JP4767931B2 - 難燃性ポリイミドシリコーン樹脂組成物 - Google Patents

難燃性ポリイミドシリコーン樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、ポリイミドシリコーン樹脂組成物に関し、詳細には、所定の難燃剤を含み、難燃性に優れると共に、可撓性、耐熱性、及び接着性に優れた硬化物を与える組成物に関する。
ポリイミド樹脂は耐熱性が高く、電気絶縁性に優れているので、プリント回線基板、耐熱性接着テープ、電気部品、半導体材料の保護膜、層間絶縁膜等として、広く利用されている。しかし、ポリイミド樹脂は限られた溶剤にしか溶解しないため、取り扱い上、不便である。そこで、種々の有機溶剤に比較的易溶のポリアミック酸を基材に塗布し、高温処理により脱水環化してポリイミド樹脂を得る方法が採られている。ところが、この方法では高温かつ長時間の加熱を必要とするので、基材の熱劣化を起こし易く、一方、加熱が不十分であると、得られる樹脂の構造中にポリアミック酸が残存してしまい、耐湿性、耐腐食性等の低下の原因となる。
そこで、ポリアミック酸に代えて、有機溶剤に可溶なポリイミド樹脂の溶液を基材に塗布した後、加熱することにより溶剤を揮散させ、ポリイミド樹脂皮膜を形成することが行なわれており、例えば、シリコーン部分を含むポリイミドシリコーン樹脂が知られている(特許文献1、2)。これらのポリイミドシリコーンは、その硬化膜の可撓性等の物性に優れるが、難燃性の点で改良すべき点があることが見出された。
特開平10−195278号公報 特開2004−149777号公報
本発明は、シリコーン部分の導入による利点を損なうことなく、難燃性が向上されたポリイミドシリコーン樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者等は、所定量のケイ素原子と、フェニル基とをシロキサン骨格中に備えるポリイミドシリコーン樹脂によって、上記目的を達成できることを見出した。即ち、本発明は、
(A)ポリイミドシリコーン樹脂であって、該ポリイミドシリコーン樹脂重量の10〜25重量%でケイ素原子を含み、且つ、ケイ素原子に結合された有機基の5〜70モル%がフェニル基である、ポリイミドシリコーン樹脂、
(B)トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルフェニルホスフェートからなる群より選ばれる少なくとも1の難燃剤を、成分(A)100質量部に対して1〜200質量部で、及び
(F)溶剤
を含む組成物において、
(A)ポリイミドシリコーン樹脂が下記式(1)で表される2種の繰返し単位からなり、
Figure 0004767931
[式(1)中、Xは四価の有機基、Yはケイ素原子を含まない二価の有機基であり、nは0.5〜0.8の数、且つ、n+m=1であり、Zは下記式(2)で表される二価の基であり、
Figure 0004767931
式(2)中のR〜Rは、フェニル基以外の、炭素数1から8の非置換の一価の炭化水素基であり、a及びbは、夫々、1〜40の整数であり、但し、a+bは2〜50の整数であり、0.1≦b/(a+b)≦0.8である]
Yの少なくとも一部が、下記式(14)〜(18)のいずれかで表される二価の基である前記組成物である。
Figure 0004767931
Figure 0004767931
Figure 0004767931
Figure 0004767931
Figure 0004767931
本発明のポリイミドシリコーン樹脂組成物から得られる硬化膜は、難燃性に優れると共に、可撓性を有し、高温又は高湿に曝されても基材から剥離することが無い。
本発明の組成物において、(A)ポリイミドシリコーン樹脂は、樹脂重量に対して、ケイ素原子を10〜25重量%、好ましくは10〜20重量%で含む。該範囲内であれば、溶剤への高い溶解性と、硬化物の可撓性及び難燃性を両立させることができる。ケイ素原子量は、NMR、又は熱天秤等で樹脂を灰化した後に元素分析を行なう灰化法によって、定量することができる。
さらに、(A)ポリイミドシリコーン樹脂は、ケイ素原子に結合された有機の5〜70モル%、好ましくは10〜50モル%、より好ましくは20〜40モル%がフェニル基である。より好ましくは、フェニル基が、ジフェニルシロキサン単位、即ち、下記式で表される単位、
Figure 0004767931

