JP2653195B2 - 車両のトラクションコントロール装置 - Google Patents

車両のトラクションコントロール装置

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JP2653195B2 JP1325823A JP32582389A JP2653195B2 JP 2653195 B2 JP2653195 B2 JP 2653195B2 JP 1325823 A JP1325823 A JP 1325823A JP 32582389 A JP32582389 A JP 32582389A JP 2653195 B2 JP2653195 B2 JP 2653195B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は車輪の駆動スリップ(ホイールスピン)を防
止する車両のトラクションコントロール装置に関するも
のである。
(従来の技術) トラクションコントロール装置としては従来、特開昭
61−85248号公報に開示されている如く、スピンしてい
る駆動車輪を制動することによりスピンを防止するよう
にした型式のものがある。
この種装置においては、車輪の駆動スリップ発生時、
トラクションコントロール用に設けた液圧源の液圧をブ
レーキ液圧として駆動車輪へ供給することにより駆動ス
リップを抑制し、駆動スリップ抑制時駆動車輪へのブレ
ーキ液圧を減圧するサイクルを繰返すことにより、駆動
スリップを最も効率良く防止することができる。
(発明が解決しようとする課題) しかして従来は、ブレーキ液圧の増減圧に際し、その
単位変化時間、つまり1制御周期当りのブレーキ液圧変
化時間が不変であり、以下の懸念がある。
即ち、エンジン出力トルクが大きく、かつホイールシ
リン内のブレーキ液圧が高い状態の時にブレーキ液圧の
単位変化時間が大きいと、これにともなうトラクション
コントロール用制動力変化も大きく、これに対抗する大
きなエンジン出力トルクとの相互干渉により、ディファ
レンシャルギヤを支持するサスペンションメンバがピッ
チングを生じたり、車体後部のスカット量が増大して上
下振動を生じたり、サスペンションインシュレータ打音
が発生し、乗心地の悪化を招く。逆にエンジン出力トル
クが小さく、かつホイールシリンダ内のブレーキ液圧も
低い状態の時にブレーキ液圧の単位変化時間が小さい
と、トラクションコントロール用のブレーキ液圧源とホ
イールシリンダ内のブレーキ液圧との差圧が大きく、そ
のためホイールシリンダのブレーキ液圧を制御する電磁
弁の応答が遅く、単位変化時間の大部分を切換遅れにと
られ、その結果所望のブレーキ液圧変化を得られず、所
定のトラクションコントロール効果が得られない。
従って、エンジン出力トルクが大きく、かつホイール
シリンダ内のブレーキ液圧が高い時はブレーキ液圧の単
位変化時間を小さくし、エンジン出力トルクが小さく、
かつホイールシリンダ内のブレーキ液圧も低い時はブレ
ーキ液圧の単位変化時間を大きくするのが良いが、従来
のようにブレーキ液圧の単位変化時間が一定である場
合、これらの双方を満足させることができない。
本発明は車輪駆動トルクに応じてブレーキ液圧の単位
変化時間を可変にし、上記の問題を解消することを目的
とする。
(課題を解決するための手段) この目的のため本発明トラクションコントロール装置
は第1図に概念を示す如く、 トラクションコントロール用の液圧源を具え、 車輪の駆動スリップ発生時、該駆動車輪のブレーキ液
圧を前記液圧源の液圧によりデューティ比に応じた速度
で増圧して駆動車輪を制動することにより駆動スリップ
を抑制し、駆動スリップ抑制時、駆動車輪のブレーキ液
圧をデューティ比に応じた速度で減圧して駆動車輪の制
動力を減するサイクルを繰り返すトラクションコントロ
ール装置を搭載した車両において、 前記車輪の駆動スリップ状態に応じ前記ブレーキ液圧
増減用のデューティ比を決定するデューティ比決定手段
と、 前記車輪の駆動トルクを検出する車輪駆動トルク検出
手段と、 該検出した車輪駆動トルクが設定以上の時、前記デュ
ーティ比決定手段により決定されたデューティ比を変更
することなくデューティ比のデューティ制御周期を短く
するブレーキ液圧単位変化時間変更手段とを設けて構成
したものである。
(作 用) トラクションコントロール装置は、車輪の駆動スリッ
プ発生時、デューティ比決定手段が車輪の駆動スリップ
状態に応じ決定したデューティ比に対応する速度で、駆
動車輪のブレーキ液圧を上記液圧源の液圧により増圧す
る。これにより駆動車輪は制動され、その駆動スリップ
が抑制される。そして、この駆動スリップ抑制時トラク
ションコントロール装置は、デューティ比決定手段が車
輪の駆動スリップ状態に応じ決定したデューティ比に対
応する速度で、駆動車輪のブレーキ液圧を減圧し、必要
以上の駆動車輪の制動を防止する。
上記ブレーキ液圧の増圧サイクルと減圧サイクルの繰
返しにより、車輪の駆動スリップは最も効率的に防止さ
れる。
ところで、ブレーキ液圧単位変化時間変更手段は車輪
駆動トルク検出手段が検出した車輪駆動トルクに応じ、
これが設定以上の時、上記デューティ比決定手段により
決定されたデューティ比は不変のままにデューティ比の
デューティ制御周期を短くする。一般に、エンジン出力
トルクが大きく、ホイールシリンダ内のブレーキ液圧が
高いときには、車両駆動トルクは大きい値が検出され、
