JPH089397A - カラー情報記録再生装置 - Google Patents

カラー情報記録再生装置

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JPH089397A
JPH089397A JP6158189A JP15818994A JPH089397A JP H089397 A JPH089397 A JP H089397A JP 6158189 A JP6158189 A JP 6158189A JP 15818994 A JP15818994 A JP 15818994A JP H089397 A JPH089397 A JP H089397A
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JP
Japan
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color
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light
image forming
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Withdrawn
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JP6158189A
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English (en)
Inventor
Osamu Shimizu
治 清水
Minoru Uchiumi
実 内海
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】情報記録感度の向上した光センサからなるカラ
ー情報記録再生装置を提供する。 【構成】半導電性であり光誘起電流増幅作用を有する光
センサと、高分子分散型液晶を積層して成る情報記録媒
体と、電圧印加手段と、第1の結像手段と、3色分解手
段と、から成るカラー情報記録部と、前記情報記録媒体
を照明する照明手段と、第2の結像手段と、読取り手段
と、から成るカラー情報再生部と、から構成されたカラ
ー情報記録装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラー光情報を可視情
報の形で記録し再生することのできる光センサと情報記
録媒体とからなるカラー情報記録再生装置に関し、特に
情報記録媒体への情報記録性能が著しく増幅される光セ
ンサを有するカラー情報記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】前面に電極が設けられた光導電層からな
る光センサと、その光センサに対向し、後面に電極が設
けられた電荷保持層からなる情報記録媒体とを光軸上に
配置し、両導電層間に電圧を印加しつつ露光し、入射光
学像に応じて、電荷保持層に静電電荷を記録させ、その
静電電荷をトナー現像するかまたは電位読み取りにより
再生する方法は、例えば特開平1─290366号公
報、特開平1─289975号公報に記載されている。
また、前記方法における電荷保持層を熱可塑性樹脂層と
し、静電電荷を熱可塑性樹脂層表面に記録した後加熱
し、熱可塑性樹脂層表面にフロスト像を形成することに
より記録された静電電荷を可視化する方法は、例えば特
開平3─192288号公報に記載されている。
【0003】更に、本出願人等は、前記情報記録媒体に
おける情報記録層を高分子分散型液晶層として、前記同
様に電圧印加時露光し、光センサにより形成される電界
により液晶層を配向させて情報記録を行い、情報記録の
再生にあたっては透過光あるいは反射光により可視情報
として再生する情報記録再生方法を、先に特願平4─3
394号、特願平4─24722号、特願平5─266
646号として出願した。この情報記録再生方法は偏光
板を使用しなくとも記録された情報を可視化できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】また、これらの情報記
録方法を応用した記録再生装置としては特開平4─77
083号公報に記載がある。こうした情報記録方法及び
装置において、さらに高感度、高解像度の情報記録再生
方法が求められていた。本発明は、情報記録感度の向上
した光センサからなるカラー情報記録再生装置の提供を
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】第1発明である、透明な
第1の基板と第1の透明電極と光導電層とを積層し、半
導電性であり、光誘起電流増幅作用を有する光センサ
と、高分子分散型液晶と第2の透明電極とを積層して成
る情報記録媒体と、前記第1の透明電極と前記第2の透
明電極に電圧を印加する電圧印加手段と、前記光センサ
に被写体像を結像する第1の結像手段と、前記光センサ
と前記結像手段の間にあって前記結像手段から射出され
る光を3色に分解するとともに3つの光路に分離させる
3色分解手段と、から成り3色別々の被写体像を情報記
録媒体に記録するよう構成されたカラー情報記録部と、
前記情報記録媒体を照明する照明手段と、前記情報記録
媒体によって変調された3色別々の被写体像の3つの光
路の光を結像する第2の結像手段と、前記第2の結像手
段による結像面に配置された読取り手段と、から成り情
報記録媒体に記録された3色別々の被写体像を再生する
よう構成されたカラー情報再生部と、から構成されるカ
ラー情報記録再生装置。第2発明である、透明な第1の
基板と第1の透明電極と光導電層とを積層し、半導電性
であり、光誘起電流増幅作用を有する光センサと、高分
子分散型液晶と第2の透明電極とを積層して成る情報記
録媒体と、前記第1の透明電極と前記第2の透明電極に
電圧を印加する電圧印加手段と、前記光センサに被写体
像を結像する第1の結像手段と、前記光センサと前記結
像手段の間にあって前記結像手段から射出される光を3
色に分解するとともに3つの光路に分離させる3色分解
手段と、から成り3色別々の被写体像を情報記録媒体に
記録するよう構成されたカラー情報記録部と、前記情報
記録媒体を照明する照明手段と、前記情報記録媒体によ
って変調された3色別々の被写体像の3つの光路の光を
合体させるとともに3色のフィルターを介して合成する
3色合成手段と、前記合成手段から出射される光を結像
する第2の結像手段と、から成り情報記録媒体に記録さ
れた3色別々の被写体像を再生するよう構成されたカラ
ー情報再生部と、から構成されるカラー情報記録再生装
置。第3発明である、前記第1の結像手段と前記第2の
結像手段は同一の手段を兼用したものであり、かつ前記
