JP4552457B2 - 靴下 - Google Patents

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Description

本発明は、なめらかでソフトな風合いを有し、保温性に優れた靴下に関するものである。
弾性糸を芯糸にしてポリアミドマルチフィラメント仮撚糸を巻き付けたシングルカバリング糸を用いた靴下としては、肌触りの柔らかさ、保温性、吸湿性に優れていることから、いわゆるタイツやショートストッキングに広く用いられている。嵩高性だけならばアクリルやウールなどの紡績糸の靴下もあるが、プレーンでフェミニンな表面感から長繊維が選択されている。
しかしながら、消費者のニーズはより柔らかい風合い、より高い保温性を求めてきており、それに対応して繊度の細繊度化が進んできている。具体的には現行単糸繊度0.7〜2.5デシテックスの商品が販売されている。
これに対応して、特許文献1に記載のごとく吸湿性を向上させたポリアミドマルチフィラメントを用い、蒸れ感低減や着用中の快適性を向上させたタイツが提案されている。
また、保温性向上を狙って特許文献2に記載のごとくダブルカバリング糸の下糸として中空糸の生糸を上糸としてポリアミドマルチフィラメント仮撚糸を用いることにより保温性向上させようとしている。しかしながら、同方向にカバリングしていてもダブルカバリング糸であるため、シングルカバリング糸と比較して伸縮性が低下しており、着心地が低下するとともに風合いが堅くなるという問題点があった。
特開2002−212802号公報([0013]〜[0015]) 特開2001−181935号公報([0007]〜[0013]段落)
そこで本発明は、市場のニーズに合わせてなめらかでソフトな風合いを有し、保温性に優れた靴下を提供することにある。
この課題を解決するために、本発明の靴下は次のいずれかの構成を有する。すなわち、
(1)ウェール方向の表面粗さが1.78〜2.01μmであるレッグ部を有し、該レッグ部が弾性糸を芯糸にして単糸繊度が0.3〜0.65デシテックスのポリアミドマルチフィラメント仮撚糸を巻き付けたシングルカバリング糸を用いてなることを特徴とする靴下
(2)clo値を厚みで割った値が1.18以上1.22以下であるレッグ部を有し、該レッグ部が弾性糸を芯糸にして単糸繊度が0.3〜0.65デシテックスのポリアミドマルチフィラメント仮撚糸を巻き付けたシングルカバリング糸を用いてなることを特徴とする靴
ある。
表面が滑らかで着用時の触感、および着用中の快適性に優れており、また表面がソフトで優れた触感を有し、さらに生地厚みに対する保温性が高い靴下を提供する。
本発明の靴下は、ウェール方向の表面粗さが1.78〜2.01μm以下であるレッグ部を有し、該レッグ部が弾性糸を芯糸にしてポリアミドマルチフィラメント仮撚糸を巻き付けたシングルカバリング糸を用いてなるものである。
図1および図2には本発明および従来品の靴下の表面いわゆる外側の編み地表面写真を示している。編み地表面においてニードルループが現れており(裏面では逆にニードルループが現れている)、それがウェール方向につながって見える。一方、コース方向にはループ間の隙間が見られる。
本発明の靴下では緻密な編み地構造となっており、特にウェール方向にはループ間の段差が小さくなっていることが見て取れる。一方、従来品では、ループ間に隙間が生じている。そのため、本発明の靴下と従来品をKESの表面特性として表面粗さ(SMD)を測定すると、コース方向には大きな差が出ないものの、ウェール方向には従来品対比1μm程度小さくなっている。
表面粗さの違いは表面のなめらかさに現れており、従来品に比べて本発明の靴下表面は非常にプレーンで滑らかであり、肌触りがよいため、着用時の快適性および履き心地向上に大きく貢献している。それを特に体感できる箇所は靴下のレッグ部であり、少なくともその部分を上記表面粗さとすることにより、靴下を履くとき、および着用中、さらに着用している靴下に触れるときになめらかな風合いを実感できるため、効果的である。レッグ部のウェール方向の表面粗さを1.5〜2.5μmとすることによって、顕著になめらかな風合いとすることができる。また、本発明の靴下は弾性糸を芯糸にしてポリアミドマルチフィラメント仮撚糸を巻き付けたシングルカバリング糸を用いてなることが必要である。このシングルカバリング糸を用いることによって、顕著ななめらかさと、保温性を得ることができるためである。
