JPH089103A - 情報記録再生装置及び情報記録媒体 - Google Patents

情報記録再生装置及び情報記録媒体

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JPH089103A
JPH089103A JP6158190A JP15819094A JPH089103A JP H089103 A JPH089103 A JP H089103A JP 6158190 A JP6158190 A JP 6158190A JP 15819094 A JP15819094 A JP 15819094A JP H089103 A JPH089103 A JP H089103A
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color
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recording medium
electric field
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Withdrawn
Application number
JP6158190A
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English (en)
Inventor
Osamu Shimizu
治 清水
Minoru Uchiumi
実 内海
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication of JPH089103A publication Critical patent/JPH089103A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】情報記録媒体と、情報記録媒体への情報形成に
使用される記録ヘッドであって情報形性能に優れ情報記
録感度の向上した記録ヘッドと、その記録ヘッドからな
る情報記録装置と、再生装置と、を提供する。 【構成】色ストライプフィルタと、第2の透明電極と、
高分子分散型液晶と、を積層して成る情報記録媒体上に
記録する情報記録装置であって、光導電層を有し、半導
電性であり、光誘起電流増幅作用を示す記録ヘッドと、
その記録ヘッドの光導電層に複数の各色信号と、それに
相当する各色の光を色ストライプフィルタを介して入力
する切替え選択光手段とを具備し、前記複数の色信号及
び前記複数の各色信号に相当する各色の光を同時に前記
記録ヘッドに供給して、色ストライプフィルタの各色位
置に選択的に記録するよう構成した情報記録装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラー情報を記録する
ことのできる情報記録媒体と、その情報記録媒体に情報
を記録する記録ヘッドと、及び再生装置に関し、特に情
報記録媒体への情報記録性能が著しく増幅される半導電
性の光導電層を有する記録ヘッドを用いる情報記録媒体
及び情報記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】前面に電極が設けられた光導電層からな
る光センサと、その光センサに対向し、後面に電極が設
けられた電荷保持層からなる情報記録媒体とを光軸上に
配置し、両導電層間に電圧を印加しつつ露光し、入射光
学像に応じて、電荷保持層に静電電荷を記録させ、その
静電電荷をトナー現像するかまたは電位読み取りにより
再生する方法は、例えば特開平1─290366号公
報、特開平1─289975号公報に記載されている。
また、前記方法における電荷保持層を熱可塑性樹脂層と
し、静電電荷を熱可塑性樹脂層表面に記録した後加熱
し、熱可塑性樹脂層表面にフロスト像を形成することに
より記録された静電電荷を可視化する方法は、例えば特
開平3─192288号公報に記載されている。
【0003】更に、本出願人等は、前記情報記録媒体に
おける情報記録層を高分子分散型液晶層として、前記同
様に電圧印加時露光し、光センサにより形成される電界
により液晶層を配向させて情報記録を行い、情報記録の
再生にあたっては透過光あるいは反射光により可視情報
として再生する情報記録再生方法を、先に特願平4─3
394号、特願平4─24722号、特願平5─266
646号として出願した。この情報記録再生方法は偏光
板を使用しなくとも記録された情報を可視化できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】また、カラー情報記録
については、特開平4─81715号公報に記載されて
いる。この記載によれば、散乱モード光変調部材を含ん
で構成された情報記録媒体に、電界を発生させる光導電
層膜を有した電界発生ヘッドを用いて、電磁波情報また
は光学情報をカラー画像情報として記録したり、あるい
は記録されたカラー画像情報を再生するものである。こ
うした情報記録方法において、さらに高感度、高解像度
の情報記録方法が求められていた。本発明は、情報記録
媒体と、情報記録媒体への情報形成に使用される記録ヘ
ッドであって情報形性能に優れ情報記録感度の向上した
記録ヘッドと、その記録ヘッドからなる情報記録装置
と、再生装置と、の提供を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】第1発明である、記録対
象の情報を複数の色信号に分解して入力することによっ
て記録が行われる情報記録媒体であって、前記複数の各
色信号に相当する各色を透過し他の色を透過しないフィ
ルタ細条を前記色信号の複数色分を一組として繰り返し
配設した色ストライプフィルタと、第2の透明電極と、
高分子分散型液晶と、を積層して成る情報記録媒体を用
いて、前記記録対象の情報を前記情報記録媒体上に記録
する情報記録装置であって、前記分解された複数の色信
号を供給し、かつ光導電層を有し、半導電性であり、光
誘起電流増幅作用を示す記録ヘッドと、前記記録ヘッド
の前記光導電層に前記複数の各色信号に相当する各色の
光を前記ストライプフィルタを介して入力する切替え選
択光手段とを具備してなり、記録時、前記複数の色信号
及び前記複数の各色信号に相当する各色の光を同時に前
記記録ヘッドに供給して、前記色ストライプフィルタの
前記フィルタ細条の対応する各色位置に選択記録するよ
う構成した情報記録装置。第2発明である、前記記録ヘ
ッドの前記光導電層を電荷発生層と電荷輸送層と電荷発
生層との積層構造に構成した第1発明記載の情報記録装
置。第3発明である、前記記録ヘッドの形状は、前記記
録媒体の全面をカバーする大きさの平面形状であり、か
つ前記色信号を2次元の色画像として前記記録媒体に入
力するように構成した第1,2発明記載の情報記録装
置。第4発明である、前記第1〜3発明記載の情報記録
装置により記録された前記情報記録媒体を再生表示する
手段を併せて備えたことを特徴とする情報記録再生装
置。第5発明である、記録対象の情報を複数の色信号に
分解して入力することによって記録が行われる情報記録
媒体であって、前記複数の各色信号に相当する各色を透
過し他の色を透過しないフィルタ細条を前記色信号の複
数色分を一組として繰り返し配設した色ストライプフィ
ルタと、第2の透明電極と、高分子分散型液晶と、を積
層して成る情報記録媒体。第6発明である、前記フィル
タ細条の各色間に設けた光不透過部を具備する請求項1
記載の情報記録媒体。
【0006】
【作用】第1発明である情報記録装置によれば、記録対
象の情報を複数の色信号に分解して入力することによっ
て記録が行われる情報記録媒体であって、前記複数の各
色信号に相当する各色を透過し他の色を透過しないフィ
ルタ細条を前記色信号の複数色分を一組として繰り返し
配設した色ストライプフィルタと、第2の透明電極と、
高分子分散型液晶と、を積層して成る情報記録媒体を用
いて、前記記録対象の情報を前記情報記録媒体上に記録
する情報記録装置であって、記録ヘッドは、前記分解さ
れた複数の色信号を供給し、かつ光導電層を有し、半導
電性であり、光誘起電流増幅作用を示し、従って高感
度、高解像度であり、切替え選択光手段は、前記記録ヘ
ッドの前記光導電層に前記複数の各色信号に相当する各
色の光を前記ストライプフィルタを介して入力し、前記
複数の色信号及び前記複数の各色信号に相当する各色の
光を同時に前記記録ヘッドに供給して、前記色ストライ
プフィルタの前記フィルタ細条の対応する各色位置に選
択記録するよう構成されているから、電圧印加露光を行
うことにより、カラー情報の記録を行うことができる。
第2発明の情報記録装置によれば、前記第1発明におい
て、前記記録ヘッドの前記光導電層を電荷発生層と電荷
