JP2789909B2 - 車両のトラクションコントロール装置 - Google Patents

車両のトラクションコントロール装置

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JP2789909B2
JP2789909B2 JP2943792A JP2943792A JP2789909B2 JP 2789909 B2 JP2789909 B2 JP 2789909B2 JP 2943792 A JP2943792 A JP 2943792A JP 2943792 A JP2943792 A JP 2943792A JP 2789909 B2 JP2789909 B2 JP 2789909B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車輪の駆動スリップ (ホ
イールスピン) を防止する車両のトラクションコントロ
ール装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トラクションコントロール装置としては
従来、特開昭61−85248 号公報に開示されている如く、
スピンしている駆動車輪を制動することによりスピンを
防止するようにした型式のものがある。
【0003】この種装置においては、車輪の駆動スリッ
プ発生時、トラクションコントロール用に設けた液圧源
の液圧を自動ブレーキ液圧として駆動車輪へ供給するこ
とにより駆動スリップを抑制し、駆動スリップの解消に
つれ駆動車輪へのブレーキ液圧を減圧するサイクルを繰
返すことにより、駆動スリップを最も効率良く防止する
ことができる。
【0004】しかして従来は、ブレーキ液圧の増減圧を
一定の速度で行うものであったため、制動力の変化速度
が常時適切であるという訳にゆかず、以下の問題が懸念
される。
【0005】即ち、ブレーキ液圧が零近くの低い間も通
常と同じ速度でブレーキ液圧を減圧するのでは、これが
速過ぎて制動音や振動を生じてしまう。又、ブレーキ液
圧が例えば30kg/cm2 以上の高い間も通常と同じ速度で
ブレーキ液圧を減圧すべくこのブレーキ液圧を上記サイ
クルの繰返しによりデューティ制御するのでは、自動ブ
レーキトルクの周期的な変動が大きくなって振動を生
じ、とりわけサスペンションのワインドアップ方向にお
ける共振を生起させ易く、不快な異音や振動を生ずると
いう問題があった。
【0006】前者の問題に対しては、本願出願人が先に
提案した特開平3−125661号公報の発明における
実施例中、特に同公報第395 頁右下欄第18行乃至第396
頁左上欄第8行間に記載の如く、ブレーキ液圧の低い間
における減圧を通常より低速で行なわせる技術で当該問
題を解消できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかして後者の問題に
対してこれを解消する技術が従来なかった。本発明はブ
レーキ液圧を高い時はデューティ制御により低下させ
ず、連続低下させるようにすることで後者の問題を解消
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的のため本発明の
トラクションコントロール装置は図1に概念を示す如
く、車輪の駆動スリップに応動するデューティ式圧力制
御弁を具え、該圧力制御弁からのブレーキ液圧により作
動される自動ブレーキ手段により前記車輪を制動して駆
動スリップを防止し、駆動スリップの解消に応じ前記自
動ブレーキ手段のブレーキ液圧をデューティ式圧力制御
弁により減圧制御して車輪の制動力を低下させるように
した車両において、前記ブレーキ液圧が設定値以上であ
るのを検知する高ブレーキ液圧検知手段と、該ブレーキ
液圧の減圧中を検知するブレーキ液圧減圧検知手段と、
この減圧中、ブレーキ液圧が前記設定値以上の高圧であ
る間、前記両検知手段からの信号に応答して前記圧力制
御弁を減圧位置に保持する減圧保持手段とを設けて構成
したものである。
【0009】
【作用】圧力制御弁は車輪の駆動スリップに応じたデュ
ーティ制御によりブレーキ液圧を生じさせ、このブレー
キ液圧により自動ブレーキ手段は車輪を制動して駆動ス
リップを防止する。そして、駆動スリップの解消に応じ
デューティ式圧力制御弁はブレーキ液圧を減圧して車輪
の制動力を低下させることで、不必要な制動がかからな
いようにする。
【0010】ところで、ブレーキ液圧減圧検知手段がブ
レーキ液圧の上記減圧を検知する減圧中、高ブレーキ液
圧検知手段によりブレーキ液圧が設定値以上であるのを
検知されると、減圧保持手段は上記圧力制御弁を減圧位
置に保持する。よって、ブレーキ液圧がデューティ制御
によることなく連続的に低下されることとなり、ブレー
キトルクの振動が生ずるのを回避し得て、サスペンショ
ンのワインドアップ方向における共振も生じなくでき、
不快な異音や振動が生ずるという従来の問題を解消し得
る。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図2は本発明トラクションコントロール装置
の一実施例を示すシステム図で、1L, 1Rは夫々左右従動
輪(例えば左右前輪)、2L, 2Rは夫々左右駆動輪 (例え
ば左右後輪) を示す。車両は車輪2L, 2Rを図示せざるエ
ンジンにより駆動されることにより走行し、エンジンは
スロットルバルブ4により出力を加減されるものとす
る。
【0012】スロットルバルブ4はステップモータ5に
より開閉し、そのステップ数(スロットルバルブ4の開
度)をトラクションコントロール中以外基本的には運転
者が踏込むアクセルペダル6の踏込量に対応したものに
すべく制御回路7により制御する。この目的のため、ス
ロットルバルブ4の開度、つまりモータ5のステップ数
