JPH07333643A - 情報記録装置 - Google Patents

情報記録装置

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Publication number
JPH07333643A
JPH07333643A JP6150613A JP15061394A JPH07333643A JP H07333643 A JPH07333643 A JP H07333643A JP 6150613 A JP6150613 A JP 6150613A JP 15061394 A JP15061394 A JP 15061394A JP H07333643 A JPH07333643 A JP H07333643A
Authority
JP
Japan
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information recording
optical sensor
light
recording medium
information
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP6150613A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Shimizu
治 清水
Daigo Aoki
大吾 青木
Shinichi Sakano
真一 坂野
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication of JPH07333643A publication Critical patent/JPH07333643A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】情報記録媒体への情報形成に使用される光セン
サであって、情報形性能に優れ、情報記録感度の向上し
た光センサからなり、短い時間間隔に繰返し情報記録が
可能な情報記録装置を提供する。 【構成】透明な第1の基板と第1の透明電極と光導電層
とを積層し、半導電性であり成る誘起電流増幅作用を有
する光センサと、高分子分散型液晶と第2の透明電極と
第2の基板とを積層して成る情報記録媒体と、前記第1
の透明電極と前記第2の透明電極に電圧を印加する電圧
印加手段と、前記光センサに被写体像を結像する結像手
段と、前記有機感光体に光を照射する光照射手段と、前
記電圧印加手段と前記光照射手段を動作を制御する制御
手段と、から構成される情報記録装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光センサを用いて情報
記録媒体へ光情報を可視情報または静電情報の形で記録
することのできる情報記録装置に関し、特に情報記録媒
体への情報記録性能が著しく増幅される半導電性の光導
電層を有する光センサからなり、短い時間間隔に繰返し
情報記録が可能な情報記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】前面に電極が設けられた光導電層からな
る光センサと、その光センサに対向し、後面に電極が設
けられた電荷保持層からなる情報記録媒体とを光軸上に
配置し、両導電層間に電圧を印加しつつ露光し、入射光
学像に応じて、電荷保持層に静電電荷を記録させ、その
静電電荷をトナー現像するかまたは電位読み取りにより
再生する方法は、例えば特開平1─290366号公
報、特開平1─289975号公報に記載されている。
また、前記方法における電荷保持層を熱可塑性樹脂層と
し、静電電荷を熱可塑性樹脂層表面に記録した後加熱
し、熱可塑性樹脂層表面にフロスト像を形成することに
より記録された静電電荷を可視化する方法は、例えば特
開平3─192288号公報に記載されている。
【0003】更に、本出願人等は、前記情報記録媒体に
おける情報記録層を高分子分散型液晶層として、前記同
様に電圧印加時露光し、光センサにより形成される電界
により液晶層を配向させて情報記録を行い、情報記録の
再生にあたっては透過光あるいは反射光により可視情報
として再生する情報記録再生方法を、先に特願平4─3
394号、特願平4─24722号、特願平5─266
646号として出願した。この情報記録再生方法は偏光
板を使用しなくとも記録された情報を可視化できる。
【0004】また、短い時間間隔に繰返し情報記録が可
能な情報記録装置については特開平4─345131号
公報に記載されている。その記載によれば、第1及び第
2の電極間に感光体と記録体を各々設け、前記電極間に
所定の電圧を印加するとともに、記録すべき情報を含む
光を照射して前記記録体に情報の記録を行う情報記録装
置において、前記感光体に電荷消滅用の光照射を行う光
源と、記録動作終了後であってそれに連続する記録動作
の開始前に、前記光源を駆動するための制御回路とを備
えた情報記録装置である。そしてその装置によれば、記
録体に対する情報の記録動作終了後に、光源が駆動され
て感光体に光照射が行われる。これによって、記録動作
後に感光体に残留する電荷の開放、消滅が行われる。そ
の後次の記録動作が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】こうした情報記録方法
において、さらに高感度、高解像度、かつ短い時間間隔
に繰返し情報記録が可能な情報記録方法が求められてい
た。本発明は、情報記録媒体への情報形成に使用される
光センサであって、情報形性能に優れ、情報記録感度の
向上した光センサからなり、短い時間間隔に繰返し情報
記録が可能な情報記録装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1発明である、透明な
第1の基板と第1の透明電極と光導電層とを積層し、半
導電性であり、光誘起電流増幅作用を有する光センサ
