JP2001001437A - 不織布複合体およびその製造方法 - Google Patents
不織布複合体およびその製造方法Info
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- JP2001001437A JP2001001437A JP17231399A JP17231399A JP2001001437A JP 2001001437 A JP2001001437 A JP 2001001437A JP 17231399 A JP17231399 A JP 17231399A JP 17231399 A JP17231399 A JP 17231399A JP 2001001437 A JP2001001437 A JP 2001001437A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 プリーツ加工性、プリーツ保持性、高強度・
補強、防しわ性、耐久性、寸法安定性、耐洗濯性、保温
性、嵩高性、伸縮性、張・腰、反発性、風合いを兼ね備
えた布地を提供すること。 【解決手段】 熱可塑性樹脂から成るスパンボンド不織
布の両面に、天然繊維から成るフェルトを縮充固定して
不織構造の複合体とする。
補強、防しわ性、耐久性、寸法安定性、耐洗濯性、保温
性、嵩高性、伸縮性、張・腰、反発性、風合いを兼ね備
えた布地を提供すること。 【解決手段】 熱可塑性樹脂から成るスパンボンド不織
布の両面に、天然繊維から成るフェルトを縮充固定して
不織構造の複合体とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂から
成るスパンボンド不織布と、天然繊維から成るフェルト
とを具える不織布複合体およびその製造方法に関し、さ
らに詳しくは、スパンボンド不織布の両面にフェルトが
縮充固定されている不織布複合体およびその製造方法に
関する。
成るスパンボンド不織布と、天然繊維から成るフェルト
とを具える不織布複合体およびその製造方法に関し、さ
らに詳しくは、スパンボンド不織布の両面にフェルトが
縮充固定されている不織布複合体およびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、着心地および装飾性の観点から、
プリーツ(ひだ)加工された布地を用いて作製した被服
などのプリーツ加工製品が注目されている。
プリーツ(ひだ)加工された布地を用いて作製した被服
などのプリーツ加工製品が注目されている。
【0003】一般的に、このようなプリーツ加工製品の
素材として使用されているのは、ヒートセット性に極め
て優れたポリエステル繊維である。ポリエステル繊維か
らなる生地から縫製された衣服は、着用中にプリーツが
消えることもなく、しわになる等の型くずれを生じるこ
ともなく、さらに洗濯してもしわができることもないこ
とが知られている。
素材として使用されているのは、ヒートセット性に極め
て優れたポリエステル繊維である。ポリエステル繊維か
らなる生地から縫製された衣服は、着用中にプリーツが
消えることもなく、しわになる等の型くずれを生じるこ
ともなく、さらに洗濯してもしわができることもないこ
とが知られている。
【0004】また、ヒートセット性がないが独特の持ち
味を有する天然繊維と、合成繊維との混紡も行なわれて
いる。具体的には、羊毛の持ち味である保温性、嵩高
性、伸縮性、張・腰、反発性、風合いなどに、合成繊維
の持ち味であるプリーツ保持性、高強度・補強、防しわ
性、耐久性、寸法安定性、耐洗濯性、耐防虫性などを付
与したポリエステル/羊毛の混紡糸が、特公昭62−2
5770号公報に開示されている。そして、天然の布地
繊維素材として、例えば羊毛などの獣毛繊維、綿、麻、
絹などが挙げられている。
味を有する天然繊維と、合成繊維との混紡も行なわれて
いる。具体的には、羊毛の持ち味である保温性、嵩高
性、伸縮性、張・腰、反発性、風合いなどに、合成繊維
の持ち味であるプリーツ保持性、高強度・補強、防しわ
性、耐久性、寸法安定性、耐洗濯性、耐防虫性などを付
与したポリエステル/羊毛の混紡糸が、特公昭62−2
5770号公報に開示されている。そして、天然の布地
繊維素材として、例えば羊毛などの獣毛繊維、綿、麻、
絹などが挙げられている。
【0005】一方、羊毛、山羊毛、牛毛、ラクダ毛、ウ