を検出するスロットルセンサ8からの信号THを制御回路
7にフィードバックし、アクセルペダル6の踏込量 ACC
を検出するアクセルセンサ9からの信号を制御回路7に
入力する。
【0013】制御回路7はマイクロコンピュータ10を具
えると共に、その入力側に関連してA/D コンバータ11及
びF/V コンバータ12を、又出力側に関連してステップモ
ータ5用の駆動回路13及びD/A コンバータ14を夫々設け
る。A/D コンバータ11はスロットル開度信号TH及びアク
セル信号 ACCをアナログ- デジタル変換してマイクロコ
ンピュータ10に入力すると共に、F/V コンバータ12によ
り周波数- 電圧変換した電圧信号をデジタル信号に変換
してマイクロコンピュータ10に入力する。
【0014】各車輪1L, 1R, 2L, 2Rは、ブレーキペダル
20の踏力に応じたブレーキマスターシリンダ21からの液
圧 PM により作動されるホイールシリンダ22L,22R, 23
L, 23R を具え、これらホイールシリンダの作動により
対応車輪が個々に制動されるものとする。しかして、駆
動輪2L, 2Rのブレーキ液圧系には夫々トラクションコン
トロール用の液圧制御弁24L, 24Rを挿置する。これら液
圧制御弁は夫々同仕様、同構造のものとし、スプール25
をばね26により図示の左限位置に弾支し、プランジャ27
をばね28により図示の左限位置に弾支して構成する。
【0015】液圧制御弁24L, 24Rは夫々、図示の常態で
マスターシリンダ側の入口ポート29への液圧 PM をその
ままホイールシリンダ側の出口ポート30より対応するホ
イールシリンダに出力し、スプール25の右行時プランジ
ヤ27によりポート29, 30間を遮断すると共にホイールシ
リンダへの液圧を上昇させ、スプール25の右行停止時ホ
イールシリンダの上昇液圧を保持するものとする。
【0016】スプール25の上記右行及びその停止を室31
内の圧力により制御し、この圧力を夫々電磁弁40L,40R
により個別に制御する。これら電磁弁も同様のものと
し、ソレノイド41のOFF 時(A) で示すポート間接続位置
となって室31をドレン回路42に通じると共にアキュムレ
ータ43から遮断し、ソレノイド41の小電流によるON時
(B) で示すポート間接続位置となって室31をドレン回路
42及びアキュムレータ43の双方から遮断し、ソレノイド
41の大電流によるON時(C) で示すポート間接続位置とな
って室31をドレン回路42から遮断すると共にアキュムレ
ータ43に通じるものとする。
【0017】電磁弁40L, 40Rの(A) 位置で室31は無圧状
態となってスプール25を図示位置にし、電磁弁40L,40R
の(C) 位置で室31はアキュムレータ43の一定圧Pcを供給
されてスプール25を図中右行させ、電磁弁40L, 40Rの
(B) 位置で室31は圧力の給排を中止されてスプール25を
その時の右行位置に保持する。
【0018】アキュムレータ43にはモータ44で駆動され
るポンプ45からの油圧をチェック弁46を介して蓄圧し、
アキュムレータ43の蓄圧値が一定値 PC になる時、これ
を検出してOFF する圧力スイッチ47からの信号を受けて
制御回路7がモータ44 (ポンプ45) を停止させるものと
する。この目的のため圧力スイッチ47からの信号はマイ
クロコンピュータ10に入力し、マイクロコンピュータ10
からのモータ制御信号はD/A コンバータ14によりアナロ
グ信号に変換してモータ44に供給する。
【0019】電磁弁40L, 40Rのソレノイド41もマイクロ
コンピュータ10により駆動制御し、そのための制御信号
をD/A コンバータ14によりアナログ信号に変換してソレ
ノイド41に供給する。
【0020】各車輪1L, 1R, 2L, 2Rに夫々関連して車輪
回転センサ50L, 50R, 51L, 51Rを設け、これらセンサは
対応車輪の車輪速V FL, V FR, V RL, V RRに対応した周
波数のパルス信号を発し、これらパルス信号をF/V コン
バータ12に供給する。F/V コンバータ12は各パルス信号
をその周波数 (車輪回転数)に対応した電圧に変換して
A/Dコンバータ11に入力し、A/D コンバータ11はこれら
電圧をデジタル信号に変換してマイクロコンピータ10に
入力する。
【0021】又、駆動輪ホイールシリンダ23L, 23Rの液
圧、つまり駆動輪ブレーキ液圧P BL, P BRを夫々検出す
る圧力センサ60L, 60Rを設け、これらからの信号をA/D
コンバータ11によりデジタル信号に変換してマイクロコ
ンピュータ10に入力する。
【0022】マイクロコンピュータ10は各種入力情報を
元に図3乃至図11の制御プログラムを実行して、スロッ
トルバルブ4の通常の開度制御及びトラクションコント
ロール用の開度制御を行うと共に、電磁弁ソレノイド41
の位置制御、つまり駆動車輪のトラクションコントロー
ル用制動制御を行い、更にポンプモータ44( 油圧ポンプ
45) の駆動制御を行う。図3乃至図10は図示せざるオペ
レーティングシステムによりエンジン始動後一定周期Δ
T(例えばΔT=10 msec)毎に定時割込み処理をされる
メインルーチンで、図11はこのメインルーチン内におい
て決定されたステップモータ5の回転速度に対応する周
期で処理されるステップモータ駆動用のOCI(Output com
pare interrupt) 割込み処理を示す。
【0023】図3では先ずステップ101, 102において、
第1回目の処理に限りマイクロコンピュータ10は内蔵RA
M 等のイニシャライズ (初期化) を行う。次のステップ
103では、車輪速V FR, V FL, V RL, V RRを読込み、こ
