JP2572854B2 - 車両のトラクションコントロール装置 - Google Patents

車両のトラクションコントロール装置

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JP2572854B2 JP1207823A JP20782389A JP2572854B2 JP 2572854 B2 JP2572854 B2 JP 2572854B2 JP 1207823 A JP1207823 A JP 1207823A JP 20782389 A JP20782389 A JP 20782389A JP 2572854 B2 JP2572854 B2 JP 2572854B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は車輪の駆動スリップ(ホイールスピン)を防
止する車両のトラクションコントロール装置に関するも
のである。
(従来の技術) トラクションコントロール装置としては従来、特開昭
60−56662号公報に開示されている如く、スピンしてい
る駆動車輪を制動することによりスピンを防止するよう
にした型式のものがある。
この種装置においては、左右駆動輪の車輪速を夫々従
動輪の車輪速と対比し、左右駆動輪のスピンを個々に判
別し、左右駆動輪を個別に制動してホイールスピンを抑
制する。
(発明が解決しようとする課題) しかし従来の装置では、左右駆動輪を常時個別に制動
するために中低速域においての駆動スリップが適切に防
止されて発進・加速時の安定性が確保はされるが、以下
の問題が懸念される。
即ち、高車速域においては変速機のギヤ比が小さいこ
とから駆動車輪の回転イナーシャが小さい。従って、制
動が効き易いことから当該高車速域も従来のように左右
駆動輪を個別に制動制御していたのでは、左右制動力の
差に基くブレーキの片効きが顕著となって現れ、車両の
直進安定性が損われる。この傾向は、両駆動輪間のディ
ファレンシャルギヤが作動制限機構を持たない場合、特
に顕著となる。
本発明は、高車速の場合左右駆動輪のトラクションコ
ントロールに当って行うべき制動を独立とせず、共通に
行わせることで上述の問題を解消することを目的とす
る。
(課題を解決するための手段) この目的のため本発明は第1図に概念を示す如く、 左右駆動輪を駆動スリップ発生時に制動して該駆動ス
リップを防止するようにした自動ブレーキ手段を具える
車両のトラクションコントロール装置において、 車速を検出する車速検出手段と、 該手段により検出された車速が設定車速未満となる低
車速域では、左右駆動輪がそれぞれ個別に決定された力
で制動されるよう前記自動ブレーキ手段を機能させる
も、前記検出された車速が設定車速以上となる高車速域
では、自動ブレーキ手段が常時、左右駆動輪のスリップ
情報間における平均的なスリップ情報値を左右駆動輪の
共通なスリップ情報として左右駆動輪を同時に同じ力で
制動するよう、自動ブレーキ手段を機能させる自動ブレ
ーキ制御手段とを具備してなることを特徴とするもので
ある。
(作 用) 車速検出手段で検出した車速が設定値未満の低車速に
おいては、自動ブレーキ制御手段により自動ブレーキ手
段は駆動スリップした左右駆動輪を個々に制動して駆動
スリップを個別に防止する。
一方、車速が設定値以上の高車速においては、自動ブ
レーキ手段は常時、左右駆動輪のスリップ情報間におけ
る平均的なスリップ情報値を左右駆動輪の共通なスリッ
プ情報として左右駆動輪を同時に同じ力で制動するよう
機能され、これにより両駆動輪の駆動スリップを総括的
に抑制する。
従って、当該高車速で左右駆動輪の制動力が同じにさ
れることとなり、これらが高車速で異なっていたため従
来生じていた直進安定性の欠如に関する問題をなくすこ
とができる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明す
る。
第2図は本発明トラクションコントロール装置の一実
施例を示すシステム図で1L,1Rは夫々左右従動輪(例え
ば左右前輪)、2L,2Rは夫々左右駆動輪(例えば左右後
輪)を示す。車両は車輪2L,2Rを図示せざるエンジンに
より駆動されることにより走行し、エンジンはスロット
ルバルブ4により出力を加減されるものとする。
スロットルバルブ4はステップモータ5により開閉
し、そのステップ数(スロットルバルブ4の開度)をト
ラクションコントロール中以外基本的には運転者が踏込
むアクセルペダル6の踏込量に対応したものにすべく制
御回路7により制御する。この目的のため、スロットル
バルブ4の開度、つまりモータ5のステップ数を検出す
るスロットルセンサ8からの信号THを制御回路7にフィ
ードバックし、アクセルペダル6を踏込量ACCを検出す
るアクセルセンサ9からの信号を制御回路7に入力す
る。
制御回路7はマイクロコンピュータ10を具えると共
に、その入力側に関連してA/Dコンバータ11及びF/Vコン
バータ12を、又出力側に関連してステップモータ5用の
駆動回路13及びD/Aコンバータ14を夫々設ける。A/Dコン
