JPH10226191A - インキ吸蔵用繊維集合体、インキ吸蔵用繊維集合体シートおよびその製造方法 - Google Patents

インキ吸蔵用繊維集合体、インキ吸蔵用繊維集合体シートおよびその製造方法

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JPH10226191A
JPH10226191A JP9032050A JP3205097A JPH10226191A JP H10226191 A JPH10226191 A JP H10226191A JP 9032050 A JP9032050 A JP 9032050A JP 3205097 A JP3205097 A JP 3205097A JP H10226191 A JPH10226191 A JP H10226191A
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fiber
ink
absorbing
sheet
cross
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JP9032050A
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Inventor
Hiroshi Hosokawa
宏 細川
Seizo Oishi
清三 大石
Hiroaki Onishi
宏明 大西
Hiroaki Nukui
裕明 温井
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた鮮明化と高解像度化が可能で同時に経
済的にも優れたインキ吸蔵材料として好適な繊維集合
体、これからなるシートおよびその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 単繊維繊度が0.001〜1デニールの
アクリル繊維を10重量%以上含むインキ吸蔵用繊維集
合体、上記のインキ吸蔵用繊維集合体からなる不織布、
紙状のインキ吸蔵用繊維集合体シートおよびその製造方
法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インキ吸蔵用繊維
集合体、インキ吸蔵用繊維集合体シートおよびその製造
方法に関し、さらに詳しくは、インキを吸蔵し移動させ
る媒体として好適な繊維集合体およびシートおよびその
製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】スタンプ台、インキを内蔵した印鑑類、
マジックインキやサインペン等の筆記用具類および孔版
印刷原紙用スクリーン等にとって、インキを吸蔵してお
き、必要なときにインキを紙や印鑑に移動できる吸蔵材
料は必要不可欠なものであるが、この吸蔵材料はインキ
の吸蔵、インキのスムースな移動という相反する要求を
満足することが必要である。
【0003】このような相反する要求を満足させる目的
で、これまでインキの改良と共に、インキを吸蔵し移動
させる吸蔵材料の研究開発が行われてきている。
【0004】インキ吸蔵材料には、インキ漏れを防止で
きる、大きな吸蔵力とインキの移動速度が満足すべきレ
ベル以上であることが要求される。
【0005】従来、このようなインキ吸蔵材料としては
スポンジ等の多孔質高分子材料、繊維の織り地、編み
地、不織布、綿等が用いられてきた。
【0006】繊維の材質としては、天然繊維、化学繊
維、合成繊維等が単独もしくは混合して用いられてきた
が、コストと力学物性の両面から、これまでポリプロピ
レン繊維およびポリエステル繊維が特に好んで用いられ
てきた。
【0007】ところが、最近、このようなインキ吸蔵材
料が用いられる分野において、より細い線、より小さな
点を鮮明に印字、印刷ができるよう、印字、印刷のさら
なる鮮明化と高解像度化の要求が高まっており、従来の
インキ吸蔵材料では、要求を満足することが困難となっ
てきている。
【0008】例えば、従来のスタンプ台では、インキが
過剰に印鑑に付着するために押印した際に紙にインキが
にじんでしまい不明確になったり、画数の多い漢字の鮮
明な印字が困難であったり、インキの乾きが遅い為に他
の書類が重なった場合など他の書類を汚したり又は印字
が不鮮明になるなどの不都合が生じる場合があった。
【0009】また、孔版印刷原紙用スクリーンは安価で
簡便であることから需要が広がり多くの支持者を得てい
るが、最近はより細かな表現が要求されるようになり、
従来のスクリーン材料では消費者の要求する高度な解像
度を達成し得ない状況となってきている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
要求に応える優れた鮮明化と高解像度化が可能で同時に
経済的にも優れたインキ吸蔵材料として好適な繊維集合
体、これからなるシートおよびその製造方法を提供する
ことを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、繊維基質としてアクリル
繊維が本用途に対して優れた特性を有するとともに、特
定の繊度範囲のアクリル繊維を一定割合だけ混合するこ
とにより鮮明化、高解像度化の要求に応えられるインキ
吸蔵用繊維集合体が得られることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0012】すなわち、本発明はつぎの(1)〜(5)
を要旨とする。 (1)単繊維繊度が0.001〜1デニールのアクリル
繊維を10重量%以上含むインキ吸蔵用繊維集合体。 (2)上記のインキ吸蔵用繊維集合体からなる不織布で
あって、目付が50〜500g/m2であるインキ吸蔵
用繊維集合体シート。 (3)カット長が1〜10mmの上記インキ吸蔵用繊維
集合体からなる紙状シートであって、目付が3〜50g