サギ毛などの動物繊維は、一般的に繊維表面がスケー
ル、すなわちうろこ構造であり、縮充性を有している。
特に羊毛繊維は縮充性が大きいことから、羊毛繊維から
プレスフェルトを製造し、さらにプリーツ加工を施して
プリーツ加工製品を製造する技術が種々提案されている
が、実用性に問題があった。このような天然繊維に基づ
くプリーツ加工製品でも、製品の目的、品質などに応じ
て、縮充性を有する羊毛に、ビスコースレーヨン、綿、
その他の化学合成繊維などの縮充性のない繊維を混合す
ることが提案されている。
サギ毛などの動物繊維は、一般的に繊維表面がスケー
ル、すなわちうろこ構造であり、縮充性を有している。
特に羊毛繊維は縮充性が大きいことから、羊毛繊維から
プレスフェルトを製造し、さらにプリーツ加工を施して
プリーツ加工製品を製造する技術が種々提案されている
が、実用性に問題があった。このような天然繊維に基づ
くプリーツ加工製品でも、製品の目的、品質などに応じ
て、縮充性を有する羊毛に、ビスコースレーヨン、綿、
その他の化学合成繊維などの縮充性のない繊維を混合す
ることが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のいずれの場合に
も、布地において天然繊維および合成繊維のそれぞれの
特徴を相乗的に発揮させるためには、それらの混用比率
に制限があり、および混合の程度にも配慮を必要とし
た。また、混紡糸を用いて製造された編織物またはプレ
スフェルトの外観および風合いは、合成繊維と天然繊維
の中間に位置し、天然繊維の持ち味を活かしきれていな
い。
も、布地において天然繊維および合成繊維のそれぞれの
特徴を相乗的に発揮させるためには、それらの混用比率
に制限があり、および混合の程度にも配慮を必要とし
た。また、混紡糸を用いて製造された編織物またはプレ
スフェルトの外観および風合いは、合成繊維と天然繊維
の中間に位置し、天然繊維の持ち味を活かしきれていな
い。
【0007】したがって、合成繊維の特徴を備え、且つ
天然繊維に対して抱くイメージに十分応えた布地は皆無
といえる状況であった。
天然繊維に対して抱くイメージに十分応えた布地は皆無
といえる状況であった。
【0008】本発明の課題は、合成繊維が典型的に有す
るプリーツ加工性、プリーツ保持性、高強度・補強、防
しわ性、耐久性、寸法安定性、および耐洗濯性と、天然
繊維が典型的に有する保温性、嵩高性、伸縮性、張・
腰、反発性、風合いとを兼ね備えた布地、および混用比
率や混合程度に拘束されないそのような布地の製造方法
を提供することにある。
るプリーツ加工性、プリーツ保持性、高強度・補強、防
しわ性、耐久性、寸法安定性、および耐洗濯性と、天然
繊維が典型的に有する保温性、嵩高性、伸縮性、張・
腰、反発性、風合いとを兼ね備えた布地、および混用比
率や混合程度に拘束されないそのような布地の製造方法
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、このような
課題を解決するために、熱可塑性樹脂から成るスパンボ
ンド不織布上に、天然繊維から成るフェルトを縮充固定
して不織構造の複合体とすることにより、合成繊維およ
び天然繊維の典型的な特性を兼ね備えた布地を提供でき
ることを見出した。
課題を解決するために、熱可塑性樹脂から成るスパンボ
ンド不織布上に、天然繊維から成るフェルトを縮充固定
して不織構造の複合体とすることにより、合成繊維およ
び天然繊維の典型的な特性を兼ね備えた布地を提供でき
ることを見出した。
【0010】すなわち、本発明の第1の形態である不織
布複合体は、熱可塑性樹脂フィラメントから成るスパン
ボンド不織布と、天然繊維から成るフェルトとを具える
不織布複合体であって、そのスパンボンド不織布の両面
にそのフェルトが縮充固定されていることを特徴とす
る。
布複合体は、熱可塑性樹脂フィラメントから成るスパン
ボンド不織布と、天然繊維から成るフェルトとを具える
不織布複合体であって、そのスパンボンド不織布の両面
にそのフェルトが縮充固定されていることを特徴とす
る。
【0011】また、本発明の第2の形態は、上記の不織
布複合体において、熱可塑性樹脂フィラメントは、ポリ
プロピレンまたはポリエステルフィラメントであること
を特徴とする。
布複合体において、熱可塑性樹脂フィラメントは、ポリ
プロピレンまたはポリエステルフィラメントであること