の形態で含まれる。フェニル基量が前記下限値未満では、難燃性に劣り、一方、前記上限値を超えると、硬化物の弾性率が高くなる。該フェニル基の量は、29Si-NMRで測定することができる。
好ましい(A)ポリイミドシリコーン樹脂は、下記式(1)で表わされる2種の繰返し単位からなる。
Figure 0004767931

上記式(1)は、一種の組成式である。即ち、m及びnは、夫々、Yを含む繰返し単位及びZを含む繰返し単位の割合を示し、n+m=1である。Zは、フェニルシロキサン単位、好ましくはジフェニルシロキサン単位、を含む2価の基であり、nが0.4〜0.8の数、好ましくは0.5〜0.8である。nが前記下限値未満の樹脂は、硬化物の弾性率が高く、可撓性が不足する傾向がある。一方、前記上限値を超えると、樹脂にタック感が現れて室温で扱いにくくなる。なお、本発明において、弾性率は貯蔵弾性率を意味し、その測定法は後述する。用途にも依存するが、通常、該弾性率が1GPa未満であることが好ましい。
好ましくは、Zは下記式(2)で表される。
Figure 0004767931

式(2)中のR〜Rは、フェニル基以外の、炭素数1から8の置換または非置換の一価の炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基等の脂肪族不飽和基が挙げられる。これらのうち、メチル基及びビニル基が好ましい。
式(2)において、a及びbは、夫々、1〜40の整数であり、但し、a+bは2〜50の整数である。好ましくはaは1〜20の整数、bは1〜20の整数である。a及びbが前記上限値を超えると、溶剤への溶解性が不足する。さらに、b/(a+b)が0.1〜0.8であり、好ましくは0.1〜0.6、最も好ましくは0.2〜0.5である。b/(a+b)が前記下限値未満では、難燃性が不足し、一方、前記上限値を超えると硬化物の可撓性が不足する場合がある。
Zとして、下記式(3)で表されるものも使用することができる。
Figure 0004767931

式(3)は、式(2)のRの一部がビニル基であるものであり、a1+a2は上記aに等しい。ビニル基を有するシロキサン単位の割合を示す比、a2/(a1+a2+b)、は0.1〜0.6、好ましくは0.1〜0.4である。該比が前記範囲内である樹脂から得られる硬化物は、耐溶剤性に優れる。該Zを有するポリイミドシリコーン樹脂と、後述する(C)有機過酸化物とを組み合わせて配合することによって、さらに優れた耐溶剤性を示す硬化膜を形成することができる。
式(1)において、Xは4価の有機基であり、酸二無水物から誘導することができる。Xの例として、下記式(4)〜(9)の基が挙げられる。
Figure 0004767931

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式(1)において、Yはケイ素原子を含まない2価の基であり、慣用のジアミンから誘導される。Yの例としては、テトラメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサンや4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン等の脂肪族ジアミン残基、フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン等の芳香族ジアミン残基が挙げられ、これら2種以上の組み合わせであってもよい。中でも、式(10)で表される芳香族ジアミン残基が好ましく、該式中、Bは式(11)、(12)、(13)のいずれかで表わされる基である。

Figure 0004767931

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Yの少なくとも一部がフェノール性OH基を有する基であってよい。斯かるYとしては、下記式(14)〜(18)で表される基を例示することができる。
Figure 0004767931