3色分解手段と前記3色合成手段は同一の手段を兼用し
たものである第2発明記載のカラー情報記録再生装置。
第4発明である、前記カラー情報再生部は、前記第2の
結像手段による結像面に配置された読取り手段を更に有
する第2,3発明記載のカラー情報記録再生装置。
【0006】
【作用】第1発明のカラー情報記録再生装置はカラー情
報記録部とカラー情報再生部から構成され、カラー情報
記録部によれば、光センサは透明な第1の基板と第1の
透明電極と光導電層とを積層して成り、半導電性であ
り、光誘起電流増幅作用を有する。また、情報記録媒体
は高分子分散型液晶と第2の透明電極とを積層して成
る。従って、電圧印加手段により前記第1の透明電極と
前記第2の透明電極に電圧を印加され、第1の結像手段
により前記光センサに被写体像が結像され、前記光セン
サと前記結像手段の間にある3色分解手段により前記結
像手段から射出される光が3色に分解されるとともに3
つの光路に分離されると、3色別々の被写体像が情報記
録媒体に記録される。またカラー情報再生部によれば照
明手段により前記情報記録媒体が照明され、第2の結像
手段により前記情報記録媒体によって変調された3色別
々の被写体像の3つの光路の光が結像し、読取り手段は
前記第2の結像手段による結像面に配置されているから
前記情報記録媒体に記録された3色別々の被写体像が再
生される。第2発明のカラー情報記録再生装置はカラー
情報記録部とカラー情報再生部から構成され、カラー情
報記録部によれば、光センサは透明な第1の基板と第1
の透明電極と光導電層とを積層して成り、半導電性であ
り、光誘起電流増幅作用を有する。また、情報記録媒体
は高分子分散型液晶と第2の透明電極とを積層して成
る。従って、電圧印加手段により前記第1の透明電極と
前記第2の透明電極に電圧を印加され、第1の結像手段
により前記光センサに被写体像が結像され、前記光セン
サと前記結像手段の間にある3色分解手段により前記結
像手段から射出される光が3色に分解されるとともに3
つの光路に分離されると、3色別々の被写体像が情報記
録媒体に記録される。またカラー情報再生部によれば照
明手段により前記情報記録媒体が照明され、3色合成手
段により前記情報記録媒体によって変調された3色別々
の被写体像の3つの光路の光を合体させるとともに3色
のフィルターを介して合成され、第2の結像手段により
3色合成手段から射出される光が結像され、カラー画像
として再生される。第3発明のカラー情報記録再生装置
によれば、第2発明において、前記第1の結像手段と前
記第2の結像手段が兼用され、かつ前記3色分解手段と
前記3色合成手段が兼用される。従って構成が簡単化さ
れる。第4発明のカラー情報記録再生装置によれば、第
2,第3発明において、前記カラー情報再生部は、前記
第2の結像手段による結像面に配置された読取り手段を
有するから、記録されたカラー情報は電気信号として再
生される。
【0007】
【実施例】以下、本発明のカラー情報記録再生装置につ
いて好適な実施例に基づいて説明する。図1はカラー情
報記録部(1)を示す図である。図1(A)において9
は被写体、10はレンズ、11はシャッター、12は3
色分解光学系、7は光センサ、8は情報記録媒体であ
る。3色分解光学系12は、ダイクロイックプリズムD
Pと、全反射面MR,MBと、光路補正用プリズムP
R,PBとによって構成されており、撮像動作時にダイ
クロイックプリズムDPに入射した被写体の光の中で緑
色光はダイクロイックプリズムDPを直進透過して情報
記録媒体5に被写体の緑色光による光学像を結像する。
【0008】また、ダイクロイックプリズムDPに入射
した被写体9の中で赤色光はダイクロイックプリズムD
Pで光路補正用プリズムPRの方に反射し、次いで全反
射面MRで全反射して光路補正用プリズムPR中を透過
して情報記録媒体5に被写体の赤色光による光学像を結
像し、さらに、ダイクロイックプリズムDPに入射した
被写体1の中で青色光はダイクロイックプリズムDPで
光路補正用プリズムPBの方に反射し、次いで全反射面
MBで全反射して光路補正用プリズムPB中を透過して
光センサ7に被写体の青色光による光学像を結像する。
それで、図1(B)に示すように、光センサ7には被写
体の緑色光による光学像の結像面と、被写体の赤色光に
よる光学像の結像面と、被写体の青色光による光学像の
結像面とは、それぞれガードバンドを隔てて隣接並置さ
れた状態に形成される。
【0009】また、図2はカラー情報記録部(2)を示
す図である。図2において図1と同一の部分には同一の
符号を用いてある(以下本発明に関する図において同一
の部分には同一の符号を用いる)。図2(A)中に示さ
れている3色分解光学系13は、ダイクロイックプリズ
ムDP1,DP2と、全反射面MR,MBと、光路補正
用プリズムPR,PBとによって構成されており、撮像
動作時にダイクロイックプリズムに入射した被写体9の
光の中で緑色光はダイクロイックプリズムDP1,DP
2を直進透過して光センサ7に被写体の緑色光による光
学像を結像する。
【0010】また、ダイクロイックプリズムに入射した
被写体9の中で赤色光はダイクロイックプリズムDP1
を透過した後にダイクロイックプリズムDP2に入射
し、ダイクロイックプリズムDP2で光路補正用プリズ
ムPRの方に反射し、次いで全反射面MRで全反射して
光路補正用プリズムPR中を透過して情報記録媒体5に
被写体の赤色光による光学像を結像し、さらに、ダイク
ロイックプリズムDP1に入射した被写体1の中で青色
光はダイクロイックプリズムDP1で光路補正用プリズ
ムPBの方に反射し、次いで全反射面MBで全反射して
光路補正用プリズムPB中を透過して光センサ7に被写
体の青色光による光学像を結像する。このようであるか
ら図2においても図1と同様に、情報記録媒体RMには
被写体の緑色光による光学像の結像面と、被写体の赤色
光による光学像の結像面と、被写体の青色光による光学
像の結像面とは、それぞれガードバンドを隔てて隣接並
置された状態に形成される(図2(B)参照)。
【0011】次に本発明の情報記録部における光センサ
7及び情報記録媒体8について説明する。光センサ7と
情報記録媒体8とは空隙を設けて、あるいは密着して積
層されており、それらの面にほぼ垂直な方向に電圧が印
加される。図3は本発明の情報記録装置において平面形
状の光センサ7と情報記録媒体8とを密着して積層した
場合を示す図である。図3において、1は第1の基板、
2は第1の透明基板、3は光導電層であり、光センサ7
はこれらから成る。また、光導電層は26の電荷発生
層、27の電荷輸送層から成る。また、5は第2の透明
電極、6は高分子分散型液晶であり、情報記録媒体8は
これらから成る。また、28は密着して積層する場合に
用いる誘電体層である。また、16は電源、17はスイ