エンジン出力トルクが小さく、ホイールシリンダ内のブ
レーキ液圧が低いときには、車両駆動トルクは小さい値
が検出されることが知られている。よって、デューティ
比の変化をともなうことなしにブレーキ液圧の1制御周
期当りの変化量を前記の要求に合うよう、車輪駆動トル
クが大きい時は単位変化時間を小さく、又車輪駆動トル
クが小さい時は単位変化時間を大きくすることとなる。
従って、エンジン出力トルクが大きく、ホイールシリン
ダ内のブレーキ液圧が高い時にディファレンシャルギヤ
を支持したサスペンションメンバがピッチングを生じた
り、車体後部のスカット量が増大して上下振動を生じた
り、サスペンションインシュレータ打音が発生するのを
防止し得るし、他方エンジン出力トルクが小さく、ホイ
ールシリンダ内のブレーキ液圧が低い時に所定のトラク
ションコントロール効果が得られなくなるのを防止し得
る。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明す
る。
第2図は本発明トラクションコントロール装置の一実
施例を示すシステム図で1L,1Rは夫々左右従動輪(例え
ば左右前輪)、2L,2Rは夫々左右駆動輪(例えば左右後
輪)を示す。車両は車輪2L,2Rを図示せざるエンジンに
より駆動されることにより走行し、エンジンはスロット
ルバルブ4により出力を加減されるものとする。
スロットルバルブ4はステップモータ5により開閉
し、そのステップ数(スロットルバルブ4の開度)をト
ラクションコントロール中以外基本的には運転者が踏込
むアクセルペダル6の踏込量に対応したものにすべく制
御回路7により制御する。この目的のため、スロットル
バルブ4の開度、つまりモータ5のステップ数を検出す
るスロットルセンサ8からの信号THを制御回路7にフィ
ードバックし、アクセルペダル6の踏込量Accを検出す
るアクセルセンサ9からの信号を制御回路7に入力す
る。
制御回路7はマイクロコンピュータ10を具えると共
に、その入力側に関連してA/Dコンバータ11及びF/Vコン
バータ12を、又出力側に関連してステップモータ5用の
駆動回路13及びD/Aコンバータ14を夫々設ける。A/Dコン
バータ11はスロットル開度信号TH及びアクセル信号Acc
をアナログ−デジタル変換してマイクロコンピュータ10
に入力すると共に、F/Vコンバータ12により周波数−電
圧変換した電圧信号をデジタル信号に変換してマイクロ
コンピュータ10に入力し、更に車輪2L,2Rの駆動トルク
Tを検出するセンサ3からの信号をデジタル信号に変換
してマイクロコンピュータ10に入力する。
各車輪1L,1R,2L,2Rは、ブレーキペダル20の踏力に応
じたブレーキマスターシリンダ21からの液圧PMにより作
動されるホイールシリンダ22L,22R,23L,23Rを具え、こ
れらホイールシリンダの作動により対応車輪が個々に制
動されるものとする。しかして、駆動輪2L,2Rのブレー
キ液圧系には夫々トラクションコントロール用の液圧制
御弁24L,24Rを挿置する。これら液圧制御弁は夫々同仕
様、同構造のものとし、スプール25をばね26により図示
の左限位置に弾支し、プランジャ27をばね28により図示
の左限位置に弾支して構成する。
液圧制御弁24L,24Rは夫々、図示の常態でマスターシ
リンダ側の入口ポート29への液圧PMをそのままホイール
シリンダ側の出口ポート30より対応するホイールシリン
ダに出力し、スプール25の右行時プランジャ27によりポ
ート29,30間を遮断すると共にホイールシリンダへの液
圧を上昇させ、スプール25の右行停止時ホイールシリン
ダの上昇液圧を保持するものとする。
スプール25の上記右行及びその停止を室31内の圧力に
より制御し、この圧力を夫々電磁弁40L,40Rにより個別
に制御する。これら電磁弁も同様のものとし、ソレノイ
ド41のOFF時(A)で示すポート間接続位置となって室3
1をドレン回路42に通じると共にアキュムレータ43から
遮断し、ソレノイド41の小電流によるON時(B)で示す
ポート間接続位置となって室31をドレン回路42及びアキ
ュムレータ43の双方から遮断し、ソレノイド41の大電流
によるON時(C)で示すポート間接続位置となって室31
をドレン回路42から遮断すると共にアキュムレータ43に
通じるものとする。
電磁弁40L,40Rの(A)位置で室31は無圧状態となっ
てスプール25を図示位置にし、電磁弁40L,40Rの(C)
位置で室31はアキュムレータ43の一定値Pcを供給されて
スプール25を図中右行させ、電磁弁40L,40Rの(B)位
置で室31は圧力の給排を中止されてスプール25をその時
の右行位置に保持する。
アキュムレータ43にはモータ44で駆動されるポンプ45
からの油圧をチェック弁46を介して蓄圧し、アキュムレ
ータ43の蓄圧値が一定値Pcになる時、これを検出してOF
Fする圧力スイッチ47からの信号を受けて制御回路7が
モータ44(ポンプ45)を停止させるものとする。この目
的のため圧力スイッチ47からの信号はマイクロコンピュ
ータ10に入力し、マイクロコンピュータ10からのモータ
制御信号はD/Aコンバータ14によりアナログ信号に変換
してモータ44に供給する。
電磁弁40L,40Rのソレノイド41もマイクロコンピュー
タ10により駆動制御し、そのための制御信号をD/Aコン
バータ14によりアナログ信号に変換してソレノイド41に
供給する。
各車輪1L,1R,2L,2Rに夫々関連して車輪回転センサ50