を特徴とする。
【0012】さらにまた、本発明の第3の形態は、上記
のいずれかの不織布複合体において、スパンボンド不織
布は、目付が10g/m2〜200g/m2であることを
特徴とする。
のいずれかの不織布複合体において、スパンボンド不織
布は、目付が10g/m2〜200g/m2であることを
特徴とする。
【0013】さらにまた、本発明の第4の形態は、上記
のいずれかの不織布複合体において、天然繊維は、獣毛
であることを特徴とする。
のいずれかの不織布複合体において、天然繊維は、獣毛
であることを特徴とする。
【0014】さらにまた、本発明の第5の形態は、第4
の形態の不織布複合体において、獣毛は、羊毛であるこ
とを特徴とする。
の形態の不織布複合体において、獣毛は、羊毛であるこ
とを特徴とする。
【0015】さらにまた、本発明の第6の形態である不
織布複合体の製造方法は、(A)スパンボンド不織布の
表面に天然繊維のウェッブを積層して、所定の重さのラ
ップを形成する工程、および(B)前記ラップにおいて
主として天然繊維を縮充してスパンボンド不織布表面に
フェルトを形成すると共に、該不織布表面にフェルトを
固定する工程、を具えることを特徴とする。
織布複合体の製造方法は、(A)スパンボンド不織布の
表面に天然繊維のウェッブを積層して、所定の重さのラ
ップを形成する工程、および(B)前記ラップにおいて
主として天然繊維を縮充してスパンボンド不織布表面に
フェルトを形成すると共に、該不織布表面にフェルトを
固定する工程、を具えることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】1.スパンボンド不織布 本発明においては、基布としてスパンボンド不織布を用
いる。
いる。
【0017】不織布としては、合成繊維から成る慣用の
いかなるスパンボンド不織布も使用できる。ヒートセッ
ト性などの要求特性を満足するためには、熱可塑性樹脂
フィラメントから成るスパンボンド不織布が好ましい。
熱可塑性樹脂は、溶融紡糸可能なものであればいかなる
ものでもよく、具体的にはポリプロピレン、ポリアミ
ド、ポリエステルなどを挙げることができる。廃棄処理
の問題を考慮すると、リサイクル性および化学安定性に
優れたポリプロピレンが特に好ましい。また、ヒートセ
ット性および染色性が特に必要とされる場合には、ポリ
エステルが好適に使用される。
いかなるスパンボンド不織布も使用できる。ヒートセッ
ト性などの要求特性を満足するためには、熱可塑性樹脂
フィラメントから成るスパンボンド不織布が好ましい。
熱可塑性樹脂は、溶融紡糸可能なものであればいかなる
ものでもよく、具体的にはポリプロピレン、ポリアミ
ド、ポリエステルなどを挙げることができる。廃棄処理
の問題を考慮すると、リサイクル性および化学安定性に
優れたポリプロピレンが特に好ましい。また、ヒートセ
ット性および染色性が特に必要とされる場合には、ポリ
エステルが好適に使用される。
【0018】合成繊維から成るスパンボンド不織布は、
従来公知の製造方法によって製造することができる。具
体的には、合成樹脂を用いて化学繊維を紡糸する際に、
紡糸ノズルから出たフィラメントを空気流などによって
延伸処理し、エアーサッカーにて引き取り、ネットコン
ベア上に集積し、連続ウェッブを作って接合することに
よって製造することができる。連続ウェッブの接合は、
接着剤の使用、融着、または空気流による交絡などによ
り行なわれる。
従来公知の製造方法によって製造することができる。具
体的には、合成樹脂を用いて化学繊維を紡糸する際に、
紡糸ノズルから出たフィラメントを空気流などによって
延伸処理し、エアーサッカーにて引き取り、ネットコン
ベア上に集積し、連続ウェッブを作って接合することに
よって製造することができる。連続ウェッブの接合は、
接着剤の使用、融着、または空気流による交絡などによ
り行なわれる。
【0019】不織布の目付は特に限定されるものではな
いが、ある程度小さくないと軽量化できないため、通常
は10g/m2〜200g/m2である。好ましくは、2
0g/m2〜150g/m2であり、さらに好ましくは、
20g/m2〜100g/m2である。また、不織布の目
付量を変えることによって、複合体の風合いを調整する
ことができる。
いが、ある程度小さくないと軽量化できないため、通常
は10g/m2〜200g/m2である。好ましくは、2