れらを基にステップ104 で左右駆動輪2L, 2Rのスリップ
率S L , S R をS L =(VRL− VFL) /V FL, S R =(V RR
−V FR) /V FRにより求めた後、ステップ105 で左右駆
動輪2L, 2Rのスリップ率変化速度(d /dt)S L=S L
S L-1(但しS L-1 は前回の左駆動輪スリップ率) 及び
(d/dt)S R =S R −S R-1(但し、S R-1 は前回の右
駆動輪スリップ率) を求める。
【0024】ステップ106 では、左右駆動輪スリップ率
S L , S R のうち小さい方をセレクトロースリップ率S
min 、大きい方をセレクトハイスリップ率S max にセッ
トする。次にステップ107 において上記セレクトロース
リップ率及びセレクトハイスリップ率のうち小さい方の
値S min をK(例えば0.6 −0.9 ) の比率で重視するスリ
ップ率の重み付け平均値S avをS av=K ×S min +(1−
K)×S max により求めると共に、その変化速度(d/d
t)S avを(d/dt)S av=S av−S av-1(但しS av-1
は前回のスリップ率重み付け平均値)を求める。
【0025】ステップ151 では、上記のスリップ率平均
値S avおよびその変化速度(d/dt)Sav より、トラク
ションコントロール上好適な図12の如きスロットル開度
制御域データを基に、スロットル開度THをアクセルベダ
ル6の踏込量 Accに対応した値に向け戻すべき(増大す
べき)非制御域か、スロットルバルブ4を急閉(スロッ
トル開度THを急減) 又は緩閉(スロットル開度THを緩
減) して車輪2L, 2Rの駆動スリップを防止すべき急閉域
又は緩閉域か、スロットル開度THを不変に保つべき保持
域かを決定する。この決定結果をステップ152 〜154 で
判別し、非制御域ではステップ201 へ、緩閉域ではステ
ップ301 へ、急閉域では図4のステップ351 へ、又保持
域では図4のステップ401 へ夫々制御を進める。
【0026】非制御域ではステップ201 〜206 におい
て、ステップ204 でクリアされ、ステップ203 または20
5 でインクリメント(歩進)されるマップ上げカウンタ
MAPUPCが一定のリカバー時間T R を示す度に、つまりT
R 時間毎にステップ206 でスロットル開度マップMAP を
前回マップ(MAPO)−1として定めた後、制御を図4のス
テップ401 へ進める。マップMAP は図13の如く第0枚目
から第19枚目迄の20種類を設定し、上記のマップ上げは
スロットルバルブ開度をアクセルペダル踏込量 A ccに対
応した値に増大させる指令であることを意味する。
【0027】緩閉域のためステップ301 へ制御が進んだ
場合、先ずこのステップで前回どのスロットル制御域だ
ったかをチェックする。前回非制御域だった場合、以下
の処理を1回だけ行う。つまりステップ302 で上記のマ
ップ上げカウンタMAPUPCをクリアし、次のステップ303,
304で左又は右の減圧フラグ及び左又は右の急減圧フラ
グが共に0か否かを判別する。これらフラグは後述する
ように、対応する左右駆動輪2L, 2Rのトラクションコン
トロール用ブレーキ液圧の所定時間以上緩減圧状態及び
所定時間以上急減圧状態で0となり、少なくとも一方の
駆動輪が急減圧状態だったらステップ305 においてマッ
プ落ち数MAPDN を1とし、それ以外ではステップ306 に
おいて MAPDN=2をセットする。ステップ307 では前回
マップ MAP0と後述の如くにメモリしておいた所定時間
前のマップ数PMAPとの大きい方(スロットル開度の小さ
い方)をセレクトハイマップMAPMAXとしてセットし、ス
テップ308 でこのセレクトハイマップMAPMAXをステップ
305 又は306 において定めた数MAPDN だけマップ落ちさ
せたもの(MAPMAX +MAPDN)を今回マップMAP とし、スロ
ットル開度の緩閉を指令する。なお、ステップ309, 310
では上記のMAP が非制御域から最初に緩閉域になった時
に求めた初期マップMAPINI以下の時は、スロットル開度
増大を指令することを意味し、緩閉の意図に反すること
からMAP =MAPINIとする。
【0028】ステップ301 で前回が緩閉域又は急閉域で
あると判断した場合、制御をそのまま図4のステップ40
1 に進め、前回保持域であった場合、ステップ311 で前
回マップ MAP0を1だけマップ落ちさせたものを今回マ
ップMAP としてスロットル開度減を指令した後に制御を
図4のステップ401 に進める。
【0029】急閉域のため制御が図4のステップ351 へ
進んだ場合、先ずここで前回のスロットル開度制御域を
チェックする。前回非制御域であった場合、ステップ35
2 〜360 で図3における前記ステップ 302〜310 と同様
の処理を行い、ステップ362でこの処理により求めたマ
ップに更に2を加えてスロットル開度の急減を指令した
後制御をステップ401 へ進める。ステップ351 で前回か
ら急閉域であったと判別する場合、制御をそのままステ
ップ401 へ進め、前回緩閉域又は保持域であった場合、
ステップ361 で前記ステップ311 と同様の処理を行った
後制御をステップ401 へ進める。
【0030】保持域のため(非制御域、緩増圧域、急増
圧域用の処理後も同様)ステップ401 に制御が進む場
合、ステップ401 〜404 で図13に示す設定マップ数0〜
19の範囲外にあるMAP 値を近い方の限界値0又は19にセ
ットする。次のステップ405, 406では左右減圧フラグが
共に0でなく且つ左右急減圧フラグが共に0でない左右
駆動輪2L, 2Rのブレーキ液圧増圧状態をチェックする。
増圧状態でなければ(減圧状態なら)ステップ407 で対
