JP4524337B1 - 特殊な単糸断面を有するポリアミド系マルチフィラメント - Google Patents
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Abstract
【解決手段】単糸の断面形状が2つの凸部とその間に挟まれる1つの溝部を有し、かつ単糸断面の中心に対して非回転対称な略カージオイド型断面であること、前記2つの凸部のそれぞれの非溝部側の輪郭線が延長されて突き当たって構成される断面下部が、凹部を有する湾曲した形状を持つこと、前記凸部の溝部側の輪郭線と非溝部側の輪郭線が平行でなく、しかも互いに等距離の間隔で進んで湾曲しないこと、単糸断面を囲む外接直角四角形の辺Aの長さaと辺Bの長さbの比a/bが0.3〜3.0であること、及び外接直角四角形の2つの辺Bとそれぞれ接する単糸断面の接点P1とP2を結ぶ直線Fから2つの凸部とは逆の側にある単糸断面の下部の最底点Qへ降ろした垂線Dの長さdと辺Bの長さbとの比d/bが0.3〜0.8である。
【選択図】図4
Description
即ち、本発明は、以下の(1)〜(7)の構成を採用するものである。
(1)一成分溶融紡糸法によって紡糸されるポリアミド系マルチフィラメントにおいて、単糸の断面形状が略カージオイド型断面であることを特徴とするポリアミド系マルチフィラメント。
(2)単糸断面を囲む外接直角四角形の辺A、辺Bを以下のように規定したときに辺Aの長さaと辺Bの長さbの比a/bが0.3〜3.0であることを特徴とする(1)記載のポリアミド系マルチフィラメント。
辺A:略カージオイド型断面の溝部を挟む2つの凸部の頂点を結ぶ直線と平行な外接直角四角形の辺。
辺B:辺Aと垂直に交わる外接直角四角形の辺。
(3)外接直角四角形の2つの辺Bとそれぞれ接する単糸断面の接点P1とP2を結ぶ直線Fから2つの凸部とは逆の側にある単糸断面の下部の最底点Qへ降ろした垂線Dの長さdと辺Bの長さbとの比d/bが0.2〜0.9であることを特徴とする(2)記載のポリアミド系マルチフィラメント。
(4)a/bが0.4〜2.5であることを特徴とする(2)または(3)記載のポリアミド系マルチフィラメント。
(5)略カージオイド断面の溝部の深さcと辺Bの長さbとの比c/bが0.05〜0.30であることを特徴とする(2)〜(4)のいずれか記載のポリアミド系マルチフィラメント。
(6)単糸断面の下部が最底点Qを境にして屈曲しており、外接直角四角形の辺Bと接する単糸断面の接点Pと単糸断面の下部の最底点Qとを結ぶ直線Lの長さL1と、P−Q間の単糸断面の周長L2との比L2/L1が1.0〜1.3であることを特徴とする(3)〜(5)のいずれか記載のポリアミド系マルチフィラメント。
(7)(1)〜(6)のいずれか記載のポリアミド系マルチフィラメントを少なくとも一部に用いていることを特徴とする織編物。
糸条の任意の部位からサンプリングした試験片の切断面が観察できるように装着セットして、走査型電子顕微鏡にて、繊維軸を横切る方向にほぼ直角に切断されている任意の切断面10箇所について倍率1000倍にて写真撮影する。それによって得られた各撮影箇所について、写真を4倍に拡大して全単糸本数のうち50%以上の本数を任意に選び、下記手法にて断面の寸法を測定する。まず2つの凸部の頂点を結ぶ直線と平行な辺Aと、辺Aと垂直に交わる辺Bで構成される外接直角四角形を描き、辺Aの長さa*と辺Bの長さb*の比a*/b*を算出した。また、2つの凸部に挟まれる溝部の深さc*を測定し、辺Bの長さb*との比c*/b*を算出した。また、外接直角四角形の辺Bと単糸断面との接点P1、P2を結ぶ直線Fから単糸断面の下部の最底部Qへ垂線を降ろし、その垂線Dの長さd*を測定し、比d*/b*を算出した。また、接点P1と断面の最底部Qとを結ぶ直線Lの長さL1*でP1−Q間の単糸断面の周長L2*を除した比を算出し、同様に該接点P2と断面の最底部Qとを結ぶ直線Lの長さL1*でP2−Q間の単糸断面の周長L2*を除した比を算出し、その2つの比の平均値をL2*/L1*とした。このようにして得られた各a*/b*の全平均値をa/bとし、各c*/b*の全平均値をc/bとし、各d*/b*の全平均値をd/bとし、各L2*/L1*の全平均値をL2/L1とした。
JIS−L−1090−1992に準じて測定を行った。
JIS−L−1090−1992に準じて測定した糸条総繊度を、単糸数で除して求めた。