/m2であるインキ吸蔵用繊維集合体シート。 (4)上記インキ吸蔵用繊維集合体をカードウェブと
し、ウオータージェットにより交絡し、不織布を形成す
るインキ吸蔵用繊維集合体シートの製造方法 (5)カット長が1〜10mmの上記インキ吸蔵用繊維
集合体を抄紙する紙状シートからなるインキ吸蔵用繊維
集合体シートの製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】まず発明(1)について説明す
る。本発明のインキ吸蔵用繊維集合体では、その中の1
0重量%以上がアクリル繊維である必要があり、その割
合が10重量%未満の場合は、インキの吸蔵力が不十分
となると共に印字、印刷の際に十分な鮮明性と解像度が
得られない。
【0014】本発明においてアクリル繊維とは、アクリ
ロニトリルの単一重合体またはアクリロニトリル50重
量%以上と他の不飽和単量体50重量%以下とを共重合
したアクリロニトリル系重合体からなる繊維であり、乾
式法、乾湿式法、湿式法などの方法により紡糸し製造さ
れる。また、後述するアクリロニトリル系重合体と異種
の重合体を重合体の状態で、あるいは紡糸原液の状態で
混合して紡糸しても良い。
【0015】ここで、他の不飽和単量体としては、アク
リロニトリルと共重合可能な不飽和単量体であれば特に
限定されないが、例えば以下の単量体が挙げられる。
【0016】すなわち、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒ
ドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピルなどに
代表されるアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、
メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、
メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒド
ロキシプロピル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルな
どの代表されるメタクリル酸エステル類、アクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリルアミ
ド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリ
ルアミド、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、塩
化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビニリデ
ン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどの不飽和単量
体であり、さらに染色性改良などの目的によっては、p
−スルホフェニルメタリルエーテル、メタリルスルホン
酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびこれ
らのアルカリ金属塩などを共重合しても良い。
【0017】発明(1)において、アクリル繊維が優れ
たインキの吸蔵力を有する原因については現在のところ
定かではないが、アクリル繊維の染色性およびワイピン
グ特性等を考慮すると、分子構造に由来する親水性と親
油性のバランスがインキ分子との良好な親和性を発現す
るものと推測される。
【0018】また、発明(1)において、アクリル繊維
の単繊維繊度が0.001〜1デニールであることが必
要であり、繊度が0.001デニール未満になるとリン
トの発生が急激に増加し、インキと共に脱落することで
印字・印刷に悪影響を及ぼす傾向が高まり、繊度が1デ
ニールを越えるとインキの吸蔵力が不十分となると共に
印字・印刷の際に十分な鮮明性と解像度が得られない。
発明(1)において、上記のアクリル繊維がアクリロニ
トリル系重合体30〜90重量%と異種重合体10〜7
0重量%からなる筋状相分離構造を有し、部分的に割繊
状態にあるアクリル繊維である場合、繊維のインキに対
する親和性が一層向上し好ましい。この繊維を構成する
アクリロニトリル系重合体の割合が30重量%未満で
は、インキに対する親和性が低下する傾向にあり、この
繊維を使用する効果が得られないし、90重量%を越え
ると筋状相分離構造による部分的な割繊状態が得られ
ず、この繊維を使用する効果が得られない。
【0019】上記の筋状相分離構造はポリマーブレンド
特有の相分離に由来するものであり、相分離のドメイン
サイズは特に限定されないが0.1〜1μm程度の大き
さが好ましい。
【0020】筋状相分離構造を有するアクリル繊維の製
造方法は特に限定されないが、紡糸原液が二相分離状態
であっても良いし逆に均一溶液であっても良いが、紡糸
における糸条形成の過程で相分離が進行し、該繊維特有
の構造が形成される。
【0021】このような筋状相分離構造を有するアクリ
ル繊維としては、例えば特開平7−082605号公
報、特開平7−229017号公報に開示の割繊性アク
リル繊維が挙げられる。
【0022】本発明のインキ吸蔵用繊維集合体では、上
記のアクリル繊維以外の繊維は特に限定しないが、木
綿、麻、羊毛、絹等に代表される天然繊維、ビスコース
・レーヨン、キュプラ、アセテート、プロミックス等に
代表される再生繊維・半合成繊維、ナイロン、ポリエス
テル、ビニロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、上記
範囲以外のアクリル繊維等の合成繊維が挙げられる。
【0023】発明(1)では、単繊維繊度が0.001
〜1デニールのアクリル繊維とともに単繊維繊度が0.
