JP2603839B2 - 車両のトラクション制御方法 - Google Patents

車両のトラクション制御方法

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JP2603839B2 JP29772287A JP29772287A JP2603839B2 JP 2603839 B2 JP2603839 B2 JP 2603839B2 JP 29772287 A JP29772287 A JP 29772287A JP 29772287 A JP29772287 A JP 29772287A JP 2603839 B2 JP2603839 B2 JP 2603839B2
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利史 前原
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は車両のトラクション制御方法に関し、車両発
進時または加速時に生じる駆動輪の空転を検出し、この
検出にもとづいて駆動輪の制動制御を行ない、駆動輪の
空転を抑制するようにした車両用トラクション制御方法
に関する。
(従来技術) 従来より、特に車両が凍結路、雪道あるいは泥濘路の
ような摩擦係数の低い路面上を走行する場合、車両発進
時または加速時に生じる駆動輪の空転を防止して車両の
走行安定性および加速性を向上させるようにしたトラク
ション制御装置が知られている。このようなトラクショ
ン制御装置では、例えば特開昭61−85248号公報に開示
されているように、左右の駆動輪のそれぞれ空転状態を
検出し、その空転の程度が所定値以上の場合に、その駆
動輪のブレーキ装置に対するブレーキ液圧を加圧して制
動制御を行なうと同時に、エンジン出力の制御を行なう
のが普通である。
ところで、駆動輪に対するブレーキ液圧の制御に関し
てみれば、一般に車体速度に関連した複数のしきい値の
設定によって、駆動輪の車輪速度を複数の速度域に区分
し、駆動輪の車輪速度が現在どの速度域に属するかの検
出、およびこの車輪速度が加速状態にあるか減速状態に
あるかの検出にもとづいて、その駆動輪に対するブレー
キ液圧の制御を行なうのが普通である。
しかしながら、トラクション制御では、ブレーキ液圧
の制御と並行してエンジン出力の制御も行なわれるか
ら、単に駆動輪の車輪速度と上記速度域との比較にもと
づいてブレーキ液圧を制御する場合、ブレーキ液圧が過
加圧状態および過減圧状態になり勝ちであり、これによ
りハンチング現象が発生して車体に大きな振動が起り、
乗員に不快感を与える問題があった。
(発明の目的) そこで本発明は、トラクション制御時においてブレー
キ液圧の過加圧および過減圧が生じないようにブレーキ
液圧を制御して、車体振動の発生を防止した車両用トラ
クション制御方法を提供することを目的とする。
(発明の構成) 本発明では、車体速度よりも高速の複数のしきい値を
設定し、上記駆動輪の加速時または減速時における車輪
速度と上記複数のしきい値との比較によって上記ブレー
キ液圧の加圧開始時点または減圧開始時点を設定して上
記ブレーキ液圧の制御を行なうとともに、上記駆動輪の
車輪速度が上記複数のしきい値のうちの特定のしきい値
を所定時間内に2度に亘って超えた場合には、上記加圧
開始時点および上記減圧開始時点を遅らせるように上記
ブレーキ液圧を制御することを特徴とする。
(発明の効果) 本発明においては、トラクション制御時に駆動輪の車
輪速度が複数のしきい値のうちの特定のしきい値(例え
ば最高速のしきい値)を所定時間内に2度に亘って超え
た場合に、加圧開始時点および減圧開始時点を遅らすよ
うにブレーキ液圧を制御しているので、ブレーキ液圧の
変化が滑らかになり、ハンチング現象の発生を抑圧する
ことができる。
(実 施 例) 以下、本発明の一実施例について、図面を参照して詳
細に説明する。
第1図は本発明の実施に適用されるトラクション制御
装置の系統図を示す。図において、符号10はブレーキ操
作部材としてのブレーキペダルを示し、このプレーキペ
ダル10により、2つの加圧室(図示は省略)を有するマ
スタシリンダ11を動作させるようになっている。マスタ
