報記録媒体８に情報を記録する場合にの
みドラム２０の回転に同期して開閉するように構成する
ことができる。また、繰返し連続して記録する場合はそ
の間は閉の状態を保持するように構成することもでき
る。

【００１４】情報記録媒体８に記録された情報は、読取
り装置１９によって読み取られる。読取り装置１９には
フォトダイオードアレイ、ＣＣＤリニアセンサのように
１次元に多数の受光素子が配列されたリニアセンサを使
用することができる。リニアセンサの情報記録媒体８に
対する反対側には照明装置が配置され、情報記録媒体８
によって透過散乱され変調された光は、レンズ（図示せ
ず）によってリニアセンサにの受光素子面に結像され
る。リニアセンサによる主走査と、情報記録媒体８の移
送にともなう副走査を組み合わせて面全体を走査し面に
記録された情報が読み取られる。

【００１５】前述のようにシャッタ１１、スイッチ１
７、フィードローラ１４、ドラム２０、光センサ７、情
報記録媒体８等は、その開閉、回転、移送等の動作が制
御装置１３の制御下にある。シャッタ１１が開いて光セ
ンサ７に被写体９の像が結像している間は、光センサ
７、情報記録媒体８等は停止している。この露光の後、
情報記録媒体８に記録される時及び読取り装置によって
記録された情報が読み取られる時は、光センサ７、情報
記録媒体８等は回転移送動作を行う。そして、この繰返
しによって、光センサ７の新しい面に次の露光が行わ
れ、情報記録媒体８の新しい面に次の記録が行われる。
また、露光によって光センサ７に生じた導電性パターン
はドラム２０が一回転して再び露光される位置にその面
が到達する時には消滅している。この消滅を促進し確実
に行う為に、消去手段を光センサ７の露光面とドラム２
０の反対側の面に設けることができる。消去手段として
は、光導電層３の面を照明する手段、加温する手段等に
より達成することができる。

【００１６】（実施例２）図２は本発明の撮像装置（実
施例２）の構成を示す図である。図１と同一の部分には
同一の符号を用いてその詳細な説明を省略し、それと異
なる部分について説明する（以降本発明に関する図にお
いて同一部分には同一符号を用いる）。図２において、
２１は光センサカップ、２２はカップ軸、２３はミラ
ー、２４はフィードローラ、２５はドライブローラであ
る。この実施例２において実施例１との違いは、ドラム
２０に替えて光センサカップ２１を用い、それによりカ
ップ軸２２によって片側面を支持されもう片側面は開口
しているように構成した点、及びミラー２３を介して光
軸をほぼ直角に方向変化させて被写体９の像を光センサ
カップ２１の内側から光導電層３の面に結像するように
構成した点、そして、光センサ７と情報記録材料８は結
像面を含む領域においてフィードローラ２４とドライブ
ローラ１５によって光センサカップ２１に圧着され、面
接触をしている点等である。このような構成において
は、第１の基板、及び第１の電極は透明な材料によって
作られている。

【００１７】以上の構成において動作を説明する。制御
回路１３によってシャッタ１１が開かれると、被写体９
から発せられた光は結像手段であるレンズ１０を通り、
ミラー２３によって、その光軸をほぼ直角に方向変化さ
せられて、３色分解光学系１２によってＲ，Ｇ，Ｂの３
色に色分解されて、透明な第１の基板と、第１の透明電
極を透過して光センサ７の光導電層３の結像面に被写体
９のＲ，Ｇ，Ｂ像が結像される。この３色分解光学系１
２は、ダイクロイックプリズムと全反射面と行路補正用
プリズムとによって一体的に構成されている。被写体９
のＲ，Ｇ，Ｂ像は光センサ７の光導電層に変化をもたら
し、光導電層３には光量に応じた導電性のパターンが発
現する。即ち光の像は導電性の像に変換される。この間
光センサカップ２１は停止している。

【００１８】第１の電極と、第２の電極の間には電圧印
加手段によって電圧が印加されるようになっている。電
源１６において、一方の電極端子はアースされ、このア
ース端子はアースを通じて情報記録媒体８の第２の電極
に接続されている。またもう一方の電極端子は制御回路
１３によて開閉を制御されるスイッチ１７を介して光セ
ンサ７の第１の電極に接続されている。また第１の電極
２と第２の電極５との間には抵抗１８が接続されてお
り、スイッチ１７が開いた状態においては、電極間の蓄
積電荷は抵抗１８を通過して放電させられるため両電極
間には電位差は生じない。

【００１９】前述の光の像が導電性の像に変換された状
態において、スイッチ１７が閉じられ所定の電圧が印加
されると、光導電層３の導電性パターンに応じて電流が
流れる。これを光誘起電流と呼び、本発明における光導
電層３はこの光誘起電流を増幅する作用が顕著である点
が特徴の一つとなっている。この光誘起電流によって情
報記録媒体８の高分子分散型液晶６は配向させられて光
散乱体から光透過体へと変化する。所定の電圧を所定の
時間だけ印加した後、制御回路１３によって電圧の印加
を停止すると、高分子分散型液晶６のメモリ機能によっ
て配向の状態はは保たれる。即ち結像した像は高分子分
散型液晶６の光散乱状態の違いとして記録される。そし
て制御回路１３によってシャッタ１１が閉じられる。