ッチ、18は抵抗である。また、図4は本発明の情報記
録装置において平面形状の光センサ7と情報記録媒体8
とを空隙を設けて積層した場合を示す図である。この場
合は情報記録媒体8は4の第2の基板を有する。本発明
における光センサ7と情報記録媒体8とは、図7、図8
の何れの構成であってもよい。
【0012】図3、図4の構成において動作を説明する
(図1、図2参照)。制御回路(図示せず)によってシ
ャター11が開かれると被写体9からレンズ10を通過
した光は3色分解光学系12に至り、3色(Red,G
reen,Blue)に分解される。被写体9の像は透
明な第1の基板1と第1の透明電極2を透過して光導電
層3の面上に結像する。光導電層3は光導電性を有して
おり、結像した像の各部分の光量に応じて導電性が発現
する。即ち光の像は導電性の像に変換される。第1の透
明電極2と第2の透明電極5の間には電圧印加手段によ
って電圧が印加されるようになっている。電源16にお
いて、一方の電極端子はアースされ、このアース端子は
アースを通じて情報記録媒体8の第2の透明電極に接続
されている。またもう一方の電極端子は制御回路13に
よって開閉を制御されるスイッチ17を介して光センサ
7の第1の透明電極に接続されている。また第1の透明
電極2と第2の透明電極5との間には抵抗18が接続さ
れており、スイッチ17が開いた状態においては、電極
間の蓄積電荷は抵抗18を通過して放電させられるため
両電極間には電位差は生じない。
【0013】前述の光の像が導電性の像に変換された状
態において、スイッチ17が閉じられ所定の電圧が印加
されると、光導電層3の導電性に応じて電流が流れる。
これを光誘起電流と呼び、本発明における光導電層はこ
の光誘起電流を増幅する作用が顕著である点が特徴の一
つとなっている。この光誘起電流によって高分子分散型
液晶は配向させられて光散乱体から光透過体へと変化す
る。所定の電圧を所定の時間だけ印加した後、制御回路
によって電圧の印加を停止すると、高分子分散型液晶6
のメモリ機能によって配向の状態は保たれる。即ち結像
した像は高分子分散型液晶6の光散乱状態の違いとして
記録される。
【0014】図5はカラー情報再生部(1)を示す図で
ある。図5において、14は光源、8は情報記録媒体、
15はレンズ、19はラインイメージセンサB、20は
ラインイメージセンサG、21はラインイメージセンサ
R、22は各ラインイメージセンサ用の増幅器、23は
信号処理器、24は出力器である。以上の構成におい
て、図5のカラー情報再生部(1)の動作を説明する。
光源14から放出される光は、前述した方法によって情
報が記録されている情報記録媒体8(図1、図2参照)
に照射される。情報記録媒体8に照射された光は、情報
記録媒体8を通過する際に変調され、変調された光はレ
ンズ15によってラインイメージセンサ上に結像する。
【0015】情報記録媒体8に記録されている青色光に
よる記録像はラインイメージセンサB19に結像し、緑
色光による記録像はラインイメージセンサG20に結像
し、赤色光による記録像はラインイメージセンサR21
に結像するように、情報記録媒体8、レンズ15、各ラ
インイメージセンサが配置されている。主走査方向が垂
直方向となっている各ラインイメージセンサは、それら
の主走査方向と直角方向に副走査される。この副走査は
各ラインイメージセンサを周知の平行移動機構を用いて
その副走査方向(矢印Xの方向)に移動することによっ
て行うことができる。また、各ラインイメージセンサは
固定しておき、情報記録媒体8を機械的にその副走査方
向(矢印X’の方向)に移動することによって行うこと
ができる。通常は後者の副走査が行われ、そうすること
によって、光源14から放出される方向によって異なる
光量分布や、レンズ15の中心と周辺に於ける明るさの
違いを補正する場合に、光源14、レンズ15、各ライ
ンイメージセンサの位置関係が固定されているため、補
正方法が簡単になる。
【0016】前記したラインイメージセンサB19は、
記録済み情報記録媒体8における、青色光による記録像
領域を透過した光を光電変換した青色信号を増幅器B2
2に出力し、またラインイメージセンサG20は、記録
済み情報記録媒体8における、緑色光による記録像領域
を透過した光を光電変換した緑色信号を増幅器G23に
出力し、またラインイメージセンサR21は、記録済み
情報記録媒体8における、赤色光による記録像領域を透
過した光を光電変換した赤色信号を増幅器R24に出力
する。前記した青色信号、緑色信号、赤色信号は同時信
号として発生されており、各色信号は各増幅器22〜2
4によって増幅された後に信号処理器25において、例
えばガンマ補正、マトリックス演算、クリップ、セット
アップ等の信号処理が行われた後に出力器29、例えば
モニタ受信機、プリンタ、フレームメモリ等に与えられ
る。
【0017】図6はカラー情報再生部(2)を示す図で
ある。図6において、前述までの図と異なる部分のみ説
明すると、30は3色合成光学系、31はカラーイメー
ジセンサ、32は遅延器G、33は遅延器Bである。図
6の構成において動作を説明する。光源14はR,G,
B色の波長成分を含む略白色の光源であり、光源14か
ら放出された読み出し光は、記録済みの情報記録媒体8
を照射する。記録済みの情報記録媒体8は、前述の図1
または図2に示した構成のカラー情報記録部を用いて、
記録対象とされている情報(被写体9)をR,G,Bの
3色、各々毎の記録が並置されている状態のものとして
記録されたものである。情報記録媒体8に照射された光
は、情報記録媒体8を透過して変調された3系統(R,
G,B)の光となって出射される。この出射された3系
統の光は3色合成光学系30において、3色合成光学系
30の3つの入射面に各々入射される。
【0018】入射された光は、3色合成光学系30にお
いてR系統の光は、プリズムPRを通過し全反射面MR
で反射されてダイクロイックプリズムMRに入射し、更
にダイクロイックプリズムMRにおいて、反射されると
ともに赤フィルターが掛けられ赤色の光となって出射さ
れる。またG系統の光は、ダイクロイックプリズムMR
を透過するとともに緑フィルターが掛けられ緑色の光と
なって出射される。またB系統の光は、プリズムPBを
通過し全反射面MRで反射されてダイクロイックプリズ
ムMRに入射し、更にダイクロイックプリズムMRにお
いて反射されるとともに青フィルターが掛けられ青色の
光となって出射される。図6のカラー情報再生部(2)
で用いられている3色合成光学系30は、図1のカラー
情報記録部(1)で用いられている3色分解光学系12
と同一の構成のものを逆向きで使用しているのであり、
3色合成光学系30からレンズ15に対してカラー情報
が入射されることになる。
