JP2791357B2 - 含フッ素フェノール樹脂前駆体 - Google Patents
含フッ素フェノール樹脂前駆体Info
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- JP2791357B2 JP2791357B2 JP63113298A JP11329888A JP2791357B2 JP 2791357 B2 JP2791357 B2 JP 2791357B2 JP 63113298 A JP63113298 A JP 63113298A JP 11329888 A JP11329888 A JP 11329888A JP 2791357 B2 JP2791357 B2 JP 2791357B2
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、撥水撥油性、非付着性(防汚性)、耐薬品
性、耐熱性および低摩擦・耐摩擦性(摺動性)等の多様
な特性を有する機能性含フッ素フェノール樹脂および機
能性含フッ素ノボラック型エポキシ樹脂の製造原料およ
び機能性含フッ素高分子改質剤として有用な含フッ素フ
ェノール樹脂前駆体、その製造方法および該前駆体を含
有する封止剤に関する。
性、耐熱性および低摩擦・耐摩擦性(摺動性)等の多様
な特性を有する機能性含フッ素フェノール樹脂および機
能性含フッ素ノボラック型エポキシ樹脂の製造原料およ
び機能性含フッ素高分子改質剤として有用な含フッ素フ
ェノール樹脂前駆体、その製造方法および該前駆体を含
有する封止剤に関する。
従来の技術 フェノール樹脂は電気絶縁性、機械的強度、寸法安全
性および耐熱性が優れているために電気部品や自動車部
品等の成形材料、工業用の板体や管体等の積層品、シェ
ルモールド用材料、木材加工接着材用材料等として従来
から汎用されているばかりでなく、自己潤滑性が良好な
ためにブレーキやクラッチ等の材料としても利用されて
いる。
性および耐熱性が優れているために電気部品や自動車部
品等の成形材料、工業用の板体や管体等の積層品、シェ
ルモールド用材料、木材加工接着材用材料等として従来
から汎用されているばかりでなく、自己潤滑性が良好な
ためにブレーキやクラッチ等の材料としても利用されて
いる。
しかしながら、フェノール樹脂にはフェノール性水酸
基が存在するために耐水性が劣るという欠点があり(特
にアルカリ水溶液に対しても膨潤もしくは溶解する傾向
がある)、さらに優れた表面特性を有するフッ素樹脂に
比べて摺動性が乏しいという難点がある。
基が存在するために耐水性が劣るという欠点があり(特
にアルカリ水溶液に対しても膨潤もしくは溶解する傾向
がある)、さらに優れた表面特性を有するフッ素樹脂に
比べて摺動性が乏しいという難点がある。
本発明者は先に、フェノール樹脂のこのような欠点を
改良し、優れた撥水撥油性、防汚性、耐薬品性、耐熱性
および摺動性等の特性を有する機能性フェノール樹脂に
関する発明を開示した。
改良し、優れた撥水撥油性、防汚性、耐薬品性、耐熱性
および摺動性等の特性を有する機能性フェノール樹脂に
関する発明を開示した。
一方、エポキシ樹脂に撥水性、耐湿性、耐熱性および
難燃性等の特性を付与する添加剤を配合した組成物はI
C、LSI、トランジスター、ダイオード等の半導体装置の
封止剤として汎用されているが、最近の半導体装置の大
型化と高密度化、素子の微細化等に対しては、高い信頼
性(特に高温多湿下での信頼性)をもって十分に対処す
ることが困難となっている。
難燃性等の特性を付与する添加剤を配合した組成物はI
C、LSI、トランジスター、ダイオード等の半導体装置の
封止剤として汎用されているが、最近の半導体装置の大
型化と高密度化、素子の微細化等に対しては、高い信頼
性(特に高温多湿下での信頼性)をもって十分に対処す
ることが困難となっている。
発明が解決しようとする課題 本発明は、このような新規な機能性フェノール樹脂の
有用な製造原料を提供すると共に、含フッ素ノボラック
型エポキシ樹脂用原料およびそれを含む配合物(特に半
導体装置用封止剤)の改質に使用し得る含フッ素高分子
改質剤を提供するためになされたものである。
有用な製造原料を提供すると共に、含フッ素ノボラック