96.5±0.1重量%試薬特級濃硫酸36.8mg中に重合体濃度200mgを溶解させてサンプル溶液を調整し、20℃±0.1℃の温度で水落下秒数6〜7秒の改良ウベローゼ粘度計を用い、溶液相対粘度を測定する。測定に際し、同一の粘度計を用い、サンプル溶液を調整したときと同じ硫酸36.8mgの落下時間T0(秒)と、サンプル溶液の落下時間T1(秒)の比より、相対粘度RVを下記の式を用いて算出する。
RV=T1/T0
インストロンジャパン(株)4301型を用いて測定する。初荷重として糸条繊度(dtex)に対し1/33mNを加え、糸長20cm、引張速度20cm/ minの条件で歪−応力曲線を雰囲気温度20℃、相対湿度65%条件下で測定し、破断点での応力を糸条総繊度(dtex)で除した値を破断強度、破断時の伸びを破断伸度とした。なお、各値は1試料につき3回の測定値の平均値を使用した。
JIS−L1907記載の方法(バイレック法)に準じて、パンティーストッキングのガーター部下部5cmからウェル方向に20cm、コース方向に2.5cmの大きさにサンプル片を切り出して測定に供した。各々測定回数5回の平均値を以って吸水性(mm)とした。
乾燥性を評価する指標として拡散性残留水分率を用いた。パンティーストッキングのガーター部下部5cmから生地をウェル方向に10cm、コース方向に10cmの大きさにサンプル片を切り出して、標準状態(20℃×65%RH)で調整した生地サンプルの質量を測定した(W0)。次いで、無張力下で広げ、生地サンプル裏面中央に0.6mLの水を滴下した後の生地サンプルの質量を測定した(W1)。その後、生地サンプルを吊り下げた状態で、30分経過した後の生地サンプルの質量を測定した(W2)。これらの測定値から、生地の拡散性残留水分率を下記の式より算出した。
拡散性残留水分率(%)=(W2−W0)×100/(W1−W0)
パンティーストッキングのガーター部下部5cmから生地をウェル方向に15cm、コース方向に15cmの大きさにサンプル片を切り出して、カトーテック社製精密迅速熱物質測定装置サーモラボIIを使用し、20℃×65%RHの恒温湿度条件で測定を実施した。上記サーモラボの試料初期設定温度を20℃、熱板温度を40℃として、生地裏面を熱板に接触させて測定した。なお、実験回数5回の平均値をもって、その測定値Qmax(W/cm2)とした。
パンティーストッキングの風合い評価における判定を、熟練技術者5名による官能評価により以下の基準で行った。すなわち、パンティーストッキングの官能評価において、人差し指、中指と親指の間にパンティーストッキングの大腿部付近をはさみ、人差し指、中指と親指でこするように生地をなでた時、パウダータッチの柔らかさを十分感じられるものを「非常に優れる」とし、ガサツギ感、固さの感じられるものを「劣る」として、5:非常に優れる、4:優れる、3:どちらでもない、2:やや劣る、1:劣るの5段階の基準で風合い評価を行った。各技術者の評価した点数の平均値をとり、平均値が4〜5を◎、3〜4を○、2〜3を△、1〜2を×とした。
パンティーストッキングの風合い評価における判定を、熟練技術者5名による官能評価により以下の基準で行った。すなわち、パンティーストッキングの官能評価において、人差し指、中指と親指の間にパンティーストッキングの大腿部付近をはさみ、人差し指、中指と親指で生地を圧縮した時、膨らみ感がありふんわりとした柔らかさを十分感じられるものを「非常に優れる」とし、膨らみ感が無く固さやヘタリの感じられるものを「劣る」として、5:非常に優れる、4:優れる、3:どちらでもない、2:やや劣る、1:劣るの5段階の基準で風合い評価を行った。各技術者の評価した点数の平均値をとり、平均値が4〜5を◎、3〜4を○、2〜3を△、1〜2を×とした。
パンティーストッキングを型板に入れて蛍光灯の光の下で、熟練技術者5名による目視により以下の基準で行った。すわなち、きめ細やかでやわらかく自然な光沢が感じ取れるもの「非常に優れる」とし、光沢感はあるがギラギラして人工的な光沢を感じるものを「やや劣る」、光沢感が感じ取れないものを「劣る」として、5:非常に優れる、4:優れる、3:どちらでもない、2:やや劣る、1:劣るの5段階の基準で風合い評価を行った。各技術者の評価した点数の平均値をとり、平均値が4〜5を◎、3〜4を○、2〜3を△、1〜2を×とした。