なお、ここでいうレッグ部とは足首から大腿部までの範囲を指す。
また、本発明の靴下となる特定の表面粗さとするためにマイクロファイバー化したポリアミドマルチフィラメント仮撚糸を用いることによって表面タッチがソフトとなり、表面形態と相まって優れた風合いとなる。
また、本発明の靴下は、clo値を厚みで割った値が1.18以上1.22以下であるレッグ部を有し、該レッグ部が弾性糸を芯糸にしてポリアミドマルチフィラメント仮撚糸を巻き付けたシングルカバリング糸を用いてなるものである。すなわち、生地の厚み対比保温性が高いことを示している。なお、clo値の単位はmhr℃/kJであり、厚みの単位はmmであるが、分かり易い値とするために単位を揃えずに除している。
図3および図4には本発明および従来品の靴下の編み地断面写真を示している。従来品は、捲縮を発現して編み地がより厚いのに対して、本発明の靴下は断面写真を見ても単糸間に空間を維持しながら緻密な構造となっていることが見て取れる。これにより、空気の対流を抑制して保温性が向上していると推定している。
保温性を最も必要とする箇所がレッグ部であり、この部分のclo値を厚みで割った値が上記範囲とすることによって暖かさを実感することができる。一方1.15未満である場合、従来の靴下と変わらないレベルであり、暖かさを実感できない。また1.3を越える値とするにはフィルムのように通気性に乏しい靴下とする必要があり、蒸れ感が感じられるようになり、着用中の快適性から好ましくない。
また、本発明の靴下は上記のclo値が特定の範囲であると共に弾性糸を芯糸にしてポリアミドマルチフィラメント仮撚糸を巻き付けたシングルカバリング糸を用いてなることが必要である。このシングルカバリング糸を用いることによって、顕著ななめらかさと、保温性を得ることができるためである。
上記のように本発明の靴下は、滑らかな表面特性と保温性に優れたものである。これを実現するために緻密な編み地構造とするために単糸繊度0.7以下のマイクロファイバーのポリアミドマルチフィラメント仮撚糸を用いることで達成することができる。
マイクロファイバー化することにより、見かけの捲縮特性は低下するものの逆に編み地中でわずかに仮撚捲縮が発現するために単糸間に微細な空間が形成され、デッドエアーをため込み保温性を向上させる。また、大きな捲縮が発現しないために編み地中でループ間に隙間が発生せず、滑らかな表面形態となるのである。ここで、仮撚糸を用いずにフラットヤーンを用いると単糸間の空隙が発現しないため、風合いが堅くなるため、好ましくない。また仮撚糸の代わりに押し込み加工糸などを用いた場合、捲縮が2次元方向であるため、仮撚糸の3次元のランダムコイル捲縮に比べて単糸間の微細な空隙が発現しないため、好ましくない。
また、マイクロファイバー化したポリアミドマルチフィラメントの仮撚糸は、マイクロファイバー化による効果および仮撚によって捲縮を付与することによって、表面タッチが非常に柔らかくなっている。具体的には、ポリアミドフィラメントを弾性体と仮定すると、曲げモーメントは直径の4乗に比例する。たとえば、56Tのマルチフィラメントの場合、98フィラメントの時の曲げモーメントは40フィラメントの時の1/6、68フィラメントの時の1/2となり、マイクロファイバーにより、表面タッチのソフト化にどれほど大きく影響するかがわかる。したがって、単糸繊度が小さくなるほど表面タッチは柔らかくなり、好ましい。