型エポキシ樹脂用原料およびそれを含む配合物(特に半
導体装置用封止剤)の改質に使用し得る含フッ素高分子
改質剤を提供するためになされたものである。
課題を解決するための手段 即ち本発明は、次式(A)〜(C): (式中、nは1〜3の数を示し、mは1〜2の数を示
し、xは1〜2の数を示し、yは0〜10の数を示す)で
表される化合物から選択されるフェノール樹脂前駆体の
フェノール性OHの少なくとも一部が次式[I]: [式中、R1〜R3は各々パーフルオロアルキル基−CnF2n
+1(nは1〜10の数を示す)を示す] で表わされるパーフルオロアルキル基含有基によって置
換されたことを特徴とする含フッ素フェノール樹脂前駆
体、該前駆体の製造方法および該前駆体を含有するエポ
キシ樹脂系封止剤に関する。
し、xは1〜2の数を示し、yは0〜10の数を示す)で
表される化合物から選択されるフェノール樹脂前駆体の
フェノール性OHの少なくとも一部が次式[I]: [式中、R1〜R3は各々パーフルオロアルキル基−CnF2n
+1(nは1〜10の数を示す)を示す] で表わされるパーフルオロアルキル基含有基によって置
換されたことを特徴とする含フッ素フェノール樹脂前駆
体、該前駆体の製造方法および該前駆体を含有するエポ
キシ樹脂系封止剤に関する。
本発明による含フッ素フェノール樹脂前駆体の基材と
なるフェノール樹脂前駆体としては自体公知のもの、例
えばフェノールもしくはレゾルシンとホルムアルデヒ
ド、またはフェノールとレゾルシンとの混合物とホルム
アレデヒドをアルカリ性触媒の存在下で反応させる際の
初期生成物であるレゾールまたはレゾールよりも架橋が
さらに進んだレジトール、およびフェノールもしくはレ
ゾルシンとホルムアルデヒド、またはフェノールとレゾ
ルシンとの混合物とホルムアルデヒドを酸性触媒の存在
下で反応させて得られるノボラック等を適宜使用すれば
よい。
なるフェノール樹脂前駆体としては自体公知のもの、例
えばフェノールもしくはレゾルシンとホルムアルデヒ
ド、またはフェノールとレゾルシンとの混合物とホルム
アレデヒドをアルカリ性触媒の存在下で反応させる際の
初期生成物であるレゾールまたはレゾールよりも架橋が
さらに進んだレジトール、およびフェノールもしくはレ
ゾルシンとホルムアルデヒド、またはフェノールとレゾ
ルシンとの混合物とホルムアルデヒドを酸性触媒の存在
下で反応させて得られるノボラック等を適宜使用すれば
よい。
このようなフェノール樹脂前駆体としては次式(A)
〜(C): (式中、nは1〜3の数を示し、mは1〜2の数を示
し、xは1〜2の数を示し、yは0〜10の数を示す)で
表される化合物が挙げられる。
〜(C): (式中、nは1〜3の数を示し、mは1〜2の数を示
し、xは1〜2の数を示し、yは0〜10の数を示す)で
表される化合物が挙げられる。
本発明による含フッ素フェノール樹脂前駆体の特徴
は、上記のフェノール樹脂前駆体のフェノール性水酸基
の少なくとも一部が前記の式[I]で表わされるパーフ
ルオロアルキル基含有基によって置換されていることで
ある。
は、上記のフェノール樹脂前駆体のフェノール性水酸基
の少なくとも一部が前記の式[I]で表わされるパーフ
ルオロアルキル基含有基によって置換されていることで
ある。
式[I]において、R1〜R3は各々パーフルオロアルキ
ル基−CnF2n+1を表わす。この場合、nは1〜10の
数、好ましくは1〜6の数を示す。
ル基−CnF2n+1を表わす。この場合、nは1〜10の
数、好ましくは1〜6の数を示す。
式[I]に含まれるパーフルオロアルキル基として好
適なものはヘキサフルオロプロペンオリゴマー残基およ
び/またはテトラフルオロエチレンオリゴマー残基であ
り、例えば次式(a)〜(e)で表われるものが挙げら
れる: 上記の式[I]で表わされるパーフルオロアルキル基
含有基によるフェノール性水酸基の置換率は含フッ素フ
ェノール樹脂の使用目的等に応じて適宜選定すればよ
く、特に限定的ではなく、この置換率を調節することに
よって含フッ素フェノール樹脂の撥水撥油性、防汚性、
摺動性および耐熱性等の特性を適宜調整することができ
る。
適なものはヘキサフルオロプロペンオリゴマー残基およ
び/またはテトラフルオロエチレンオリゴマー残基であ