輸送層と電荷発生層との積層構造に構成したから、複数
の色信号と前記複数の各色信号に相当する各色の光に、
各の電荷発生層が反応し、コントラスト電位を大きくと
ることができる。第3発明の情報記録装置によれば、前
記記録媒体の全面をカバーする大きさの平面形状の記録
ヘッドと、2次元の色画像として前記記録媒体に入力す
る色信号とにより、前記記録媒体の全面に記録でき、か
つ各色一回づつの記録で済ますことができ、記録効率が
極めてよい。第4発明の情報記録再生装置によれば、前
記第1〜3発明において、前記第3〜5発明の情報記録
装置により記録された前記情報記録媒体を再生表示する
手段を併せて備えたことにより、情報の記録とともの再
生を行うことができる。第5発明の情報記録媒体によれ
ば、記録対象の情報を複数の色信号に分解して入力する
ことによって記録が行われる情報記録媒体であって、情
報記録装置を使用すれば第2の透明電極を介して高分子
分散型液晶に電圧を印加することができ、その結果高分
子分散型液晶に記録対象の情報を複数の色信号に分解し
て情報記録を行うことができる。また色ストライプフィ
ルタは、前記複数の各色信号に相当する各色を透過し他
の色を透過しないフィルタ細条を前記色信号の複数色分
を一組として繰り返し配設して成るから、高分子分散型
液晶に記録された各色信号を各色の光変調された光学像
としてを再現することができるカラー情報が記録でき
る。第6発明である情報記録媒体によれば、第1発明に
おいて前記フィルタ細条の各色間に設けた光不透過部を
具備するから、混色の無い高品位なカラー情報を記録す
ることができる。
【0007】
【実施例】
〔情報記録媒体の構成〕まず情報記録媒体の構成および
構造を説明する。図1は情報記録媒体1Aの構成及び構
造を示す図である。また図2は情報記録媒体1Bの構成
及び構造を示す図である。図1において、情報記録媒体
1Aは、平坦な基板2上に沿って一様に平坦な電極3が
極薄く膜付け形成され、更に電極3上に色ストライプフ
ィルタ5aが形成され、その上に高分子分散型液晶4が
膜付け形成されたものである。また、色ストライプフィ
ルタ5aは、例えば後述するフィルタ細条がR,G,B
が繰返し配設されたものである。この情報記録媒体1A
を用いることにより、記録ヘッド10A,10B(図4
及び図5)に複数の色に分解した光学情報信号あるいは
電気信号の例えば色信号成分R,G,Bを順次繰返し供
給すると、色信号成分Rは赤のフィルタ細条Rの位置、
信号成分Gは緑のフィルタ細条Gの位置、色信号成分B
は青のフィルタ細条Bの位置にそれぞれ順次記録され、
即ち、情報記録媒体1A上には色信号成分に対応したカ
ラー画像情報が得られる。
【0008】図2において、情報記録媒体1Bは、情報
記録媒体1Aの色ストライプフィルタ5aを一部変形し
て色ストライプフィルタ5bとして形成したものであ
る。即ち、色ストライプフィルタ5bは、例えば赤のフ
ィルタ細条R、緑のフィルタ細条G、青のフィルタ細条
Bの各色間に光不透過部5b1 を形成したものである。
この光不透過部5b1 は、各色のフィルタ細条R,G,
Bの境界に沿って形成され、例えば黒色に形成されてい
る。また、フィルタ細条間隔は光不透過部5b1を含め
て情報記録媒体1Aと同一なフィルタ細条間隔Kであ
り、従ってフィルタ細条R,G,Bは情報記録媒体1A
より僅かに細くなっている。
【0009】この第2の情報記録媒体1Bを用いて記録
し、情報記録媒体1B上に記録されたカラー画像情報を
目視したり、あるいは後述する図10に示したOHP等
の再生手段により再生すると、図3に示した如く、例え
ばフィルタ細条Rの部分のところに濃淡があっても、光
不透過部5b1 はによって隣の緑のフィルタ細条G及び
青のフィルタ細条Bには光が拡散されない。即ち、光は
点線で示した方向には透過して行かない。このため、情
報記録媒体1Bでは混色のない高品位なカラー画像情報
が得られ、装置の利用範囲が拡大される。以上情報記録
媒体の構成について説明した。構成以外(材料、物性
等)の情報記録媒体についての説明は、後の方で詳しく
行う。
【0010】〔記録ヘッドの構成〕次に、上記構成によ
る情報記録媒体1A,1Bに光学情報信号あるいは電気
情報信号を入力する記録ヘッド10A及び10Bについ
て図4〜図6により説明する。また、これらの記録ヘッ
ド10A,10Bは光により変調を受け変化し電界を生
じさせ、このときの電界変化を情報記録媒体1A,1B
に印加して記録する電界発生ヘッドであり、即ち、記録
ヘッド10A,10Bは光学情報信号が記録できるよう
構成した記録ヘッドであり、記録ヘッド10Bは光学情
報および電気情報信号共に記録できるよう構成した記録
ヘッドである。
【0011】図4は記録ヘッド10Aの構成及び構造を
示す図である。図4において、記録ヘッド10Aは、上
記の電界発生ヘッドであり、以下電界発生ヘッド10A
と呼ぶ。この電界発生ヘッド10Aは、セラミックス等
の材料を用いた基板11の下に、主走査方向に沿って電
極12がが積層されている。更に電極12の下方には例
えば電子写真に用いられる周知の感光体と同様な材料か
らなる光導電層(以下、光導電膜と記す)13が膜付け
形成されている。上記電極12は主走査方向(長手方
向)に沿って一様に形成され、かつ図中の紙面垂直方向
の幅方向には極薄く膜付け形成されている。この電極1
2は上記のように一本のストライプ形状に形成されてい
るため電気情報は記録することができず、光学情報信号
のみ記録できるようになっている。また、上記光導電膜
13の内部は、電荷発生層13aと、電荷輸送層13b
と、電荷発生層13cとから図示の如く構成されてい
る。
【0012】この電界発生ヘッド10Aは、後述する情
報記録/再生装置20(図7)に用いられる際、図示の
如く基板11の情報より記録光を与え、光導電層膜13
の下方より切替え選択光を与えることにより、光導電層
膜13の電荷発生層13aが上からの記録光に対して反
応し電荷を発生し、一方、電荷発生層13cは下からの
切替え選択光に対して反応して電荷を発生し、これらの
電荷により電界が生じ、この電界を電極12を介して記
録媒体1A,1B上に記録するものである。なお、電荷
輸送層13bはコントラスト電位を大きく得ることを目
的としているものである。
【0013】また、記録光としては複数の色に分解した
光学情報信号を与え、この光学情報信号の光量の変化に
より電荷量も変化し、これにより電界変化が生じ、この
電界変化を記録媒体1A,1B上に記録するものであ
り、一方、切替え選択光は複数の色に対応した光束、即
ち、分解した光学情報信号の色の波長を光束を色ストラ
イプフィルタ5a,5bを介して電界発生ヘッド10A
に与え、記録部所をその波長に対応した色ストライプフ
ィルタ5a,5b上に選択するものである。このように
電界発生ヘッド10Aを用いると、光学情報が光電変換
されて、情報記録媒体1A,1Bに電界が印加され、こ
れにより記録されるものである。
【0014】図5は記録ヘッド10Bの構成および構造
を示す図である。図5において、記録ヘッド10Bは、
上記したような電界発生ヘッドであり、以下電界発生ヘ
ッド10Bと呼ぶ。また、電界発生ヘッド10Bは、電
界発生ヘッド10Aと同様な機能を有するものの、電界
発生ヘッド10Aの電極12と電極形状が下記するよう
に分割電極14形状に形成され、異なっているため光学
情報信号は勿論のこと電気情報信号も記録可能となるも
のである。なお、基板11及び光導電層膜13は電界発
生ヘッド10Aと同一なものを使用できる。即ち、電界
発生ヘッド10Bの電極は、分割された分割電極14形
状に形成されているものである。上記分割電極14は、
主走査方向(長手方向)に沿って複数配列形成され、こ
れらの複数の分割電極14は、記録すべき光学情報信号
あるいは電気情報信号の画素になっている。また、分割
電極14によって記録されるドットの大きさは、一般的
に8ドット/mm〜16ドット/mm程度に形成されて
いる。
【0015】また、この電界発生ヘッド10Bは、後述
する情報記録/再生装置30(第8図)に用いられる
際、電界発生ヘッド10Aと同様に基板11の上方より
記録光を与えて、光導電層膜13の下方より切替え選択
光を与えて記録する場合と、電界発生ヘッド10Bに電
気情報信号を入力し、光導電層膜13の下方より切替え
選択光を与えて記録する場合との二通りの方法がある。
なお、電界発生ヘッド10Bに電気信号を入力する際に
は、光導電層膜13の内部の電荷発生層13aの動作は
無視されるものである。また、図6は電界ヘッド10B
を下面から見て示した図である。図6において、電界発
生ヘッド10Bの記録部となる分割電極14の幅M及び
光導電層13の幅Nを前述した情報記録媒体1A,1B
の色ストライプフィルタ5a,5bのフィルタ細条間隔