a’/b’=1.13、d’/b’=0.80、c’/b’=0.26である、図17に示す形状の吐出孔を5個有する紡糸口金を使用し、相対粘度ηr=2.4のナイロン6ポリマーを紡糸温度260℃で溶融紡糸して、冷風で冷却固化し油剤を付与した後、第1ゴデットローラーにて2300m/minで引き取り、引き続いて第2ゴデットローラー間で1.5倍の延伸を行なうと共に第二ゴデットローラーで130℃の熱セットを施し、3280m/minにてワインダーで巻取ることで、13dtex、5フィラメントのナイロン6マルチフィラメントを得た。このナイロン6フィラメントの単糸断面を観察したところ、略カージオイド型断面であり、a/b=1.12、d/b=0.70、c/b=0.14であった。また、マルチフィラメントの破断強度および破断伸度はそれぞれ、4.4cN/dtex、45%であった。
b’とc’の長さが実施例1と同じでa’の長さのみを変えて、a’/b’=0.55とした、図17に示す形状の吐出孔を5個有する紡糸口金を使用し、実施例1と同じ条件にて紡糸することで、13dtex、5フィラメントのナイロン6マルチフィラメントを得た。このナイロン6フィラメントの単糸断面を観察したところ、略カージオイド型断面であり、a/b=0.50、d/b=0.70、c/b=0.14であった。また、マルチフィラメントの破断強度および破断伸度はそれぞれ、4.2cN/dtex、42%であった。
b’とc’の長さが実施例1と同じでa’の長さのみを変えて、a’/b’=2.15とした、図17に示す形状の吐出孔を5個有する紡糸口金を使用し、実施例1と同じ条件にて紡糸することで、13dtex、5フィラメントのナイロン6マルチフィラメントを得た。このナイロン6フィラメントの単糸断面を観察したところ、略カージオイド型断面であり、a/b=2.10、d/b=0.70、c/b=0.14であった。また、マルチフィラメントの破断強度および破断伸度はそれぞれ、4.0cN/dtex、42%であった。
b’とc’の長さが実施例1と同じでa’の長さのみを変えて、a’/b’=1.95とした、図17に示す形状の吐出孔を5個有する紡糸口金を使用し、実施例1と同じ条件にて紡糸することで、13dtex、5フィラメントのナイロン6マルチフィラメントを得た。このナイロン6フィラメントの単糸断面を観察したところ、略カージオイド型断面であり、a/b=1.90、d/b=0.70、c/b=0.14であった。また、マルチフィラメントの破断強度および破断伸度はそれぞれ、4.2cN/dtex、43%であった。
b’とc’の長さが実施例1と同じでa’の長さのみを変えて、a’/b’=0.65とした、図17に示す形状の吐出孔を5個有する紡糸口金を使用し、実施例1と同じ条件にて紡糸することで、13dtex、5フィラメントのナイロン6マルチフィラメントを得た。このナイロン6フィラメントの単糸断面を観察したところ、略カージオイド型断面であり、a/b=0.60、d/b=0.70、c/b=0.12であった。また、マルチフィラメントの破断強度および破断伸度はそれぞれ、4.4cN/dtex、45%であった。
a’、c’の長さが実施例1と同じでd’の長さのみを変えて、d’/b’=0.47とした、図17に示す形状の吐出孔を5個有する紡糸口金を使用し、実施例1と同じ条件にて紡糸することで、13dtex、5フィラメントのナイロン6マルチフィラメントを得た。このナイロン6フィラメントの単糸断面を観察したところ、略カージオイド型断面であり、a/b=2.24、d/b=0.40、c/b=0.28であった。また、マルチフィラメントの破断強度および破断伸度はそれぞれ、4.2cN/dtex、43%であった。
a’、c’の長さが実施例1と同じでd’の長さのみを変えて、d’/b’=0.80とした、図17に示す形状の吐出孔を5個有する紡糸口金を使用し、実施例1と同じ条件にて紡糸することで、13dtex、5フィラメントのナイロン6マルチフィラメントを得た。このナイロン6フィラメントの単糸断面を観察したところ、略カージオイド型断面であり、a/b=0.95、d/b=0.75、c/b=0.12であった。また、マルチフィラメントの破断強度および破断伸度はそれぞれ、4.4cN/dtex、45%であった。
a’、b’、d’の長さが実施例1と同じでc’の長さのみを変えて、c’/b’=0.16とした、図17に示す形状の吐出孔を5個有する紡糸口金を使用し、実施例1と同じ条件にて紡糸することで、13dtex、5フィラメントのナイロン6マルチフィラメントを得た。このナイロン6フィラメントの単糸断面を観察したところ、略カージオイド型断面であり、a/b=1.12、d/b=0.70、c/b=0.09であった。また、マルチフィラメントの破断強度および破断伸度はそれぞれ、4.5cN/dtex、45%であった。
