JP2001055640A - ポリフェニレンサルファイドよりなる繊維資材および衣料 - Google Patents

ポリフェニレンサルファイドよりなる繊維資材および衣料

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JP2001055640A JP2000169003A JP2000169003A JP2001055640A JP 2001055640 A JP2001055640 A JP 2001055640A JP 2000169003 A JP2000169003 A JP 2000169003A JP 2000169003 A JP2000169003 A JP 2000169003A JP 2001055640 A JP2001055640 A JP 2001055640A
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polyphenylene sulfide
fiber material
steam
clothing
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Hideyuki Yamamoto
英行 山本
Makoto Nakahara
誠 中原
Yoshihiro Hamaguchi
義弘 濱口
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、保温性が格段に向上する上に、繰り
返し蒸気で処理されても寿命の長く難燃性に優れたポリ
フェニレンサルファイドよりなる繊維資材および衣料を
提供せんとするものである。 【解決手段】本発明のポリフェニレンサルファイドより
なる繊維資材は、少なくともポリフェニレンサルファイ
ド繊維を含み、木綿繊維、羊毛繊維、ポリアクリロニト
リル繊維、ポリアミド繊維およびポリエステル繊維から
選ばれた少なくとも1種とよりなることを特徴とするも
のである。また、本発明の衣料は、かかるポリフェニレ
ンサルファイドよりなる繊維資材で構成されていること
を特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、保温性と蒸気に対
する耐久性および難燃性に優れたポリフェニレンサルフ
ァイドよりなる繊維資材に関するものである。特に、蒸
気によって繰り返し殺菌消毒される手術着をはじめとす
る滅菌衣料、蒸気によって繰り返しアイロンがけをされ
るシーツ、枕カバーおよび布団カバーなどの寝具、蒸気
によって繰り返しアイロンがけをされるアイロン掛け台
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、繰り返し蒸気で処理される手術着
をはじめとする滅菌衣料、シーツ、枕カバーおよび布団
カバーなどの寝具、アイロン台のカバーなどのアイロン
資材においては、木綿繊維100%や木綿繊維とポリエ
ステル繊維やポリアミド繊維の混紡による紡績糸からな
る織物が主に用いられていた。また、アイロン台の中綿
にはポリエステル繊維からなる中綿が用いられていた。
【0003】また、従来、保温性の必要な衣料である保
温性衣料に使用される繊維資材には、羊毛繊維やポリア
クリロニトリル繊維が単独やまたは混合されて用いられ
ていた。また、木綿繊維やポリエステル繊維も上記繊維
に混合されたり、または単独で用いられていた。
【0004】また、従来、難燃性の必要な帆布、テント
布、建設工事用シート、自動車や鉄道車両または住居な
どの内装材にはポリエステル系繊維やポリアミド系繊維
単独からなる織物や、該織物に塩化ビニル樹脂などを被
覆加工したものが用いられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら従来の
技術における素材である羊毛繊維、ポリアクリロニトリ
ル繊維、木綿繊維、ポリアミド繊維およびポリエステル
繊維などは、まずまずの保温性を有するが、耐蒸熱性に
は決して優れているものではなく、繰り返し蒸気で処理
されるうちに劣化してしまい、寿命が短いという欠点が
あった。
【0006】また、難燃性が重要視される分野、例えば
帆布、テント布、自動車や鉄道車両または住居などの内
装材においては、さらに高度な難燃性が必要であり、満
