JP3226515B2 - エポキシ基を含む含燐化合物の樹脂組成物およびその用途 - Google Patents
エポキシ基を含む含燐化合物の樹脂組成物およびその用途Info
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含燐化合物の樹脂組成物およびその用途に関するもので
ある。上記の樹脂組成物により製造された製品は、UL
94V−0規準の難燃性及び高耐熱性を有し、しかもハ
ロゲン或いは三酸化アンチモン(Antimonytrioxide )
などを含まない。
は加工性がよく、安全性の高く、優れた機械的特性と化
学的特性とを有するため、すでに塗装、電気絶縁、建築
材料、接着剤や積層物などに広く利用されている。特に
エポキシ樹脂により製造された積層板は、ガラス繊維生
地などの補強材料に対して強い接着力を示し、しかも硬
化する際に揮発成分がないために成形時の収縮も少な
い。このため、エポキシ樹脂は、広く利用されており、
さらに優れた機械的強度や電気的絶縁性を示し、化学薬
品耐性も良好であるため、電気製品及び電子製品の分野
で多く利用されている。
化や高密度化などの要望が日増しに高まり、積層板に
は、優れた電気的特性、機械的特性と耐熱加工性を備え
ることが望まれている。目前広く利用されているFR4
積層板は、多くの場合硬化後に約130℃のガラス転移
温度(Tg)を示すため、プリント配線基板製造過程で
は、200℃を超えるカットや穿孔加工、および270
℃を超える溶接過程において、壊れ易いという問題があ
る。この問題を解決するため、高熱安定性や高ガラス転
移温度を有する多くの積層材料が積極的に相次いで開発
されている。このような積層材料からなる積層板には、
優れた難燃性を備えていることが要望されている。積層
板は飛行機、自動車およびその他多くの交通輸送車輛の
プリント配線基板などに用いられ、使用者の生命や財産
の安全に直接かかわりをもつため、この積層板の難燃性
は必須条件とされている。
離し、かつ燃焼性を下げる物質を導入する必要がある。
例えばエポキシ樹脂/ガラス繊維系の積層板には含ハロ
ゲン化合物がその目的で使用され、特にブロマイド含有
エポキシ樹脂は、硬化剤、さらに例えば三酸化アンチモ
ンなどの難燃助剤を配合し、積層板に必要とされる難燃
性に関する苛酷な条件(例えばUL94V−0基準な
ど)に適応できるようにしている。しかるに、エポキシ
樹脂が前記のUL94V−0基準に到達するためには、
17%〜21%という多量な臭素含量が必要とされ、し
かもさらに多くの三酸化アンチモン或いはその他の難燃
剤を配合しなければならない。ところが前記の三酸化ア
ンチモンはすでに発癌性物質としてあつかわれ、臭素は
燃焼過程において腐食性のフリーラジカルや臭化水素を
発生するのみならず、高臭素含量の芳香族化合物は、さ
らに劇毒とされている臭化フラン類や臭化ダイオキシン
類化合物を生じ、人体の健康や環境の安全性に厳重な悪
影響をもたらし問題となっている。
いる積層板がもたらす環境汚染問題を改善し、新規な難
燃性材料による積層板の出現が従来より望まれている。
また、燐系化合物はすでに多くの研究開発がなされ、新
しい時代の環境保全の目的にかなう難燃剤とみなされ、
例えば赤燐や燐を含む有機化合物(具体的には、例えば
トリフェニルホスフェート、トリベンジルホスフェー
ト、燐酸など)はハロゲン化合物に代わり難燃剤として
用いられ、すでに高分子材料や硬化樹脂の難燃性の改良
に使用されている。しかし、難燃性の目的にかなうため
には、これら前記化合物は直接大量に樹脂中に添加され
ないと効果があがらず、樹脂基材の特性、例えば電気的
特性に悪影響を与え、実用上多大な問題を残すため、さ
らなる改良の余地がある。近年、環境保全や安全性の立
場から、難燃性積層板として臭化エポキシ樹脂の代わり
に燐化エポキシ樹脂を配合することが提案されている。
例えば米国特許第 5,376,453号明細書に見られるよう
に、エポキシ基含有の燐酸エステルを窒素含有環状硬化
剤に配合した積層板が製造されている。これらは燐含量
が不充分なため、UL94V−0基準に到達できないと
いう欠点を補う目的で、多くの燐酸エステル・エポキシ
化合物を用いている。また、米国特許第 5,458,978号明
細書に記載されているように、エポキシ化燐酸エステル
を窒素含有エポキシ樹脂および金属複合化合物に配合し
た硬化剤が挙げられ、その製品はガラス転移温度が約1
75℃に達するにかかわらず、その難燃性はUL94V
−0基準すれすれにしかならず(42秒、臨界値は50
秒)、さらなる改良が必要である。さらに、米国特許第
4,973,631号明細書と米国特許第5,086,156号明細書に
は、活性水素置換基(例えばアミン基)を有するホスフ
ィンオキサイド誘導体(Phosphine oxide derivatives)
を単独使用するかまたはその他の硬化剤に配合し、エポ
キシ樹脂の硬化に使用することが提案されている。しか
し、硬化剤を用いて燐を樹脂中に導入する方法の欠点と
して燐含量の低いことが挙げられる。さらに、前記両特
許ともにその難燃効果の実測値が見られず問題が残され
ている。
問題点を解決しようとするものであって、本発明者ら
は、上記の課題解決にあたり鋭意検討を進めた結果、そ
の解決法を見出し、本発明を完成した。
の樹脂組成物であって、(1) 一般式(A)または一般式
(B)より選ばれるエポキシ基を含む含燐化合物: 一般式(A)
は1〜11の整数を表す、XはOを示し、Tは同一か相
互に異なってもよく、それぞれ独立して−O−、或いは
−NH−を示し、Aは同一か相互に異なってもよく、そ