(幅)Kより大きく形成すると、電界発生ヘッド10B
と色ストライプフィルタ5a,5bの相対位置が平行で
なくても、前記選択光により光導電層13が反応する幅
が確保され、選択され、選択されたそれぞれのフィルタ
細条R,G,Bの位置に正確に記録できるものである。
なお、本発明の「記録ヘッド」について、電界を発生す
ることから「電界発生ヘッド」とも呼んだ。更に本発明
の記録ヘッドは、光情報に反応する記録ヘッドでもあ
る。従ってその意味から本発明においては「光センサ」
とも呼ぶことがある。
【0016】〔情報記録/再生装置20〕本発明に係わ
る情報記録/再生装置20について、図1〜図4、図
7、図9及び10図を併用して説明する。本発明に係わ
る情報記録/再生装置20は、先に説明した図4に示し
た電界発生ヘッド(第1の記録ヘッド)10Aを用い
て、光学情報を光電変換して図1及び図2に示した情報
記録媒体1A,1B上にカラー画像情報を形成する装置
である。図7は本発明の情報記録/再生装置20の構成
及び構造を示す図である。図7において、情報記録媒体
1A、1Bの上方には電界発生ヘッド10Aが設けられ
ている。この電界発生ヘッド10Aは図示しない押圧手
段により情報記録媒体1A,1Bに押圧状態で固定され
ており、一方、情報記録媒体1A,1Bは図示しない搬
送手段により副走査方向に移動できるように構成されて
いる。また、電界発生ヘッド10Aには、記録光となる
光学情報信号が供給される。この光学情報信号は、図示
しない手段により複数の色に分解され、例えば信号成分
として赤の信号成分R、緑の信号成分G、青の信号成分
Bと順次繰り返し入力されるものである。なお、光学情
報信号の複数の色は3原色のR,G,Bに限定されるも
のではない。
【0017】また、電界発生ヘッド10Aと対向し、情
報記録媒体1A,1Bを介して下方の位置には、切替え
選択光手段21が配設されている。この切替え選択光手
段21は、選択用の光源22および円盤状の色フィルタ
23が図示のような位置関係に設けられている。また、
上記色フィルタ23は、複数の色のフィルタ部23a〜
23cが円周方向に沿って均等に分割され、点Oを中心
に図示しない、フィルタ駆動機構により矢印方向に回転
制御される構造になっている。なお、選択光手段21
は、R,G,Bに対応した3色のLED、あるいは3色
に分解された3色のレーザー光等を用いてもよく、これ
らの場合には色フィルタ23を用いる必要がないことは
いうまでもない。また、色フィルタ23の複数の色は、
記録の対象となる光学情報信号の複数の色に分解された
信号成分に対応した色が用いられている。
【0018】そして、電界発生ヘッド10Aに供給され
る光学情報信号が、例えば、信号成分R,G,Bなら
ば、色フィルタ23の色は、信号成分R,G,Bに対応
してRのフィルタ部23a,Gのフィルタ部23b,B
のフィルタ部23c,となる。そして、記録時、情報記
録媒体1A,1B上に記録する信号成分R,G,Bに対
応してRの、色フィルタ23のそれぞれのフィルター部
23a〜23cが光源22と対向するよう回転制御さ
れ、信号成分Rを記録する時にはフィルタ部23aが光
源22と対向し、信号成分Gを記録する時にはフィルタ
部23b、信号成分Bを記録する時にはフィルタ部23
cがそれぞれ光源22と対向するよう回転制御される。
【0019】次に上記のように構成された情報記録/再
生装置20の消去,記録,再生動作について説明する。
この情報記録/再生装置20は、加熱により情報記録媒
体1A,1B上に記録された画像情報を消去し、電界を
印加して画像情報を記録するタイプのものである。まず
消去動作は、図示しない発熱体を有した消去ヘッドを用
いて、情報記録媒体1A,1B上を加熱消去し、その後
情報記録媒体1A,1Bが自然冷却されると、散乱状態
(不透明な状態)となる。図9は情報記録媒体の透過散
乱が電界によって変化する特性を示す図である。加熱消
去によって情報記録媒体1A,1Bは図9に示す電界変
化特性における散乱状態になる。また、図9に示した電
界変化特性は、閾値V0以上の電界を印加すると透明状
態に以降することをも示しているものであり、所定の電
界を加えると完全に透明な状態となるものであり、図示
のごとく“S”の字状の特性曲線を有しており、従って
電界印加条件を制御することにより、散乱状態(不透明
な状態)と透明な状態との間を段階的に制御でき、階調
のある記録が可能となるものである。
【0020】また、記録動作は、複数の色に分解された
光学情報信号の例えば信号成分R,G,Bを電界発生ヘ
ッド10Aの上方より順次繰り返し供給することによっ
て、消去後散乱状態となされた情報記録媒体1A,1B
上には信号成分R,G,Bに応じた階調のあるカラー画
像情報が記録される。情報記録媒体1A,1B上に記録
されたカラー画像情報は、電界発生ヘッド10Aに供給
する複数の色に分解された記録光となる光学情報信号
と、先に記述した情報記録媒体1A,1Bの色ストライ
プフィルタ5a,5bと切替え選択光手段21によるも
のである。即ち、電界発生ヘッド10Aに供給した複数
の色に分解された光学情報信号に対応した色の色ストラ
イプフィルター5a,5bの位置に画像情報が記録され
る。この際、電界発生ヘッド10Aと色ストライプフィ
ルター5a,5bのフィルタ細条R,G,Bとの位置関
係は、予め最初に一番先に記録するフィルタ細条の色の
位置に位置調整し、その後順次図示しない搬送手段によ
る副走査方向への情報記録媒体1A,1Bの移動に伴っ
て記録がなされるか、もしくはその都度情報記録媒体1
A,1Bの移動に伴って記録する色と対応した色ストラ
イプフィルター5a,5bの色位置に制御される場合の
いずれかによるものである。
【0021】そして、電界発生ヘッド10Aに複数の色
に分解された光学情報信号の例えば信号成分R,G,B
を順次繰り返し供給し、最初に信号成分Rを記録すると
した場合には、電界発生ヘッド10Aを色ストライプフ
ィルター5a,5bのフィルタ細条Rに対応させ、更に
切替え選択光手段21の色フィルタ23をRのフィルタ
部23aの位置に回転制御し、光源22と対向させる。
この際、光源22から出射された光束は、Rのフィルタ
部23aを透過して、情報記録媒体1A,1BにRの光
束として入射される。そして、情報記録媒体1A,1B
内に入射されたRの光束は、透明な基板2、透明な電極
3、色ストライプフィルター5(5a,5b)のフィル
タ細条R、高分子分散型液晶膜4から出射され、電界発
生ヘッド10Aに入射される。電界発生ヘッド10Aに
入射されたRの光束(分解された信号成分の色の波長の
光束)は、電界発生ヘッド10Aの光導電層13の電荷
発生層13c内で電荷が発生し、発生した電荷により記
録する色ストライプフィルター5(5a,5b)のフィ
ルタ細条Rと対応した部分に記録され、すなわち、電極
12と情報記録媒体1A,1B間に記録電界を生じる。
【0022】また、これと同時に光導電層13の電荷発
生層13a内で信号成分Rに応じた電荷が発生し、電界
変化が生じる。上記電荷発生層13cによる電荷と上記
電荷発生層13aによる電荷とが電極12と情報記録媒
体1A,1B間に与えられ、これによって信号成分Rに
応じた電界変化が生じ、この電界変化を情報記録媒体1
A,1B上に記録する。以下同様な動作を信号成分G,
信号成分と順次繰り返すことにより、情報記録媒体1
A,1B上に信号成分R,G,Bに応じたカラー画像情
報が記録される。従って、情報記録/再生装置20は、
色ストライプフィルター5(5a,5b)と対応して選
択記録することにより、高精細度で高品質で高感度なカ
ラー画像情報の記録を行うことができる。上記のような
方法によって記録すると、情報記録媒体1Aに記録され
た画像情報は、色ストライプフィルター5aにより階調
のある高精細度のカラー画像情報となり、また情報記録
媒体1Bでは先に記述した光不透過部5b1 により後述
する再生時に混色のない階調のある高精細度のカラー画
像情報が得られる。
【0023】次に、情報記録媒体1A,1B上に記録さ
れた画像情報を再生する動作を説明する。図10は再生
手段(OHP表示手段)の構成及び構造を示す図であ
る。図において、OHP表示手段60は、筐体41、レ
ンズ42、ミラー43からなる再生手段を有しており、
筐体41の上面には記録された情報記録媒体1A,1B
が載置され、筐体41の内部に収納されている図示しな
い光源からの照射光によって情報記録媒体1A,1Bの
画像情報がレンズ42、ミラー43を介して図示しない
スクリーン上に所望の大きさに拡大再生投射されるもの
である。
【0024】〔情報記録/再生装置30〕本発明に係わ
る変形例の情報記録/再生装置30について、図1〜図
3,図5,図6,図8により説明する。図8は本発明の
