JP2513805B2 - 車両のトラクションコントロ―ル装置 - Google Patents

車両のトラクションコントロ―ル装置

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JP2513805B2
JP2513805B2 JP23226188A JP23226188A JP2513805B2 JP 2513805 B2 JP2513805 B2 JP 2513805B2 JP 23226188 A JP23226188 A JP 23226188A JP 23226188 A JP23226188 A JP 23226188A JP 2513805 B2 JP2513805 B2 JP 2513805B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は車輪の駆動スリップ(ホイールスピン)を防
止する車両のトラクションコントロール装置に関するも
のである。
(従来の技術) 車両のトラクションコントロール装置として本願出願
人は先に特願昭62−329146号により、車輪の駆動スリッ
プ発生時エンジンをスロットル開度減少により出力低下
させて駆動スリップを減ずると共に、当該駆動スリップ
収束時以降エンジンを設定時間毎のスロットル開度増加
により出力上昇させるようにしたものを提案したが、こ
の際スロットル開度減少は駆動スリップ発生時における
スロットル開度と所定時間前におけるスロットル開度と
の比較結果に応じ決定する。
(発明が解決しようとする課題) しかし、上記に加えて駆動車輪の制動によっても駆動
スリップを防止するようになした車両の場合、前記制動
と無関係に前記のスロットル開度増加を実行することか
ら、駆動スリップ収束時の制動状態によっては上記の設
定時間が適切でないことがある。即ち大きな駆動スリッ
プや急な駆動スリップを生ずる状況のもとでは、駆動ス
リップの発生に見合うよう駆動輪の制動速度を速めると
共に制動による駆動スリップの収束が速いことに合わせ
て制動解除速度も速める必要があるが、制動解除速度に
拘わらず前記設定時間を一定値としたため、制動解除が
スロットル開度増加に対し遅れて制動解除時点、つまり
次回のトラクションコントロール開始時点においてスロ
ットル開度が過大となってエンジンのオーバートルクに
より十分な駆動スリップ防止効果を達成し得なくなるか
ら駆動スリップが再発し易くなり、逆に小さな駆動スリ
ップや緩やかな駆動スリップを生ずる状況のもとでは、
制動解除時点においてスロットル開度が過少となって加
速不良を生じ易くなる。
本発明は設定時間を駆動スリップ防止用の制動状態に
応じ可変として上述の問題を解決することを目的とす
る。
(課題を解決するための手段) この目的のため本発明トラクションコントロール装置
は第1図に概念を示す如く、 エンジンからの動力により車輪を駆動して走行し、前
記車輪の駆動スリップ発生時におけるスロットル開度と
所定時間前におけるスロットル開度との比較結果に応じ
たスロットル変更手段によるスロットル開度減少でエン
ジン出力を低下させると共に、制動手段により前記車輪
を制動して車輪の駆動スリップを防止するようにした車
両であって、当該駆動スリップ収束時以降前記スロット
ル変更手段による設定時間毎のスロットル開度増加でエ
ンジン出力を上昇させると共に前記制御を解除する車両
において、 前記制動手段による車輪の当該駆動スリップ収束時の
制動状態を検知する制動状態検知手段と、 この制動状態に応じて前記設定時間を変更する設定時
間変更手段と、 を具備してなることを特徴とする。
(作 用) 車両はエンジンからの動力により車輪を駆動して走行
する。ここで車輪が駆動スリップを発生すると、スロッ
トル変更手段は駆動スリップ発生時のスロットル開度と
所定時間前におけるスロットル開度との比較結果に応じ
スロットル開度を減少してエンジン出力を低下させ、制
動手段は車輪を制動し、これらにより車輪の駆動スリッ
プを防止することができ、又当該駆動スリップ収束時以
降前記スロットル変更手段が設定時間毎にスロットル開
度を増加してエンジン出力を上昇させると共に、前記制
動が解除される。
一方、制動状態検知手段は上記制動手段による車輪の
当該駆動スリップ収束時の制動状態を検知し、この検知
結果に応じ設定時間変更手段が前記の設定時間を変更す
る。よって、この設定時間、従ってスロットル開度は制
動状態の違いによっても不適切になることはなく、常時
適切に保たれ、制動解除時点、つまり次回のトラクショ
ンコントロール開始時点に、前記制動解除速度がスロッ
トル開度増加に対して遅過ぎて過大なスロットル開度に
より駆動スリップの再発を招いたり、前記制動解除速度
が速過ぎて過少なスロットル開度により加速不良を生ず
る問題を解消することができる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明す
る。
第2図は本発明トラクションコントロール装置の一実
施例を示すシステム図で1L,1Rは夫々左右従動輪(例え
ば左右前輪)、2L,2Rは夫々左右駆動輪(例えば左右後
輪)を示す。車両は車輪2L,2Rを図示せざるエンジンに
より駆動されることにより走行し、エンジンはスロット
ルバルブ4により出力を加減されるものとする。
スロットルバルブ4はステップモータ5により開閉
し、そのステップ数(スロットルバルブ4の開度)をト
ラクションコントロール中以外基本的には運転者が踏込
むアクセルペダル6の踏込量に対応したものにすべく制
御回路7により制御する。この目的のため、スロットル
バルブ4の開度、つまりモータ5のステップ数を検出す
るスロットルセンサ8からの信号THを制御回路7にフィ
