JP2847214B2 - 立体構造物成形用素材及びこれを用いた立体構造物の製造方法 - Google Patents
立体構造物成形用素材及びこれを用いた立体構造物の製造方法Info
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Description
材及びこれを用いて該立体構造物を製造する方法に関す
る。
ィルムシートが一般的である。紙やフィルムシートは通
気性が低く(密封性に優れ)、低発塵性であり(切断面
がほつれ難い)、更に立体構造物となした際、折り目成
形性、形態保持性に優れるため立体構造物素材として好
ましい一面を有している。ただ、紙にあっては水に濡れ
た場合の形態保持性、寸法安定性、強度保持性に欠けて
おり、フィルムにあってはパッケージに必要な強さや厚
さを持つものは硬くて作業性に問題があった。更に紙や
フィルムの美的表現手段は印刷に限られており、種々の
機能性付与も難しかった。
げられるが、通常の繊維構造物はドレープ性があるため
成型性に劣り、また、発塵性も高く、これら素材として
は不適当であった。
特開昭59−59969号公報に記載されたごとく、低融点繊
維を混用する方法等がある。
融点繊維を単に混用するだけのものは、硬仕上布帛とし
ては用い得るが、立体構造物の成形用素材としては不十
分であった。これは、素材を成形する際の寸法安定性が
低く、また、形態保持性も立体構造物を支えるには十分
でないためである。
寸法安定性、形態保持性を有する繊維構造物からなる立
体構造成形用素材を提供すること、および、これを用い
て特異な外観・機能を有する立体構造物を製造する方法
を提供することを課題とする。
融点ポリエステルからなる芯鞘型複合フィラメント糸を
使用することによって、上記課題を解決した。
複合フィラメント糸を少なくとも40重量%以上用いた織
編物であって、該フィラメント糸の交差点の少なくとも
一部が低融点ポリエステルの溶融により融着されてお
り、更に220℃の乾熱収縮率が5%以下、モンサント法
による開角度が60度以下であるものである。
〜100g/cm2の加熱加圧下で成形・接着することによっ
て、形態保持性に優れた立体構造物を得ることができ
る。
分がポリエチレンテレフタレート、鞘成分が低融点ポリ
エステルからなるものであるが、低融点ポリエステルと
しては、ポリエチレンテレフタレートにイソフタール酸
を共重合した共重合ポリエステルを使用する。なお、低
融点ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートの融
点(通常は260℃)と30℃以上の融点差を有するものを
使用するのが好ましいが、例えば、ポリエチレンテレフ
タレートにイソフタル酸を15〜35モル%程度共重合した
共重合ポリエステルの融点は130〜210℃となる。
率は6:4〜2:8であるのが好ましく、特に5:5〜3:7である
のが好ましい。鞘成分が40%未満となると本素材を用い
て成形・接着を行う際の接着性が低下することがあり、
また、80%を超えると芯成分が少なくなるため本素材の
強力が低下することがある。
ル、フィラメント数は10〜30程度が適度の強度、成形性
を得るために好ましい。
とが強度を保持し、防塵性を得るために必要である。
%以上用いた織編物であればよく、該フィラメント糸と
混用する素材は特に限定されないが、ポリエステルの意
匠糸を交編織することにより、独特の外観を得ることが
できる。また、寸法安定性および形態保持性に最も優れ
た製品を得るためには、該複合フィラメント糸を織編物
の全量に近く用いるのが好ましい。
すればよいが、一般的な箱や袋として用いる場合は、十
分な密封性を得るためにカバーファクター の経緯方向の和が1500〜2500程度(編地の場合はこれに
匹敵する編目密度)となるように編織すればよい。
して加熱処理を行った結果、前記複合フィラメント糸の
交差点の少なくとも一部が、低融点ポリエステルの溶融
により融着されたものである。
融点より10℃以上、更に好ましくは15℃以上高い温度
で、しかもポリエチレンテレフタレートの融点よりも低
い温度で行うとよい。また、加熱処理時には織編物の収
縮が発生するので、皺を防ぐため拡布状態で加熱を行う
ことが好ましい。更に、成形時の加熱処理により再度収
縮が発生することを避けるため、加熱処理時には織編物
を15%以上、好ましくは15〜20%程度十分に収縮せしめ
るのがよい。このためには、例えばピンテンター型ヒー
トセッターを用いて、オーバーフィード下でマイナスの
幅出しのごとき処理を行えばよい。