【００２０】シャッタ１１、スイッチ１７、フィードロ
ーラ２４、ドライブローラ２５、光センサカップ２１、
光センサ７、情報記録媒体８等は、その開閉、回転、移
送等の動作が制御装置１３の制御下にある。シャッタ１
１が開いて光センサ７に被写体９の像が結像し情報記録
が行われている間は、光センサ７、情報記録媒体８等は
停止している。この情報記録の後、フィードローラ２４
とドライブローラ２５の両方、あるいは一方が回転駆動
され、情報記録媒体８を移送するとともに、摩擦力によ
って光センサカップ２１が連れて回転させられる。また
その間において読取り装置（図示せず）によって記録さ
れた情報が読み取られる。そして、この繰返しによっ
て、光センサ７の新しい面に次の露光が行われ、情報記
録媒体８の新しい面に次の記録が行われる。また、露光
によって光センサ７に生じた導電性パターンは光センサ
カップ２１が一回転して再び露光される位置にその面が
到達する時には消滅している。この消滅を促進し確実に
行う為に、消去手段を光センサ７の露光面と光センサカ
ップ２１の反対側の面に設けることができる。消去手段
としては、光導電層３の面を照明する手段、加温する手
段等により達成することができる。

【００２１】（実施例３）図３は本発明の撮像装置（実
施例３）の構成を示す図である。図３は実施例１のドラ
ム２０又は実施例２の光センサカップ２１の変形例であ
る。図３（Ａ）は、光導電層３と分割された電極が被着
された分割電極付ドラムを有する撮像装置の斜視図であ
り、図３（Ｂ）は、分割電極付ドラムと情報記録媒体８
との当接部分の詳細を示す部分拡大図である。図におい
て、２６は分割電極付ドラム、２７はその分割電極、２
８はスライド接触端子である。実施例３は、分割電極２
７を有する分割電極付ドラム２６及び特定の分割電極に
電圧を供給するスライド接触端子２８を構成として具備
することにより、電圧の広がりや記録部分以外で情報記
録媒体８や光センサ７に電圧が印加されることによる記
録状態の劣化現象を防止したものである。

【００２２】分割電極２７は、実施例１のドラム２０に
適用する場合は、絶縁性材料によって成るドラムの円筒
面に、金属等の良導電性の材料からなるストライプ状の
部材を整列し形成される。光導電層３はその分割電極２
７上に形成される。また、実施例２の光センサカップ２
１に適用する場合は、透明な絶縁性材料によって成るカ
ップの外周端部に金属等の良導電性の材料からなるチッ
プ状の部材を整列し形成される。そのチップ状の部材
と、やはり分割されて形成された透明な第１の電極とが
電気的に接続され、その第１の電極状に光導電層３が形
成される。光センサカップ２１においてこのように分割
電極２７を形成するのは、不透明な材料から成る分割電
極２７によって光の結像が妨げられるのを回避するため
である。

【００２３】（実施例４）図４は本発明の撮像装置（実
施例４）の構成を示す図である。図４は実施例１のドラ
ム２０又は実施例２の光センサカップ２１において、光
導電層３が帯電することにより次の記録に残像が発生す
るのを防止する消去手段を具備する撮像装置の斜視図で
ある。図において２９が消去手段であり、消去手段はド
ラム２０の光センサ７の露光面に対してほぼ反対側の面
に設置される。前記実施例１で説明したように、光導電
層３の被写体９の像が結像されると、その光量に応じた
導電性パターンが光導電層３に発現する。光導電層３が
導電性を有するのは、キャリアとしての電荷が発生した
ことに他ならない。更に、情報記録媒体に記録するため
電圧が印加されると光導電層３には多数の電荷が発生す
ることになる。ドラム２０又は光センサカップ２１が一
回転する間にこの電荷が消滅せず残留する場合は、次の
記録ににおいて残像が発生することとなる。したがって
完全に消去したい場合には消去手段２９を用いる。

【００２４】消去手段２９としてはライン状の光源を用
いることができる。図示のようにドラム２０のの幅方向
に配置されたライン光源を点灯して光導電層３に光を照
射し、光導電層３の層中に電荷を発生させることによ
り、記録時の電圧印加等によって光導電層３に発生した
帯電を除去する。ただし、ライン光源によって発生した
電荷は、ドラム２０が回転し露光位置に至る間に減衰す
るものである。したがって、次の記録に際して何らの問
題は生じない。これにより、残留電荷及び帯電による残
像のない高品位な記録を行うことができる。なお、除電
ブラシを用いて光導電層３に発生した帯電を除去するこ
とができ、消去手段２９として除電ブラシを用いことも
できる。

【００２５】（実施例５）図５は本発明の撮像装置（実
施例５）の構成を示す図である。図１、図２の構成にお
いては、記録に際し光情報が撮像レンズ群で取込んだ光
学像である場合、その像を円筒面上に結像しなければな
らないため、レンズ系が複雑となっている。実施例５の
構成は、そのことを考慮してなされたもので、被写体９
の像を、レンズ１０’によってシャッタ１１、３色分解
光学系１２を介して、閉ループのベルト状に構成された
光センサ７上に結像するようにしたものである。図にお
いて、３０はベルト状光センサである。ベルト状光セン
サ３０は、可撓性があって伸縮の少ない材料からなる第
１の基材１’及び第１の電極２、光導電層３から成って
いる。このように平面状に光センサを構成することによ
って、カメラレンズ等、市販の通常のレンズを使用して
撮像を行うことができる。

