JP2646222B2 - 車両のトラクション制御方法 - Google Patents

車両のトラクション制御方法

Info

Publication number
JP2646222B2
JP2646222B2 JP1083288A JP1083288A JP2646222B2 JP 2646222 B2 JP2646222 B2 JP 2646222B2 JP 1083288 A JP1083288 A JP 1083288A JP 1083288 A JP1083288 A JP 1083288A JP 2646222 B2 JP2646222 B2 JP 2646222B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
speed
wheel
brake fluid
fluid pressure
threshold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1083288A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0245250A (ja
Inventor
直之 萩谷
利史 前原
茂樹 森出
秀夫 秋間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Akebono Brake Industry Co Ltd
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Akebono Brake Industry Co Ltd
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Akebono Brake Industry Co Ltd, Fujitsu Ltd filed Critical Akebono Brake Industry Co Ltd
Priority to JP1083288A priority Critical patent/JP2646222B2/ja
Publication of JPH0245250A publication Critical patent/JPH0245250A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2646222B2 publication Critical patent/JP2646222B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は車両のトラクション制御方法に関し、車両発
進時または加速時に生じる駆動輪の空転を検出し、この
検出にもとづいて駆動輪の制動制御を行ない、駆動輪の
空転を抑制するようにした車両用トラクション制御方法
に関する。
(従来技術) 従来より、特に車両が凍結路、雪道あるいは泥濘路の
ような摩擦係数の低い路面上を走行する場合、車両発進
時または加速時に生じる駆動輪の空転を防止して車両の
走行安定性および加速性を向上させるようにしたトラク
ション制御装置が知られている。このようなトラクショ
ン制御装置では、例えば特開昭61−85248号公報に開示
されているように、左右の駆動輪のそれぞれの空転状態
を検出し、その空転の程度が所定値以上の場合に、その
駆動輪のブレーキ装置に対するブレーキ液圧を加圧して
制動制御を行なうと同時に、エンジン出力の制御を行な
うのが普通である。
ところで、駆動輪に対するブレーキ液圧の制御に関し
てみれば、一般に車体速度に関連した複数のしきい値の
設定によって、駆動輪の車輪速度を複数の速度域に区分
し、駆動輪の車輪速度が現在どの速度域に属するかの検
出、およびの車輪速度が加速状態にあるか減速状態にあ
るかの検出にもとづいて、その駆動輪に対するブレーキ
液圧の制御を行なうのが普通である。
しかしながら、トラクション制御では、ブレーキ液圧
の制御と並行してエンジン出力の制御も行なわれるか
ら、単に駆動輪の車輪速度と上記速度域との比較にもと
づいてブレーキ液圧を制御する場合、ブレーキ液圧が過
加圧状態および過減圧状態になり勝ちであり、これによ
り車体振動が発生して、乗員に不快感を与える問題があ
った。