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該フェノール性水酸基を有するポリイミドシリコーン樹脂と、後述する(D)エポキシ樹脂、さらには(E)エポキシ樹脂硬化助剤を組合わせて配合することによって、さらに優れた耐溶剤性を示す硬化膜を形成することができる。
好ましくは、(A)ポリイミドシリコーン樹脂の、ポリスチレンを標準試料として用いたGPCで測定される重量平均分子量が、5,000〜150,000であり、より好ましくは20,000〜150,000である。分子量が前記下限値より小さいと、硬化膜の強靭性、即ち、可撓性と機械的強度の総合的な強度が不足し、逆に前記上限値より大きいと溶剤への溶解性や、取り扱い性が良くない。
ポリイミドシリコーン樹脂は、公知の方法で製造することができる。まず、Xを誘導するための酸二無水物、Yを誘導するためのジアミン及びZを誘導するためのジアミノポリシロキサンを溶剤中に仕込み、低温、即ち20〜50℃程度で反応させて、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミック酸を製造する。次に、得られたポリアミック酸の溶液を、好ましくは80〜200℃、特に好ましくは140〜180℃の温度に昇温し、ポリアミック酸の酸アミドを脱水閉環反応させることにより、ポリイミドシリコーン樹脂の溶液が得られ、この溶液を水、メタノール、エタノール、アセトニトリルといった溶剤に投入し、得られた沈殿物を乾燥することにより、ポリイミドシリコーン樹脂を得ることができる。
ここで、テトラカルボン酸二無水物に対するジアミン及びジアミノポリシロキサンの合計の割合は、好ましくはモル比で0.95〜1.05、特に好ましくは0.98〜1.02の範囲である。また、ポリイミドシリコーン樹脂を製造するときに使用される溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド等が挙げられる。また、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類を併用することでイミド化の際に生成する水を共沸により除去しやすくすることも可能である。これらの溶剤は、1種単独でも2種以上組み合わせて用いてもよい。
なお、ポリイミドシリコーン樹脂の分子量を調整するために、無水フタル酸、アニリン等の一官能基の原料を添加することも可能である。この場合の添加量はポリイミドシリコーン樹脂に対して2モル%以下が好ましい。
また、イミド化過程において、脱水剤およびイミド化触媒を添加し、必要に応じて50℃前後に加熱することにより、イミド化させる方法を用いてもよい。この方法において、脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物を用いることができる。脱水剤の使用量は、ジアミン1モルに対して1〜10モルとするのが好ましい。イミド化触媒としては、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミンなどの第3級アミンを用いることができる。イミド化触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルに対して0.5〜10モルとするのが好ましい。本イミド化手法は工程中で反応液が高温にさらされることが無く得られる樹脂が着色しにくいという点で有効である。
ジアミン及びテトラカルボン酸二無水物の少なくとも一方を複数種使用する場合も、反応方法は特に限定されるものではなく、例えば原料を予め全て混合した後に共重縮合させる方法や、用いる2種以上のジアミン又はテトラカルボン酸二無水物を個別に反応させながら順次添加する方法等がある。
本願発明における(A)ポリイミドシリコーン樹脂は、それ自体でもある程度の難燃性を有するが、(B)難燃剤を添加することによって、難燃性が向上され、電子機器、航空機、OA機器等の用途に好適に使用される。(B)難燃剤としては、テトラブロモフタルイミド、テトラブロモ無水フタル酸、デカブロモジフェニルエーテル、テトラブロモビスフェノールA、ヘキサブロモシクロドデカン、臭素化ポリスチレン、ビス(ペンタブロモフェニル)エタン、ポリ(ジブロモプロピルエーテル)、ヘキサブロモベンゼン等のハロゲン含有有機化合物、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、2-エチルヘキシルジフェニルホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、トリスークロロプロピルホスフェート、ポリリン酸塩類、赤リン系等のリン系化合物や三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ソーダ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機系難燃剤などが挙げられ、これらのうち、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルフェニルホスフェートが好ましい。
(B)難燃剤は、(A)ポリイミドシリコーン樹脂100質量部に対し、1〜200質量部、好ましくは3〜100質量部、より好ましくは3〜50質量部、最も好ましくは10〜20質量部で配合される。(A)成分中のケイ素とフェニル基と組み合わされて、難燃性が優れた硬化物を与える。難燃剤が前記下限値より少ないと難燃性の向上が十分ではなく、一方、前記上限値より多いと硬化膜の外観不良、可撓性等の物性低下が起こる傾向がある。
Zが上式(3)のものと組合わせて使用される(C)有機過酸化物としては、ジイソノナノイルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシビバレート、t-ブチルパーオキシ2−エチルエキサノエート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-アミルパーオキシネオデカノエート、t-アミルパーオキシアセテート等のアルキルパーオキシエステル、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t-アミルパーオキシ2-エチルヘキシルカーボネート等のモノパーオキシカーボネート、ジ(2-エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、1,6-ビス(4-t-ブチルパーオキシカルボニロキシ)ヘキサン、ビス(4-t-ブチルシクロへキシル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、n-ブチル-4,4-ジ(t-ブチルパーオキシ)ブチレート、1,1-ジ(t-アミルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン等のパーオキシケタール、ジクミルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、2,5ジメチル2,5ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3等のジアルキルパーオキサイド、1,1,3,3,-テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド等が挙げられるが、好ましくはモノパーオキシカーボネートまたはパーオキシジカーボネートである。これらのパーオキサイドは(A)ポリイミドシリコーン樹脂と良好な相溶性を示す。