【００２６】（実施例６）図６は本発明の撮像装置（実
施例６）の構成を示す図である。この実施例６において
は、基本的な構成が実施例１と一部を除いてほぼ同等で
あるから、ここで実施例１と異なる部分について記載す
る。図６に示すように、実施例６の撮像装置は、コロナ
帯電器３１を用い、あらかじめ均一に光導電層３上を帯
電した後、被写体９を結像することによって、結像され
た像の光量に応じて帯電電位の変化を生じ、この帯電電
位の変化を情報記録媒体８上に記録する構成である。即
ち、ドラム２０に被着された光導電層３の上方に近接
し、かつドラム２０の軸と平行に、コロナ帯電器３１が
配設されている。このコロナ帯電器３１は高圧スイッチ
３２を介して高圧電源３３の一方の端子に接続されてい
る。また、高圧電源３３のもう一方の端子はアースに接
続されている。また、情報記録媒体８の第２の電極５は
スイッチ１７を介し電源１６の一方の端子と接続され、
電源１６のもう一方の端子はアースに接続されている。
またドラム２０を介して第１の電極２もアースに接続さ
れている。

【００２７】以上のように構成された実施例６の撮像装
置において、３色分解光学系１２から出射される被写体
９の像を、光導電層３上に結像させる動作及び光導電層
３上に結像された像を情報記録媒体８上に記録する動作
は実施例１と異なる。即ち、実施例６においては、ドラ
ム３０の回転中に高圧スイッチ３２を閉じ、高圧電源３
３の電圧がコロナ帯電器３１に印加されることによっ
て、有機半導体３上はあらかじめ均一に帯電される。均
一に帯電された光導電層３が、図中の位置で停止し、
被写体９の像が結像されると、その像の光量に応じて表
面電位変化を光導電層３上に生じる。そして、フィード
ローラ１５を回転させ、上記表面電位変化を生じた部分
（図中の部分）を、情報記録媒体８が光導電層３と接
触している部分（図中の部分）を通過させながら、ス
イッチ１７を閉じることによって、ドラム２０上の光セ
ンサ７の第１の電極と情報記録媒体８の第２の電極に電
圧が印加され、情報記録媒体８上に光導電層３上の表面
電位に応じた良好な像が記録される。

【００２８】また、実施例６においては、高圧電源３２
及び電源１６の電位を適切に設定することによって、良
好な記録条件を得ることが可能となる。このため高圧電
源３２及び電源１６を可変電源にして使用することもあ
る。更に、実施例６においては、コロナ帯電器３１によ
り光導電層３上に均一帯電させるため、前に光導電層３
上に結像された被写体９の像は、完全に消去され、新た
な像を高品位に結像させることができる。

【００２９】〔光センサ及び情報記録媒体〕次に本発明
における光センサ及び情報記録媒体について説明する。
光センサ７と情報記録媒体８とは空隙を設けて、あるい
は密着して積層されており、それらの面にほぼ垂直な方
向に電圧が印加されている。図７は本発明の撮像装置に
おいて平面形状の光センサ７と情報記録媒体８とを密着
して積層した場合を示す図である。図７において、３６
は密着して積層する場合に用いる誘電体層である。ま
た、図８は本発明の撮像装置において平面形状の光セン
サ７と情報記録媒体８とを空隙を設けて積層した場合を
示す図である。本発明における光センサ７と情報記録媒
体８とは、図７、図８の何れの構成であってもよい。

【００３０】本発明の光センサの光導電層は単層から構
成されている場合と複数の層から成る積層体から構成さ
れている場合があり、ここでは積層型光センサについて
説明する。図７、図８において１は第１の基材、２は第
１の透明電極、３は光導電層である。また光導電層３は
３４の電荷発生層及び３５の電荷輸送層から構成されて
いる。即ち光センサ７は第１の基板１、第１の透明電極
２、電荷発生層２６及び電荷輸送層２１から構成されて
いる。また、４は第２の基板、５は第２の透明電極、６
は高分子分散型液晶でありこれらから情報記録媒体が構
成されている。

【００３１】〔光センサの構成及び材料〕まず光センサ
について説明する。光センサにおいて、電荷発生層２６
は電荷発生性物質とバインダーからなる。電荷発生性物
質としては、ピリリウム系染料、アズレニウム系染料、
スクアリリウム塩系染料、フタロシアニン系顔料、ペリ
レン系顔料、多環キノン系顔料、インジゴ系顔料、ピロ
ール系顔料、アゾ系顔料等の染料、顔料を単独あるいは
複数のものを組み合わせて使用することができる。バイ
ンダーとしては、例えばポリカーボネイト樹脂、ビニル
ホルマール樹脂、ビニルアセタール樹脂、ビニルブチラ
ール樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、メタクリ
ル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル
─酢酸ビニル共重合体樹脂等が挙げられ、それぞれバイ
ンダー樹脂を単独または複数のものを組み合わせて使用
することができる。

【００３２】これらの電荷発生剤とバインダーの混合比
は、電荷発生剤１重量部に対してバインダーを０．１〜
１０重量部、好ましくは０．２〜１重量部の割合で使用
することが望ましい。電荷発生層は乾燥後膜厚として
０．０１〜１μｍであり、好ましくは０．１〜０．５μ
ｍとするとよく、このような膜厚とすることによって良
好な感度と画質を示す。また、先に示した電荷発生性物
質で蒸着可能なものは、バインダーを用いず、単独で成
膜することもできる。

【００３３】電荷輸送層２７は電荷輸送性物質とバイン
ダーとからなる。電荷輸送性物質は、電荷発生層で発生
した電荷の輸送特性がよい物質であり、例えば、オキサ
ゾール系、チアゾール系、トリフェニルメタン系、スチ
リル系、スチルベン系、ヒドラゾン系、カルバゾール
系、エナミン系、芳香族アミン系、トリフェニルアミン
系、ブタジエン系、多環芳香族化合物系、ビフェニル系
等があり、ホール輸送特性の良い物質とすることが必要
である。