足できる製品が提案されていないのが現状である。
【0007】本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、
保温性が格段に向上する上に、繰り返し蒸気で処理され
ても寿命の長く、さらには難燃性の重要視される分野に
おいても優れた難燃性を有し、十分使用可能なポリフェ
ニレンサルファイドよりなる繊維資材および衣料を提供
せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明のポリフェニレンサルファイドよ
りなる繊維資材は、少なくともポリフェニレンサルファ
イド繊維を含み、木綿繊維、羊毛繊維、ポリアクリロニ
トリル繊維、ポリアミド繊維およびポリエステル繊維か
ら選ばれた少なくとも1種とよりなることを特徴とする
ものである。また、本発明の衣料は、かかるポリフェニ
レンサルファイドよりなる繊維資材で構成されているこ
とを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、前記課題、つまり、保
温性が格段に向上する上に、繰り返し蒸気で処理されて
も寿命の長く、さらには優れた難燃性を有する繊維資材
について、検討し、繊維資材にポリフェニレンサルファ
イド繊維を含有させてみたところ、かかる課題を一挙に
解決することを究明したものである。
【0010】本発明の保温性ならびに耐蒸熱性、ならび
に難燃性に優れた繊維資材には、少なくともポリフェニ
レンサルファイド繊維を含有させる必要がある。ポリフ
ェニレンサルファイドは、耐蒸熱性ならびに難燃性に優
れた繊維として公知であるが、発明者らは、ポリフェニ
レンサルファイド繊維100%ではなく、他の繊維に少
量混ぜることによっても、保温性ならびに耐蒸熱性が大
きく向上することを発明したものである。
【0011】ここでいうポリフェニレンサルファイド繊
維とは、その構成単位の90%以上が−(C6 4
S)−で構成されるフェニレンサルファイド構造単位を
含有する重合体からなる繊維である。
【0012】ポリフェニレンサルファイド繊維が混入さ
れる繊維としては、木綿繊維、羊毛繊維、ポリアクリロ
ニトリル繊維、ポリエステル繊維から選ばれた少なくと
も1種を使用することができるが、上記した繊維に限定
されることなく、その他の一般繊維、例えばナイロンな
どのポリアミド系繊維も種々の用途に応じて用いること
ができる。
【0013】かかる繊維のうち、合成繊維であるポリエ
ステル繊維やポリアクリロニトリル繊維においては、糸
の断面形状が丸断面だけでなく、三角やY型断面や中空
断面や田型断面など、保温性をより向上した断面形状の
繊維も好ましく用いられる。また、伸縮性を付与する目
的で、ポリウレタン繊維を混入することも好ましい。
【0014】ポリフェニレンサルファイド繊維の含有量
は、全繊維重量のうち、好ましくは3〜60重量%、さ
らに好ましくは10〜50重量%、特に好ましくは15
〜30重量%である。ポリフェニレンサルファイド繊維
の含有量が多ければ、当然、保温性および耐蒸熱性の優
れた繊維資材が得られるが、ポリフェニレンサルファイ
ド繊維は、木綿繊維、羊毛繊維、ポリアクリロニトリル
繊維、ポリアミド繊維およびポリエステル繊維に比較し
て高価であり、高価なものしか提供できなくなる。ま
た、ポリフェニレンサルファイド繊維の含有量が少なす
ぎると、保温、耐蒸熱性、難燃性改善の効果が小さく望
ましくない。ところが、ポリフェニレンサルファイド繊
維を適量混ぜることにより、コストのアップ分が小さい
にもかかわらず、保温、耐蒸熱性および難燃性の改善効
果が大きくなるのである。
【0015】すなわち、保温性や耐蒸熱性および難燃性
のみを重視するのであれば、ポリフェニレンサルファイ
ド繊維のみからなる繊維資材を用いればよいが、たとえ
ば衣料としての経済性と保温性の向上効果を両立せしめ
るためには、ポリフェニレンサルファイド繊維の含有量
としては、上述のように、3〜60重量%であることが
望ましい。3重量%未満であれば保温性の向上効果が小
さく望ましくなく、60重量%より多ければ保温性の向
上効果は大きいものの非常に高価な繊維資材となり、保
温性衣料として適切ではない。さらに好ましくは、ポリ
フェニレンサルファイド繊維の含有量が15〜30重量
%のものがよい。
【0016】本発明の衣料は、保温性の評価指標である