ードバックし、アクセルペダル6の踏込量Accを検出す
るアクセルセンサ9からの信号を制御回路7に入力す
る。
制御回路7はマイクロコンピュータ10を具えると共
に、その入力側に関連してA/Dコンバータ11及びF/Vコン
バータ12を、又出力側に関連してステップモータ5用の
駆動回路13及びD/Aコンバータ14を夫々設ける。A/Dコン
バータ11はスロットル開度信号TH及びアクセル信号Acc
をアナログ−デジタル変換してマイクロコンピュータ10
に入力すると共に、F/Vコンバータ12により周波数−電
圧変換した電圧信号をデジタル信号に変換してマイクロ
コンピュータ10に入力する。
各車輪1L,1R,2L,2Rは、ブレーキペダル20の踏力に応
じたブレーキマスターシリンダ21からの液圧PMにより作
動されるホイールシリンダ22L,22R,23L,23Rを具え、こ
れらホイールシリンダの作動により対応車輪が個々に制
動されるものとする。しかして、駆動輪2L,2Rのブレー
キ液圧系には夫々トラクションコントロール用の液圧制
御弁24L,24Rを挿置する。これら液圧制御弁は夫々同仕
様、同構造のものとし、スプール25をばね26により図示
の左限位置に弾支し、プランジャ27をばね28により図示
の左限位置に弾支して構成する。
液圧制御弁24L,24Rは夫々、図示の常態でマスターシ
リンダ側の入口ポート29への液圧PMをそのままホイール
シリンダ側の出口ポート30より対応するホイールシリン
ダに出力し、スプール25の右行時プランジヤ27によりポ
ート29,30間を遮断すると共にホイールシリンダへの液
圧を上昇させ、スプール25の右行停止時ホイールシリン
ダの上昇液圧を保持するものとする。
スプール25の上記右行及びその停止を室31内の圧力に
より制御し、この圧力を夫々電磁弁40L,40Rにより個別
に制御する。これら電磁弁も同様のものとし、ソレノイ
ド41のOFF時(A)で示すポート間接続位置となって室3
1をドレン回路42に通じると共にアキュムレータ43から
遮断し、ソレノイド41の小電流によるON時(B)で示す
ポート間接続位置となって室31をドレン回路42及びアキ
ュムレータ43の双方から遮断し、ソレノイド41の大電流
によるON時(C)で示すポート間接続位置となって室31
をドレン回路42から遮断すると共にアキュムレータ43に
通じるものとする。
電磁弁40L,40Rの(A)位置で室31は無圧状態となっ
てスプール25を図示位置にし、電磁弁40L,40Rの(C)
位置で室31はアキュムレータ43の一定値Pcを供給されて
スプール25を図中右行させ、電磁弁40L,40Rの(B)位
置で室31は圧力の給排を中止されてスプール25をその時
の右行位置に保持する。
アキュムレータ43にはモータ44で駆動されるポンプ45
からの油圧をチェック弁46を介して蓄圧し、アキュムレ
ータ43の蓄圧値が一定値Pcになる時、これを検出してOF
Fする圧力スイッチ47からの信号を受けて制御回路7が
モータ44(ポンプ45)を停止させるものとする。この目
的のため圧力スイッチ47からの信号はマイクロコンピュ
ータ10に入力し、マイクロコンピュータ10からのモータ
制御信号はD/Aコンバータ14によりアナログ信号に変換
してモータ44に供給する。
電磁弁40L,40Rのソレノイド41もマイクロコンピュー
タ10により駆動制御し、そのための制御信号をD/Aコン
バータ14によりアナログ信号に変換してソレノイド41に
供給する。
各車輪1L,1R,2L,2Rに夫々関連して車輪回転センサ50
L,50R,51L,51Rを設け、これらセンサは対応車輪の車輪
速VFL,VFR,VRL,VRRに対応した周波数のパルス信号を発
し、これらパルス信号をF/Vコンバータ12に供給する。F
/Vコンバータ12は各パルス信号をその周波数(車輪回転
数)に対応した電圧に変換してA/Dコンバータ11に入力
し、A/Dコンバータ11はこれら電圧をデジタル信号に変
換してマイクロコンピュータ10に入力する。
マイクロコンピュータ10は各種入力情報を元に第3図
乃至第6図の制御プログラムを実行して、スロットルバ
ルブ4の通常の開度制御及びトラクションコントロール
用の開度制御を行うと共に、電磁弁ソレノイド41の位置
制御、つまり駆動車輪のトラクションコントロール用制
動制御を行い、更にポンプモータ44(油圧ポンプ45)の
駆動制御を行う。第3図乃至第5図は図示せざるオペレ
ーティングシステムによりエンジン始動後一定周期ΔT
(例えばΔT=10msec)毎に定時割込み処理をされるメ
インルーチンで、第6図はこのメインルーチン内におい
て決定されたステップモータ5の回転速度に対応する周
期で処理されるステップモータ駆動用のOCI(Output co
mpare interrupt)割込み処理を示す。
第3図では先ずステップ101,102において、第1回目
の処理に限りマイクロコンピュータ10は内蔵RAM等のイ
ンシャライズ(初期化)を行う。次のステップ103で
は、車輪速VFR,VFL,VRL,VRRを読込み、これらを基にス
テップ104で左右駆動輪2L,2Rのスリップ率SL,SRをSL
(VRL−VFL)/VFL,SR=(VRR−VFR)/VFRにより求めた
後、ステップ105で左右駆動輪2L,2Rのスリップ率変化速
=SL−SL-1(但しSL-1は前回の左駆動輪スリップ
率)及び=SR−SR-1(但し、SR-1は前回の右駆動輪
スリップ率)を求める。
ステップ106では、左右駆動輪スリップ率SL,SRのうち
小さい方をセレクトロースリップ率Smin、大きい方をセ
レクトハイスリップ率Smaxにセットする。次にステップ
107において上記セレクトロースリップ率及びセレクト
ハイスリップ率のうち小さい方の値SminをK(例えば0.