【００３４】バインダーとしては、前記した電荷発生層
におけるバインダーと同様のもの、さらにスチレン樹
脂、スチレン─ブタジエン共重合体樹脂、ポリアリレー
ト樹脂、フェノキシ樹脂が使用できるが、好ましくはス
チレン樹脂、スチレンブタジエン共重合体樹脂、ポリカ
ーボネイト樹脂である。バインダーは、電荷輸送性物質
１重量部に対して０．１〜１０重量部、好ましくは０．
１〜１重量部の割合で使用することが望ましい。電荷輸
送層は乾燥後膜厚として１〜５０μｍであり、好ましく
は３〜２６μｍとするとよく、このような膜厚とするこ
とによって良好な感度と画質が得られる。

【００３５】第１の透明電極２は、情報記録媒体が不透
明であれば透明性を有する必要であるが、情報記録媒体
が透明性を有する場合には透明、不透明いずれでもよ
く、１０⁶Ω・ｃｍ以下の比抵抗を安定して与える材
料、例えば金、白金、亜鉛、チタン、銅、鉄、錫等の金
属薄膜導電膜、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸
化チタン、酸化タン３ステン、酸化バナジウム等の金属
酸化物導電膜、四級アンモニウム塩等の有機導電膜等
を、単独あるいは二種以上の複合材料として用いること
ができる。なかでも酸化物導電体が好ましく、特に酸化
インジウム錫（ＩＴＯ）が好ましい。

【００３６】第１の透明電極２は蒸着、スパッタリン
グ、ＣＶＤ、コーティング、メッキ、ディッピング、電
界重合等の方法により形成される。またその膜厚は電極
を構成する材料の電気特性、および情報記録の際の印加
電圧により変化させる必要があるが、例えばＩＴＯ膜で
は１０〜３００ｎｍ程度であり、情報記録層との間の全
面、あるいは任意のパターンに合わせて形成される。ま
た、二種類以上の材料を積層して用いることもできる。

【００３７】第１の基板１は、後述する情報記録媒体が
不透明であれば透明性を有することが必要であるが、情
報記録媒体が透明性を有する場合には、透明不透明いず
れでもよく、カード、フィルム、テープ、シート、ディ
スク等の形状を有し、光センサを強度的に支持するもの
である。例えば可撓性のあるプラスティックフィルム、
あるいはガラス、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、
ポリメチルアクリレート、ポリエステル、ポリカーボネ
ート等のプラスチックシート、カード等の剛体が使用さ
れる。なお、基板の電極１３が設けられる面の他方の面
には、電極１３が透明であれば必要に応じて反射防止効
果を有する層を積層するか、または反射防止効果を発現
し得る膜厚に透明基板を調整するか、更に両者を組み合
わせることにより反射防止性を付与するとよい。

【００３８】光導電層には電子受容性物質、増感色素、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を添加してもよ
い。電子受容性物質および増感色素にはベース電流の調
整、ベース電流の安定化、増感等の作用がある。それぞ
れ光導電性物質１重量部に対して０．００１〜１０重量
部、好ましくは０．０１〜１重量部の割合で添加され
る。０．００１重量部よりも少ないと作用を示さず、１
０重量部より多い場合には、画質に悪影響を与える。以
上で本発明の光センサの構成及び材料の説明を終える。

【００３９】〔積層型光センサの作製〕次に、積層型光
センサの作製方法について説明する。充分洗浄した厚さ
１．１ｍｍのガラス基板上に、スパッタリングにより面
積抵抗８０Ω／□、膜厚１００ｎｍのＩＴＯ膜を成膜
し、電極を得た。電極をスクライバー洗浄機（商品名プ
レートクリーナーモデル６０２ウルトラテック社）
にて、純水噴射２秒、スクライバー洗浄２０秒、純水リ
ンス１５秒、高速回転による水分の除去２５秒、赤外線
乾燥５５秒の洗浄処理を２回行った。その電極上に電荷
発生性物質として下記表１に示す構造を有するビスアゾ
顔料３重量部、塩化ビニル─酢酸ビニル混合樹脂（電気
化学工業製デンカビニル＃１０００Ｄとアルドリッチ
社製１８、３２５．８９Ｊ酢酸ビニル樹脂との７
５：２５の混合物）１重量部とを、１，４─ジオキサン
９８重量部、シクロヘキサノン９８重量部と混合し、混
合機により充分に混練を行い塗布液とし、スピンナーに
て１４００ｒｐｍ、０．４秒でコーティングした。

【００４０】

【化１】その後、塗膜の表面に皮膜が形成されて、表面が付着し
なくなるまでの間、無塵下で放置しレベリング乾燥を行
った後、１００℃、１時間乾燥して膜厚３００ｎｍの電
荷発生層を積層した。

【００４１】この電荷発生層上に電荷輸送性物質として
下記表２に示す構造のブタジエン誘導体（アナン製Ｔ
─４０５）５０重量部とスチレン─ブタジエン共重合体
樹脂（電気化学工業製クリアレン７３０Ｌ）１０重量
部とをクロロベンゼン６８重量部、１，１，２─トリク
ロロエタン１３６重量部とを均一に溶解し塗布液とし
た。

【００４２】

【化２】その塗布液を用い、スピンナーにて３５０ｒｐｍ、０．
４秒でコーティングし、塗膜の表面に皮膜が形成され
て、塗膜の表面が付着しなくまるまでの間、無風下で放
置しレベリング乾燥を行った後、８０℃２時間乾燥して
電荷輸送層を積層し、電荷発生層と電荷輸送層とからな
る膜厚２０μｍの光導電層を有する本発明光センサを製
作し、室温、相対湿度６０％以下の暗所において３日間
エージングを行った。