バータ11はスロットル開度信号TH及びアクセル信号Acc
をアナログ−デジタル変換してマイクロコンピュータ10
に入力すると共に、F/Vコンバータ12により周波数−電
圧変換した電圧信号をデジタル信号に変換してマイクロ
コンピュータ10に入力する。
各車輪1L,1R,2L,2Rは、ブレーキペダル20の踏力に応
じたブレーキマスターシリンダ21からの液圧PMにより作
動されるホイールシリンダ22L,22R,23L,23Rを具え、こ
れらホイールシリンダの作動により対応車輪が個々に制
動されるものとする。しかして、駆動輪2L,2Rのブレー
キ液圧系には夫々トラクションコントロール用の液圧制
御弁24L,24Rを挿置する。これら液圧制御弁は夫々同仕
様、同構造のものとし、スプール25をばね26により図示
の左限位置に弾支し、プランジャ27をばね28により図示
の左限位置に弾支して構成する。
液圧制御弁24L,24Rは夫々、図示の常態でマスターシ
リンダ側の入力ポート29への液圧PMをそのままホイール
シリンダ側の出口ポート30より対応するホイールシリン
ダに出力し、スプール25の右行時プランジャ27によりポ
ート29,30間を遮断すると共にホイールシリンダへの液
圧を上昇させ、スプール25の右行停止時ホイールシリン
ダの上昇液圧を保持するものとする。
スプール25の上記右行及びその停止を室31内の圧力に
より制御し、この圧力を夫々電磁弁40L,40Rにより個別
に制御する。これら電磁弁も同様のものとし、ソレノイ
ド41のOFF時(A)で示すポート間接続位置となって室3
1をドレン回路42に通じると共にアキュムレータ43から
遮断し、ソレノイド41の小電流によるON時(B)で示す
ポート間接続位置となって室31をドレン回路42及びアキ
ュムレータ43の双方から遮断し、ソレノイド41の大電流
によるON時(C)で示すポート間接続位置となって室31
をドレン回路42から遮断すると共にアキュムレータ43に
通じるものとする。
電磁弁40L,40Rの(A)位置で室31は無圧状態となっ
てスプール25を図示位置にし、電磁弁40L,40Rの(C)
位置で室31はアキュムレータ43の一定値Pcを供給されて
スプール25を図中右行させ、電磁弁40L,40Rの(B)位
置で室31は圧力の給排を中止されてスプール25をその時
の右行位置に保持する。
アキュムレータ43にはモータ44で駆動されるポンプ45
からの油圧をチェック弁46を介して蓄圧し、アキュムレ
ータ43の蓄圧値が一定値Pcになる時、これを検出してOF
Fする圧力スイッチ47からの信号を受けて制御回路7が
モータ44(ポンプ45)を停止させるものとする。この目
的のため圧力スイッチ47からの信号はマイクロコンピュ
ータ10に入力し、マイクロコンピュータ10からのモータ
制御信号はD/Aコンバータ14によりアナログ信号に変換
してモータ44に供給する。
電磁弁40L,40Rのソレノイド41もマイクロコンピュー
タ10により駆動制御し、そのための制御信号をD/Aコン
バータ14によりアナログ信号に変換してソレノイド41に
供給する。
各車輪1L,1R,2L,2Rに夫々関連して車輪回転センサ50
L,50R,51L,51Rを設け、これらセンサは対応車輪の車輪
速VFL,VFR,VRL,VRRに対応した周波数のパルス信号を発
し、これらパルス信号をF/Vコンバータ12に供給する。F
/Vコンバータ12は各パルス信号をその周波数(車輪回転
数)に対応した電圧に変換してA/Dコンバータ11に入力
し、A/Dコンバータ11はこれら電圧をデジタル信号に変
換してマイクロコンピュータ10に入力する。
又、駆動輪ホイールシリンダ23L,23Rの液圧、つまり
駆動輪ブレーキ液圧PBL,PBRを夫々検出する圧力センサ6
0L,60Rを設け、これらからの信号をA/Dコンバータ11に
よりデジタル信号に変換してマイクロコンピュータ10に
入力する。
マイクロコンピュータ10は各種入力情報を元に第3図
乃至第6図の制御プログラムを実行して、スロットルバ
ルブ4の通常の開度制御及びトラクションコントロール
用の開度制御を行うと共に、電磁弁ソレノイド41の位置
制御、つまり駆動車輪のトラクションコントロール用制
動制御を行い、更にポンプモータ44(油圧ポンプ45)の
駆動制御を行う。第3図乃至第5図は図示せざるオペレ
ーティングシステムによりエンジン始動後一定周期ΔT
(例えばΔT=10msec)毎に定時割込み処理をされるメ
インルーチンで、第6図はこのメインルーチン内におい
て決定されたステップモータ5の回転速度に対応する周
期で処理されるステップモータ駆動用のOCI(Output co
mpare interrupt)割込み処理を示す。
第3図では先ずステップ101,102において、第1回目
の処理に限りマイクロコンピュータ10は内蔵RAM等のイ
ニシャライズ(初期化)を行う。次のステップ103で
は、車輪速VFR,VFL,VRL,VRRを読込み、これらを基にス
テップ104で私有駆動輪2L,2Rのスリップ率SL,SRをSL
(VRL−VFL)/VFL,SR=(VRR−VFR)/VFRにより求めた