L,50R,51L,51Rを設け、これらセンサは対応車輪の車輪
速VFL,VFR,VRL,VRRに対応した周波数のパルス信号を発
し、これらパルス信号をF/Vコンバータ12に供給する。F
/Vコンバータ12は各パルス信号をその周波数(車輪回転
数)に対応した電圧に変換してA/Dコンバータ11に入力
し、A/Dコンバータ11はこれら電圧をデジタル信号に変
換してマイクロコンピュータ10に入力する。
又、駆動輪ホィールシリンダ23L,23Rの液圧、つまり
駆動輪ブレーキ液圧PBL,PBRを夫々検出する圧力センサ6
0L,60Rを設け、これらからの信号をA/Dコンバータ11に
よりデジタル信号に変換してマイクロコンピュータ10に
入力する。
マイクロコンピュータ10は各種入力情報を元に第3図
乃至第6図の制御プログラムを実行して、スロットルバ
ルブ4の通常の開度制御及びトラクションコントロール
用の開度制御を行うと共に、電磁弁ソレノイド41の位置
制御、つまり駆動車輪のトラクションコントロール用制
動制御を行い、更にポンプモータ44(油圧ポンプ45)の
駆動制御を行う。第3図乃至第5図は図示せざるオペレ
ーティングシステムによりエンジン始動後一定周期ΔT
(例えばΔT=10msec)毎に定時割込み処理をされるメ
インルーチンで、第6図はこのメインルーチン内におい
て決定されたステップモータ5の回転速度に対応する周
期で処理されるステップモータ駆動用のOCI(Output co
mpare interrupt)割込み処理を示す。
第3図では先ずステップ101,102において、第1回目
の処理に限りマイクロコンピュータ10は内蔵RAM等のイ
ニシャライズ(初期化)を行う。次のステップ103で
は、車輪速VFR,VFL,VRL,VRRを読込み、これらを基にス
テップ104で左右駆動輪2L,2Rのスリップ率SL,SRをSL
(VRL−VFL)/VFL,SR=(VRR−VFR)/VFRにより求めた
後、ステップ105で左右駆動輪2L,2Rのスリップ率変化速
=SL−SL-1(但しSL-1は前回の左駆動輪スリップ
率)及び=SR−SR-1(但し、SR-1は前回の右駆動輪
スリップ率)を求める。
ステップ106では、左右駆動輪スリップ率SL,SRのうち
小さい方をセレクトロースリップ率Smin、大きい方をセ
レクトハイスリップ率Smaxにセットする。次にステップ
107において上記セレクトロースリップ率及びセレクト
ハイスリップ率のうち小さい方の値SminをK(例えば0.
6−0.9)の比率で重視するスリップ率の重み付け平均値
SavをSav=K×Smin+(1−K)×Smaxにより求めると
共に、その変化速度avav=Sav−Sav-1(但しS
av-1は前回のスリップ率重み付け平均値)を求める。
ステップ151では、上記のスリップ率平均値Savおよび
その変化速度avより、トラクションコントロール上好
適な第7図の如きスロットル開度制御域データを基に、
スロットル開度THをアクセルペダル6の踏込量Accに対
応した値に向け戻すべき(増大すべき)非制御域か、ス
ロットルバルブ4を急閉(スロットル開度THを急減)又
は緩閉(スロットル開度THを緩減)して車輪2L,2Rの駆
動スリップを防止すべき急閉域又は緩閉域かスロットル
開度THを不変に保つべき保持域かを、決定する。この決
定結果をステップ152〜154で判別し、非制御域ではステ
ップ201へ、緩閉域ではステップ301へ、急閉域ではステ
ップ351へ、又保持域ではステップ401へ夫々制御を進め
る。
非制御域ではステップ201〜206において、ステップ20
4でクリアされ、ステップ203または205でインクリメン
ト(歩進)されるマップ上げカウンタMAPUPCが一定のリ
カバー時間TRを示す度に、つまりTR時間毎にステップ20
6でスロットル開度マップMAPを前回マップ(MAP0)−1
として定めた後、制御をステップ401へ進める。マップM
APは第8図の如く第0枚目から第19枚目迄の20種類を設
定し、上記のマップ上げはスロットルバルブ開度をアク
セルペダル踏込量Accに対応した値に増大させる指令で
あることを意味する。
緩閉域のためステップ301へ制御が進んだ場合、先ず
このステップで前回どのスロットル制御域だったかをチ
ェックする。前回非制御域だった場合、以下の処理を1
回だけ行う。つまりステップ302で上記のマップ上げカ
ウンタMAPUPCをクリアし、次のステップ303,304で左又
は右の減圧フラグ及び左又は右の急減圧フラグが共に0
か否かを判別する。これらフラグは後述するように、対
応する左右駆動林2L,2Rのトラクションコントロール用
ブレーキ液圧の所定時間以上緩減圧状態及び所定時間以
上急減圧状態で0となり、少なくとも一方の駆動輪が急
減圧状態だったらステップ305においてマップ落ち数MAP
DNを1とし、それ以外ではステップ306においてMAPDN=
2をセットする。ステップ307では前回マップMAP0と後
述の如くにメモリしておいた所定時間前のマップ数PMAP
との大きい方(スロットル開度の小さい方)をセレクト
ハイマップMAPMAXとしてセットし、ステップ308でこの
セレクトハイマップMAPMAXをステップ305又は306におい
て定めた数MAPDNだけマップ落ちさせたもの(MAPMAX+M
APDN)を今回マップMAPとし、スロットル開度の緩閉を
指令する。なお、ステップ309,310では上記のMAPが非制
