JPH1046453A - 伸縮性ニット - Google Patents

伸縮性ニット

Info

Publication number
JPH1046453A
JPH1046453A JP12045697A JP12045697A JPH1046453A JP H1046453 A JPH1046453 A JP H1046453A JP 12045697 A JP12045697 A JP 12045697A JP 12045697 A JP12045697 A JP 12045697A JP H1046453 A JPH1046453 A JP H1046453A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
core
water
fibers
sheath
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP12045697A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3809247B2 (ja
Inventor
Chisa Hayakawa
知佐 早川
Yuji Yoshida
裕司 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP12045697A priority Critical patent/JP3809247B2/ja
Publication of JPH1046453A publication Critical patent/JPH1046453A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3809247B2 publication Critical patent/JP3809247B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Artificial Filaments (AREA)
  • Multicomponent Fibers (AREA)
  • Knitting Of Fabric (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、弾性繊維を含有する編地を製造す
る際に、弾性繊維の含有量や組織的な制約を受けず風合
いが良好で、ドレープ性にも優れる編地の提供を目的と
する。 【解決手段】 白色顔料の含有量が3〜15重量%の芯
部と、白色顔料の含有量が2重量%以下の鞘部を有する
芯鞘型複合繊維と、弾性繊維とからなるニットであり、
該ニット中に芯鞘型複合繊維を30重量%以上含有し、
かつ芯鞘型複合繊維の芯部の白色顔料の含有量と緯密度
との積が150〜1000であることを特徴とする伸縮
性ニット。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアウター、スポー
ツ、インナーなどのストレッチ性、フィット性、柔らか
な風合が要求される衣服用に適した伸縮性ニットに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】弾性繊維を含有する布帛は最近のトレン
ドとして定着し、ブラウス、スーツ、パンツなどのアウ
ター分野、ショーツ、ガードル、ブラジャーなどのイン
ナー分野、ジャージ、水着、レオタードなどのスポーツ
分野に、様々な形態にして加工され、ストレッチ性、あ
るいはフィット性、またドレープ性をうたい文句に販売
量が拡大されている。
【0003】しかし特にニットにおいては、弾性繊維を
交編すると弾性繊維の収縮力により編地が収縮し、風合
いが硬くなりドレープ性も低下する傾向が、目標の風合
いにするために弾性繊維の含有量を下げたり、組織を変
更したりする必要があった。従って従来は、弾性繊維を
交編する場合にはこの風合を考慮し、弾性繊維の交編量
を下げざるを得ず、そのため目的とするストレッチ性が
得られないという問題点を有していた。また組織的な面
でも風合い硬化が生じることから、限られた用途にしか
適用できず、特に風合が重視される衣服用には適用でき
なかった。
【0004】実開平6−37380号公報には透け防止
を目的とし、白色顔料を含有する合成繊維マルチフィラ
メント糸を用いた伸長性の優れた編地が開示されてい
る。しかし、ここで開示されている編地は、防透け性に
優れる編地の提供を目的としているため、かなりの量の
白色顔料を合成繊維マルチフィラメント糸全体に分散さ
せて防透け性効果を出している。従って白色顔料が合成
繊維マルチフィラメント糸の表面から部分的に突出して
おり、編地を製造した際、編地表面に“ざらつき”感が
あり、風合いの良好な編地とはならない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は弾性繊維を含
有する布帛を製造する際に、弾性繊維の含有量や組織的
な制約を受けず、風合いの良好なドレープ性のある編地
の提供を目的とする。更に本発明は、該芯鞘型複合繊維
と弾性繊維以外に特定の非弾性繊維を選択することによ
り、汗などによるべとつき感、ぬれ感等の着用時の不快
感を解消し、更に水にぬれたときの変色防止性も有する
編地を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、弾性繊維
を含有する布帛の製造において各種の要因について鋭意
検討を重ねた結果本発明に至ったものである。すなわち
本発明の目的は、白色顔料の含有量が3〜15%の芯部
と白色顔料の含有量が2重量%以下の鞘部を有する芯鞘
