JPH06248546A - 耐薬品性、寸法安定性および強度にすぐれた不織布 - Google Patents

耐薬品性、寸法安定性および強度にすぐれた不織布

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JPH06248546A
JPH06248546A JP5035538A JP3553893A JPH06248546A JP H06248546 A JPH06248546 A JP H06248546A JP 5035538 A JP5035538 A JP 5035538A JP 3553893 A JP3553893 A JP 3553893A JP H06248546 A JPH06248546 A JP H06248546A
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JP
Japan
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fiber
strength
pps
tlcp
nonwoven fabric
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Pending
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JP5035538A
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English (en)
Inventor
Junyo Nakagawa
潤洋 中川
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐薬品性が優れ、かつ強度と寸法安定性(熱
収縮)の良好な不織布を提供する。 【構成】 単繊維繊度が1〜10デニールのポリフェニ
レンサルファイド繊維と単繊維繊度が1〜30デニール
の異方性溶融相を形成する芳香族ポリエステル繊維が
1:1〜9:1で混用されている不織布。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐薬品性、寸法安定性
および強度にすぐれた不織布を供給するものであり、そ
の利用分野は、一般産業用資材、特に耐薬品性や耐熱性
の要求されるフィルター関連用途に好都合に活用される
ものである。
【0002】
【従来の技術】燃焼ガス用や回収あるいは廃溶剤用のフ
ィルターは高度な耐薬品性が要求される。そのため耐薬
品性の良好なポリフェニレンサルファイド繊維(以下P
PS繊維と略す)からなる不織布がしばしば用いられて
きた。しかし、PPS繊維は強度が弱くかつ熱収縮が大
きいため、使用範囲が限定されたり耐久性の良くないも
のしか供給することが出来なかった。これを改善するた
めに、例えば高強力で寸法安定性の良好なアラミド繊維
やポリアリレート繊維からなる織物をPPS繊維からな
る不織布の基布として併用したりしていた。しかしなが
ら、これらは製造工程が煩雑になるばかりでなく、不織
布が収縮し、フィルター性能の低下等の原因となったり
していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】高度な耐薬品性を保持
しつつ、使用目的に耐え得る十分な強度および使用中の
熱収縮等によるフィルター性能の変化をできるだけ小さ
くしようとする課題を解決するために、本発明者は鋭意
検討を行った結果、耐薬品性、寸法安定性および強力に
すぐれた不織布を発明するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、単繊維繊度が
1〜10デニール(以下drと略す)のPPS繊維と単
繊維繊度が1〜30drの異方性溶融相を形成し得る芳
香族ポリエステル繊維(以下TLCPと略す)からなる
不織布において、PPSとTLCPの混用率が1:1〜
9:1であることを特徴とする耐薬品性、寸法安定性お
よび強度にすぐれた不織布である。
【0005】本発明に言うPPSとは、芳香族単位の総
モルを基準に約80モル%以上の芳香族単位が下記化1
であるポリマーの総称である。
【0006】
【化1】
【0007】PPSの製造方法としては、工業的にp−
ジクロロベンゼンで代表されるp−ジハロベンゼンと硫
化ナトリウムを反応させハロゲン元素をハロゲン化ナト
リウムとして取り除き、前記化1のような重合体を製造
する方法が用いられるが、これら直鎖状重合体以外に分
子中に2個より多いハロゲン原子の置換基を有するポリ
ハロ芳香族化合物をp−ジハロベンゼンに対して0.1
〜5モル%添加した分岐型の重合体も好適重合体のなか
に含まれる。含有成分として、p−ジハロベンゼンで代
表される未反応物やアルカリ金属スルフィド類、有機ア
ミド類といった反応物や、約20重量%未満の他のポリ
マーや添加物、たとえば顔料、カーボン、熱安定剤、紫
外線吸収剤、滑剤、蛍光増白剤等が含まれていてもよ
い。
【0008】PPS繊維の製造方法は通常の溶融紡糸・
熱延伸方法でおこなわれ、例えば特公昭64−3961
号公報等に記載されている方法で行われる。本発明に使
用されるPPS繊維の単繊維デニールは1〜10drで
あり、1dr未満では、TLCP繊維との良好な混合が
困難となり、10drを越えるとフィルターとしての濾
過性能が低下し本発明の目的にそぐわなくなる。好適な
範囲は1.3〜5drである。
【0009】本発明に言うTLCPとは、下記に示す反
復構成単位の組み合わせからなるポリマーが挙げられ
る。
【0010】
【化2】
【0011】
【化3】
【0012】好ましいTLCPとしては、融点(以下M
Pと略す)が260〜360℃の範囲のものである。M
Pの測定は、示差走査熱量計(メトラー社製DSC)で
行われ、観察される主熱吸収のピーク温度で示される。
本発明に用いられるTLCPとして最も好ましいのは、
下記化4の反復構成単位からなるポリマーである。
【0013】
【化4】
【0014】特に[E]、[F]の反復構成単位が合計
で80モル%以上である全芳香族ポリエステルが好まし
い。中でも特に、[E]と[F]の合計量に対する
[F]の反復構成単位が3〜45モル%である全芳香族
ポリエステルが好ましい。本発明に言う溶融異方性と
は、溶融相において光学的異方性を示すことである。こ
の特性は、例えば、試料をホットステージにのせ、窒素
雰囲気下で昇温加熱し、試料の透過光を観察することに
より認定できる。