シリンダ11の上部にはリザーバ12が取付けられ、このリ
ザーバ12からポンプ13がブレーキ液を汲み上げて、アキ
ュムレータ14に高圧で貯えるように構成されている。
マスタシリンダ11の一方の加圧室は、ゲートバルブGV
を備えた液通路15によって、駆動輪である右前輪20Rを
制動するブレーキのホイールシリンダ21に接続されてお
り、また、液通路15は、従動輪である左後輪22Lを制動
するブレーキのホイールシリンダ21にカットバルブCVを
介して接続されている。マスタシリンダ11の他方の加圧
室は、ゲートバルブGVを備えた液通路16によって、駆動
輪である左前輪20Lを制動するブレーキのホイールシリ
ンダ21に接続されており、また液通路16は、従動輪であ
る右後輪22Rを制動するブレーキのホイールシリンダ21
にカットバルブCVを介して接続されている。液通路15と
アキュムレータ14との間、および液通路16とアキュムレ
ータ14との間には、それぞれビルドバルブBVが接続さ
れ、また、液通路15とリザーバ12との間、および液通路
16とリザーバ12との間にはそれぞれディケイバルブDVが
接続されている。角ビルドバルブBVは、その開動作また
は閉動作によって、アキュムレータ14に蓄積された高圧
のブレーキ液をホイールシリンダ21に供給し、または供
給遮断を行なう機能を有し、ディケイバルブDVは、その
開動作または閉動作によって、ホイールシリンダ21内の
ブレーキ液をリザーバ12に排出し、または排出遮断を行
なう機能を有する。
これらゲートバルブGV、カットバルブCV、ビルドバル
ブBVおよびディケイバルブDVはソレノイドバルブよりな
り、車両の制御時のアンチロック制御にも共用されるも
のであり、マイクロコンピュータを主体とする制御装置
23からの指令によって開閉制御される。そして左右の駆
動輪20L、20Rに対するトラクション制御が開始される
と、ゲートバルブGVおよびカットバルブCVが閉じられ
て、駆動輪20L、20Rのホイールシリンダ21はマスタシリ
ンダ11から切離され、また従動輪22L、22Rのホイールシ
リンダ21は液通路15、16から切離される。このゲートバ
ルブGVおよびカットバルブCVが閉じられることにより、
従動輪22L、22Rのブレーキのホイールシリンダ21のブレ
ーキ液圧は無圧状態に保持され、また駆動輪20L、20Rの
ブレーキのホイールシリンダ21のブレーキ液圧は、ビル
ドバルブBVの開状態とディケイバルブDVの閉状態とにお
いて加圧され、ビルドバルブBVおよびディケイバルブDV
の双方の閉状態において保持され、かつ、ビルドバルブ
BVの閉状態とディケイバルブDVの開状態とにおいて減圧
される。
一方、制御装置23には、各車輪20L、20R、22L、22Rの
回転速度をそれぞれ検出するための回転速度センサ24
L、24R、25L、25R、ブレーキペダル10が踏込まれたこと
を検出するブレーキスイッチ26、アクセルペダル27の踏
込み量を検出するアクセルペダル踏込み量センサ28が接
続されている。制御装置23はこれらセンサから供給され
る情報に基いて、エンジンのスロットル制御機構29を駆
動してエンジン出力を制御するとともに、ゲートバルブ
GV、カットバルブCV、ビルドバルブBVおよびディケイバ
ルブDVを開閉して駆動輪20L、20Rのホイールシリンダ21
のブレーキ液圧を制御している。また、ブレーキスイッ
チ26が作動されると、トラクション制御は直ちに終了す
るようになっている。
第2図は制御装置23の機構を示し、第3図、第4図は
制御装置23が実行するトラクション制御のタイミングチ
ャートを示す。駆動輪20L、20Rの回転速度は、回転速度
センサ24L、24Rでそれぞれ検出され、演算回路31、32に
より駆動輪の車輪速度VDL、VDRがそれぞれ算出される。
車輪速度VDL、VDRは制御ロジック回路30に入力される。
さらに、左右の従動輪22L、22Rの回転速度が回転速度セ
ンサ25L、25Rでそれぞれ検出され、演算回路33、34によ
り左右従動輪の車輪速度VNL、VNRがそれぞれ算出され
る。
また、左右の駆動輪の車輪速度VDL、VDRは加速度・減
速度演算回路35、36にそれぞれ与えられて、車輪速度VD
L、VDRの加速度・減速度DL、DRが算出されて制御ロ