れぞれ独立して、下記の構造を示す:
シ基
し、Yは水素原子或いは水酸基を示し、rは1〜10の
整数を表す。); 一般式(B)
は1〜11の整数を表す、XはOを示し、Tは同一か相
互に異なってもよく、それぞれ独立して−O−、或いは
−NH−を示し、Aは同一か相互に異なってもよく、そ
れぞれ独立して、下記の構造を示す:
シ基
し、Yは水素原子或いは水酸基を示し、rは1〜10の
整数を表す。);および (2) 硬化剤としてエポキシ基と反応可能の置換基をもつ
含燐化合物を含むことを特徴としている。
キシ化合物と活性基をもつ化合物との付加反応によって
製造される。そのうち、化合物(A)は、下記一般式
(C)で示す化合物: 一般式(C)
Oを示し、Tは同一か相互に異なってもよく、それぞれ
独立して−O−、或いは−NH−を示し、Aは同一か相
互に異なってもよく、それぞれ独立して、下記の構造を
示す:
1-4 アルコキシ基、
し、Yは水素原子或いは水酸基を示し、rは1〜10の
整数を表し、Z1 およびZ2 は−OHあるいは−NH 2
を示す。);と少なくともエポキシ基を二つ有する化合
物(E)との付加反応を行うことにより得られる: 一般式(E)
る。)ことが好ましい。また上記の化合物(B)は、下
記一般式(D)により示される化合物: 一般式(D)
Oを示し、Tは同一か相互に異なってもよく、それぞれ
独立して−O−、或いは−NH−を示し、Aは同一か相
互に異なってもよく、それぞれ独立して、下記の構造を
示す:
1-4 アルコキシ基、
し、Yは水素原子或いは水酸基を示し、rは1〜10の
整数を表し、Z1 'およびZ2 'は−OG、あるいは−N
HGを示し、そのうちGは、
基と反応しうる活性基を有する化合物(F)との付加反
応によって得られ: 一般式(F) H−T−A−T−H (F) (式中、Hは水素原子を示す。その他の記号の意義は前
述と同じである)なお、化合物(D)は、化合物(C)
とエピハロヒドリンとのエポキシ化反応によって得られ
ることが好ましい。
さらに燐を含まないエポキシ化合物(3)を含むことが
好ましい。また、上記燐を含まないエポキシ化合物
(3)の含量がエポキシ化合物全量の0〜95重量%の
範囲にあることが好ましい。上記の含燐化合物の樹脂組
成物に、さらに燐を含まない硬化剤(4)を含むことが
好ましい。
と、上記硬化剤の反応活性水素当量との比率が0.7:
1〜1.3:1の範囲にあることが好ましい。上記の一
般式(C)の化合物を含燐硬化剤として含むことが好ま
しい。上記燐を含まない硬化剤(4)が硬化剤全量の0
〜95重量%の範囲にあることが好ましい。
硬化促進剤(5)を含むことが好ましい。上記硬化促進
剤の比率が組成物全体の0.01〜5.0重量%の範囲
にあることが好ましい。上記硬化促進剤がイミダゾール
化合物、第四級ホスホニウム塩、第三級アミン、第三級
ホスフィン、第四級アンモニウム塩よりなる群より選ば
れることが好ましい。
上記の含燐化合物の樹脂組成物を含浸させて製造される
ことを特徴としている。本発明の積層板は、上記のプレ
プレッグ数枚を重ね合わせて製造されることを特徴とし
ている。本発明のプリント配線基板は、基板に、上記の
含燐化合物の樹脂組成物を被覆して製造されることを特
徴としている。
化合物の樹脂組成物およびその用途に関する。また、上
記の樹脂組成物は難燃性および高耐熱性を有するプレプ
レッグ、複合材料、積層物およびプリント配線基板の製
造用途に好適である。本発明にかかわる新規なエポキシ
基を含む含燐化合物の樹脂組成物は、(1)エポキシ基
を含む含燐化合物、および(2)エポキシ基と反応可能
の置換基をもつ含燐硬化剤化合物を含有することを特徴
としている。
シ基を含む含燐化合物(以下、含燐エポキシ樹脂と称す
ることもある)は、下記一般式(A)または(B)の構
造をもつ化合物である。 一般式(A)
n’は1〜11の整数を示し、XはOを示し、Tは同一
か相互に異なってもよく、それぞれ独立して−O−、あ
るいは−NH−を示し、Aは同一か相互に異なってもよ
く、それぞれ独立して下記の構造を表す:
シ基、
し、Yは水素原子或いは水酸基を示し、rは1〜10の
整数を表す。) 一般式(B)
n’は1〜11の整数を表す。XはOを示し、Tは同一
か相互に異なってもよく、それぞれ独立して−O−、あ
るいは−NH−を示し、Aは同一か相互に異なってもよ
く、それぞれ独立して下記の構造を表す:
1-4 アルコキシ基、
し、Yは水素原子或いは水酸基を示し、rは1〜10の
整数を表す。)上記の二つの含燐エポキシ化合物は、エ
ポキシ化合物と活性基をもつ化合物との付加反応によっ
て製造される。そのうち、化合物(A)は下記一般式
(C): 一般式(C)
はOを表し、Tは同一か相互に異なってもよく、それぞ
れ独立して−O−、あるいは−NH−を示し、Aは同一
か相互に異なってもよく、それぞれ独立して下記の構造
を表す:
1-4 アルコキシ基、
し、Yは水素原子或いは水酸基を示し、rは1〜10の
整数を表し、Z1 およびZ2 は−OHまたは−NH 2 を
示す。)と少なくともエポキシ基を二つ有する化合物
(E)との付加反応によって得られる: 一般式(E)
る)。上記の化合物(B)は、下記一般式(D)により
示される化合物: 一般式(D)
はOを示し、Tは同一か相互に異なってもよく、それぞ
れ独立して−O−、あるいは−NH−を示し、Aは同一
か相互に異なってもよく、それぞれ下記の構造を示す:
1-4 アルコキシ基、
し、Yは水素原子或いは水酸基を示し、rは1〜10の
整数を表し、Z'1およびZ'2は−OG、あるいは−NH
Gを示し、Gは
と反応しうる活性基を有する化合物(F)との付加反応