と、高分子分散型液晶と第2の透明電極と第2の基板と
を積層して成る情報記録媒体と、前記第1の透明電極と
前記第2の透明電極に電圧を印加する電圧印加手段と、
前記光センサに被写体像を結像する結像手段と、前記光
導電層に光を照射する光照射手段と、前記電圧印加手段
と前記光照射手段を動作を制御する制御手段と、から構
成される情報記録装置。第2発明である、前記光センサ
に対して所定の移動と停止を行うことによって前記光セ
ンサの露光面を露光ごとに更新する移動停止手段と、そ
の移動停止手段の動作を制御する制御手段と、を具備す
る第1発明記載の情報記録装置。
【0007】
【作用】第1発明の情報記録装置によれば、光センサは
透明な第1の基板と第1の透明電極と光導電層とを積層
して成り、半導電性であり、光誘起電流増幅作用を有す
る。また、情報記録媒体は高分子分散型液晶と第2の透
明電極と第2の基板とを積層して成る。従って、電圧印
加手段により前記第1の透明電極と前記第2の透明電極
に電圧が印加され、結像手段により前記光センサに被写
体像が結像されるとその被写体像は光センサにより光誘
起電流に変換され、前記情報記録媒体に光散乱像として
記録される。この情報記録は高感度、高解像度である。
また光照射手段により前記光導電層に光を照射され、制
御手段により、前記電圧印加手段と前記光照射手段の動
作が制御されるから、情報記録動作と次の情報記録動作
の間のタイミングにおいて光照射手段を動作させ、前記
光導電層にに残留する電荷を開放することができる。従
って、短い時間間隔に繰返し情報記録が可能である。
【0008】第2発明の情報記録装置によれば、第1発
明記載の情報記録装置において更に移動停止手段とそれ
の動作を制御する制御手段を具備し、移動停止手段によ
り前記光センサに対して所定の移動と停止が行われ前記
光センサの露光面が露光ごとに更新され、その動作は制
御手段により制御される。即ち、情報記録動作と次の情
報記録動作の間のタイミングにおいて移動停止手段を動
作させ、残留する電荷が既に開放された前記光センサの
露光面を情報記録位置に移動し停止することができると
ともに、情報記録位置とは別の位置において前記光セン
サに残留する電荷を開放することができる。従って、更
に短い時間間隔に繰返し情報記録が可能である。
【0009】
【実施例】以下、本発明の情報記録装置について好適な
実施例に基づいて説明する。 (実施例1)図1は本発明の情報記録装置の構成を示す
斜視図である。図1において、1は第1の基板、2は第
1の透明電極、3は光導電層であり、7の光センサはこ
れらから構成され、また、4は第2の基板、5は第2の
透明電極、6は高分子分散型液晶であり、8の情報記録
媒体はこれらから構成されている。また9は被写体、1
0はレンズ、11はシャッター、12は3色分解光学
系、14、14’は光源、15は裏側光源、16は電
源、17はスイッチ、18は抵抗である。なお図1にお
いて、制御回路13から裏光源15に至る破線矢印、及
び裏光源15(破線で示す部分)は、後述する実施例2
の部分であり実施例1では設けられない。
【0010】図1の構成において動作を説明する。制御
回路13によりシャッター11が開かれると被写体9か
らレンズ10を通過した光は3色分解光学系12に至
り、3色(Red,Green,Blue)に分解され
る。被写体9の像は透明な第1の基板1と第1の透明電
極2を透過して光導電層3の面上に結像する。光導電層
3は光導電性を有しており、結像した像の各部分の光量
に応じて導電性が発現する。即ち光の像は導電性の像に
変換される。第1の透明電極2と第2の透明電極5の間
には電圧印加手段によって電圧が印加されるようになっ
ている。電源16において、一方の電極端子はアースさ
れ、このアース端子はアースを通じて情報記録媒体8の
第2の透明電極に接続されている。またもう一方の電極
端子は制御回路13によって開閉を制御されるスイッチ
17を介して光センサ7の第1の透明電極に接続されて
いる。また第1の透明電極2と第2の透明電極5との間
には抵抗18が接続されており、スイッチ17が開いた
状態においては、電極間の蓄積電荷は抵抗18を通過し
て放電させられるため両電極間には電位差は生じない。
【0011】前述の光の像が導電性の像に変換された状
態において、スイッチ17が閉じられ所定の電圧が印加
されると、光導電層3の導電性に応じて電流が流れる。
これを光誘起電流と呼び、本発明における光導電層はこ
の光誘起電流を増幅する作用が顕著である点が特徴の一
つとなっている。この光誘起電流によって高分子分散型
液晶は配向させられて光散乱体から光透過体へと変化す
る。所定の電圧を所定の時間だけ印加した後、制御回路
13によって電圧の印加を停止すると、高分子分散型液
晶6のメモリ機能によって配向の状態は保たれる。即ち
結像した像は高分子分散型液晶6の光散乱状態の違いと
して記録される。
【0012】次に、制御回路13によって、光源14、
14’が所定の時間点灯される。光源14、14’の光
は光センサ7の光導電層3に略々均一で一様に照射さ
れ、この光照射によって、光導電層3中の深い順位に捕
まった電荷が開放されて消滅する。また、光導電層3の
表面に残留する電荷も消滅する。従って、次の記録動作
に対する影響は、良好に低減されることとなる。次の記
録動作は、情報記録媒体8を移送し情報記録媒体8の新
しい記録面が光センサの背面位置に達したところで移送
を停止した状態において行われる。
【0013】図2は、シャッターの開閉、スイッチの開
閉、光源のオンオフのタイミングを示す図である。図2
においてTaは記録動作の開始時刻を表しておりTbは
記録動作が完了している時刻を表している。またTcは
Tbより後の時刻であって光源がオンする時刻を表して
おりTdは光源がオフする時刻を表している。図2
(A)、図2(B)に示すようにシャッターの開閉とス
イッチの開閉は、略々同時に開き略々同時に閉じる。ま