で行ってもよいが、織編物の取扱性、前記のごとき加熱
方法を考慮すれば後工程で実施するのが好ましい。
ある。
開角度が60度を超えると、折り目の保形性(成形性)が
乏しく、本発明のごとく成形用素材としては用い得な
い。モンサント法による開角度は1.5×4cmの試験片を経
緯方向に各2枚採取し、JIS L−1096防皺性B法(モン
サント法)に準じて測定した結果の平均値である。
防かび等の各種加工を行ってもよいことは勿論である。
いて述べる。
カバー等の包装材料や立体装飾品等、三次元的構造を有
するものである。
形したり、折り曲げの結果接触した面を接着したりする
が、かかる際、折り曲げ部や接着部を加熱、加圧しつつ
行うことが必要で、加熱温度としては本素材製造時の加
熱温度よりも0〜20℃程度低い200〜230℃、加圧圧力は
20〜100g/cm2で行う。成形は、具体的には前記温度に加
熱したアイロン等を用いて折り曲げ部を前記圧力に加圧
した後、直ちに所定の形状に成形する方法があり、接着
部分にもアイロンを用いた方法が用い得る。
着強度を示し、通常の包装品等として十分に用い得る強
度を有するものとなる。
枚採取して、この2枚を重ねてその一部を乾熱昇華堅牢
度試験機(大栄科学精器製作所製TL−200型)にて220℃
で15秒接着し、テンシロン引張試験機にて180度剥離強
力を測定し、布幅で除して接着強度(Kg/cm)とする。
率20モル%)を鞘部分(融点185℃)に、通常のポリエ
ステル(融点260℃)を芯部分に用いた鞘芯の接合比率
が1:1である複合糸(ただし、250d/16fで、強度4.8d、
伸度40%)を用いて経糸密度56本/インチ、緯糸密度57
本/インチ、幅125cmのタフタを製織した。このタフタ
の経糸方向の220℃での乾熱収縮率は20%であった。ピ
ンテンター型のヒートセッターを用いて220℃で2分処
理して幅100cmに仕上げた。この織物のカンチレバー剛
軟度(JIS L 1096A)は19cm、モンサント開角度は48度
であった。次に、この織物の折り曲げ部を210℃に加熱
したアイロンを用いて25g/cm2の圧力を掛けて15秒間加
熱・加圧して、直ちに折り曲げ冷却することにより、箱
状の成形体となし、接合部も同様に加熱・加圧して接着
した。得られた箱は適度の硬さとしっかりした折り目を
持つものであった。また、接合部分の接着強度は3Kg/cm
であり、十分な強度を有するものであった。
酸比率20モル%)を鞘部分(融点185℃)に、通常のポ
リエステル(融点260℃)を芯部分に用いた鞘芯の接合
比率が異なる複合糸(250d/16f)を用いて丸編を編成し
た。丸編を切り開いて(幅23cm)ピンテンター型のヒー
トセッターを用いて220℃で2分間処理して、幅19.5cm
に仕上げた。
施例1と同様にして箱となした際の接着強度を測定し
た。その結果を第1表に示す。
形性に優れ、接着強度の強い実用性ある製品を得ること
ができるが、融着部分の占める比率が40%未満である比
較例1では、モンサント開角度が60度を超え、折り目成
形性が悪く、接着強度も2Kg/cm以下と不十分なものとな
ることがわかる。
通糸を引き揃えて交編して実施例2と同様の丸編を編成
した。丸編を切り開いて(幅22cm)、ピンテンター型の
ヒートセッターを用いて220℃で2分間処理して幅18.5c
mに仕上げた。これらの構造物のモンサント開角度、接
着強度を測定した結果を第2表に示す。
性ある製品が得られるが、融着部分の占める比率が40%
未満の比較例2では、モンサント開角度が60度を超え、
折り目成型性が悪くなり、接着強度も2Kg/cm以下とな
り、接着性が十分でなくなることがわかる。
℃の温度で精練し、縦、横とも5%収縮させた。次いで
テンションレス高圧ジッガーを用いて120℃で分散染料
染色し、還元洗浄して赤色に染めた。布は生機より縦が
10%、横が15%収縮した。この製品の染色堅牢度を第3
表に示す。
の染色堅牢度も示すが、この結果から本発明の製品は、
レギュラー品に近い染色特性を備えていることがわか
る。
トセッターを用いて220℃で2分処理して幅100cmに仕上
げた。この構造物のカンチレバー剛軟度は19cm、モンサ
ント開閉、角度は46度、接着強度は3.2Kg/cmであった。
ころ、この箱は、ファブリック的外観を備え、ファッシ
ョン性に優れたパッケージとなった。
捺染機(一ノ瀬製)で花模様を印捺し、ハイテンパラチ
ャースチーマー(アリオリ製)で160℃で15分蒸熱処理
した後、オープンソーバーで洗浄して仕上げた。布は生
機より縦、横とも14%収縮した。更にピンテンター型の