【0019】レンズ15は3色合成光学系30から出射
される、3系統の光が合成されたカラー画像情報をカラ
ーリニアイメージセンサ31に結像させる。カラーリニ
アイメージセンサ31は3つの原色(R,G,B)の各
々に感度のある3つのラインイメージセンサを備えてお
り、3つの色信号を同時信号として出力できる。図5の
場合と同様に、カラーリニアイメージセンサ31と記録
済みの情報記録媒体8との何れか一方のものは、カラー
リニアイメージセンサ31における主走査方向と直角の
方向に副走査される。カラーリニアイメージセンサ31
は、情報記録媒体8における赤色光により記録された記
録領域を透過した光を光電変換した赤色信号を増幅器2
4に与え、情報記録媒体8における緑色光により記録さ
れた記録領域を透過した光を光電変換した緑色信号を増
幅器23に与え、情報記録媒体8における青色光により
記録された記録領域を透過した光を光電変換した青色信
号を増幅器22に与える。
【0020】そして、前記した各色信号は各増幅器によ
って増幅された後に、同時信号として信号処理回路に出
力される。カラーリニアイメージセンサ31における各
原色毎のラインイメージセンサは、副走査方向に所定の
間隔を隔てて設けられているために、その間隔と対応し
た時間遅れが各色信号間に生じている。そこでカラーリ
ニアイメージセンサ31から出力される3つの色信号の
中で最も遅れている色信号を基準として、他の2つの色
信号に対してそれぞれ所定の時間遅れを与えて、カラー
リニアイメージセンサ31から出力される3つの色信号
を同時信号にする。図6において緑色信号と青色信号と
についてはそれぞれ所定の遅延回路G32と遅延回路B
33を介して信号処理回路25に出力することにより、
3つの色信号が同時信号として信号処理回路25に出力
されるようにしている。信号処理回路25では、例えば
ガンマ補正、マトリックス演算、クリップ、セットアッ
プ等の信号処理を行って、出力機器、例えばモニタ受信
機、プリンタ、フレームメモリ等に出力信号を与える。
【0021】以上図6の説明において、レンズ15によ
って結像したカラー光学像は、カラーイメージセンサ3
1上に結像したものであることを説明したが、このカラ
ー光学像をスクリーンに投影して、人が目視でモニター
できるように再生することも可能である。またハーフミ
ラーによって、カラー光学像を分けてカラーイメージセ
ンサ31上とスクリーンの両方に結像するよう構成する
ことも可能である。
【0022】図7はカラー情報記録再生装置におけるカ
ラー情報記録部とカラー情報再生部とにおいて、兼用で
きる構成部材を兼用させることができるようにした構成
を示す図である。図7において前述までの図と異なる部
分のみ説明すると、34はカラー情報記録再生装置の筐
体、35はカラー情報記録部とカラー情報再生部とにお
いて兼用される兼用構成部である。図7に示すカラー情
報記録再生装置において、兼用構成部35は情報記録媒
体の装着機構、送り機構、光センサ、3色分解光学系1
2(3色合成光学系30)、レンズ10、15とを含ん
で構成されている兼用構成部分35であって、兼用構成
部35はカラー情報記録部として動作させる時は図7に
おいて2点鎖線で示すように取り出されて、通常の光学
カメラのような使用態様と同様にカラー情報の記録を行
うことができる。また、この兼用構成部35がカラー情
報再生部に組み込まれて使用される時は、読み出し光で
ある光源14によって兼用構成部35の情報記録媒体8
が照射されるようにし、またレンズ15の位置を変化さ
せるようにして情報記録媒体8から読み出された光学情
報がカラーリニアイメージセンサ31に結像するように
する。
【0023】カラーリニアイメージセンサ31から出力
された3原色信号の同時信号は、図6を参照して既に述
べたカラー情報再生部の動作と同様に信号処理器におい
て所定の信号処理が施された後に出力器29に出力され
る。カラー情報記録部とカラー情報再生部とにおいて兼
用される兼用構成部35は、図7に示したような構成部
分に限られることはなく、例えば、図1、図2における
撮像レンズ、シャッタ、3色分解光学系などからなる兼
用構成部35であってもよい。
【0024】〔光センサの構成及び材料〕次に本発明に
おける光センサの構成及び材料について説明する。光セ
ンサにおいて、電荷発生層26は電荷発生性物質とバイ
ンダーからなる。電荷発生性物質としては、ピリリウム
系染料、アズレニウム系染料、スクアリリウム塩系染
料、フタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、多環キノ
ン系顔料、インジゴ系顔料、ピロール系顔料、アゾ系顔
料等の染料、顔料を単独あるいは複数のものを組み合わ
せて使用することができる。バインダーとしては、例え
ばポリカーボネイト樹脂、ビニルホルマール樹脂、ビニ
ルアセタール樹脂、ビニルブチラール樹脂、ポリエステ
ル樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹
脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル─酢酸ビニル共重合体
樹脂等が挙げられ、それぞれバインダー樹脂を単独また
は複数のものを組み合わせて使用することができる。
【0025】これらの電荷発生剤とバインダーの混合比
は、電荷発生剤1重量部に対してバインダーを0.1〜
10重量部、好ましくは0.2〜1重量部の割合で使用
することが望ましい。電荷発生層は乾燥後膜厚として
0.01〜1μmであり、好ましくは0.1〜0.5μ
mとするとよく、このような膜厚とすることによって良
好な感度と画質を示す。また、先に示した電荷発生性物
質で蒸着可能なものは、バインダーを用いず、単独で成
膜することもできる。
【0026】電荷輸送層27は電荷輸送性物質とバイン
ダーとからなる。電荷輸送性物質は、電荷発生層で発生
した電荷の輸送特性がよい物質であり、例えば、オキサ
ゾール系、チアゾール系、トリフェニルメタン系、スチ
リル系、スチルベン系、ヒドラゾン系、カルバゾール
系、エナミン系、芳香族アミン系、トリフェニルアミン
系、ブタジエン系、多環芳香族化合物系、ビフェニル系
等があり、ホール輸送特性の良い物質とすることが必要
である。
【0027】バインダーとしては、前記した電荷発生層
におけるバインダーと同様のもの、さらにスチレン樹
脂、スチレン─ブタジエン共重合体樹脂、ポリアリレー
ト樹脂、フェノキシ樹脂が使用できるが、好ましくはス
チレン樹脂、スチレンブタジエン共重合体樹脂、ポリカ
ーボネイト樹脂である。バインダーは、電荷輸送性物質
1重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.