後、ステップ105で左右駆動輪2L,2Rのスリップ率変化速
=SL−SL-1(但しSL-1は前回の左駆動輪スリップ
率)及び=SR−SR-1(但し、SR-1は前回の右駆動輪
スリップ率)を求める。
ステップ106では、左右駆動輪スリップ率SL,SRのうち
小さい方をセレクトロースリップ率Smin、大きい方をセ
レクトハイスリップ率Smaxにセットする。次にステップ
107において上記セレクトロースリップ率及びセレクト
ハイリップ率のうち小さい方の値SminをK(例えば0.6
−0.9)の比率で重視するスリップ率の重み付け平均値S
avをSav=K×Smin+(1−K)×Smaxにより求めると
共に、その変化速度をavav=Sav−Sav-1(但しS
av-1は前回のスリップ率重み付け平均値)を求める。
ステップ150では、前2輪平均速(車速) から第7図(a)に対応するテーブルデータを基にトラ
クションコントロール上必要なエンジン出力制御用スリ
ップ率下方設定値S1をルックアップし、更に次式により
トラクションコントロールに必要なエンジン出力制御用
スリップ率上方設定値S2を演算する。
次のステップ151では、上記のスリップ率平均値Sav
よびその変化速度avより、トラクションコントロール
上好適な第7図(b)の如きスロットル開度制御域デー
タを基に、スロットル開度THをアクセルペダル6の踏込
量Accに対応した値に向け戻すべき(増大すべき)非制
御域か、スロットルバルブ4を急閉(スロットル開度TH
を急減)又は緩閉(スロットル開度THを緩減)して車輪
2L,2Rの駆動スリップを防止すべき急閉域又は緩閉域か
スロットル開度THを不変に保つべき保持域かを、決定す
る。この決定結果をステップ152〜154で判別し、非制御
域ではステップ201へ、緩閉域ではステップ301へ、急閉
域ではステップ351へ、又保持域ではステップ401へ夫々
制御を進める。
非制御域ではステップ201〜206において、ステップ20
4でクリアされ、ステップ203または205でインクリメン
ト(歩進)されるマップ上げカウンタMAPUPCが一定のリ
カバー時間TRを示す度に、つまりTR時間毎にステップ20
6でスロットル開度マップMAPを前回マップ(MAP0)−1
として定めた後、制御をステップ401へ進める。マップM
APは第8図の如く第0枚目から第19枚目迄の20種類を設
定し、上記のマップ上げはスロットルバルブ開度をアク
セルペダル踏込量Accに対応した値に増大させる指令で
あることを意味する。
緩閉域のためステップ301へ制御が進んだ場合、先ず
このステップで前回どのスロットル制御域だったかをチ
ェックする。前回非制御域だった場合、以下の処理を1
回だけ行う。つまりステップ302で上記のマップ上げカ
ウンタMAPUPCをクリアし、次のステップ303,304で左又
は右の減圧フラグ及び左又は右の急減圧フラグが共に0
か否かを判別する。これらフラグは後述するように、対
応する左右駆動輪2L,2Rのトラクションコントロール用
ブレーキ液圧の所定時間以上緩減圧状態及び所定時間以
上急減圧状態で0となり、少なくとも一方の駆動輪が急
減圧状態だったらステップ305においてマップ落ち数MAP
DNを1とし、それ以外ではステップ306においてMAPDN=
2をセットする。ステップ307では前回マップMAP0と後
述の如くにメモリしておいた所定時間前のマップ数PMAP
との大きい方(スロットル開度の小さい方)をセレクト
ハイマップMAPMAXとしてセットし、ステップ308でこの
セレクトハイマップMAPMAXをステップ305又は306におい
て定めた数MAPDNだけマップ落ちさせたもの(MAPMAX+M
APDN)を今回マップMAPとし、スロットル開度の緩閉を
指令する。なお、ステップ309,310では上記のMAPが非制
御域から最初に緩閉域になった時に求めた初期マップMA
PINI以下の時は、スロットル開度増大を指令することを
意味し、緩閉の意図に反することからMAP=MAPINIとす
る。
ステップ301で前回が緩閉域又は急閉域であると判断
した場合、制御をそのままステップ401に進め、前回保
持域であった場合、ステップ311で前回マップMAP 0を1
だけマップ落ちさせたものを今回マップMAPとしてスロ
ットル開度減を指令した後に制御をステップ401に進め
る。
急閉域のため制御がステップ351へ進んだ場合、先ず
ここで前回のスロットル開度制御域をチェックする。前
回非制御域であった場合、ステップ352〜360で前記ステ
ップ302〜310と同様の処理を行い、ステップ362でこの
処理により求めたマップに更に2を加えてスロットル開
度の急減を指令した後制御をステップ401へ進める。ス
テップ351で前回から急閉域であったと判別する場合、
制御をそのままステップ401へ進め、前回緩閉域又は保
持域であった場合、ステップ361で前記ステップ311と同
様の処理を行った後制御をステップ401へ進める。
保持域のため(非制御域、緩増圧域、急増圧域用の処
理後も同様)ステップ401に制御が進む場合、ステップ4
01〜404で第8図に示す設定マップ数0〜19の範囲外に