a’、b’、d’の長さが実施例1と同じでc’の長さのみを変えて、c’/b’=0.33とした、図17に示す形状の吐出孔を5個有する紡糸口金を使用し、実施例1と同じ条件にて紡糸することで、13dtex、5フィラメントのナイロン6マルチフィラメントを得た。このナイロン6フィラメントの単糸断面を観察したところ、略カージオイド型断面であり、a/b=1.12、d/b=0.70、c/b=0.18であった。また、マルチフィラメントの破断強度および破断伸度はそれぞれ、4.2cN/dtex、42%であった。
a’、b’、c’、d’、e’の長さが実施例1と同じである、図17に示す形状の吐出孔を5個有する紡糸口金を使用し、相対粘度ηr=2.5のナイロン66ポリマーを紡糸温度290℃で溶融紡糸して、冷風で冷却固化し油剤を付与した後、第1ゴデットローラーにて2000m/minで引き取り、引き続いて第2ゴデットローラー間で2.0倍の延伸を行うと共に第二ゴデットローラーで130℃の熱セットを施し、3900m/minにてワインダーで巻取ることで、13dtex、5フィラメントのナイロン66マルチフィラメントを得た。このナイロン66フィラメントの単糸断面を観察したところ、略カージオイド型断面であり、a/b=1.12、d/b=0.70、c/b=0.15であった。また、マルチフィラメントの破断強度および破断伸度はそれぞれ、4.9cN/dtex、48%であった。
丸型の吐出孔を5個有する紡糸口金を使用する以外は実施例1と同じ方法により13dtex、5フィラメントのナイロン6フィラメントを得た。このナイロン6フィラメントの単糸断面を観察したところ、丸型断面であった。また、マルチフィラメントの破断強度および破断伸度はそれぞれ、4.6cN/dtex、45%であった。
図19に示す形状を有する吐出孔を5個有する紡糸口金を使用する以外は実施例1と同じ方法により13dtex、5フィラメントのナイロン6フィラメントを得た。このナイロン6フィラメントの単糸断面を観察したところ、図10に示されるような瓢箪型断面であった。この時、図10における長軸x1と短軸x2の比x1/x2は2.1で、溝の深さx3と短軸x2との比x3/x2は0.12であった。また、マルチフィラメントの破断強度および破断伸度はそれぞれ、4.0cN/dtex、42%であった。
外接円の直径r1と内接円r2の直径r2の比r1/r2が5.0である、図20に示す形状の吐出孔を5個有する紡糸口金を使用する以外は実施例1と同じ方法により13dtex、5フィラメントのナイロン6フィラメントを得た。このナイロン6フィラメントの単糸断面を観察したところ、図15に示されるようなY型断面であった。この時、図15における単糸断面の外接円の直径r3と内接円の直径r4の比r3/r4は2.5であった。また、マルチフィラメントの破断強度および破断伸度はそれぞれ、3.9cN/dtex、40%であった。
図21に示す形状を有する吐出孔を5個有する紡糸口金を使用する以外は実施例1と同じ方法により13dtex、5フィラメントのナイロン6フィラメントを得た。このナイロン6フィラメントの単糸断面を観察したところ、図12に示されるようなV字型断面であった。この時、図12における横長v1と縦長v2との比v1/v2は1.4、溝部の深さv3と縦長v2との比v3/v2は0.4であった。また、マルチフィラメントの破断強度および破断伸度はそれぞれ、3.5cN/dtex、38%であった。
a’/b’=1.13、d’/b’=0.80、c’/b’=0.26、e’/d’=0.50である、図18に示す形状の吐出孔を5個有する紡糸口金を使用し、相対粘度ηr=3.5のナイロン6ポリマーを紡糸温度280℃で溶融紡糸して、冷風で冷却固化し油剤を付与した後、第1ゴデットローラーで2300m/minにて引き取り、引き続いて第2ゴデットローラー間で1.6倍の延伸を行うと共に第二ゴデットローラーで130℃の熱セットを施し、ワインダーで3550m/minにて巻取ることで、13dtex、5フィラメントのナイロン6マルチフィラメントを得た。このナイロン6フィラメントの単糸断面を観察したところ、図3のような単糸断面の下部の最底点Qを境にして単糸断面の底部が屈曲している略カージオイド型断面であり、a/b=1.12、d/b=0.70、c/b=0.14、L2/L1=1.06であった。また、フィラメントの破断強度および破断伸度はそれぞれ、5.2cN/dtex、40%であった。なお、実施例11で得られたフィラメントの走査型電子顕微鏡写真を図1に示す。