一方、単糸繊度が小さくなるほど表面積が広くなるため、洗濯堅牢度が低下すること、さらに仮撚捲縮を付与させる場合フィラメント数が多くなると加撚時に単糸が内外層を移動することが悪くなる、いわゆるマイグレーションの悪化が顕在化し、編み地中で単糸間の微細な空隙が生まれなくなると好ましくない。したがって仮撚時の構成フィラメント数は300フィラメントを越えないことがより好ましく、同様な理由から200フィラメント、同時に単糸繊度も0.3〜0.65デシテックスであることがより好ましい。また、仮撚糸の繊度としては15〜210デシテックス程度が好ましい。
ポリアミドとしてはいわゆる炭化水素基が主鎖にアミド結合を介して連結された高分子量体であって、その種類は特に制限されないが、好ましくは、染色性、洗濯堅牢性、機械特性に優れる点から主としてポリカプラミドまたはポリヘキサメチレンアジパミドである。ここで言う主としてとは、カプラミド単位、またはヘキサメチレンアジパミド単位として80モル%以上であることを言い、さらに好ましくは90モル%以上であることが好ましい。その他の成分としては、特に制限はないが、例えば、ポリドデカノアミド、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンアゼラミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリヘキサメチレンドデカノアミド、ポリメタキシリレンアジパミド、ポリヘキサメチレンテレフタラミド、ポリヘキサメチレンイソフタラミド等を構成するモノマーである、アミノカルボン酸、ジカルボン酸、ジアミンなどの単位が挙げられる。
この中でも特に捲縮特性に優れている点、さらに収縮率が小さく、風合いが柔らかいことからポリヘキサメチレンアジパミドを用いることがより好ましい。
本発明でいうポリアミドには、本発明の効果を損なわない範囲において種々の添加剤を含んでも良い。この添加剤を例示すれば、マンガン化合物などの安定剤、酸化チタンなどの着色剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、導電性付与剤、繊維状強化剤等である。
特に濃色に染色した靴下を希望する場合は、光沢を有していると反射光により白っぽく見えてしまうため、酸化チタンなどの白色顔料を0.3重量%程度添加することが好ましく行われる。
単糸繊度0.7以下のマイクロファイバーのポリアミドマルチフィラメント仮撚糸の製造方法としては、特に限定されるものではなく、仮撚加工後に所望の単糸繊度となるようなPOYや延伸糸を仮撚する他に、染色加工時の処理により海島の海部を溶解させたり、割繊させることでマイクロファイバー化するポリアミドマルチフィラメントを予め仮撚加工することなどが上げられる。その中でも、伸度50%以上のPOYを用いて仮撚加工することが好ましく、伸度55%以上を用いることがより好ましく、伸度60%以上が特に好ましい。
POYや上記海島繊維の島部や割繊繊維の割繊後の断面形状は、丸断面、多角形、多葉断面、中空断面、扁平断面等に限定されるものではなく、光沢や保温性、軽量感等狙いに合わせて設計することができる。
仮撚の方法も特に限定されるものではない。施撚方法としてもスピンドル方式や3軸ツイスター方式、ベルトニップ方式など限定されるものではない。捲縮を強めたいときにはスピンドルを用いることが好ましいし、加工速度を上げて生産コストを下げたいときには摩擦仮撚方式である3軸ツイスター、ベルトニップを用いることが好ましい。加熱方式も限定されるものではなく、熱板や高温ショートヒーターを用いれば良く、設定温度としては、狙いとする風合いに合わせ自由に設定できるが、一つの目安として熱板を用いた場合、ポリカプラミドで、170〜190℃程度、ポリヘキサメチレンアジパミドで180〜200℃程度とすることを推奨する。冷却方法としても冷却板を用いても、空冷、水冷などが挙げられ、限定されないが、効率と糸のダメージを考えて、冷却板を用いることが好ましい。
カバリング糸の芯糸をなす弾性糸としては、ポリウレタン系弾性糸、ポリアミド系エラストマ弾性糸、ポリエステル系エラストマ弾性糸、天然ゴム系糸、合成ゴム系糸、ブタジエン系糸等が用いられるが、靴下用としてその弾性特性、熱特性、耐久性等からより好ましいのは、ポリウレタン系弾性糸及びポリアミド系エラストマ弾性糸である。