【００４３】〔情報記録媒体の構成及び材料〕次に情報
記録媒体２の構成及び材料について説明する。まず、本
発明における情報記録媒体としては、その情報記録層が
高分子分散型液晶とする場合が挙げられる。高分子分散
型液晶は液晶相中に樹脂粒子が分散した構造を有してい
るが、液晶材料は、スメクチック液晶、ネマチック液
晶、コレステリック液晶あるいはこれらの混合物を使用
することができる。液晶としては、その配向性を保持
し、情報を永続的に保持させる、いわゆるメモリー性の
観点から、スメクチック液晶を使用することが好まし
い。

【００４４】スメクチック液晶としては、液晶性を呈す
る物質の末端基の炭素基が長いシアノビフェニル系、シ
アノターフェニル系、フェニルエステル系、更にフッ素
系等のスメクチックＡ相を呈する液晶物質、強誘電性液
晶として用いられるスメクチックＣ相を呈する液晶物
質、あるいはスメクチックＨ、Ｇ、Ｅ、Ｆ等を呈する液
晶物質等が挙げられる。

【００４５】樹脂粒子を形成する材料としては、例え
ば、紫外線硬化型樹脂であって、モノマー、オリゴマー
の状態で液晶材料と相溶性を有するもの、あるいはモノ
マー、オリゴマーの状態で液晶材料と共通の溶媒に相溶
性を有するものを好ましく使用できる。このような紫外
線硬化樹脂としては、例えばアクリル酸エステル、メタ
クリル酸エステル等が挙げられる。その他、液晶材料と
共通の溶媒に相溶性を有する溶媒可溶型の熱硬化性樹
脂、例えばアクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリスチレン樹脂、およびこれらを主体とした
共重合体等、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等を使用し
てもよい。

【００４６】液晶材料と樹脂の使用割合は、液晶の含有
率が１０重量部％〜９０重量部％、好ましくは４０重量
部％〜８０重量部％となるようにして使用するとよく、
１０重量部％未満であると情報記録により液晶相が配向
しても光透過性が低く、また、９０重量％を超えると液
晶のしみ出し等の現象が生じ、画像むらが生じ好ましく
ない。情報記録層の膜厚は解像性に影響を与えるので、
乾燥後膜厚０．１μｍ〜１０μｍ、好ましくは３μｍ〜
８μｍとするとよく、高解像性を維持しつつ、動作電圧
も低くすることができる。膜厚が薄すぎると情報記録部
のコントラストが低く、また、厚すぎると動作電圧が高
くなるので好ましくない。以上で本発明の情報記録媒体
の構成及び材料の説明を終える。

【００４７】〔情報記録媒体の作製〕次に、情報記録媒
体の作製方法について説明する。厚さ１．１ｍｍのガラ
ス基板上に導電層として、膜厚１００ｎｍのＩＴＯ膜を
スパッタリングにより成膜し、電極を得た後、表面洗浄
を行った。この電極上に、多官能性モノマー（ジペンタ
エリストールヘキサアクリレート、東亜合成化学製、Ｍ
−４００）４０重量部、光硬化開始剤（２─ヒドロキシ
─２─メチル─１─フェニルプロパン─１─オン、チバ
ガイギー社製、ダロキュア１１７３）２重量部、液晶を
５０重量部（そのうちスメクチック液晶（メルク社製、
Ｓ─６）が９０％、ネマチック液晶（メルク社製、Ｅ３
１ＬＶ）が１０％）、界面活性剤（住友スリーエム社
製、フロラードＦＣ─４３０）３重量部キシレン９６重
量部中に均一に溶解して得た塗布液を、５０μｍのギャ
ップを設けたブレードコーターを用いてコーティングし
た後、４７℃で３分間乾燥し、次いで４７℃で２分間減
圧乾燥を行い、直ちに０．３Ｊ／ｃｍ²の赤外線照射に
よって塗布膜を硬化させ、膜厚６μｍの情報記録層を有
する情報記録媒体を得た。情報記録層面を熱メタノール
を用いて液晶を抽出し、乾燥させた後、走査型電子顕微
鏡（日立製作所製Ｓ−８００）で１０００倍で内部構
造を観測したところ、層の表面は０．６μｍ紫外線硬化
樹脂で覆われ、層内部には連続層を成す液晶相中に、粒
径０．１μｍの樹脂粒子相が充填した構造を有してい
た。

【００４８】〔一体型の中間層の構成及び材料〕前述の
ように図７の情報記録部の構成は、図８の情報記録部の
構成における光センサと情報記録媒体とを誘電体層２８
を介して対向配置し、直接積層した一体型としたもので
ある。第２の情報記録システムは、光センサにおける光
導電層が溶媒を使用して塗布形成される場合に特に適し
ており、光導電層上に情報記録層を直接塗布形成する
と、それらの相互作用により情報記録層における液晶が
溶出したり、また、情報記録層形成用の溶媒により光導
電材料が溶出することによる画像ムラを防止することが
でき、また光センサと情報記録媒体との一体化を可能と
するものである。