あるMAP値を近い方の限界値0又は19にセットする。次
のステップ405,406では左右減圧フラグが共に0でなく
且つ左右急減圧フラグが共に0でない左右駆動輪2L,2R
のブレーキ液圧増圧状態をチェックする。増圧状態でな
ければ(減圧状態なら)ステップ407で対応する所定時
間TM前のスロットル制御マップをPMAPとしてスロットル
緩閉及び急閉制御(ステップ307,357)に用い、増圧状
態ならステップ408でTMより長い所定時間TM′前のマッ
プPMAPとする。又次のステップ409では現在のマップMAP
を前回マップMAP 0としてメモリし、次回に備える。
第3図に示す以上の処理後、制御は第4図のステップ
502に進み、ここでアクセルペダル踏込み量Accを読込
む。次のステップ503では、前記の通りに求めたマップM
APに対応する開度特性マップに基づき、アクセルペダル
踏込量Accに応じたステップモータ5の目標ステップ数S
TEPをマップ検索して決定する。
又ステップ504では、前記ステップ503によって決定さ
れたスロットルバルブ4の開度目標ステップ数STEPと実
際の開度ステップ数THとの偏差Difを、 Dif=STEP−TH により算出する。さらにステップ505,506により上記の
偏差Difに基づいてステップモータ5のスピードの決
定、正転/逆転/保持の決定、更にはOCI割込み周期の
セット、モータ回転方向に関するフラグセット等を行
う。
ステップ550〜554では、左駆動輪ブレーキ液圧PBL
設定値PH以上か、これ未満で微小設定値PL以上か、或い
はPL未満かを判別して、PBL≧PH時低圧フラグを1にセ
ットし、PL≦PBL<PH時低圧フラグを0にリセットし、P
BL<PL時無制御フラグを0にリセットする。
ステップ598では、車速VFが設定車速60km/h以上の高
車速か、60km/h未満の低車速かをチェックする。高車速
なら後述のトラクションコントロール用に行うべき左右
駆動輪の制動を同時に同じ力で行わせるためにステップ
599で左右従動輪速VFL,VFRを夫々同じ車速VFにセット
し、左右駆動輪のスリップ率SL,SRを夫々前記重み付け
平均値Savにセットし、左右駆動輪のスリップ率変化速
L,を夫々前記重み付け平均値変化速度avにセ
ットする。しかして、低車速ならステップ599を実行せ
ず、VFL,VFR,SL,SR,L,を夫々そのまま使用するこ
とにより、左右駆動輪の駆動を個々の制御下で行わせ
る。
その後ステップ600〜693において、左駆動輪を以下の
如く適正速度でトラクションコントロール用に制動及び
制動解除する。ステップ600では、左前輪速VFLから第7
図(a)に対応するテーブルデータを基にトラクション
コントロール上必要な駆動輪制動用のスリップ率下方設
定値S11をルックアップし、更に次式によりトラクショ
ンコントロール上必要な駆動輪制動用のスリップ率上方
設定値S12を演算する。
次のステップ601では第9図に対応するテーブルデー
タを基に左駆動輪スリップ率SL及びその変化速度
ら左駆動輪ブレーキ液圧を急増圧すべきか、緩増圧すべ
きか、保圧すべきか、緩減圧すべきか、急減圧すべきか
を領域(エリア)判定する。第9図のテーブルデータは
トラクションコントロール上好適な左駆動輪ブレーキ液
圧の制御態様で、スリップ率SL及びその変化速度
21,0,22はエリア境界値)が高い程高速で増圧
し、スリップ率SL及びその変化速度が低い程高速で
減圧すべきこととする。なお第9図は、後述の右駆動輪
ブレーキ液圧制御態様でもあり、従って右駆動輪スリッ
プ率SRおよびその変化速度も併記した。
上記の領域判定結果をステップ602〜605により判別
し、第5図の対応ステップに分岐させる。即ち、急増圧
エリアならステップ611に、緩増圧エリアならステップ6
31に、保圧エリアならステップ655に、緩減圧エリアな
らステップ661に、又急減圧エリアならステップ681に夫
々制御を進める。
急増圧エリアのためステップ611が選択されると、先
ずここで当該急増圧に関与しない緩減圧カウンタ、急減
圧カウンタ、緩増圧カウンタ、保圧タウンタおよび昇格
カウンタを夫々クリアする。次のステップ612で前回の
エリアをチェックし、前回減圧エリアだった場合ステッ
プ614を通るループを1回のみ実行し、前回増圧又は保
圧エリアだった場合ステップ618を通るループを実行す
る。前者のループでは、先ずステップ614,613で減圧フ
ラグ及び急減圧フラグが0か否か、つまり所定時間以上
急減圧を行ったか否かをチェックする。前回急減圧状態
だったのであれば、急増圧より急速な初期増圧を実行し
て応答遅れをなくす必要があることからステップ615で
初期増圧カウンタをインクリメントする。その後ステッ
プ691で電磁弁40LをC位置にする。この電磁弁位置で液
圧制御弁24Lはスプール25の第2図中右行により左駆動
輪ブレーキ液圧を上昇させ、左駆動輪をトラクションコ
ントロール用に制動する。しかして、減圧フラグ=0又
は急減圧フラグ=0でなければ、上記の初期増圧が不要
であるからステップ616で急増圧カウンタをインクリメ