(発明の目的) そこで本発明は、トラクション制御時においてブレー
キ液圧の過加圧および過減圧が生じないようにして振動
の発生を防止した車両用トラクション制御方法を提供す
ることを目的とする。
(発明の構成) 本発明では、車体速度よりも高速の複数のしきい値を
設定し、駆動輪の加速時においては、この駆動輪の車輪
速度が複数のしきい値のうちの特定のしきい値またはそ
れより高速のしきい値のいずれかを最初に上まわった時
点からブレーキ液圧の加圧を開始し、この車輪速度が加
速から減速に転じるハイピーク時点で加圧を終了してそ
のハイピーク時点のブレーキ液圧を保持する。
一方、駆動輪の減速時においては、この駆動輪の車輪
速度が複数のしきい値のいずれかを最初に下まわった時
点からブレーキ液圧の減圧を開始する。そして車輪速度
が最低速のしきい値を下まわるまで減速を持続した場合
には、この車輪速度がこの最低速のしきい値に回復する
時点で減圧を終了してその時点のブレーキ液圧を保持す
る。また、車輪速度が複数のしきい値のうちの最低速の
しきい値と最高速のしきい値との間の速度域で減速から
加速に転じた場合には、この車輪速度が最初に減速から
加速に転じるローピーク時点で減圧を終了してそのロー
ピーク時点のブレーキ液圧を保持する。
(発明の効果) 本発明によれば、加速時における駆動林の車輪速度が
ハイピークに達した時点でブレーキ液圧の加圧を終了し
てその時点のブレーキ液圧を保持するようにしており、
また、減速時における車輪速度が最低速のしきい値と最
高速のしきい値との間の速度域でローピークに達したと
きにはそのローピーク時点で減圧を終了して保持に転
じ、しかもこの保持状態を、車輪速度が上方のしきい値
を上まわったり、あるいは下方のしきい値を下まわった
りしない限り持続するようにブレーキ液圧を制御してい
るから、ブレーキ液圧の過加圧および過減圧を生じるこ
となくブレーキ液圧がなめらかに変化するから、トラク
ション制御に伴う車体振動の発生を防止することができ
る。
(実 施 例) 以下、本発明の一実施例について、図面を参照して詳
細に説明する。
第1図は本発明の実施に適用されるトラクション装置
の系統図を示す。図において、符号10はブレーキ操作部
材としてのブレーキペダルを示し、このブレーキペタル
10により、2つの加圧室(図示は省略)を有するマスタ
シリンダ11を動作させるようになっている。マスタシリ
ンダ11の上部にはリザーバ12が取付けられ、このリザー
バ12からポンプ13がブレーキ液を汲み上げて、アキュム
レータ14に高圧で貯えるように構成されている。
マスタシリンダ11の一方の加圧室は、ゲートバルブGV
を備えた液通路15によって、駆動輪である右前輪20Rを
制動するブレーキのホイールシリンダ21に接続されてお
り、また、液通路15は、従動輪である左後輪22Lを制動
するブレーキのホイールシリンダ21にカットバルブCVを
介して接続されている。マスタシリンダ11の他方の加圧
室は、ゲートバルブGVを備えた液通路16によって、駆動
輪である左前輪20Lを制動するブレーキのホイールシリ
ンダ21に接続されており、また液通路16は、従動輪であ
る右後輪22Rを制動するブレーキのホイールシリンダ21
にカットバルブCVを介して接続されている。液通路15と
アキュムレータ14との間、および液通路16とアキュムレ
ータ14との間には、それぞれビルドバルブBVが接続さ
れ、また、液通路15とリザーバ12との間、および液通路
16とリザーバ12との間にはそれぞれディケイバルブDVが
接続されている。各ビルドバルブBVは、その開動作また
は閉動作によって、アキュムレータ14に蓄積された高圧
のブレーキ液をホイールシリンダ21に供給し、または供
給遮断を行なう機能を有し、ディケイバルブDVは、その
開動作または閉動作によって、ホイールシリンダ21内の
ブレーキ液をリザーバ12に排出し、または排出遮断を行
なう機能を有する。
これらゲートバルブGV、カットバルブCV、ビルドバル
ブBVおよびディケイバルブDVはソレノイドバルブよりな
り、車両の制動時のアンチロック制御にも共用されるも
のであり、マイクロコンピュータを主体とする制御装置
23からの指令によって開閉制御される。そして左右の駆
動輪20L、20Rに対するトラクション制御が開始される