り、例えば次式(a)〜(e)で表われるものが挙げら
れる: 上記の式[I]で表わされるパーフルオロアルキル基
含有基によるフェノール性水酸基の置換率は含フッ素フ
ェノール樹脂の使用目的等に応じて適宜選定すればよ
く、特に限定的ではなく、この置換率を調節することに
よって含フッ素フェノール樹脂の撥水撥油性、防汚性、
摺動性および耐熱性等の特性を適宜調整することができ
る。
本発明による含フッ素フェノール樹脂前駆体の製造方
法は特に限定的ではないが、好適な製法を以下に例示す
る。
法は特に限定的ではないが、好適な製法を以下に例示す
る。
フェノールOHの少なくとも一部が式[I]で表わされ
るパーフルオロアルキル基含有基によって置換された含
フッ素フェノール樹脂前記の製造方法としては、フェノ
ール樹脂前駆体および次式[I′]; (式中、R1〜R3は前記と同意義であり、Xはハロゲン原
子を示す) で表わされる含フッ素安息香酸ハライドを有機溶媒中に
おいて反応させる方法が例示される。
るパーフルオロアルキル基含有基によって置換された含
フッ素フェノール樹脂前記の製造方法としては、フェノ
ール樹脂前駆体および次式[I′]; (式中、R1〜R3は前記と同意義であり、Xはハロゲン原
子を示す) で表わされる含フッ素安息香酸ハライドを有機溶媒中に
おいて反応させる方法が例示される。
フェノール樹脂前駆体としては前記の樹脂前駆体を適
宜使用すればよい。
宜使用すればよい。
含フッ素安息香酸ハライドは、例えば特開昭52−8963
0号公報に記載の方法によってp−パーフルオロアルケ
ニルオキシ安息香酸を製造し、これを塩化チオニル等の
ハロゲン化剤で処理することによって調製すればよい。
0号公報に記載の方法によってp−パーフルオロアルケ
ニルオキシ安息香酸を製造し、これを塩化チオニル等の
ハロゲン化剤で処理することによって調製すればよい。
上記のフェノール樹脂前駆体と含フッ素安息香酸ハラ
イドとの反応割合は反応成分の種類や所望のフッ素化率
等に応じて適宜選定すればよい。
イドとの反応割合は反応成分の種類や所望のフッ素化率
等に応じて適宜選定すればよい。
この場合、反応を促進させるために脱酸剤、例えばピ
リジン、N,N−ジメチルアニリン、トリエチルアミン、
トリメチルアミン等の第3級アミン等を適宜使用しても
よい。
リジン、N,N−ジメチルアニリン、トリエチルアミン、
トリメチルアミン等の第3級アミン等を適宜使用しても
よい。
有機溶媒としてはアセトニトリル、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリ
ドン、ベンゼン、トルエン、キシレン、塩化メチレン、
クロロホルム、四塩化炭素、アセトン、エーテル、テト
ラヒドロフラン等が例示されるが、溶解性の小さな反応
成分を使用する場合にはN,N−ジメチルホルムアミド、
N−メチルピロリドン、アセトン等の極性溶媒を使用す
るのが好ましい。
ルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリ
ドン、ベンゼン、トルエン、キシレン、塩化メチレン、
クロロホルム、四塩化炭素、アセトン、エーテル、テト
ラヒドロフラン等が例示されるが、溶解性の小さな反応
成分を使用する場合にはN,N−ジメチルホルムアミド、
N−メチルピロリドン、アセトン等の極性溶媒を使用す
るのが好ましい。
反応温度は反応成分等によって左右され、特に限定的
ではないが、通常は0〜100℃である。
ではないが、通常は0〜100℃である。
さらに、フェノール性OHの少なくとも一部が式[I]
で表わされるパーフルオロアルキル基含有基によって置
換された含フッ素フェノール樹脂前駆体の製造方法とし
ては、フェノール樹脂前駆体を次式[I″] (式中、R1〜R3は前記と同意義である) で表わされる含フッ素カルボン酸と触媒、例えば硫酸、
塩化水素、p−トルエンスルホン酸スルホン酸型イオン
交換樹脂等の存在下において反応させる方法が挙げられ
る。
で表わされるパーフルオロアルキル基含有基によって置
換された含フッ素フェノール樹脂前駆体の製造方法とし
ては、フェノール樹脂前駆体を次式[I″] (式中、R1〜R3は前記と同意義である) で表わされる含フッ素カルボン酸と触媒、例えば硫酸、