応する所定時間T M 前のスロットル制御マップをPMAPと
してスロットル緩閉及び急閉制御(ステップ307,357)に
用い、増圧状態ならステップ408 でT M より長い所定時
間T M ' 前のマップをPMAPとする。又次のステップ409
では現在のマップMAP を前回マップ MAP0としてメモリ
し、次回に備える。
【0031】図3及び図4に示す以上の処理後、制御は
図5のステップ502 に進み、ここでアクセルペダル踏込
み量Acc を読込む。次のステップ503 では、前記の通り
に求めたマップMAP に対応する開度特性マッップに基づ
き、アクセルペダル踏込量A ccに応じたステップモータ
5の目標ステップ数STEPをマップ検索して決定する。
【0032】又ステップ504 では、前記ステップ503 に
よって決定されたスロットルバルブ4の開度目標ステッ
プ数 STEP と実際の開度ステップ数THとの偏差Dif を、
【数1】Dif =STEP−TH により算出する。さらにステップ505, 506により上記の
偏差Dif に基づいてステップモータ5のスピードの決
定、正転/逆転/保持の決定、更にはOCI割込み周期
のセット、モータ回転方向に関するフラグセット等を行
う。
【0033】ステップ 550〜554 では、左駆動輪ブレー
キ液圧 PBLが設定値 PH 以上か、これ未満で微小設定値
PL 以上か、或いは PL 未満かを判別して、P BL≧ PH
時低圧フラグを1にセットし、 PL ≦P BL< PH 時低圧
フラグを0にリセットし、P BL<P L 時無制御フラグを
0にリセットする。
【0034】ステップ556, 558では、アクセルペダル踏
込量A ccが前回読込値A cc(OLD) 、つまり本制動プログ
ラムの演算サイクルΔTに相当する10msec前における読
込値(前回ステップ560 で更新したもの)に対し設定値
A1よりも大きく戻したエンジンブレーキ要求状態か、又
は設定値A2以上踏増した加速要求状態か、或いはそのい
ずれでもないおだやかなアクセルペダル操作中かによ
り、アクセル操作速度及びその操作方向を判別する。エ
ンジンブレーキを要求するアクセルペダルの急戻しであ
れば、ステップ557 でこのことを示すようにエンジンブ
レーキフラグENGBF を1にセットし、加速を要求するア
クセルペダルの急踏み時にステップ569 でこのフラグEN
GBF を0にリセットする。なお、ステップ560 では次回
のためにA cc(OLD) をアクセルペダル踏込量の今回読込
み値A ccに更新する。
【0035】その後図6乃至図10のステップ 601〜693
において、左駆動輪を以下の如く適正速度でトラクショ
ンコントロール用に制動及び制動解除する。ステップ60
1 では、上記エンジンブレーキフラグENGBF =0であれ
ば図14(a) に対応するテーブルデータを基に、又ENGBF
=1であれば図14図(b) に対応するテーブルデータを基
に、左駆動輪スリップ率 SL 及びその変化速度(d/d
t)S L から左駆動輪ブレーキ液圧を急増圧すべきか、
緩増圧すべきか、保圧すべきか、緩減圧すべきか、急減
圧すべきかを領域(エリア)判定する。図14(a) ,(b)
のテーブルデータはトラクションコントロール上好適な
左駆動輪ブレーキ液圧の制御態様で、スリップ率S L (S
11, S12 はエリア境界値) 及びその変化速度(d/dt)
S L {(d/dt)S21, 0, (d/dt)S22 はエリア境界
値}が高い程高速で増圧し、スリップ率S L 及びその変
化速度(d/dt)S L が低い程高速で減圧すべきことと
する。なお図14(a) ,(b) は、後述の右駆動輪ブレーキ
液圧制御態様でもあり、従って右駆動輪スリップ率 SR
およびその変化速度(d/dt)S R も併記した。ところ
で図14(b) はアクセルペダルを急戻しする時のもので、
図14(a) に対しブレーキ液圧の減圧速度がアクセルペダ
ル急戻しに対応して速くなるよう一部エリアでの制御速
度を変更したものである。
【0036】上記の領域判定結果をステップ602 〜605
により判別し、図7〜図9の対応ステップに分岐させ
る。即ち、急増圧エリアなら図7のステップ611 に、緩
増圧エリアなら図8のステップ631 に、保圧エリアなら
同図のステップ655 に、緩減圧エリアなら図9のステッ
プ661 に、又急減圧エリアなら同図のステップ681 に夫
々制御を進める。
【0037】急増圧エリアのためステップ611 が選択さ
れると、先ずここで当該急増圧に関与しない緩減圧カウ
ンタ、急減圧カウンタ、緩増圧カウンタ、保圧タウンタ
および昇格カウンタを夫々クリアする。次のステップ61
2 で前回のエリアをチェックし、前回減圧エリアだった
場合ステップ614 を通るループを1回のみ実行し、前回
増圧又は保圧エリアだった場合ステップ618 を通るルー
プを実行する。前者のループでは、先ずステップ614, 6
13で減圧フラグ及び急減圧フラグが0か否か、つまり所
定時間以上急減圧を行ったか否かをチェックする。前回
急減圧状態だったのであれば、急増圧より急速な初期増
圧を実行して応答遅れをなくす必要があることからステ
ップ615 で初期増圧カウンタをインクリメントする。そ
の後ステップ691 で電磁弁40L をC位置にする。この電
磁弁位置で液圧制御弁24L はスプール25の図2中右行に
より左駆動輪ブレーキ液圧を上昇させ、左駆動輪をトラ
クションコントロール用に制動する。しかして、減圧フ
ラグ=0又は急減圧フラグ=0でなければ、上記の初期
増圧が不要であるからステップ616 で急増圧カウンタを
インクリメントして図10のステップ691 を実行する(ス
テップ652 については後述する) 。