と、ゲートバルブGVおよびカットバルブCVが閉じられ
て、駆動輪20L、20Rのホイールシリンダ21はマスタシリ
ンダ11から切離され、また従動輪22L、22Rのホイールシ
リンダ21は液通路15、16から切離される。このゲートバ
ルブGVおよびカットバルブCVが閉じられることにより、
従動輪22L、22Rのブレーキのホイールシリンダ21のブレ
ーキ液圧は無圧状態に保持され、また駆動輪20L、20Rの
ブレーキのホイールシリンダ21のブレーキ液圧は、ビル
ドバルブBVの開状態とディケイバルブDVの閉状態とにお
いて加圧され、ビルドバルブBVおよびディケイバルブDV
の双方の閉状態において保持され、かつ、ビルドバルブ
BVの閉状態とディケイバルブDVの開状態とにおいて減圧
される。
一方、制御装置23には、各車輪20L、20R、22L、22Rの
回転速度をそれぞれ検出するための回転速度センサ24
L、24R、25L、25R、ブレーキペダル10が踏込まれたこと
を検出するブレーキスイッチ26、アクセルペダル27の踏
込み量を検出するアクセルペダル踏込量センサ28が接続
されている。制御装置23はこれらセンサから供給される
情報に基いて、エンジンのスロットル制御機構29を駆動
してエンジン出力を制御するとともに、ゲートバルブG
V、カットバルブCV、ビルドバルブBVおよびディケイバ
ルブDVを開閉して駆動輪20L、20Rのホイールシリンダ21
のブレーキ液圧を制御している。また、ブレーキスイッ
チ26が作動されると、トラクション制御は直ちに終了す
るようになっている。
第2図は制御装置23の機構を示し、第3図、第4図は
制御装置23が実行するトラクション制御のタイミングチ
ャートを示す。駆動輪20L、20Rの回転速度は、回転速度
センサ24L、24Rでそれぞれ検出され、演算回路31、32に
より駆動輪の車輪速度VDL、VDRがそれぞれ算出される。
車輪速度VDL、VDRは制御ロジック回路30に入力される。
さらに、左右の従動輪22L、22Rの回転速度が回転速度セ
ンサ25L、25Rでそれぞれ検出され、演算回路33、34によ
り左右従動輪の車輪速度VNL、VNRがそれぞれ算出され
る。
また、左右の駆動林の車輪速度VDL、VDRは加速度・減
速度演算回路35、36にそれぞれ与えられて、車輪速度VD
L、VDRの加速度・減速度DL、DRが算出されて制御ロ
ジック回路に入力される。
一方、左右の従動輪22Lと22Rの車輪速度VNL、VNRはハ
イセレクト回路37に与えられて、これら車輪速度VNL、V
NRのうちの高速側の車輪速度が選択されて実車体速度に
近似した速度をあらわす擬似車体速度Vvとして算出さ
れ、この速度Vvが加算回路よりなるしきい値設定回路38
に与えられる。このしきい値設定回路38では、擬似車体
速度Vvに一定の値Vkを加算して、第3図に示すような第
1しきい値Vt1(=Vv+Vk)を作成し、またこの第1し
きい値Vt1に一定の値Vk′を加算して第2しきい値Vt2
(=Vv+Vk+Vk′)を作成し、この第2しきい値Vt2に
一定の値Vk″を加えて第3しきい値Vt3(=Vv+Vk+V
k′+Vk″)を作成する。さらに、制御終了用しきい値
として、擬似車体速度Vvと第1しきい値Vt1との間のし
きい値Vt0(Vt0=Vv+Vk)を作成する。これらしきい
値Vt0、Vt1、Vt2、Vt3はそれぞれ制御ロジック回路30に
入力される。また、制御ロジック回路30には、ブレーキ
スイッチ26からの出力が入力される。制御装置23は、上
述した各信号に基いて、スロットル制御機構29を駆動し
て、車両発進時および加速時のアクセル開度を制御する
とともに、ビルドバルブBV、ディケイバルブDVおよびそ
の他のバルブを開閉制御して、第3図および第4図に示
すように、左駆動輪20Lおよび右駆動輪20Rのホイールシ
リンダ21のブレーキ液圧をそれぞれ制御してトラクショ
ン制御を実行する。
次に本発明によるトラクション制御の一例を、各ステ
ータスにおける制御のタイミングチャートを示す第3図
と、制御のフローチャートを示す第5図とを参照して説
明する。なお、本発明におけるブレーキ液圧の制御は、
左右の駆動輪に対して個別に行なわれるものであるが、