塩化水素、p−トルエンスルホン酸スルホン酸型イオン
交換樹脂等の存在下において反応させる方法が挙げられ
る。
反応溶媒は使用しなくてもよいが、芳香族炭化水素
(ベンゼン、トルエン、キシレン等)やハロゲン化炭化
水素(ジクロロエタン、四塩化水素、クロロホルム等)
等の溶媒を使用してもよい。
(ベンゼン、トルエン、キシレン等)やハロゲン化炭化
水素(ジクロロエタン、四塩化水素、クロロホルム等)
等の溶媒を使用してもよい。
反応温度は通常50〜200℃である。
さらにまた、フェノール樹脂前駆体のエステル、例え
ばメチルエステル、エチルエステルまたはプロピルエス
テル等の低級アルキルエステル等に式[I″]で表わさ
れる含フッ素カルボン酸をp−トルエンスルホン酸等の
触媒の存在下で反応させることによって、フェノール性
OHの少なくとも一部が式[I]で表わされるパーフルオ
ロアルキル基含有基によって置換された含フッ素フェノ
ール樹脂前駆体を調製してもよい。
ばメチルエステル、エチルエステルまたはプロピルエス
テル等の低級アルキルエステル等に式[I″]で表わさ
れる含フッ素カルボン酸をp−トルエンスルホン酸等の
触媒の存在下で反応させることによって、フェノール性
OHの少なくとも一部が式[I]で表わされるパーフルオ
ロアルキル基含有基によって置換された含フッ素フェノ
ール樹脂前駆体を調製してもよい。
上記の反応によって得られる含フッ素フェノール樹脂
前駆体は、その赤外線吸収スペクトルが1100〜1300cm-1
付近にC−F伸縮振動に由来する特性吸収を示すので、
これによって容易に同定することができる。
前駆体は、その赤外線吸収スペクトルが1100〜1300cm-1
付近にC−F伸縮振動に由来する特性吸収を示すので、
これによって容易に同定することができる。
上記の種々の製法によって得られる本発明による含フ
ッ素フェノール樹脂前駆体を多官能エポキシ化合物に配
合して調製される組成物は特に半導体装置用封止剤とし
て好適なものである。
ッ素フェノール樹脂前駆体を多官能エポキシ化合物に配
合して調製される組成物は特に半導体装置用封止剤とし
て好適なものである。
多官能エポキシ化合物としては自体公知の化合物、例
えばビスフェノールAのジグリシジルエーテル(ビスフ
ェノールA型液状樹脂)およびその付加重合体(ビスフ
ェノールA型固体樹脂)、レゾルシンのグリシジルエー
テル、ビニルシクロヘキサンジオキシド、2,2−ビス
(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパン、パラアミ
ノフェノールのトリグリシジルエーテル、フェノールホ
ルムアルデヒドノボラックのポリグリシジルエーテル、
クレゾールホルムアルデヒドノボラックのポリグリシジ
ルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジル
エーテル等が例示されるが、特に好ましいものはフェノ
ールホルムアルデヒドノボラックのポリグリシジルエー
テル、クレゾールホルムアルデヒドノボラックのポリグ
リシジルエーテル等である。
えばビスフェノールAのジグリシジルエーテル(ビスフ
ェノールA型液状樹脂)およびその付加重合体(ビスフ
ェノールA型固体樹脂)、レゾルシンのグリシジルエー
テル、ビニルシクロヘキサンジオキシド、2,2−ビス
(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパン、パラアミ
ノフェノールのトリグリシジルエーテル、フェノールホ
ルムアルデヒドノボラックのポリグリシジルエーテル、
クレゾールホルムアルデヒドノボラックのポリグリシジ
ルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジル
エーテル等が例示されるが、特に好ましいものはフェノ
ールホルムアルデヒドノボラックのポリグリシジルエー
テル、クレゾールホルムアルデヒドノボラックのポリグ
リシジルエーテル等である。
封止剤の配合成分として使用する含フッ素フェノール
樹脂前駆体の含フッ素基による置換率は特に限定的では
ないが、高すぎると撥水性、耐湿性、難燃性等は向上す
るが、エポキシ基導入率の低下や硬化特性の低下をもた