6−0.9)の比率で重視するスリップ率の重み付け平均値
SavをSav=K×Smin+(1−K)×Smaxにより求めると
共に、その変化速度avav=Sav−Sav-1(但しS
av-1は前回のスリップ率重み付け平均値)を求める。
ステップ151では、上記のスリップ率平均値Savおよび
その変化速度avより、トラクションコントロール上好
適な第7図の如きスロットル開度制御域データを基に、
スロットル開度THをアクセルベダル6の踏込量Accに対
応した値に向け戻すべき(増大すべき)非制御域か、ス
ロットルバルブ4に急閉(スロットル開度THを急減)又
は緩閉(スロットル開度THを緩減)して車輪2L,2Rの駆
動スリップを防止すべき急閉域又は緩閉域かスロットル
開度THを不変に保つべき保持域かを、決定する。この決
定結果をステップ152〜154で判別し、非制御域ではステ
ップ191へ、緩閉域ではステップ301へ、急閉域ではステ
ップ351へ、又保持域ではステップ401へ夫々制御を進め
る。
本発明においては非制御域では、先ずステップ191〜1
94で前述した設定時間(リカバー時間)の設定を行う。
即ちステップ191,192で左右低圧フラグが共で0でない
か否か及び左右急低圧フラグが共に0でないか否かによ
り左右駆動輪2L,2Rのブレーキ液圧状態が増圧か否かを
チェックし、増圧状態ならばステップ193でリカバー時
間TRをTR1にセットし、増圧状態でなければ(減圧状態
ならば)ステップ194でリカバー時間TRをTR2(TR2
TR1)にセットすることにより設定時間(リカバー時
間)を制動状態に応じて変更する。次のステップ201〜2
06において、ステップ204でクリアされ、ステップ203ま
たは205でインクリメント(歩進)されるマップ上げカ
ウンタMAPUPCがステップ193,194でセットしたリカバー
時間TRを示す度に、つまりTR時間毎にステップ206でス
ロットル開度マップMAPを前回マップ(MAPO)−1とし
て定めた後、制御をステップ401へ進める。マップMAPは
第8図の如く第0枚目から第19枚目迄の20種類を設定
し、上記のマップ上げはスロットルバルブ開度をアクセ
ルペダル踏込量Accに対応した値に増大させる指令であ
ることを意味する。
緩閉域のためステップ301へ制御が進んだ場合、先ず
このステップで前回どのスロットル制御域だったかをチ
ェックする。前回非制御域だった場合、以下の処理を1
回だけ行う。つまりステップ302で上記のマップ上げカ
ウンタMAPUPCをクリアし、次のステップ303,304で左又
は右の低圧フラグ及び左又は右の急低圧フラグが共に0
か否かを判別することにより左右駆動輪2L,2Rのブレー
キ液圧状態をチェックする。これらフラグは後述するよ
うに、対応する左右駆動輪2L,2Rのトラクションコント
ロール用ブレーキ液圧の所定時間以上緩減圧状態及び所
定時間以上急減圧状態で0となるもので、少なくとも一
方の駆動輪が急減圧状態だったらステップ305において
マップ落ち数MAPDNを1とし、それ以外ではステップ306
においてMAPDN=2をセットする。ステップ307では前回
マップMAP0と後述の如くにメモリしておいた所定時間
(TM又はTM′)前のマップ数PMAPとの大きい方(スロッ
トル開度の小さい方)をセレクトハイマップMAPMAXとし
てセットし、ステップ308でこのセレクトハイマップMAP
MAXをステップ305又は306において定めた数MAPDNだけマ
ップ落ちさせたもの(MAPMAX+MAPDN)を今回マップMAP
とし、スロットル開度の緩閉を指令する。なお、ステッ
プ309,310では上記のMAPが非制御域から最初に緩閉域に
なった時に求めた初期マップMAPINI以下の時は、スロッ
トル開度増大を指令することを意味し、緩閉の意図に反
することからMAP=MAPINIとする。
ステップ301で前回が緩閉域又は急閉域であると判断
した場合、制御をそのままステップ401に進め、前回保
持域であった場合、ステップ311で前回マップMAP0を1
だけマップ落ちさせたものを今回マップMAPとしてスロ
ットル開度減を指令した後に制御をステップ401に進め
る。
急閉域のため制御がステップ351へ進んだ場合、先ず
ここで前回のスロットル開度制御域をチェックする。前
回非制御域であった場合、ステップ352〜360で前記ステ
ップ302〜310と同様の処理を行い、ステップ362でこの
処理により求めたマップに更に2を加えてスロットル開
度の急減を指令した後制御をステップ401へ進める。
ステップ351で前回から急閉域であったと判別する場
合、制御をそのままステップ401へ進め、前回緩閉域又
は保持域であった場合、ステップ361で前記ステップ311
と同様の処理を行った後制御をステップ401へ進める。
保持域のため(非制御域、緩増圧域、急増圧域用の処
理後も同様)ステップ401に制御が進む場合、ステップ4
01〜404でMAP値が第8図に示す設定マップ数0〜19の範
囲外になった時、MAP値を近い方の限界値0又は19にセ