た図2(C)に示すように光源のオンオフはシャッター
が閉じかつスイッチが開いた状態において行われる。こ
れらの開閉、オンオフ動作は、制御手段である制御回路
13よって制御される。
【0014】(実施例2)次に、本発明の実施例2につ
いて説明する。この実施例2では、図1に破線で示すよ
うに、実施例1の光源14、14’の代わりに裏側光源
15が設けられている。そして、情報記録媒体8の第2
の基板4、第2の透明電極は、いずれも透明に形成され
ている。この実施例2では、記録動作後における光セン
サ7の光導電層3に対する光照射が、裏側光源15によ
り情報記録媒体8を介して行われる。
【0015】(実施例3)図3は移動停止手段を具備す
る本発明の情報記録装置の構成を示す斜視図である。図
3において図1と同一の部分には同一の符号を用いてあ
る(以下本発明に関する図において同一の部分には同一
の符号を用いる)。図2と異なった部分のみ図3の構成
を説明する。図3において、19は光センサ7をディス
ク形状にした光センサディスク、20は光センサディス
ク19の回転軸、21は回転軸20に接続され光センサ
ディスク19を回転し停止するための移動停止手段であ
るモーター、22は光センサディスク19の回転軸20
に対し結像面と反対側の面近くに設置された下側光源で
ある。
【0016】以上の構成において動作を説明する。光セ
ンサ7、情報記録媒体8等の記録機能動作は実施例1で
説明したとおりであるから、ここでは光センサディスク
19の動作を主として説明する。第1の透明電極2と第
2の透明電極5に所定の電圧を所定の時間だけ印加した
後、制御回路13によって電圧の印加を停止すると、高
分子分散型液晶6のメモリ機能によって配向の状態は保
たれ、結像した像は高分子分散型液晶6の光散乱状態の
違いとして記録される。この記録が終了すると制御回路
13はモーター21を駆動してモーター21の出力軸に
結合されている光センサディスク19の回転軸20に回
転出力を伝達する。回転軸20は回動自在にフレーム
(図示せず)に支持されているため回転し光センサディ
スク19も回転を行う。そして所定の回転を行った後に
制御回路13によって停止させられる。所定の回転と
は、残留する電荷が既に開放された光センサディスク1
9の露光面を情報記録位置に移動する回転のことで、例
えば∠180°の回転のことである。
【0017】モーター21としては、例えば減速機が付
いていて必要な回転トルクが得られ、回転速度が適正
で、かつ例えばブレーキ付きの停止精度の良いものから
選択することができる。また光センサディスク19の回
転角度、位置を正確に検出できる位置検出機構(図示せ
ず)が付属しており、その位置検出機構の出力信号は制
御回路13に入力されて制御回路13によってモーター
21を停止する際のタイミング、あるいは停止位置のサ
ーボ制御等に用いられる。このような位置検出機構はモ
ーター21の出力軸又は回転軸20に取付けられたロー
タリーエンコーダー、光センサディスク19の周円付近
にマークを付けてそれを検知する等の方法によって実現
することができる。
【0018】前述のように、光センサディスク19が所
定の回転を行って制御回路13によって停止させられた
後、制御回路13は下側光源22を点灯し所定の時間経
過の後消灯する。下側光源22の光は光センサディスク
19の下側部分の光導電層3に略々均一で一様に照射さ
れ、この光照射によって、下側部分の光導電層3中の深
い順位に捕まった電荷が開放されて消滅する。また、下
側部分の光導電層3の表面に残留する電荷も消滅する。
従って、光センサディスク19が再び回転して情報記録
位置において次の記録動作が行われる際は、残留する電
荷による影響は良好に低減されることとなる。
【0019】次の記録動作は、情報記録媒体8を移送し
情報記録媒体8の新しい記録面が光センサディスク19
のの背面の情報記録位置に達したところで移送を停止し
た状態において行われる。実施例3においては、光セン
サディスク19を回転させると同時にこの情報記録媒体
8の移送を行うことができる。従って光センサディスク
19の駆動モーター21によって情報記録媒体8の移送
を行うことが可能であり駆動系を同一にして動作の整合
性と効率を高めることができる。また、短い時間間隔に
繰返し情報記録を行っている間は下側光源22は点灯し
したままでよく、前述のように一回の情報記録の度に点
灯と消灯のサイクルを繰り返す必要はない。その場合は
下側光源22が発する光は情報記録位置に達しないよう
に光の遮蔽構造(図示せず)が設けられ、かつ光センサ
ディスク19の第1の透明電極2と第2の透明電極5は
分割されており、光センサディスク19の情報記録位置
に達した領域にのみ電圧が印加され、下側光源22の領
域には電圧が印加されないように構成される。
【0020】図4は実施例3におけるシャッターの開
閉、スイッチの開閉、光センサディスクの回転、情報記
録媒体の移送、下側光源のオンオフのタイミングを示す
図である。図4においてTaは記録動作の開始時刻を表
しておりTbは記録動作が完了している時刻を表してい
る。またTcはTbより後の時刻であって光センサディ
スク19の回転及び情報記録媒体8の移送が開始する時
刻、Tdはそれらが停止する時刻、Teは光源がオンす
る時刻を表しておりTfは光源がオフする時刻を表して
いる。図4(A)、図4(B)に示すようにシャッター
の開閉とスイッチの開閉は、略々同時に開き略々同時に
閉じる。また図4(C)、図4(D)に示すように光セ
ンサディスク19の回転と情報記録媒体8の移送はシャ
ッターが閉じかつスイッチが開いた状態において行われ
る。また図4においては、光センサディスク19の回転
と情報記録媒体8の移送が終了した後に、下光源22が
点灯し消灯するように描かれているが、点線で示すよう
に常時点灯するようにしてもよい。常時点灯の場合はT
eとTf間の時間を必要とせず、その分だけ情報記録の