【００４９】誘電体層２８は、その形成にあたって、光
導電層形成材料、情報記録層形成材料にいずれに対して
も溶解性を有しないことが必要であり、また導電性を有
しないことが必要である。導電性を有する場合には、空
間電荷の拡散が生じ、解像度の劣化が生じることから絶
縁性が要求される。また、誘電体層は液晶層にかかる分
配電圧を低下させたり、あるいは解像性を悪化させるの
で、膜厚は薄い方が好ましく、２μｍ以下とするとよい
が、逆に薄くすることにより、経時的な相互作用による
画像ノイズの発生ばかりでなく、積層塗布する際にピン
ホール等の欠陥による浸透の問題が生じる。ピンホール
等の欠陥による浸透性は積層塗布する材料の固形分比
率、溶媒の種類、粘度により異なるので、積層塗布され
るものの膜厚は適宜設定されるが、少なくとも１０μｍ
以下の膜厚とするとよく、好ましくは０．１μｍ〜３μ
ｍとするとよい。さらに、各層に掛かる電圧分配を考慮
した場合、薄膜化と共に誘電率の高い材料が好ましい。

【００５０】誘電体層２８を形成する材料としては、無
機材料ではＳｉＯ₂、ＴｉＯ₂、ＣｅＯ₂、Ａｌ
₂Ｏ₃、Ｓｉ₃Ｎ₄ＡｉＮ、ＴｉＮ、ＭｇＦ₂、Ｚｎ
Ｓ、二酸化珪素と二酸化チタンとの組み合わせ、硫化亜
鉛と弗化マグネシウムの組み合わせ、酸化アルミニウム
とゲルマニウムの組み合わせ等を使用し、蒸着法、スパ
ッタ法、化学蒸着（ＣＶＤ）法等により積層して形成す
るとよい。また、有機溶剤に対して相溶性の少ない水溶
性樹脂、例えばポリビニルアルコール、水系ポリウレタ
ン、水ガラス等の水溶液を使用し、スピンコート法、ブ
レードコート法、ロールコート法等により積層してもよ
い。更に、塗布可能なフッ素樹脂を使用してもよく、こ
の場合にはフッ素系溶剤に溶解し、スピンコート法によ
り塗布するか、またブレードコート法、ロールコート法
等により積層してもよい。

【００５１】塗布可能なフッ素樹脂としては、例えば特
開平４─２４７２８号公報等に開示されたフッ素樹脂、
更に真空系で膜形成されるポリパラキシリレンやポリビ
ニルアルコール等の有機材料を好ましく使用することが
できる。以上、情報記録媒体として、情報露光による記
録を液晶の配向により可視化した状態とするものである
が、液晶と樹脂との組合せを選ぶことにより、一旦配向
し、可視化した情報は消去せず、メモリ性を付与するこ
とができる。また、等方相転移付近の高温に加熱する
と、メモリ性を消去することができるので、再度の情報
記録に使用することができる。以上により本発明の一体
型における中間層の構成及び材料の説明を終える。

【００５２】〔情報記録媒体の温度特性〕次に本発明で
使用される情報記録媒体の温度特性について説明する。
図９は本発明で使用される情報記録媒体の温度特性の一
例を示す図である。図９において、横軸は高分子分散型
液晶６に印加される電圧（Ｖｏｌｔ）であり、縦軸は変
調率（％）を表している。変調率とは、光学的に情報記
録媒体の記録情報を読み出す場合において、最大の光透
過状態における検出器の出力を１００％とし、最大の光
散乱状態における検出器の出力を０％としたスケール
を、検出器の出力に与えたものである。図に示すよう
に、電圧の変化に対して急峻に変調率が変化するのは、
感度が極めて高いことを示している。一方温度に対する
変調率の特性変化は、温度が変化するような環境で使用
する場合に温度、電圧等の制御を行うように構成するこ
とを示している。また、このような特性を利用して記録
された情報を消去することが可能であることも示してい
る。本発明においては、このような情報記録媒体の特性
を考慮して、使用時の温度条件、電圧条件等の具体的な
設定が行われる。

【００５３】〔光センサの光誘起電流増幅作用〕次に本
発明の特徴の一つである光センサ７の光誘起電流増幅作
用について説明する。光センサへの光パターン照射時に
おいて光センサは導電性が発現し、情報記録媒体に分与
される電圧または付与される電荷量が経時的に増幅され
る。また、光照射を終了した後でも電圧を印加し続ける
と、光センサはその発現した導電性を緩和減衰的に持続
し、引き続き情報記録媒体に分与される電圧または付与
される電荷量が経時的に増幅される。そしてこれら電圧
と電荷量は、光センサに照射された光パターンと同形の
電圧パターン、電荷量パターンを形成し、更に必要に応
じて可視パターン等に媒体変換が行われて情報記録媒体
に記録される。

【００５４】光センサにおける、上記付与される電荷量
の経時的増幅作用、即ち“光誘起電流増幅作用”につい
て更に詳細を説明する。次のように光センサ及び測定装
置を構成し、その光センサの光誘起電流増幅作用を測定
する。透明ガラス上にＩＴＯ電極を設け、その電極上に
光導電層を形成し、更にその光導電層上に０．１６ｃｍ
²の金電極を形成する。そして、この両電極間にＩＴＯ
電極を正極として直流の一定電圧を印加するとともに、
電圧印加開始後０．５秒後に基板側から０．０３３秒間
光照射し、測定時間中の光センサにおける電流値の挙動
を、光照射開始時（ｔ＝０）から測定する。なお照射光
は、キセノンランプ（浜松ホトニクス社製Ｌ２２７４）
を光源に、図１０に示す特性のグリーンフィルター（日
本真空光学社製）により、緑色光を選択して照射し、照
射光強度を照度計（ミノルタ社製）で測定し、２０ルッ
クスのものとする。