によって得られ: 一般式(F) H−T−A−T−H (F) (式中、Hは水素原子を示す。その他の記号の意義は前
述と同じである)。
ポキシハロゲノプロパンとのエポキシ化反応により得ら
れる。上記の付加反応は、無溶剤中、溶融反応により行
ってもよく、溶剤の存在下で還流反応により行ってもよ
い。上記の製造過程において、ハロゲン化物は使用され
ていない。
エポキシ基を有する化合物とは、二つの官能基または多
官能基を有するエポキシ化合物を指すものである。例え
ばビスフェノール、フェノール、ジオキシベンゼン、ビ
フェノール、多価フェノール、ナフタレン、パラフィ
ン、オレフィン、ナフテン、含窒素ヘテロ環化合物、フ
ェノール・アルデヒド類、シロキサン、ポリシロキサン
を含んだ、グリシジル・エーテル類、グリシジルアミン
類、グリシジルチオエーテル類とグリシジルカルボニル
エステル類などが挙げられる。
としては、HO−Ph−X−Ph−OHで表される構造
を有する化合物(式中、Phはフェニルを示す。Xは−
CH 2−、−C(CH3)2−、−CH(CH3)−、−O
−、−S−、−C(O)−、−SO2−などを示す)の
グリシジル・エーテルが挙げられる。その具体例とし
て、ビスフェノールAグリシジル・エーテル、ビスフェ
ノールFグリシジル・エーテル、ビスフェノールADグ
リシジル・エーテル、ビスフェノールSグリシジル・エ
ーテル、テトラメチルビスフェノールAグリシジル・エ
ーテル、テトラメチルビスフェノールFグリシジル・エ
ーテル、テトラメチルビスフェノールADグリシジル・
エーテル、テトラメチルビスフェノールSグリシジル・
エーテルなどが挙げられる。
体例としては、例えば4,4’−ビフェノールグリシジ
ル・エーテル、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェ
ノールグリシジル・エーテル、3,3’,5,5’−テ
トラメチル−4,4’−ビフェノールグリシジル・エー
テルなどが挙げられる。ジオキシベンゼンのグリシジル
・エーテルの具体例としては、例えば、レゾルシノール
グリシジル・エーテル、p−ジオキシベンゼングリシジ
ル・エーテル、イソブチル−p−オキシベンゼングリシ
ジル・エーテルなどが挙げられる。
・エーテルの具体例としては、例えばフェノール・アル
デヒドポリグリシジル・エーテル、クレゾール・フェノ
ール・アルデヒドポリグリシジル・エーテル、ビスフェ
ノールAフェノール・アルデヒドポリグリシジル・エー
テルなどが挙げられる。また、その他の多価フェノール
のポリグシジル・エーテルの具体例としては、例えばト
リス(4−ハイドロキシフェニル)メタンポリグリシジ
ル・エーテル、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタ
ンポリグリシジル・エーテル、トリス(4−ハイドロキ
シフェニル)プロパンポリグリシジル・エーテル、トリ
ス(4−ハイドロキシフェニル)ブタンポリグリシジル
・エーテル、トリス(3−メチル−4−ハイドロキシフ
ェニル)メタンポリグリシジル・エーテル、トリス
(3,5−ジメチル−4−ハイドロキシフェニル)メタ
ングリシジル・エーテル、テトラキス(4−ハイドロキ
シフェニル)エタンポリグシジル・エーテル、テトラキ
ス(3,5−ジメチル−4−ハイドロキシフェニル)エ
タンポリグリシジル・エーテル、テトラキス(3,5−
ジメチル−4−ハイドロキシフェニル)エタンポリグシ
ジル・エーテルなどが挙げられる。
混合物を用いてもよい。上記のグリシジル エーテル
中、より好ましくはジ官能基のビスフェノールAグリシ
ジル・エーテル、レゾルシノールグリシジル・エーテル
など、また三つの官能基を有するトリス(4−ハイドロ
キシフェニル)メタンポリグリシジル・エーテルなど、
四つの官能基を有するテトラキス(4−ハイドロキシフ
ェニル)エタンポリグリシジル・エーテル、クレゾール
フェノールアルデヒドポリグリシジル・エーテルなどの
化合物やそれらの混合物が用いられる。
に、グリシジル・エーテル基をグリシジルアミン基、グ
リシジルチオエーテル基またはグリシジルカルボニルエ
ステル基で置換した化合物を用いることもできる。上記
の付加反応において、エポキシ基と反応しうる少なくと
も二つの活性基を有する化合物の具体例としては、例え
ばアミン類、ビスフェノール、ジオキシベンゼン、多価
フェノール、フェノール・アルデヒド類、ナフタレン、
オレフィン、ナフテン、含窒素ヘテロ環化合物、シロキ
サン、ポリシロキサン、ポリチオールおよびポリ炭酸な
ど、および上記の化合物の混合物が挙げられる。
ェニルメタン、ポリアミン(polyamine) などが好まし
い。ビスフェノールとしては、HO−Ph−X−Ph−
OHで示されるものが好ましい(この式において、Ph
はフェニルを示す。Xは−CH2 −、−C(CH3)2
−、−CH(CH3 )−、−O−、−S−、−C(O)
−、−SO2 などを示す)。具体的には、ビスフェノー
ルA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフ
ェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメ
チルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールA
D、テトラメチルビスフェノールS、4,4’−ビフェ
ノール、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェノー
ル、3,3’5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフ
ェノールなどが含まれる。
ルシノール、p−ジハイドロキシベンゼン、イソブチル
−p−ジハイドロキシベンゼンが好ましい。多価フェノ
ールの好ましい例としては、具体的にはトリス(4−ハ
イドロキシフェニル)メタン、トリス(4−ハイドロキ
シフェニル)エタン、トリス(4−ハイドロキシフェニ
ル)プロパン、トリス(4−ハイドロキシフェニル)ブ
タン、トリス(3−メチル−4−ハイドロキシフェニ
ル)メタン、トリス(3,5−ジメチル−4−ハイドロ
キシフェニル)メタン、テトラキス(4−ハイドロキシ
フェニル)エタン、テトラキス(3,5−ジメチ−4−
ハイドロキシフェニル)エタンなどが含まれる。
しては、具体的にはフェノール・アルデヒド縮合物、ク
レゾール・アルデヒド縮合物、ビスフェノールAフェノ
ール・アルデヒド縮合物が含まれる。このうち、さらに
好ましいものとしては、二つの官能基を有するビスフェ
ノールA、ビスフェノールF、テトラメチルビスフェノ
ールF、4, 4’−ビフェノール、3,3’−ジメチル
−4,4’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テト
ラメチル−4,4’−ビフェノール、および三つの官能
基を有するトリス(4−ハイドロキシフェニル)メタ
ン、および四つの官能基を有するテトラキス(4−ハイ
ドロキシフェニル)エタン、およびクレゾール・フェノ
ール・アルデヒドなどが挙げられる。
応可能な活性基を有する化合物と、少なくとも二つのエ
ポキシ基を含有するエポキシ化合物との使用比率は、5
〜95:95〜5重量%であり、好ましくは10〜9
0:90〜10重量%、更に好ましくは20〜80:8
0〜20重量%、最も好ましくは30〜60:70〜4
0重量%である。
い。この触媒としては、具体的には、例えば第三級アミ
ン、第三級ホスフィン、第四級アンモニウム塩、第四級
ホスホニウム塩、トリフルオロ硼素の錯塩、リチウム化
合物、イミダゾール化合物などが挙げられる。上記の触
媒は単独で使用してもよく、複数の種類を混合して用い
てもよい。上記に例示したうちで、より好ましくは第三
級ホスフィンおよび第四級ホスホニウム塩が挙げられ、
特に好ましくはトリフェニルホスフィン、エチルトリフ
ェニルホスホニウム酢酸錯体、ブチル・トリフェニルホ
スホニウムブロマイドなどが挙げられる。
応化合物に対して通常50〜50,000ppmの範
囲、好ましくは100〜30,000ppmの範囲、更
に好ましくは200〜10,000ppmの範囲、最も
好ましくは500〜2,000ppmの範囲が良い。触
媒の使用量が上記の範囲を超えた場合、反応時間は短縮
するが、副産物が発生し易く、且つ製品の性質に悪い影
響をもたらす。例えば、電気回路基板の積層物として用
いる場合、その電気的性質、抗湿性、吸水性などが劣化
することがある。逆に触媒の使用量が上記の範囲より少
ない場合、反応速度が遅くなり、生産に不利となる。
温度範囲で行われ、好ましくは50〜250℃の範囲、
更に好ましくは100〜220℃の範囲、最も好ましく
は100〜190℃の温度範囲で行われる。反応温度が
高くなりすぎると、副産物が生じ易く、且つ反応速度の
コントロールが難しく、樹脂の劣化が生じる恐れもあ
る。反対に反応温度が低すぎた場合、反応の効率が悪
く、得られる樹脂製品も高温度下での使用に向かなくな
る。
む含燐化合物は単独で用いても良く、さらに他の燐を含
まないエポキシ樹脂と混合して用いることもできる。上
記の燐を含まないエポキシ樹脂としては、例えばビスフ
ェノール、フェノール、ナフタレン、オレフィン、ナフ
テン、含窒素ヘテロ環化合物、フェノール・アルデヒド
類、シロキサン、ポリシロキサンまたはHO−Ph−X
−Ph−OHで示される化合物(この式において、Ph
はフェニルを示す。Xは−CH2 −,−C(CH3 )2
−、−CH(CH3 )−、−O−、−S−、−C(O)
−、−SO2 −などを示す)などのグリシジル・エーテ
ル、グリシジルアミン、グリシジル・チオールとグリシ
ジルカルボン酸エステルなどが挙げられる。さらに本発
明においては、改質されたエポキシ樹脂も用いられる、
例えばオキサゾリジノン(Oxazolidinone )改質のエポ
キシ樹脂(Angew . Makromal Chem.第44巻、第151 頁、
1975年の文献を参照)やメラミン(Melamine)改質のエ
ポキシ樹脂などが使用される。
他の含燐化合物エポキシ樹脂を混合使用して、樹脂の物
理的性質や機械的性質を調整することもできる。これら
低分子量の含燐エポキシ樹脂の合成については多くの方
法が知られており、例えば、Zh.Obsch Khim.,第54巻、
第2404頁、1984;日本国特開昭51-143620号公報;米国
特許第2,856,369号明細書などにそれらの合成方法が開
示されている。
反応する置換基を有する含燐化合物(硬化剤)として、
前記の一般式(C)で示す化合物が挙げられる。本発明
の樹脂組成物としては、上記の組成のほか、必要に応じ
て公知の燐を含まない硬化剤を配合することも可能であ
り、それらは組成物の最終的に必要とされる性質により
決められるものである。
例えばノーボラック樹脂類、および少なくとも−OH
−、−NH2、−SH、−COOH基を二つ含むビスフ
ェノール、フェノール、ナフタレン、オレフィン、ナフ
テン、含窒素ヘテロ環、フェノール・アルデヒド類、シ
ロキサン、ポリシロキサン、およびPh−X−Phで示
される化合物(この式において、Phはフェニルを示