【0038】以後ステップ612 はステップ618 を選択す
るようになり、ここでは減圧フラグを1にセットする。
ステップ619, 620では上記の初期増圧カウンタが4か0
かをチェックするが、ステップ615 が実行されていれば
ステップ619, 620, 621 の経路を3回繰返しつつ図10の
ステップ691 で増圧を繰返し、次回にステップ619 がス
テップ622, 623、又その後ステップ619 がステップ620,
623を選択するようになる。ステップ623 では、急増圧
カウンタが10か否かをチェックし、ステップ624 でこの
急増圧カウンタが0又は1か否かをチェックする。ステ
ップ616 が実行されていなければステップ623, 624, 6
27の経路が2回繰返されてその都度ステップ691 の実行
により増圧を行うが、ステップ616 が実行されていれば
上記の経路が1回のみ選択されてステップ691 の実行に
より増圧を行う。その後はステップ624 がステップ625
を選択するようになり、急増圧カウンタが10になる迄の
8回だけステップ692 の実行により、電磁弁40L をB位
置にする。この電磁弁位置で液圧制御弁24L はスプール
25を移動停止させて左駆動輪ブレーキ液圧をこの時の値
に保圧する。以後、急増圧カウンタが1,2の時増圧、
3〜8の時保圧とするデューティ(2/10のデューティ)
に対応した速度で左駆動輪ブレーキ液圧を急増圧するこ
とができる。
【0039】上記の急増圧作用を図16乃至図18につき説
明する。図16(a) に示す如く減圧フラグ=1又は急減圧
フラグ=1の状態で瞬時t1に減圧エリアから急増圧エリ
アに切換わったとすると、瞬時t1迄は減圧フラグ=1に
対応して後述する如く100msec を1周期とし10msecだけ
減圧を行う1/10デューティで緩減圧が行われている。瞬
時t1にステップ 614−616 −691 のループが1回選択さ
れ、次にステップ 618−619 −620 −623 −624 −627
−691 のループが1回選択され、その後ステップ 618−
619 −620 −623 −624 −625 −692 を含むループが8
回選択されることで図16(a) 中点線の如く1/5 デューテ
ィで倍速の急増圧を行うことができる。
【0040】図16図(b) に示す如く減圧フラグ=0及び
急減圧フラグ=0の状態で瞬時 t1に減圧エリアから急
増圧エリアに切換わったとすると、瞬時t1迄は減圧フラ
グ=0及び急減圧フラグ=0に対応して後述する如くデ
ューティ 100%の急減圧を継続している。瞬時t1にステ
ップ 614−613 −615 −691 のループが1回選択され、
次いでステップ 618−619 −620 −621 −691 のループ
が3回選択され、その後ステップ 618−619 −622 −62
3 −624 −627 −691 のループが2回選択される結果、
瞬時t1から4回分(ΔT×4=40 msec) の間急増圧よ
り速い初期増圧を行って応答遅れをなくし、その後図16
(b) 中点線で示す如く2回分(ΔT×2=20msec) の増
圧を行う。以後は前述したと同様の1/5 デューティによ
る急増圧を実行することができる。
【0041】なお定常的には上述した処から明らかなよ
うに図17(a) に示す如き1/5 デューティによる急増圧を
行う。緩増圧エリアのため図8中ステップ631 が選択さ
れると、先ずここで関係のない緩減圧カウンタ、急減圧
カウンタ、保圧カウンタ及び昇格カウンタを夫々クリア
する。次のステップ632 で前回のエリアをチェックし、
前回減圧エリアだった場合ステップ634 を含むループを
1回のみ実行し、前回増圧又は保圧エリアだった場合ス
テップ638 を含むループを実行する。前者のループでは
ステップ 634,633, 635, 636 でステップ 614, 613,61
5, 616におけると同様の処理を行うが、ステップ636 で
はステップ616 における急増圧カウンタに代え緩増圧カ
ウンタをインクリメントするものとする。又、ステップ
638, 639, 640, 641, 642でもステップ618, 619, 620,
621, 622と同様の処理を行う。但し、ステップ638 では
急減圧フラグを1にセットする処理を追加する。
【0042】ステップ643, 648では急増圧から緩増圧へ
の切換時、当該切換えに待ち時間を設定するため前記の
急増圧カウンタが10か、0か、これら以外かをチェック
する。急増圧カウンタが0,10以外の時、つまり急増圧
の途中であれば、ステップ649 で急増圧カウンタをイン
クリメントしつつ、図10のステップ692 で保圧し、急増
圧カウンタが10になった時はステップ644 でこのカウン
タをリセットした後、又急増圧カウンタが0である時は
そのままステップ645, 646, 647, 650, 651 による緩増
圧制御を行う。この緩増圧制御はステップ623, 624, 62
5,626, 627による急増圧制御と同じものであるが、ステ
ップ624 に対応するステップ646 で緩増圧カウンタが0
の時のみ増圧を実行させるため、急増圧時より小さな1/
10デューティで緩増圧することができる。
【0043】上記緩増圧の作用を図16乃至図18につき説
明する。図16(a), (b)の瞬時t1以後、減圧から増圧への
切換えは急増圧時と同様に行われるが、上記の通りデュ
ーティが小さいため、これら図中実線で示す如く増圧時
間が10msecに短縮され、緩増圧を可能にする。なお定常
的には上述した処から明らかなように図17(b) に示す如
き1/10デューティによる緩増圧を行う。又図18(a) に示
す如く瞬時t1に緩増圧エリアから急増圧エリアに切換わ
った場合は、直ちに急増圧が開始されるも、同図(b) に