0g/m2〜150g/m2であり、さらに好ましくは、
20g/m2〜100g/m2である。また、不織布の目
付量を変えることによって、複合体の風合いを調整する
ことができる。
【0020】また、不織布に孔などの任意の外郭形状を
有するオープニングを設けることによって、プリーツ加
工性、プリーツ保持性、風合い、および染色性が向上す
る。さらに、オープニングを設けることによって、スパ
ンボンド不織布と、その表面に縮充固定される天然繊維
のフェルトとの重なりによって作り出される光の透過率
の相違によって布地模様を形成することができる。オー
プニング径は特に限定されるものではないが、プリーツ
加工性、プリーツ保持性、および染色性を考慮すると、
20μm以上が適当である。
有するオープニングを設けることによって、プリーツ加
工性、プリーツ保持性、風合い、および染色性が向上す
る。さらに、オープニングを設けることによって、スパ
ンボンド不織布と、その表面に縮充固定される天然繊維
のフェルトとの重なりによって作り出される光の透過率
の相違によって布地模様を形成することができる。オー
プニング径は特に限定されるものではないが、プリーツ
加工性、プリーツ保持性、および染色性を考慮すると、
20μm以上が適当である。
【0021】市販のスパンボンド不織布としては、イー
・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニ
ー製の「ザバーン(登録商標)」、「タイベック(登録
商標)」などを例示することができる。
・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニ
ー製の「ザバーン(登録商標)」、「タイベック(登録
商標)」などを例示することができる。
【0022】また、フィラメントを紡糸する際に染色を
施した、すなわち、原着染めされたスパンボンド不織布
など、着色された不織布を使用してもよい。
施した、すなわち、原着染めされたスパンボンド不織布
など、着色された不織布を使用してもよい。
【0023】2.フェルト フェルトとは、繊維を織らずに絡ませた高密度の布地で
ある。本発明の不織布複合体は、基布としてのスパンボ
ンド不織布と、やはり不織の構造体であるフェルト(い
わゆる不織布とは通常区別されるが)とから成る。
ある。本発明の不織布複合体は、基布としてのスパンボ
ンド不織布と、やはり不織の構造体であるフェルト(い
わゆる不織布とは通常区別されるが)とから成る。
【0024】本発明の不織布複合体は、天然繊維から成
るフェルトを具える。天然繊維としては、獣毛繊維、
綿、麻、絹などが挙げられるが、獣毛繊維は縮充性に優
れるため好ましい。獣毛繊維は、一般的に繊維表面がス
ケール、すなわちうろこ構造であり、繊維が一方向に移
動する性質を有する。この性質を利用して、獣毛繊維を
縮充することにより、すなわち、獣毛繊維に水分を与
え、加熱し、加圧下で機械的作用による摩擦により繊維
を絡ませ、圧縮することにより、緻密な交絡構造を形成
してフェルトを製造することができる。縮充は、界面活
性剤(石けん)などの縮充助剤の存在下で行うことが好
ましい。
るフェルトを具える。天然繊維としては、獣毛繊維、
綿、麻、絹などが挙げられるが、獣毛繊維は縮充性に優
れるため好ましい。獣毛繊維は、一般的に繊維表面がス
ケール、すなわちうろこ構造であり、繊維が一方向に移
動する性質を有する。この性質を利用して、獣毛繊維を
縮充することにより、すなわち、獣毛繊維に水分を与
え、加熱し、加圧下で機械的作用による摩擦により繊維
を絡ませ、圧縮することにより、緻密な交絡構造を形成
してフェルトを製造することができる。縮充は、界面活
性剤(石けん)などの縮充助剤の存在下で行うことが好
ましい。
【0025】獣毛繊維としては、羊毛、山羊毛、牛毛、
ラクダ毛、ウサギ毛などを挙げることができ、これらは
単独でも、また混合して用いてもよい。中でも羊毛が風
合いに優れているため特に好ましい。
ラクダ毛、ウサギ毛などを挙げることができ、これらは
単独でも、また混合して用いてもよい。中でも羊毛が風
合いに優れているため特に好ましい。
【0026】天然繊維の繊維長および繊維径は特に限定
されるものではなく、用途に応じて適宜選択すればよ
い。一般的には、繊維径22〜24μmで繊維長30〜
50mmの繊維が用いられる。
されるものではなく、用途に応じて適宜選択すればよ