その弾性糸の太さは、靴下の用途、締め付け圧の設定により異なるが、一般に8〜80デシテックス程度であればよい。好ましいのは11〜44デシテックスである。8デシテックスデニール未満では、糸強力が不足するのでカバリング時及び編立て時に芯糸切れ等のトラブルを生じ易く、靴下としての伸縮性、耐久性が不十分となり易いので好ましくない。逆に、80デシテックスを越えると締付け力が強くなり過ぎて圧迫感が強くなり、粗硬感が増加し易く好ましくない。
カバリング数としては仮撚糸の繊度、収縮率や製品風合い、耐ピリング性、耐スナッグ性を考慮して設計すればよく、例えば、56Tの仮撚糸をシングルカバリングする時には500〜1000T/mを目安に設計することが好ましい。また、ドラフト倍率も狙いとする着圧に合わせて設計すればよく、例えば、2.5〜3.5倍に設定することが好ましい。カバリングは風合いの柔らかさ、伸縮性からシングルカバリングが好ましい。
編組織としては平編、ゴム編、パール編およびこれらの変化編組織により作られたものであれば限定されるものではない。中でも本発明の特徴であるコース方向の表面粗さが小さい靴下とするためには上記基本組織で構成された部分を有することがより好ましく、なかでも平編みで構成された部分を有していることがさらに好ましい。
使用糸としてはカバリング糸のみを用いたいわゆるゾッキでもカバリング糸とたとえば生糸とを交互に編成した交編でも問題ない。なかでも保温性やソフトな風合い、優れた伸縮性能を有するゾッキがより好ましい。なお、靴下を構成する使用糸としてはたとえば縫い糸など必要に応じた糸を用いることは限定されない。
ここで本発明の対象とする靴下とは、口ゴム、身部、足部の3部位からなるソックス類、身部がストッキングよりも著しく長いストッキング類、上部にパンティー部がついたタイツ、パンティーストッキング類が挙げられる。
また、編機として、制限はない。さらに編成後の染色やそれに続く後加工についても公知の方法にしたがい行えばよく、もちろん色なども限定されるものではない。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明する。
なお、実施例および比較例における各測定値は、次の方法で得たものである。
A.98%硫酸相対粘度
(a)試料を秤量し、98重量%濃硫酸に試料濃度(C)が1g/100mlとなるように溶解する。
(b)(a)項の溶液をオストワルド粘度計にて25℃での落下秒数(T1)を測定する。
(c)試料を溶解していない98重量%濃硫酸の25℃での落下秒数(T2)を(2)項と同様に測定する。
(d)試料の98%硫酸相対粘度(ηr)を下式により算出する。測定温度は25℃とする。
(ηr)=(T1/T2)+{1.891×(1.000−C)}。
(e)測定回数はN=2で行い、平均値を測定値とした。
B.アミノ末端基定量方法
ポリアミド系ポリマーを粉末化し、必要により低分子量成分および水分の除去を行った後、ポリアミド系ポリマー1gをフェノール/エタノールの混合溶媒(エタノール20ml/フェノール80gの混合割合)40〜50mlに常温で振とう溶解させて溶液とし、この溶液を0.02Nの塩酸で中和滴定し要した0.02N塩酸量を求める。また、上記フェノール/エタノール混合溶媒(上記と同量)のみを0.02N塩酸で中和滴定し要した0.02N塩酸の量を求める。そしてその差からポリアミド系ポリマー1kgあたりのアミノ末端基量を求める。測定回数はN=2で行い、平均値を測定値とした。
C.捲縮特性
仮撚糸に0.098cNの張力を与えながら周長1.125m、10回巻きのかせを5本とる。20℃60%RHの環境下で24時間放置する。1.76×10-3cN/dTexの処理荷重(水中での荷重)を掛けた状態で98℃±1℃の熱水中で20分処理する。熱処理したかせは、濾紙上で20℃60%RHの環境下で24時間放置して乾燥させる。予め、シリンダー中に水をいれ、20℃60%RHの環境下で24時間放置させておく。かせサンプルに1.76×10-3cN/dTexの初荷重(水中での荷重)を掛けた状態でかせがすべて水中に入れる。その後、0.088cN/dTexの定荷重(水中での荷重)をさらに掛けて2分後のかせの長さa(mm)を測定する。速やかに定荷重を取り除き、初荷重のみの2分後のかせの長さb(mm)を測定する。捲縮特性は以下の式で算出し、5本の平均値をもって評価する。捲縮特性(%)=(a−b)/a×100