情報記録/再生装置30の構成及び構造を示す図であ
る。情報記録/再生装置30は、先に説明した図5に示
した電界発生ヘッド(第2の記録ヘッド)10Bを用い
て、光学情報を光電変換して図1〜図3に示した情報記
録媒体1A,1B上にカラー画像情報を形成する装置で
ある。なお、ここでは前述した情報記録/再生装置20
と異なる構成動作についてのみ詳述する。
【0025】図8において、情報記録媒体1A,1Bの
上方には電界発生ヘッド10Bが設けられ、この電界発
生ヘッド10Bだけが情報記録/再生装置20と異なる
構成である。また、さきに記述したように電界発生ヘッ
ド10Bは分割電極14を備えており、光学情報信号と
電気情報信号のどちらも記録することができる記録ヘッ
ドである。電界発生ヘッド10Bにより光学情報信号を
記録する際には、分割電極14を同電位とすることで情
報記録/再生装置20と全く同一動作となり、ここでは
詳細を省略する。
【0026】更に、電気情報信号を記録する際には、電
気情報信号を複数の色に分解し、これを電界発生ヘッド
10Bに入力するとともに、情報記録媒体1A,1Bの
下方から先に説明した切替え選択光手段21を記録する
電気情報信号の色に合わせて同時に動作させる。ここで
電界発生ヘッド10B内は、電気情報信号による電界
と、切替え選択光手段21により電界発生ヘッド10B
の電荷発生層13cに生じた電荷、即ち、電界とが共に
分割電極14と情報記録媒体1A,1B間に加わり、情
報記録媒体1A,1B上には電気情報信号に応じたカラ
ー画像情報が高精細度に、かつ高感度に記録される。従
って、情報記録/再生装置30は、情報記録/再生装置
20と同様な効果を有すると共に、更に電気情報も記録
可能となり、装置の利用範囲が大幅に拡大できるもので
ある。
【0027】〔情報記録/再生装置40〕図11は本発
明の情報記録/再生装置40の構成及び構造を示す図で
ある。情報記録/再生装置40は、先に説明した図4、
図5に示した電界発生ヘッド(第1,第2の記録ヘッ
ド)10A,10Bとは異なった形状である、平面形状
の電界発生ヘッド10C(第3の記録ヘッド)を用い
て、光学情報を光電変換して図1〜図3に示した情報記
録媒体1A,1B上にカラー画像情報を形成する装置で
ある。なお、ここでは前述した情報記録/再生装置2
0,30と異なる構成動作を中心に詳述する。
【0028】記録動作は、複数の色に分解された光学情
報画像たとえば画像成分R,G,Bを電界発生ヘッド1
0Cの上方より各一回づつ入力することによって、消去
後散乱状態となされた情報記録媒体1A,1B上には画
像成分R,G,Bに応じた階調のあるカラー画像情報が
平面的に記録される。第1の透明電極12と第2の透明
電極3の間には電圧印加手段によって電圧が印加される
ようになっている。電源31において、一方の電極端子
はアースされ、このアース端子はアースを通じて情報記
録媒体1A,1Bの第2の透明電極に接続されている。
またもう一方の電極端子は、制御回路(図示せず)によ
って開閉を制御されるスイッチ32を介して電界発生ヘ
ッド10Cの第1の透明電極に接続されている。また第
1の透明電極12と第2の透明電極3の間には抵抗33
が接続されており、スイッチ31が開いた状態において
は、電極間の蓄積電荷は抵抗33を通過して放電させら
れるために両電極間には電位差は生じない。
【0029】情報記録媒体1A,1B上に記録されたカ
ラー画像情報は、電界発生ヘッド30Cに供給する複数
の色に分解された記録光となる光学情報画像と、先に記
述した情報記録媒体1A,1Bの色ストライプフィルタ
5a,5bと、切替え選択光手段21によるものであ
る。この際、光源22から出射された光束は、Rのフィ
ルタ部23aを透過して、情報記録媒体1A,1BにR
の光束として入射される。そして、情報記録媒体1A,
1B内に入射されたRの光束は、透明な基板2、透明な
電極3、色ストライプフィルター5(5a,5b)のフ
ィルタ細条R、高分子分散型液晶膜4から出射され、電
界発生ヘッド10Cに入射される。電界発生ヘッド10
Cに入射されたRの光束(分解された信号成分の色の波
長の光束)は、電界発生ヘッド10Cの光導電層13の
電荷発生層13c内で電荷が発生し、発生した電荷によ
り記録する色ストライプフィルター5(5a,5b)の
フィルタ細条Rと対応した部分に記録され、すなわち、
電極12と情報記録媒体1A,1B間に記録電界を生じ
る。
【0030】また、これと同時に光導電層13の電荷発
生層13a内で信号成分Rに応じた電荷が発生し、電界
変化が生じる。上記電荷発生層13cによる電荷と上記
電荷発生層13aによる電荷とが電極12と情報記録媒
体1A,1B間に与えられ、これによって信号成分Rに
応じた電界変化が生じ、この電界変化を情報記録媒体1
A,1B上に記録する。上記複数の色に分解された記録
光となる光学情報画像と、切替え選択光手段21によ
る、同色の切替え光が入力された状態で、スイッチ31
が閉じられ所定の電圧が印加されると、電荷発生層13
aに発生した記録光による電荷と、電荷発生層13cに
発生した同色の切替え光による同色の色フィルタ上の電
荷とに応じて、電荷輸送層13bに光誘起電流が流れ
る。本発明の電界発生ヘッド10C(光センサ)はこの
光誘起電流を増幅する作用が顕著である点が特徴の一つ
となっている。
【0031】この光誘起電流によって高分子分散型液晶
は配向させられて光散乱体から光透過体へと変化する。
所定の電圧を所定の時間だけ印加した後、制御回路によ
って電圧の印加を停止すると、高分子分散型液晶4のメ
モリ機能によって配向の状態は保たれる。即ち入力され
た記録光の光学像は高分子分散型液晶4の光散乱状態の
違いとして記録される。即ち、電界発生ヘッド10Cに
供給した複数の色に分解された光学情報画像に対応した
色の全ての色ストライプフィルター5a,5bの位置に
画像情報が記録される。以下同様な動作を画像成分R,
画像成分と順次繰り返すことにより、情報記録媒体1
A,1B上に画像成分R,G,Bに応じたカラー画像情
報が記録される。従って、情報記録/再生装置40は、
色ストライプフィルター5(5a,5b)と対応して選
択記録することにより、高精細度で高品質で高感度なカ
ラー画像情報の記録を行うことができる。上記のような
方法によって記録すると、情報記録媒体1Aに記録され
た画像情報は、色ストライプフィルター5aにより階調
のある高精細度のカラー画像情報となり、また情報記録
媒体1Bでは先に記述した光不透過部5b1 により後述
する再生時に混色のない階調のある高精細度のカラー画
像情報が得られる。
【0032】〔情報記録/再生装置50〕図12は本発
明の情報記録/再生装置50の構成及び構造を示す図で
ある。情報記録/再生装置50は、先に説明した図11
に示した電界発生ヘッド(第3の記録ヘッド)10Cと
は異なった構成である。即ち、図11においては、電界
発生ヘッド10Cと情報記録媒体1A,1Bとは空間を
隔てて平行に向かい合って構成されていたが、図12に
おいては、平面形状の電界発生ヘッド10D(第4の記
録ヘッド)と情報記録媒体1A,1Bは、誘電体層28
を介して積層され、一体化されている。情報記録/再生
装置50は、これを用いて光学情報を光電変換して図1
〜図3に示した情報記録媒体1A,1B上にカラー画像
情報を形成する装置である。基本的な動作は情報記録/
再生装置40と変わりないので説明を省略する。
【0033】なお、情報記録/再生装置40,50にお
いて、色ストライプフィルター5を用いる構成を説明し
たが、色フィルターはストライプ状である必要はなく、
格子状の色フィルターであってもよい。これは記録ヘッ
ドが線状の記録ヘッドではなく、面状の記録ヘッドであ
るためである。また、本発明の情報記録/再生装置2
0,30,40,50において、白黒(単色)の情報記
録を行う場合には、上記に説明した構成においても行っ
ても構わないが、より構成を簡略化して、色ストライプ
フィルター5と切替え選択光手段を省略することができ
る。更に、電荷発生層13a,電荷輸送層13bだけを
用い、電荷発生層13cを省略することができる。
【0034】〔色ストライプフィルタの構成〕次に、色
ストライプフィルタの構成について説明する。図1〜3
において、色ストライプフィルタ5は、前述のように光
不透過部なしの色ストライプフィルタ5aまたは光不透
過部付色ストライプフィルタ5bとがあり、色ストライ
プフィルタ5(5a,5b)は電極3と高分子─液晶複
合膜4との間に通常は積層されているものであるが、積
層順はこれに限定されず、色ストライプフィルタ5(5
a,5b)を最上層とし、この下に高分子─液晶複合膜
4を形成する構造であってもよい。また、色ストライプ
フィルタ5(5a,5b)は、図4及び図5に示した記