い。一般的には、繊維径22〜24μmで繊維長30〜
50mmの繊維が用いられる。
【0027】3.不織布複合体の製造方法 本発明の不織布複合体は、原料繊維を縮充することによ
り、緻密な交絡構造であるフェルトを形成すると共にス
パンボンド不織布の表面に固定することができれば、い
かなる製造方法を用いて製造してもよい。一般的に良く
知られているプレスフェルトの製造方法が好適に用いら
れ、具体的には、原料繊維に水分を与え、加熱し、加圧
下で機械的作用による摩擦により繊維を絡ませ、圧縮す
ることにより製造される。
り、緻密な交絡構造であるフェルトを形成すると共にス
パンボンド不織布の表面に固定することができれば、い
かなる製造方法を用いて製造してもよい。一般的に良く
知られているプレスフェルトの製造方法が好適に用いら
れ、具体的には、原料繊維に水分を与え、加熱し、加圧
下で機械的作用による摩擦により繊維を絡ませ、圧縮す
ることにより製造される。
【0028】好ましい製造方法を以下に詳述する。
【0029】まず、スパンボンド不織布の表面に天然繊
維のウェッブを積層して、所定の重さのラップを形成す
る。天然繊維として獣毛を用いる場合には、天然繊維の
ウェッブを積層するに先立って、羊毛紡績において慣用
の前処理が獣毛に施される。
維のウェッブを積層して、所定の重さのラップを形成す
る。天然繊維として獣毛を用いる場合には、天然繊維の
ウェッブを積層するに先立って、羊毛紡績において慣用
の前処理が獣毛に施される。
【0030】ついで、水で濡らした綿布または麻布の間
に、ラップを挟んで蒸気で蒸すことによって、ラップに
適度な水分と熱とを加える。その後、加圧下で、ラップ
の主として原料繊維に機械的摩擦(揉み操作)を加える
ことにより、スパンボンド不織布表面でフェルトを形成
すると共にその表面に固定して不織布複合体が得られ
る。詳しくは、スパンボンド不織布表面において原料繊
維を縮充して絡み合わせて所望の強度を有するフェルト
を形成し、同時に原料繊維を不織布表面にも絡み付けて
フェルトを不織布表面に固定する。この工程は、通常、
ハードニング工程と称される。この工程における加圧は
通常約1トン程度である。縮充は、界面活性剤(石け
ん)などの縮充助剤の存在下で行うことが好ましい。
に、ラップを挟んで蒸気で蒸すことによって、ラップに
適度な水分と熱とを加える。その後、加圧下で、ラップ
の主として原料繊維に機械的摩擦(揉み操作)を加える
ことにより、スパンボンド不織布表面でフェルトを形成
すると共にその表面に固定して不織布複合体が得られ
る。詳しくは、スパンボンド不織布表面において原料繊
維を縮充して絡み合わせて所望の強度を有するフェルト
を形成し、同時に原料繊維を不織布表面にも絡み付けて
フェルトを不織布表面に固定する。この工程は、通常、
ハードニング工程と称される。この工程における加圧は
通常約1トン程度である。縮充は、界面活性剤(石け
ん)などの縮充助剤の存在下で行うことが好ましい。
【0031】さらに、界面活性剤、溶剤、汚れなどのそ
の他の不純物を除去するために、例えば、中性洗剤また
はアルカリ性洗剤を加えた温水で、得られた不織布複合
体を洗浄することが好ましい。
の他の不純物を除去するために、例えば、中性洗剤また
はアルカリ性洗剤を加えた温水で、得られた不織布複合
体を洗浄することが好ましい。
【0032】
【実施例】本発明を、以下に実施例を挙げて説明する
が、本発明は本実施例にのみ限定されるものではない。
が、本発明は本実施例にのみ限定されるものではない。
【0033】(実施例1)基布となるポリプロピレンフ
ィラメントから成るスパンボンド不織布として、イー・
アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー
製の「ザバーン(登録商標)7137W」(秤量45g
/m2)を用いた。天然繊維としては、平均繊維径22
〜24μm、平均繊維長34mmの羊毛繊維を用いた。
ィラメントから成るスパンボンド不織布として、イー・
アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー
製の「ザバーン(登録商標)7137W」(秤量45g
/m2)を用いた。天然繊維としては、平均繊維径22
〜24μm、平均繊維長34mmの羊毛繊維を用いた。
【0034】羊毛繊維をカードに掛けた後、羊毛繊維の