御域から最初に緩閉域になった時に求めた初期マップMA
PINI以下の時は、スロットル開度増大を指令することを
意味し、緩閉の意図に反することからMAP=MAPINIとす
る。
ステップ301で前回が緩閉域又は急閉域であると判断
した場合、制御をそのままステップ401に進め、前回保
持域であった場合、ステップ311で前回マップMAP0を1
だけマップ落ちさせたものを今回マップMAPとしてスロ
ットル開度域を指令した後に制御をステップ401に進め
る。
急閉域のため制御がステップ351へ進んだ場合、先ず
ここで前回のスロットル開度制御域をチェックする。前
回非制御域であった場合、ステップ352〜360で前記ステ
ップ302〜310と同様の処理を行い、ステップ362でこの
処理により求めたマップに更に2を加えてスロットル開
度の急域を指令した後制御をステップ401へ進める。ス
テップ351で前回から急閉域であったと判別する場合、
制御をそのままステップ401へ進め、前回緩閉域又は保
持域であった場合、ステップ361で前記ステップ311と同
様の処理を行った後制御をステップ401へ進める。
保持域のため(非制御域、緩増圧域、急増圧域用の処
理後も同様)ステップ401に制御が進む場合、ステップ4
01〜404で第8図に示す設定マップ数0〜19の範囲外に
あるMAP値を近い方の限界値0又は19にセットする。次
のステップ405,406では左右減圧フラグが共に0でなく
且つ左右急減圧フラグが共に0でない左右駆動輪2L,2R
のブレーキ液圧増圧状態をチェックする。増圧状態でな
ければ(減圧状態なら)ステップ407で対応する所定時
間TM前のスロットル制御マップをPMAPとしてスロットル
緩閉及び急閉制御(ステップ307,357)に用い、増圧状
態ならステップ408でTMより長い所定時間TM′前のマッ
プをPMAPとする。又次のステップ409では現在のマップM
APを前回マップMAP0としてメモリし、次回に備える。
第3図に示す以上の処理後、制御は第4図のステップ
502に進み、ここでアクセルペダル踏込み量Accを読込
む。次のステップ503では、前記の通りに求めたマップM
APに対応する開度特性マッップに基づき、アクセルペダ
ル踏込量Accに応じたステップモータ5の目標ステップ
数STEPをマップ検索して決定する。
又ステップ504では、前記ステップ503によって決定さ
れたスロットルバルブ4の開度目標ステップ数STEPと実
際の開度ステップ数THとの偏差Difを、 Dif=STEP−TH により算出する。さらにステップ505,506により上記の
偏差Difに基づいてステップモータ5のスピードの決
定、正転/逆転/保持の決定、更にはOCI割込み周期の
セット、モータ回転方向に関するフラグセット等を行
う。
ステップ550〜554では、左駆動輪ブレーキ液圧PBL
設定値PH以上か、これ未満で微小設定値PL以上か、或い
はPL未満かを判別して、PBL≧PH時低圧フラグを1にセ
ットし、PL≦PBL<PH時低圧フラグを0にリセットし、P
BL<PL時無制御フラグを0にリセットする。
次に、ステップ556〜558において、車輪駆動トルクT
が設定値T0以上の大トルク状態か、T<T0の小トルク状
態かを判別し、大トルク状態ならブレーキ液圧の制御周
期TBに5をセットし、この周期内における緩増圧用の増
圧時間Tsiに1をセットし、急増圧用の増圧時間Triに2
をセットし、緩域圧用の減圧時間Tsdに1をセットする
が、小トルク状態ならTB,Tsi,Tri,Tsdを夫々上記の2倍
とする。
その後ステップ601〜693において、左駆動輪を以下の
如く適正速度でトラクションコントロール用に制動及び
制動解除する。ステップ601では第9図に対応するテー
ブルデータを基に左駆動輪スリップ率SL及びその変化速
から左駆動輪ブレーキ液圧を急増圧すべきか、緩
増圧すべきか、保圧すべきか、緩減圧すべきか、急減圧
すべきかを領域(エリア)判定する。第9図のテーブル
データはトラクションコントロール上好適な左駆動輪ブ
レーキ液圧の制御態様で、スリップ率SL(S11,S2はエリ
ア境界値)及びその変化速度21,0,22はエリ
ア境界値)が高い程高速で増圧し、スリップ率SL及びそ
の変化速度が低い程高速で減圧すべきこととする。
なお第9図は、後述の右駆動輪ブレーキ液圧制御態様で
もあり、従って右駆動輪スリップ率SRおよびその変化速
も併記した。
上記の領域判定結果をステップ602〜605により判別
し、第5図の対応ステップに分岐させる。即ち、急増圧
エリアならステップ611に、緩増圧エリアならステップ6
31に、保圧エリアならステップ655に、緩減圧エリアな
らステップ661に、又急減圧エリアならステップ681に夫
々制御を進める。
急増圧エリアのためステップ611が選択されると、先
ずここで当該急増圧に関与しない緩減圧カウンタ、急減
圧カウンタ、緩増圧カウンタ、保圧タウンタおよび昇格
カウンタを夫々クリアする。次のステップ612で前回の
エリアをチェックし、前回減圧エリアだった場合ステッ
プ614を通るループを1回のみ実行し、前回増圧又は保
圧エリアだった場合ステップ618を通るループを実行す
る。前者のループでは、先ずステップ614,613で減圧フ
ラグ及び急減圧フラグが0か否か、つまり所定時間以上
急減圧を行ったか否かをチェックする。前回急減圧状態
だったのであれば、急増圧より急速な初期増圧を実行し
て応答遅れをなくす必要があることからステップ615で