示す如く瞬時t1に急増圧エリアから緩増圧エリアに切換
わった場合は、ステップ643, 644, 648, 649, 692 を含
むループによる待ち時間Δtだけ緩増圧の開始を遅らせ
て不要な制動を防止することができる。
【0044】なお、図10のステップ691 でブレーキ液圧
の増圧が実行される度に、直前のステップ652 でブレー
キ液圧推定値BPRSi を求める。この推定値BPRSi は図20
に示す如く、1サイクル当りの増圧時間Δtinc に、実
験的に予め定めた係数(例えば1.3)を乗じて求まる1サ
イクル当りのブレーキ液圧増圧量の総和とし、後述する
減圧時の制御に用いて本発明の目的を達成する。
【0045】保圧エリアのため図8中ステップ655 が選
択されると、先ずここで初期増圧カウンタ、急増圧カウ
ンタ及び緩増圧カウンタを夫々クリアし、その後、ステ
ップ656〜658 で保圧カウンタが0〜9を示す間、つま
りΔT×10=100 msecの時間中図10のステップ692 で電
磁弁40L をB位置に保ち、次の1サイクル時間中 (ΔT
×1=10msec中) ステップ691 で電磁弁40L をC位置に
保つ。これにより左駆動輪ブレーキ液圧を、液漏れ分を
補充しながら要求通りこの時の値に保圧することができ
る。
【0046】緩減圧エリアのため図9中ステップ661 が
選択されると、先ずここで緩増圧カウンタ、急増圧カウ
ンタ、保圧カウンタ及び初期増圧カウンタを夫々クリア
する。次のステップ662 では前記ブレーキ液圧推定値BP
RSi が設定値30以上か否かにより左駆動輪ブレーキ液圧
が高いか、低いかをチェックする。このチェックは図2
の圧力センサ60L で検出した左駆動輪ブレーキ液圧P BL
を設定値と比較して行ってもよい。このブレーキ液圧が
高い場合、ステップ663 を経由して図10のステップ693
を実行し、電磁弁40L をA位置に保ち、ブレーキ液圧を
連続的に低下させる。この間ステップ663 で、ブレーキ
液圧推定値BPRSi を当該減圧による1サイクル毎の減圧
分づつ時間管理のもとで減算し、減圧中のブレーキ液圧
推定値を求める。この間のBPRSi は図20の瞬時t1−t2
おいて(ΣΔtinc ×1.3 )−Δtd100により表される
如きものとなり、実際の減圧作用は図17(d) に示すよう
に緩減圧域ながら電磁弁40L のA位置保持によって急減
圧状態となる。
【0047】他方、BPRSi が30未満の時、つまり左駆動
輪ブレーキ液圧が低い時は、ステップ665 で緩減圧カウ
ンタが10に達したか否かをチェックする。この緩減圧カ
ウンタは、ステップ666 で無制御フラグが1と判別する
限りにおいて、つまり図5中ステップ553, 554に示した
如く左駆動輪ブレーキ液圧 PBLが微小設定値 PL 以上の
ため、その PBL< PH での減圧速度制御が必要な限りに
おいて選択されるステップ673 又は674 でインクリメン
トされ、このインクリメントにより緩減圧カウンタが10
に達する時ステップ675 で0にリセットされるものとす
る。又、緩減圧カウンタが10に達する度にステップ676
で昇格カウンタをインクリメントすると共に、後述のス
テップ681, 678, 679 を経由するステップ674 の実行後
図10のステップ693 で電磁弁40L をA位置にする。この
電磁弁位置で液圧制御弁24L はスプール25の図2中左行
により左駆動輪ブレーキ液圧を減圧し、左駆動輪のスピ
ン抑制後における再加速を可能ならしめる。
【0048】緩減圧カウンタが10に達する迄の間は、ス
テップ666 で無制御フラグ=1と判別する限りにおい
て、以下に説明する頻度でステップ693 の実行によりブ
レーキ液圧を減圧する。即ち、ステップ668 で昇格カウ
ンタが3未満と判別する初期においては、ステップ670
の判別結果に基づき、緩減圧カウンタが0〜1である間
ステップ693 による減圧を、又緩減圧カウンタが2〜10
である間ステップ692 による保圧を実行させ、1/10のデ
ューティに対応した極く低速でブレーキ液圧P BLを減圧
する。この間ステップ678, 679でブレーキ液圧推定値BP
RSi を上記減圧相当分(5+2=7)だけ減算して更新
する。
【0049】その後ステップ669 の判別により昇格カウ
ンタが6になる迄の中期においては、ステップ671 の判
別結果に基づき、緩減圧カウンタが0〜2である間図10
のステップ693 による減圧を、又緩減圧カウンタが3〜
10である間図10のステップ692 による保圧を実行させ、
2/10=1/5 のデューティに対応した若干速い速度でブレ
ーキ液圧を減圧する。この間ステップ679 でBPRSi を2
づつ減算して減圧に対応した更新を行う。
【0050】次に、昇格カウンタが6になった後におい
ては、ステップ672 の判別結果に基づき、緩減圧カウン
タが0〜3である間図10のステップ693 による減圧を、
又緩減圧カウンタが4〜10である間ステップ692 による
保圧を実行させ、3/10のデューティに対応した一層速い
速度でブレーキ液圧を減圧する。この間ステップ680で
この減圧に対応してブレーキ減圧推定値BPRSi を1づつ
減算する。
【0051】なお、緩減圧カウンタが10に達する度にス
テップ676 でインクリメントされる昇格カウンタが8に
達すると、ステップ681 でBPRSi は、ブレーキ液圧が大
抵0にされることから、これに対応してBPRSi =0にす
る。又、昇格カウンタ5に達した時はステップ679 で低
圧フラグを0にリセットする。
【0052】上記緩減圧作用を示すと図17(c) の如くに
なる。即ち、昇格カウンタが0〜2の初期においては、
100msec の周期中10msecだけ減圧がなされ、昇格カウン