繰返し周期を短縮することができる。また常時点灯の場
合は、光導電層3に残留する電荷を開放するために使わ
れる光照射時間を本質的に長くすることができ、その効
果が大きい。これらの開閉、回転移送、オンオフ動作
は、制御手段である制御回路13よって制御される。
【0021】図5は本発明の情報記録装置によって情報
記録媒体に記録された情報の読取方法を示す図である。
図5において23は白色光源、He−Neレーザー、半
導体レーザー等の再生光源、24はイメージセンサ、リ
ニアセンサ、ホトマル、ホトダイオード等の光電変換装
置である。再生光源23によって高分子分散型液晶6を
含む情報記録媒体8に入射した読出光は、高分子分散型
液晶6の配向状態に応じて散乱あるいは透過するように
なる。即ち、高分子分散型液晶6に入射した読出光は、
光導電層3を含むセンサーに書込まれた時の光の強度分
布に応じた変調を受けるようになり、これによって記録
された情報の読出が行われる。変調された読出し光は、
光電変換装置24によって電気信号に変換されて、記録
像に対応する光学情報が電気信号として取り出される。
この電気信号は、必要に応じてプリンタやCRTなどに
出力される。
【0022】図6は本発明の情報記録装置によって情報
記録媒体に記録された情報の再生表示方法を示す図であ
る。図6において25はスクリーンである。再生光源2
3には、ハロゲンランプやキセノン(Xe)ランプ等の
白色光源を使用し、その再生光源23から照射される光
を情報記録媒体8に入射し、読み出された情報をスクリ
ーン25の面に投影して再生表示する。必要に応じ(光
源が点光源と見なせない場合等に)レンズを用い、情報
記録媒体8を通過した光をレンズ(図示せず)によって
集光しスクリーン25の面に結像する。以上、記録フィ
ルムの形で実施例を示したが、基板がフィルム以外のも
の、例えばガラス基板、プラスチック基板であっても同
様のことを行うことができるのは勿論のことである。
【0023】〔光センサ及び情報記録媒体〕次に本発明
における光センサ及び情報記録媒体について説明する。
光センサ7と情報記録媒体8とは空隙を設けて、あるい
は密着して積層されており、それらの面にほぼ垂直な方
向に電圧が印加されている。図7は本発明の情報記録装
置において平面形状の光センサ7と情報記録媒体8とを
密着して積層した場合を示す図である。図7において、
28は密着して積層する場合に用いる誘電体層である。
また、図8は本発明の情報記録装置において平面形状の
光センサ7と情報記録媒体8とを空隙を設けて積層した
場合を示す図である。図8においては、被写体である階
調スケールが情報記録媒体8に記録された状態が図示さ
れている。このことは図示の角度からは見えないが、図
7においても同様である。本発明における光センサ7と
情報記録媒体8とは、図7、図8の何れの構成であって
もよい。
【0024】本発明の光センサの光導電層は単層から構
成されている場合と複数の層から成る積層体から構成さ
れている場合があり、ここでは積層型光センサについて
説明する。図7、図8において1は第1の基材、2は第
1の透明電極、3は光導電層である。また光導電層3は
26の電荷発生層及び27の電荷輸送層から構成されて
いる。即ち光センサ7は第1の基板1、第1の透明電極
2、電荷発生層26及び電荷輸送層21から構成されて
いる。また、4は第2の基板、5は第2の透明電極、6
は高分子分散型液晶でありこれらから情報記録媒体が構
成されている。
【0025】〔光センサの構成及び材料〕まず光センサ
について説明する。光センサにおいて、電荷発生層26
は電荷発生性物質とバインダーからなる。電荷発生性物
質としては、ピリリウム系染料、アズレニウム系染料、
スクアリリウム塩系染料、フタロシアニン系顔料、ペリ
レン系顔料、多環キノン系顔料、インジゴ系顔料、ピロ
ール系顔料、アゾ系顔料等の染料、顔料を単独あるいは
複数のものを組み合わせて使用することができる。バイ
ンダーとしては、例えばポリカーボネイト樹脂、ビニル
ホルマール樹脂、ビニルアセタール樹脂、ビニルブチラ
ール樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、メタクリ
ル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル
─酢酸ビニル共重合体樹脂等が挙げられ、それぞれバイ
ンダー樹脂を単独または複数のものを組み合わせて使用
することができる。
【0026】これらの電荷発生剤とバインダーの混合比
は、電荷発生剤1重量部に対してバインダーを0.1〜
10重量部、好ましくは0.2〜1重量部の割合で使用
することが望ましい。電荷発生層は乾燥後膜厚として
0.01〜1μmであり、好ましくは0.1〜0.5μ
mとするとよく、このような膜厚とすることによって良
好な感度と画質を示す。また、先に示した電荷発生性物
質で蒸着可能なものは、バインダーを用いず、単独で成
膜することもできる。
【0027】電荷輸送層27は電荷輸送性物質とバイン
ダーとからなる。電荷輸送性物質は、電荷発生層で発生
した電荷の輸送特性がよい物質であり、例えば、オキサ
ゾール系、チアゾール系、トリフェニルメタン系、スチ
リル系、スチルベン系、ヒドラゾン系、カルバゾール
系、エナミン系、芳香族アミン系、トリフェニルアミン
系、ブタジエン系、多環芳香族化合物系、ビフェニル系
等があり、ホール輸送特性の良い物質とすることが必要
である。
【0028】バインダーとしては、前記した電荷発生層
におけるバインダーと同様のもの、さらにスチレン樹
脂、スチレン─ブタジエン共重合体樹脂、ポリアリレー
ト樹脂、フェノキシ樹脂が使用できるが、好ましくはス
チレン樹脂、スチレンブタジエン共重合体樹脂、ポリカ
ーボネイト樹脂である。バインダーは、電荷輸送性物質
1重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.