好ましくはクロー(clo)値が、1.0℃m2hr/kca
l以上であるという特徴を有するものが好ましい。保温
性がさらに要求される場合には、該クロー値が、さらに
好ましくは1.5(℃・m2・hr/kcal)以上、特に好
ましくは2(℃・m2・hr/kcal)以上であるものがよ
い。しかし、該クロー値が、3(℃・m2・hr/kcal)
以上となると、保温性は良好であるが、動きにくいなど
の制約が出てきるので好ましくない。
【0017】ここで言うクロー値(clo)値とは、G
agge A.P、BurtonA.Lらによって提案
された保温性の評価手法であって、1クローは、気温2
1℃、湿度50%以下、風速5cm/sの室内で椅子に
座っている人の皮膚温を平均33℃に保つのに必要な断
熱性であると定義されている。
【0018】実際の評価方法は、40℃の高温側恒温体
Th(℃)と20℃の低温側恒温体Tl(℃)の2枚の
恒温体の間にサンプルを挟み、定常状態となるまで待っ
てから、高温側恒温体から低温側恒温体に流れる熱流量
B(kcal/m2・hr)を測定し、下式にてクロー
値(℃・m2・hr/kcal)を算出する。
【0019】 クロー値(℃・m2・hr/kcal) =[Th(℃)−Tl(℃)]/[0.18×B(kcal/ m2・hr)] =[40(℃)−20(℃)]/[0.18×B(kcal/ m2・hr)] また、従来の保温性繊維資材である、羊毛繊維、ポリア
クリロニトリル繊維、木綿繊維およびポリエステル繊
維、ポリアミド繊維などに、ポリフェニレンサルファイ
ド繊維をを混合することにより、クロー値をアップする
ことができる。例えば羊毛繊維にポリフェニレンサルフ
ァイド繊維を20%混合することにより、クロー値を約
1割程度アップすることができる。
【0020】さらに、動きにくいという制約無しに保温
性を確保するには、保温性繊維資材の単位厚さあたりの
クロー値も重要であり、1mm厚さ当たりのクロー値が
0.2(℃・m2・hr/kcal ・mm)以上であることが好
ましい。さらに好ましくは0.4(℃・m2・hr/kcal
・mm)以上であり、特に好ましくは0.7(℃・m2・h
r/kcal ・mm)以上である。
【0021】また、本発明の繊維資材は、難燃性の評価
指標である限界酸素指数(LOI)が好ましくは22以
上であるという特徴を有するものがよい。限界酸素指数
(LOI)が22未満であると、難燃性が低く、難燃性
を必要とする分野には適さないので好ましくない。
【0022】ここで言う限界酸素指数(LOI)とは、
JIS K−7201に基づいて測定される酸素指数法
による酸素指数であって、具体的には、物質が3分以上
継続して燃焼するか、または、着炎後の燃焼長さが50
mm以上燃え続けるのに必要な最低の酸素濃度を意味す
るものである。従って、この限界酸素指数が高いほど難
燃性が高いものとなる。
【0023】また、本発明の繊維資材の耐蒸熱性につい
ては、オートクレーブを用いて、温度160℃、圧力5
40KPaの飽和水蒸気で24時間処理した場合の引張
強力保持率において評価した場合、その強力保持率が好
ましくは40%以上であるという特徴を有するものがよ
い。強力保持率が40%未満であると、耐蒸熱性の重要
視される分野おいて、繰り返し蒸気で処理されるうちに
劣化してしまい、寿命が短くなるので好ましくない。
【0024】以上説明した、ポリフェニレンサルファイ
ドよりなる繊維資材は、いかような形状、構造の布帛で
も用いることができる。例えば、綿の状態のままで防寒
着の中綿などとして利用したり、ニードルパンチ不織布
の状態として毛布などとして利用することができる。ま
た、フィラメントの状態で混繊して、織物、編物などに
布帛化することも可能である。
【0025】しかし、保温性衣料としては、毛羽が多く
空気分を十分に含むことができる点より、混紡紡績糸と
して用いることが好ましく行われる。混紡紡績糸として
は、通常の混綿紡績糸はもとより、芯にフィラメントを
用い鞘に短繊維を用いた芯鞘構造の紡績糸や、芯にも鞘
にも短繊維を用いた芯鞘構造の紡績糸なども用いられ
る。これらの芯鞘構造の紡績糸においては、芯にポリフ
ェニレンサルファイドを多く混合したり、芯をポリフェ
ニレンサルファイド100%としたり、逆に、鞘にポリ