初期増圧カウンタをインクリメントする。その後ステッ
プ691で電磁弁40LをC位置にする。この電磁弁位置で液
圧制御弁24Lはスプール25の第2図中右行により左駆動
輪ブレーキ液圧を上昇させ、左駆動輪をトラクションコ
ントロール用に制動する。しかして、減圧フラグ=0又
は急減圧フラグ=0でなければ、上記の初期増圧が不要
であるからステップ616で急増圧カウンタをインクリメ
ントしてステップ691を実行する。
以後ステップ612はステップ618を選択するようにな
り、ここでは減圧フラグを1にセットする。ステップ61
9,620では上記の初期増圧カウンタが4か0かをチェッ
クするが、ステップ615が実行されていればステップ61
9,620,621の経路を3回繰返しつつステップ691で増圧を
繰返し、次回にステップ619がステップ622,623、又その
後ステップ619がステップ620,623を選択するようにな
る。ステップ623では、急増圧カウンタが前記したT
B(ステップ557又は558)以上か否かをチェックし、ス
テップ624でこの急増圧カウンタが前記したTri未満か否
かをチェックする。ステップ616が実行されていなけれ
ばステップ623,624,627の経路がTri回繰返されてその都
度ステップ691の実行により増圧を行うが、ステップ616
が実行されていれば上記の経路がTri−1回のみ選択さ
れてステップ691の実行により増圧を行う。その後はス
テップ624がステップ625を選択するようになり、急増圧
カウンタがTBになる迄のTB−Tri回だけステップ692の実
行により、電磁弁40LをB位置にする。この電磁弁位置
で液圧制御弁24Lはスプール25を移動停止させて左駆動
輪ブレーキ液圧をこの時の値に保圧する。以後、急増圧
カウンタが1〜Triの時増圧、Tri+1〜TBの時保圧とす
るデューティ(Ti/TBのデューティ)に対応した速度で
左駆動輪ブレーキ液圧を急増圧することができる。
上記の急増圧作用を第11図乃至第13図につき説明す
る。
第11図(a)に示す如く減圧フラグ=1又は急減圧フ
ラグ=1の状態で瞬時t1に減圧エリアから急増圧エリア
に切換わったとすると、瞬時t1迄は減圧フラグ=1に対
応して後述する如くTB×10msecを1周期とし3Tsd×10ms
ecだけ減圧を行う(Tsdはステップ557,558参照)3Tsd/T
Bデューティで緩減圧が行われている。瞬時t1にステッ
プ614−616−691のループがTri−1回選択され、次にス
テップ618−619−620−623−624−627−691のループが
1回選択され、その後ステップ618−619−620−623−62
4−625−692を含むループがTB−Tri回選択されることで
第11図(a)中点線の如くTri/TBデューティで急増圧を
行うことができる。
第11図(b)に示す如く減圧フラグ=0及び急減圧フ
ラグ=0の状態で瞬時t1に減圧エリアから急増圧エリア
に切換わったとすると、瞬時t1迄は減圧フラグ=0及び
急減圧フラグ=0に対応して後述する如くデューティ10
0%の急減圧を継続している。瞬時t1にステップ614−61
3−615−691のループが1回選択され、次いでステップ6
18−619−620−621−691のループが3回選択され、その
後ステップ618−619−622−623−624−627−691のルー
プがTri回選択される結果、瞬時t1から4回分(ΔT×
4=40msec)の間急増圧より速い初期増圧を行って応答
遅れをなくし、その後第11図(b)中点線で示す如くT
ri回分(ΔT×Trimsec)の増圧を行う。以後は前述し
たと同様のTri/TBデューティによる急増圧を実行するこ
とができる。
なお定常的には上述した処から明らかなように第12図
(a)に示す如きTri/TBデューティによる急増圧を行
う。
緩増圧エリアのため第5図中ステップ631が選択され
ると、先ずここで関係のない緩減圧カウンタ、急減圧カ
ウンタ、保圧カウンタ及び昇格カウンタを夫々クリアす
る。次のステップ632で前回のエリアをチェックし、前
回減圧エリアだった場合ステップ634を含むループを1
回のみ実行し、前回増圧又は保圧エリアだった場合ステ
ップ638を含むループを実行する。前者のループではス
テップ634,633,635,636でステップ614,613,615,616にお
けると同様の処理を行うが、ステップ636ではステップ6
16における急増圧カウンタに代え緩増圧カウンタをイン
クリメントするものとする。又、ステップ638,639,640,
641,642でもステップ618,619,620,621,622と同様の処理
を行う。但し、ステップ638では急減圧フラグを1にセ
ットする処理を追加する。
ステップ643,648では急増圧から緩増圧への切換時、
当該切換えに待ち時間を設定するため前記の急増圧カウ
ンタがTBか、0か、これら以外かをチェックする。急増
圧カウンタが0,TB以外の時、つまり急増圧の途中であれ
ば、ステップ649で急増圧カウンタをインクリメントし
つつ、ステップ692で保圧し、急増圧カウンタがTBにな
った時はステップ644でこのカウンタをリセットした
後、又急増圧カウンタが0である時はそのままステップ
645,646,647,650,651による緩増圧制御を行う。この緩
増圧制御はステップ623,624,625,626,627による急増圧
制御と同じものであるが、ステップ624に対応するステ