型複合繊維と弾性繊維であって、該芯鞘型複合繊維を3
0重量%含有する伸縮性ニットにおいて、該芯鞘型複合
繊維の芯部の白色顔料の含有量と、緯密度との積が15
0〜1000であることを特徴とする伸縮性ニットによ
り達成される。
【0007】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
発明者らは、所定のストレッチ性、フィット性、ドレー
プ性、柔らかな風合を達成するために、弾性繊維の含有
量を低下させず、組織も限定されないためには、弾性繊
維と交編する相手方の糸の選定が重要であるという視点
より検討し、適切な選定により、風合いのソフトな伸縮
性ニットが得られることを見いだした。
【0008】すなわち本発明の伸縮性ニットは、特殊な
芯鞘型複合繊維と弾性繊維を特定の布帛設計にて組み合
わせている。この芯鞘型複合繊維は芯部と鞘部とで白色
顔料の含有量を異にしており、白色顔料の含有量が3〜
15重量%の芯部と、白色顔料の含有量が2重量%以下
の鞘部とから構成されている。
【0009】このような特殊な芯鞘型複合繊維は、芯部
に白色顔料をより多く含有しているため、通常のブライ
ト繊維やセミダル、あるいはフルダル繊維に比べて繊維
の曲げ硬さが柔らかく、弾性糸を含有する布帛を製造し
てもこの繊維の特徴がそのまま残り、風合いがソフト
で、且つドレープ性もある伸縮性ニットが得られるもの
である。
【0010】本発明の伸縮性ニットに用いられる芯鞘型
複合繊維の芯部については、白色顔料の含有量が3〜1
5重量%であることが必要である。5〜10重量%が繊
維の有する強伸度の点から好ましい。また3重量%未満
ではニットの風合が硬くなり、本発明の効果が得られな
い。また鞘部については白色顔料の含有量が2重量%以
下であることが必要で、好ましくは0〜2重量%であ
り、さらに好ましくは0〜0.5重量%である。白色顔
料の含有量が2重量%を超えると、ニットを染色する際
に鮮明な発色性が得られない。
【0011】本発明の伸縮性ニットに用いられる芯鞘型
複合繊維にはポリエステル、ポリアミド(ナイロン6、
ナイロン66等)、ポリアクリロニトリル系の合成繊維
マルチフィラメントが好ましく用いられる。芯部と鞘部
は繊維を構成するベースポリマーは同一である必要はな
い。例えば、ポリエステルの芯鞘型複合繊維の場合、鞘
部のみカチオン可染ポリマーであってもよい。またポリ
アミドの芯鞘型複合繊維の場合、芯部がナイロン66で
鞘部がナイロン6であってもよい。また芯成分と鞘成分
は同心円的に複合されていても、偏心的に複合されてい
てもよい。また鞘芯重量比率は芯/鞘の比率が1/3〜
3/1の範囲であることが好ましく、特に1/2〜2/
1が望ましい。1/3未満であると変色防止効果が小さ
くなったり、3/1を超えると、紡糸時に芯成分を鞘成
分で覆うことが困難となることがある。
【0012】芯鞘型複合繊維に添加する白色顔料は、染
色しても発色性の低下に問題がなく、原糸製造に障害を
及ぼさないことが必要となる。例えば酸化チタン、酸化
亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム等の金属酸化
物が好ましい。コストを考慮すると酸化チタンが最も適
している。本発明の芯鞘型複合繊維は、原糸のみでな
く、仮撚加工糸、あるいは撚糸などに加工して使用して
も良い。
【0013】本発明に使用する弾性繊維は、エステル系
やエーテル系のポリウレタン弾性繊維、ポリエーテルエ
ステル系の弾性繊維、ポリブチレンテレフタレート系の
弾性繊維をいう。これら弾性繊維の含有量については特
に限定されないが、弾性繊維の含有量が25重量%以下
の方が本発明の効果が顕著に現れる。その中でも風合
い、ドレープ性の点からより好ましい弾性繊維の含有量
は5〜20重量%である。
【0014】芯鞘型複合繊維と弾性繊維を交編する方法
については、任意の方法により行うことができるが、例
えば、丸編の場合には、弾性繊維と芯鞘型複合繊維とを
引き揃え同時に編み込むプレーティングという方法によ
り弾性繊維と芯鞘型複合繊維を交編する方法が好まし
い。また、特に経編などの場合には、弾性繊維を挿入す
る方法や、弾性繊維の使用筬を変えて交編する方法もあ
る。更に芯鞘型複合繊維、あるいはこれ以外の他の繊維
を弾性繊維をカバリングしたFTYや、紡績時に芯鞘型
複合繊維、あるいはこれ以外の繊維と弾性繊維を複合し
たCSYなどをあらかじめ製造しておき、これらの糸を
使用して芯鞘型複合繊維と交編する方法もある。このよ
うなニットの場合には、編機のゲージや組織にとらわれ
ることなく任意なものが使用できる。
【0015】本発明の伸縮性ニットは、組織による限定
は特に受けないが、その緯密度(ニット1インチ当たり
のウェール数)が極めて重要である。ウェール数と芯鞘
型複合繊維の芯部白色顔料の含有量との積が特定の範囲
にある本発明の伸縮性ニットは、ストレッチ性、フィッ
ト性、ドレープ性、柔らかな風合を達成することができ
る。
【0016】すなわち同じ量の白色顔料を含有していて
も、ウェール数の多少、あるいは同じウェール数であっ
ても芯部の白色顔料の含有量及び、該芯鞘型複合繊維の
混率の多少により、製造されたニットの風合い、ドレー
プ性が異なるため、最も効果の出る指数を見いだしたも
のである。従って芯部の白色顔料の含有量が少ない場
合、該芯鞘型複合繊維の混率が小さい場合には、なるべ
くウェール数を大きく(ハイゲージの編機が適する)、
逆に芯部の白色顔料の含有量が多い場合、該芯鞘型複合
繊維の混率が大きい場合には、なるべくウェール数を小