D.洗濯堅牢性評価
タイツ生編サンプルを、界面活性剤(ニューボンNS 0.1g/L、ネオコールSW 0.2g/L)を用いて60℃、20分精練を行った後、染料としてNylosan Gold Yellow N−4RL、Nylosan Red N−GZ、Nylosan Blue N−GFL(クラリアントジャパン社製)をそれぞれ0.5%owf、0.5owf%、0.2%owf、染液をpH5に調整の上、浴比1:20にて1℃/minにて昇温し、90℃×30minの染色を行った。水洗後、FIX剤としてナイロンフィックス501 5%owfを90℃、20分にて処理し、水洗後、柔軟剤等付与することなく、足形に入れて110℃、30秒のスチームセットを行った。JIS0844−1986 A−2法にしたがい、変褪色を評価した。
E.目付測定
靴下を静置した状態で拡大鏡を用いて2.54cm当たりのコース方向およびウェール方向の本数を数えた。測定位置としてはガーター部から下に20cmの位置にて測定した。
F.表面粗さ測定(SMD)
カトーテック(株)製のKES−FB4を用いて測定した。ガータ部下部10cmから20cmを切り取り、さらに足形のセットによる折り目に沿って片側を切り取ることによって、約18cm×20cm(コース方向×ウエール方向)のサンプルを得た。靴下の外側表面を測定面として、ウェール方向に測定されるように平滑な金属表面上においてウェール方向に200gの初荷重をかけて固定し、摩擦面寸法が5mmの接触子(0.5mmのピアノ線)を10gfの荷重で試料に圧着し、試料を0.1cm/secの速度で水平に2cm移動させたときの表面粗さ(SMD)を測定した。測定回数はN=5で行い、平均値を測定値とした。
G.clo値
ガータ部下部10cmから20cmを切り取り、さらに足形のセットによる折り目に沿って片側を切り取ることによって、約18cm×20cm(コース方向×ウエール方向)のサンプルを得た(実際の有効測定面積は10×10cm)。
20℃65%RHの環境中で24時間調湿した試験布帛を、KES型保温性試験器(カトーテック株製サーモラボII型)を用い、熱板温度40℃±0.1℃に設定されたSm2(0.01m2)の熱板上に静置し、1分経過後の安定した状態で熱板から試験布帛を通して環境中に放散する熱損失量を熱板面積(Sm2)と消費電力(Ew)とから求める。この時、風速 約6.5cm/sec(微風)とした。測定回数はN=5で行い、平均値を測定値とした。
布帛を載せない熱板からの放熱量は環境との温度差に比例するから、人体の平均皮膚温度33℃からして、温度差20℃での上記実験は環境温度13℃で安静状態の人体における保温性をシミュレートしたものである。
上記実験で得られた熱損失量の値は、次式によりclo値に換算される。
clo=(1/0.155)×(20×S/E)(m2hr℃/kJ)
H.厚み測定
JIS L 1018「ニット生地試験方法」(1999)に準じて測定を行った。なお、加える圧力は0.7MPaとした。
I.ソフトさ官能評価
仕上がった靴下の表面タッチのソフトさについて風合い評価経験豊富な技術者4名により実施し、4段階で評価した。
×:市販されているタイツの表面タッチのソフトさレベル
△:市販されているタイツの中では表面タッチのソフトな商品レベル
○:市販されているタイツにはない表面タッチのソフトさを有するレベル
◎:市販されているタイツにはない表面タッチの優れたソフトさを有するレベル
J.通気量
JIS L 1096(1999)8.27.1 A法(フランジール形法)に準じて測定を行った。
K.保温性の官能評価
仕上がった靴下のタイツを日常着用している女性4名にタイツを着用の上、膝上のタイトスカートを着用してもらい、温度10℃、湿度30%、正面から2m/sの風を吹かせた環境下でルームランナーの上を歩行してもらい、膝下の温冷感を評価してもらった。