ットする。次のステップ405,406では左右駆動輪2L,2Rの
ブレーキ液圧状態を左右低圧フラグが共に0でないか否
かおよび左右急低圧フラグが共に0でないか否かにより
チェックする。増圧状態でなければ(減圧状態なら)ス
テップ407で対応する所定時間TM前のスロットル制御マ
ップをPMAPとしてスロットル緩閉及び急閉制御(ステッ
プ307,357)に用い、増圧状態ならステップ408でTMより
長い所定時間TM′前のマップをPMAPとする。又次のステ
ップ409では現在のマップMAPを前回マップMAP0としてメ
モリし、次回に備える。
第3図に示す以上の処理後、制御は第4図のステップ
502に進み、ここでアクセルペダル踏込み量Accを読込
む。次のステップ503では、前記の通りに求めたマップM
APに対応する開度特性マップに基づき、アクセルペダル
踏込量Accに応じたステップモータ5の目標ステップ数S
TEPをマップ検索して決定する。
又ステップ504では、前記ステップ503によって決定さ
れたスロットルバルブ4の開度目標ステップ数STEPと実
際の開度ステップ数THとの偏差Difを、 Dif=STEP−TH により算出する。さらにステップ505,506により上記の
偏差Difに基づいてステップモータ5のスピードの決
定、正転/逆転/保持の決定、更にはOCI割込み周期の
セット、モータ回転方向に関するフラグセット等を行
う。
その後ステップ601〜693において、左駆動輪を以下の
如く適正速度でトラクションコントロール用に制動及び
制動解除する(右駆動輪についても後述するステップ69
5,696で同様に制動及び制動解除を行う)。ステップ601
では第9図に対応するテーブルデータを基に左駆動輪ス
リップ率SL及びその変化速度から左駆動輪ブレーキ
液圧を急増圧すべきか、緩増圧すべきか、保圧すべき
か、緩減圧すべきか、急減圧すべきかを領域(エリア)
判定する。第9図のテーブルデータはトラクションコン
トロール上好適な左駆動輪ブレーキ液圧の制御態様で、
スリップ率SL(S11,S12はエリア境界値)及びその変化
速度21,0,22はエリア境界値)が高い程高速
で増圧し、スリップ率SL及びその変化速度が低い程
高速で減圧すべきこととする。なお第9図は、後述の右
駆動輪ブレーキ液圧制御態様でもあり、従って右駆動輪
スリップ率SRおよびその変化速度も併記した。
上記の領域判定結果をステップ602〜605により判別
し、第5図の対応ステップに分岐させる。即ち、急増圧
エリアならステップ611に、緩増圧エリアならステップ6
31に、保圧エリアならステップ655に、緩減圧エリアな
らステップ661に、又急減圧エリアならステップ681に夫
々制御を進める。
急増圧エリアのためステップ611が選択されると先ず
ここで当該急増圧に関与しない緩減圧カウンタ、急減圧
カウンタ、緩増圧カウンタおよび昇格カウンタを夫々ク
リアすると共に、無制御フラグを1にセットする。次の
ステップ612で前回のエリアをチェックし、前回減圧エ
リアだった場合ステップ614を通るループを1回のみ実
行し、前回増圧又は保圧エリアだった場合ステップ618
を通るループを実行する。前者のループでは、先ずステ
ップ614,613で低圧フラグ及び急低圧フラグが0か否
か、つまり所定時間以上急減圧を行ったか否かをチェッ
クする。前回急減圧状態だったのであれば、急増圧より
急速な初期増圧を実行して応答遅れをなくす必要がある
ことからステップ615で初期増圧カウンタをインクリメ
ントする。その後ステップ691で電磁弁40LをC位置にす
る。この電磁弁位置で液圧制御弁24Lはスプール25の第
2図中右行より左駆動輪ブレーキ液圧を上昇させ、左駆
動輪をトラクションコントロール用に制動する。しかし
て、低圧フラグ=0又は急低圧フラグ=0でなければ、
上記の初期増圧が不要であるからステップ616で急増圧
カウンタをインクリメントしてステップ691を実行す
る。
以後ステップ612はステップ618を選択するようにな
り、ここでは低圧フラグを1にセットする。ステップ61
9,620では上記の初期増圧カウンタが4か0かをチェッ
クするが、ステップ615が実行されていればステップ61
9,620,621の経路を3回繰返しつつステップ691で増圧を
繰返し、次回にステップ619がステップ622,623、又その
後ステップ619がステップ620,623を選択するようにな
る。ステップ623では、急増圧カウンタが5か否かをチ
ェックし、ステップ624でこの急増圧力カウンタが0又
は1か否かをチェックする。ステップ616が実行されて
いなければステップ623,624,627の経路が2回繰返され
てその都度ステップ691の実行により増圧を行うが、ス
テップ616が実行されていれば上記の経路が1回のみ選
択されてステップ691の実行により増圧を行う。その後
はステップ624がステップ625を選択するようになり、急
増圧カウンタが5になる迄の3回だけステップ692の実