録ヘッド10A、10Bに入力する複数の色に分解した
光学情報信号、あるいは電気情報信号に対応した複数の
色を有したフィルタ細条を1組として繰り返して情報記
録媒体1A,1Bの長さL方向に複数配列形成されてい
る。
【0035】また、色ストライプフィルタ5(5a,5
b)の一組のフィルタ細条の色は、記録ヘッド10A,
10Bに入力する複数の色に分解した光学情報信号ある
いは電気情報信号が、例えば色信号成分として赤の信号
成分R、緑の信号成分G、青の信号成分Bならば、色ス
トライプフィルタ5の1組のフィルタ細条の色は、それ
ぞれ赤のフィルタ細条R、緑のフィルタ細条G、青のフ
ィルタ細条Bとで形成されている。これらのフィルタ細
条R,G,Bは、情報記録媒体1A,1Bの幅W方向に
沿って直線的に図示の如く形成されている。また、これ
らのフィルタ細条R,G,Bは、記録ヘッド10Aの電
極12(図4)あるいは記録ヘッド10Bの分割電極1
4(図5)の配列された主走査方向に沿って形成されて
おり、即ち、フィルタ細条R,G,Bの長手方向は記録
ヘッド10A、10Bの長手方向となるように形成され
ている。
【0036】またフィルタ細条の間隔は、記録ヘッド1
0Aの電極12の幅寸法(図4紙面垂直方向)あるいは
記録ヘッド10Bの分割電極14の大きさと同程度のフ
ィルタ細条間隔Kとなっている。即ち、電極12の幅寸
法及び分割電極14の大きさは、一般的に8ドット/m
m〜16ドット/mm程度の密度に形成されている。な
お、色ストライプフィルタ5の色は、R,G,Bの特定
な3原色に限定されるものではなく、他の色を用いるこ
とも可能である。
【0037】〔光センサの材料〕次に、光センサ(以
下、前述のように記録ヘッドのことを光センサとも呼
ぶ)について説明する。例えば図11、図12を参照す
る。光センサにおける電荷発生層13a,13cは電荷
発生性物質とバインダーからなる。電荷発生性物質とし
ては、ピリリウム系染料、アズレニウム系染料、スクア
リリウム塩系染料、フタロシアニン系顔料、ペリレン系
顔料、多環キノン系顔料、インジゴ系顔料、ピロール系
顔料、アゾ系顔料等の染料、顔料を単独あるいは複数の
ものを組み合わせて使用することができる。バインダー
としては、例えばポリカーボネイト樹脂、ビニルホルマ
ール樹脂、ビニルアセタール樹脂、ビニルブチラール樹
脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹
脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル─酢
酸ビニル共重合体樹脂等が挙げられ、それぞれバインダ
ー樹脂を単独または複数のものを組み合わせて使用する
ことができる。
【0038】これらの電荷発生剤とバインダーの混合比
は、電荷発生剤1重量部に対してバインダーを0.1〜
10重量部、好ましくは0.2〜1重量部の割合で使用
することが望ましい。電荷発生層は乾燥後膜厚として
0.01〜1μmであり、好ましくは0.1〜0.5μ
mとするとよく、このような膜厚とすることによって良
好な感度と画質を示す。また、先に示した電荷発生性物
質で蒸着可能なものは、バインダーを用いず、単独で成
膜することもできる。
【0039】電荷輸送層13bは電荷輸送性物質とバイ
ンダーとからなる。電荷輸送性物質は、電荷発生層で発
生した電荷の輸送特性がよい物質であり、例えば、オキ
サゾール系、チアゾール系、トリフェニルメタン系、ス
チリル系、スチルベン系、ヒドラゾン系、カルバゾール
系、エナミン系、芳香族アミン系、トリフェニルアミン
系、ブタジエン系、多環芳香族化合物系、ビフェニル系
等があり、ホール輸送特性の良い物質とすることが必要
である。
【0040】バインダーとしては、前記した電荷発生層
におけるバインダーと同様のもの、さらにスチレン樹
脂、スチレン─ブタジエン共重合体樹脂、ポリアリレー
ト樹脂、フェノキシ樹脂が使用できるが、好ましくはス
チレン樹脂、スチレンブタジエン共重合体樹脂、ポリカ
ーボネイト樹脂である。バインダーは、電荷輸送性物質
1重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.
1〜1重量部の割合で使用することが望ましい。電荷輸
送層は乾燥後膜厚として1〜50μmであり、好ましく
は3〜26μmとするとよく、このような膜厚とするこ
とによって良好な感度と画質が得られる。
【0041】第1の透明電極12は、情報記録媒体が不
透明であれば透明性を有する必要であるが、情報記録媒
体が透明性を有する場合には透明、不透明いずれでもよ
く、106 Ω・cm以下の比抵抗を安定して与える材
料、例えば金、白金、亜鉛、チタン、銅、鉄、錫等の金
属薄膜導電膜、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸
化チタン、酸化タングステン、酸化バナジウム等の金属
酸化物導電膜、四級アンモニウム塩等の有機導電膜等
を、単独あるいは二種以上の複合材料として用いること
ができる。なかでも酸化物導電体が好ましく、特に酸化
インジウム錫(ITO)が好ましい。
【0042】第1の透明電極12は蒸着、スパッタリン
グ、CVD、コーティング、メッキ、ディッピング、電
界重合等の方法により形成される。またその膜厚は電極
を構成する材料の電気特性、および情報記録の際の印加
電圧により変化させる必要があるが、例えばITO膜で
は10〜300nm程度であり、情報記録層との間の全
面、あるいは任意のパターンに合わせて形成される。ま
た、二種類以上の材料を積層して用いることもできる。
【0043】第1の基板は、後述する情報記録媒体が不
透明であれば透明性を有することが必要であるが、情報
記録媒体が透明性を有する場合には、透明不透明いずれ
でもよく、カード、フィルム、テープ、シート、ディス
ク等の形状を有し、光センサを強度的に支持するもので
ある。例えば可撓性のあるプラスティックフィルム、あ
るいはガラス、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポ
リメチルアクリレート、ポリエステル、ポリカーボネー
ト等のプラスチックシート、カード等の剛体が使用され
る。なお、基板の電極が設けられる面の他方の面には、
電極が透明であれば必要に応じて反射防止効果を有する
層を積層するか、または反射防止効果を発現し得る膜厚
に透明基板を調整するか、更に両者を組み合わせること
により反射防止性を付与するとよい。
【0044】光導電層には電子受容性物質、増感色素、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を添加してもよ
い。電子受容性物質および増感色素にはベース電流の調
整、ベース電流の安定化、増感等の作用がある。それぞ
れ光導電性物質1重量部に対して0.001〜10重量
部、好ましくは0.01〜1重量部の割合で添加され
る。0.001重量部よりも少ないと作用を示さず、1
0重量部より多い場合には、画質に悪影響を与える。以
上で本発明の光センサの構成及び材料の説明を終える。
【0045】〔積層型光センサの作製〕次に、積層型光
センサの作製方法について説明する。充分洗浄した厚さ
1.1mmのガラス基板上に、スパッタリングにより面
積抵抗80Ω/□、膜厚100nmのITO膜を成膜
し、電極を得た。電極をスクライバー洗浄機(商品名プ
レートクリーナー モデル602 ウルトラテック社)
にて、純水噴射2秒、スクライバー洗浄20秒、純水リ
ンス15秒、高速回転による水分の除去25秒、赤外線
乾燥55秒の洗浄処理を2回行った。その電極上に電荷
発生性物質として下記表1に示す構造を有するビスアゾ
顔料3重量部、塩化ビニル─酢酸ビニル混合樹脂(電気
化学工業製 デンカビニル#1000Dとアルドリッチ
社製 18、325.89J 酢酸ビニル樹脂との7
5:25の混合物)1重量部とを、1,4─ジオキサン
98重量部、シクロヘキサノン98重量部と混合し、混
合機により充分に混練を行い塗布液とし、スピンナーに
て1400rpm、0.4秒でコーティングした。
【0046】
【化1】 その後、塗膜の表面に皮膜が形成されて、表面が付着し
なくなるまでの間、無塵下で放置しレベリング乾燥を行
った後、100℃、1時間乾燥して膜厚300nmの電
荷発生層を積層した。
【0047】この電荷発生層上に電荷輸送性物質として
下記表2に示す構造のブタジエン誘導体(アナン製 T
─405)50重量部とスチレン─ブタジエン共重合体
樹脂(電気化学工業製 クリアレン730L)10重量
部とをクロロベンゼン68重量部、1,1,2─トリク
ロロエタン136重量部とを均一に溶解し塗布液とし
た。
【0048】
【化2】 その塗布液を用い、スピンナーにて350rpm、0.