タが3〜5の中期においては100msec の周期中20msecだ
け減圧がなされ、昇格カウンタが6以上のその後は100m
sec の周期中30msecだけ減圧がなされる。このように減
圧速度を通常より遅くすることにより、ブレーキ液圧P
BLが低くても、当該減圧サイクルでこのブレーキ液圧が
0kgf/cm2 まで低下されてしまうのを防止することがで
きる。これにより次の増圧サイクルが0kgf/cm2 からの
ものとなるようなことはなくなり、これが原因で駆動輪
の制動音が生じたり、車体の上下振動が生ずるのを防止
することができる。そして、減圧速度を緩減圧エリアに
ある間徐々に速くすることで、減圧遅れが生ずるのを防
止することができる。
【0053】なお、ステップ666 で無制御フラグが0で
あると判別した場合、つまり図5のステップ554 に示す
ように上記の減圧速度制御が不要である程にブレーキ液
圧P BLが低い場合は、無条件にステップ693 を実行させ
続けることで、ブレーキ液圧を速かに除去することとす
る。
【0054】急減圧エリアのため図9中ステップ681 が
選択されると、先ずここで緩増圧カウンタ、急増圧カウ
ンタ、保圧カウンタ及び初期増圧カウンタを夫々クリア
する。そして、制御をそのままステップ693 に進め、図
17(d) の如くデューティ100%により要求通り急減圧を
行わせる。
【0055】以上の左駆動輪ブレーキ液圧(制動)制御
(ステップ 550〜693)と同様の制御がステップ695,696
で右駆動輪に対しても実行され、同駆動輪のホイールス
ピンも同様に防止される。なおステップ695 は図6中ス
テップ601 に対応するが、同図中ステップ 550〜554 に
相当する処理をも含むものとし、又ステップ696 はステ
ップ602 〜693 の制御内容に対応するものである。
【0056】その後は、ステップ701 〜703 において油
圧ポンプ45の駆動制御を以下の如くに行う。ステップ70
1 では圧力スイッチ47がONか否かを、つまりアキュムレ
ータ43の圧力 Pc が所定値に達しているか否かをチェッ
クする。圧力スイッチ47は図15の如くアキュムレータ内
圧 Pc がP1以下に低下する時ONし、P2以上に上昇する時
OFF するヒステリシス特性を持つ。圧力スイッチ47のON
時ステップ702 でモータ44のONによりポンプ45を駆動し
てアキュムレータ内圧 Pc を高め、圧力スイッチ47のOF
F 時ステップ703 でモータ44のOFF によりポンプ45を停
止してアキュムレータ内圧 Pc の上昇を停止する。よっ
て、アキュムレータ43内には常時所定の圧力 Pc が蓄圧
され、前記トラクションコントロール用のブレーキ液圧
上昇制御を行うことができる。
【0057】次に、図11のスロットルバルブ開閉用OC
I割り込みフローチャートの説明を行う。このプログラ
ムは図5中ステップ505 で決定したステップモータ速度
が得られるような周期で繰返し実行され、先ずステップ
800で図5中ステップ506 の実行結果からステップモー
タ5を正転すべきか、逆転すべきか、現在位置に維持す
べきかを判別する。正転すべきならステップ 801でステ
ップモータ5の1段回正転を、又逆転すべきならステッ
プ802 でステップモータ5の1段回逆転をセットし、保
持すべきならステップ801, 802をスキップする。そし
て、ステップ803でモータ駆動信号をステップモータ5
へ出力し、スロットルバルブ4を図5中ステップ503 で
の演算結果に対応した開度となす。
【0058】以下図19図の動作例に基づき本実施例の駆
動輪制動制御によるトラクションコントロールを説明す
る。この動作例ではENGBF =0時に、左右駆動輪が同期
して同程度にホイールスピンし、両駆動輪を同時に同様
に制動制御したこととして説明を展開する。
【0059】瞬時t1迄はスリップ率S L (S R )がS11
満で且つその変化速度(d/dt)S L (SR ) が0と(d
/dt)S21 との間にあって図14(a) から明らかなように
緩減圧エリアにある。よって両駆動輪のブレーキ液圧は
前記作用によりゆっくり減圧され、これら駆動輪の制動
力を漸減する。瞬時t1〜t2間はスリップ率が S11及びS
12 間の値で、その変化速度が0と(d/dt)S21 との
間であって図14(a) から明らかなように緩増圧エリアに
ある。よって両駆動輪のブレーキ液圧は前記作用により
ゆっくり増圧され、これら駆動輪の制動力を漸増する。
瞬時t2〜t3間は、スリップ率がS11, S12間の値でその変
化速度が(d/dt)S21 以上か、スリップ率がS12 以上
でその変化速度が正であるため、図14(a) から明らかな
ように急増圧エリアにある。よって両駆動輪のブレーキ
液圧は前記作用により急増圧され、これら駆動輪の制動
力を急増する。瞬時t3〜t4間は、スリップ率が S12以上
でその変化速度が0と(d/dt)S22 との間の値であっ
て図14(a) から明らかなように緩増圧エリアにあり、両
駆動輪の制動力を漸増させる。瞬時t4〜t5間は、スリッ
プ率がS11 および S12間の値であり且つその変化速度が
0及び(d/dt)S22間であって図14(a) から明らかな
ように保圧エリアにある。よって、両駆動輪のブレーキ
液圧は前記作用により瞬時t4の値に保圧され、これら駆
動輪の制動力を保持しておく。
【0060】瞬時t5以後も図14(a) に基づく同様の領域
判定により、判定結果に応じた両駆動輪のブレーキ液圧
制御がなされ、瞬時t5〜t6間は保圧、瞬時t6〜t7間は緩
増圧、瞬時t7〜t8間は保圧、瞬時t8以後は緩減圧が夫々
実行される。
【0061】よって、図14(a) に対応した駆動輪ブレー
キ液圧制御によりトラクションコントロールが行われ、