1〜5デニール、繊維断面に1カ所以上の凹部を有する
異形断面アクリル繊維を5〜50重量%を含むことが好
ましい。単繊維繊度が0.1〜5デニール、繊維断面に
1カ所以上の凹部を有する異形断面アクリル繊維として
は、繊維断面がU字形である異形断面アクリル繊維、繊
維断面がドッグボーン状である異形断面アクリル繊維、
繊維断面がY字形である異形断面アクリル繊維、およ
び、繊維断面が十字形である異形断面アクリル繊維が挙
げられる。このような繊維の少なくとも1種を5〜50
重量%含ませることによりインキ吸蔵用繊維集合体の剛
性が好ましいものとなる。上記異形断面アクリル繊維の
単繊維繊度は0.1デニール未満ではインキ吸蔵用繊維
集合体の剛性の強化に効果は期待できないし、逆に5デ
ニールを越えるとインキ吸蔵力が低下する傾向にある。
【0024】単繊維繊度が1デニールを越える上記異形
断面アクリル繊維が含有されていても印字、印刷の解像
度が本発明の目的とするレベルを下回らない理由は今の
ところ定かではないが、この繊維が異形断面繊維である
ため紙や印鑑と接する部分の大きさが実質1デニール以
下の繊維と同等であることに起因すると推定される。
【0025】発明(1)において、U字形とは基本的に
凹部を1カ所有する形状の総称であり、例えばハート
形、ソラ豆形、コの字形、V字形等の形状が含まれる。
【0026】発明(1)において、ドッグボーン状とは
基本的に凹部を2カ所有する形状の総称であり、例えば
ピーナツ形、亜鈴形等の形状が含まれる。
【0027】発明(1)において、Y字形とは基本的に
凹部を3カ所有する形状の総称であり、例えば三つ葉
形、三辺が内側に凹んだ三角形等が含まれる。
【0028】発明(1)において、十字形とは基本的に
凹部を4カ所有する形状の総称であり、例えば四つ葉
形、四辺が内側に凹んだ四角形等が含まれる。
【0029】また、発明(1)のインキ吸蔵用繊維集合
体の嵩密度が0.1〜0.5g/cm3であることが本
発明の効果を発揮するために好ましい。嵩密度が0.1
g/cm3未満になるとインキの吸蔵力は低下する傾向
にあり、0.5g/cm3を越えるとインキの移動がス
ムースにいかない場合がある。
【0030】発明(1)では、次のようにして測定した
嵩密度ρaを採用する。すなわち、 ρa(g/cm3) = W(g/m2)/D(μm) ここで、W(g/m2)はインキ吸蔵用途に使用される
繊維集合体の目付(単位面積当たり重量)、D(μm)
は本用途に使用される繊維集合体の、OZAKI MF
G株式会社製「PEACOCKダイアルシックネスゲー
ジH」で測定した厚さである。
【0031】また、発明(1)のインキ吸蔵用繊維集合
体を使用する際に、用途によっては、例えばナイロン、
ポリエステル等の強度、耐摩耗性などの力学特性に優れ
る材料から成るメッシュ状物により発明(1)のインキ
吸蔵用繊維集合体を被覆または補強しても良い。
【0032】次に上記のインキ吸蔵用繊維集合体の好ま
しい形態であるインキ吸蔵用繊維集合体シート、すなわ
ち発明(2)について説明する。発明(2)において、
インキ吸蔵用繊維集合体シート全体に占めるアクリル繊
維の割合と繊度の範囲は発明(1)と同一であり、その
理由も同様である。
【0033】発明(2)において、目付が50〜500
g/m2の不織布の形態をとることが必要である。この
目付が50g/m2未満になるとインキの吸蔵力が十分
でなく、500g/m2を越えるとインキの移動がスム
ースにゆかない。
【0034】発明(2)で不織布の形態をとるのは、主
として繊維間空隙サイズの面方向均一性と経済性の理由
からである。繊維集合体から不織布を製造する方法は特
に限定しないが、繊維集合体をカード等の乾式法あるい