ップ646で緩増圧カウンタがTsi未満(但しステップ557,
558に示すようにTsi<Tri)の時のみ増圧を実行させる
ため、急増圧時より小さなTsi/TBデューティで緩増圧す
ることができる。
上記緩増圧の作用を第11図乃至第13図につき説明す
る。
第11図(a),(b)の瞬時t1以後、減圧から増圧へ
の切換えは急増圧時と同様に行われるが、上記の通りデ
ューティが小さいため、これら図中実線で示す如く増圧
時間がTsi×10msecに短縮され、緩増圧を可能にする。
なお定常的には上述した処から明らかなように第12図
(b)に示す如きTsi/TBデューティによる緩増圧を行
う。
又第13図(a)に示す如く瞬時t1に緩増圧エリアから
急増圧エリアに切換わった場合は、直ちに急増圧が開始
されるも、同図(b)に示す如く瞬時t1に急増圧エリア
から緩増圧エリアに切換わった場合は、ステップ643,64
4,648,649,692を含むループによる待ち時間Δtだけ緩
増圧の開始を遅らせて不要な制動を防止することができ
る。
保圧エリアのため第5図中ステップ655が選択される
と、先ずここで初期増圧カウンタ、急増圧カウンタ及び
緩増圧カウンタを夫々クリアし、その後、ステップ656
〜658で保圧カウンタが0〜9を示す間、つまりΔt×1
0=100msecの時間中ステップ692で電磁弁40LをB位置に
保ち、次の1サイクル時間中(Δt×1=10msec中)ス
テップ691で電磁弁40LをC位置に保つ。これにより左駆
動輪ブレーキ液圧を、液漏れ分を補充しながら要求通り
この時の値に保圧することができる。
緩減圧エリアのため第5図中ステップ661が選択され
ると、先ずここで緩増圧カウンタ、急増圧カウンタ、保
圧カウンタ及び初期増圧カウンタを夫々クリアする。次
のステップ665で緩減圧カウンタが前記のTBに達したか
否かをチェックする。この緩減圧カウンタは、ステップ
666で無制御フラグが1と判別する限りにおいて、つま
り第4図中ステップ553,554に示した如く左駆動輪ブレ
ーキ液圧PBLが微小設定値PL以上のため、そのPBL/PH
の減圧速度制御が必要な限りにおいて選択されるステッ
プ673又は674でインクリメントされ、このインクリメン
トによりTBに達する時ステップ675で0にリセットされ
るものとする。又、緩減圧カウンタがTBに達する度にス
テップ676で昇格カウンタをインクリメントすると共
に、ステップ674の実行後ステップ693で電磁弁40LをA
位置にする。電磁弁位置で液圧制御弁24Lはスプール25
の第2図中左行により左駆動輪ブレーキ液圧を減圧し、
左駆動輪のスピン抑制後における再加速を可能ならしめ
る。
緩減圧カウンタがTBに達する迄の間は、ステップ666
で無制御フラグ=1と判別する限りにおいて、ステップ
667における低圧フラグ(左駆動輪ブレーキ液圧)の判
別結果に応じた頻度でステップ693の実行によりブレー
キ液圧を減圧する。即ち、ステップ667で低圧フラグか
らブレーキ液圧が高い(PBL≧PH)と判別する時は、ス
テップ672で昇格カウンタに関係なく緩減圧カウンタが
0〜Tsd×3である間(Tsdはステップ557又は558参照)
ステップ693による減圧を、又緩減圧カウンタがTsd×3
+1〜TBである間ステップ692による保圧を実行させ、T
sd×3/TBのデューティに対応した通常の速度でブレーキ
液圧を減圧する。
ステップ667でブレーキ液圧PBLが低い(PBL<PH)と
判別する場合、ステップ668で昇格カウンタが3未満と
判別する初期においては、ステップ670の判別結果に基
づき、緩減圧カウンタが0〜Tsdである間ステップ693に
よる減圧を、又緩減圧カウンタがTsd〜TBである間ステ
ップ692による保圧を実行させ、Tsd/TBのデューティに
対応した極く低速でブレーキ液圧PBLを減圧する。その
後ステップ669の判別により昇格カウンタが6になる迄
の中期においては、ステップ671の判別結果に基づき、
緩減圧カウンタが0〜Tsd×2である間ステップ693によ
る減圧を、又緩減圧カウンタがTsd×2+1〜TBである
間ステップ692による保圧を実行させ、2Tsd/TBのデュー
ティに対応した若干速い速度でブレーキ液圧を減圧す
る。次に、昇格カウンタが6になった後においては、ス
テップ672の判別結果に基づき、緩減圧カウンタが0〜T
sd×3である間ステップ693による減圧を、又緩減圧カ
ウンタがTsd×3+1〜TBである間ステップ692による保
圧を実行させ、3Tsd/TBのデューティに対応した一層速
い速度でブレーキ液圧を減圧する。
ステップ667で低圧フラグからブレーキ液圧PBLがPH
満の低い値であると判別した場合、つまり通常の緩減圧
速度(前記した通り3Tsd/TBデューティに対応した速
度)で減圧すると、ブレーキ液圧が0kgf/cm2となって次
の増圧サイクルが0kgf/cm2からの増圧を余儀なくされ、
制動音が生じたり、車体振動を生ずる場合の上記緩減圧
作用を示すと第12図(c)の如くになる。即ち、昇格カ
ウンタが0〜2の初期においては、TB×10msecの周期中
Tsd×10msecだけ減圧がなされ、昇格カウンタが3〜5
の中期においてはTB×10msecの周期中2Tsd×10msecだけ
減圧がなされ、昇格カウンタが6以上のその後は通常と
同じくTB×10msecの周期中3Tsd×10msecだけ減圧がなさ
れる。このように昇格カウンタが0〜5の期間中減圧速