(C)有機過酸化物の配合量は、(A)ポリイミドシリコーン樹脂100質量部に対し、0.1〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部である。配合量が前記上限値を超えると組成物の保存安定性を悪化させ、又は硬化物の劣化を早めたりする。
また、上記式(14)〜(18)のフェノール性水酸基を有するポリイミドシリコーン樹脂と組合わせて使用される(D)エポキシ樹脂の例としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジグリシジルビスフェノールA等のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジグリシジルビスフェノールF等のビスフェノールF型エポキシ樹脂、トリフェニロールプロパントリグリシジルエーテル等のトリフェニルメタン型エポキシ樹脂、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等の環状脂肪族エポキシ樹脂、ジグリシジルフタレート、ジグリシジルヘキサヒドロフタレート、ジメチルグリシジルフタレート等のグリシジルエステル系樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルトルイジン、テトラグリシジルビスアミノメチルシクロヘキサン等のグリシジルアミン系樹脂、臭素化エポキシ樹脂などが挙げられこれらの1種を単独でまたは2種以上併用して用いることができる。さらに必要に応じて1分子中にエポキシ基を1つ含む単官能エポキシ化合物を添加しても良い。
エポキシ樹脂の配合量は、(A)ポリイミドシリコーン樹脂100質量部に対し、0.1〜50質量部が好ましく、さらに好ましくは5〜40質量部である。前記下限値より少ないと、耐溶剤性の向上が十分ではなく、一方、前記上限値を超えると硬化膜の難燃性、強度等が低下する場合がある。
上記エポキシ樹脂の反応を促進させる目的で各(E)硬化促進剤を使用しても良い。硬化促進剤の例としてはトリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン等の有機ホスフィン化合物、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエタノールアミン等のアミノ化合物、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール及び2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール化合物が挙げられる。これら硬化促進剤として好ましくは2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2―メチルイミダゾールである。これら硬化促進剤の添加量は、ポリイミドシリコーン樹脂およびエポキシ化合物の総量100質量部に対して10質量部以下である。10質量部を超えると組成物のポットライフが悪くなる場合がある。
本発明の組成物は、作業性をよくするために溶剤に溶かしたワニスにして使用しても良い。使用される溶剤は上記各成分と相溶性のあるものであればよい。好適な溶剤の例としては、テトラヒドロフラン、アニソール等のエーテル類;シクロヘキサノン、2−ブタノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、2−オクタノン、アセトフェノン等のケトン類;酢酸ブチル、安息香酸メチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類;ブチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のセロソルブ類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類及びトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類が挙げられ、好ましくはケトン類、エステル類及びセロソルブ類であり、特に好ましくはシクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、n−メチル−2−ピロリドンである。これらの溶剤は単独でも2種以上組み合わせて用いてもよい。本発明の組成物に添加すべき溶剤の量は、樹脂の溶解性、塗布時の作業性、皮膜の厚さ等を考慮して、通常ポリイミドシリコーン樹脂濃度が1〜40重量%となる範囲内で使用される。組成物の保存の際には比較的高濃度に調製しておき、使用の際に所望の濃度に希釈してもよい。
その他、熱伝導性フィラー、老化防止剤、紫外線吸収剤、接着性改良剤、界面活性剤、保存安定改良剤、オゾン劣化防止剤、光安定剤、増粘剤、可塑剤、シランカップリング剤、酸化防止剤、熱安定剤、導電性付与剤、帯電防止剤、放射線遮断剤、核剤、滑剤、顔料、金属不活性化剤、物性調整剤等を本発明の目的を損なわない範囲において添加することができる。
本発明のポリイミドシリコーン樹脂組成物は、基材に塗布した後、低沸点の溶剤を含む場合には該溶剤を80〜120℃程度で揮発させた後、約150〜200℃の温度で1〜4時間加熱して硬化できる。得られる硬化膜は、弾性率が低く可撓性であり、難燃性、耐溶剤性、耐熱性を兼ね備えるので、種々の電子、電気部品や基板の保護膜等として有用である。
実施例
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
I.ポリイミドシリコーン樹脂の合成
[合成例1]
撹拌機、温度計及び窒素置換装置を備えたフラスコ内に、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物35.8g(0.1モル)およびn−メチル−2−ピロリドン400gを仕込んだ。ついで、式(19)で表されるジアミノシロキサン90.9g(0.075モル)、4,4’−(3,3’−ジヒドロキシ)ジアミノビフェニル5.4g(0.025モル)をn−メチル−2−ピロリドン100gに溶解した溶液を反応系の温度が50℃を超えないように調節しながら、上記フラスコ内に滴下した。滴下終了後、さらに室温で10時間攪拌した。つぎに、該フラスコに水分受容器付き還流冷却器を取り付けた後、キシレン30gを加え、150℃に昇温させてその温度を6時間保持したところ、黄褐色の溶液が得られた。こうして得られた溶液を室温(25℃)まで冷却した後、メタノール中に投じて、得られた沈降物を乾燥したところ、下記式(20−1)、(20−2)で夫々表される繰返し単位からなるポリイミドシリコーン樹脂を得た。