す。Xは−CH2 −、−C(CH3 )2 −、−CH(C
H3 )−、−O−、−S−、−C(O)−、−SO 2 −
など)等が挙げられる。上記の燐を含まない硬化剤は、
硬化剤全量に対して、0〜95重量%、好ましくは0〜
55重量%とする。
ましい例としては、例えばジシアンジアマイド(DIC
Y)、ジアミノジフェニルメタン(DDM)、ジエチル
トリアミン(DETA)、ジアミノジフェニルスルホン
(DDS)、m−フェニレンジアミン(MPDA)等が
挙げられる。少なくともカルボキシル基を二つ含む硬化
剤の好ましい例としては、例えばマレイン酸無水物(M
A)、フタル酸無水物(PA)、ヘキサヒドロフタル酸
無水物(HHPA)、テトラヒドロフタル酸無水物(T
HPA)等が挙げられる。
の好ましい例としては、例えばトリス(4−ハイドロキ
シフェニル)メタン、トリス(4−ハイドロキシフェニ
ル)エタン、トリス(4−ハイドロキシフェニル)プロ
パン、トリス(4−ハイドロキシフェニル)ブタン、ト
リス(3−メチル−4−ハイドロキシフェニル)メタ
ン、トリス(3,5−ジメチル−4−ハイドロキシフェ
ニル)メタン、テトラキス(4−ハイドロキシフェニ
ル)エタン、テトラキス(3,5−ジメチル−4−ハイ
ドロキシフェニル)エタンなどが挙げられる。
の好ましい例としては、例えばm−ジメルカプトフェノ
ール、ジメルカプトジフェニルメタン、トリス(4−メ
ルカプトフェニル)メタン、トリス(4−メルカプトフ
ェニル)エタン、トリス(3−メチル−4−メルカプト
フェニル)メタン、テトラキス(3,5−メチル−4−
メルカプトフェニル)エタンなどが挙げられる。
体的に例えばフェノール・アルデヒド縮合物、クレゾー
ル・フェノール・アルデヒド縮合物、ビスフェノールA
フェノール・アルデヒド縮合物が挙げられる。硬化剤の
使用量は、エポキシ基を含む含燐化合物のエポキシ当量
と硬化剤の反応活性水素当量との比率が0.5:1〜
1.5:1の範囲、好ましくは0.7:1〜1.3:1
の範囲が良い。
野で使用され、例えば積層物、プリント配線基板、IC
シーラント、高耐熱性粉末塗装、エンジニアリング・プ
ラスチックなどの用途に用いられる。本発明の樹脂組成
物において、必要により硬化促進剤、溶剤、その他の添
加剤などを添加しても良い。
ては、例えば第三級アミン、第三級ホスフィン、第四級
アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩やイミダゾール
化合物などが挙げられる。上記の硬化促進剤は単独で用
いても良く、二種以上を混合して使用しても良い。上記
の第三級アミンとしては、例えばトリエチルアミン、ト
リブチルアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス
(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N
−ジメチルアミノクレゾールなどが挙げられる。
トリフェニルホスフィンが挙げられる。上記の第四級ア
ンモニウム塩としては、例えば塩化テトラメチルアンモ
ニウム、臭素化テトラメチルアンモニウム、ヨード化テ
トラメチルアンモニウム、塩化トリメチルベンジルアン
モニウム、臭素化トリメチルベンジルアンモニウム、ヨ
ード化トリメチルベンジルアンモニウムなどが挙げられ
る。
化テトラブチルホスホニウム、臭素化テトラブチルホス
ホニウム、ヨード化テトラブチルホスホニウム、テトラ
ブチルホスホニウム酢酸錯体、塩化テトラフェニルホス
ホニウム、臭素化テトラフェニルホスホニウム、ヨード
化テトラフェニルホスホニウム、塩化エチルトリフェニ
ルホスホニウム、臭素化エチルトリフェニルホスホニウ
ム、ヨード化エチルトリフェニルホスホニウム、エチル
トリフェニルホスホニウム酢酸錯体、エチルトリフェニ
ルホスホニウム燐酸錯体、塩化プロピルトリフェニルホ
スホニウム、臭素化プロピルトリフェニルホスホニウ
ム、ヨード化プロピルトリフェニルホスホニウム、塩化
ブチルトリフェニルホスホニウム、臭素化ブチルトリフ
ェニルホスホニウム、ヨード化ブチルトリフェニルホス
ホニウムなどが挙げられる。
ば2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾー
ル、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ドデシ
ルイミダゾールや2−ヘプタデシルイミダゾールなどが
挙げられる。硬化促進剤のより好ましい例としては、イ
ミダゾール化合物と第四級ホスホニウム塩が挙げられ、
特に2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾー
ル、エチルトリフェニルホスホニウム酢酸錯体や臭素化
ブチルトリフェニルホスホニウムが最も好ましく用いら
れる。
物全体に対して、通常0〜5.0重量%の範囲、好まし
くは0.01〜5.0重量%の範囲、より好ましくは
0.01〜4.5重量%の範囲、更に好ましくは0.1
〜4.0重量%の範囲、特に0.15〜3.0重量%の
範囲で使用するのが最も好ましい。組成物に含ハロゲン
化合物を含まないことが本発明の特徴ではあるが、含ハ
ロゲン化合物の含量が非常に少ない場合(例えば200
ppm以下)は、本発明の効果に対して実質上何の影響
もない。本発明に使用される硬化促進剤そのものの使用
量は、一般に0.01〜5.0重量%であるので、製造
された製品はハロゲンを含まない基板の規定に適合する
(ハロゲン検出量が900ppm以下ならば工業製品の
標準に適合する)ため、硬化促進剤にこの程度の量のハ