は湿式抄造法によりウェブとした後、ニードリルパンチ
やウオータパンチ等を用いて機械的交絡し不織布とする
方法、ウェブに樹脂を含浸し接着し不織布とする方法、
ウェブをエンボス・熱カレンダーロールで熱融着して不
織布とする方法等が挙げられる。インキの吸蔵力とイン
キ移動をスムーズに行う見地からウェブを樹脂で接着す
る方法より熱融着や繊維の交絡により不織布とする方法
が好ましい。
【0035】次に上記のインキ吸蔵用繊維集合体のもう
一つの好ましい形態であるインキ吸蔵用繊維集合体シー
ト、すなわち発明(3)について説明する。発明(3)
において、インキ吸蔵繊維集合体シート全体に占めるア
クリル繊維の割合と繊度の範囲は発明(1)と同一であ
り、その理由も同様である。
【0036】発明(3)において、目付が3〜50g/
2であることが必要であるが、3g/m2未満になると
インキの吸蔵力が十分でないうえに紙状シートの地合
(均一性)が極端に悪くなりインキの均一保持が困難に
なる。50g/m2越えるとインキの移動がスムースに
ゆかない。
【0037】発明(3)において、インキ吸蔵用繊維集
合体を構成する繊維のカット長が1〜10mmであるこ
とが必要があるが、カット長が1mm未満ではリントの
発生が急激に増加しインキと共に脱落することで印字・
印刷に悪影響を及ぼす傾向が急激に高まり、カット長が
10mmを越えると紙状シートの均質性が低下し印字・
印刷の斑が顕著となりインキ吸蔵・移動媒体としての品
位が著しく低下する。
【0038】発明(3)で紙状の形態をとるのは、本形
態が主としてインキの保持の高い均一性を実現しインキ
移動時間を極力短時間としたい用途に好適であるという
理由からで、このような用途としては例えば孔版印刷原
紙用スクリーン等が挙げられる。
【0039】繊維集合体から紙状シートを製造する方法
は特に限定しないが、丸網により抄紙する方法、傾斜短
網により抄紙する方法、長網により抄紙する方法等やこ
れらの方法を組み合わせ漉き合わせる抄紙法が挙げられ
る。インキの保持の高い均一性を実現する見地から長網
により抄紙する方法より丸網により抄紙する方法、傾斜
短網により抄紙する方法が好ましい。
【0040】次に上記のインキ吸蔵用不織布状シートの
好適な製造方法、すなわち発明(4)について説明す
る。発明(4)では、上記のインキ吸蔵用繊維集合体を
まずカードウェブとし、ウォータージェットにより構成
繊維同士を交絡し不織布を形成する。本発明において用
いるウォータージェットの水圧は構成繊維を切断しない
程度であればよく、特に限定しないが、好ましくは20
〜200kg/cm2の範囲である。
【0041】発明(4)で得られる不織布状のインキ吸
蔵用繊維集合体シートは上述したように繊維を樹脂で接
着する方法より大きなインキの吸蔵力を有し、かつ、イ
ンキ移動をスムーズに行うことができ、さらに表層面が
平滑である点で優れている。
【0042】次に上記のインキ吸蔵用紙状シートの好適
な製造方法、すなわち発明(5)について説明する。発
明(5)では、インキ吸蔵用繊維集合体を構成する繊維
を1〜10mm長に切断したカットファイバーを抄紙し
てインキ吸蔵用紙状シート得る。
【0043】発明(5)においては、用いる抄紙方法、
機械については特に限定しないが、金網等に漉き上げる
際予め、例えばパルパーやナイアガラ・ビーター、ディ
スク・リファイナー等の離解・叩解装置を使用し、紙状
シートを構成する原料を均一に液中に分散するのが好ま
しい。
【0044】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
る。 (実施例1)三菱レイヨン株式会社製の単繊維繊度0.