1〜1重量部の割合で使用することが望ましい。電荷輸
送層は乾燥後膜厚として1〜50μmであり、好ましく
は3〜26μmとするとよく、このような膜厚とするこ
とによって良好な感度と画質が得られる。
【0028】第1の透明電極2は、情報記録媒体が不透
明であれば透明性を有する必要であるが、情報記録媒体
が透明性を有する場合には透明、不透明いずれでもよ
く、106 Ω・cm以下の比抵抗を安定して与える材
料、例えば金、白金、亜鉛、チタン、銅、鉄、錫等の金
属薄膜導電膜、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸
化チタン、酸化タングステン、酸化バナジウム等の金属
酸化物導電膜、四級アンモニウム塩等の有機導電膜等
を、単独あるいは二種以上の複合材料として用いること
ができる。なかでも酸化物導電体が好ましく、特に酸化
インジウム錫(ITO)が好ましい。
【0029】第1の透明電極2は蒸着、スパッタリン
グ、CVD、コーティング、メッキ、ディッピング、電
界重合等の方法により形成される。またその膜厚は電極
を構成する材料の電気特性、および情報記録の際の印加
電圧により変化させる必要があるが、例えばITO膜で
は10〜300nm程度であり、情報記録層との間の全
面、あるいは任意のパターンに合わせて形成される。ま
た、二種類以上の材料を積層して用いることもできる。
【0030】第1の基板1は、後述する情報記録媒体が
不透明であれば透明性を有することが必要であるが、情
報記録媒体が透明性を有する場合には、透明不透明いず
れでもよく、カード、フィルム、テープ、シート、ディ
スク等の形状を有し、光センサを強度的に支持するもの
である。例えば可撓性のあるプラスティックフィルム、
あるいはガラス、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、
ポリメチルアクリレート、ポリエステル、ポリカーボネ
ート等のプラスチックシート、カード等の剛体が使用さ
れる。なお、基板の電極13が設けられる面の他方の面
には、電極13が透明であれば必要に応じて反射防止効
果を有する層を積層するか、または反射防止効果を発現
し得る膜厚に透明基板を調整するか、更に両者を組み合
わせることにより反射防止性を付与するとよい。
【0031】光導電層には電子受容性物質、増感色素、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を添加してもよ
い。電子受容性物質および増感色素にはベース電流の調
整、ベース電流の安定化、増感等の作用がある。それぞ
れ光導電性物質1重量部に対して0.001〜10重量
部、好ましくは0.01〜1重量部の割合で添加され
る。0.001重量部よりも少ないと作用を示さず、1
0重量部より多い場合には、画質に悪影響を与える。以
上で本発明の光センサの構成及び材料の説明を終える。
【0032】〔積層型光センサの作製〕次に、積層型光
センサの作製方法について説明する。充分洗浄した厚さ
1.1mmのガラス基板上に、スパッタリングにより面
積抵抗80Ω/□、膜厚100nmのITO膜を成膜
し、電極を得た。電極をスクライバー洗浄機(商品名プ
レートクリーナー モデル602 ウルトラテック社)
にて、純水噴射2秒、スクライバー洗浄20秒、純水リ
ンス15秒、高速回転による水分の除去25秒、赤外線
乾燥55秒の洗浄処理を2回行った。その電極上に電荷
発生性物質として下記表1に示す構造を有するビスアゾ
顔料3重量部、塩化ビニル─酢酸ビニル混合樹脂(電気
化学工業製 デンカビニル#1000Dとアルドリッチ
社製 18、325.89J 酢酸ビニル樹脂との7
5:25の混合物)1重量部とを、1,4─ジオキサン
98重量部、シクロヘキサノン98重量部と混合し、混
合機により充分に混練を行い塗布液とし、スピンナーに
て1400rpm、0.4秒でコーティングした。
【0033】
【化1】 その後、塗膜の表面に皮膜が形成されて、表面が付着し
なくなるまでの間、無塵下で放置しレベリング乾燥を行
った後、100℃、1時間乾燥して膜厚300nmの電
荷発生層を積層した。
【0034】この電荷発生層上に電荷輸送性物質として
下記表2に示す構造のブタジエン誘導体(アナン製 T
─405)50重量部とスチレン─ブタジエン共重合体
樹脂(電気化学工業製 クリアレン730L)10重量
部とをクロロベンゼン68重量部、1,1,2─トリク
ロロエタン136重量部とを均一に溶解し塗布液とし
た。
【0035】
【化2】 その塗布液を用い、スピンナーにて350rpm、0.
4秒でコーティングし、塗膜の表面に皮膜が形成され
て、塗膜の表面が付着しなくまるまでの間、無風下で放
置しレベリング乾燥を行った後、80℃2時間乾燥して
電荷輸送層を積層し、電荷発生層と電荷輸送層とからな
る膜厚20μmの光導電層を有する本発明光センサを製
作し、室温、相対湿度60%以下の暗所において3日間
エージングを行った。
【0036】〔情報記録媒体の構成及び材料〕次に情報
記録媒体2の構成及び材料について説明する。まず、本
発明における情報記録媒体としては、その情報記録層が
高分子分散型液晶とする場合が挙げられる。高分子分散
型液晶は液晶相中に樹脂粒子が分散した構造を有してい
るが、液晶材料は、スメクチック液晶、ネマチック液
晶、コレステリック液晶あるいはこれらの混合物を使用
することができる。液晶としては、その配向性を保持
し、情報を永続的に保持させる、いわゆるメモリー性の
観点から、スメクチック液晶を使用することが好まし
い。
【0037】スメクチック液晶としては、液晶性を呈す
る物質の末端基の炭素基が長いシアノビフェニル系、シ
アノターフェニル系、フェニルエステル系、更にフッ素
系等のスメクチックA相を呈する液晶物質、強誘電性液
晶として用いられるスメクチックC相を呈する液晶物
質、あるいはスメクチックH、G、E、F等を呈する液
晶物質等が挙げられる。
【0038】樹脂粒子を形成する材料としては、例え
ば、紫外線硬化型樹脂であって、モノマー、オリゴマー
の状態で液晶材料と相溶性を有するもの、あるいはモノ
マー、オリゴマーの状態で液晶材料と共通の溶媒に相溶
性を有するものを好ましく使用できる。このような紫外
線硬化樹脂としては、例えばアクリル酸エステル、メタ
クリル酸エステル等が挙げられる。その他、液晶材料と
共通の溶媒に相溶性を有する溶媒可溶型の熱硬化性樹
脂、例えばアクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリスチレン樹脂、およびこれらを主体とした
共重合体等、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等を使用し
てもよい。
【0039】液晶材料と樹脂の使用割合は、液晶の含有
率が10重量部%〜90重量部%、好ましくは40重量
部%〜80重量部%となるようにして使用するとよく、
10重量部%未満であると情報記録により液晶相が配向
しても光透過性が低く、また、90重量%を超えると液
晶のしみ出し等の現象が生じ、画像むらが生じ好ましく
ない。情報記録層の膜厚は解像性に影響を与えるので、
乾燥後膜厚0.1μm〜10μm、好ましくは3μm〜
8μmとするとよく、高解像性を維持しつつ、動作電圧
も低くすることができる。膜厚が薄すぎると情報記録部
のコントラストが低く、また、厚すぎると動作電圧が高
くなるので好ましくない。以上で本発明の情報記録媒体
の構成及び材料の説明を終える。
【0040】〔情報記録媒体の作製〕次に、情報記録媒