ロゲン含有化合物があっても実質上の影響はない。
ことにより組成物の粘度を調節することができるが、通
常その粘度は20〜500cps/25℃の範囲に調節
されるのが望ましい。粘度の測定は、組成物を25℃の
恒温槽内に4時間放置し、ブルックフィールド(Brookf
ield)粘度計により25℃下で行われる。使用される溶
剤としては、有機芳香族炭化水素類、ケトン類、プロト
ン系溶剤、エーテル類およびエステル類などが良い。
ばトルエン、キシレンなどが挙げられる。上記のケトン
類としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトンなどが挙げられる。上記のプロト
ン系溶剤としては、例えばN,N−ジメチルホルムアマ
イド、N,N−ジエチルホルムアマイド、ジメチルスル
ホキシドなどが挙げられる。
ングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテルなどが挙げられる。上記のエステ
ル類としては、例えば酢酸エチルエステル、イソプロピ
オン酸エチルエステルなどが挙げられる。本発明におい
て、使用されうるその他の添加剤としては、通常本技術
領域で用いられる添加剤、例えば改質剤、熱安定剤、光
安定剤、紫外線吸収剤や可塑剤などが挙げられる。
高耐熱材料分野で用いられる。例えば積層物、積層電気
回路シーランド、高耐熱性粉末塗装、エンジニアリング
・プラスチックなどが挙げられる。本発明において、樹
脂組成物は含浸により基材を処理してプレプレッグ(pr
epreg )としても良い。上記含浸用の基材としては、例
えば紙、ガラス、金属、カーボン繊維、ボロン繊維、セ
ロファン(cellophane)や有機高分子材料などの無機お
よび有機性の材料が挙げられる。
により銅箔や繊維支持体との積層物にすることも可能で
ある。例えばガラス繊維質の布地を本発明の樹脂組成物
中に含浸し、次いで加熱乾燥することにより乾燥プレプ
レッグを製造する。上記の方法により製造したプレプレ
ッグは極めて優れた保存性を示し、室温下で数カ月保存
され得る。上記のプレプレッグから、さらに成形するこ
とにより複合材料積層板が得られる。またプレプレッグ
を単独使用することによりプレプレッグの接着物として
用いられる。或いは一種または多くのプレプレッグを組
み合わせた後、その一面或いは両面に銅箔を重ねて加圧
・加熱することにより積層板を製造しても良い。上記の
方法により得られる積層板はサイズ安定性、耐化学薬品
性、耐腐蝕性、吸湿性や電気的性質など全ての面で従来
の製品に比べて優れた特性を示し、電子、宇宙衛星、交
通分野などで用いられる電気製品に適用され、プリント
配線基板やマルチ配線基板などに広く利用され得る。
機械特性に優れた新規なエポキシ基を含む含燐樹脂組成
物とその用途を提供するものである。
発明について説明するが、それら実施例は本発明を制限
するものではない。以下に示すエポキシ当量や固形成分
は下記方法により測定したものである。エポキシ当量(Epoxy equivalent weight,EEW と略
す): エポキシ樹脂をクロロベンゼンとクロロホルム
(1:1)の混合溶剤に溶かし、臭化水素/氷酢酸を用
い、クリスタルバイオレット(Crystal violet)を指示
剤として、ASTMD1652に記載された方法により
滴定して測定を行なった。単位はg/eqである。
組成物のワニス・ペンキ試料を150℃下で60分間焼
成した後、不揮発性成分の重量%を測定し、固形成分と
した。本説明書中に用いられるエポキシ樹脂を下記に示
す。エポキシ樹脂(1): 本製品は長春人造樹脂社により生
産され、BEI88ELの商品名で市販されているビス
フェノールAのジグリシジルエーテルである。そのエポ
キシ当量は、185〜195g/eqの範囲にあり、加
水分解性のクロール量は200ppm以下、粘度は1
1,000〜15,000cps/25℃の範囲にある
ものである。
リシジルエーテルであり、そのエポキシ当量は115〜
125g/eqの範囲を示すものである。ハイドロキシフェニル燐酸エステル(A): オキシ塩化
燐(POCl3)と、フェノールおよびレゾルシノールとの
反応により得られ、そのハイドロキシ当量は250〜2
80g/eqの範囲を示す。
ル容積の五つロフラスコを反応容器として用い、フラス
コに温度および気圧のコントロール装置を付設し、さら
に水とエピクロルヒドリンとの共留混合物を水相と油相
とに冷却分離する装置をも付設しておき、そこへハイド
ロキシフェニル燐酸エステル(A)600gとエピクロ
ルヒドリン1245gとを加えて、大気圧下で均一に溶
解するまで攪拌を続けた後、190mmHgの絶対圧力
下において70℃まで加熱した。得られた該溶液の平衡
温度および圧力下において、一定の速度で218.88
gの49.3%の水酸化ナトリウム溶液を4時間かけて
添加し、同時に反応容器中の水を共沸により蒸留した。
共沸混合物を冷却することにより水相と油相とに分離
し、油相は反応系内にフィードバックしながら反応を続
け、水相は反応系より排除した。反応終了後、減圧蒸留
して残留するエピクロルヒドリンや溶剤を除去した。反
応により得られたエポキシ樹脂組成物は、メチルエチル
ケトンおよびイオンフリー水溶液に溶解し、水洗により
樹脂内の塩化ナトリウムを除き、更に減圧蒸留すること
によりメチルエチルケトンを除き、淡褐色の含燐エポキ
シ樹脂(A)795gを得た。そのエポキシ当量は35
7であった。
および温度コントロール装置を備えた1リットル容積の
五つロフラスコを反応容器として用いた。この反応容器
に、更に攪拌棒をフラスコの中央口に備えて、電動攪拌