【００５５】この光強度で光照射した時、光源のパワー
スペクトル、透明基材、ＩＴＯ膜の光透過率、フィルタ
ーの分光特性を考慮すると、光導電層には４．２×１０
¹¹個／ｃｍ²秒のフォトンが入射する。そして、入射し
たフォトンが全て光キャリアに変換されると、理論的に
は光電流としては単位面積当たり１．３５×１０^-6Ａ／
ｃｍ²の電流が発生する。

【００５６】ここで、前記測定装置により測定する場合
に、理論的光電流に対して、光センサで実際に発生した
光誘起電流の場合（光センサで実際に発生した光誘起電
流値／理論的光電流値）をその光センサにおける量子効
率と定義する。また光誘起電流とは、光照射部の電流値
から光を照射しない場合部分で流れる電流であるベース
電流値を差し引いたものであり、光照射中あるいは光照
射後もベース電流以上の光照射に起因する電流が流れる
ものをいい、いわゆる光電流とは相違する。本発明の光
センサにおける光誘起電流増幅作用とは、このような光
誘起電流の挙動のことであると定義する。

【００５７】本発明における光誘起電流増幅作用を有す
る光センサと、光誘起電流増幅作用を有しない光センサ
（以下比較センサという）とを、前記測定装置での測定
結果を使用して説明する。まず、比較センサについての
測定結果を図１１に示す。図１１において、（ｍ）線
は、前記理論値（１．３５×１０⁶Ａ／ｃｍ²）を示す
参考線で、光照射を０．０３３秒間行い、光照射後も電
圧印加を継続した状態を示す。（ｎ）線は光誘起電流増
幅作用を有しない光センサの実測線で光照射中の量子効
率の変化を図１２に示す。

【００５８】これに対して、本発明における光センサ
は、一例として図１３に示すように光照射時は光誘起電
流が増加し、量子効率の関係を示す図１４から明らかな
ように、約０．０１秒で量子効率は１を超え、その後も
量子効率は増加を続けることがわかる。また、比較セン
サでは光照射終了と同時に光電流が急激に減衰するた
め、光照射後継続して電圧印加しても光情報として有効
な電流は得られない。これにたいして本発明の光センサ
においては、光照射後も電圧印加を継続することのより
光誘起電流が継続して流れ、引き続いて光誘起電流を取
り出すことができ、光情報をつづけて得ることができ
る。この作用を緩和型導電性と定義する。以上で本発明
における光センサの光誘起電流増幅作用についての説明
を終える。

【００５９】〔光センサの半導電性〕本発明の光センサ
は、その光導電層が暗時において半導電性材料であり、
流れる電流密度から暗時の比抵抗が１０⁹〜１０¹³Ω・
ｃｍであることが好ましい。特に、比抵抗が１０¹⁰〜１
０¹¹Ω・ｃｍのもので増幅作用が顕著である。比抵抗が
１０¹³Ω・ｃｍよりも大きい光センサでは、１０⁵〜１
０⁶Ｖ／ｃｍの電界強度範囲では本発明の光センサのよ
うな増幅作用を示さない。また、比抵抗が１０⁹Ω・ｃ
ｍ未満の光センサでは、電流が非常に多く流れ、電流に
よるノイズが発生し易く好ましくない。

【００６０】これに対して、一般の電子写真用で用いら
れている有機感光体には、暗時において絶縁性材料であ
る暗時の比抵抗が１０¹⁴〜１０¹⁶Ω・ｃｍの材料が用い
られている。従って、本発明の光センサを電子写真に用
いた場合は、電子写真の目的を達することができない。
また、一般の電子写真において用いられる有機感光体
は、本発明の光センサに使用した場合は、本発明の目的
を達することができない。

【００６１】また、情報記録媒体における情報記録層が
特に高分子分散型液晶である場合には、液晶の動作電圧
領域に光センサの感度を設定することが必要である。即
ち、最大露光部において情報記録媒体に印加される電圧
（明電位）と最小露光部において情報記録媒体に印加さ
れる電圧（暗電位）との間の電圧であるコントラスト電
圧は、情報記録媒体における高分子分散型液晶の動作電
圧領域に含まれ、所定の動作振幅が得られる大きさをと
ることが必要となる。そのため、例えば光センサの最小
露光部の液晶層に印加される暗電位は、液晶の動作開始
電位程度に設定する必要がある。したがって、情報記録
媒体の抵抗率が常温で１０¹⁰〜１０¹³Ω・ｃｍであり、
光センサに１０⁵〜１０⁶Ｖ／ｃｍの電界が与えられた
状態で、１０^-4〜１０^-7Ａ／ｃｍ²のベース電流が生じ
る程度の導電性が要求され、好ましくは１０^-5〜１０^-6
Ａ／ｃｍ²の範囲がよい。

【００６２】ベース電流が１０^-7Ａ／ｃｍ²未満の光セ
ンサでは高分子分散型液晶層が最大露光状態でも配向せ
ず、また１０^-4Ａ／ｃｍ²以上のベース電流での光セン
サでは液晶層が最小未露光状態でも電圧印加と同時に大
きな電流が流れ、高分子分散型液晶が配向してしまう。
従って、露光したとしても露光量による透過率の差が得
られない。また、液晶の種類によって動作電圧および範
囲が異なるものもあるので、印加電圧および電圧印加時
間を設定するにあたっては、情報記録媒体における電圧
配分を考慮する必要がある。以上で本発明の光センサの
半導電性についての説明を終える。