1〜1重量部の割合で使用することが望ましい。電荷輸
送層は乾燥後膜厚として1〜50μmであり、好ましく
は3〜26μmとするとよく、このような膜厚とするこ
とによって良好な感度と画質が得られる。
【0029】第1の透明電極2は、情報記録媒体が不透
明であれば透明性を有する必要であるが、情報記録媒体
が透明性を有する場合には透明、不透明いずれでもよ
く、106 Ω・cm以下の比抵抗を安定して与える材
料、例えば金、白金、亜鉛、チタン、銅、鉄、錫等の金
属薄膜導電膜、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸
化チタン、酸化タングステン、酸化バナジウム等の金属
酸化物導電膜、四級アンモニウム塩等の有機導電膜等
を、単独あるいは二種以上の複合材料として用いること
ができる。なかでも酸化物導電体が好ましく、特に酸化
インジウム錫(ITO)が好ましい。
【0030】第1の透明電極2は蒸着、スパッタリン
グ、CVD、コーティング、メッキ、ディッピング、電
界重合等の方法により形成される。またその膜厚は電極
を構成する材料の電気特性、および情報記録の際の印加
電圧により変化させる必要があるが、例えばITO膜で
は10〜300nm程度であり、情報記録層との間の全
面、あるいは任意のパターンに合わせて形成される。ま
た、二種類以上の材料を積層して用いることもできる。
【0031】第1の基板1は、後述する情報記録媒体が
不透明であれば透明性を有することが必要であるが、情
報記録媒体が透明性を有する場合には、透明不透明いず
れでもよく、カード、フィルム、テープ、シート、ディ
スク等の形状を有し、光センサを強度的に支持するもの
である。例えば可撓性のあるプラスティックフィルム、
あるいはガラス、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、
ポリメチルアクリレート、ポリエステル、ポリカーボネ
ート等のプラスチックシート、カード等の剛体が使用さ
れる。なお、基板の電極13が設けられる面の他方の面
には、電極13が透明であれば必要に応じて反射防止効
果を有する層を積層するか、または反射防止効果を発現
し得る膜厚に透明基板を調整するか、更に両者を組み合
わせることにより反射防止性を付与するとよい。
【0032】光導電層には電子受容性物質、増感色素、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を添加してもよ
い。電子受容性物質および増感色素にはベース電流の調
整、ベース電流の安定化、増感等の作用がある。それぞ
れ光導電性物質1重量部に対して0.001〜10重量
部、好ましくは0.01〜1重量部の割合で添加され
る。0.001重量部よりも少ないと作用を示さず、1
0重量部より多い場合には、画質に悪影響を与える。以
上で本発明の光センサの構成及び材料の説明を終える。
【0033】〔積層型光センサの作製〕次に、積層型光
センサの作製方法について説明する。充分洗浄した厚さ
1.1mmのガラス基板上に、スパッタリングにより面
積抵抗80Ω/□、膜厚100nmのITO膜を成膜
し、電極を得た。電極をスクライバー洗浄機(商品名プ
レートクリーナー モデル602 ウルトラテック社)
にて、純水噴射2秒、スクライバー洗浄20秒、純水リ
ンス15秒、高速回転による水分の除去25秒、赤外線
乾燥55秒の洗浄処理を2回行った。その電極上に電荷
発生性物質として下記表1に示す構造を有するビスアゾ
顔料3重量部、塩化ビニル─酢酸ビニル混合樹脂(電気
化学工業製 デンカビニル#1000Dとアルドリッチ
社製 18、325.89J 酢酸ビニル樹脂との7
5:25の混合物)1重量部とを、1,4─ジオキサン
98重量部、シクロヘキサノン98重量部と混合し、混
合機により充分に混練を行い塗布液とし、スピンナーに
て1400rpm、0.4秒でコーティングした。
【0034】
【化1】 その後、塗膜の表面に皮膜が形成されて、表面が付着し
なくなるまでの間、無塵下で放置しレベリング乾燥を行
った後、100℃、1時間乾燥して膜厚300nmの電
荷発生層を積層した。
【0035】この電荷発生層上に電荷輸送性物質として
下記表2に示す構造のブタジエン誘導体(アナン製 T
─405)50重量部とスチレン─ブタジエン共重合体
樹脂(電気化学工業製 クリアレン730L)10重量
部とをクロロベンゼン68重量部、1,1,2─トリク
ロロエタン136重量部とを均一に溶解し塗布液とし
た。
【0036】
【化2】 その塗布液を用い、スピンナーにて350rpm、0.
4秒でコーティングし、塗膜の表面に皮膜が形成され
て、塗膜の表面が付着しなくまるまでの間、無風下で放
置しレベリング乾燥を行った後、80℃2時間乾燥して
電荷輸送層を積層し、電荷発生層と電荷輸送層とからな
る膜厚20μmの光導電層を有する本発明光センサを製
作し、室温、相対湿度60%以下の暗所において3日間
エージングを行った。
【0037】〔情報記録媒体の構成及び材料〕次に情報
記録媒体2の構成及び材料について説明する。まず、本
発明における情報記録媒体としては、その情報記録層が
高分子分散型液晶とする場合が挙げられる。高分子分散
型液晶は液晶相中に樹脂粒子が分散した構造を有してい
るが、液晶材料は、スメクチック液晶、ネマチック液
晶、コレステリック液晶あるいはこれらの混合物を使用
することができる。液晶としては、その配向性を保持
し、情報を永続的に保持させる、いわゆるメモリー性の
観点から、スメクチック液晶を使用することが好まし
い。
【0038】スメクチック液晶としては、液晶性を呈す
る物質の末端基の炭素基が長いシアノビフェニル系、シ
アノターフェニル系、フェニルエステル系、更にフッ素
系等のスメクチックA相を呈する液晶物質、強誘電性液
晶として用いられるスメクチックC相を呈する液晶物
質、あるいはスメクチックH、G、E、F等を呈する液
晶物質等が挙げられる。
【0039】樹脂粒子を形成する材料としては、例え
ば、紫外線硬化型樹脂であって、モノマー、オリゴマー
の状態で液晶材料と相溶性を有するもの、あるいはモノ
マー、オリゴマーの状態で液晶材料と共通の溶媒に相溶
性を有するものを好ましく使用できる。このような紫外
線硬化樹脂としては、例えばアクリル酸エステル、メタ
クリル酸エステル等が挙げられる。その他、液晶材料と