9デニール、繊維長20mmのアクリル繊維原綿「ティ
ミアン」を単繊維繊度2.5デニール、目付150g/
2のポリエステル織地で包み、嵩密度0.16g/c
3の状態で保持した。これに市販のシャチハタ工業株
式会社製スタンプ台に重ね、インキを十分に吸蔵させた
後、印字直径14mmの日付印を用いて印字の鮮明性と
解像度を目視で評価した。市販のスタンプ台に比してイ
ンキの滲みが殆ど無い鮮明な印字状態であることが確認
できた。
【0045】(実施例2)三菱レイヨン株式会社製の単
繊維繊度0.1デニール、繊維長5mmのアクリル繊維
を、目付100g/ m2のポリエステル織物にウオー
タージェットにより交絡処理して得た不織布状シート
(目付:200g/m2)に上記のスタンプ台のインキ
吸蔵部を重ね、インキを十分に吸蔵させた後、上記日付
印を用いて印字の鮮明性と解像度をを目視で評価した。
市販のスタンプ台に比してインキの滲みが殆ど無い鮮明
な印字状態であることが確認できた。
【0046】さらに、気温30℃における印字状態を比
較した結果、市販のスタンプ台では、インキが日付印に
過剰に付着した結果、印字に著しいインキの滲みが生じ
るとともにインキの乾燥に時間がかかり書類の汚れの原
因となるのに対して、本実施例のシートを使用した場合
は、気温の依存性が殆ど無く、インキのにじみがほとん
どなく、インキの乾燥が短時間で済み、鮮明な印字状態
となることを確認した。
【0047】(実施例3)三菱レイヨン株式会社製アク
リル繊維カットファイバー「ボンネルMVP」(繊度
0.1デニール、繊維長3mm)20重量%と叩解マニ
ラ麻パルプ80重量%を混合して抄紙することにより、
目付10g/m2の紙状シートを得た。本シートを感熱
孔版印刷用原紙として使用して印刷特性をテストし、R
ICOH株式会社製孔版印刷機「PRIPORT VT
3500」で感熱孔版印刷用原紙市販品である「PRI
PORT MASTER VT−A3II」と比較した
結果、より細い線、より小さい点に至るまで鮮明な印刷
画像を再現できることを確認した。
【0048】(実施例4)繊度0.4デニールの十字形
断面を有するアクリル繊維を、ジメチルアセトアミドを
溶剤として用いた通常の湿式紡糸により得た。該繊維の
5mmカット品10部、三菱レイヨン社製アクリル繊維
カットファイバー「MVP」(繊度0.1d、カット長
5mm)15部と叩解マニラ麻パルプ75部を混合して
抄紙し、目付10g/m2の紙状シートを得た。本シー
トを感熱孔版印刷用原紙として使用して印刷特性をテス
トし、理想科学(株)製「プリントゴッコ」の感熱孔版
印刷用原紙市販品である「ハイメッシュシート」と比較
した結果、実施例3と同様に、より細い線、より小さい
点に至るまで鮮明な印刷画像を再現できることを確認す
ると同時に、紙状シートの剛性が強化された結果、感熱
孔版印刷用原紙として取扱性が改善されたのを確認し
た。
【0049】(実施例5)三菱レイヨン株式会社製メタ
クリル樹脂ビーズレジン「アクリペットMDK」40重
量%とアクリロニトリル93重量%、酢酸ビニル7重量
%を共重合して得られたアクリロニトリル系重合体60
重量%とを、ジメチルアセトアミドに固形分が20重量
%となるように溶解して紡糸原液を得た。本紡糸原液を
通常の湿式紡糸法により紡糸し、単繊維繊度1デニール
の繊維を得た。この繊維を通常のアクリル繊維の熱処理
を施した後、51mm長にカットし、原綿を得た。この
原綿からカードウェブを形成し、ウォータージェットに
より水圧100kg/cm2にて交絡処理することによ
り、さらに割繊し、厚さ0.6mm、目付110g/m
2の不織布状シートを得た。
【0050】これに市販のシャチハタ工業株式会社製ス
タンプ台に重ね、インキを十分に吸蔵させた後、印字直
径14mmの日付印を用いて印字の鮮明性と解像度を目
視で評価した。市販のスタンプ台に比してインキの滲み