【0015】本発明に用いられるTLCPには、本発明
の効果を損なわない範囲内で、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアクリ
レート、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポ
リエーテルエステルケトン、フッソ樹脂等の熱可塑性ポ
リマーが添加されていても良い。また、酸化チタンやカ
オリン、シリカ、酸化バリウム等の無機物、カーボンブ
ラック、染料や顔料等の着色剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、光安定剤等の各種添加剤を10重量%以内であれ
ば含有していても良い。
【0016】本発明に言うTLCP繊維のデニールは1
〜30drであり、1dr以下では繊維が屈曲しすぎる
ため、本発明の目的の1つである高強力不織布が得られ
ない。また30drをこえると、繊維が剛直すぎるた
め、PPS繊維と良好な混合状態が得られなくなる。好
ましい範囲は3〜15drであり、より好ましくはPP
S繊維デニール(dr−PPS)に対してTLCP繊維
デニール(dr−TLCP)を下式の範囲としたときで
ある。 2xdr−PPS≦dr−TLCP≦4Xdr−PPS この関係を満たすとき、PPS繊維のマトリックス中に
TLCP繊維が配向した状態で混合され、本発明の目的
である強力と優れた寸法安定性が得られる。PPS繊維
とTLCP繊維の混用率(重量比)は1:1〜9:1で
あり、1:1よりPPS繊維が少なくなると、耐薬品性
と濾過性能の低下をきたす。TLCP繊維が1:9より
少なくなると本発明の目的である強力と優れた寸法安定
性が低下する。より好ましくは2:1〜5:1の範囲で
ある。
【0017】混合は混打綿装置で行いカードを通過させ
ることで行われるが、あらかじめ個々にカーデングしス
ライバー状で混合しても良い。また、各々のウェブを造
りそれを積層しても良い。混合されたシート状ウェブは
ニードルパンチ方式、空気絡合方式あるいは水流絡合方
式等により不織布に形成される。
【0018】本発明の不織布は、前述したように、フィ
ルター等に用いられるものであり、ロ過する対象物によ
り不織布の目付は異なるが、一般的には100〜100
0g/m2の範囲が好ましい。PPS繊維とTLCP繊
維は均一に混合されていても、またPPS繊維層とTL
CP繊維層に別れて積層された状態で存在していてもよ
い。最も好ましくは、TLCP繊維層を内層にPPS繊
維層を外層にした多層構造不織布である。もちろんTL
CP層は一層であっても、内部にPPS繊維層を有する
多層であってもよい。さらに本発明の不織布には、必要
により他の繊維が混入されていてもよく、また他の繊維
層(不織布や織編物)や多孔樹脂層などが積層一体化さ
れていてもよく、さらにそれらが挿入一体化されていて
もよい。
【0019】
【実施例】以下実施例により本発明をより具体的に説明
するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
なお、本発明に言う溶融粘度は、東洋精機製キャピログ
ラフ1B型を用い、300℃の温度で測定し剪断速度1
000sec-1のときの値である。
【0020】実施例1 [PPS繊維]硫化ナトリウムとパラジクロルベンゼン
の高温・高圧反応で得られた溶融粘度800ポイズのP
PSペレットを、紡糸温度315℃、巻取速度500m
/分で紡糸した後、80℃と98℃の水浴で3.6倍2
段延伸し200℃で熱固定し、捲縮、乾燥、切断処理を
行い、1.5dr、繊維長38mmのステープルファイ
バーを作った。この繊維の強度は4.1g/dであっ
た。 [TLCP繊維]化4に示される[E]と[F]のモル
比率が72:28のTLCPを合成した。このものの融
点は279℃であり、溶融粘度は478ポイズであっ
た。このペレットを320℃、1000m/分で溶融紡
糸した。この繊維を集束し捲縮、51mmの切断処理を
行った後、270℃の窒素雰囲気中で6時間熱処理し
た。この繊維の強度は25g/dであった。
【0021】このものを別々にカーデングしスライバー
を製造した。PPSとTLCPのスライバーを4:1の
割合で混合しウエブをつくった。このものをニードルパ
ンチにかけ目付け312g/m2の不織布を製造した。
このものの強度(タテ・ヨコの平均)は20.1kg/
cmであり、150℃の熱収縮は0.5%と良好であっ
た。
【0022】実施例2 比較例1、2 実施例1のPPSとTLCPスライバーを表1に示す種
々の割合で混合し、同様の方法で不織布を作った。
【0023】
【表1】
【0024】比較例では強度が低く収縮率が大きいが、
本発明の実施例では強度も高く収縮率も1%以下と小さ
い。
【0025】実施例3、比較例3 実施例1のPPS繊維とTLCP繊維から各々約120
g/m2目付けのランダムウェブをつくった。PPSウ
ェブ層の中間にTLCP1層を重ねた5層をニードルパ
ンチし不織布を作った。また同様にPPSウェブ5層か
らなる不織布も比較のためつくった。これらの不織布か
らバックフィルターをつくり、製鉄工場からでる排煙ガ
スの濾過をおこなった。1ケ月使用後では、比較例のも
のは約10%収縮し圧損が増大し継続使用不可であった
が、本実施例のものは収縮が殆どなく、圧損の上昇もみ
られず、また強度低下もまったく無くバックフィルター
として優れた性能のものであった。
【0026】
【発明の効果】本発明の不織布は、耐薬品性、寸法安定
性、特に高温条件下における寸法安定性、さらに強度の
点で極めて優れており、これらの性能が要求される燃焼
ガス用フィルターや廃溶剤用フィルター等に適してい
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単繊維繊度が1〜10デニールのポリフ
    ェニレンサルファイド繊維(以下PPSと略す)と単繊
    維繊度が1〜30デニールの異方性溶融相を形成し得る
    芳香族ポリエステル繊維(以下TLCPと略す)からな
    る不織布において、PPSとTLCPの混用率が1:1
    〜9:1であることを特徴とする不織布。
JP5035538A 1993-02-24 1993-02-24 耐薬品性、寸法安定性および強度にすぐれた不織布 Pending JPH06248546A (ja)

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