共通の溶媒に相溶性を有する溶媒可溶型の熱硬化性樹
脂、例えばアクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリスチレン樹脂、およびこれらを主体とした
共重合体等、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等を使用し
てもよい。
【0040】液晶材料と樹脂の使用割合は、液晶の含有
率が10重量部%〜90重量部%、好ましくは40重量
部%〜80重量部%となるようにして使用するとよく、
10重量部%未満であると情報記録により液晶相が配向
しても光透過性が低く、また、90重量%を超えると液
晶のしみ出し等の現象が生じ、画像むらが生じ好ましく
ない。情報記録層の膜厚は解像性に影響を与えるので、
乾燥後膜厚0.1μm〜10μm、好ましくは3μm〜
8μmとするとよく、高解像性を維持しつつ、動作電圧
も低くすることができる。膜厚が薄すぎると情報記録部
のコントラストが低く、また、厚すぎると動作電圧が高
くなるので好ましくない。以上で本発明の情報記録媒体
の構成及び材料の説明を終える。
【0041】〔情報記録媒体の作製〕次に、情報記録媒
体の作製方法について説明する。厚さ1.1mmのガラ
ス基板上に導電層として、膜厚100nmのITO膜を
スパッタリングにより成膜し、電極を得た後、表面洗浄
を行った。この電極上に、多官能性モノマー(ジペンタ
エリストールヘキサアクリレート、東亜合成化学製、M
−400)40重量部、光硬化開始剤(2─ヒドロキシ
─2─メチル─1─フェニルプロパン─1─オン、チバ
ガイギー社製、ダロキュア1173)2重量部、液晶を
50重量部(そのうちスメクチック液晶(メルク社製、
S─6)が90%、ネマチック液晶(メルク社製、E3
1LV)が10%)、界面滑性剤(住友スリーエム社
製、フロラードFC─430)3重量部キシレン96重
量部中に均一に溶解して得た塗布液を、50μmのギャ
ップを設けたブレードコーターを用いてコーティングし
た後、47℃で3分間乾燥し、次いで47℃で2分間減
圧乾燥を行い、直ちに0.3J/cm2 の赤外線照射に
よって塗布膜を硬化させ、膜厚6μmの情報記録層を有
する情報記録媒体を得た。情報記録層面を熱メタノール
を用いて液晶を抽出し、乾燥させた後、走査型電子顕微
鏡(日立製作所製 S−800)で1000倍で内部構
造を観測したところ、層の表面は0.6μm紫外線硬化
樹脂で覆われ、層内部には連続層を成す液晶相中に、粒
径0.1μmの樹脂粒子相が充填した構造を有してい
た。
【0042】〔一体型の中間層の構成及び材料〕前述の
ように図7の情報記録装置の構成は、図8の情報記録装
置の構成における光センサと情報記録媒体とを誘電体層
28を介して対向配置し、直接積層した一体型としたも
のである。第2の情報記録システムは、光センサにおけ
る光導電層が溶媒を使用して塗布形成される場合に特に
適しており、光導電層上に情報記録層を直接塗布形成す
ると、それらの相互作用により情報記録層における液晶
が溶出したり、また、情報記録層形成用の溶媒により光
導電材料が溶出することによる画像ムラを防止すること
ができ、また光センサと情報記録媒体との一体化を可能
とするものである。
【0043】誘電体層28は、その形成にあたって、光
導電層形成材料、情報記録層形成材料にいずれに対して
も溶解性を有しないことが必要であり、また導電性を有
しないことが必要である。導電性を有する場合には、空
間電荷の拡散が生じ、解像度の劣化が生じることから絶
縁性が要求される。また、誘電体層は液晶層にかかる分
配電圧を低下させたり、あるいは解像性を悪化させるの
で、膜厚は薄い方が好ましく、2μm以下とするとよい
が、逆に薄くすることにより、経時的な相互作用による
画像ノイズの発生ばかりでなく、積層塗布する際にピン
ホール等の欠陥による浸透の問題が生じる。ピンホール
等の欠陥による浸透性は積層塗布する材料の固形分比
率、溶媒の種類、粘度により異なるので、積層塗布され
るものの膜厚は適宜設定されるが、少なくとも10μm
以下の膜厚とするとよく、好ましくは0.1μm〜3μ
mとするとよい。さらに、各層に掛かる電圧分配を考慮
した場合、薄膜化と共に誘電率の高い材料が好ましい。
【0044】誘電体層28を形成する材料としては、無
機材料ではSiO2 、TiO2 、CeO2 、Al
2 3 、Si3 4 AiN、TiN、MgF2 、Zn
S、二酸化珪素と二酸化チタンとの組み合わせ、硫化亜
鉛と弗化マグネシウムの組み合わせ、酸化アルミニウム
とゲルマニウムの組み合わせ等を使用し、蒸着法、スパ
ッタ法、化学蒸着(CVD)法等により積層して形成す
るとよい。また、有機溶剤に対して相溶性の少ない水溶
性樹脂、例えばポリビニルアルコール、水系ポリウレタ
ン、水ガラス等の水溶液を使用し、スピンコート法、ブ
レードコート法、ロールコート法等により積層してもよ
い。更に、塗布可能なフッ素樹脂を使用してもよく、こ
の場合にはフッ素系溶剤に溶解し、スピンコート法によ
り塗布するか、またブレードコート法、ロールコート法
等により積層してもよい。
【0045】塗布可能なフッ素樹脂としては、例えば特
開平4─24728号公報等に開示されたフッ素樹脂、
更に真空系で膜形成されるポリパラキシリレンやポリビ
ニルアルコール等の有機材料を好ましく使用することが
できる。以上、情報記録媒体として、情報露光による記
録を液晶の配向により可視化した状態とするものである
が、液晶と樹脂との組合せを選ぶことにより、一旦配向
し、可視化した情報は消去せず、メモリ性を付与するこ
とができる。また、等方相転移付近の高温に加熱する
と、メモリ性を消去することができるので、再度の情報
記録に使用することができる。以上により本発明の一体
型における中間層の構成及び材料の説明を終える。
【0046】〔情報記録媒体の温度特性〕次に本発明で
使用される情報記録媒体の温度特性について説明する。
図9は本発明で使用される情報記録媒体の温度特性の一
例を示す図である。図9において、横軸は高分子分散型
液晶6に印加される電圧(Volt)であり、縦軸は変
調率(%)を表している。変調率とは、光学的に情報記
録媒体の記録情報を読み出す場合において、最大の光透
過状態における検出器の出力を100%とし、最大の光
散乱状態における検出器の出力を0%としたスケール
を、検出器の出力に与えたものである。図に示すよう