フェニレンサルファイドを多く混合したり、鞘をポリフ
ェニレンサルファイド100%としたりすることができ
る。好ましくは、芯にポリフェニレンサルファイドを多
く混合したり、芯をポリフェニレンサルファイド100
%とする構造が用いられる。これは、ポリフェニレンサ
ルファイドの染色性の悪さを鞘の汎用繊維によってカバ
ーすることが理由となる。逆に、高度な難燃性を得るた
めの好ましい形態としては、布帛化した際にポリフェニ
レンサルファイド繊維が布帛の外側を覆うような形態で
あることが好ましく、その具体的な手法としては、芯鞘
構造の紡績糸の鞘にポリフェニレンサルファイド繊維を
用いたり、もしくは、片側のみにポリフェニレンサルフ
ァイド繊維を有するバイメタル構造の紡績糸を用い、織
物の外側がポリフェニレンサルファイド繊維となるよう
に製織したりすることができる。上記したように、ポリ
フェニレンサルファイド繊維を外側に用いることによ
り、難燃性の高いポリフェニレンサルファイド繊維が内
側の繊維を覆う形態となり、より高い難燃性を得ること
ができる。
【0026】さらに、この紡績糸には、伸縮性が要求さ
れる場合には、ポリウレタン繊維などの弾性を有する繊
維を混ぜた紡績糸や、ポリウレタン繊維を用いて芯鞘構
造の紡績糸とすることもできる。
【0027】また、これらの紡績糸を用いて布帛化する
場合においては、平織り、綾織り、朱子織またはこれら
の織構造を組み合わせた織物や、各種編物などが用いら
れるが、好ましくは編物が用いられる。編物としては、
天竺やリブ編みなどの丸編みやヨコ編みをはじめ、トリ
コットやラッセルなどのタテ編みも好ましく用いられる
が、特に好ましくは天竺やリブ編みのヨコ編みが用いら
れる。
【0028】かかる紡績糸や編物は、上着や外着はもち
ろん、さらに下着、靴下、腹巻き、サポーター、手袋な
どの衣料として好ましく使用される。ここでいう下着と
は、肌に直接触れる肌着のみならず、肌着の上に保温の
ために着衣する下着にも好適に用いられる。靴下とは、
本来の靴下のみならず、ハイソックスやタイツなどにも
好適に用いられる。サポーターとは、ひざや肘のみなら
ず足首や肩や腰のサポーターにも好適に用いられる。ま
た、これらの保温性を必要とする衣料に本発明の繊維資
材を用いるに当たり、下着や靴下などの全ての部分を本
発明の繊維資材とすることも当然有効であるが、部分的
に本発明の繊維資材を用いることも有効に行われる。例
えば、靴下のつま先部分だけ本発明の繊維資材を用い、
つま先部分の保温性を確保するなどが好ましく行われ
る。
【0029】また、かかるポリフェニレンサルファイド
繊維を混入した繊維資材は、そのまま綿の状態で、アイ
ロン台の中綿として使用することができる。この中綿に
よって構成されたアイロン台は、繰り返し蒸気で処理さ
れても繊維の劣化が少なく、へたりにくく、耐久性に優
れるアイロン台となる。
【0030】また、綿の状態から、ニードルパンチ処
理、ウォータージェットパンチ処理、接着剤噴霧処理、
熱ローラ処理などにより不織布として布帛化して使用す
ることができる。
【0031】さらに、かかる各種布帛は、縫製加工を施
して、手術着をはじめとする滅菌衣料、シーツ、枕カバ
ー、および布団カバーなどの寝具、アイロン台のカバ
ー、クリーニング機のロールの表面に貼り付けて用いる
スチームロールとして使用することができ、かかる用途
においても、繰り返し蒸気で処理されても繊維の劣化が
少なく、強度劣化が小さく、耐久性に優れた効果を発揮
せしめ得るものである。
【0032】また上記した各種布帛は、優れた難燃性を
有するものであり、難燃性が重要視される分野、例えば
帆布、テント布、建設工事用シート、住居や鉄道および
自動車用等の内装材等においても好適に使用される。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 実施例1 ポリフェニレンサルファイド短繊維(東レ(株)製“ト
ルコン”)とポリエステル短繊維とを重量比50:50
で混綿し、カードに投入後、ニードルパンチによって不
織布とした。 実施例2 ポリフェニレンサルファイド短繊維(東レ(株)製“ト
ルコン”)とポリエステル短繊維とを重量比50:50
で混綿し、カードに投入後、紡績糸として、平織りの織
物とした。 比較例1 ポリエステル短繊維65%と木綿短繊維35%の混紡糸