機と連携して攪拌できるようにし、両側辺の二つの口に
サーモカップルと水冷式冷却器を独立して取りつけ、さ
らに窒素ガス導入口および原料供給口を他の二つの口に
分けて設置した。原料供給口よりハイドロキシフェニル
燐酸エステル(A)300gおよびエポキシ樹脂(1)
264gを加え、窒素ガスを導入して、反応容器を12
0℃になるまで加温し、完全に溶解させた後、同じ温度
下で真空乾燥した。再度窒素ガスを導入し、二回乾燥を
繰り返した。反応容器の温度を80℃まで降温し、触媒
として10%のエチルトリフェニルホスホン酸塩酢酸錯
体0.52gのメタノール溶液を添加した後、反応温度
を160℃まで昇温し、120分間反応を行なうことに
より、含燐エポキシ樹脂(B)を得た。そのエポキシ当
量は1275であった。
供給口より含燐エポキシ樹脂(A)100gおよびレゾ
ルシノール7.82gを加え、窒素ガスを導入して、1
20℃になるまで加温した。含燐エポキシ樹脂(A)お
よびレゾルシノールが完全に溶解した後、同温度下で真
空乾燥した。再度、窒素ガスを導入し、二回真空乾燥を
繰り返した。
ィン0.06gを加え、反応温度を175℃に昇温させ
て1時間反応した後、含燐エポキシ樹脂(C)を得た。
そのエポキシ当量は1167を示した。
例2で使用したと同様の反応容器を用い、原料供給によ
りエポキシ樹脂(A)100gおよびビスフェノールA
15.35gを加え、窒素ガスを導入し、反応容器を1
20℃になるまで昇温し、含燐エポキシ樹脂(A)およ
びビスフェノールAが完全に溶解した後、同温度下で真
空乾燥した。再度窒素を導入し、二回真空乾燥を繰り返
した。
ン0.06gを加え、反応温度を175℃まで昇温し、
1時間反応させ、含燐エポキシ樹脂(D)を得た。その
エポキシ当量は897であった。
例2で使用したと同様の反応装置を用い、原料供給口よ
り含燐エポキシ樹脂(A)125.0gおよびハイドロ
キシフェニル燐酸エステル(A)20.0gを加え、窒
素ガスを導入して、反応容器を120℃まで昇温し、上
記原料が完全に溶解した後、同温度下で真空乾燥して、
含燐エポキシ樹脂(A)中に含まれたアセトンを回収し
た。生成物が完全に乾燥した後、再度窒素ガスを導入し
て真空乾燥を二回繰り返し行った。
ン0.06gを加え、反応温度を175℃まで昇温させ
て1時間反応させて、含燐エポキシ樹脂(E)を得た。
そのエポキシ当量は293であった。
例2で使用したと同様の反応装置を用い、原料供給口よ
りハイドロキシフェニル燐酸エステル(A)50gおよ
びエポキシ樹脂(5)82.6gを加え、窒素ガスを導
入し、反応容器を120℃まで昇温し、前記原料物質が
完全に溶解した後、同温度下で真空乾燥した。更に窒素
ガスを通して真空乾燥を二回繰り返した。反応容器の温
度を80℃まで昇温し、触媒として10%エチルトリフ
ェニルホスホン酸塩の酢酸錯体0.50gを加えた後、
反応容器を160℃まで昇温して120分間反応を行な
い、含燐エポキシ樹脂(F)を得た。そのエポキシ当量
は272を示した。
施例1〜6として、その結果を表1に示す。その対照と
して比較例1および2を掲げる。上記合成した含燐エポ
キシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤と溶剤を表1に示す配合
比率で添加し、室温下において含燐エポキシ樹脂組成物
を得た。
CNE200A80として市販されているクレゾール・
アルデヒド縮合物のポリグリシジルエーテルであり、そ
のエポキシ当量は200〜220g/eqの範囲にあっ
て、溶剤にアセトンを用い、固形成分は79.0〜8
0.1重量%の範囲であった。** エポキシ樹脂(3) :長春人造樹脂社製品、商品
名BEB530A80として市販されているテトラブロ
モビスフェノールAのジグリシジルエーテルであって、
そのエポキシ当量は430〜450g/eqの範囲にあ
り、臭素含量は18.5〜20.5重量%の範囲であっ
た。*** エポキシ樹脂(4) :長春人造樹脂社製品、商
品名BEB526A80として市販されているテトラブ
ロモビスフェノールAのジグリシジルエーテルであっ
て、そのエポキシ当量は410〜430g/eqの範囲
にあり、臭素含量は19.0〜21.0重量%の範囲で
あった。**** 硬化剤(A) :10%ジシアンジアマイドの
ジメルホルムアミド溶液を示す。特性調査試験 :実施例または比較例により調製した含燐
エポキシ樹脂組成物を用いて、ガラス繊維布地を含浸し
た後、150℃で加熱乾燥してプレプレッグを得た。次
に示差走査式熱量計(Differential scanning calorime
ter TA2910型、DSCと略す)を用いてガラス転
移温度を測定し、さらに燃焼試験により、その難燃性を
評価した。上記試験の結果を表2に示す。表2の結果よ
り、本発明の組成物により製造されたプレプレッグは難
燃性を示し、そのガラス転移温度も非常に高いことがわ
かる。
基づいて行った。すなわち、上記各種のプレプレッグを
用い、8枚重ね合わせ、その上下の面に各々35μm厚
さの銅箔を置き、185℃、25kg/cm2 の温度、
圧力で圧縮して、プレプレッグの積層物を作り、分析し
た結果の詳細を表3に示す。表3の結果より、本発明の
組成物は全ての調査試験項目において、必要とする条件
に到達していることがわかる。
製造したプレプレッグおよびその積層物は、優れた難燃
性を示し、かつガラス転位温度が190℃以上にも達す
ることがわかる。さらに、プレプレッグおよびその積層
物は、耐溶接性、剥離強さ、表面抵抗、体積抵抗、誘電
率と逸散度など全ての面で、規準の要望に達するか、よ