に、電圧の変化に対して急峻に変調率が変化するのは、
感度が極めて高いことを示している。一方温度に対する
変調率の特性変化は、温度が変化するような環境で使用
する場合に温度、電圧等の制御を行うように構成するこ
とを示している。また、このような特性を利用して記録
された情報を消去することが可能であることも示してい
る。本発明においては、このような情報記録媒体の特性
を考慮して、使用時の温度条件、電圧条件等の具体的な
設定が行われる。
【0047】〔光センサの光誘起電流増幅作用〕次に本
発明の特徴の一つである光センサ7の光誘起電流増幅作
用について説明する。光センサへの光パターン照射時に
おいて光センサは導電性が発現し、情報記録媒体に分与
される電圧または付与される電荷量が経時的に増幅され
る。また、光照射を終了した後でも電圧を印加し続ける
と、光センサはその発現した導電性を緩和減衰的に持続
し、引き続き情報記録媒体に分与される電圧または付与
される電荷量が経時的に増幅される。そしてこれら電圧
と電荷量は、光センサに照射された光パターンと同形の
電圧パターン、電荷量パターンを形成し、更に必要に応
じて可視パターン等に媒体変換が行われて情報記録媒体
に記録される。
【0048】光センサにおける、上記付与される電荷量
の経時的増幅作用、即ち“光誘起電流増幅作用”につい
て更に詳細を説明する。次のように光センサ及び測定装
置を構成し、その光センサの光誘起電流増幅作用を測定
する。透明ガラス上にITO電極を設け、その電極上に
光導電層を形成し、更にその光導電層上に0.16cm
2 の金電極を形成する。そして、この両電極間にITO
電極を正極として直流の一定電圧を印加するとともに、
電圧印加開始後0.5秒後に基板側から0.033秒間
光照射し、測定時間中の光センサにおける電流値の挙動
を、光照射開始時(t=0)から測定する。なお照射光
は、キセノンランプ(浜松ホトニクス社製L2274)
を光源に、図10に示す特性のグリーンフィルター(日
本真空光学社製)により、緑色光を選択して照射し、照
射光強度を照度計(ミノルタ社製)で測定し、20ルッ
クスのものとする。
【0049】この光強度で光照射した時、光源のパワー
スペクトル、透明基材、ITO膜の光透過率、フィルタ
ーの分光特性を考慮すると、光導電層には4.2×10
11個/cm2 秒のフォトンが入射する。そして、入射し
たフォトンが全て光キャリアに変換されると、理論的に
は光電流としては単位面積当たり1.35×10-6A/
cm2 の電流が発生する。
【0050】ここで、前記測定装置により測定する場合
に、理論的光電流に対して、光センサで実際に発生した
光誘起電流の場合(光センサで実際に発生した光誘起電
流値/理論的光電流値)をその光センサにおける量子効
率と定義する。また光誘起電流とは、光照射部の電流値
から光を照射しない場合部分で流れる電流であるベース
電流値を差し引いたものであり、光照射中あるいは光照
射後もベース電流以上の光照射に起因する電流が流れる
ものをいい、いわゆる光電流とは相違する。本発明の光
センサにおける光誘起電流増幅作用とは、このような光
誘起電流の挙動のことであると定義する。
【0051】本発明における光誘起電流増幅作用を有す
る光センサと、光誘起電流増幅作用を有しない光センサ
(以下比較センサという)とを、前記測定装置での測定
結果を使用して説明する。まず、比較センサについての
測定結果を図11に示す。図11において、(m)線
は、前記理論値(1.35×106 A/cm2 )を示す
参考線で、光照射を0.033秒間行い、光照射後も電
圧印加を継続した状態を示す。(n)線は光誘起電流増
幅作用を有しない光センサの実測線で光照射中の量子効
率の変化を図12に示す。
【0052】これに対して、本発明における光センサ
は、一例として図13に示すように光照射時は光誘起電
流が増加し、量子効率の関係を示す図14から明らかな
ように、約0.01秒で量子効率は1を超え、その後も
量子効率は増加を続けることがわかる。また、比較セン
サでは光照射終了と同時に光電流が急激に減衰するた
め、光照射後継続して電圧印加しても光情報として有効
な電流は得られない。これにたいして本発明の光センサ
においては、光照射後も電圧印加を継続することのより
光誘起電流が継続して流れ、引き続いて光誘起電流を取
り出すことができ、光情報をつづけて得ることができ
る。この作用を緩和型導電性と定義する。以上で本発明
における光センサの光誘起電流増幅作用についての説明
を終える。
【0053】〔光センサの半導電性〕本発明の光センサ
は、その光導電層が暗時において半導電性材料であり、
流れる電流密度から暗時の比抵抗が109 〜1013Ω・
cmであることが好ましい。特に、比抵抗が1010〜1
11Ω・cmのもので増幅作用が顕著である。比抵抗が
1013Ω・cmよりも大きい光センサでは、105 〜1
6 V/cmの電界強度範囲では本発明の光センサのよ
うな増幅作用を示さない。また、比抵抗が109 Ω・c
m未満の光センサでは、電流が非常に多く流れ、電流に
よるノイズが発生し易く好ましくない。
【0054】これに対して、一般の電子写真用で用いら
れている有機感光体には、暗時において絶縁性材料であ
る暗時の比抵抗が1014〜1016Ω・cmの材料が用い
られている。従って、本発明の光センサを電子写真に用
いた場合は、電子写真の目的を達することができない。
また、一般の電子写真において用いられる有機感光体
は、本発明の光センサに使用した場合は、本発明の目的
を達することができない。
【0055】また、情報記録媒体における情報記録層が
特に高分子分散型液晶である場合には、液晶の動作電圧
領域に光センサの感度を設定することが必要である。即
ち、最大露光部において情報記録媒体に印加される電圧
(明電位)と最小露光部において情報記録媒体に印加さ
れる電圧(暗電位)との間の電圧であるコントラスト電
圧は、情報記録媒体における高分子分散型液晶の動作電
圧領域に含まれ、所定の動作振幅が得られる大きさをと
ることが必要となる。そのため、例えば光センサの最小
露光部の液晶層に印加される暗電位は、液晶の動作開始
電位程度に設定する必要がある。したがって、情報記録
媒体の抵抗率が常温で1010〜1013Ω・cmであり、
光センサに105 〜106 V/cmの電界が与えられた