さく(ミドルゲージの編機が適する)すれば本発明の効
果が最も顕著に発揮される。このウェール数と芯鞘型複
合繊維の芯部白色顔料の含有量との積が150〜100
0、好ましくは300〜700であることが必要であ
る。このウェール数と芯鞘型複合繊維の芯部白色顔料の
積が150未満の場合には、布帛に張りがなく垂れ下が
り気味となり、ニットの美しいシルエットが得られな
い。逆に積が1000を超えると、ドレープ性が非常に
悪くなり、この場合も美しいシルエットの製品が得られ
ない。このような編地を設計するには、24〜32ゲー
ジの編機を使用するのが本発明の特徴が最も発揮できて
好ましい。
【0017】なお経密度(コース数)については任意で
設定することができる。ニット衣料として用いられるに
あたっては、バランスと編工程安定性から好ましい経密
度は70〜150コース/インチである。本発明の伸縮
性ニットは、ニット中に芯鞘型複合繊維を30重量%以
上含有していることを特徴とするが、芯鞘型複合繊維の
含有量が30重量%未満では、本発明の目的は達成され
ず風合いが硬い布帛となる。従って、芯鞘型複合繊維を
30重量%以上、好ましくは、30〜95重量%、更に
好ましくは、50〜90重量%以上含有していることが
必要である。
【0018】さらに、本発明の伸縮性ニット中には上述
の芯鞘型複合繊維と弾性繊維以外の非弾性繊維を混用す
ることができる。この非弾性繊維として、セルロース繊
維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、あるい
は、ウールや麻などがあげられ、いずれの場合も風合い
の良好な布帛が製造できる。これらの非弾性繊維と芯鞘
型複合繊維とは交編、交織により混合されるが、この混
合方法は任意で、芯鞘型複合繊維とこれ以外の繊維とを
交互に表面に位置させたり、千鳥状に表面に出すことも
可能である。また、二層、三層構造等の多層構造のう
ち、表層を芯鞘型複合繊維のみで形成したり、芯鞘型複
合繊維を裏層、または中間層に配置するなど任意な混合
方法が行える。但し、ここでいう多層とは、見かけ上組
織が層状態で重ね合わされ、一枚の形態が形成されてい
る構造を指す。ここで、弾性繊維はその収縮力により、
同時に用いられる繊維の内側、もしくは編地の内層に入
り込むため、単独の層としては見なさない。
【0019】更にFTYや、CSYをあらかじめ製造し
て芯鞘型複合繊維と混合する場合、弾性糸以外の繊維に
ついても、任意の形状を有する任意の繊維を使用でき
る。これにより適切な弾性糸の混率を持つ糸とし、芯鞘
型複合繊維と交編、交織するなどにより混合すればよ
い。複合には他の合成繊維や人造セルロース等の化繊、
天然繊維等適当に選択でき、その複合方法はエアー混
繊、混紡交撚、エアー混繊仮撚、仮撚、撚糸等がある。
また、前述の風合いの効果のみならず、後述の着用快適
性や水による変色防止性を兼ね備えるためには該芯鞘型
複合繊維と後に詳述する吸水・拡散性繊維、弾性繊維の
重量比を次の様に設定することが好ましい。
【0020】 (ア)芯鞘型複合繊維 30〜70重量% (イ)吸水・拡散性繊維 10〜60重量% (ウ)弾性繊維 5〜20重量% ここに汗処理機能の付与を考慮し、芯鞘型複合繊維に混
用される他の非弾性繊維を適切に選択することにより、
汗等の水を素早く拡散し、速く乾かす性能(吸水速乾
性)を有したり、更にべたつき感やぬれ感等の着用時の
不快感、水による変色防止をも解消した伸縮性ニットを
得ることができる。
【0021】汗等の水の拡散性向上や、べたつき感や蒸
れ感等の着用時の不快感解消を目的とした場合、混用す
る非弾性繊維としては、以下に定義される吸水・拡散性
繊維を用いると良い。これらの繊維を用いるにあたって
は、布帛重量の20重量%以上を占めればよく、30〜
50重量%であるとより好ましい。ここで、吸水・拡散
性繊維とは、水を吸収する性質及び/又は水を拡散する
性質を有する繊維をいう。吸水とは、再生セルロース繊
維、羊毛、麻、木綿、絹等の再生、天然繊維のように繊
維基質そのものが水を吸収する性質に基づく吸水と、疎
水性の重合体で形成されている合成繊維の単繊維の捲
縮、中空構造、異形断面構造等の繊維形態、細繊度繊維
の表面積効果に基づく繊維表面の保水機能を包含するも
のである。水を拡散する性質とは、前記した合成繊維の
形態及び細繊度繊維の毛細管現象による繊維表面の水の
移行性の大きい繊維の性能をいう。
【0022】吸水・拡散性繊維は短繊維であっても長繊
維であってもよい。繊維基質が吸水性を有する繊維とし
ては毛、綿、麻、絹等の天然繊維、人造セルロース繊維
等がこの性質を有する。人造セルロースの場合、長繊維
原糸だけでなく、その加工糸も用いられる。このように
水を吸収する性質を有する繊維を表層以外の層の少なく
とも一層に用いれば、表層での変色を防止するのに役立
つ。又、逆に裏層に接触した水分は、前記層の繊維に吸
収されることによって表層に達する部分が少なくなり、
表層での変色を防止するのに役立つ。又、水蒸気状の汗
も吸収することができ、これによる変色も防止すること
ができる。
【0023】吸水・拡散性繊維が合成繊維である場合
は、断面形状がL、C、W、Z、M、歯車形、π形等の
異形断面繊維の長繊維糸及びその加工糸、多孔質繊維
(空孔率5〜40%)の長繊維糸及びその加工糸、又は
単糸デニールが1.7デニール好ましくは1.5デニー
ル以下のファインデニール長繊維糸及びその加工糸を用
いるとよい。水の通り道を多くして水拡散性を高めるに
は、繊維の横断面形状をW又は歯車形の異形断面とする
か、横断面に空孔を有する中空繊維を用いるか、更には