【００６３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の撮像装置
によれば、光誘起電流増幅作用を有する光センサを用い
ており高感度であり、またその光センサと高分子分散型
液晶を構成要素とする情報記録媒体とを組み合わせたこ
とにより高解像度の記録が行える。また、第１発明の撮
像装置によれば、光センサは円筒形状であり回転手段に
より光センサを円筒の軸を中心に回転して再び被写体の
像が結像されるまでの時間間隔において、その前に光セ
ンサに発現した導電性は消滅している。従って、移送手
段により前記情報記録媒体が移送されると、繰返し新た
な情報記録を行うことができる。また、第２発明の撮像
装置によれば、第１発明において前記円筒形状の光セン
サの第１の基板には、前記第１の電極と接続された複数
に分割された分割電極を具備したことにより、電圧印加
手段により印加される電圧の広がりや圧着部分以外で記
録媒体に電界が印加されることによる記録状態の劣化が
無くなる。また、第３発明の撮像装置によれば、前記第
１の基板は導電性の材料から成る基板であり、前記第１
の電極の役割を兼ね備えることができ構成が簡単であ
る。また、第４発明の撮像装置によれば、光センサは閉
ループベルト形状であるから被写体像が結像する面は平
面であり、円筒形状の場合と比較して結像手段の構成が
簡単である。また、第５発明の撮像装置によれば、第１
〜第４発明において前記情報記録媒体に記録された情報
を読み取る読取り手段を具備したことにより、撮像装置
上で記録された情報を読み取ることができる。以上のよ
うに、本発明の撮像装置によれば、従来の撮像装置と比
較して、さらに高感度、高解像度であり、かつ高速繰返
し撮像を行った場合においても残像が極めて少ない高品
質の画像が得られ、動画の撮像を良好に行うことができ
るという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の撮像装置（実施例１）の構成を示す図
である。

【図２】本発明の撮像装置（実施例２）の構成を示す図
である。

【図３】本発明の撮像装置（実施例３）の構成を示す図
である。

【図４】本発明の撮像装置（実施例４）の構成を示す図
である。

【図５】本発明の撮像装置（実施例５）の構成を示す図
である。

【図６】本発明の撮像装置（実施例６）の構成を示す図
である。

【図７】本発明の撮像装置において平面形状の光センサ
と情報記録媒体とを密着して積層した場合を示す図であ
る。

【図８】本発明の撮像装置において平面形状の光センサ
と情報記録媒体とを空隙を設けて積層した場合を示す図
である。

【図９】本発明で使用される情報記録媒体の温度特性の
一例を示す図である。

【図１０】本発明で使用されるグリーンフィルターの特
性を示す図である。

【図１１】本発明における光センサとは異なり、光誘起
電流増幅作用を有しない従来のセンサについての測定結
果を示す図である。

【図１２】光誘起電流増幅作用を有しない光センサの光
照射中の量子効率の変化を示す図である。

【図１３】本発明における光誘起電流増幅作用を有する
光センサにおいて、光照射時の光誘起電流の増加を示す
図である。

【図１４】本発明における光誘起電流増幅作用を有する
光センサにおいて、光照射時の光誘起電流の量子効率を
示す図である。

【図１５】従来の撮像装置の構成を示す図である。

【符号の説明】

１第１の基板２第１の透明電極３光導電層４第２の基板５第２の透明電極６高分子分散型液晶７光センサ８情報記録媒体９被写体１０レンズ１１シャター１２３色分解光学系１３制御回路１４，２４フィードローラ１５フィードローラ軸１６電源１７スイッチ１８抵抗１９読取り装置２０ドラム２１光センサカップ２２カップ軸２３ミラー２５ドライブローラ２６分割電極付ドラム２７分割電極２８スライド接触端子２９消去手段３０ベルト状光センサ３１コロナ帯電器３２高圧スイッチ３３高圧電源３４電荷発生層３５電荷輸送層３６誘電体層１０２撮像レンズ群１０３シャッタ１０４３色分解光学系１０５導電性ドラム１０６光導電層部材１０７記録媒体１０８間歇駆動機構１０９フィードローラ１１０スイッチ１１１電源

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｇ０３Ｇ 15/05

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】第１の基板と第１の電極と光導電層とを積
層し、半導電性であり、光誘起電流増幅作用を有する円
筒形状の光センサと、高分子分散型液晶と第２の電極と
を積層して成る長尺シート形状の情報記録媒体と、前記
第１の電極と前記第２の電極に電圧を印加する電圧印加
手段と、前記光センサに被写体像を結像する結像手段
と、前記光センサを円筒の軸を中心に回転する回転手段
と、情報記録媒体を移送する移送手段と、から構成され
ることを特徴とする撮像装置。
【請求項２】前記円筒形状の光センサの第１の基板に
は、前記第１の電極と接続された複数に分割された分割
電極を具備したことを特徴とする請求項１記載の撮像装
置。
【請求項３】前記第１の基板は導電性の材料から成る基
板であり、前記第１の電極の役割を兼ね備えることを特
徴とする請求項１記載の撮像装置。
【請求項４】第１の基板と第１の電極と光導電層とを積
層し、半導電性であり、光誘起電流増幅作用を有する閉
ループベルト形状の光センサと、高分子分散型液晶と第
２の電極とを積層して成る長尺シート形状の情報記録媒
体と、前記第１の電極と前記第２の電極に電圧を印加す
る電圧印加手段と、前記光センサに被写体像を結像する
結像手段と、前記閉ループベルト形状の光センサを周回
する周回手段と、情報記録媒体を移送する移送手段と、
から構成されることを特徴とする撮像装置。
【請求項５】前記情報記録媒体に記録された情報を読み
取る読取り手段を具備したことを特徴とする請求項１〜
４記載の撮像装置。