状態で、10-4〜10-7A/cm2 のベース電流が生じ
る程度の導電性が要求され、好ましくは10-5〜10-6
A/cm2 の範囲がよい。
【0056】ベース電流が10-7A/cm2 未満の光セ
ンサでは高分子分散型液晶層が最大露光状態でも配向せ
ず、また10-4A/cm2 以上のベース電流での光セン
サでは液晶層が最小未露光状態でも電圧印加と同時に大
きな電流が流れ、高分子分散型液晶が配向してしまう。
従って、露光したとしても露光量による透過率の差が得
られない。また、液晶の種類によって動作電圧および範
囲が異なるものもあるので、印加電圧および電圧印加時
間を設定するにあたっては、情報記録媒体における電圧
配分を考慮する必要がある。以上で本発明の光センサの
半導電性についての説明を終える。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の情報記録
装置によれば、光誘起電流増幅作用を有する光センサを
用いており高感度であり、またその光センサと高分子分
散型液晶を構成要素とする情報記録媒体とを組み合わせ
たことにより高解像度の記録が行える。また、第1発明
の情報記録装置によれば、光照射手段により前記光導電
層に光を照射され、制御手段により、前記電圧印加手段
と前記光照射手段の動作が制御されるから、情報記録動
作と次の情報記録動作の間のタイミングにおいて光照射
手段を動作させ、前記光導電層にに残留する電荷を開放
することができる。従って、短い時間間隔に繰返し情報
記録が可能である。また、第2発明の情報記録装置によ
れば、第1発明記載の情報記録装置において更に移動停
止手段とそれの動作を制御する制御手段を具備し、移動
停止手段により前記光センサに対して所定の移動と停止
が行われ前記光センサの露光面が露光ごとに更新され、
その動作は制御手段により制御される。即ち、情報記録
動作と次の情報記録動作の間のタイミングにおいて移動
停止手段を動作させ、残留する電荷が既に開放された前
記光センサの露光面を情報記録位置に移動し停止するこ
とができるとともに、情報記録位置とは別の位置におい
て前記光センサに残留する電荷を開放することができ
る。従って、更に効果的に残留する電荷が開放され、更
に短い時間間隔に繰返し情報記録が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の情報記録装置の構成を示す斜視図であ
る。
【図2】第1発明におけるシャッターの開閉、スイッチ
の開閉、光源のオンオフのタイミングを示す図である。
【図3】移動停止手段を具備する本発明の情報記録装置
の構成を示す斜視図である。
【図4】第2発明におけるシャッターの開閉、スイッチ
の開閉、光センサディスクの回転、情報記録媒体の移
送、下側光源のオンオフのタイミングを示す図である。
【図5】本発明の情報記録装置によって情報記録媒体に
記録された情報の読取方法を示す図である。
【図6】本発明の情報記録装置によって情報記録媒体に
記録された情報の再生表示方法を示す図である。
【図7】本発明の情報記録装置において平面形状の光セ
ンサと情報記録媒体とを密着して積層した場合を示す図
である。
【図8】本発明の情報記録装置において平面形状の光セ
ンサと情報記録媒体とを空隙を設けて積層した場合を示
す図である。
【図9】本発明で使用される情報記録媒体の温度特性の
一例を示す図である。
【図10】本発明で使用されるグリーンフィルターの特
性を示す図である。
【図11】本発明における光センサとは異なり、光誘起
電流増幅作用を有しない従来のセンサについての測定結
果を示す図である。
【図12】光誘起電流増幅作用を有しない光センサの光
照射中の量子効率の変化を示す図である。
【図13】本発明における光誘起電流増幅作用を有する
光センサにおいて、光照射時の光誘起電流の増加を示す
図である。
【図14】本発明における光誘起電流増幅作用を有する
光センサにおいて、光照射時の光誘起電流の量子効率を
示す図である。
【符号の説明】
1 第1の基板 2 第1の透明電極 3 光導電層 4 第2の基板 5 第2の透明電極 6 高分子分散型液晶 7 光センサ 8 情報記録媒体 9 被写体 10 レンズ 11 しゃったー 12 3色分解光学系 13 制御回路 14,14’ 光源 15 裏側光源 16 電源 17 スイッチ 18 抵抗 19 光センサディスク 20 回転軸 21 モーター 22 下側光源 23 再生光源 24 光電変換装置 25 スクリーン 26 電荷発生層 27 電荷輸送層 28 誘電体層 101 感光体層 102 光変調材層 103 104.2つの電極層 105 被写体 106 レンズ 107 温度検出手段 108 増幅器 109 シュミット回路 110 コイル 111 ファンスイッチ 112 ファン 113 ヒータスイッチ 114 ヒーター 115 参照光光源 116 検出器 117 可変電圧源
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // G11B 11/08 9075−5D

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明な第1の基板と第1の透明電極と光導
    電層とを積層し、半導電性であり、光誘起電流増幅作用
    を有する光センサと、高分子分散型液晶と第2の透明電
    極と第2の基板とを積層して成る情報記録媒体と、前記
    第1の透明電極と前記第2の透明電極に電圧を印加する
    電圧印加手段と、前記光センサに被写体像を結像する結
    像手段と、前記光導電層に光を照射する光照射手段と、
    前記電圧印加手段と前記光照射手段を動作を制御する制
    御手段と、から構成されることを特徴とする情報記録装
    置。
  2. 【請求項2】前記光センサに対して所定の移動と停止を
    行うことによって前記光センサの露光面を露光ごとに更
    新する移動停止手段と、その移動停止手段の動作を制御
    する制御手段と、を具備することを特徴とする請求項1
    記載の情報記録装置。
JP6150613A 1994-06-09 1994-06-09 情報記録装置 Withdrawn JPH07333643A (ja)

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