体の作製方法について説明する。厚さ1.1mmのガラ
ス基板上に導電層として、膜厚100nmのITO膜を
スパッタリングにより成膜し、電極を得た後、表面洗浄
を行った。この電極上に、多官能性モノマー(ジペンタ
エリストールヘキサアクリレート、東亜合成化学製、M
−400)40重量部、光硬化開始剤(2─ヒドロキシ
─2─メチル─1─フェニルプロパン─1─オン、チバ
ガイギー社製、ダロキュア1173)2重量部、液晶を
50重量部(そのうちスメクチック液晶(メルク社製、
S─6)が90%、ネマチック液晶(メルク社製、E3
1LV)が10%)、界面活性剤(住友スリーエム社
製、フロラードFC─430)3重量部キシレン96重
量部中に均一に溶解して得た塗布液を、50μmのギャ
ップを設けたブレードコーターを用いてコーティングし
た後、47℃で3分間乾燥し、次いで47℃で2分間減
圧乾燥を行い、直ちに0.3J/cm2 no赤外線照射
によって塗布膜を硬化させ、膜厚6μmの情報記録層を
有する情報記録媒体を得た。情報記録層面を熱メタノー
ルを用いて液晶を抽出し、乾燥させた後、走査型電子顕
微鏡(日立製作所製 S−800)で1000倍で内部
構造を観測したところ、層の表面は0.6μm紫外線硬
化樹脂で覆われ、層内部には連続層を成す液晶相中に、
粒径0.1μmの樹脂粒子相が充填した構造を有してい
た。
【0041】〔一体型の中間層の構成及び材料〕前述の
ように図3の情報記録装置の構成は、図4の情報記録装
置の構成における光センサと情報記録媒体とを誘電体層
28を介して対向配置し、直接積層した一体型としたも
のである。第2の情報記録システムは、光センサにおけ
る光導電層が溶媒を使用して塗布形成される場合に特に
適しており、光導電層上に情報記録層を直接塗布形成す
ると、それらの相互作用により情報記録層における液晶
が溶出したり、また、情報記録層形成用の溶媒により光
導電材料が溶出することによる画像ムラを防止すること
ができ、また光センサと情報記録媒体との一体化を可能
とするものである。
【0042】誘電体層28は、その形成にあたって、光
導電層形成材料、情報記録層形成材料にいずれに対して
も溶解性を有しないことが必要であり、また導電性を有
しないことが必要である。導電性を有する場合には、空
間電荷の拡散が生じ、解像度の劣化が生じることから絶
縁性が要求される。また、誘電体層は液晶層にかかる分
配電圧を低下させたり、あるいは解像性を悪化させるの
で、膜厚は薄い方が好ましく、2μm以下とするとよい
が、逆に薄くすることにより、経時的な相互作用による
画像ノイズの発生ばかりでなく、積層塗布する際にピン
ホール等の欠陥による浸透の問題が生じる。ピンホール
等の欠陥による浸透性は積層塗布する材料の固形分比
率、溶媒の種類、粘度により異なるので、積層塗布され
るものの膜厚は適宜設定されるが、少なくとも10μm
以下の膜厚とするとよく、好ましくは0.1μm〜3μ
mとするとよい。さらに、各層に掛かる電圧分配を考慮
した場合、薄膜化と共に誘電率の高い材料が好ましい。
【0043】誘電体層28を形成する材料としては、無
機材料ではSiO2 、TiO2 、CeO2 、Al
2 3 、Si3 4 AiN、TiN、MgF2 、Zn
S、二酸化珪素と二酸化チタンとの組み合わせ、硫化亜
鉛と弗化マグネシウムの組み合わせ、酸化アルミニウム
とゲルマニウムの組み合わせ等を使用し、蒸着法、スパ
ッタ法、化学蒸着(CVD)法等により積層して形成す
るとよい。また、有機溶剤に対して相溶性の少ない水溶
性樹脂、例えばポリビニルアルコール、水系ポリウレタ
ン、水ガラス等の水溶液を使用し、スピンコート法、ブ
レードコート法、ロールコート法等により積層してもよ
い。更に、塗布可能なフッ素樹脂を使用してもよく、こ
の場合にはフッ素系溶剤に溶解し、スピンコート法によ
り塗布するか、またブレードコート法、ロールコート法
等により積層してもよい。
【0044】塗布可能なフッ素樹脂としては、例えば特
開平4─24728号公報等に開示されたフッ素樹脂、
更に真空系で膜形成されるポリパラキシリレンやポリビ
ニルアルコール等の有機材料を好ましく使用することが
できる。以上、情報記録媒体として、情報露光による記
録を液晶の配向により可視化した状態とするものである
が、液晶と樹脂との組合せを選ぶことにより、一旦配向
し、可視化した情報は消去せず、メモリ性を付与するこ
とができる。また、等方相転移付近の高温に加熱する
と、メモリ性を消去することができるので、再度の情報
記録に使用することができる。以上により本発明の一体
型における中間層の構成及び材料の説明を終える。
【0045】〔情報記録媒体の温度特性〕次に本発明で
使用される情報記録媒体の温度特性について説明する。
図8は本発明で使用される情報記録媒体の温度特性の一
例を示す図である。図8において、横軸は高分子分散型
液晶6に印加される電圧(Volt)であり、縦軸は変
調率(%)を表している。変調率とは、光学的に情報記
録媒体の記録情報を読み出す場合において、最大の光透
過状態における検出器の出力を100%とし、最大の光
散乱状態における検出器の出力を0%としたスケール
を、検出器の出力に与えたものである。図に示すよう
に、電圧の変化に対して急峻に変調率が変化するのは、
感度が極めて高いことを示している。一方温度に対する
変調率の特性変化は、温度が変化するような環境で使用
する場合に温度、電圧等の制御を行うように構成するこ
とを示している。また、このような特性を利用して記録
された情報を消去することが可能であることも示してい
る。本発明においては、このような情報記録媒体の特性
を考慮して、使用時の温度条件、電圧条件等の具体的な
設定が行われる。
【0046】〔光センサの光誘起電流増幅作用〕次に本
発明の特徴の一つである光センサ7の光誘起電流増幅作
用について説明する。光センサへの光パターン照射時に
おいて光センサは導電性が発現し、情報記録媒体に分与
される電圧または付与される電荷量が経時的に増幅され
る。また、光照射を終了した後でも電圧を印加し続ける
と、光センサはその発現した導電性を緩和減衰的に持続
し、引き続き情報記録媒体に分与される電圧または付与
される電荷量が経時的に増幅される。そしてこれら電圧
と電荷量は、光センサに照射された光パターンと同形の
電圧パターン、電荷量パターンを形成し、更に必要に応
じて可視パターン等に媒体変換が行われて情報記録媒体
に記録される。
【0047】光センサにおける、上記付与される電荷量
の経時的増幅作用、即ち“光誘起電流増幅作用”につい
て更に詳細を説明する。次のように光センサ及び測定装
置を構成し、その光センサの光誘起電流増幅作用を測定
する。透明ガラス上にITO電極を設け、その電極上に
光導電層を形成し、更にその光導電層上に0.16cm
2 の金電極を形成する。そして、この両電極間にITO
電極を正極として直流の一定電圧を印加するとともに、
電圧印加開始後0.5秒後に基板側から0.033秒間
光照射し、測定時間中の光センサにおける電流値の挙動
を、光照射開始時(t=0)から測定する。なお照射光
は、キセノンランプ(浜松ホトニクス社製L2274)
を光源に、図9に示す特性のグリーンフィルター(日本
真空光学社製)により、緑色光を選択して照射し、照射
光強度を照度計(ミノルタ社製)で測定し、20ルック
スのものとする。
【0048】この光強度で光照射した時、光源のパワー
スペクトル、透明基材、ITO膜の光透過率、フィルタ
ーの分光特性を考慮すると、光導電層には4.2×10
11個/cm2 秒のフォトンが入射する。そして、入射し