単糸デニールをファインデニール化して繊維の表面積を
高めるとよい。特に、W形断面繊維は、この断面の繊維
が重なりあった時にできる細い毛細管により毛細管吸引
が大きくなること、又、この断面形状であると、一度保
持した水を他に移すことなく(ぬれ戻ることなく)水を
抱え持つ性質もあるため好ましい。
【0024】繊維の異形度は好ましくは1.2以上2.
2以下更に好ましくは1.4以上2.2以下である。
1.2以上であると丸断面繊維よりも格段に水拡散性に
優れたものとなり、2.2を越えると紡糸性等の製造安
定性に劣るので好ましくない。異形度は、異形断面の横
断面積の周長(周囲の長さ)を算出し、次に同じ断面積
を持つ真円の半径を求めてその真円の周長を算出し、次
式により求める。
【0025】異形度=異形繊維単糸の断面の周長/異形
繊維断面と同じ断面積の真円の周長 一方、合成繊維の長繊維糸は加工を施して捲縮を与える
と、捲縮による水の物理的保持によって水の保持性を高
めた合成繊維を得ることができる。この場合、捲縮は低
捲縮、すなわち捲縮伸長率で10%以下、より好ましい
のは5〜7%である。高捲縮であると、物理的に水を保
持するスペースは増すが、逆に水拡散性が著しく低下す
ることになる。
【0026】このように、合成繊維の形状や加工条件を
適切に選択することによって、合成繊維でも吸水・拡散
性繊維が天然繊維や、人造セルロース繊維を上回る繊維
となり、水を速やかに拡散することが可能となる。本発
明の伸縮性ニットに混用される吸水・拡散性繊維として
は、後述する測定法によって求められる吸水性値及び水
拡散性値それぞれ2cm以上及び10cm以上の値を示
す繊維を用いることが好ましい。合成繊維の異形断面繊
維は、異形度を大きくすることによって、水拡散性値1
0cm以上を示す繊維が容易に得られる。例えば、単糸
デニールが1.7デニール好ましくは1.5デニール以
下の繊維の場合、異形度が1.4デニール以上を示すW
形断面繊維で水拡散性値が15cm以上を示すポリエス
テル繊維、ナイロン繊維を得ることができる。前記した
空孔率を有する多孔繊維、中空繊維は、前記レベルの水
拡散性値を有する繊維が得られる。そして、異形断面繊
維や多孔繊維等は、その形態効果に因って概ね2.1c
m以上の吸水性を示す。
【0027】異形度が1.1〜1.4の異形断面繊維で
も、単糸繊度1.7デニール以下で好ましくは1.5デ
ニール以下のものでは、水拡散性値が12cm以上を示
す。捲縮伸長率が5〜7%の丸形断面繊維によっても水
拡散性値10cm以上、吸水性値2cm以上の繊維が得
られる。次に繊維の諸物性値の測定法を述べる。
【0028】(1)捲縮伸長率 JIS−L−1090(1992)合成繊維嵩高加工糸
試験方法、5.7伸縮性B法により測定する。まず、下
記方法により前処理した試料片をつくる。試料を、試料
に損傷を与えないような棒に掛けて輪にしたもの5個作
り、それぞれに2mgf×試料表示デニール数の荷重を
かける。次にこの5個の試料をひとまとめにして約50
cmの間隔をおき上下を綿糸でしっかり結んだ後、直ち
に除重する。続いて0.3mgf×10×試料表示デニ
ール数の荷重を掛けながら、90℃で15分間乾熱処理
を行い、除重後一昼夜放置する。
【0029】このような前処理をした10本1束の試料
片を、前記JIS−L−1090、5.7伸縮性B法に
基づき、2mgf×10×試料表示デニール数の初荷重
をかけた状態で、試料長が約20cmになるよう試料片
上部をクランプで固定し、30秒後の試料長(a)を正
確に測定する。次に0.1gf×10×試料表示デニー
ル数の荷重をかけて30秒後の試料長(b)を正確に測
定する。そして次式によって捲縮伸長率(%)を算出す
る。
【0030】 捲縮伸長率(%)=〔(b−a)/a〕×100 (2)繊維の吸水性 布帛の吸水性は測定できるが、構成する複数の繊維の吸
水性が複合しているので、繊維そのものの吸水性が測定
できない。そこで混用される一種ずつの繊維をかせ巻き
にし、目的とする伸縮性の製造に際して用いられる精
練、染色、乾燥工程と同一条件で精練、染色、乾燥して
試料繊維とする。
【0031】ただし、使用繊維がフィラメント糸の場合
は、実施例、比較例で用いられるフィラメント糸の単糸
デニールと同一の単糸デニールの単糸を束ねてトータル
デニールが75d±5dになるように試験用の繊維糸を
用意し、この糸に300T/mの撚をかけ、100℃×
15分間スチームでセットし、乾燥の後、20℃、湿度
65%RHで一昼夜放置して試料繊維を調整する。
【0032】使用繊維が紡績糸の場合は、下記式で示す
撚係数が120になるようなm当たり撚数の撚を有する
綿糸10sに相当する太さと撚を有する糸を合糸によっ
て調整し試料糸とする。 T=α×√N T:m当たり撚数、N:綿番手、α:撚係数 このようにして用意された試料糸から測定サンプルとし
て50cm切り取り、上端を固定した状態で0.1g/
dの荷重を糸の下端にかけた後、下端を水(常温)につ
け、10分後に水の吸い上げ鉛直距離を測定する。評価
は10本の平均値をもって行う。この吸い上げ距離が2
cm以上であり場合に吸水性良好であると評価する。
【0033】(3)繊維の水拡散性 吸水性の測定に用いた試料糸と同一の糸を用いて水拡散
性を測定する。前記試料糸1mを切り取り、糸の一端を
固定した状態で、もう一方の端に程近い部分を滑車にひ
っかけた後、その端に0.1g/dの荷重をかけて水平
に糸を張る。緊張下の糸の中央付近に0.01ccの水
を与えて10分後の水の水平方向移動距離を測定する。
測定は20℃、湿度65%RH下で行い、10本の測定