ここでは、左右の駆動輪の車輪速度VDL、VDRを一括して
Vwであらわすことにする。
〔ステータス0〕 トラクション制御が行なわれていないときのステータ
スであり、制御開始前では車輪速度Vwが第1しきい値Vt
1を下まわっており(Vw<Vt1)、制御中ではVwがしきい
値Vt0を下まわってから(Vw<Vt0)所定時間t経過後の
状態である。ビルドバルブBVおよびディケイバルブDVは
ともに閉状態、ゲートバルブGVおよびカットバルブCVは
ともに開状態にあり、ブレーキ液圧Pwは最大減圧状態に
ある。
〔ステータス1:予備加圧〕 車輪速度Vwの加速時においてこの車輪速度Vwが第1し
きい値Vt1に達した時点Aから第5図のステップS1の判
定がYESになり、ステップS2へ進んで制御を開始する。
この時点AでゲートバルブGV、カットバルブCVが閉じら
れ、ビールドバルブBVは設定時間ΔTだけ開かれてブレ
ーキ液圧の予備加圧を行なう。
次のステップS3では車輪速度Vwが加速状態にあるか否
かを判定し、次のステップS4ではステータスが変ったか
否かを判定する。車輪速度Vwが第2しきい値Vt2に達す
るまではステータスが変らないから、処理はステップS5
へ進み、ステータス1の状態を持続し、ステップS6へ移
る。このステップS4からS5へ経てS6へ移る処理は以降の
各ステータスにおいても常に反復される。ステップS6へ
制御終了条件の1つであり、この場合はVw<Vt0ではな
いから、再びステップS3へ戻り、次のステップS4へ進
む。
〔ステータス2:加圧〕 加速中の車輪速度Vwが時点Bで第2しきい値Vt2に達
すると、ステップS4の判定が「YES」となり、次のステ
ップS7の判定(Vw≧Vt2?)も当然「YES」であるから、
ステップS8へ進み、ブレーキ液圧の加圧を開始する。そ
してVw=Vt2になったときの加速度wに対応するあら
かじめ設定されたON・OFF時間でビルドバルブBVを開閉
することにより、ブレーキ液圧は階段的に上昇する。
〔ステータス3:加圧〕 車輪速度Vwはさらに上昇して時点Cで第3しきい値Vt
3に達するが、次のステップS9では車輪速度Vwがハイピ
ークに達したか否かを判定しており、この場合のステッ
プS9の判定は「NO」であるから、処理はステップS5、S6
を経てステップS3に戻り、再びステップS4、S7を経てス
テップS8に至り、加圧を継続する。そしてVw=Vt3にな
ったときの加速度wに対応して設定されたON・OFF時
間でビルドバルブBVを開閉することにより、ブレーキ液
圧は階段的にさらに上昇する。
〔ステータス4:保持〕 車輪速度Vwが時点Dでハイピークに達すると、ステッ
プS9の判定が「YES」となり、ステップS10へ進む。ここ
でビルドバルブBVを閉じ時点Dにおけるブレーキ液圧を
保持し、ステップS6を経てステップS3に戻る。時点D以
降は車輪速度Vwは減速に転じるからステップS3の判定は
「NO」となり、第5図のフローは右側のステップS11へ
移る。ステップS11では、ステップS4と同様に、ステー
タスが変ったか否かを判定し、ステータスが変らない間
はステップS5→S6→S3を通る経路を反復する。
〔ステータス5:減圧〕 減速中の車輪速度が時点Eで第3しきい値Vt3を下ま
わるとステップS11の判定が「YES」となり、ステップS1
2へ進み、ブレーキ液圧の減圧を開始する。そしてVw=V
t3になったときの減速度wに応じたあらかじめ設定さ
れたON・OFF時間でディケイバルブDVを開閉することに
より、ブレーキ液圧は階段的に減少する。次のステップ
S13では車輪速度Vwがローピークに達したか否かを判定
しており、この場合の判定は「NO」であるから、ステッ
プS5へ進みブレーキ液圧の減圧は継続される。
〔ステータス6:減圧〕 車輪速度Vwはさらに減速して時点Fで第2しきい値Vt
2に達するから、ステップS11の判定が再び「YES」とな
り、ステップS12へ進み、Vw=Vt2になったときの減速度
Vwに応じたあらかじめ設定されたON・OFF時間でディケ
イバルブDVを開閉することにより、ブレーキ液圧はさら
に減圧される。
〔ステータス7:減圧〕 車輪速度Vwはさらに減速して時点Gで第1しきい値Vt
1に達するから、ステップS11の判定が再び「YES」とな