行により、電磁弁40LをB位置にする。この電磁弁位置
で液圧制御弁24Lはスプール25を移動停止させて左駆動
輪ブレーキ液圧をこの時の値に保圧する。以後、急増圧
カウンタが1,2の時増圧、3〜5の時保圧とするデュー
ティ(2/5のデューティ)に対応した速度で左駆動輪ブ
レーキ液圧を急増圧することができる。
上記の急増圧作用を第11図乃至第13図につき説明す
る。
第11図(a)に示す如く低圧フラグ=1又は急低圧フ
ラグ=1の状態で瞬時t1に減圧エリアから急増圧エリア
に切変わったとすると、瞬時t1迄は低圧フラグ=1に対
応して後述する如く50msecを1周期とし10msecだけ減圧
を行う1/5デューティで緩減圧が行われている。瞬時t1
にステップ614−616−691のループが1回選択され、次
にステップ618−619−620−623−624−627−691のルー
プが1回選択され、その後ステップ618−619−620−623
−624−625−692を含むループが3回選択されることで
第11図(a)中点線の如く2/5デューティーで急増圧を
行うことができる。
第11図(b)に示す如く低圧フラグ=0及び急低圧フ
ラグ=0の状態で瞬時t1に減圧エリアから急増圧エリア
に切換わったとすると、瞬時t1迄は低圧フラグ=0及び
急低圧フラグ=0に対応して後述する如くデューティ10
0%の急減圧を継続している。瞬時t1にステップ614−61
3−615−691のループが1回選択され、次いでステップ6
18−619−620−621−691のループが3回選択され、その
後ステップ618−619−622−623−624−627−691のルー
プが2回選択される結果、瞬時t1から4回分(ΔT×4
=40msec)の間急増圧より速い初期増圧を行って応答遅
れをなくし、その後第11図(b)中点線で示す如く2回
分(ΔT×2=20msec)の増圧を行う。以後は前述した
と同様の2/5デューティーによる急増圧を実行すること
ができる。
なお定常的には上述した処から明らかなように第12図
(a)に示す如き2/5デューティによる急増圧を行う。
緩増圧エリアのため第5図中ステップ631が選択され
ると、先ずここで関係のない緩減圧カウンタ、急減圧カ
ウンタ及び昇格カウンタを夫々クリアすると共に、無制
御フラグを1にセットする。次のステップ632で前回の
エリアをチェックし、前回減圧エリアだった場合ステッ
プ634を含むループを1回のみ実行し、前回増圧又は保
圧エリアだった場合ステップ638を含むループを実行す
る。前者のループではステップ634,633,635,636でステ
ップ614,613,615,616におけると同様の処理を行うが、
ステップ636ではステップ616における急増圧カウンタに
代え緩増圧カウンタをインクリメントするものとする。
又、ステップ638,639,640,641,642でもステップ618,61
9,620,621,622と同様の処理を行う。但し、ステップ638
では急低圧フラグを1にセットする処理を追加する。
ステップ643,648では急増圧から緩増圧への切換時、
当該切換えに待ち時間を設定するため前記の急増圧カウ
ンタが5か、0か、これら以外かをチェックする。急増
圧カウンタが0,5以外の時、つまり急増圧の途中であれ
ば、ステップ649で急増圧カウンタをインクリメントし
つつ、ステップ692で保圧し、急増圧カウンタが5にな
った時はステップ644でこのカウンタをリセットした
後、又急増圧カウンタが0である時はそのままステップ
645,647,650,651による緩増圧制御を行う。この緩増圧
制御はステップ623,624,625,626,627による急増圧制御
と同じものであるが、ステップ624に対応するステップ6
46で緩増圧カウンタが0の時のみ増圧を実行させるた
め、急増圧時より小さな1/5デューティーで緩増圧する
ことができる。
上記緩増圧の作用を第11図乃至第13図につき説明す
る。
第11図(a),(b)の瞬時t1以後、減圧から増圧へ
の切換えは急増圧時と同様に行われるが、上記の通りデ
ューティが小さいため、これら図中実線で示す如く増圧
時間が10msecに短縮され、緩増圧を可能にする。
なお定常的には上述した処から明らかなように第12図
(b)に示す如き1/5デューティによる緩増圧を行う。
又第13図(a)に示す如く瞬時t1に緩増圧エリアから
急増圧エリアに切換わった場合は、直ちに急増圧が開始
されるも、同図(b)に示す如く瞬時t1に急増圧エリア
から緩増圧エリアに切換わった場合は、ステップ643,64
4,648,649,692を含むループによる待ち時間Δtだけ緩
増圧の開始を遅らせて不要な制動を防止することができ
る。
保圧エリアのため第5図中ステップ655が選択される
と、先ずここで初期増圧カウンタ、急増圧カウンタ及び
緩増圧カウンタを夫々クリアした後、ステップ692で電
磁弁40LをB位置に保つ。これにより左駆動ブレーキ液
圧を要求通りこの時の値に保圧することができる。
緩減圧エリアのため第5図中ステップ661が選択され