Figure 0004767931

Figure 0004767931
得られた樹脂の赤外線吸収スペクトルを測定したところ、未反応のポリアミック酸に基づく吸収は現れず、1,780cm−1および1,720cm−1にイミド基に基づく吸収を確認した。テトラヒドロフランを溶媒とするゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、この樹脂の重量平均分子量(ポリスチレン換算)を測定したところ、40,000であった。また、灰化法で測定したケイ素量は16重量%であり、29Si-NMRで測定したシロキサン中のジフェニル基シロキサン量は30モル%であった。この樹脂をポリイミドシリコーン樹脂(a)とする。
[合成例2]
撹拌機、温度計及び窒素置換装置を備えたフラスコ内に、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物35.8g(0.1モル)およびn−メチル−2−ピロリドン400gを仕込んだ。ついで、式(21)で表されるジアミノシロキサン73.5g(0.06モル)、4,4’−(3,3’−ジヒドロキシ)ジアミノビフェニル4.3g(0.02モル)および2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン8.2g(0.02モル)をn−メチル−2−ピロリドン100gに溶解した溶液を反応系の温度が50℃を超えないように調節しながら、上記フラスコ内に滴下した。滴下終了後、さらに室温で10時間攪拌した。つぎに、該フラスコに水分受容器付き還流冷却器を取り付けた後、キシレン30gを加え、150℃に昇温させてその温度を6時間保持したところ、黄褐色の溶液が得られた。こうして得られた溶液を室温(25℃)まで冷却した後、メタノール中に投じて、得られた沈降物を乾燥したところ、下記式(22−1)、(22−2)、(22−3)で夫々表される繰返し単位からなるポリイミドシリコーン樹脂を得た。