り、ステップS12へ進み、Vw=Vt1になったときの減速度
wに応じたあらかじめ設定されたON・OFF時間でディ
ケイバルブDVを開閉することにより、ブレーキ液圧はさ
らに減圧される。ここで時点Hで車輪速度Vwがローピー
クに達するから、ステップS13の判定が「YES」となり、
ステップS14へ進む。このステップS14は、車輪速度Vwが
第1しきい値Vt1と第3しきい値Vt3との間の速度域にあ
るか否かを判定しており、この場合Vw<Vt1であるから
ステップS14の判定は「NO」となる。したがってブレー
キ液圧の減圧はさらに持続され、車輪速度は減速から加
速に転じるから、制御フローはステップS4側へ移る。
〔ステータス(1):保持〕 車輪速度Vwが時点Iで第1しきい値Vt1まで回復する
と、ステップS4の判定が「YES」となり、ステップS7へ
進むが、この場合Vw<Vt2であるから、ステップS7の判
定は「NO」となり、直接ステップS10へ進んで、時点I
におけるブレーキ液圧を保持する。このブレーキ液圧の
保持状態はステータスが変らない間持続され、車輪速度
Vwが第2しきい値Vt2に達すれば加圧が開始され、第1
しきい値Vt1を下まわれば減圧が開始される。
〔ステータス(0):減圧〕 上述と同様にして、車輪速度Vwが第2しきい値Vt2に
達した時点Jで加圧開始、ハイピーク時点Kで保持、第
2しきい値Vt2まで減速した時点Lから減圧を開始して
車輪速度Vwが第1しきい値Vt1まで減速した時点Mから
再びステータス7になるが、車輪速度Vwは時点Nで制御
終了用しきい値Vt0に達する。ここではじめてステップS
6の判定がYESになるので次のステップS15へ進み、車輪
速度VwがVt0を下まわってから設定時間t秒経過したか
否かを判定する。この場合、車輪速度Vwは時点Nから設
定時間t秒経過するまではステップS15の判定は「NO」
であり、制御はステップS3へ戻る。なお、このステータ
ス(0)での減圧は、ディケイバルブDVを開状態に保っ
たままで行なっている。
車輪速度Vwが時点Qで第1しきい値Vt1を超えると、
再びステータス(1)となり、ブレーキ液圧は保持され
るが、このステータス(1)ではステップS7の判定が
「NO」になることにより、ステップS10へ進んでブレー
キ液圧は保持され、車輪速度Vwが第1しきい値Vt1を下
まわる時点Rからステータス7となり、ブレーキ液圧は
減圧される。さらに車輪速度Vwが制御終了用しきい値Vt
0を下まわる時点Sから再びステータス(0)となるか
ら、ステップS6の判定が「YES」となり、ステップS15へ
進んで経過時間を判定する。そして時点Sから設定時間
t秒経過後の時点TでステップS15の判定が「YES」とな
ることにより、制御を終了し、ステータス0に戻ってゲ
ートバルブGVおよびカットバルブCVを開く。
次に第4図は、ブレーキ液圧の減圧状態において減速
中の車輪速度Vwが第1しきい値Vt1と第3しきい値Vt3と
の間の速度域でローピークに達した場合を示す。この場
合は第5図のステップS14の判定が「YES」となり、ステ
ップS16へ進み、ローピーク時点XおよびYでブレーキ
液圧は保持される。このブレーキ液圧の保持状態はステ
ータスが変らない間持続されて過加圧および過減圧が生
じないようにしており、車輪速度Vwが加速中に第2しき
い値Vt2または第3しきい値Vt3のいずれかを最初に上ま
わった時点からブレーキ液圧の加圧が開始され、また、
減速中に第2しきい値Vt2または第1しきい値Vt1のいず
れかを最初に下まわった時点から減圧が開始されるよう
にブレーキ液圧が制御される。
以上が本発明によるトラクション制御方法の実施例で
あるが、本実施例によれば、上述の記載から明らかなよ
うに、加速時における車輪速度Vwがハイピークに達した
時点でブレーキ液圧の加圧を終了してその時点のブレー
キ液圧を保持するようにしており、また減速時における
車輪速度Vwが最低速の第1しきい値Vt1と最高速の第3
しきい値との間の速度域でローピークに達したときは、
そのローピーク時点で減圧を終了してその時点のブレー
キ液圧を保持し、しかもこの保持状態をステータスが変
らない限り持続するように制御しているから、ブレーキ
液圧の過加圧および過減速を生じることなくブレーキ液