ると、先ずここで緩増圧カウンタ、急増圧カウンタ及び
初期増圧カウンタを夫々クリアする。次のステップ662
では急低圧フラグが0か否かにより所定時間以上急減圧
だったか否かをチェックする。そうであればステップ66
4で後述の目的のため昇格カウンタに6を加えた後、又
所定時間以上急減圧でなかったらそのまま制御をステッ
プ663に進める。ステップ663以後では上記昇格カウンタ
のもと以下の如くにして減圧速度を漸増し、駆動スリッ
プが解消されつつある過程で減圧が遅れ、不要な駆動輪
の制動や、制動の片効きが生ずることのないようにす
る。
つまりステップ663で緩減圧カウンタが5になる度に
ステップ669でインクリメントされる昇格カウンタが3
以下の間は、ステップ665−666−670−693のループを1
回実行して電磁弁40LをA位置とし(この電磁弁位置で
液圧制御弁24はスプール25の第2図中左行により左駆動
輪ブレーキ液圧を減圧する)、ステップ665−666−667
−692のループを4回実行して電磁弁40LをB位置とする
(左駆動輪ブレーキ液圧を保圧する)サイクルを4回繰
返す。従って、第12図(c)に示す如く昇格カウンタが
0〜3の初期において1/5デューティに対応した速度で
減圧がなされる。
その後昇格カウンタが4〜6の間は、ステップ668−6
69−670−693のループを1回実行し、ステップ665−671
−673−670−693のループを1回実行し、ステップ665−
671−673−667−692のループを3回実行するサイクルを
3回繰返す。従って、第12図(c)の如く昇格カウンタ
が4〜6の間2/5デューティに対応した速度で減圧がな
される。
その後昇格カウンタが7〜9の間はステップ668−669
−670−693のループを1回実行し、ステップ665−671−
672−675−676−670−693のループを2回実行し、ステ
ップ665−671−672−675−676−667−692のループを2
回実行するサイクルを2回繰返す。従って、この間第12
図(c)の如く3/5デューティに対応した速度で減圧が
なされる。
更に昇格カウンタが9を超えた時、ステップ665−671
−672−675−677−693のループが繰返し実行され、12図
(c)の如くデューティ100%により減圧を連続的に行
う。そして、ステップ672では緩減圧が所定時間以上
(昇格カウンタ≧7)続いたことを示すように低圧フラ
グ=0とし、ステップ677で無制御フラグをリセットす
る。
ところで当該緩増圧エリアへの移行前所定時間以上急
減圧だったことで、ステップ664が実行される場合、昇
格カウンタ6に対応する減圧から開始されることとな
り、減圧遅れを防止することができる。
急減圧エリアのため第5図中ステップ681が選択され
ると、先ずここで緩増圧カウンタ、急増圧カウンタ及び
初期増圧カウンタを夫々クリアする。そして、制御が必
ずステップ693に至るため、第12図(d)の如くデュー
ティ100%により要求通り急減圧がなされる。この間ス
テップ682で低圧フラク=0か否かを、つまり所定時間
以上緩減圧だったか否かをチェックし、そうでなければ
ステップ684でインクリメントされる急減圧カウンタが1
5以上を示しているか否かをステップ683でチェックす
る。このステップ683は急減圧カウンタにより急減圧が
所定時間以上継続したか否かをチェックするもので、所
定時間以上急減圧だったらステップ685でこのことを示
すように急低圧フラグを0にする。ステップ682で低圧
フラグ=0と判別する場合も、ステップ686により急減
圧カウンタに15を加えた後にステップ685を実行する。
そして、ステップ687では急減圧カウンタが30以上を示
すような長期急減圧か、否かをチェックし、そうであれ
ばステップ684での急減圧カウンタのインクリメントを
止め、ステップ689で無制御フラグをリセットする。
以上の左駆動輪ブレーキ液圧(制動)制御と同様の制
御がステップ695,696で右駆動輪に対しても実行され、
同駆動輪のホイールスピンも同様に防止される。なおス
テップ695は第4図中ステップ601に対応し、ステップ69
6はステップ602〜693の制御内容に対応するものであ
る。
その後は、ステップ701〜703において油圧ポンプ45の
駆動制御を以下の如くに行う。ステップ701では圧力ス
イッチ47がONか否かを、つまりアキュムレータ43の圧力
Pcが所定値に達しているか否かをチェックする。圧力ス
イッチ47は第10図の如くアキュムレータ内圧PcがP1以下
に低下する時ONし、P2以上に上昇する時OFFするヒステ
リシス特性を持つ。圧力スイッチ47のON時ステップ702
でモータ44のONによりポンプ45を駆動してアキュムレー
タ内圧Pcを高め、圧力スイッチ47のOFF時ステップ703で
モータ44のOFFによりポンプ45を停止してアキュムレー
タ内圧Pcの上昇を停止する。よって、アキュムレータ43
内には常時所定の圧力Pcが蓄圧され、前記トラクション