織物(T/Cブロードを用意した。 比較例2 木綿短繊維100%の紡績糸織物(カナキン3号)を用
意した。 参考例1 ポリフェニレンサルファイド短繊維(東レ(株)製“ト
ルコン”)100%の紡績糸織物を用意した。
【0034】以上の5種類の不織布または織物を、底部
に水を4.5kg入れた日東オートクレーブ(株)社製
オートクレーブ(全内容積0.038m3)に投入し、
160℃に加熱蒸気処理した。この時の圧力は約6kg
f/cm2 を示した。加熱蒸気処理時間は、1日、2
日、3日の3水準とした。
【0035】処理済みの不織布または織物を、JIS
L 1096ラベルストリップ法に準拠し引張り試験を
行い引張破断強力を求め、加熱蒸気処理無しの引張破断
強力との比を強力保持率として整理した。
【0036】この結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】表1からわかるように、比較例1、2の織
物は、蒸気処理による強度劣化が激しいが、実施例1、
2のポリフェニレンサルファイド繊維を混ぜた不織布や
紡績糸織物は、蒸気処理による強度劣化が大きく改善さ
れている。
【0039】さらに、実施例2、比較例1、2、参考例
1の4種類の織物で手術着を縫製した。
【0040】この手術着を(1) 洗濯機で洗濯15分、
(2) 洗濯機ですすぎ15分、(3) 脱水機で脱水5分、
(4) タンブラー乾燥機で乾燥40分、(5) スチームによ
る滅菌処理30分の(1) 〜(5) の処理を1セットとし
て、50セットの処理を実施した。
【0041】50セット処理後の手術着の様子を観察
し、以下の判定基準にて判定した。判定した結果を表2
に示す。
【0042】○:ほとんど生地の痛みは無く健全な状態
であった。
【0043】△:部分的に生地が薄くなった部分はある
ものの健全な状態であった。
【0044】×:穴があいている部分もあり健全な状態
では無かった。
【0045】
【表2】
【0046】表2からわかるように、比較例1、2の手
術着は、蒸気処理と洗濯などの機械処理による強度劣化
が激しいが、実施例1、2のポリフェニレンサルファイ
ド繊維を混ぜた手術着は、蒸気処理と洗濯などの機械処
理による強度劣化が大きく改善されている。 実施例3 ポリフェニレンサルファイド短繊維(東レ「トルコ
ン」)と羊毛繊維を重量比20:80で混綿し、カード
に投入後、紡績糸とした。この紡績糸を用いて、靴下編
み機にて、厚さ3.0mmの靴下を作製した。 比較例3 実施例3にて使用したのと同じ羊毛繊維のみを用いて、
カードに投入後、紡績糸とした。この紡績糸を用いて、
実施例3と同じ靴下編み機にて同じ編み条件で、厚さ
3.0mmの靴下を作製した。
【0047】以上の実施例3と比較例3の靴下をはさみ
にて切って、1枚の布帛とし、サンプルとした。このサ
ンプルを(株)加藤鉄工所製、KES−F7、THER
MOLABO−II TYPEを用いて、下記方法にてク
ロー値を算出した。40℃の高温側恒温体Th(℃)と
20℃の低温側恒温体Tl(℃)の2枚の恒温体の間に
サンプルを挟み、定常状態となるまで待ってから、高温
側恒温体から低温側恒温体に流れる熱流量B(kcal
/m2・hr)を測定し、下式にてクロー値(℃・m2
hr/kcal)を算出した。
【0048】 クロー値(℃・m2・hr/kcal) =[Th(℃)−Tl(℃)]/[0.18×B(kcal/ m2・hr)] =[40(℃)−20(℃)]/[0.18×B(kcal/ m2・hr)] 得られた結果を表3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】表3からわかるように、実施例1の靴下は
比較例1に比べクロー値が高く、ポリフェニレンサルフ
ァイド繊維を含むことによって、保温性が格段に向上す
る。 実施例4 ポリフェニレンサルファイド短繊維(東レ(株)”トル
コン”)とポリエステル短繊維とを重量比65:35で
混綿し、カードに投入後、紡績糸として、平織りの織物
とした。 実施例5 ポリフェニレンサルファイド短繊維(東レ(株)”トル
コン”)とポリエステル短繊維とを重量比35:65で
混綿し、カードに投入後、紡績糸として、平織りものと
した。 実施例6 ポリフェニレンサルファイド短繊維(東レ(株)”トル
コン”)と木綿短繊維とを重量比65:35で混綿し、