らし、逆に低すぎると十分な撥水性、耐湿性、難燃性等
が得られないので、通常は約5〜60%とする。
樹脂前駆体の含フッ素基による置換率は特に限定的では
ないが、高すぎると撥水性、耐湿性、難燃性等は向上す
るが、エポキシ基導入率の低下や硬化特性の低下をもた
らし、逆に低すぎると十分な撥水性、耐湿性、難燃性等
が得られないので、通常は約5〜60%とする。
含フッ素フェノール樹脂前駆体の配合量は、含フッ素
基による置換率等によっても左右されるが、通常は多官
能エポキシ化合物100重量部に対して10〜100重量部であ
る。
基による置換率等によっても左右されるが、通常は多官
能エポキシ化合物100重量部に対して10〜100重量部であ
る。
本発明による封止剤には所望により常套の添加剤、例
えば硬化剤(各種のアミン類、カルボン酸類、カルボン
酸無水物類、フェノール樹脂やメラミン樹脂等の合成樹
脂の初期縮合物等)、硬化触媒(トリエタノールアミン
やジメチルアミノエタノール等のアミン類、イミダゾー
ル類、第4級アンモニウム塩類等)、難燃剤(三酸化ア
ンチモン、テトラブロモビスフェノールAおよびそれを
含む臭素化エポキシ樹脂等)等を適宜配合してもよい。
えば硬化剤(各種のアミン類、カルボン酸類、カルボン
酸無水物類、フェノール樹脂やメラミン樹脂等の合成樹
脂の初期縮合物等)、硬化触媒(トリエタノールアミン
やジメチルアミノエタノール等のアミン類、イミダゾー
ル類、第4級アンモニウム塩類等)、難燃剤(三酸化ア
ンチモン、テトラブロモビスフェノールAおよびそれを
含む臭素化エポキシ樹脂等)等を適宜配合してもよい。
以下、本発明を実施例によって説明する。
実施例1 撹拌機、温度計、冷却管および滴下漏斗を備えた反応
容器内にノボラック(重合度2〜10)(1)10.0g、ト
リエチルアミン10.1g(0.10モル)およびジメチルホル
ムアミド100mlを仕込み、撹拌下に、 をジメチルホルムアミド50mlに溶解させた溶液を徐々に
滴下した。約4時間撹拌を行った後、約2Nの塩酸水溶液
2中に反応混合物を加えることによって白色固体生成
物(2)を得た。この生成物は十分に水洗後、乾燥させ
た(収量58.8g)。
容器内にノボラック(重合度2〜10)(1)10.0g、ト
リエチルアミン10.1g(0.10モル)およびジメチルホル
ムアミド100mlを仕込み、撹拌下に、 をジメチルホルムアミド50mlに溶解させた溶液を徐々に
滴下した。約4時間撹拌を行った後、約2Nの塩酸水溶液
2中に反応混合物を加えることによって白色固体生成
物(2)を得た。この生成物は十分に水洗後、乾燥させ
た(収量58.8g)。
化合物(1)および(2)の物性を表−1に示す。
実施例2および3 表−3に示す配合処方により、実施例1の手順に準拠
して反応を約5時間行った。反応混合物をイオン交換水
に入れ、沈澱した固体をイオン交換水を用いて数回洗浄
した後、乾燥して化合物(4)および(5)を得た。
して反応を約5時間行った。反応混合物をイオン交換水
に入れ、沈澱した固体をイオン交換水を用いて数回洗浄
した後、乾燥して化合物(4)および(5)を得た。
(式中、XはC9F17O・C6H4・COを示す) [式中、YはHまたはC9F17O・C6H4・COを示す(H:C9F
17O・C6H4・CO〜0.75:0.25)] 化合物(4)および(5)の物性を表−2に示す。
17O・C6H4・CO〜0.75:0.25)] 化合物(4)および(5)の物性を表−2に示す。
発明の効果 本発明による含フッ素フェノール樹脂前駆体は、反応
性のメチロール基を有しており、レゾール系またはノボ
ラック系の樹脂に常法に従って反応させることにより含
フッ素フェノール樹脂とすることができる。このように
して得られる含フッ素フェノール樹脂は撥水性、撥油
性、防汚性および摺動性等の点で優れた表面特性を有す
ると共に、耐熱性、耐侯性、耐薬品性および寸法安定性
等の物理的特性も改良されており、軸受、歯車、パッキ
ング等の機械部品、防汚性コーティング剤等の各種の用
途に使用できる。
性のメチロール基を有しており、レゾール系またはノボ
ラック系の樹脂に常法に従って反応させることにより含
フッ素フェノール樹脂とすることができる。このように