値の平均で水拡散性を評価した。移動距離が10cm以
上の糸を水拡散性良好と評価する。
【0034】混用される非弾性繊維は少なくとも1種
が、前記吸水・拡散性繊維であれば2種以上の非弾性繊
維を組み合わせることも可能である。中でも最も優れた
水拡散性と着用快適性を兼ね備え得る組み合わせは、吸
水性を有するセルロース繊維と水拡散性を有する合成繊
維からなる場合である。セルロース繊維は吸水性には優
れているが水拡散性に劣り、その結果、汗が多量に存在
すると水処理機構に限界を生ずるからである。ここで、
水拡散性を有する繊維を混用させることにより、毛細管
現象による物理的な通り道を糸内又は布帛内に設ける
と、水は付与された地点から他の区域に拡散することに
なるからである。すなわち、吸水性繊維が水を保持し、
水拡散性繊維がその水を拡散するという機能分担を行え
うる。この場合、これらの好ましい混合重量比は、吸水
性繊維:水拡散性繊維=1:3〜3:1である。
【0035】混用される繊維が上記のような吸水・水拡
散性を備えた場合、同時に水にぬれたときの変色も防止
するという効果も奏する。ここで水にぬれたときの変色
について説明する。雨にぬれたり、汗をかいたりしたと
きに、肩、脇や背中など衣服がぬれたところだけ変色し
てしまい、不快感を覚えることがある。また、水たまり
の水はね等によってズボン、ロングパンツの裾が変色し
たときも外観上著しく不快である。このように繊維が水
にぬれるとなぜ変色するかについて述べると、一般に人
間が物を見るとき、目はその物体の表面で反射した表面
反射光と、物体の内部に入り、内部境界面で反射される
内部反射光の合わせた光をとらえる。表面反射光は入射
光と同じあらゆる波長の光を含んだ白色光であり、内部
反射光は染料によりある特定の波長の光の吸収を受けた
着色光である。ここで、この白色光の割合が大きいほど
白っぽく、白色光の割合が小さいほど色が深く見えるこ
とがわかっている。水は繊維より小さい屈折率(n=
1.33)を持つが、繊維が水にぬれると繊維表面が水
に覆われて低屈折率化し、表面反射率が小さくなる。よ
って水にぬれると変色するのである。
【0036】芯鞘型複合繊維は、元来、汗等の水による
繊維表面の屈折率低下で生じる白色光の割合の減少を、
内部反射光の中に含まれる白色光によって補う性質を持
っている。ここに積極的な水拡散性や、吸水性を有する
繊維を有用に混合することによって、芯鞘型複合繊維の
単位面積当たりの水分量を少なくする効果が発揮され、
前述の吸水速乾性や着用快適性に加えて、水による変色
防止性も兼ね備えた高機能を有する布帛とすることがで
きる。
【0037】また、この場合好ましい布帛構造は、表層
とそれ以外の一層以上の複数層からなる二層以上の多層
構造であり、表層に芯鞘型複合繊維、それ以外の層に吸
水・水拡散性を有する繊維を配した場合である。この場
合、風合いの点からは表層、裏層の二層からなるものが
好ましい。更に優れたレベルの変色防止性を追求するに
あたっては、混用される前述の合成繊維及びセルロース
長繊維に、1重量%〜6重量%、好ましくは1重量%〜
5重量%の白色顔料が含まれているとよい。これは芯鞘
型複合繊維の、それ以外の繊維に対するカバー率が小さ
い場合でも変色防止性を得るからである。
【0038】尚、ここで変色の大きさは、測色計(サカ
タインクス(株)マクベスカラーアイ3000)で算出
した色差と官能評価で行った。官能的には乾湿時の色差
が大きいほど不快を感じる。本発明の伸縮性ニットを編
成した後は、一般的な方法により染色加工を行うことが
できる。例えば、弾性繊維とポリエステルの芯鞘型複合
繊維の交編布帛でポリエステルの芯鞘型複合繊維の芯部
に分散染料可染型ポリマー、鞘部にカチオン染料可染型
ポリマーを用いた場合、リラックス後にプレセット、次
いで分散染料により染色加工、そしてファイナルセット
により仕上げれば、風合いが良好でドレープ性のある伸
縮性ニットが得られる。通常合成繊維を用いたニット製
品は染色工程とファイナルセットの間に柔軟仕上げ剤等
による仕上げ加工を行うが、本発明の伸縮性ニットは素
材自身の持つ風合いによりその柔軟工程を省く、もしく
は柔軟仕上げ加工剤濃度を下げることが可能となる。
【0039】
【発明の実施の形態】本発明を実施例により具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお実施例において製造したニットの評価は以下のよう
にして行った。 風合い 手触りハンドリングにて評価しソフトなも
のを◎、硬いものを×とし、その中間で且つソフトなも
のを○に判定した。 ドレープ JIS−L−1069剛軟度試験方法によ
りニットのドレープ係数を求めた。 発色性 実施例中の芯鞘型複合繊維に変えて、同デ
ニール、同フィラメントの酸化チタン含有量が3重量%
のポリエステル繊維を用いて同条件で布帛を製造し、そ
のときの色のくすみ具合を視覚判定し、酸化チタン含有
量3%の布帛の発色性より優れているものを◎、劣って
いるものを×とし、同等レベルを○にした。 破裂強度 JIS−L−1096 破裂強度試験(ミ
ューレン形法)により、破裂強度が3Kg/cm2を超え
るものを◎とし、2〜3Kg/cm2を ○、2Kg/c
2より小さいものを×とした。 変色防止性 下記に示す測色計による数値評価と官能評価を併せて行
った。 (a)測色計による数値で表す色差(ΔE*) サカタインクス(株)製の測色計マクベスカラーアイ3
000を用いて測定する。
【0040】10cm×10cm程度の乾燥した試料
片を2つ折りにし、測色計の直径2.5cmの測色部に