ヒートセッターを用いて220℃で2分処理して幅100cmに
仕上げた。この構造物のカンチレバー剛軟度は19cm、モ
ンサント開角度は46度、接着強度は3.2Kg/cmであった。
この構造物を用いて実施例1と同様に箱を作成した。フ
ァブリック的外観を備え、ファッション性に優れたパッ
ケージとなった。
あり、熱収縮率が低いことなどから成型安定性に優れ、
立体構造物を容易に得ることができる。また、本発明方
法は立体構造物を効率良く生産できるものであって、得
られた立体構造物も従来にない特異な外観、風合、ファ
ッション性を有するもので、頗る有用なものである。
Claims (2)
- 【請求項1】芯がポリエチレンテレフタレート、鞘が低
融点ポリエステルからなる芯鞘型複合フィラメント糸を
少なくとも40重量%以上用いた織編物であって、前記低
融点ポリエステルがポリエチレンテレフタレートにイソ
フタール酸を共重合した共重合ポリエステルからなるこ
と、及び前記フィラメント糸の交差点の少なくとも一部
が前記低融点ポリエステルの溶融により融着されてお
り、更に220℃の乾熱収縮率が5%以下、モンサント法
による開角度が60度以下である立体構造物成形用素材。 - 【請求項2】請求項1記載の立体構造物成形用素材を20
0〜230℃、20〜100g/cm2の加熱加圧下で成形・接着する
ことを特徴とする立体構造物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1189171A JP2847214B2 (ja) | 1989-07-20 | 1989-07-20 | 立体構造物成形用素材及びこれを用いた立体構造物の製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP1189171A JP2847214B2 (ja) | 1989-07-20 | 1989-07-20 | 立体構造物成形用素材及びこれを用いた立体構造物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0359140A JPH0359140A (ja) | 1991-03-14 |
JP2847214B2 true JP2847214B2 (ja) | 1999-01-13 |
Family
ID=16236667
Family Applications (1)
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JP1189171A Expired - Lifetime JP2847214B2 (ja) | 1989-07-20 | 1989-07-20 | 立体構造物成形用素材及びこれを用いた立体構造物の製造方法 |
Country Status (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014166751A (ja) * | 2013-01-29 | 2014-09-11 | Kuramae Sangyo Kk | 布容器の製造方法及び布容器 |
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JP5654194B2 (ja) * | 2008-01-31 | 2015-01-14 | ユニチカトレーディング株式会社 | 丸編地及びそれを用いてなる繊維製品 |
Family Cites Families (4)
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JPS6035449B2 (ja) * | 1976-03-31 | 1985-08-14 | 東洋紡績株式会社 | 補強用織物 |
JPS5988946A (ja) * | 1982-08-12 | 1984-05-23 | イ−・アイ・デユポン・デ・ニモアス・アンド・カンパニ− | 配向された織物状の家具支持物質 |
JPS5959969A (ja) * | 1982-09-22 | 1984-04-05 | ユニチカ株式会社 | 硬仕上布帛の製造方法 |
JPH01162839A (ja) * | 1987-12-21 | 1989-06-27 | Chisso Corp | 搦み織ネット |
-
1989
- 1989-07-20 JP JP1189171A patent/JP2847214B2/ja not_active Expired - Lifetime
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