カードに投入後、紡績糸として、平織りものとした。 比較例4 ポリエステル短繊維100%の紡績糸織物を用意した。
【0051】実施例4〜6、および比較例4、ならびに
参考例1の織物を長さ150mm、幅60mmに切り抜
き、U字形保持具に取り付け、スガ試験機(株)製燃焼
製試験器ON−1を用い、JIS K−7201に基づ
いて測定される酸素指数法による高分子材料の燃焼試験
方法で限界酸素指数(LOI)を測定した。
【0052】得られた結果を表4に示す。
【0053】
【表4】
【0054】表4からわかるように、実施例4、5、6
の織物は比較例4の織物に比べ限界酸素指数が高く、ポ
リフェニレンサルファイド繊維を含むことによって、難
燃性が格段に向上する。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、保温性が格段に向上す
る上に、繰り返し蒸気で処理されても寿命の長い耐久性
に優れ、さらには難燃性に優れた製品を提供することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D03D 15/12 D03D 15/12 Z D04B 1/14 D04B 1/14 21/00 21/00 B D04H 1/42 D04H 1/42 Q F P L T R

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともポリフェニレンサルファイド繊
    維を含み、木綿繊維、羊毛、ポリアクリロニトリル繊
    維、ポリエステル繊維およびポリアミド繊維から選ばれ
    た少なくとも1種とよりなることを特徴とするポリフェ
    ニレンサルファイドよりなる繊維資材。
  2. 【請求項2】該ポリフェニレンサルファイド繊維の含有
    量が、3〜50重量%である請求項1記載の繊維資材。
  3. 【請求項3】該繊維資材が、混綿した不織布を含むもの
    である請求項1または2記載のポリフェニレンサルファ
    イドよりなる繊維資材。
  4. 【請求項4】該繊維資材が、混紡した紡績糸を含むもの
    である請求項1または2記載のポリフェニレンサルファ
    イドよりなる繊維資材。
  5. 【請求項5】該繊維資材が、編物もしくは織物である請
    求項1〜4のいずれかに記載のポリフェニレンサルファ
    イドよりなる繊維資材。
  6. 【請求項6】該繊維資材が、JIS K−7201に基
    づいて測定される限界酸素指数(LOI)が22以上で
    あることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の
    繊維資材。
  7. 【請求項7】該繊維資材を、オートクレーブを用いて、
    温度160℃、圧力540KPaの飽和水蒸気で24時
    間処理した場合の引張強力保持率が40%以上であるこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の繊維資
    材。
  8. 【請求項8】該繊維資材が、寝具、滅菌衣料、アイロン
    掛け台およびスチームロールのいずれに使用されるもの
    であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載
    の繊維資材。
  9. 【請求項9】該繊維資材が、帆布、テント布、自動車内
    装材、住居用内装材、鉄道車両用内装材および建設工事
    用シートのいずれかに使用されるものである請求項1〜
    7のいずれかに記載の繊維資材。
  10. 【請求項10】請求項1〜7のいずれかに記載のポリフ
    ェニレンサルファイドよりなる繊維資材で構成されてい
    ることを特徴とする衣料。
  11. 【請求項11】該衣料が、1.0℃m2hr/kcal以上の
    保温性の評価指標であるクロー(clo)値を有するも
    のである請求項10記載の衣料。
  12. 【請求項12】該衣料が、下着、靴下、腹巻き、サポー
    ター、セーター、手袋のうちのいずれかである請求項1
    0または11記載の衣料。
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