当て、光源Cを用いて測定し、知覚色度指数a*、b*
及び明度L* を得る。得られた値をそれぞれ知覚色度指
数及び明度のスタンダード値とする。 次に水1mlを試料サンプルに与え、30秒後にぬれ
拡がった部分を測定し、同様に知覚色度指数a*、b*
び明度L* を得る。得られた値をそれぞれ知覚色度指数
及び明度のトライアル値とする。
【0041】知覚色度指数a*、b*及び明度L*のス
タンダード値とトライアル値との差を次式に代入して色
差ΔE*を得る。サンプル数は2である。 ΔE*={(ΔL*2+(Δa*2+(Δb*21/2 (b)官能評価 5人の検査員に目視による変色程度の評価を依頼し、得
られた評価の平均値を下記官能評価基準により分類し
た。
【0042】具体的には、20cm×20cmの布帛の
試料片を用意し、そのほぼ中央に1mlの蒸留水をピペ
ットで滴下し、30秒後に水の滴下によって変色した部
分と周辺区域を比較する。変色の小さいものから順に ◎↑ 乾湿間の色の差が全くない ◎ 〃 殆どない ○ 〃 あまりない △ 〃 ややある × 〃 大いにある 前記乾湿時の色差が大きいほど官能検査で不快を感じ
る。好ましい乾湿時の色差は5以下である。 着用感 ガラス板上に水滴0.2mlを置き、10cm×10c
mの試料片を水滴の上に載せ、0.3g/cm2の荷重
をかけながら、30秒間充分吸水させた後、男女5名ず
つ計10名のパネラーの上腕部に吸水させた布帛を載
せ、ぬれ感及びべとつき感の官能評価を行った。官能値
は以下のように分類し、平均値で評価した。
【0043】 ◎ ぬれた感じ、べとつき感はなく、さらっとしてい
る ○ ぬれて冷たい感じはするが、べとつく感じはしな
い × ぬれて非常に冷たく感じ、べとつき感も大きい
【0044】
【実施例1〜11、比較例1〜6】75d/36fで酸
化チタンを8重量%含有した芯部と酸化チタンを0.0
5重量%含有した鞘部からなり芯鞘重量比率1/1であ
るポリエステル芯鞘型複合繊維を仮撚加工糸とした糸
と、スパンデックス繊維40dとを使用し、28ゲージ
のシングル丸編機による天竺組織で、芯鞘型複合繊維と
スパンデックス繊維を、プレーティングにして交編し
た。できあがった生機を135℃の高温高圧染色後仕上
げ加工を行い、目付180g/m2の編地が製造でき
た。
【0045】この編地をTシャツに縫製して着用したと
ころ、風合いがソフトでドレープ性があり身体にフィッ
トする極めて着心地の良い衣服になった。なお実施例1
において、芯鞘型複合繊維の酸化チタンの量を変更した
繊維を作成し実施例1と同様に評価した。結果を表1に
示すが、本発明の芯鞘型複合繊維と弾性繊維の交編品の
み風合いがソフトでドレープ性に優れ、発色性や強度も
問題のない衣服となった。
【0046】さらに実施例1において、編機ゲージある
いは芯鞘型複合繊維の芯部白色顔料の含有量を変え、こ
れらの積を変化させたものを作成し評価を行い、結果を
表2に示した。
【0047】
【実施例12】75d/36fで酸化チタンを8重量%
含有した芯部と酸化チタンを0.05重量%含有した鞘
部からなり芯鞘重量比率1/1であるポリエステル芯鞘
型複合繊維を仮撚加工糸とした糸と、ポリエステル50
d/36fブライト仮撚加工糸とを使用し、28ゲージ
のダブル丸編み機によるポンチローマ組織で芯鞘型複合
繊維をポンチローマ組織のダイアル側の天竺部分にのみ
配置し、スパンデックス繊維20dをダイアル側のみに
プレーティングにより交編した。この生機は、芯鞘型複
合繊維の混率が35重量%であり、この生機を135℃
で染色し、仕上げ加工を行った。
【0048】出来上がった編地を使用してジャケットを
縫製し、着用したところ風合いがソフトでドレープ性が
あるためシルエットも美しいジャケットとなった。
【0049】
【実施例13】75d/36fで酸化チタンを8重量%
含有した芯部と酸化チタンを0.05重量%含有した鞘
部からなり芯鞘重量比率1/1であるポリエステル芯鞘
型複合繊維をフロント筬に、ポリウレタン繊維40dを
バック筬に配置し、28ゲージのトリコット編機でハー
フ組織により編地を編成した。出来上がった編地を染色
仕上げ加工した後、ランジェリーを縫製した。
【0050】出来上がったランジェリーは風合いが極め
てソフトでドレープ性に優れるため、身体になじみ良く
肌触りもよい、従来にないポリエステル高混率のインナ
ーになった。
【0051】
【比較例7】実施例8において、芯鞘型複合繊維と交互
に交編するポリエステル繊維を、75d/36fブライ
ト仮撚加工糸に変更して同様の条件で製造した。この編
地の芯鞘型複合繊維の混率は25重量%であった。出来
上がった編地を使用して、実施例8と同様にブラウスを
縫製して着用したところ、発色性はよいが風合いが硬
く、ドレープ性が良くないのでシルエットの美しくない
衣料であった。
【0052】次に、芯鞘型複合繊維に混用される繊維を
適切に選択し、吸水速乾性、着用快適性、変色防止性を
付与するという考えに基づいて検討した。なお、これら
の染色加工は以下の方法を採った。これらの緯密度と芯
部の酸化チタンの含有量とその積及び評価結果及びこの
伸縮性ニットに用いられた、混用糸の吸水・拡散性能を