Figure 0004767931

Figure 0004767931
得られた樹脂の赤外線吸収スペクトルを測定したところ、未反応のポリアミック酸に基づく吸収は現れず、1,780cm−1および1,720cm−1にイミド基に基づく吸収を確認した。該樹脂の重量平均分子量(ポリスチレン換算)を合成例1と同様に測定したところ、39,000であった。また、灰化法で測定したケイ素量は14重量%であり、29Si-NMRで測定したシロキサン中のジフェニル基シロキサン量は29モル%であった。この樹脂をポリイミドシリコーン樹脂(b)とする。
[合成例3]
撹拌機、温度計及び窒素置換装置を備えたフラスコ内に、撹拌機、温度計及び窒素置換装置を備えたフラスコ内に、4,4’−ヘキサフルオロプロピリデンビスフタル酸二無水物44.4g(0.1モル)およびn−メチル−2−ピロリドン400gを仕込んだ。ついで、式(23)で表されるジアミノシロキサン95.4g(0.075モル)および2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン10.3g(0.025モル)をn−メチル−2−ピロリドン100gに溶解した溶液を反応系の温度が50℃を超えないように調節しながら、上記フラスコ内に滴下した。滴下終了後、さらに室温で10時間攪拌した。つぎに、該フラスコに水分受容器付き還流冷却器を取り付けた後、キシレン30gを加え、150℃に昇温させてその温度を6時間保持したところ、黄褐色の溶液が得られた。こうして得られた溶液を室温(25℃)まで冷却した後、メタノール中に投じて得られた沈降物を乾燥したところ、下記式(24−1)、(24−2)で夫々表される繰返し単位からなるポリイミドシリコーン樹脂を得た。

Figure 0004767931

Figure 0004767931
得られた樹脂の赤外線吸収スペクトルを測定したところ、未反応のポリアミック酸に基づく吸収は現れず、1,780cm−1および1,720cm−1にイミド基に基づく吸収を確認した。該樹脂の重量平均分子量(ポリスチレン換算)を合成例1と同様に測定したところ、39,000であった。また、灰化法で測定したケイ素量は14重量%であり、29Si-NMRで測定したシロキサン中のジフェニル基シロキサン量は30モル%であった。この樹脂をポリイミドシリコーン樹脂(c)とする。
[合成例4]
撹拌機、温度計及び窒素置換装置を備えたフラスコ内に、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物35.8g(0.1モル)およびn−メチル−2−ピロリドン300gを仕込んだ。ついで、式(25)で表されるジアミノシロキサン63.0g(0.075モル)、4,4’−(3,3’−ジヒドロキシ)ジアミノビフェニル5.4g(0.025モル)をn−メチル−2−ピロリドン100gに溶解した溶液を反応系の温度が50℃を超えないように調節しながら、上記フラスコ内に滴下した。滴下終了後、さらに室温で10時間攪拌した。つぎに、該フラスコに水分受容器付き還流冷却器を取り付けた後、キシレン30gを加え、150℃に昇温させてその温度を6時間保持したところ、黄褐色の溶液が得られた。こうして得られた溶液を室温(25℃)まで冷却した後、メタノール中に投じて得られた沈降物を乾燥したところ、下記式(26−1)、(26−2)で夫々表される繰返し単位からなるポリイミドシリコーン樹脂を得た。
Figure 0004767931