4秒でコーティングし、塗膜の表面に皮膜が形成され
て、塗膜の表面が付着しなくまるまでの間、無風下で放
置しレベリング乾燥を行った後、80℃2時間乾燥して
電荷輸送層を積層し、電荷発生層と電荷輸送層とからな
る膜厚20μmの光導電層を有する本発明光センサを製
作し、室温、相対湿度60%以下の暗所において3日間
エージングを行った。
【0049】〔情報記録媒体の材料〕次に情報記録媒体
の構成及び材料について説明する。まず、本発明におけ
る情報記録媒体としては、その情報記録層が高分子分散
型液晶とする場合が挙げられる。高分子分散型液晶は液
晶相中に樹脂粒子が分散した構造を有しているが、液晶
材料は、スメクチック液晶、ネマチック液晶、コレステ
リック液晶あるいはこれらの混合物を使用することがで
きる。液晶としては、その配向性を保持し、情報を永続
的に保持させる、いわゆるメモリー性の観点から、スメ
クチック液晶を使用することが好ましい。
【0050】スメクチック液晶としては、液晶性を呈す
る物質の末端基の炭素基が長いシアノビフェニル系、シ
アノターフェニル系、フェニルエステル系、更にフッ素
系等のスメクチックA相を呈する液晶物質、強誘電性液
晶として用いられるスメクチックC相を呈する液晶物
質、あるいはスメクチックH、G、E、F等を呈する液
晶物質等が挙げられる。
【0051】樹脂粒子を形成する材料としては、例え
ば、紫外線硬化型樹脂であって、モノマー、オリゴマー
の状態で液晶材料と相溶性を有するもの、あるいはモノ
マー、オリゴマーの状態で液晶材料と共通の溶媒に相溶
性を有するものを好ましく使用できる。このような紫外
線硬化樹脂としては、例えばアクリル酸エステル、メタ
クリル酸エステル等が挙げられる。その他、液晶材料と
共通の溶媒に相溶性を有する溶媒可溶型の熱硬化性樹
脂、例えばアクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリスチレン樹脂、およびこれらを主体とした
共重合体等、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等を使用し
てもよい。
【0052】液晶材料と樹脂の使用割合は、液晶の含有
率が10重量部%〜90重量部%、好ましくは40重量
部%〜80重量部%となるようにして使用するとよく、
10重量部%未満であると情報記録により液晶相が配向
しても光透過性が低く、また、90重量%を超えると液
晶のしみ出し等の現象が生じ、画像むらが生じ好ましく
ない。情報記録層の膜厚は解像性に影響を与えるので、
乾燥後膜厚0.1μm〜10μm、好ましくは3μm〜
8μmとするとよく、高解像性を維持しつつ、動作電圧
も低くすることができる。膜厚が薄すぎると情報記録部
のコントラストが低く、また、厚すぎると動作電圧が高
くなるので好ましくない。以上で本発明の情報記録媒体
の構成及び材料の説明を終える。
【0053】〔情報記録媒体の作製〕次に、情報記録媒
体の作製方法について説明する。厚さ1.1mmのガラ
ス基板上に導電層として、膜厚100nmのITO膜を
スパッタリングにより成膜し、電極を得た後、表面洗浄
を行った。この電極上に、多官能性モノマー(ジペンタ
エリストールヘキサアクリレート、東亜合成化学製、M
−400)40重量部、光硬化開始剤(2─ヒドロキシ
─2─メチル─1─3ェニルプロパン─1─オン、チバ
ガイギー社製、ダロキュア1173)2重量部、液晶を
50重量部(そのうちスメクチック液晶(メルク社製、
S─6)が90%、ネマチック液晶(メルク社製、E3
1LV)が10%)、界面活性剤(住友スリーエム社
製、フロラードFC─430)3重量部キシレン96重
量部中に均一に溶解して得た塗布液を、50μmのギャ
ップを設けたブレードコーターを用いてコーティングし
た後、47℃で3分間乾燥し、次いで47℃で2分間減
圧乾燥を行い、直ちに0.3J/cm2 no赤外線照射
によって塗布膜を硬化させ、膜厚6μmの情報記録層を
有する情報記録媒体を得た。情報記録層面を熱メタノー
ルを用いて液晶を抽出し、乾燥させた後、走査型電子顕
微鏡(日立製作所製 S−800)で1000倍で内部
構造を観測したところ、層の表面は0.6μm紫外線硬
化樹脂で覆われ、層内部には連続層を成す液晶相中に、
粒径0.1μmの樹脂粒子相が充填した構造を有してい
た。
【0054】〔一体型の中間層の構成及び材料〕前述の
ように図12の情報記録装置50の構成は、図11の情
報記録装置40の構成における光センサと情報記録媒体
とを誘電体層28を介して対向配置し、直接積層した一
体型としたものである。図12の情報記録装置50は、
光センサにおける光導電層が溶媒を使用して塗布形成さ
れる場合に特に適しており、光導電層上に情報記録層を
直接塗布形成すると、それらの相互作用により情報記録
層における液晶が溶出したり、また、情報記録層形成用
の溶媒により光導電材料が溶出することによる画像ムラ
を防止することができ、また光センサと情報記録媒体と
の一体化を可能とするものである。
【0055】誘電体層28は、その形成にあたって、光
導電層形成材料、情報記録層形成材料にいずれに対して
も溶解性を有しないことが必要であり、また導電性を有
しないことが必要である。導電性を有する場合には、空
間電荷の拡散が生じ、解像度の劣化が生じることから絶
縁性が要求される。また、誘電体層は液晶層にかかる分
配電圧を低下させたり、あるいは解像性を悪化させるの
で、膜厚は薄い方が好ましく、2μm以下とするとよい
が、逆に薄くすることにより、経時的な相互作用による
画像ノイズの発生ばかりでなく、積層塗布する際にピン
ホール等の欠陥による浸透の問題が生じる。ピンホール
等の欠陥による浸透性は積層塗布する材料の固形分比
率、溶媒の種類、粘度により異なるので、積層塗布され
るものの膜厚は適宜設定されるが、少なくとも10μm
以下の膜厚とするとよく、好ましくは0.1μm〜3μ
mとするとよい。さらに、各層に掛かる電圧分配を考慮
した場合、薄膜化と共に誘電率の高い材料が好ましい。
【0056】誘電体層28を形成する材料としては、無
機材料ではSiO2 、TiO2 、CeO2 、Al
2 3 、Si3 4 AiN、TiN、MgF2 、Zn
S、二酸化珪素と二酸化チタンとの組み合わせ、硫化亜
鉛と弗化マグネシウムの組み合わせ、酸化アルミニウム
とゲルマニウムの組み合わせ等を使用し、蒸着法、スパ
ッタ法、化学蒸着(CVD)法等により積層して形成す
るとよい。また、有機溶剤に対して相溶性の少ない水溶
性樹脂、例えばポリビニルアルコール、水系ポリウレタ
ン、水ガラス等の水溶液を使用し、スピンコート法、ブ
レードコート法、ロールコート法等により積層してもよ
い。更に、塗布可能なフッ素樹脂を使用してもよく、こ
の場合にはフッ素系溶剤に溶解し、スピンコート法によ
り塗布するか、またブレードコート法、ロールコート法
等により積層してもよい。
【0057】塗布可能なフッ素樹脂としては、例えば特
開平4─24728号公報等に開示されたフッ素樹脂、
更に真空系で膜形成されるポリパラキシリレンやポリビ
ニルアルコール等の有機材料を好ましく使用することが
できる。以上、情報記録媒体として、情報露光による記
録を液晶の配向により可視化した状態とするものである
が、液晶と樹脂との組合せを選ぶことにより、一旦配向
し、可視化した情報は消去せず、メモリ性を付与するこ
とができる。また、等方相転移付近の高温に加熱する
と、メモリ性を消去することができるので、再度の情報
記録に使用することができる。以上により本発明の一体
型における中間層の構成及び材料の説明を終える。
【0058】〔情報記録媒体の温度特性〕次に本発明で
使用される情報記録媒体の温度特性について説明する。
図13は本発明で使用される情報記録媒体の温度特性の
一例を示す図である。図13において、横軸は高分子分
散型液晶6に印加される電圧(Volt)であり、縦軸
は変調率(%)を表している。変調率とは、光学的に情
報記録媒体の記録情報を読み出す場合において、最大の
光透過状態における検出器の出力を100%とし、最大
の光散乱状態における検出器の出力を0%としたスケー
ルを、検出器の出力に与えたものである。図に示すよう
に、電圧の変化に対して急峻に変調率が変化するのは、
感度が極めて高いことを示している。一方温度に対する
変調率の特性変化は、温度が変化するような環境で使用
する場合に温度、電圧等の制御を行うように構成するこ