ジック回路に入力される。
一方、左右の従動輪22L、22Rの車輪速度VNL、VNRはハ
イセレクト回路37に与えられて、これら車輪速度VNL、V
NRのうちの高速側の車輪速度が選択されて実車体速度に
近似した速度をあらわす擬似車体速度Vvとして算出さ
れ、この速度Vvが加算回路よりなるしきい値設定回路38
に与えられる。このしきい値設定回路38では、擬似車体
速度Vvに一定の値Vkを加算して、第3図に示すような第
1しきい値Vt1(=Vv+Vk)を作成し、またこの第1し
きい値Vt1に一定の値Vk′を加算して第2しきい値Vt2
(=Vv+Vk+Vk′)を作成し、この第2しきい値Vt2に
一定の値Vk″を加えて第3しきい値Vt3(=Vv+Vk+V
k′+Vk″)を作成する。さらに、制御終了用しきい値
として、擬似車体速度Vvと第1しきい値Vt1との間のし
きい値Vt0(Vt0=Vv+Vk)を作成する。これらしきい
値Vt0、Vt1、Vt2、Vt3はそれぞれ制御ロジック回路30に
入力される。また、制御ロジック回路30には、ブレーキ
スイッチ26からの出力が入力される。制御装置23は、上
述した各信号に基いて、スロットル制御機構29を駆動し
て、車両発進時および加速時のアクセル開度を制御する
とともに、ビルドバルブBV、ディケイバルブDVおよびそ
の他のバルブを開閉制御して、第3図および第4図に示
すように、左駆動輪20Lおよび右駆動輪20Rのホイールシ
リンダ21のブレーキ液圧をそれぞれ制御してトラクショ
ン制御を実行する。
次に本発明によるトラクション制御の一例を、各ステ
ータスにおける制御のタイミングチャートを示す第3図
と、制御のフローチャートを示す第5図とを参照して説
明する。なお、本発明におけるブレーキ液圧の制御は、
左右の駆動輪に対して個別に行なわれるものであるが、
ここでは、左右の駆動輪の車輪速度VDL、VDRを一括して
Vwであらわすことにする。
〔ステータス0〕 トラクション制御が行なわれていないときのステータ
スであり、制御開始前では車輪速度Vwが第1しきい値Vt
1を下まわっており(Vw<Vt1)、制御中ではVwがしきい
値Vt0を下まわってから(Vw<Vt0)所定時間t経過後の
状態である。ビルドバルブBVは閉、ディケイバルブDVは
開、ゲートバルブGVおよびカットバルブCVはともに開状
態にあり、ブレーキ液圧Pwは最大減圧状態にある。
〔ステータス1:予備加圧〕 車輪速度Vwの加速時においてこの車輪速度Vwが第1し
きい値Vt1に達した時点Aから第5図のステップS1の判
定がYESになり、ステップS2へ進んで制御を開始する。
この時点AでゲートバルブGV、カットバルブCVおよびデ
ィケイバルブDVが閉じられ、ビルドバルブBVは設定時間
ΔTだけ開かれてブレーキ液圧の予備加圧を行なう。
次のステップS3では車輪速度Vwが加速状態にあるか否
かを判定し、次のステップS4ではステータスが変ったか
否かを判定する。車輪速度Vwが第2しきい値Vt2に達す
るまではステータスが変らないから、処理はステップS5
へ進み、ステータス1の状態を持続し、ステップS6へ移
る。このステップS4からS5を経てS6へ移る処理は以降の
各ステータスにおいても常に反復される。ステップS6は
制御終了条件の1つであり、この場合はVw<Vt0ではな
いから、再びステップS3へ戻り、次のステップS4へ進
む。
〔ステータス2:加圧〕 加速中の車輪速度Vwが時点Bで第2しきい値Vt2に達
すると、ステップS4の判定が「YES」となり、次のステ
ップS7の判定(Vw≧Vt2?)も当然「YES」であるから、
ステップS8へ進む。このステップS8では、車輪速度Vwが
所定時間T秒以内に第3しきい値Vt3を2回超えたか否
かを判定しており、この場合の判定結果は勿論「NO」で
あるから次のステップS9へ進み、ブレーキ液圧の加圧を
開始する。そしてVw=Vt2になったときの加速度wに
対応するあらかじめ設定されたON・OFF時間でビルドバ
ルブBVを開閉することにより、ブレーキ液圧は階段的に
上昇する。なお、ステップS8における判定結果が「YE
S」のときの制御については後述する。
〔ステータス3:加圧〕 車輪速度Vwはさらに上昇して時点Cで第3しきい値Vt