表3にまとめて示した。 (1)染料 エステル Dianix Blue UN−SE 1.0%owf (ダイスター(株)製) セルロース Sumifix Brilliant Blue R 1.0%owf(住友化学(株)製) (2)染色条件 ポリエステルの染色 浴比 1:40 温度×時間 130℃×30分 pH5 緩衝液 (CH3COOH、CH3COONa) ソーピング 浴比 1:20 ソーピング剤 サンモールRC700 2g/L (日華化学(株)製) NaOH 2g/L ハイドロサルファイトナトリウム 2g/L (片山化学工業(株)製) 温度×時間 95℃×30分 セルロース繊維の染色 浴比 1:40 温度×時間 60℃×30分 助剤 Na2SO4 50g/L Na2CO3 15g/L ソーピング 浴比 1:20 ソーピング剤 グランアップP 1g/L (三洋化成工業(株)製) 温度×時間 80℃×10分 (3)吸水加工 浴比 1:20 吸水加工剤 SR−1000 5%owf (高松油脂(株)製) 温度×時間 95℃×30分
【0053】
【実施例14】50d/36fで酸化チタンを8重量%
含有した芯部と酸化チタンを0.05重量%含有した鞘
部からなり芯鞘重量比率1/1であるポリエステル芯鞘
型複合繊維をフロント筬に、ポリウレタン繊維40dを
バック筬に、50d/30fの異形度1.55を有する
ポリエステルW型異形断面糸をミドル筬に配置し、28
ゲージのトリコット編機で二層状の2wayトリコット
編地を編成した。出来上がった編地を染色加工した後に
吸水加工をして仕上げ、芯鞘型複合繊維が表側に、W型
異形断面糸が肌側になるように、スパッツを縫製した。
【0054】製品は、風合いが極めてソフトでドレープ
性とフィット性、汗を生じたときのぬれ戻り防止等の着
用感に優れ、更には汗による変色も目立ちにくいスパッ
ツとなった。
【0055】
【実施例15】75d/36fで酸化チタンを8重量%
含有した芯部と酸化チタンを0.05重量%含有した鞘
部からなり芯鞘重量比率1/1であるポリエステル芯鞘
型複合繊維をフロント筬に、ポリウレタン繊維40dを
バック筬に、30d/18fの異形度1.55を有する
ポリエステルW型異形断面糸と30d/12fのキュプ
ラによるインターレース混繊仮撚糸をミドル筬に配置
し、28ゲージのトリコット編機で二層状の2wayト
リコット編地を編成した。出来上がった編地を染色仕上
げ加工した後、芯鞘型複合繊維が表側に、インターレー
ス混繊仮撚糸が肌側になるように、スパッツを縫製し
た。
【0056】製品は、風合いが極めてソフトでドレープ
性とフィット性、汗を生じたときのぬれ戻り防止性、蒸
れ感のないドライ感を有する等の着用快適性を保持し、
更には汗による変色も目立ちにくいスパッツとなった。
【0057】
【実施例16】75d/36fで酸化チタンを8重量%
含有した芯部と酸化チタンを0.05重量%含有した鞘
部からなり芯鞘重量比率1/1であるポリエステル芯鞘
型複合繊維をフロント筬に、ポリウレタン繊維40dを
バック筬に、50d/30fのキュプラをミドル筬に配
置し、28ゲージのトリコット編機で二層状の2way
トリコット編地を編成した。出来上がった編地を染色仕
上げ加工した後、芯鞘型複合繊維が表側に、キュプラが
肌側になるように、スパッツを縫製した。
【0058】製品は、風合いが極めてソフトでドレープ
性とフィット性、汗を生じたときの蒸れ感のないドライ
感を有する等の着用快適性を保持し、更には汗による変
色も目立ちにくいスパッツとなった。
【0059】
【比較例8】50d/36fで酸化チタンを2重量%含
有した芯部と酸化チタンを0.05重量%含有した鞘部
からなり芯鞘重量比率1/1であるポリエステル芯鞘型
複合繊維をフロント筬に、ポリウレタン繊維40dをバ
ック筬に、50d/30fのポリエステル丸断面糸をミ
ドル筬に配置し、28ゲージのトリコット編機で二層状
の2wayトリコット編地を編成した。出来上がった編
地を染色仕上げ加工した後、芯鞘型複合繊維が表側に、
丸断面糸が肌側になるように、スパッツを縫製した。
【0060】製品は、風合いがソフトはなく、汗を生じ
たときのべたつき、蒸れ感を感じる等の着用感に劣り、
汗による変色も目立つスパッツとなった。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【発明の効果】本発明の伸縮性ニットは、風合いが極め
てソフトで衣料用には最適であり、特にポリエステル繊
維を使用する場合でもポリエステル高混率でありなが
ら、ソフトな風合いで、ドレープ性にも優れた衣服を得
ることが可能である。また、吸水・拡散性機能を有する
特定の非弾性繊維を適切に選択することにより、汗等の
水を素早く拡散し、速く乾かす性能(吸水速乾性)を有
したり、更にべたつき感やぬれ感等の着用時の不快感、
水による変色防止をも解消することが可能となる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 白色顔料の含有量が3〜15%の芯部と
    白色顔料の含有量が2重量%以下の鞘部を有する芯鞘型
    複合繊維と弾性繊維からなり、該芯鞘型複合繊維を30
    重量%以上含有する伸縮性ニットであって、該芯鞘型複
    合繊維の芯部の白色顔料の含有量と、緯密度との積が1
    50〜1000であることを特徴とする伸縮性ニット。
  2. 【請求項2】 該芯鞘型複合繊維と弾性繊維以外の非弾
    性繊維が混用されており、該非弾性繊維のうちの20重
    量%以上が吸水・拡散性繊維であることを特徴とする請
    求項1記載の伸縮性ニット。
JP12045697A 1996-05-13 1997-05-12 伸縮性ニット Expired - Fee Related JP3809247B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12045697A JP3809247B2 (ja) 1996-05-13 1997-05-12 伸縮性ニット