Figure 0004767931
得られた樹脂の赤外線吸収スペクトルを測定したところ、未反応のポリアミック酸に基づく吸収は現れず、1,780cm−1および1,720cm−1にイミド基に基づく吸収を確認した。該樹脂の重量平均分子量(ポリスチレン換算)を合成例1と同様に測定したところ、40,000であった。また、灰化法で測定したケイ素量は20重量%であった。この樹脂をポリイミドシリコーン樹脂(d)とする。
[合成例5]
撹拌機、温度計及び窒素置換装置を備えたフラスコ内に、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物35.8g(0.1モル)およびn−メチル−2−ピロリドン300gを仕込んだ。ついで、式(27)で表されるジアミノシロキサン66.6g(0.075モル)、4,4’−(3,3’−ジヒドロキシ)ジアミノビフェニル5.4g(0.025モル)をn−メチル−2−ピロリドン100gに溶解した溶液を反応系の温度が50℃を超えないように調節しながら、上記フラスコ内に滴下した。滴下終了後、さらに室温で10時間攪拌した。つぎに、該フラスコに水分受容器付き還流冷却器を取り付けた後、キシレン30gを加え、150℃に昇温させてその温度を6時間保持したところ、黄褐色の溶液が得られた。こうして得られた溶液を室温(25℃)まで冷却した後、メタノール中に投じて得られた沈降物を乾燥したところ、下記式(28−1)、(28−2)で夫々表される繰返し単位からなるポリイミドシリコーン樹脂を得た。
Figure 0004767931

Figure 0004767931
得られた樹脂の赤外線吸収スペクトルを測定したところ、未反応のポリアミック酸に基づく吸収は現れず、1,780cm−1および1,720cm−1にイミド基に基づく吸収を確認した。該樹脂の重量平均分子量(ポリスチレン換算)を合成例1と同様に測定したところ、39,000であった。また、灰化法で測定したケイ素量は19重量%であった。この樹脂をポリイミドシリコーン樹脂(e)とする。
[合成例6]
撹拌機、温度計及び窒素置換装置を備えたフラスコ内に、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物35.8g(0.1モル)およびn−メチル−2−ピロリドン400gを仕込んだ。ついで、上記式(19)で表されるジアミノシロキサン24.3g(0.02モル)、4,4’−(3,3’−ジヒドロキシ)ジアミノビフェニル10.8g(0.05モル)および2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン12.3g(0.03モル)をn−メチル−2−ピロリドン100gに溶解した溶液を反応系の温度が50℃を超えないように調節しながら、上記フラスコ内に滴下した。滴下終了後、さらに室温で10時間攪拌した。つぎに、該フラスコに水分受容器付き還流冷却器を取り付けた後、キシレン30gを加え、150℃に昇温させてその温度を6時間保持したところ、黄褐色の溶液が得られた。こうして得られた溶液を室温(25℃)まで冷却した後、メタノール中に投じて得られた沈降物を乾燥したところ、下記式(29−1)、(29−2)、(29−3)で夫々表される繰返し単位からなるポリイミドシリコーン樹脂を得た。
Figure 0004767931
得られた樹脂の赤外線吸収スペクトルを測定したところ、未反応のポリアミック酸に基づく吸収は現れず、1,780cm−1および1,720cm−1にイミド基に基づく吸収を確認した。該樹脂の重量平均分子量(ポリスチレン換算)を合成例1と同様に測定したところ、31,000であった。また、灰化法で測定したケイ素量は7重量%であり、29Si-NMRで測定したシロキサン中のジフェニル基シロキサン量は30モル%であった。この樹脂をポリイミドシリコーン樹脂(f)とする。
樹脂組成物の調製
表1に示す組成の各樹脂組成物を調製し、下記方法で評価を行なった。なお表中の部は全て質量部を表す。
難燃性の評価
各ポリイミドシリコーン樹脂組成物を、離型剤を塗布した鋼板上に、乾燥後の厚さが100μmになるように塗布し、80℃で30分、さらに180℃で1時間加熱し、ポリイミド樹脂硬化皮膜を形成した。得られた試験片について、UL94難燃性試験V−0基準の合否判定により、難燃性を評価した。
弾性率
各ポリイミドシリコーン樹脂組成物を、離型剤を塗布した鋼板上に、乾燥後の厚さが100μmとなるように塗布し、80℃で30分、さらに180℃で1時間加熱して硬化皮膜を形成したものを、粘弾性測定装置DMS6100(セイコーインスツルメンツ社製)の引っ張りモードにて25℃の貯蔵弾性率を測定した。
接着性の評価
各ポリイミドシリコーン樹脂組成物を、銅基板およびアルミ基板上に、乾燥後の厚さが100μmとなるように、夫々塗布し、80℃で30分、さらに180℃で1時間加熱し、硬化皮膜を形成した。この試験片について、碁盤目剥離テスト(JISK5400)を行い接着性を評価した。表2中の数値(分子/分母)は、分画数100(分母)当たり、剥離しない分画数(分子)を表す。即ち100/100の場合は全く剥離せず、0/100の場合はすべて剥離したことを示す。
Figure 0004767931
Figure 0004767931
表2から分かるように、本願実施例の組成物から得られる硬化膜は、いずれも弾性率が低く、且つ、難燃性に優れた。これに対して、比較例2及び3の組成物は、フェニル基を含まず、難燃性に劣った。比較例4の組成物におけるポリイミドシリコーン樹脂はケイ素量が少なく、その硬化物は可撓性に劣った。参考例1の組成物はポリマー含有量が少ないため皮膜としての強度が足りず、また、参考例2の組成物は難燃剤としての水酸化マグネシウムが組成物中で沈降し、均一な硬化物が得られず、意味のあるデータを採ることができなかった。
本発明のポリイミド樹脂組成物は、難燃性が要求される電子、電気部品や基板の保護膜等として有用である。