3に達するが、次のステップS10では車輪速度Vwがハイピ
ークに達したか否かを判定しており、この場合のステッ
プS10の判定は「NO」であるから、処理はステップS5、S
6を経てステップS3に戻り、再びステップS4、S7、S8を
経てステップS9に至り、加圧を継続する。そしてVw=Vt
3になったときの加速度wに対応して設定されたON・O
FF時間でビルドバルブBVを開閉することにより、ブレー
キ液圧は段階的にさらに上昇する。
〔ステータス4:保持〕 車輪速度Vwが時点Dでハイピークに達すると、ステッ
プS10の判定が「YES」となり、ステップS11へ進む。こ
こでビルドバルブBVを閉じ時点Dにおけるブレーキ液圧
を保持し、ステップS6を経てステップS3に戻る。時点D
以降は車輪速度Vwは減速に転じるからステップS3の判定
の「NO」となり、第5図のフローは右側のステップS12
へ移る。ステップS12では、ステップS4と同様に、ステ
ータスが変ったか否かを判定し、ステータスが変らない
間はステップS5→S6→S3を通る経路を反復する。
〔ステータス5:減圧〕 減速中の車輪速度が時点Eで第3しきい値Vt3を下ま
わるとステップS12の判定が「YES」となり、ステップS1
3へ進む。このステップS13でも、前述したステップS8と
同様に、車輪速度Vwが所定時間T秒以内に第3しきい値
Vt3を2回超えたか否かを判定しており、この場合の判
定結果も「NO」であるから次のステップS14へ進み、ブ
レーキ液圧の減圧を開始する。そしてVw=Vt3になった
ときの減速度wに応じたあらかじめ設定されたON・OF
F時間でディケイバルブDVを開閉することにより、ブレ
ーキ液圧は階段的に減少する。次のステップS15では車
輪速度Vwがローピークに達したか否かを判定しており、
この場合の判定は「NO」であるから、ステップS5へ進み
ブレーキ液圧の減圧は継続される。
〔ステータス6:減圧〕 車輪速度Vwはさらに減速した時点Fで第2しきい値Vt
2に達するから、ステップS12の判定が再び「YES」とな
り、ステップS13を経てステップS14へ進み、Vw=Vt2に
なったときの減速度wに応じたあらかじめ設定された
ON.OFF時間でディケイバルブDVを開閉することにより、
ブレーキ液圧はさらに減圧される。
〔ステータス7:減圧〕 車輪速度Vwはさらに減速して時点Gで第1しきい値Vt
1に達するから、ステップS12の判定が再び「YES」とな
り、ステップS13を経てステップS14へ進み、Vw=Vt1に
なったときの減速度wに応じたあらかじめ設定された
ON・OFF時間でディケイバルブDVを開閉することによ
り、ブレーキ減圧はさらに減圧される。ここで時点Hで
車輪速度Vwがローピークに達するから、ステップS15の
判定が「YES」となり、ステップS16へ進む。このステッ
プS16は、車輪速度Vwが第1しきい値Vt1と第3しきい値
Vt3との間の速度域にあるか否かを判定しており、この
場合Vw<Vt1であるからステップS16の判定は「NO」とな
る。したがってブレーキ液圧の減圧はさらに持続され、
車輪速度は減速から加速に転じるから、制御フローはス
テップS4側へ移る。
〔ステータス(1):保持〕 車輪速度Vwが時点Iで第1しきい値Vt1まで回復する
と、ステップS4の判定が「YES」となり、ステップS7へ
進むが、この場合Vw<Vt2であるから、ステップS7の判
定は「NO」となり、直接ステップS11へ進んだ、時点I
におけるブレーキ液圧を保持する。このブレーキ液圧の
保持状態はステータスが変らない間持続され、車輪速度
Vwが第2しきい値Vt2に達すれば加圧が開始され、第1
しきい値Vt1を下まわれば減圧が開始される。
〔ステータス(0):減圧〕 上述と同様にして、車輪速度Vwが第2しきい値Vt2に
達した時点Jで加圧開始、ハイピーク時点Kで保持、第
2しきい値Vt2まで減速した時点Lから減圧を開始して
車輪速度Vwが第1しきい値Vt1まで減速した時点Mから
再びステータス7になるが、車輪速度Vwは時点Nで制御
終了用しきい値Vt0に達する。ここではじめてステップS
6の判定がYESとなるので次のステップS17へ進み、車輪
速度VwがVt0を下まわってから設定時間t秒経過したか