圧がなめらかに変化するから、トラクション制御に伴う
車体振動の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施に適用されるトラクション制御装
置の系統図、第2図はその制御装置の構成を示すブロッ
ク図、第3図および第4図は本発明におけるブレーキ液
圧制御のタイミングチャート、第5図は本発明における
ブレーキ液圧制御ルーチンのフローチャートをそれぞれ
示す。 10……ブレーキペダル 11……マスタシリンダ、12……リザーバ 13……ポンプ 14……アキュムレータ 20L、20R……駆動輪 21……ホイールシリンダ 22L、22R……従動輪 23……制御装置 24L、24R、25L、25R……車輪回転速度センサ 26……ブレーキスイッチ 27……アクセルペダル 28……アクセルペダル踏込量センサ 29……スロットル制御機構 30……制御ロジック回路 31〜34……車輪速度演算回路 35、36……加速度・減速度演算回路 37……ハイセレクト回路 38……しきい値設定回路
フロントページの続き (72)発明者 前原 利史 埼玉県羽生市東5丁目4番71号 株式会 社曙ブレーキ中央技術研究所内 (72)発明者 森出 茂樹 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 秋間 秀夫 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−32231(JP,A) 特開 昭62−261565(JP,A) 特開 昭62−205849(JP,A) 特開 昭62−103249(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の発進時または加速時に発生する駆動
    輪の空転を検出し、この検出にもとづいて上記駆動輪に
    対するブレーキ液圧を加圧、減圧または保持のいずれか
    の状態に制御して、上記駆動輪の空転を抑制するように
    した車両用トラクション制御方法において、 (a) 車体速度よりも高速の複数のしきい値を上記車
    体速度にもとづいてそれぞれ設定し、 (b) 上記駆動輪の加速時においては、この駆動輪の
    車輪速度が上記複数のしきい値のうちの特定のしきい値
    またはこれより高速のしきい値のいずれかを最初に上ま
    わった時点から上記ブレーキ液圧の加圧を開始し、この
    車輪速度が加速から減速に転じるハイピーク時点で上記
    加圧を終了してハイピーク時点のブレーキ液圧を保持
    し、 (c) 上記駆動輪の減速時においては、この駆動輪の
    車輪速度が上記複数のしきい値のいずれかを最初に下ま
    わった時点から上記ブレーキ液圧の減圧を開始し、 (イ)上記車輪速度が上記複数のしきい値のうちの最低
    速のしきい値を下まわるまで減速を持続した場合には、
    この車輪速度が上記最低速のしきい値に回復した時点で
    上記減圧を終了してその時点のブレーキ液圧を保持し、 (ロ)上記車輪速度が上記複数のしきい値のうちの最低
    速のしきい値と最高速のしきい値との間の速度域で減速
    から加速に転じた場合には、この車輪速度が最初に減速
    から加速に転じるローピーク時点で上記減圧を終了して
    そのローピーク時点のブレーキ液圧を保持する ように上記ブレーキ液圧を制御することを特徴とする車
    両のトラクション制御方法。
  2. 【請求項2】左右の従動輪の車輪速度のうちの高速側の
    車輪速度を擬似車体速度として選択し、この擬似車体速
    度にもとづいて上記複数のしきい値を設定することを特
    徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】上記複数のしきい値が最低速の第1しきい
    値と、この第1しきい値より高速の第2しきい値と、最
    高速の第3しきい値とよりなり、上記駆動輪の加速時に
    は上記車輪速度が上記第2しきい値または第3しきい値
    のいずれかを最初に上まわった時点から上記ブレーキ液
    圧の加圧を開始することを特徴とする請求項1または2
    記載の方法。