コントロール用のブレーキ液圧上昇制御を行うことがで
きる。
次に、第6図のスロットルバルブ開閉用OCI割り込み
フローチャートの説明を行う。このプログラムは第4図
中ステップ505で決定したステップモータ速度が得られ
るような周期で繰返し実行され、先ずステップ800で第
4図中ステップ506の実行結果からステップモータ5を
正転すべきか、逆転すべきか、現在位置に維持すべきか
を判別する。正転すべきならステップ801でステップモ
ータ5の1段回正転を、又逆転すべきならステップ802
でステップモータ5の1段回逆転をセットし、保持すべ
きならステップ801,802をスキップする。そして、ステ
ップ803でモータ駆動信号をステップモータ5へ出力
し、スロットルバルブ4を第4図中ステップ503での演
算結果に対応した開度となす。
以下、第14図の動作例に基づきスロットル開度(エン
ジン出力変更)制御によるトラクションコントロールの
作用を説明する。なお第14図(a),(b)では、当初
MAP=0の非制御域で、その後緩閉域となって図示の初
期マップMAPINIによるスロットル開度制御がなされ、そ
の後非制御域のため第3図中ステップ191〜206によりリ
カバー時間TR毎に−1つづのマップ上げがなされ、瞬時
t0又はt1に再び緩閉域となったものとする。左右一方で
も低圧フラグ又は急低圧フラグが0、即ちトラクション
コントロール用ブレーキ液圧の所定時間以上減圧状態の
場合、第14図(a)に示す如く瞬時t0に所定時間TM(第
3図中ステップ407参照)前のマップ値PMAPに基づき第
3図中ステップ305,307,308の処理が1回行われ、瞬時t
0以後MAP=MAPMAX+1にされる。しかしてMAPMAX+1≦
MAPINIのためステップ310において第14図中点線の如くM
AP=MAPINIにされ、これに基づくトラクションコントロ
ール用のスロットル緩閉制御がなされ、このスロットル
緩閉制御完了以降、従って駆動スリップ収束時以降リカ
バー時間(TR=TR2)毎に−1づつマップ上げがなさ
れ、次回のトラクションコントロールに備える。
ところで、左右共に低圧フラグ及び急低圧フラグが1
の場合、第14図(b)に示す如く瞬時t1に所定時間TM
(第3中ステップ408参照)前の(但しTM′>TM)マッ
プ値をPMAPとする。そして、このPMAPに基づき第3図中
ステップ306,307,308の処理が1回行われ、瞬時t1以後M
AP=MAPMAX+2にされ、これに基づくトラクションコン
トロール用のスロットル緩閉制御がなされ、このスロッ
トル緩閉制御完了時以降、従って駆動スリップ収束時以
降リカバー時間(TR=TR1)毎に−1づつマップ上げが
なされ、次回のトラクションコントロールに備える。
かかるトラクションコントロール用のスロットル閉制
御は、ステップ154が急閉域と判別して制御をステップ3
51へ進める場合も同様になされる。但し、この急閉域で
はステップ362の実行により、要求通りの急閉を可能に
する。
ところで、前回のトラクションコントロールによる駆
動スリップ収束時以降上記の設定時間、即ちリカバー時
間TRをトラクションコントロール用の駆動輪ブレーキ液
圧制御状態(低圧フラグ及び急低圧フラグ)に応じTR
TR1,TR=TR2の如く変更することから、今回のトラクシ
ョンコントロール開始時点におけるスロットル開度はト
ラクションコントロール用制動状態の違いによっても不
適切になることはなく、常時適切に保たれ、制動解除時
点、つまり今回のトラクションコントロール開始時点
に、前記制動解除速度がスロットル開度増加に対して遅
過ぎて過大なスロットル開度により駆動スリップの再発
を招いたり、前記制動解除速度が速過ぎて過少なスロッ
トル開度により加速不良を生ずる問題を解消することが
できる。
更に上記トラクションコントロール用制動のトラクシ
ョンコントロールに対する相対頻度が減少してブレーキ
パッド等のフェード現象が発生するのを効果的に防止す
ることができる。
次に第15図の動作例に基づき本発明の駆動輪制動制御
によるトラクションコントロールを説明する。この動作
例では左右駆動輪が同期して同程度にホイールスピン
し、両駆動輪を同時に同様に制動制御したこととして説
明を展開する。
瞬時t1迄はスリップ率SL(SR)がS11未満で且つその
変化速度)が0と21との間にあって第9図
から明らかなように緩減圧エリアにある。よって両駆動
輪のブレーキ液圧は前記作用によりゆっくり減圧され、
これら駆動輪の制動力を漸減する。瞬時t1〜t2間はスリ
ップ率がS11及びS12間の値で、その変化速度が0と21
との間であって第9図から明らかなように緩増圧エリア
にある。よって両駆動輪のブレーキ液圧は前記作用によ
りゆっくり増圧され、これら駆動輪の制動力を漸増す
る。瞬時t2〜t3間は、スリップ率がS11,S12間の値でそ
の変化速度が21以上か、スリップ率がS12以上でその
変化速度が正であるため、第9図から明らかなように急
増圧エリアにある。よって両駆動輪のブレーキ液圧は前