たフォトンが全て光キャリアに変換されると、理論的に
は光電流としては単位面積当たり1.35×10-6A/
cm2 の電流が発生する。
【0049】ここで、前記測定装置により測定する場合
に、理論的光電流に対して、光センサで実際に発生した
光誘起電流の場合(光センサで実際に発生した光誘起電
流値/理論的光電流値)をその光センサにおける量子効
率と定義する。また光誘起電流とは、光照射部の電流値
から光を照射しない場合部分で流れる電流であるベース
電流値を差し引いたものであり、光照射中あるいは光照
射後もベース電流以上の光照射に起因する電流が流れる
ものをいい、いわゆる光電流とは相違する。本発明の光
センサにおける光誘起電流増幅作用とは、このような光
誘起電流の挙動のことであると定義する。
【0050】本発明における光誘起電流増幅作用を有す
る光センサと、光誘起電流増幅作用を有しない光センサ
(以下比較センサという)とを、前記測定装置での測定
結果を使用して説明する。まず、比較センサについての
測定結果を図10に示す。図10において、(m)線
は、前記理論値(1.35×106 A/cm2 )を示す
参考線で、光照射を0.033秒間行い、光照射後も電
圧印加を継続した状態を示す。(n)線は光誘起電流増
幅作用を有しない光センサの実測線で光照射中の量子効
率の変化を図11に示す。
【0051】これに対して、本発明における光センサ
は、一例として図12に示すように光照射時は光誘起電
流が増加し、量子効率の関係を示す図13から明らかな
ように、約0.01秒で量子効率は1を超え、その後も
量子効率は増加を続けることがわかる。また、比較セン
サでは光照射終了と同時に光電流が急激に減衰するた
め、光照射後継続して電圧印加しても光情報として有効
な電流は得られない。これにたいして本発明の光センサ
においては、光照射後も電圧印加を継続することのより
光誘起電流が継続して流れ、引き続いて光誘起電流を取
り出すことができ、光情報をつづけて得ることができ
る。以上で本発明における光センサの有機電流増幅作用
についての説明を終える。
【0052】〔光センサの半導電性〕本発明の光センサ
は、その光導電層が暗時において半導電性材料であり、
流れる電流密度から暗時の比抵抗が109 〜1013Ω・
cmであることが好ましい。特に、比抵抗が1010〜1
11Ω・cmのもので増幅作用が顕著である。比抵抗が
1013Ω・cmよりも大きい光センサでは、105 〜1
6 V/cmの電界強度範囲では本発明の光センサのよ
うな増幅作用を示さない。また、比抵抗が109 Ω・c
m未満の光センサでは、電流が非常に多く流れ、電流に
よるノイズが発生し易く好ましくない。
【0053】これに対して、一般の電子写真用で用いら
れている有機感光体には、暗時において絶縁性材料であ
る暗時の比抵抗が1014〜1016Ω・cmの材料が用い
られている。従って、本発明の光センサを電子写真に用
いた場合は、電子写真の目的を達することができない。
また、一般の電子写真において用いられる有機感光体
は、本発明の光センサに使用した場合は、本発明の目的
を達することができない。
【0054】また、情報記録媒体における情報記録層が
特に高分子分散型液晶である場合には、液晶の動作電圧
領域に光センサの感度を設定することが必要である。即
ち、最大露光部において情報記録媒体に印加される電圧
(明電位)と最小露光部において情報記録媒体に印加さ
れる電圧(暗電位)との間の電圧であるコントラスト電
圧は、情報記録媒体における高分子分散型液晶の動作電
圧領域に含まれ、所定の動作振幅が得られる大きさをと
ることが必要となる。そのため、例えば光センサの最小
露光部の液晶層に印加される暗電位は、液晶の動作開始
電位程度に設定する必要がある。したがって、情報記録
媒体の抵抗率が常温で1010〜1013Ω・cmであり、
光センサに105 〜106 V/cmの電界が与えられた
状態で、10-4〜10-7A/cm2 のベース電流が生じ
る程度の導電性が要求され、好ましくは10-5〜10-6
A/cm2 の範囲がよい。
【0055】ベース電流が10-7A/cm2 未満の光セ
ンサでは高分子分散型液晶層が最大露光状態でも配向せ
ず、また10-4A/cm2 以上のベース電流での光セン
サでは液晶層が最小未露光状態でも電圧印加と同時に大
きな電流が流れ、高分子分散型液晶が配向してしまう。
従って、露光したとしても露光量による透過率の差が得
られない。また、液晶の種類によって動作電圧および範
囲が異なるものもあるので、印加電圧および電圧印加時
間を設定するにあたっては、情報記録媒体における電圧
配分を考慮する必要がある。以上で本発明の光センサの
半導電性についての説明を終える。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の情報記録
装置によれば、光誘起電流増幅作用を有する光センサを
用いており高感度であり、またその光センサと高分子分
散型液晶を構成要素とする情報記録媒体とを組み合わせ
たことにより高解像度の記録が行える。また、第1発明
のカラー情報記録再生装置はカラー情報記録部とカラー
情報再生部から構成され、カラー情報記録部によれば、
光センサは透明な第1の基板と第1の透明電極と光導電
層とを積層して成り、半導電性であり、光誘起電流増幅
作用を有する。また、情報記録媒体は高分子分散型液晶
と第2の透明電極とを積層して成る。従って、電圧印加
手段により前記第1の透明電極と前記第2の透明電極に
電圧を印加され、第1の結像手段により前記光センサに
被写体像が結像され、前記光センサと前記結像手段の間
にある3色分解手段により前記結像手段から射出される
光が3色に分解されるとともに3つの光路に分離される
と、3色別々の被写体像が情報記録媒体に記録される。
またカラー情報再生部によれば照明手段により前記情報
記録媒体が照明され、第2の結像手段により前記情報記
録媒体によって変調された3色別々の被写体像の3つの
光路の光が結像し、読取り手段は前記第2の結像手段に
よる結像面に配置されているから前記情報記録媒体に記
録された3色別々の被写体像が再生される。従って、第
1発明のカラー情報記録再生装置によれば、カラー情報
の高感度かつ高解像度の記録を行えるとともに、電気信
号としてカラー情報を再生することができる。また、第
2発明のカラー情報記録再生装置はカラー情報記録部と
カラー情報再生部から構成され、カラー情報記録部によ
れば、光センサは透明な第1の基板と第1の透明電極と
光導電層とを積層して成り、半導電性であり、光誘起電
流増幅作用を有する。また、情報記録媒体は高分子分散
型液晶と第2の透明電極とを積層して成る。従って、電
圧印加手段により前記第1の透明電極と前記第2の透明
電極に電圧を印加され、第1の結像手段により前記光セ
ンサに被写体像が結像され、前記光センサと前記結像手
段の間にある3色分解手段により前記結像手段から射出
される光が3色に分解されるとともに3つの光路に分離
されると、3色別々の被写体像が情報記録媒体に記録さ
れる。またカラー情報再生部によれば照明手段により前
記情報記録媒体が照明され、3色合成手段により前記情
報記録媒体によって変調された3色別々の被写体像の3
つの光路の光を合体させるとともに3色のフィルターを
介して合成され、第2の結像手段により3色合成手段か
ら射出される光が結像され、カラー画像として再生され
る。従って、第1発明のカラー情報記録再生装置によれ
ば、カラー情報の高感度かつ高解像度の記録を行えると
ともに、カラー映像としてカラー情報を再生することが
でき、そのカラー映像は、直接的に人によって目視モニ