×:市販されているタイツ着用時と同等
△:市販されているタイツ着用時よりもやや暖かく感じられる
○:市販されているタイツ着用時よりもはっきりと暖かさを感じられる
実施例1
98%硫酸相対粘度2.6で酸化チタンを0.3重量%含むポリヘキサメチレンアジパミド(アミノ末端基4.6×10-5mol/g)チップを290℃で溶融し、孔径0.15mm丸型の吐出孔を有する紡糸口金から吐出し、冷却、給油、交絡を付与したのち4441m/minにて1GDに引取り、引き続き、1〜2GD間で1.05倍延伸させたのち、4500m/minにて巻き取り、61デシテックス、98フィラメントのポリアミドマルチフィラメントPOYを得た(強度4.0cN/T、伸度61%)。
上記POYを延伸仮撚機としてIVF805(石川製作所社製)を用いて、加工速度300m/min、延伸倍率1.17倍、ヒーター温度187℃、D/Y比1.7(解撚張力/加撚張力=1.04)に設定して仮撚加工を行い、53デシテックス98フィラメントの仮撚糸を得た(強度4.0cN/T、伸度31%、捲縮特性7%、沸収4%)。上記仮撚糸を巻き糸とし、芯糸としてモビロン22デシテックス Gタイプ(日清紡社製)を用いてカバリング数800T/m、ドラフト3.0倍にてS撚、Z撚のシングルカバリング糸を用意した。永田精機(株)製 MODEL KT−S4(針数380本)に上記シングルカバリング糸を仕掛けてゾッキタイツを編成した(置き寸、伸び寸)。タイツをD.洗濯堅牢性評価に記載の通りに染色・仕上げ加工を行った。
実施例2
実施例1と同じチップを用い、290℃で溶融し、孔径0.13mm丸型の吐出孔を有する紡糸口金から吐出し、冷却、給油、交絡を付与したのち4441m/minにて1GDに引取り、引き続き、1〜2GD間で1.05倍延伸させたのち、4500m/minにて巻き取り、61デシテックス、144フィラメントのポリアミドマルチフィラメントPOYを得た(強度4.0cN/T、伸度61%)。
実施例1と同じ仮撚機を用い、ヒーター温度を185℃に変えた以外は同様な条件にて仮撚加工を行い、53デシテックス144フィラメントの仮撚糸を得た(強度4.0cN/T、伸度31%、捲縮特性6%、沸収4%)。上記仮撚糸を巻き糸とし、実施例1と同様なカバリングを行い、S撚、Z撚のシングルカバリング糸を用意した。編成および染色仕上げ加工も実施例1と同様に行った。
実施例3
実施例1とチップを用い、290℃で溶融し、孔径0.15mm丸型の吐出孔を有する紡糸口金から吐出し、冷却、給油、交絡を付与したのち4441m/minにて1GDに引取り、引き続き、1〜2GD間で1.05倍延伸させたのち、4500m/minにて巻き取り、44デシテックス、68フィラメントのポリアミドマルチフィラメントPOYを得た(強度4.0cN/T、伸度64%)。
上記POYを実施例1と同じ延伸仮撚機を用いて、加工速度400m/min、延伸倍率1.22倍、ヒーター温度195℃、D/Y比1.8(解撚張力/加撚張力=1.11)に設定して仮撚加工を行い、35デシテックス68フィラメントの仮撚糸を得た(強度4.2cN/T、伸度24%、捲縮特性10%、沸収4%)。上記仮撚糸を巻き糸とし、芯糸としてモビロン22デシテックス Gタイプ(日清紡社製)を用いてカバリング数1000T/m、ドラフト3.0倍にてS撚、Z撚のシングルカバリング糸を用意した。編成および染色仕上げ加工も実施例1と同様に行った。
実施例4
実施例1とチップを用い、290℃で溶融し、孔径0.13mm丸型の吐出孔を有する紡糸口金から吐出し、冷却、給油、交絡を付与したのち4441m/minにて1GDに引取り、引き続き、1〜2GD間で1.05倍延伸させたのち、4500m/minにて巻き取り、44デシテックス、84フィラメントのポリアミドマルチフィラメントPOYを得た(強度4.0cN/T、伸度61%)。