否かを判定する。この場合、車輪速度Vwは時点Nから設
定時間t秒経過するまではステップS17の判定は「NO」
であり、制御はステップS3へ戻る。なお、このステータ
ス(0)での減圧は、ディケイバルブDVを開状態に保っ
たままで行なっている。
車輪速度Vwが時点Qで第1しきい値Vt1を超えると、
再びステータス(1)となり、ブレーキ液圧は保持され
るが、このステータス(1)ではステップS7の判定が
「NO」になることにより、ステップS11へ進んでブレー
キ液圧は保持され、車輪速度Vwが第1しきい値Vt1を下
まわる時点Rからステータス7となり、ブレーキ液圧は
減圧される。さらに車輪速度Vwが制御終了用しきい値Vt
0を下まわる時点Sから再びステータス(0)となるか
ら、ステップS6の判定が「YES」となり、ステップS17へ
進んで経過時間を判定する。そして時点Sから設定時間
t秒経過後の時点TでステップS17の判定が「YES」とな
ることにより、制御を終了し、ステータス0に戻ってゲ
ートバルブGVおよびカットバルブCVを開く。
次に第4図は、ブレーキ液圧の減圧状態において減速
中の車輪速度Vwが第1しきい値Vt1と第3しきい値Vt3と
の間の速度域でローピークに達した場合を示す。この場
合は第5図のステップS16の判定が「YES」となり、ステ
ップS18へ進み、ローピーク時点XおよびYでブレーキ
液圧は保持される。このブレーキ液圧の保持状態はステ
ータスが変らない間持続されて過加圧および過減圧が生
じないようにしており、車輪速度Vwが加速中に第2しき
い値Vt2または第3しきい値Vt3のいずれかを最初に上ま
わった時点からブレーキ液圧の加圧が開始され、また、
減速中に第2しきい値Vt2または第1しきい値Vt1のいず
れかを最初に下まわって時点から減圧が開始されるよう
にブレーキ液圧が制御される。
次に第5図のステップS8およびS13における判定結果
が「YES」となったときのブレーキ液圧の制御について
第6図を参照して説明する。
第6図においては左右の駆動輪の車輪速度を個別に示
してあり、またブレーキ液圧の加圧および減圧状態は第
3図のように階段状で表わすのを省略して、直線で表わ
してある。いま右駆動輪の車輪速度VDRに着目すると、
時点aで第3しきい値Vt3を超えてステータス3に移
り、その後ハイピーク点を経て減速するが、時点bで再
びステータス3になったとする。そして時点aから時点
bまでの時間を計測し、この時間が所定時間T秒以内で
あったときには、エンジンの駆動力が片方の駆動輪に流
出した(ハンチング現象発生)と判断し、その後第3し
きい値Vt3を下まわってステータス4からステータス5
に移っても、ステータス5では減圧せずにブレーキ液圧
を保持し、次のステータス6に至ってはじめてブレーキ
液圧の減圧を開始するようにしている。すなわち、第6
図において車輪駆動VDRが第3しきい値Vt3まで減少した
時点cから始まる第5ステータスではブレーキ液圧を減
圧せず、第2しきい値Vt2まで減少した時点dから始ま
る第6ステータスでブレーキ液圧を減圧するのである。
さらに車輪速度VDRが再び上昇して第2しきい値Vt2に達
した時点eから始まる第2ステータスでは加圧せず、車
輪速度VDRが第3しきい値Vt3に達しない限りブレーキ液
圧の保持を持続するのである。
左駆動輪の車輪速度VDLについても同様であり、時点
a′と時点b′とにおいて2回に亘り第3しきい値Vt3
を上まわって第3ステータスに移行しているが、時点
a′から時点b′までの時間を計測し、この時間が所定
時間T秒以内であったときには、ハンチングが発生して
いると判断して第3しきい値Vt3まで減少した時点c′
から始まる第5ステータスでは減圧せずにブレーキ液圧
を保持し、第2しきい値Vt2まで減少した時点d′から
減圧を開始している。
このように車輪速度Vwが所定時間T秒以内に2回に亘
って第3しきい値Vt3を超えて第3ステータスに移行し
たことが判定された後のブレーキ液圧の制御について
は、第5図にステップS13およびS19(減速時)と、ステ
ップS8およびS20(加速時)とで表わされており、減速
時においてステップS13の判定が「YES」であれば、ステ
ップS19へ進み、ここで車輪速度Vwが第2しきい値Vt2と