ントしてステップ691を実行する。
以後ステップ612はステップ618を選択するようにな
り、ここでは減圧フラグを1にセットする。ステップ61
9,620では上記の初期増圧カウンタが4か0かをチェッ
クするが、ステップ615が実行されていればステップ61
9,620,621の経路を3回繰返しつつステップ691で増圧を
繰返し、次回にステップ619がステップ622,623、又その
後ステップ619がステップ620,623を選択するようにな
る。ステップ623では、急増圧カウンタが5か否かをチ
ェックし、ステップ624でこの急増圧力カウンタが0又
は1か否かをチェックする。ステップ616が実行されて
いなければステップ623,624,627の経路が2回繰返され
てその都度ステップ691の実行により増圧を行うが、ス
テップ616が実行されていれば上記の経路が1回のみ選
択されてステップ691の実行により増圧を行う。その後
はステップ624がステップ625を選択するようになり、急
増圧カウンタが5になる迄の3回だけステップ692の実
行により、電磁弁40LをB位置にする。この電磁弁位置
で液圧制御弁24Lはスプール25を移動停止させて左駆動
輪ブレーキ液圧をこの時の値に保圧する。以後、急増圧
カウンタが1,2の時増圧、3〜5の時保圧とするデュー
ティ(2/5のデューティ)に対応した速度で左駆動輪ブ
レーキ液圧を急増圧することができる。
上記の急増圧作用を第11図乃至第13図につき説明す
る。
第11図(a)に示す如く減圧フラグ=1又は急減圧フ
ラグ=1の状態で瞬時t1に減圧エリアから急増圧エリア
に切換わったとすると、瞬時t1迄は減圧フラグ=1に対
応して後述する如く50msecを1周期とし10msecだけ減圧
を行う1/5デューティで緩減圧が行われている。瞬時t1
にステップ614−616−691のループが1回選択され、次
にステップ618−619−620−623−624−627−691のルー
プが1回選択され、その後ステップ618−619−620−623
−624−625−692を含むループが3回選択されることで
第11図(a)中点線の如く2/5デューティで急増圧を行
うことができる。
第11図(b)に示す如く減圧フラグ=0及び急減圧フ
ラグ=0の状態で瞬時t1に減圧エリアから急増圧エリア
に切換わったとすると、瞬時t1迄は減圧フラグ=0及び
急減圧フラグ=0に対応して後述する如くデューティ10
0%の急減圧を継続している。瞬時t1にステップ614−61
3−615−691のループが1回選択され、次いでステップ6
18−619−620−621−691のループが3回選択され、その
後ステップ618−619−622−623−624−627−691のルー
プが2回選択される結果、瞬時t1から4回分(ΔT×4
=40msec)の間急増圧より速い初期増圧を行って応答遅
れをなくし、その後第11図(b)中点線で示す如く2回
分(ΔT×2=20msec)の増圧を行う。以後は前述した
と同様の2/5デューティによる急増圧を実行することが
できる。
なお定常的には上述した処から明らかなように第12図
(a)に示す如き2/5デューティによる急増圧を行う。
緩増圧エリアのため第5図中ステップ631が選択され
ると、先ずここで関係のない緩減圧カウンタ、急減圧カ
ウンタ、保圧カウンタ及び昇格カウンタを夫々クリアす
る。次のステップ632で前回のエリアをチェックし、前
回減圧エリアだった場合ステップ634を含むループを1
回のみ実行し、前回増圧又は保圧エリアだった場合ステ
ップ638を含むループを実行する。前者のループではス
テップ634,633,635,636でステップ614,613,615,616にお
けると同様の処理を行うが、ステップ636ではステップ6
16における急増圧カウンタに代え緩増圧カウンタをイン
クリメントするものとする。又、ステップ638,639,640,
641,642でもステップ618,619,620,621,622と同様の処理
を行う。但し、ステップ638では急減圧フラグを1にセ
ットする処理を追加する。
ステップ634,648では急増圧から緩増圧への切換時、
当該切換えに待ち時間を設定するため前記の急増圧カウ
ンタが5か、0か、これら以外かをチェックする。急増
圧カウンタが0,5以外の時、つまり急増圧の途中であれ
ば、ステップ649で急増圧カウンタをインクリメントし
つつ、ステップ692で保圧し、急増圧カウンタが5にな
った時はステップ644でこのカウンタをリセットした
後、又急増圧カウンタが0である時はそのままステップ
645,646,647,650,651による緩増圧制御を行う。この緩
増圧制御はステップ623,624,625,626,627による急増圧
制御と同じものであるが、ステップ624に対応するステ
ップ646で緩増圧カウンタが0の時のみ増圧を実行させ
るため、急増圧時より小さな1/5デューティで緩増圧す
ることができる。
上記緩増圧の作用を第11図乃至第13図につき説明す
る。
第11図(a),(b)の瞬時t1以後、減圧から増圧へ
の切換えは急増圧時と同様に行われるが、上記の通りデ