とを示している。また、このような特性を利用して記録
された情報を消去することが可能であることも示してい
る。本発明においては、このような情報記録媒体の特性
を考慮して、使用時の温度条件、電圧条件等の具体的な
設定が行われる。
【0059】〔光センサの光誘起電流増幅作用〕次に本
発明の特徴の一つである光センサ7の光誘起電流増幅作
用について説明する。光センサへの光パターン照射時に
おいて光センサは導電性が発現し、情報記録媒体に分与
される電圧または付与される電荷量が経時的に増幅され
る。また、光照射を終了した後でも電圧を印加し続ける
と、光センサはその発現した導電性を緩和減衰的に持続
し、引き続き情報記録媒体に分与される電圧または付与
される電荷量が経時的に増幅される。そしてこれら電圧
と電荷量は、光センサに照射された光パターンと同形の
電圧パターン、電荷量パターンを形成し、更に必要に応
じて可視パターン等に媒体変換が行われて情報記録媒体
に記録される。
【0060】光センサにおける、上記付与される電荷量
の経時的増幅作用、即ち“光誘起電流増幅作用”につい
て更に詳細を説明する。次のように光センサ及び測定装
置を構成し、その光センサの光誘起電流増幅作用を測定
する。透明ガラス上にITO電極を設け、その電極上に
光導電層を形成し、更にその光導電層上に0.16cm
2 の金電極を形成する。そして、この両電極間にITO
電極を正極として直流の一定電圧を印加するとともに、
電圧印加開始後0.5秒後に基板側から0.033秒間
光照射し、測定時間中の光センサにおける電流値の挙動
を、光照射開始時(t=0)から測定する。なお照射光
は、キセノンランプ(浜松ホトニクス社製L2274)
を光源に、図14に示す特性のグリーンフィルター(日
本真空光学社製)により、緑色光を選択して照射し、照
射光強度を照度計(ミノルタ社製)で測定し、20ルッ
クスのものとする。
【0061】この光強度で光照射した時、光源のパワー
スペクトル、透明基材、ITO膜の光透過率、フィルタ
ーの分光特性を考慮すると、光導電層には4.2×10
11個/cm2 秒のフォトンが入射する。そして、入射し
たフォトンが全て光キャリアに変換されると、理論的に
は光電流としては単位面積当たり1.35×10-6A/
cm2 の電流が発生する。
【0062】ここで、前記測定装置により測定する場合
に、理論的光電流に対して、光センサで実際に発生した
光誘起電流の場合(光センサで実際に発生した光誘起電
流値/理論的光電流値)をその光センサにおける量子効
率と定義する。また光誘起電流とは、光照射部の電流値
から光を照射しない場合部分で流れる電流であるベース
電流値を差し引いたものであり、光照射中あるいは光照
射後もベース電流以上の光照射に起因する電流が流れる
ものをいい、いわゆる光電流とは相違する。本発明の光
センサにおける光誘起電流増幅作用とは、このような光
誘起電流の挙動のことであると定義する。
【0063】本発明における光誘起電流増幅作用を有す
る光センサと、光誘起電流増幅作用を有しない光センサ
(以下比較センサという)とを、前記測定装置での測定
結果を使用して説明する。まず、比較センサについての
測定結果を図15に示す。図15において、(m)線
は、前記理論値(1.35×106 A/cm2 )を示す
参考線で、光照射を0.033秒間行い、光照射後も電
圧印加を継続した状態を示す。(n)線は光誘起電流増
幅作用を有しない光センサの実測線で光照射中の量子効
率の変化を図16に示す。
【0064】これに対して、本発明における光センサ
は、一例として図17に示すように光照射時は光誘起電
流が増加し、量子効率の関係を示す図18から明らかな
ように、約0.01秒で量子効率は1を超え、その後も
量子効率は増加を続けることがわかる。また、比較セン
サでは光照射終了と同時に光電流が急激に減衰するた
め、光照射後継続して電圧印加しても光情報として有効
な電流は得られない。これにたいして本発明の光センサ
においては、光照射後も電圧印加を継続することのより
光誘起電流が継続して流れ、引き続いて光誘起電流を取
り出すことができ、光情報をつづけて得ることができ
る。以上で本発明における光センサの光誘起電流増幅作
用についての説明を終える。
【0065】〔光センサの半導電性〕本発明の光センサ
は、その光導電層が暗時において半導電性材料であり、
流れる電流密度から暗時の比抵抗が109 〜1013Ω・
cmであることが好ましい。特に、比抵抗が1010〜1
11Ω・cmのもので増幅作用が顕著である。比抵抗が
1013Ω・cmよりも大きい光センサでは、105 〜1
6 V/cmの電界強度範囲では本発明の光センサのよ
うな増幅作用を示さない。また、比抵抗が109 Ω・c
m未満の光センサでは、電流が非常に多く流れ、電流に
よるノイズが発生し易く好ましくない。
【0066】これに対して、一般の電子写真用で用いら
れている有機感光体には、暗時において絶縁性材料であ
る暗時の比抵抗が1014〜1016Ω・cmの材料が用い
られている。従って、本発明の光センサを電子写真に用
いた場合は、電子写真の目的を達することができない。
また、一般の電子写真において用いられる有機感光体
は、本発明の光センサに使用した場合は、本発明の目的
を達することができない。
【0067】また、情報記録媒体における情報記録層が
特に高分子分散型液晶である場合には、液晶の動作電圧
領域に光センサの感度を設定することが必要である。即
ち、最大露光部において情報記録媒体に印加される電圧
(明電位)と最小露光部において情報記録媒体に印加さ
れる電圧(暗電位)との間の電圧であるコントラスト電
圧は、情報記録媒体における高分子分散型液晶の動作電
圧領域に含まれ、所定の動作振幅が得られる大きさをと
ることが必要となる。そのため、例えば光センサの最小
露光部の液晶層に印加される暗電位は、液晶の動作開始
電位程度に設定する必要がある。したがって、情報記録
媒体の抵抗率が常温で1010〜1013Ω・cmであり、
光センサに105 〜106 V/cmの電界が与えられた
状態で、10-4〜10-7A/cm2 のベース電流が生じ
る程度の導電性が要求され、好ましくは10-5〜10-6
A/cm2 の範囲がよい。
【0068】ベース電流が10-7A/cm2 未満の光セ
ンサでは高分子分散型液晶層が最大露光状態でも配向せ
ず、また10-4A/cm2 以上のベース電流での光セン
サでは液晶層が最小未露光状態でも電圧印加と同時に大
きな電流が流れ、高分子分散型液晶が配向してしまう。
従って、露光したとしても露光量による透過率の差が得
られない。また、液晶の種類によって動作電圧および範
囲が異なるものもあるので、印加電圧および電圧印加時
間を設定するにあたっては、情報記録媒体における電圧
配分を考慮する必要がある。以上で本発明の光センサの
半導電性についての説明を終える。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の情報記録
装置によれば、光誘起電流増幅作用を有する光センサを
用いており高感度であり、またその光センサと高分子分
散型液晶を構成要素とする情報記録媒体とを組み合わせ
たことにより高解像度の記録が行える。また、第1発明
である情報記録装置によれば、記録対象の情報を複数の
色信号に分解して入力することによって記録が行われる
情報記録媒体であって、前記複数の各色信号に相当する
各色を透過し他の色を透過しないフィルタ細条を前記色
信号の複数色分を一組として繰り返し配設した色ストラ
イプフィルタと、第2の透明電極と、高分子分散型液晶
と、を積層して成る情報記録媒体を用いて、前記記録対
象の情報を前記情報記録媒体上に記録する情報記録装置
であって、記録ヘッドは、前記分解された複数の色信号
を供給し、かつ光導電層を有し、半導電性であり、電圧
印加露光を行うと光誘起電流増幅作用を示し、従って高
感度、高解像度であり、切替え選択光手段は、前記記録
ヘッドの前記光導電層に前記複数の各色信号に相当する
各色の光を前記ストライプフィルタを介して入力し、前
記複数の色信号及び前記複数の各色信号に相当する各色
の光を同時に前記記録ヘッドに供給して、前記色ストラ
イプフィルタの前記フィルタ細条の対応する各色位置に
選択記録するよう構成されているから、電圧印加露光を
行うことにより、カラー情報の記録を行うことができ
る。
【0070】また、第2発明の情報記録装置によれば、
前記第1発明において、前記記録ヘッドの前記光導電層