駆動輪の駆動スリップを防止することができる。しかし
図14(a) の制御態様はスリップ率及びその変化速度に応
じブレーキ液圧の増圧、減圧速度を決定することから、
大きな駆動スリップや急な駆動スリップを生ずる状況の
もとでは、スリップの発生に見合うよう駆動輪の制動速
度を速めてトラクションコントロール性能の低下を防止
したり、制動による駆動スリップの収まりが速いことに
合わせて制動解除速度も速くし、不要な制動を防止する
ことができる。又逆に駆動スリップが小さく、しかもゆ
っくり発生するような状況のもとでは、スリップの発生
に見合うよう制動速度を遅くして不要な制動を防止した
り、制動による駆動スリップの収まりが遅いことに合わ
せて制動解除速度も遅くし、トラクションコントロール
性能の低下を防止することができる。
【0062】ところで、上記の緩減圧作用に当たっては
図20の瞬時t1以後に示す如く、BPRS i ≦30(図9のステ
ップ662 参照) の高ブレーキ液圧時は図17(d) に示すデ
ューティ100 %の連続減圧を行い、BPRSi <30になる低
ブレーキ液圧時(瞬時t2以後) は図17(c) に示す通常の
デューティ制御による減圧を行うことから、高ブレーキ
液圧時に減圧及び保圧を繰り返すデューティ制御がなさ
れてブレーキトルクが振動的になるようなことがなくな
る。よって、緩減圧時にサスペンションのワインドアッ
プ方向における共振を回避して、不快な異音や振動が生
ずるという問題を解消し得る。
【0063】
【発明の効果】かくして本発明トラクションコントロー
ル装置は請求項1に記載の如く、高圧状態のブレーキ液
圧を減圧する時はこの減圧を司どる弁を減圧位置に保持
する構成としたから、当該減圧がデューティ制御により
なされるのではなく連続的になされることとなって、共
振を生起するようなブレーキトルクの振動が生ずるとい
った問題をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明トラクションコントロール装置の概念図
である。
【図2】本発明装置の一実施例を示すシステム図であ
る。
【図3】同例におけるマイクロコンピュータの制御プロ
グラムを示すフローチャートである。
【図4】同例におけるマイクロコンピュータの制御プロ
グラムを示すフローチャートである。
【図5】同例におけるマイクロコンピュータの制御プロ
グラムを示すフローチャートである。
【図6】同例におけるマイクロコンピュータの制御プロ
グラムを示すフローチャートである。
【図7】同例におけるマイクロコンピュータの制御プロ
グラムを示すフローチャートである。
【図8】同例におけるマイクロコンピュータの制御プロ
グラムを示すフローチャートである。
【図9】同例におけるマイクロコンピュータの制御プロ
グラムを示すフローチャートである。
【図10】同例におけるマイクロコンピュータの制御プ
ログラムを示すフローチャートである。
【図11】同例におけるマイクロコンピュータの制御プ
ログラムを示すフローチャートである。
【図12】同例において用いるトラクションコントロー
ル用のスロットル開度制御マップ図である。
【図13】同例において用いたアクセルペダル踏込量に
対するスロットルバルブ開度のマップ図である。
【図14】同例において用いた駆動輪ブレーキ液圧制御
の領域マップ図である。
【図15】図2におけるポンプのON,OFF線図であ
る。
【図16】図2の装置における電磁弁駆動デューティの
波形図である。
【図17】図2の装置における電磁弁駆動デューティの
波形図である。
【図18】図2の装置における電磁弁駆動デューティの
波形図である。
【図19】同装置によるトラクションコントロールの動
作タイムチャートである。
【図20】同装置における駆動輪ブレーキ液圧の制御作
動タイムチャートである。
【符号の説明】
1L 従動輪 1R 従動輪 2L 駆動輪 2R 駆動輪 4 スロットルバルブ 5 ステップモータ 6 アクセルペダル 8 スロットルセンサ 9 アクセルセンサ 10 マイクロコンピュータ 11 A/D コンバータ 12 F/V コンバータ 13 モータ駆動回路 14 D/A コンバータ 20 ブレーキペダル 21 ブレーキマスターシリンダ 22L ホイールシリンダ 22R ホイールシリンダ 23L ホイールシリンダ 23R ホイールシリンダ 24L 液圧制御弁 24R 液圧制御弁 40L 電磁弁 40R 電磁弁 43 アキュムレータ 45 ポンプ 47 圧力スイッチ 50L 車輪回転センサ 50R 車輪回転センサ 51L 車輪回転センサ 51R 車輪回転センサ 60L 圧力センサ 60R 圧力センサ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪の駆動スリップに応動するデューテ
    ィ式圧力制御弁を具え、該圧力制御弁からのブレーキ液
    圧により作動される自動ブレーキ手段により前記車輪を
    制動して駆動スリップを防止し、駆動スリップの解消に
    応じ前記自動ブレーキ手段のブレーキ液圧をデューティ
    式圧力制御弁により減圧制御して車輪の制動力を低下さ
    せるようにした車両において、 前記ブレーキ液圧が設定値以上であるのを検知する高ブ
    レーキ液圧検知手段と、 該ブレーキ液圧の減圧中を検知するブレーキ液圧減圧検
    知手段と、 この減圧中、ブレーキ液圧が前記設定値以上の高圧であ
    る間、前記両検知手段からの信号に応答して前記圧力制
    御弁を減圧位置に保持する減圧保持手段とを具備してな
    ることを特徴とする車両のトラクションコントロール装
    置。
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