ューティが小さいため、これら図中実線で示す如く増圧
時間が10msecに短縮され、緩増圧を可能にする。
なお定常的には上述した処から明らかなように第12図
(b)に示す如き1/5デューティによる緩増圧を行う。
又第13図(a)に示す如く瞬時t1に緩増圧エリアから
急増圧エリアに切換わった場合は、直ちに急増圧が開始
されるも、同図(b)に示す如く瞬時t1に急増圧エリア
から緩増圧エリアに切換わった場合は、ステップ643,64
4,648,649,692を含むループによる待ち時間Δtだけ緩
増圧の開始を遅らせて不要な制動を防止することができ
る。
保圧エリアのため第5図中ステップ655が選択される
と、先ずここで初期増圧カウンタ、急増圧カウンタ及び
緩増圧カウンタを夫々クリアし、その後、ステップ656
〜658で保圧カウンタが0〜9を示す間、つまりΔt×1
0=100msecの時間中ステップ692で電磁弁40LをB位置に
保ち、次の1サイクル時間中(Δt×1=10msec中)ス
テップ691で電磁弁40LをC位置に保つ。これにより左駆
動輪ブレーキ液圧を、液漏れ分を補充しながら要求通り
この時の値に保圧することができる。
緩減圧エリアのため第5図中ステップ661が選択され
ると、先ずここで緩増圧カウンタ、急増圧カウンタ、保
圧カウンタ及び初期増圧カウンタを夫々クリアする。次
のステップ662では液圧フラグが0か否かにより左駆動
輪ブレーキ液圧PBLがPH未満の低い値か否かをチェック
する。ブレーキ液圧PBLが低い場合、つまり減圧を行う
と通常の減圧速度ではこのブレーキ減圧が0kgf/cm2にな
って、前記の不都合を生じてしまうような場合、ステッ
プ663で緩減圧周期TSLを長い7にセットし、ブレーキ液
圧PBLがPH以上の高い値である場合、ステップ664で緩減
圧周期TSLを短かい5にセットすることにより、以下の
緩減圧の速度制御を行う。
即ち、ステップ665で緩減圧カウンタが上記の如くに
セットした緩減圧周期TSL(7又は5)に達したか否か
をチェックする。この緩減圧カウンタは、ステップ666
で無制御フラグが1と判別する限りにおいて、つまり第
4図中ステップ553,554に示した如く左駆動輪ブレーキ
液圧PBLが微小設定値PL以上のため、そのPBL<PHでの減
圧速度制御が必要な限りにおいて選択されるステップ67
3又は674でインクリメントされ、このインクリメントに
より設定減圧周期TSLに達する時ステップ675で0にリセ
ットされるものとする。又、緩減圧カウンタがTSLに達
する度にステップ676で昇格カウンタをインクリメント
すると共に、ステップ674の実行後ステップ693で電磁弁
40LをA位置にする。この電磁弁位置で液圧制御弁24Lは
スプール25の第2図中左行により左駆動輪ブレーキ液圧
を減圧し、左駆動輪のスピン抑制後における再加速を可
能ならしめる。
緩減圧カウンタがTSLに達する迄の間は、ステップ666
で無制御フラグ=1と判別する限りにおいて、ステップ
667における低圧フラグ(左駆動輪ブレーキ液圧)判別
結果に応じた頻度でステップ693の実行によりブレーキ
液圧を減圧する。即ち、ステップ667でブレーキ液圧が
高い(PBL≧PH)と判別する時は、ステップ672で昇格カ
ウンタに関係なく緩減圧カウンタが0〜3である間ステ
ップ693による減圧を、又緩減圧カウンタが4〜TSL(T
SLは今ステップ664で5にセットされている)である間
ステップ692による保圧を実行させ、3/TSL=3/5のデュ
ーティに対応した通常の速度でブレーキ液圧を減圧す
る。
ステップ667でブレーキ液圧PBLが低い(PBL<PH)と
判別する場合、ステップ668で昇格カウンタが3未満と
判別する初期においては、ステップ670の判別結果に基
づき、緩減圧カウンタが0〜1である間ステップ693に
よる減圧を、又緩減圧カウンタが2〜TSL(TSLは今ステ
ップ663で7にセットされている)である間ステップ692
による保圧を実行させ、1/TSL=1/7のデューティに対応
した極く低速でブレーキ液圧PBLを減圧する。その後ス
テップ669の判別により昇格カウンタが6になる迄の中
期においては、ステップ671の判別結果に基づき、緩減
圧カウンタが0〜2である間ステップ693による減圧
を、又緩減圧カウンタが3〜TSL(3〜7)である間ス
テップ692による保圧を実行させ、2/TSL=2/7のデュー
ティに対応した若干速い速度でブレーキ液圧を減圧す
る。次に、昇格カウンタが6になった後においては、ス
テップ672の判別結果に基づき、緩減圧カウンタが0〜
3である間ステップ693による減圧を、又緩減圧カウン
タが4〜TSL(4〜7)である間ステップ692による保圧
を実行させ、3/TSL=3/7のデューティに対応した一層速
い速度、しかし通常の速度よりは遅い速度でブレーキ液
圧を減圧する。
ステップ662,667でブレーキ液圧PBLがPH未満の低い値
であると判別した場合、つまり通常の緩減圧速度(前記
した通り3/5デューティに対応した速度)で減圧する
と、ブレーキ減圧が0kgf/cm2となって次の増圧サイクル