り優れていることがわかる。
Claims (15)
- 【請求項1】 エポキシ基を含む含燐化合物の樹脂組成
物であって、 (1) 一般式(A)または一般式(B)より選ばれるエポ
キシ基を含む含燐化合物: 一般式(A) 【化1】 (式中、m'は1〜11の整数を表し、n'は1〜11の
整数を表す、 XはOを示し、 Tは同一か相互に異なってもよく、それぞれ独立して−
O−、或いは−NH−を示し、 Aは同一か相互に異なってもよく、それぞれ独立して、
下記の構造を示す: 【化2】 R"はC1-4 アルキル基、C1-4 アルコキシ基 【化3】 R1 およびR2 はC1-4 アルキル基を示し、 Yは水素原子或いは水酸基を示し、 rは1〜10の整数を表す。); 一般式(B) 【化4】 (式中、m'は1〜11の整数を表し、n'は1〜11の
整数を表す、 XはOを示し、 Tは同一か相互に異なってもよく、それぞれ独立して−
O−、或いは−NH−を示し、 Aは同一か相互に異なってもよく、それぞれ独立して、
下記の構造を示す: 【化5】 R"はC1-4 アルキル基、C1-4 アルコキシ基 【化6】 R1 およびR2 はC1-4 アルキル基を示し、 Yは水素原子或いは水酸基を示し、 rは1〜10の整数を表す。);および (2) 硬化剤としてエポキシ基と反応可能の置換基をもつ
含燐化合物を含むことを特徴とするエポキシ基を含む含
燐化合物の樹脂組成物。 - 【請求項2】 一般式(A)に示す化合物は、下記一般
式(C)に示す化合物: 一般式(C): 【化7】 (式中、mは0〜10の整数を表し、 XはOを示し、 Tは同一か相互に異なってもよく、それぞれ独立して−
O−、或いは−NH−を示し、 Aは同一か相互に異なってもよく、それぞれ独立して、
下記の構造を示す: 【化8】 R'およびR"はC1-4 アルキル基、C1-4 アルコキシ
基、 【化9】 R1 およびR2 はC1-4 アルキル基を示し、 Yは水素原子或いは水酸基を示し、 rは1〜10の整数を表し、 Z1 およびZ2 は−OH、あるいは−NH 2 を示
す。);と少なくともエポキシ基を二つ有する化合物
(E)との付加反応を行うことにより得られる: 一般式(E) 【化10】 (式中、記号の意義は上述と同じである。)ことを特徴
とする請求項1に記載の含燐化合物の樹脂組成物。 - 【請求項3】 上記の化合物(B)は、下記一般式
(D)により示される化合物: 一般式(D) 【化11】 (式中、mは0〜10の整数を表し、 XはOを示し、 Tは同一か相互に異なってもよく、それぞれ独立して−
O−、或いは−NH−を示し、 Aは同一か相互に異なってもよく、それぞれ独立して、
下記の構造を示す: 【化12】 R'およびR"はC1-4 アルキル基、C1-4 アルコキシ
基、 【化13】 R1 およびR2 はC1-4 アルキル基を示し、 Yは水素原子或いは水酸基を示し、 rは1〜10の整数を表し、 Z1 'およびZ2 'は−OG、あるいは−NHGを示し、
そのうちGは、 【化14】 を示す。);と少なくとも二つのエポキシ基と反応しう
る活性基を有する化合物(F)との付加反応によって得
られ: 一般式(F) H−T−A−T−H (F) (式中、Hは水素原子を示す。その他の記号の意義は前
述と同じである)なお、化合物(D)は、化合物(C)
とエピハロヒドリンとのエポキシ化反応によって得られ
ることを特徴とする請求項1に記載の含燐化合物の樹脂
組成物。 - 【請求項4】 請求項1に記載の含燐化合物の樹脂組成
物に、さらに燐を含まないエポキシ化合物(3)を含む
ことを特徴とする含燐化合物の樹脂組成物。 - 【請求項5】 上記燐を含まないエポキシ化合物(3)
の含量がエポキシ化合物全量の0〜95重量%の範囲に
あることを特徴とする請求項4に記載の含燐化合物の樹
脂組成物。 - 【請求項6】 請求項4に記載の含燐化合物の樹脂組成
物に、さらに燐を含まない硬化剤(4)を含むことを特
徴とする含燐化合物の樹脂組成物。 - 【請求項7】 上記エポキシ化合物のエポキシ当量と、
上記硬化剤の反応活性水素当量との比率が0.7:1〜
1.3:1の範囲にあることを特徴とする請求項1〜6
のいずれかに記載の含燐化合物の樹脂組成物。 - 【請求項8】 請求項2に示す一般式(C)の化合物を
含燐硬化剤として含むことを特徴とする請求項1に記載
の含燐化合物の樹脂組成物。 - 【請求項9】 上記燐を含まない硬化剤(4)が硬化剤
全量の0〜95重量%の範囲にあることを特徴とする請
求項6に記載の含燐化合物の樹脂組成物。 - 【請求項10】 請求項1〜5に記載の含燐化合物の樹
脂組成物に、さらに硬化促進剤(5)を含むことを特徴
とする含燐化合物の樹脂組成物。 - 【請求項11】 上記硬化促進剤の比率が組成物全体の
0.01〜5.0重量%の範囲にあることを特徴とする
請求項10に記載の含燐化合物の樹脂組成物。 - 【請求項12】 上記硬化促進剤がイミダゾール化合
物、第四級ホスホニウム塩、第三級アミン、第三級ホス
フィン、第四級アンモニウム塩よりなる群より選ばれる
ことを特徴とする請求項10に記載の含燐化合物の樹脂
組成物。 - 【請求項13】 基板に、請求項1に記載の含燐化合物
の樹脂組成物を含浸させて製造されることを特徴とする
プレプレッグ。 - 【請求項14】 請求項13に記載のプレプレッグ数枚
を重ね合わせて製造されることを特徴とする積層板。 - 【請求項15】 基板に、請求項1に記載の含燐化合物
の樹脂組成物を被覆して製造されることを特徴とするプ
リント配線基板。
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