a’、b’、c’、d’の長さが実施例11と同じでe’の長さのみを変えて、e’/d’=0.40である、図18に示す形状の吐出孔を5個有する紡糸口金を使用し、実施例11と同じ条件にて紡糸することで、13dtex、5フィラメントのナイロン6マルチフィラメントを得た。このナイロン6フィラメントの単糸断面を観察したところ、図4のような単糸断面の下部の最底点Qを境にして単糸断面の底部が屈曲している略カージオイド型断面であり、a/b=1.12、d/b=0.70、c/b=0.14、L2/L1=1.07であった。また、フィラメントの破断強度および破断伸度はそれぞれ、5.2cN/dtex、40%であった。
a’、b’、c’、d’、e’の長さが実施例11と同じである、図18に示す形状の吐出孔を7個有する紡糸口金を使用し、実施例11と同じ条件にて紡糸することで、13dtex、7フィラメントのナイロン6マルチフィラメントを得た。このナイロン6フィラメントの単糸断面を観察したところ、図3のような単糸断面の下部の最底点Qを境にして単糸断面の底部が屈曲している略カージオイド型断面であり、a/b=1.12、d/b=0.70、c/b=0.14、L2/L1=1.05であった。また、フィラメントの破断強度および破断伸度はそれぞれ、5.1cN/dtex、40%であった。
丸型の吐出孔を5個有する紡糸口金を使用する以外は実施例11と同じ方法により13dtex、5フィラメントのナイロン6フィラメントを得た。このナイロン6フィラメントの単糸断面を観察したところ、丸型断面であった。また、フィラメントの破断強度および破断伸度はそれぞれ、5.6cN/dtex、40%であった。
外接円の直径r1と内接円r2の直径r2の比r1/r2が3.0である、図20に示す形状の吐出孔を5個有する紡糸口金を使用する以外は実施例1と同じ方法により13dtex、5フィラメントのナイロン6フィラメントを得た。このナイロン6フィラメントの単糸断面を観察したところ、三角断面であった。また、フィラメントの破断強度および破断伸度はそれぞれ、5.4cN/dtex、40%であった。
Claims (4)
- 一成分溶融紡糸法によって紡糸されるポリアミド系マルチフィラメントにおいて、単糸の断面形状が2つの凸部とその間に挟まれる1つの溝部を有し、かつ単糸断面の中心に対して非回転対称な略カージオイド型断面であること、前記2つの凸部のそれぞれの非溝部側の輪郭線が延長されて突き当たって構成される断面下部が、その最底点Qを境にして屈曲しており、断面下部を構成する最底点Qの左側及び右側の曲線が、それぞれ独立して、単糸断面内側に湾曲した曲線、又は単糸断面外側に湾曲した曲線と単糸断面内側に湾曲した曲線が組み合わさった変曲点を1つ有する曲線であること、前記凸部の溝部側の輪郭線と非溝部側の輪郭線が平行でなく、しかも互いに等距離の間隔で進んで湾曲しないこと、単糸断面を囲む外接直角四角形の辺A、辺Bを以下のように規定したときに辺Aの長さaと辺Bの長さbの比a/bが0.3〜3.0であること、外接直角四角形の2つの辺Bとそれぞれ接する単糸断面の接点P1とP2を結ぶ直線Fから2つの凸部とは逆の側にある単糸断面の下部の最底点Qへ降ろした垂線Dの長さdと辺Bの長さbとの比d/bが0.3〜0.8であること、及び外接直角四角形の辺Bと接する単糸断面の接点Pと単糸断面の下部の最底点Qとを結ぶ直線Lの長さL1と、P−Q間の単糸断面の周長L2との比L2/L1が1.0〜1.3であることを特徴とするポリアミド系マルチフィラメント。
辺A:略カージオイド型断面の前記2つの凸部の頂点を結ぶ直線と平行な外接直角四角形の辺。
辺B:辺Aと垂直に交わる外接直角四角形の辺。 - a/bが0.4〜2.5であることを特徴とする請求項1記載のポリアミド系マルチフィラメント。
- 略カージオイド断面の溝部の深さcと辺Bの長さbとの比c/bが0.05〜0.30であることを特徴とする請求項1または2記載のポリアミド系マルチフィラメント。
- 請求項1〜3のいずれか記載のポリアミド系マルチフィラメントを少なくとも一部に用いていることを特徴とする織編物。
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