ウェッブをスパンボンド不織布上に積層して目付134
g/m2のラップを調製した。ついで、水で濡らした綿
布または麻布の間に、ラップを挟んで蒸気で蒸すことに
よって、ラップに適度な水分と熱とを加えた。その後、
高田鉄工株式会社製のハードニング機を用いて、55℃
で、約1トンの圧力下、揉み加工で2分間にわたり繊維
を縮充して、スパンボンド不織布表面にフェルトを形成
固定した。得られた不織布複合体の厚さは約0.8mm
であった。これをサンプル1とする。
ウェッブをスパンボンド不織布上に積層して目付134
g/m2のラップを調製した。ついで、水で濡らした綿
布または麻布の間に、ラップを挟んで蒸気で蒸すことに
よって、ラップに適度な水分と熱とを加えた。その後、
高田鉄工株式会社製のハードニング機を用いて、55℃
で、約1トンの圧力下、揉み加工で2分間にわたり繊維
を縮充して、スパンボンド不織布表面にフェルトを形成
固定した。得られた不織布複合体の厚さは約0.8mm
であった。これをサンプル1とする。
【0035】(実施例2)基布となるポリプロピレンフ
ィラメントから成るスパンボンド不織布として、イー・
アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー
製の「ザバーン(登録商標)7167B」(秤量55g
/m2)を、天然繊維として、平均繊維径22〜24μ
m、平均繊維長34mmの羊毛繊維を用いた以外は、実
施例1と同様に不織布複合体を製造した。得られた不織
布複合体の厚さは約0.8mmであった。これをサンプ
ル2とする。
ィラメントから成るスパンボンド不織布として、イー・
アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー
製の「ザバーン(登録商標)7167B」(秤量55g
/m2)を、天然繊維として、平均繊維径22〜24μ
m、平均繊維長34mmの羊毛繊維を用いた以外は、実
施例1と同様に不織布複合体を製造した。得られた不織
布複合体の厚さは約0.8mmであった。これをサンプ
ル2とする。
【0036】(比較例)比較のためにスパンボンド不織
布を使用せずに、天然繊維として、平均繊維径22〜2
4μm、平均繊維長35mmの羊毛繊維を用いた。
布を使用せずに、天然繊維として、平均繊維径22〜2
4μm、平均繊維長35mmの羊毛繊維を用いた。
【0037】羊毛繊維をカードに掛けた後、羊毛繊維の
ウェッブを積層して目付268g/m2のラップを調製
した。ついで、水で濡らした綿布または麻布の間に、ラ
ップを挟んで蒸気で蒸すことによって、ラップに適度な
水分と熱とを加えた。その後、高田鉄工株式会社製のハ
ードニング機を用いて、55℃で、約1トンの圧力下、
揉み加工で2分間にわたり繊維を縮充して、フェルトを
製造した。得られたフェルトの厚さは約0.8mmであ
った。これを比較サンプルとする。
ウェッブを積層して目付268g/m2のラップを調製
した。ついで、水で濡らした綿布または麻布の間に、ラ
ップを挟んで蒸気で蒸すことによって、ラップに適度な
水分と熱とを加えた。その後、高田鉄工株式会社製のハ
ードニング機を用いて、55℃で、約1トンの圧力下、
揉み加工で2分間にわたり繊維を縮充して、フェルトを
製造した。得られたフェルトの厚さは約0.8mmであ
った。これを比較サンプルとする。
【0038】上記の各サンプルについて、プリーツ加工
性(プリーツの付きやすさ)、風合い、および耐ドライ
クリーニング性を以下の方法で評価した。
性(プリーツの付きやすさ)、風合い、および耐ドライ
クリーニング性を以下の方法で評価した。
【0039】プリーツ加工性 長さ20cmのサンプルを慣用のプリーツ機械にかけ
て、1cm間隔でプリーツを付け、肉眼で観察した。
て、1cm間隔でプリーツを付け、肉眼で観察した。
【0040】サンプル1および2には、はっきりしたプ
リーツが付いたが、比較サンプルにはプリーツがほとん
ど付かなかった。
リーツが付いたが、比較サンプルにはプリーツがほとん
ど付かなかった。
【0041】この結果から、不織布複合体は、ヒートセ
ット性に優れた熱可塑性樹脂繊維と同様に、優れたプリ
ーツ加工性を有していることがわかる。
ット性に優れた熱可塑性樹脂繊維と同様に、優れたプリ
ーツ加工性を有していることがわかる。
【0042】風合い 比較サンプルは羊毛のみから成るフェルトであるから、