して得られる含フッ素フェノール樹脂は撥水性、撥油
性、防汚性および摺動性等の点で優れた表面特性を有す
ると共に、耐熱性、耐侯性、耐薬品性および寸法安定性
等の物理的特性も改良されており、軸受、歯車、パッキ
ング等の機械部品、防汚性コーティング剤等の各種の用
途に使用できる。
また、本発明による含フッ素ノボラック樹脂はそのま
ま、あるいは通常のノボラック型エポキシ樹脂とブレン
ドして硬化剤と反応させることによって含フッ素ノボラ
ック型エポキシ樹脂とすることができる。該樹脂パーフ
ルオロアルケニル基の存在により撥水性が優れると共に
耐湿性も向上し、コンデンサー、抵抗、IC、LSI等の電
子部品の封止剤として従来品よりも一段と優れた特性を
発揮する。また、不飽和ポリエステル、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエ
ステル、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等に配合して反応
させることにより上記した各機能性を備えた樹脂とする
ことができる。
ま、あるいは通常のノボラック型エポキシ樹脂とブレン
ドして硬化剤と反応させることによって含フッ素ノボラ
ック型エポキシ樹脂とすることができる。該樹脂パーフ
ルオロアルケニル基の存在により撥水性が優れると共に
耐湿性も向上し、コンデンサー、抵抗、IC、LSI等の電
子部品の封止剤として従来品よりも一段と優れた特性を
発揮する。また、不飽和ポリエステル、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエ
ステル、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等に配合して反応
させることにより上記した各機能性を備えた樹脂とする
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 23/31 (56)参考文献 特開 昭61−9420(JP,A) 特開 昭61−296350(JP,A) 特開 昭63−273619(JP,A) 特開 昭63−57632(JP,A) 特開 平1−144411(JP,A) 特開 昭63−277219(JP,A) 化学大辞典編集委員会編 「化学大辞 典7」 (昭和41−7−1) 共立出版 株式会社発行 P.731−733 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 8/00 - 8/38 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (3)
- 【請求項1】次式(A)〜(C): (式中、nは1〜3の数を示し、mは1〜2の数を示
し、xは1〜2の数を示し、yは0〜10の数を示す)で
表される化合物から選択されるフェノール樹脂前駆体の
フェノール性OHの少なくとも一部が次式[I]: [式中、R1〜R3は各々パーフルオロアルキル基−CnF2n
+1(nは1〜10の数を示す)を示す] で表わされるパーフルオロアルキル基含有基によって置
換されたことを特徴とする含フッ素フェノール樹脂前駆
体。 - 【請求項2】次式(A)〜(C) (式中、nは1〜3の数を示し、mは1〜2の数を示
し、xは1〜2の数を示し、yは0〜10の数を示す)で
表される化合物から選択されるフェノール樹脂前駆体お
よび次式[I′]: (式中、R1〜R3は前記と同意義であり、Xはハロゲン原
子を示す) で表わされる含フッ素安息香酸ハライドを有機溶媒中に
おいて反応させることを特徴とする、フェノール性OHの
少なくとも一部が式[I]で表わされるパーフルオロア
ルキル基含有基によって置換された含フッ素フェノール
樹脂前駆体の製造方法。 - 【請求項3】多官能エポキシ化合物および請求項1に記
載された含フッ素フェノール樹脂前駆体を含有する半導
体装置用封止剤。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11319087 | 1987-05-08 | ||
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