が0kgf/cm2からの増圧を余儀なくされ、前記の不都合を
生ずる場合の上記緩減圧作用を示すと第12図(c)の如
くになる。即ち、昇格カウンタが0〜2の初期において
は、TSL=70msecの周期中10msecだけ減圧がなされ、昇
格カウンタが3〜5の中期においてはTSL=70msecの周
期中20msecだけ減圧がなされ、昇格カウンタが6以上の
その後はTSL=70msecの周期中30msecだけ減圧がなされ
る。このように減圧速度を通常より遅くすることによ
り、ブレーキ液圧PBLが低くても、当該減圧サイクルで
このブレーキ減圧が0kgf/cm2まで低下されてしまうのを
防止することができる。これにより次の増圧サイクルが
0kgf/cm2からのものとなるようなことはなくなり、これ
が原因で駆動輪の制動音が生じたり、車体の上下振動が
生ずるのを防止することができる。そして、減圧速度を
緩減圧エリアにある間徐々に速くすることで、減圧遅れ
が生ずるのを防止することができる。
なお、ステップ666で無制御フラグが0であると判別
した場合、つまり上記の減圧速度制御が不要である程に
ブレーキ液圧PBLが低い場合は、無条件にステップ693を
実行させ続けることで、ブレーキ液圧を速かに除去する
こととする。
急減圧エリアのため第5図中ステップ681が選択され
ると、先ずここで緩増圧カウンタ、急増圧カウンタ、保
圧カウンタ及び初期増圧カウンタを夫々クリアする。そ
して、制御をそのままステップ693に進め、第12図
(d)の如くデューティ100%により要求通り急減圧を
行わせる。
以上の左駆動輪ブレーキ液圧(制動)制御(ステップ
550〜554及び600〜693)と同様の制御がステップ695,69
6で右駆動輪に対しても実行され、同駆動輪のホイール
スピンも同様に防止される。なおステップ695は第4図
中ステップ601に対応するが、同図中ステップ550〜554
及び600に相当する処理をも含むものとし、又ステップ6
96はステップ602〜693の制御内容に対応するものであ
る。
その後は、ステップ701〜703において油圧ポンプ45の
駆動制御を以下の如くに行う。ステップ701では圧力ス
イッチ47がONか否かを、つまりアキュムレータ43の圧力
Pcが所定値に達しているか否かをチェックする。圧力ス
イッチ47は第10図の如くアキュムレータ内圧PcがP1以下
に低下する時ONし、P2以上に上昇する時OFFするヒステ
リシス特性を持つ。圧力スイッチ47のON時ステップ702
でモータ44のONによりポンプ45を駆動してアキュムレー
タ圧圧Pcを高め、圧力スイッチ47のOFF時ステップ703で
モータ44のOFFによりポンプ45を停止してアキュムレー
タ内圧Pcの上昇を停止する。よって、アキュムレータ43
内には常時所定の圧力Pcが蓄圧され、前記トラクション
コントロール用のブレーキ液圧上昇制御を行うことがで
きる。
次に、第6図のスロットルバルブ開閉用OCI割り込み
フローチャートの説明を行う。このプログラムは第4図
中ステップ505で決定したステップモータ速度が得られ
るような周期で繰返し実行され、先ずステップ800で第
4図中ステップ506の実行結果からステップモータ5を
正転すべきか、逆転すべきか、現在位置に維持すべきか
を判別する。正転すべきならステップ801でステップモ
ータ5の1段回正転を、又逆転すべきならステップ802
でステップモータ5の1段階逆転をセットし、保持すべ
きならステップ801,802をスキップする。そして、ステ
ップ803でモータ駆動信号をステップモータ5へ出力
し、スロットルバルブ4を第4図中ステップ503での演
算結果に対応した開度となす。
以下第14図の動作例に基づき本発明の駆動輪制動制御
によるトラクションコントロールを説明する。この動作
例では左右駆動輪が同期して同程度にホイールスピン
し、両駆動輪を同時に同様に制動制御したこととして説
明を展開する。
瞬時t1迄はスリップ率SL(SR)がS11未満で且つその
変化速度)が0と21との間にあって第9図
から明らかなように緩減圧エリアにある。よって両駆動
輪のブレーキ減圧は前記作用によりゆっくり減圧され、
これら駆動輪の制動力を漸減する。瞬時t1〜t2間はスリ
ップ率がS11及びS12間の値で、その変化速度が0と21
との間であって第9図から明らかなように緩増圧エリア
にある。よって両駆動輪のブレーキ液圧は前記作用によ
りゆっくり増圧され、これら駆動輪の制動力を漸増す
る。瞬時t2〜t3間は、スリップ率がS11,S12間の値でそ
の変化速度が21以上か、スリップ率がS12以上でその
変化速度が正であるため、第9図から明らかなように急
増圧エリアにある。よって両駆動輪のブレーキ液圧は前
記作用により急増圧され、これら駆動輪の制動力を急増
する。瞬時t3〜t4間は、スリップ率がS12以上でその変
化速度が0と22との間の値であって第9図から明らか
なように緩増圧エリアにあり、両駆動輪の制動力を漸増
させる。瞬時t4〜t5間は、スリップ率がS11およびS12
の値であり且つその変化速度が0及び22間であって第