第3しきい値Vt3との間にあるか否か、すなわちステー
タス5であるか否かを判定し、この判定が「YES」であ
れば、ステップS14(減圧)へは進まずにステップS5に
進み、ブレーキ液圧を保持する。そしてステップS19の
判定が「NO」になったとき、すなわちステータス6にな
ったときにはじめてブレーキ液圧を減圧するのである。
一方、加速時においてステップS8の判定が「YES」であ
れば、ステップS20へ進み、ここで車輪速度Vwが第2し
きい値Vt2と第3しきい値との間にあるか否か、すなわ
ちステータス2であるか否かを判定し、この判定が「YE
S」であればステップS9(加圧)へは進まずにステップS
5に進み、ブレーキ液圧を保持する。そしてステップS20
の判定が「NO」になったとき、すなわちステータス3に
なったときに始めてブレーキ液圧を加圧するのである。
以上が本発明による車両のトラクション制御方法の実
施例であるが、本実施例によれば、車輪速度Vwが所定時
間T秒以内に2度に亘って第3しきい値を超えた場合、
ハンチング現象発生と判断して加圧または減圧開始時期
を遅らせており、これによってブレーキ液圧の変化をな
めらかにしてハンチング現象を収束させているので、ト
ラクション制御に伴う車体振動の発生を防止することが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施に適用されるトラクション制御装
置の系統図、第2図はその制御装置の構成を示すブロッ
ク図、第3図および第4図は本発明におけるブレーキ液
圧制御のタイミングチャート、第5図は本発明における
ブレーキ液圧制御ルーチンのフローチャート、第6図は
ハンチング現象が発生した場合のブレーキ液圧制御のタ
イミングチャートをそれぞれ示す。 10……ブレーキペダル 11……マスタシリンダ 12……リザーバ、13……ポンプ 14……アキュムレータ 20L、20R……駆動輪 21……ホイールシリンダ 22L、22R……従動輪、23……制御装置 24L、24R、25L、25R……車輪回転速度センサ 26……ブレーキスイッチ 27……アクセルペダル 28……アクセルペダル踏込み量センサ 29……スロットル制御機構 30……制御ロジック回路 31〜34……車輪速度演算回路 35、36……加速度・減速度演算回路 37……ハイセレクト回路 38……しきい値設定回路

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の発進時または加速時に発生する駆動
    輪の空転を検出し、この検出にもとづいて上記駆動輪に
    対するブレーキ液圧を加圧、減圧または保持のいずれか
    の状態に制御して、上記駆動輪の空転を抑制するように
    した車両用トラクション制御方法において、 車体速度よりも高速の複数のしきい値を上記車体速度に
    もとづいてそれぞれ設定し、 上記駆動輪の加速時または減速時における車輪速度と上
    記複数のしきい値との比較によって上記ブレーキ液圧の
    加圧開始時点または減圧開始時点を設定して上記ブレー
    キ液圧の制御を行なうとともに、 上記駆動輪の車輪速度が上記複数のしきい値のうちの特
    定のしきい値を所定時間内に2度に亘って超えた場合に
    は、上記加圧開始時点および上記減圧開始時点を遅らせ
    るように上記ブレーキ液圧を制御することを特徴とする
    車両のトラクション制御方法。
  2. 【請求項2】左右の従動輪の車輪速度のうちの高速側の
    車輪速度を擬似車体速度として選択し、この擬似車体速
    度にもとづいて上記複数のしきい値を設定することを特
    徴とする特許請求の範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】上記駆動輪の車輪速度が上記複数のしきい
    値のうちの最高速のしきい値を所定時間内に2度に亘っ
    て超えた場合に、上記加圧開始時点および上記減圧開始
    時点を遅らせるようにしたことを特徴とする特許請求の
    範囲第1項または第2項記載の方法。
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