ターが行える。また、第3発明のカラー情報記録再生装
置によれば、第2発明において、前記第1の結像手段と
前記第2の結像手段が兼用され、かつ前記3色分解手段
と前記3色合成手段が兼用される。従って構成が簡単化
され装置コストが下がるとともに、同一の特性を有する
光学変換系を使用するから記録再生のトータル性能が向
上する。また、第4発明のカラー情報記録再生装置によ
れば、第2,第3発明において、前記カラー情報再生部
は、前記第2の結像手段による結像面に配置された読取
り手段を有するから、記録されたカラー情報は電気信号
として再生される。以上にように、本発明によれば、高
感度、高解像度のカラー情報記録再生装置を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるカラー情報記録部(1)を示す
図である。
【図2】本発明におけるカラー情報記録部(2)を示す
図である。
【図3】本発明の情報記録装置において平面形状の光セ
ンサ7と情報記録媒体8とを密着して積層した場合を示
す図である。
【図4】本発明の情報記録装置において平面形状の光セ
ンサ7と情報記録媒体8とを空隙を設けて積層した場合
を示す図である。
【図5】本発明におけるカラー情報再生部(1)を示す
図である。
【図6】本発明におけるカラー情報再生部(2)を示す
図である。
【図7】本発明のカラー情報記録再生装置におけるカラ
ー情報記録部とカラー情報再生部とにおいて、兼用でき
る構成部材を兼用させることができるようにした構成を
示す図である。
【図8】本発明で使用される情報記録媒体の温度特性の
一例を示す図である。
【図9】本発明で使用されるグリーンフィルターの特性
を示す図である。
【図10】本発明における光センサとは異なり、光誘起
電流増幅作用を有しない従来のセンサについての測定結
果を示す図である。
【図11】光誘起電流増幅作用を有しない光センサの光
照射中の量子効率の変化を示す図である。
【図12】本発明における光誘起電流増幅作用を有する
光センサにおいて、光照射時の光誘起電流の増加を示す
図である。
【図13】本発明における光誘起電流増幅作用を有する
光センサにおいて、光照射時の光誘起電流の量子効率を
示す図である。
【符号の説明】
1 第1の基板 2 第1の透明電極 3 光導電層 4 第2の基板 5 第2の透明電極 6 高分子分散型液晶 7 光センサ 8 情報記録媒体 9 被写体 10,15 レンズ 11 シャッター 12,13 3色分解光学系 14 光源 16 電源 17 スイッチ 18 抵抗 19 ラインイメージセンサB 20 ラインイメージセンサG 21 ラインイメージセンサR 22 増幅器B 23 増幅器G 24 増幅器R 25 信号処理器 26 電荷発生層 27 電荷輸送層 28 誘電体層 29 出力器 30 3色合成光学系 31 カラーイメージセンサ 32 遅延器G 33 遅延器B 34 筐体 35 兼用構成部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04N 9/79 9/82

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明な第1の基板と第1の透明電極と光導
    電層とを積層し、半導電性であり、光誘起電流増幅作用
    を有する光センサと、高分子分散型液晶と第2の透明電
    極とを積層して成る情報記録媒体と、前記第1の透明電
    極と前記第2の透明電極に電圧を印加する電圧印加手段
    と、前記光センサに被写体像を結像する第1の結像手段
    と、前記光センサと前記結像手段の間にあって前記結像
    手段から射出される光を3色に分解するとともに3つの
    光路に分離させる3色分解手段と、から成り3色別々の
    被写体像を情報記録媒体に記録するよう構成されたカラ
    ー情報記録部と、 前記情報記録媒体を照明する照明手段と、前記情報記録
    媒体によって変調された3色別々の被写体像の3つの光
    路の光を結像する第2の結像手段と、前記第2の結像手
    段による結像面に配置された読取り手段と、から成り情
    報記録媒体に記録された3色別々の被写体像を再生する
    よう構成されたカラー情報再生部と、 から構成されることを特徴とするカラー情報記録再生装
    置。
  2. 【請求項2】透明な第1の基板と第1の透明電極と光導
    電層とを積層し、半導電性であり、光誘起電流増幅作用
    を有する光センサと、高分子分散型液晶と第2の透明電
    極とを積層して成る情報記録媒体と、前記第1の透明電
    極と前記第2の透明電極に電圧を印加する電圧印加手段
    と、前記光センサに被写体像を結像する第1の結像手段
    と、前記光センサと前記結像手段の間にあって前記結像
    手段から射出される光を3色に分解するとともに3つの
    光路に分離させる3色分解手段と、から成り3色別々の
    被写体像を情報記録媒体に記録するよう構成されたカラ
    ー情報記録部と、 前記情報記録媒体を照明する照明手段と、前記情報記録
    媒体によって変調された3色別々の被写体像の3つの光
    路の光を合体させるとともに3色のフィルターを介して
    合成する3色合成手段と、前記合成手段から出射される
    光を結像する第2の結像手段と、から成り情報記録媒体
    に記録された3色別々の被写体像を再生するよう構成さ
    れたカラー情報再生部と、 から構成されることを特徴とするカラー情報記録再生装
    置。
  3. 【請求項3】前記第1の結像手段と前記第2の結像手段
    は同一の手段を兼用したものであり、かつ前記3色分解
    手段と前記3色合成手段は同一の手段を兼用したもので
    あることを特徴とする請求項2記載のカラー情報記録再
    生装置。
  4. 【請求項4】前記カラー情報再生部は、前記第2の結像
    手段による結像面に配置された読取り手段を更に有する
    ことを特徴とする請求項2,3記載のカラー情報記録再
    生装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8396130B2 (en) 2007-03-14 2013-03-12 Nippon Telegraph And Telephone Corporation Motion vector search method and apparatus, program therefor, and storage medium which stores the program
US9161042B2 (en) 2007-03-14 2015-10-13 Nippon Telegraph And Telephone Corporation Quantization control method and apparatus, program therefor, and storage medium which stores the program
US9455739B2 (en) 2007-03-14 2016-09-27 Nippon Telegraph And Telephone Corporation Code amount estimating method and apparatus, and program and storage medium therefor

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