度を通常より遅くすることにより、ブレーキ液圧PBL
低くても、当該減圧サイクルでこのブレーキ液圧が0kgf
/cm2まで低下されてしまうのを防止することができる。
これにより次の増圧サイクルが0kgf/cm2からのものとな
るようなことはなくなり、これが原因で駆動輪の制動音
が生じたり、車体の上下振動が生ずるのを防止すること
ができる。そして、減圧速度を緩減圧エリアにある間徐
々に速くすることで、減圧遅れが生ずるのを防止するこ
とができる。
なお、ステップ666で無制御フラグが0であると判別
した場合、つまり上記の減圧速度制御が不要である程に
ブレーキ液圧PBLが低い場合は、無条件にステップ693を
実行させ続けることで、ブレーキ液圧を速かに除去する
こととする。
急減圧エリアのため第5図中ステップ681が選択され
ると、先ずここで緩増圧カウンタ、急増圧カウンタ、保
圧カウンタ及び初期増圧カウンタを夫々クリアする。そ
して、制御をそのままステップ693に進め、第12図
(d)の如くデューティ100%により要求通り急減圧を
行わせる。
ところで、上記のトラクションコントロール用ブレー
キ液圧制御に当り第11図乃至第13図の如くに用いる制御
周期TB、及びこの周期内における増減圧時間Tri,Tsi,T
sdを夫々第4図中ステップ556〜558で車輪駆動トルクが
大きい時短く(ステップ557)、車輪駆動トルクが小さ
い時2倍に長く(ステップ558)することから、デュー
ティ比(増減圧速度)を指令値から変えることなしに、
1制御周期当りのブレーキ液圧変化時間(ブレーキ液圧
単位変化時間)を車輪駆動トルクが大きい時は小さく、
車輪駆動トルクが小さい時は大きくすることができる。
よってエンジン出力が大きく、ホイールシリンダ内のブ
レーキ圧が高い大トルク時にブレーキ液圧単位変化時間
が長過ぎることがなくなり、サスペンションメンバのピ
ッチングを生じたり、車体後部のスカット量が増大して
上下振動を生じたり、サスペンションインシュレータ打
音が発生するのを防止することができ、他方でエンジン
出力が小さく、ホイールシリンダ内のブレーキ液圧が低
い小トルク時にブレーキ液圧単位変化時間が短か過ぎる
ことがなくなり、所定のトラクションコントロール効果
が得られなくなるのを防止することができる。
以上の左駆動輪ブレーキ液圧(制動)制御(ステップ
550〜693)と同様の制御がステップ695,696で右駆動輪
に対しても実行され、同駆動輪のホイールスピンも同様
に防止される。なおステップ695は第4図中ステップ601
に対応するが、同図中ステップ550〜554に相当する処理
をも含むものとし、又ステップ696はステップ602〜693
の制御内容に対応するものである。
その後は、ステップ701〜703において油圧ポンプ45の
駆動制御を以下の如くに行う。ステップ701では圧力ス
イッチ47がONか否かを、つまりアキュムレータ43の圧力
Pcが所定値に達しているか否かをチェックする。圧力ス
イッチ47は第10図の如くアキュムレータ内圧PcがP1以下
に低下する時ONし、P2以上に上昇する時OFFするヒステ
リシス特性を持つ。圧力スイッチ47のON時ステップ702
でモータ44のONによりポンプ45を駆動してアキュムレー
タ内圧Pcを高め、圧力スイッチ47のOFF時ステップ703で
モータ44のOFFによりポンプ45を停止してアキュムレー
タ内圧Pcの上昇を停止する。よって、アキュムレータ43
内には常時所定の圧力Pcが蓄圧され、前記トラクション
コントロール用のブレーキ液圧上昇制御を行うことがで
きる。
次に、第6図のスロットルバルブ開閉用OCI割り込み
フローチャートの説明を行う。このプログラムは第4図
中ステップ505で決定したステップモータ速度が得られ
るような周期で繰返し実行され、先ずステップ800で第
4図中ステップ506の実行結果からステップモータ5を
正転すべきか、逆転すべきか、現在位置に維持すべきか
を判別する。正転すべきならステップ801でステップモ
ータ5の1段回正転を、又逆転すべきならステップ802
でステップモータ5の1段回逆転をセットし、保持すべ
きならステップ801,802をスキップする。そして、ステ
ップ803でモータ駆動信号をステップモータ5へ出力
し、スロットルバルブ4を第4図中ステップ503での演
算結果に対応した開度となす。
以下第14図の動作例に基づき本発明の駆動輪制動制御
によるトラクションコントロールを説明する。この動作
例では左右駆動輪が同期して同程度にホイールスピン
し、両駆動輪を同時に同様に制動制御したこととして説
明を展開する。
瞬時t1迄はスリップ率SL(SR)がS11未満で且つその
変化速度)が0と21との間にあって第9図
から明らかなように緩減圧エリアにある。よって両駆動
輪のブレーキ液圧は前記作用によりゆっくり減圧され、
これら駆動輪の制動力を漸減する。瞬時t1〜t2間はスリ
ップ率がS11及びS12間の値で、その変化速度が0と21
との間であって第9図から明らかなように緩増圧エリア
にある。よって両駆動輪のブレーキ液圧は前記作用によ
りゆっくり増圧され、これら駆動輪の制動力を漸増す
る。瞬時t2〜t3間は、スリップ率がS11,S12間の値でそ
の変化速度が21以上か、スリップ率がS12以上でその
変化速度が正であるため、第9図から明らかなように急
増圧エリアにある。よって両駆動輪のブレーキ液圧は前
記作用により急増圧され、これら駆動輪の制動力を急増