9図から明らかなように保圧エリアにある。よって、両
駆動輪のブレーキ液圧は前記作用により瞬時t4の値に保
圧され、これら駆動輪の制動力を保持しておく。
瞬時t5以後も第9図に基づく同様の領域判定により、
判定結果に応じた両駆動輪のブレーキ液圧制御がなさ
れ、瞬時t5〜t6間は保圧、瞬時t6〜t7間は緩増圧、瞬時
t7〜t8間は保圧、瞬時t8以後は緩減圧が夫々実行され
る。
よって、第9図に対応した駆動輪ブレーキ液圧制御に
よりトラクションコントロールが行われ、駆動輪の駆動
スリップを防止することができる。しかし第9図の制御
態様はスリップ率及びその変化速度に応じブレーキ減圧
の増圧、減圧速度を決定することから、大きな駆動スリ
ップや急な駆動スリップを生ずる状況のもとでは、スリ
ップの発生に見合うよう駆動輪の制動速度を速めてトラ
クションコントロール性能の低下を防止したり、制動に
よる駆動スリップの収まりが速いことに合わせて制動解
除速度も速くし、不要な制動を防止することができる。
又逆に駆動スリップが小さく、しかもゆっくり発生する
ような状況のもとでは、スリップの発生に見合うよう制
動速度を遅くして不要な制動を防止したり、制動による
駆動スリップの収まりが遅いことに合わせて制動解除速
度も遅くてトラクションコントロール性能の低下を防止
することができる。
ところでステップ598,599において、高車速なら駆動
スリップの判定に用いる情報を左右駆動輪で全て同じに
したから(VFL=VFR,SL=SR,)、当該高車速
では左右駆動輪のトラクションコントロール用に行うべ
き制動が同時に同じ力で行われることとなる。従って、
高車速では左右駆動輪のトラクションコントロール用制
動力を同じにすることができ、これらが従来相互に異っ
ていたため生じていた高車速でのトラクションコントロ
ール中における直進安定性の悪化を防止することができ
る。
(発明の効果) かくして本発明トラクションコントロール装置は上述
の如く、中低速ではトラクションコントロール用の駆動
輪の制動を個別に行なうことにより発信時等の駆動スリ
ップを適切に防止することができるとともに、高車速で
はトラクションコントロール用の駆動輪の制動を左右で
同時且つ同様に行わせる構成としたから、当該高車速で
のトラクションコントロール中従来、左右制動力のアン
バランスにより生じていた直進安定性の悪化を防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明トラクションコントロール装置の概念
図、 第2図は本発明装置の一実施例を示すシステム図、 第3図乃至第6図は同例におけるマイクロコンピュータ
の制御プログラムを示すフローチャート、 第7図(a)は同例において駆動スリップの判定に用い
るスリップ率下方設定値の変化特性図、 同図(b)は同例において用いるトラクションコントロ
ール用のスロットル開度制御マップ図、 第8図は同例において用いたアクセルペダル踏込量に対
するスロットルバルブ開度のマップ図、 第9図は同例において用いた駆動輪ブレーキ液圧制御の
領域マップ図、 第10図は第2図におけるポンプのON,OFF線図、 第11図乃至第13図は夫々第2図の装置における電磁弁駆
動デューティの波形図、 第14図は第2図の装置によるトラクションコントロール
の動作タイムチャートである。 1L,1R……従動輪、2L,2R……駆動輪 4……スロットルバルブ 5……ステップモータ、6……アクセルペダル 8……スロットルセンサ、9……アクセルセンサ 10……マイクロコンピュータ 11……A/Dコンバータ、12……F/Vコンバータ 13……モータ駆動回路、14……D/Aコンバータ 20……ブレーキペダル 21……ブレーキマスターシリンダ 22L,22R,23L,23R……ホイールシリンダ 24L,24R……液圧制御弁、40L,40R……電磁弁 43……アキュムレータ、45……ポンプ 47……圧力スイッチ 50L,50R,51L,51R……車輪回転センサ 60L,60R……圧力センサ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】左右駆動輪を駆動スリップ発生時に制動し
    て該駆動スリップを防止するようにした自動ブレーキ手
    段を具える車両のトラクションコントロール装置におい
    て、 車速を検出する車速検出手段と、 該手段により検出された車速が設定車速未満となる低車
    速域では、左右駆動輪がそれぞれ個別に決定された力で
    制動されるよう前記自動ブレーキ手段を機能させるも、
    前記検出された車速が設定車速以上となる高車速域で
    は、自動ブレーキ手段が常時、左右駆動輪のスリップ情
    報間における平均的なスリップ情報値を左右駆動輪の共
    通なスリップ情報として左右駆動輪を同時に同じ力で制
    動するよう、自動ブレーキ手段を機能させる自動ブレー
    キ制御手段とを具備してなることを特徴とする車両のト
    ラクションコントロール装置。
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