実施例3と同じ仮撚機を用い、ヒーター温度を190℃に変えた以外は同様な条件にて仮撚加工を行い、35デシテックス84フィラメントの仮撚糸を得た(強度4.0cN/T、伸度31%、捲縮特性8%、沸収4%)。上記仮撚糸を巻き糸とし、芯糸としてモビロン22デシテックス Gタイプ(日清紡社製)を用いてカバリング数1000T/m、ドラフト3.0倍にてS撚、Z撚のシングルカバリング糸を用意した。編成および染色仕上げ加工も実施例1と同様に行った。
比較例1
実施例1と同じチップを用い、同様な条件で紡糸することにより61デシテックス、40フィラメントのポリアミドマルチフィラメントPOYを得た(強度4.0cN/T、伸度64%)。
実施例1と同じ仮撚機を用い、同様な条件にて仮撚加工を行い、53デシテックス40フィラメントの仮撚糸を得た(強度4.0cN/T、伸度31%、捲縮特性12%、沸収4%)。上記仮撚糸を巻き糸とし、実施例1と同様なカバリングを行い、S撚、Z撚のシングルカバリング糸を用意した。編成および染色仕上げ加工も実施例1と同様に行った。
比較例2
実施例1と同じチップを用い、同様な条件で紡糸することにより61デシテックス、68フィラメントのポリアミドマルチフィラメントPOYを得た(強度4.0cN/T、伸度64%)。
実施例1と同じ仮撚機を用い、同様な条件にて仮撚加工を行い、53デシテックス68フィラメントの仮撚糸を得た(強度4.0cN/T、伸度31%、捲縮特性8%、沸収4%)。上記仮撚糸を巻き糸とし、実施例1と同様なカバリングを行い、S撚、Z撚のシングルカバリング糸を用意した。編成および染色仕上げ加工も実施例1と同様に行った。
比較例3
実施例3と同じチップを用い、同様な条件で紡糸することにより44デシテックス、26フィラメントのポリアミドマルチフィラメントPOYを得た(強度4.0cN/T、伸度64%)。
実施例1と同じ仮撚機を用い、同様な条件にて仮撚加工を行い、35デシテックス26フィラメントの仮撚糸を得た(強度4.0cN/T、伸度31%、捲縮特性18%、沸収4%)。上記仮撚糸を巻き糸とし、実施例1と同様なカバリングを行い、S撚、Z撚のシングルカバリング糸を用意した。編成および染色仕上げ加工も実施例1と同様に行った。
比較例4
実施例3と同じチップを用い、同様な条件で紡糸することにより44デシテックス、48フィラメントのポリアミドマルチフィラメントPOYを得た(強度4.0cN/T、伸度64%)。
実施例1と同じ仮撚機を用い、同様な条件にて仮撚加工を行い、35デシテックス48フィラメントの仮撚糸を得た(強度4.0cN/T、伸度31%、捲縮特性14%、沸収4%)。上記仮撚糸を巻き糸とし、実施例1と同様なカバリングを行い、S撚、Z撚のシングルカバリング糸を用意した。編成および染色仕上げ加工も実施例1と同様に行った。
実施例の靴下は、同繊度の比較例の靴下に比べて表面が滑らかで着用のために足を通したときの滑らかさに優れており、また単糸繊度が細いため、ソフトな風合いを有していた。また、保温性においても表1に示すように優れた値を有しており、実際の着用による官能評価においても、同繊度の比較例のサンプルに比べて冷気が肌に入りにくいことが感じられ、、気温の低い環境下において歩行したとき、冷気による冷えを感じにくく、保温性の高さを実感できた。
Figure 0004552457
実施例1の靴下の外側の編み地表面写真である。 比較例1の靴下の外側の編み地表面写真である。 実施例1の靴下の編み地断面表面写真である。 比較例1の靴下の編み地断面表面写真である。

Claims (2)

  1. ウェール方向の表面粗さが1.78〜2.01μmであるレッグ部を有し、該レッグ部が弾性糸を芯糸にして単糸繊度が0.3〜0.65デシテックスのポリアミドマルチフィラメント仮撚糸を巻き付けたシングルカバリング糸を用いてなることを特徴とする靴下。
  2. clo値を厚みで割った値が1.18以上1.22以下であるレッグ部を有し、該レッグ部が弾性糸を芯糸にして単糸繊度が0.3〜0.65デシテックスのポリアミドマルチフィラメント仮撚糸を巻き付けたシングルカバリング糸を用いてなることを特徴とする靴下。
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