Claims (8)

  1. (A)ポリイミドシリコーン樹脂であって、該ポリイミドシリコーン樹脂重量の10〜25重量%でケイ素原子を含み、且つ、ケイ素原子に結合された有機基の5〜70モル%がフェニル基である、ポリイミドシリコーン樹脂、
    (B)トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルフェニルホスフェートからなる群より選ばれる少なくとも1の難燃剤を、成分(A)100質量部に対して1〜200質量部で、及び
    (F)溶剤
    を含む組成物において、
    (A)ポリイミドシリコーン樹脂が下記式(1)で表される2種の繰返し単位からなり、
    Figure 0004767931
    [式(1)中、Xは四価の有機基、Yはケイ素原子を含まない二価の有機基であり、nは0.5〜0.8の数、且つ、n+m=1であり、Zは下記式(2)で表される二価の基であり、
    Figure 0004767931
    式(2)中のR〜Rは、フェニル基以外の、炭素数1から8の非置換の一価の炭化水素基であり、a及びbは、夫々、1〜40の整数であり、但し、a+bは2〜50の整数であり、0.1≦b/(a+b)≦0.8である]
    Yの少なくとも一部が、下記式(14)〜(18)のいずれかで表される二価の基である前記組成物。
    Figure 0004767931
    Figure 0004767931
    Figure 0004767931
    Figure 0004767931
    Figure 0004767931
  2. (F)溶剤の量が、組成物中のポリイミドシリコーン樹脂濃度が1〜40重量%となる量である、請求項1に記載の組成物。
  3. (B)難燃剤が、(A)ポリイミドシリコーン樹脂100質量部に対し、5〜25質量部で含まれる、請求項1〜のいずれか1項記載の組成物。
  4. (A)ポリイミドシリコーン樹脂の、GPCで測定される重量平均分子量(ポリスチレン換算)が5,000〜150,000である、請求項1〜のいずれか1項記載の組成物。
  5. Zが下記式で表される、請求項1〜4のいずれか1項記載の組成物
    Figure 0004767931
    (式(3)中、R〜R、及びbについては、上で規定したとおりであり、a1、a2は、1〜40の整数であり、但し、a1+a2+bは2〜50の整数であり、0.1≦a2/(a1+a2+b)≦0.6である)。
  6. 触媒量の(C)有機過酸化物をさらに含む請求項記載の組成物。
  7. (D)エポキシ樹脂を(A)成分中のフェノール性水酸基1モルに対して、エポキシ基が0.2〜10モルとなる量で、及び、(E)エポキシ樹脂硬化促進剤をさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項記載の組成物。
  8. 請求項1〜のいずれか1項記載の組成物を硬化させてなる皮膜。
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