記作用により急増圧され、これら駆動輪の制動力を急増
する。瞬時t3〜t4間は、スリップ率がS12以上でその変
化速度が0と22との間の値であって第9図から明らか
なように緩増圧エリアにあり、両駆動輪の制動力を漸増
させる。瞬時t4〜t5間は、スリップ率がS11およびS12
の値であり且つその変化速度が0及び22間であって第
9図から明らかなように保圧エリアにある。よって、両
駆動輪のブレーキ液圧は前記作用により瞬時t4の値に保
圧され、これら駆動輪の制動力を保持しておく。
瞬時t5以後も第9図に基づく同様の領域判定により、
判定結果に応じた両駆動輪のブレーキ液圧制御がなさ
れ、瞬時t5〜t6間は保圧、瞬時t6〜t7間は緩増圧、瞬時
t7〜t8間は保圧、瞬時t8以後は緩減圧が夫々実行され
る。
よって、第9図に対応した駆動輪ブレーキ液圧制御に
よりトラクションコントロールが行われ、駆動輪の駆動
スリップを防止することができる。しかし第9図の制御
態様はスリップ率及びその変化速度に応じブレーキ液圧
の増圧、減圧速度を決定することから、大きな駆動スリ
ップや急な駆動スリップを生ずる状況のもとでは、スリ
ップの発生に見合うよう駆動輪の制動速度を速めてトラ
クションコントロール性能の低下を防止したり、制動に
よる駆動スリップの収まりが速いことに合わせて制動解
除速度も速くし、不要な制動を防止することができる。
又逆に駆動スリップが小さく、しかもゆっくり発生する
ような状況のもとでは、スリップの発生に見合うよう制
動速度を遅くして不要な制動を防止したり、制動による
駆動スリップの収まりが遅いことに合わせて制動解除速
度も遅くてトラクションコントロール性能の低下を防止
することができる。
(発明の効果) かくして本発明トラクションコントロール装置は上述
の如く、駆動スリップ収束時のトラクションコントロー
ル用の駆動輪制動状態に応じた設定時間に基づき次回の
トラクションコントロール用のスロットル開度制御を行
うこととしたから、この設定時間、従ってスロットル開
度が駆動スリップ収束時の駆動車輪制動状態の違いによ
っても不適切になることはなく、常時確実に車輪の駆動
スリップを狙い通りに防止し得て、トラクションコント
ロール開始時点において過大なスロットル開度により駆
動スリップの再発を招いたり、過少なスロットル開度に
より加速不良を生ずる問題を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明トラクションコントロール装置の概念
図、 第2図は本発明装置の一実施例を示すシステム図、 第3図乃至第6図は同例におけるマイクロコンピュータ
の制御プログラムを示すフローチャート、 第7図は同例において用いるトラクションコントロール
用のスロットル開度制御マップ図、 第8図は同例において用いたアクセルペダル踏込量に対
するスロットルバルブ開度のマップ図、 第9図は同例において用いた駆動輪ブレーキ液圧制御の
領域マップ図、 第10図は第2図におけるポンプのON,OFF線図、 第11図乃至第13図は夫々第2図の装置における電磁弁駆
動デューティの波形図、 第14図及び第15図は本発明装置によるトラクションコン
トロールの動作タイムチャートである。 1L,1R……従動輪、2L,2R……駆動輪 4……スロットルバルブ 5……ステップモータ、6……アクセルペダル 8……スロットルセンサ、9……アクセルセンサ 10……マイクロコンピュータ 11……A/Dコンバータ、12……F/Vコンバータ 13……モータ駆動回路、14……D/Aコンバータ 20……ブレーキペダル 21……ブレーキマスターシリンダ 22L,22R,23L,23R……ホイールシリンダ 24L,24R……液圧制御弁、40L,40R……電磁弁 43……アキュムレータ、45……ポンプ 47……圧力スイッチ 50L,50R,51L,51R……車輪回転センサ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンからの動力により車輪を駆動して
    走行し、前記車輪の駆動スリップ発生時におけるスロッ
    トル開度と所定時間前におけるスロットル開度との比較
    結果に応じたスロットル変更手段によるスロットル開度
    減少でエンジン出力を低下させると共に、制動手段によ
    り前記車輪を制動して車輪の駆動スリップを防止するよ
    うにした車両であって、当該駆動スリップ収束時以降前
    記スロットル変更手段による設定時間毎のスロットル開
    度増加ではエンジン出力を上昇させると共に前記制御を
    解除する車両において、 前記制動手段による車輪の当該駆動スリップ収束時の制
    動状態を検知する制動状態検知手段と、 この制動状態に応じて前記設定時間を変更する設定時間
    変更手段と を具備してなることを特徴とする車両のトラクションコ
    ントロール装置。
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