JP1083288A 1988-01-22 1988-01-22 車両のトラクション制御方法 Expired - Lifetime JP2646222B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1083288A JP2646222B2 (ja) 1988-01-22 1988-01-22 車両のトラクション制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1083288A JP2646222B2 (ja) 1988-01-22 1988-01-22 車両のトラクション制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0245250A JPH0245250A (ja) 1990-02-15
JP2646222B2 true JP2646222B2 (ja) 1997-08-27

Family

ID=11761329

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1083288A Expired - Lifetime JP2646222B2 (ja) 1988-01-22 1988-01-22 車両のトラクション制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2646222B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3916990C2 (de) * 1988-05-26 1999-10-28 Akebono Brake Ind Traktions-Steuerungssystem für Kraftfahrzeuge

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3916990C2 (de) * 1988-05-26 1999-10-28 Akebono Brake Ind Traktions-Steuerungssystem für Kraftfahrzeuge

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0245250A (ja) 1990-02-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2649696B2 (ja) 車両のトラクション制御方法
JP2688906B2 (ja) 車両用トラクション制御方法および装置
US4685547A (en) Wheel slip controlling system
JP2646234B2 (ja) 車両のトラクション制御方法
JPS63222964A (ja) 車両の加速スリツプ制御装置
JPH0274455A (ja) 車両のアンチロック制御方法
EP0980803B1 (en) Braking force controller
JP2646222B2 (ja) 車両のトラクション制御方法
JP2603839B2 (ja) 車両のトラクション制御方法
JP2649697B2 (ja) 車両のトラクション制御方法
JP2001146150A (ja) 車両減速力制御装置
JP2775433B2 (ja) 車両のトラクション制御方法
JPH06107156A (ja) アンチスキッド制御装置
US6116705A (en) Anti-skid control system
JP2917534B2 (ja) 車両用トラクション制御装置
JP2784211B2 (ja) トラクション制御方法
JPH05116612A (ja) 車両のスリツプ制御装置
JP2996546B2 (ja) ブレーキ制御方法
JP2514012B2 (ja) 車両用ブレ−キ制御装置
JP3234093B2 (ja) 車両のスリップ制御装置
JPH061217A (ja) エアブレーキシステムの制御方法
JPH10329683A (ja) 制動力配分制御方法
JPH058666A (ja) 車両のスリツプ制御装置
JPH07159308A (ja) 路面摩擦係数推定装置
JPH1016749A (ja) 車両用アンチロックブレーキ制御装置