が殆ど無い鮮明な印字状態であることが確認できた。
【0051】さらに、気温30℃における印字状態を比
較した結果、市販のスタンプ台では、インキが日付印に
過剰に付着した結果、印字に著しいインキの滲みが生じ
るとともにインキの乾燥に時間がかかり書類の汚れの原
因となるのに対して、本実施例のシートを使用した場合
は、気温の依存性が殆ど無く、インキのにじみがほとん
どなく、インキの乾燥が短時間で済み、鮮明な印字状態
となることを確認した。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、鮮明性、解像度共に満
足の得られる、インキを吸蔵し移動させる材料として好
適な繊維集合体、それから得られるシートおよびその製
造方法が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 温井 裕明 大阪府大阪市北区天満橋一丁目8番30号 三菱レイヨン株式会社大阪支店内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単繊維繊度が0.001〜1デニールの
    アクリル繊維を10重量%以上含むインキ吸蔵用繊維集
    合体。
  2. 【請求項2】 アクリル繊維がアクリロニトリル系ポリ
    マー30〜90重量%と異種ポリマー10〜70重量%
    からなる筋状相分離構造を有し、部分的に割繊状態のア
    クリル繊維である請求項1記載のインキ吸蔵用繊維集合
    体。
  3. 【請求項3】 単繊維繊度が0.001〜1デニールの
    アクリル繊維とともに単繊維繊度が0.1〜5デニー
    ル、繊維断面に1カ所以上の凹部を有する異形断面アク
    リル繊維を5〜50重量%を含む請求項1または2記載
    のインキ吸蔵用繊維集合体。
  4. 【請求項4】 凹部を有する異形断面アクリル繊維の繊
    維断面がU字形である請求項3記載のインキ吸蔵用繊維
    集合体。
  5. 【請求項5】 凹部を有する異形断面アクリル繊維の繊
    維断面がドッグボーン状である請求項3記載のインキ吸
    蔵用繊維集合体。
  6. 【請求項6】 凹部を有する異形断面アクリル繊維の繊
    維断面がY字状である請求項3記載のインキ吸蔵用繊維
    集合体。
  7. 【請求項7】 凹部を有する異形断面アクリル繊維の繊
    維断面が十字状である請求項3記載のインキ吸蔵用繊維
    集合体。
  8. 【請求項8】 嵩密度が0.1〜0.5g/cm3であ
    る請求項1〜7のいずれか1項に記載のインキ吸蔵用繊
    維集合体。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれか1項に記載のイ
    ンキ吸蔵用繊維集合体からなる不織布であって、目付が
    50〜500g/m2である、インキ吸蔵用繊維集合体
    シート。
  10. 【請求項10】 カット長が1〜10mmの請求項1〜
    7のいずれか1項に記載のインキ吸蔵用繊維集合体から
    なる紙状シートであって、目付が3〜50g/m2であ
    る、インキ吸蔵用繊維集合体シート。
  11. 【請求項11】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の
    繊維集合体をカードウェブとし、ウオータージェットに
    より交絡し、不織布を形成するインキ吸蔵用繊維集合体
    シートの製造方法。
  12. 【請求項12】 カット長が1〜10mmの請求項1〜
    7のいずれか1項に記載の繊維集合体を抄紙する紙状シ
    ートからなるインキ吸蔵用繊維集合体シートの製造方
    法。
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