を電荷発生層と電荷輸送層と電荷発生層との積層構造に
構成したから、複数の色信号と前記複数の各色信号に相
当する各色の光に、各の電荷発生層が反応し、コントラ
スト電位を大きくとることができる。また、第3発明の
情報記録装置によれば、前記記録媒体の全面をカバーす
る大きさの平面形状の記録ヘッドと、2次元の色画像と
して前記記録媒体に入力する色信号とにより、前記記録
媒体の全面に同時に記録でき、かつ各色一回づつの記録
で済ますことができ、記録効率が極めてよい。また、第
4発明の情報記録再生装置によれば、前記第1〜3発明
において、前記第3〜5発明の情報記録装置により記録
された前記情報記録媒体を再生表示する手段を併せて備
えたことにより、情報の記録とともの再生を行うことが
できる。
【0071】また、第5発明の情報記録媒体によれば、
記録対象の情報を複数の色信号に分解して入力すること
によって記録が行われる情報記録媒体であって、情報記
録装置を使用すれば第2の透明電極を介して高分子分散
型液晶に電圧を印加することができ、その結果高分子分
散型液晶に記録対象の情報を複数の色信号に分解して情
報記録を行うことができる。また色ストライプフィルタ
は、前記複数の各色信号に相当する各色を透過し他の色
を透過しないフィルタ細条を前記色信号の複数色分を一
組として繰り返し配設して成るから、高分子分散型液晶
に記録された各色信号を各色の光変調された光学像とし
てを再現することができるカラー情報が記録できる。ま
た、第6発明である情報記録媒体によれば、第1発明に
おいて前記フィルタ細条の各色間に設けた光不透過部を
具備するから、混色の無い高品位なカラー情報を記録す
ることができる。
【0072】以上のように、本発明によれば従来の情報
記録方法に比較して、さらに高感度、高解像度の情報記
録を行うことができる、情報記録媒体と、情報記録媒体
への情報形成に使用される記録ヘッドであって情報形性
能に優れ情報記録感度の向上した記録ヘッドと、その記
録ヘッドからなる情報記録装置と、再生装置と、を提供
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の情報記録媒体1Aの構成及び構造を示
す図である。
【図2】本発明の情報記録媒体1Bの構成及び構造を示
す図である。
【図3】本発明の情報記録媒体1Bにおいて光不透過部
によって隣接するフィルタ細条間には光が拡散されない
ことを示す図である。
【図4】記録ヘッド10Aの構成及び構造を示す図であ
る。
【図5】記録ヘッド10Bの構成及び構造を示す図であ
る。
【図6】電界ヘッド10Bを下面かた見て示した図であ
る。
【図7】本発明の情報記録/再生装置20の構成及び構
造を示す図である。
【図8】本発明の情報記録/再生装置30の構成及び構
造を示す図である。
【図9】情報記録媒体の透過散乱が電界によって変化す
る特性を示す図である。
【図10】再生手段(OHP表示手段)の構成及び構造
を示す図である。
【図11】本発明の情報記録/再生装置40の構成及び
構造を示す図である。
【図12】本発明の情報記録/再生装置50の構成及び
構造を示す図である。
【図13】本発明で使用される情報記録媒体の温度特性
の一例を示す図である。
【図14】本発明で使用されるグリーンフィルターの特
性を示す図である。
【図15】本発明における光センサとは異なり、光誘起
電流増幅作用を有しない従来のセンサについての測定結
果を示す図である。
【図16】光誘起電流増幅作用を有しない光センサの光
照射中の量子効率の変化を示す図である。
【図17】本発明における光誘起電流増幅作用を有する
光センサにおいて、光照射時の光誘起電流の増加を示す
図である。
【図18】本発明における光誘起電流増幅作用を有する
光センサにおいて、光照射時の光誘起電流の量子効率を
示す図である。
【符号の説明】
1A 第1の情報記録媒体 1B 第2の情報記録媒体 2 第2の基板 3 第2の透明電極 4 高分子分散型液晶 5(5a,5b) ストライプフィルタ 10A 第1の記録ヘッド(電界発生ヘッド,光セン
サ) 10B 第2の記録ヘッド(電界発生ヘッド,光セン
サ) 10C 第3の記録ヘッド(電界発生ヘッド,光セン
サ) 10D 第4の記録ヘッド(電界発生ヘッド,光セン
サ) 11 第1の基板 12 第1の透明電極 13 光導電層(光導電層膜) 13a 電荷発層 13b 電荷輸送層 13c 電荷発生層 14 分割電極 20 情報記録再生装置 21 切替え選択手段 22 光源 23 色フィルタ 23a〜23c フィルタ部 28 誘電体層 30 情報記録再生装置 31 電源 32 スイッチ 33 抵抗 40 情報記録再生装置 50 情報記録再生装置 60 OHP装置
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02F 1/135 H04N 9/79

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録対象の情報を複数の色信号に分解して
    入力することによって記録が行われる情報記録媒体であ
    って、前記複数の各色信号に相当する各色を透過し他の
    色を透過しないフィルタ細条を前記色信号の複数色分を
    一組として繰り返し配設した色ストライプフィルタと、
    第2の透明電極と、高分子分散型液晶と、を積層して成
    る情報記録媒体を用いて、前記記録対象の情報を前記情
    報記録媒体上に記録する情報記録装置であって、前記分
    解された複数の色信号を供給し、かつ光導電層を有し、
    半導電性であり、光誘起電流増幅作用を示す記録ヘッド
    と、前記記録ヘッドの前記光導電層に前記複数の各色信
    号に相当する各色の光を前記ストライプフィルタを介し
    て入力する切替え選択光手段とを具備してなり、記録
    時、前記複数の色信号及び前記複数の各色信号に相当す
    る各色の光を同時に前記記録ヘッドに供給して、前記色
    ストライプフィルタの前記フィルタ細条の対応する各色
    位置に選択記録するよう構成したことを特徴とする情報
    記録装置。
  2. 【請求項2】前記記録ヘッドの前記光導電層を電荷発生
    層と電荷輸送層と電荷発生層との積層構造に構成したこ
    とを特徴とする請求項1記載の情報記録装置。
  3. 【請求項3】前記記録ヘッドの形状は、前記記録媒体の
    全面をカバーする大きさの平面形状であり、かつ前記色
    信号を2次元の色画像として前記記録媒体に入力するよ
    うに構成したことを特徴とする請求項1,2記載の情報
    記録装置。
  4. 【請求項4】前記請求項1〜3記載の情報記録装置によ
    り記録された前記情報記録媒体を再生表示する手段を併
    せて備えたことを特徴とする情報記録再生装置。
  5. 【請求項5】記録対象の情報を複数の色信号に分解して
    入力することによって記録が行われる情報記録媒体であ
    って、前記複数の各色信号に相当する各色を透過し他の
    色を透過しないフィルタ細条を前記色信号の複数色分を
    一組として繰り返し配設した色ストライプフィルタと、
    第2の透明電極と、高分子分散型液晶と、を積層して成
    ることを特徴とする情報記録媒体。
  6. 【請求項6】前記フィルタ細条の各色間に設けた光不透
    過部を具備することを特徴とする請求項5記載の情報記
    録媒体。
JP6158190A 1994-06-17 1994-06-17 情報記録再生装置及び情報記録媒体 Withdrawn JPH089103A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008122993A (ja) * 2008-02-01 2008-05-29 Dainippon Printing Co Ltd 液晶性電荷輸送材料を用いた信号検出素子および信号検出方法

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JP2008122993A (ja) * 2008-02-01 2008-05-29 Dainippon Printing Co Ltd 液晶性電荷輸送材料を用いた信号検出素子および信号検出方法

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