する。瞬時t3〜t4間は、スリップ率がS12以上でその変
化速度が0と22との間の値であって第9図から明らか
なように緩増圧エリアにあり、両駆動輪の制動力を漸増
させる。瞬時t4〜t5間は、スリップ率がS11およびS12
の値であり且つその変化速度が0及び22間であって第
9図から明らかなように保圧エリアにある。よって、両
駆動輪のブレーキ液圧は前記作用により瞬時t4の値に保
圧され、これら駆動輪の制動力を保持しておく。
瞬時t5以後も第9図に基づく同様の領域判定により、
判定結果に応じた両駆動輪のブレーキ液圧制御がなさ
れ、瞬時t5〜t6間は保圧、瞬時t6〜t7間は緩増圧、瞬時
t7〜t8間は保圧、瞬時t8以後は緩減圧が夫々実行され
る。
よって、第9図に対応した駆動輪ブレーキ液圧制御に
よりトラクションコントロールが行われ、駆動輪の駆動
スリップを防止することができる。しかし第9図の制御
態様はスリップ率及びその変化速度に応じブレーキ液圧
の増圧、減圧速度を決定することから、大きな駆動スリ
ップや急な駆動スリップを生ずる状況のもとでは、スリ
ップ発生に見合うよう駆動輪の制動速度を速めてトラク
ションコントロール性能の低下を防止したり、制動によ
る駆動スリップの収まりが速いことに合わせて制動解除
速度も速くし、不要な制動を防止することができる。又
逆に駆動スリップが小さく、しかもゆっくり発生するよ
うな状況のもとでは、スリップの発生に見合うよう制動
速度を遅くして不要な制動を防止したり、制動による駆
動スリップの収まりが遅いことに合わせて制動解除速度
も遅くてトラクションコントロール性能の低下を防止す
ることができる。
(発明の効果) かくして本発明トラクションコントロール装置は上述
の如く、車輪駆動トルクに応じこれが設定以上の時、ト
ラクションコントロール用のブレーキ液圧増減デューテ
ィは不変のままにデューティ制御周期を短くして、ブレ
ーキ液圧単位変化時間を小さくする構成としたから、当
該変化時間をエンジン出力トルクの大小とホイールシリ
ンダ内のブレーキ圧の高低にマッチさせることができ、
大トルク時に乗心地の悪化を生じたり、小トルス時に所
定のトラクションコントロール効果が得られないといっ
た問題を同時に解消することができる。
更に本発明によれば、この間も上記の通りブレーキ液
圧増減デューティ比を変化させることがないから、ブレ
ーキ液圧の増圧速度および減圧速度をスリップ状態に応
じた好適値に維持することができ、この点に関するトラ
クションコントロール効果を不変に保ったまま上記の作
用効果を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明トラクションコントロール装置の概念
図、 第2図は本発明装置の一実施例を示すシステム図、 第3図乃至第6図は同例におけるマイクロコンピュータ
の制御プログラムを示すフローチャート、 第7図は同例において用いるトラクションコントロール
用のスロットル開度制御マップ図、 第8図は同例において用いたアクセルペダル踏込量に対
するスロットルバルブ開度のマップ図、 第9図は同例において用いた駆動輪ブレーキ液圧制御の
領域マップ図、 第10図は第2図におけるポンプのON,OFF線図、 第11図乃至第13図は夫々第2図の装置における電磁弁駆
動デューティの波形図、 第14図は本発明装置によるトラクションコントロールの
動作タイムチャートである。 1L,1R……従動輪、2L,2R……駆動輪 3……車輪駆動トルクセンサ 4……スロットルバルブ 5……ステップモータ、6……アクセルペダル 8……スロットルセンサ、9……アクセルセンサ 10……マイクロコンピュータ 11……A/Dコンバータ、12……F/Vコンバータ 13……モータ駆動回路、14……D/Aコンバータ 20……ブレーキペダル 21……ブレーキマスターシリンダ 22L,22R,23L,23R……ホイールシリンダ 24L,24R……液圧制御弁、40L,40R……電磁弁 43……アキュムレータ、45……ポンプ 47……圧力スイッチ 50L,50R,51L,51R……車輪回転センサ 60L,60R……圧力センサ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トラクションコントロール用の液圧源を具
    え、 車輪の駆動スリップ発生時、該駆動車輪のブレーキ液圧
    を前記液圧源の液圧によりデューティ比に応じた速度で
    増圧して駆動車輪を制動することにより駆動スリップを
    抑制し、駆動スリップ抑制時、駆動車輪のブレーキ液圧
    をデューティ比に応じた速度で減圧して駆動車輪の制動
    力を減ずるサイクルを繰り返すトラクションコントロー
    ル装置を搭載した車両において、 前記車輪の駆動スリップ状態に応じ前記ブレーキ液圧増
    減用のデューティ比を決定するデューティ比決定手段
    と、 前記車輪の駆動トルクを検出する車輪駆動トルク検出手
    段と、 該検出した車輪駆動トルクが設定以上の時、前記デュー
    ティ比決定手段により決定されたデューティ比を変更す
    ることなくデューティ比のデューティ制御周期を短くす
    るブレーキ液圧単位変化時間変更手段とを具備してなる
    ことを特徴とする車両のトラクションコントロール装
    置。
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