その風合いは良好であった。サンプル1および2も、比
較サンプルと同等の良好な風合いを有していた。また、
サンプル1とサンプル2とを比較すると、スパンボンド
不織布の目付量が少ないサンプル1の方が、風合いが優
れていた。このことから、スパンボンド不織布の目付量
を変えることによって風合いを調整できることがわか
る。
その風合いは良好であった。サンプル1および2も、比
較サンプルと同等の良好な風合いを有していた。また、
サンプル1とサンプル2とを比較すると、スパンボンド
不織布の目付量が少ないサンプル1の方が、風合いが優
れていた。このことから、スパンボンド不織布の目付量
を変えることによって風合いを調整できることがわか
る。
【0043】耐ドライクリーニング性 財団法人日本紡績検査協会が定める試験方法および条件
に基づいて耐ドライクリーニング性試験を行った。
に基づいて耐ドライクリーニング性試験を行った。
【0044】他ドライクリーニング性試験は、各サンプ
ルを常温で2分間予洗い、5分間本洗い、55℃で25
分間のタンブル乾燥、スチーム浮かしアイロン仕上げと
いう一連の処理を3回繰り返し行うものである。
ルを常温で2分間予洗い、5分間本洗い、55℃で25
分間のタンブル乾燥、スチーム浮かしアイロン仕上げと
いう一連の処理を3回繰り返し行うものである。
【0045】サンプル1および2の変退色(肉眼による
級判定)は、4〜5級であった。外観変化(洗濯後のプ
リーツ性の肉眼による評価)は、プリーツがわずかに減
少しただけであり、いずれも良好であった。
級判定)は、4〜5級であった。外観変化(洗濯後のプ
リーツ性の肉眼による評価)は、プリーツがわずかに減
少しただけであり、いずれも良好であった。
【0046】尚、比較サンプルは、プリーツ加工性評価
においてプリーツがほとんど付かなかったので、耐ドラ
イクリーニング性についての評価を行なわなかった。
においてプリーツがほとんど付かなかったので、耐ドラ
イクリーニング性についての評価を行なわなかった。
【0047】
【発明の効果】本発明により得られる不織布複合体は、
外観および風合いが天然繊維から成るフェルトと同等で
あるばかりでなく、プリーツ加工性、プリーツ保持性、
高強度・補強、防しわ性、耐久性、寸法安定性、および
耐洗濯性をも兼ね備えた布地である。また、本発明の製
造方法は、混用比率や混合程度に拘束されずに、天然繊
維と合成繊維の優れた特性を兼ね備えた布地を提供する
ことを可能にした、生産性に優れた製造方法である。
外観および風合いが天然繊維から成るフェルトと同等で
あるばかりでなく、プリーツ加工性、プリーツ保持性、
高強度・補強、防しわ性、耐久性、寸法安定性、および
耐洗濯性をも兼ね備えた布地である。また、本発明の製
造方法は、混用比率や混合程度に拘束されずに、天然繊
維と合成繊維の優れた特性を兼ね備えた布地を提供する
ことを可能にした、生産性に優れた製造方法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 悦康 東京都荒川区西日暮里2丁目6番7号 丸 新フエルト紡織株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AJ01B AJ01C AK01A AK07 BA03 BA06 BA10B BA10C BA13 DG01A DG01B DG01C DG15A DG15B DG15C DG20B DG20C GB72 JB16A JK20 JL00 JL04 YY00A 4L047 AA09 AA14 AA21 AB02 AB07 AB09 CA02 CA05 CA19 CB01 CB02 CB09 CC01
Claims (6)
- 【請求項1】 熱可塑性樹脂フィラメントから成るスパ
ンボンド不織布と、天然繊維から成るフェルトとを具え
る不織布複合体であって、該スパンボンド不織布の両面
に該フェルトが縮充固定されていることを特徴とする不
織布複合体。 - 【請求項2】 前記熱可塑性樹脂フィラメントは、ポリ
プロピレンまたはポリエステルフィラメントであること
を特徴とする請求項1に記載の不織布複合体。 - 【請求項3】 前記スパンボンド不織布は、目付が10
g/m2〜200g/m2であることを特徴とする請求項
1または2に記載の不織布複合体。 - 【請求項4】 前記天然繊維は、獣毛であることを特徴
とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の不織布複合
体。 - 【請求項5】 前記獣毛は、羊毛であることを特徴とす
る請求項4に記載の不織布複合体。 - 【請求項6】 (A)スパンボンド不織布の表面に天然
繊維のウェッブを積層して、所定の重さのラップを形成
する工程、および(B)前記ラップにおいて主として天
然繊維を縮充してスパンボンド不織布表面にフェルトを
形成すると共に、該不織布表面にフェルトを固定する工
程、を具えることを特徴とする不織布複合体の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17231399A JP2001001437A (ja) | 1999-06-18 | 1999-06-18 | 不織布複合体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17231399A JP2001001437A (ja) | 1999-06-18 | 1999-06-18 | 不織布複合体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001001437A true JP2001001437A (ja) | 2001-01-09 |
Family
ID=15939610
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17231399A Pending JP2001001437A (ja) | 1999-06-18 | 1999-06-18 | 不織布複合体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001001437A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100496829B1 (ko) * | 2002-04-09 | 2005-06-22 | 김유만 | 중간층이 울 섬유로 된 의류용 다층부직포 및 그 제조방법과 제조장치 |
LT5417B (lt) | 2005-05-03 | 2007-04-25 | Uždaroji akcinė bendrovė "LNA" | Merinosų vilnos pluošto apdorojimo būdas ir iš šio pluošto pagamintas liemenėlės įklotas |
CN102041641A (zh) * | 2010-12-28 | 2011-05-04 | 山东俊富非织造材料有限公司 | 一种含有蛋白纤维层的复合非织造材料及其制造方法 |
JP4888812B2 (ja) * | 2005-06-20 | 2012-02-29 | 佐藤 恵子 | レース状フェルトの製造方法及びこのレース状フェルトを適用したガラス製品 |
JP2018090938A (ja) * | 2016-12-04 | 2018-06-14 | 智宏 澁木 | 生地 |
-
1999
- 1999-06-18 JP JP17231399A patent/JP2001001437A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100496829B1 (ko) * | 2002-04-09 | 2005-06-22 | 김유만 | 중간층이 울 섬유로 된 의류용 다층부직포 및 그 제조방법과 제조장치 |
LT5417B (lt) | 2005-05-03 | 2007-04-25 | Uždaroji akcinė bendrovė "LNA" | Merinosų vilnos pluošto apdorojimo būdas ir iš šio pluošto pagamintas liemenėlės įklotas |
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CN102041641A (zh) * | 2010-12-28 | 2011-05-04 | 山东俊富非织造材料有限公司 | 一种含有蛋白纤维层的复合非织造材料及其制造方法 |
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