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11742396 1996-05-13
JP8-117423 1996-05-13
JP12045697A JP3809247B2 (ja) 1996-05-13 1997-05-12 伸縮性ニット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1046453A true JPH1046453A (ja) 1998-02-17
JP3809247B2 JP3809247B2 (ja) 2006-08-16

Family

ID=26455537

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12045697A Expired - Fee Related JP3809247B2 (ja) 1996-05-13 1997-05-12 伸縮性ニット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3809247B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000328325A (ja) * 1999-05-24 2000-11-28 Toray Ind Inc 球技用ユニフォーム
JP2006526715A (ja) * 2003-06-02 2006-11-24 インヴィスタ テクノロジー エスアエルエル スパンデックスおよび強糸を含む丸編弾性生地の製造方法
JP2014034748A (ja) * 2012-08-10 2014-02-24 Unitika Trading Co Ltd ポリエステル系経編地、およびその製造方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6470920B2 (ja) * 2014-06-10 2019-02-13 美津濃株式会社 遮光性ウエア

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000328325A (ja) * 1999-05-24 2000-11-28 Toray Ind Inc 球技用ユニフォーム
JP2006526715A (ja) * 2003-06-02 2006-11-24 インヴィスタ テクノロジー エスアエルエル スパンデックスおよび強糸を含む丸編弾性生地の製造方法
JP2014034748A (ja) * 2012-08-10 2014-02-24 Unitika Trading Co Ltd ポリエステル系経編地、およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3809247B2 (ja) 2006-08-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102004666B1 (ko) 다층 구조 환편지
KR101061144B1 (ko) 셀룰로오스 섬유 혼용 직물
EP3604650B1 (en) Garment
US20120252296A1 (en) WATER=pERMEABILITY STRETCH KNITTED FABRIC
JP6431637B1 (ja) 柄を有するアウター衣料用編地
JP3809247B2 (ja) 伸縮性ニット
JPH09273045A (ja) 多層構造を有する布帛
JP4799999B2 (ja) 3層構造布帛
JP4012278B2 (ja) 多層布帛
JPH0693525A (ja) 2層構造紡績糸
JPH09273039A (ja) 変色防止性を有する繊維製品
JPH031506Y2 (ja)
KR102561648B1 (ko) 정방교연 장단복합사, 이를 이용한 신축성 및 내세탁성이 우수한 편물 및 이의 제조방법
TWI752497B (zh) 編織物及其製造方法、以及、衣服
JP4799998B2 (ja) 2層構造布帛
JP3532700B2 (ja) 多層構造糸
JPH10219551A (ja) 人造セルロース繊維含有多層構造布帛
JP4552457B2 (ja) 靴下
JP3805052B2 (ja) 変色防止混用布帛
JP3981176B2 (ja) 変色防止混用糸
JP2002339198A (ja) 二重丸編地
JP2002227063A (ja) 吸湿性多層構造編物
JP2008138318A (ja) 経編地
JPH10212639A (ja) 変色防止性を有する複合布帛
JP3688087B2 (ja) 多層構造糸

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040428

A977 Report on retrieval

Effective date: 20050908

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050920

A521 Written amendment

Effective date: 20051117

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20051206

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20060203

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20060221

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060421

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Effective date: 20060516

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060522

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090526

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100526

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 4

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100526

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 4

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100526

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110526

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110526

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120526

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120526

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130526

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees