JP2629302B2 - 車両のトラクションコントロール装置 - Google Patents

車両のトラクションコントロール装置

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JP2629302B2
JP2629302B2 JP63235073A JP23507388A JP2629302B2 JP 2629302 B2 JP2629302 B2 JP 2629302B2 JP 63235073 A JP63235073 A JP 63235073A JP 23507388 A JP23507388 A JP 23507388A JP 2629302 B2 JP2629302 B2 JP 2629302B2
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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は車輪の駆動スリップ(ホイールスピン)を防
止する車両のトラクションコントロール装置に関するも
のである。
(従来の技術) 車両のトラクションコントロール装置の従来例として
例えば特開昭60−143135号公報に記載の如く、車輪の駆
動スリップ発生時駆動車輪を制動して駆動輪トルクを抑
制することにより駆動スリップを減じ、更に差動制限ト
ルクを増大させて作動制限クラッチをロックするように
したものがある。
(発明が解決しようとする課題) しかし上記従来例においては、スプリットμ(摩擦係
数)が路面走行時や旋回走行時に駆動スリップが発生す
るとスリップ側車輪に制動が開始されてブレーク片効き
状態になり非スリップ側車輪の車輪速が上昇すると共
に、上記差動制限トルクにより前記車輪速が更に上昇し
て差動制限制御効果が過大となり、左右駆動力のアンバ
ランスが生じて車両の走行安定性が損なわれてしまう。
本発明は制動速度を差動制限トルクの制御状態に応じ
可変として上述の問題を解決することを目的とする。
(課題を解決するための手段) この目的のため本発明トラクションコントロール装置
は第1図に概念を示す如く、 エンジンからの動力により車輪を駆動して走行し、前
記車輪の駆動スリップ発生時左右駆動車輪に対し個別に
設けたトラクションコントロール用の制動手段により前
記車輪を制動して車輪の駆動スリップを防止すると共
に、クラッチ制御手段により前記車輪間に設けた差動制
限クラッチの差動制限トルクを制御するようにした車両
において、 前記クラッチ制御手段による差動制御クラッチの制御
状態を検知する制御状態検知手段と、 この制御状態に応じて前記制動手段による制動条件を
差動制限トルクの増加につれて制動速度が減少するよう
に変更する制動条件変更手段と を具備してなることを特徴としたものである。
(作 用) 車両はエンジンからの動力により車輪を駆動して走行
する。ここで車輪が駆動スリップを発生すると、制動手
段は当該駆動車輪を制動し、これにより車輪の駆動スリ
ップを防止することができる。
一方、制御状態検知手段は前記クラッチ制御手段によ
る差動制限クラッチの制御状態を検知し、この検知結果
に応じ制動条件変更手段が前記制動手段による制動条件
を差動制限トルクの増加につれて制動速度が減少するよ
うに変更する。よって、スプリットμ路面走行時や旋回
走行時により駆動スリップが発生した際に差動制限制御
効果が重複して過大になるのを防止することができ、左
右駆動力のバランスを保って車両の走行安定性を向上さ
せることができる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明す
る。
第2図は本発明トラクションコントロール装置の一実
施例を示すシステム図で1L,1Rは夫々左右従動輪(例え
ば左右前輪)、2L,2Rは夫々左右駆動輪(例えば左右後
輪)を示す。車両は車輪2L,2Rを図示せざるエンジンに
より駆動されることにより走行し、エンジンはスロット
バルブ4により出力を加減されるものとする。
スロットバルブ4はステップモータ5により開閉し、
そのステップ数(スロットルバルブ4の開度)をトラク
ションコントロール中以外基本的には運転者が踏込むア
クセルペダル6の踏込量に対応したものにすべく制御回
路7により制御する。この目的のため、スロットルバル
ブ4の開度、つまりモータ5のステップ数を検出するス
ロットルセンサ8からの信号THを制御回路7にフィード
バックし、アクセルペダル6の踏込量Accを検出するア
クセルセンサ9からの信号を制御回路7に入力する。
制御回路7はマイクロコンピュータ10を具えると共
に、その入力側に関連してA/Dコンバータ11及びF/Vコン
バータ12を、又出力側に関連してステップモータ5用の
駆動回路13及びD/Aコンバータ14を夫々設ける。A/Dコン
バータ11はスロットル開度信号TH及びアクセル信号Acc
をアナログ−デジタル変換してマクロコンピュータ10に
入力すると共に、F/Vコンバータ12により周波数−電圧
変換した電圧信号をデジタル信号に変換してマイクロコ
ンピュータ10に入力する。
各車輪1L,1R,2L,2Rは、ブレーキペダル20の踏力に応
じたブレーキマスターシリンダ21からの液圧PMにより作
動されるホイールシリンダ22L,22R,23L,23Rを具え、こ
れらホイールシリンダの作動により対応車輪が個々に制
動されるものとする。しかして、駆動輪2L,2Rのブレー
キ液圧系には夫々トラクションコントロール用の液圧制
御弁24L,24Rを挿置する。これら液圧制御弁は夫々同仕
様、同構造のものとし、スプール25をばね26により図示
の左限位置に弾支し、プランジャ27をばね28により図示
の左限位置に弾支して構成する。
液圧制御弁24L,24Rは夫々、図示の常態でマスターシ
リンダ側の入口ポート29への液圧PMをそのままホイール
シリンダ側の出口ポート30より対応するホイールシリン
ダに出力し、スプール25の右行時プランジャ27によりポ
ート29,30間を遮断すると共にホイールシリンダへの液
圧を上昇させ、スプール25の右行停止時ホイールシリン
ダの上昇液圧を保持するものとする。
スプール25の上記右行及びその停止を室31内の圧力に
より制御し、この圧力を夫々電磁弁40L,40Rにより個別
に制御する。これらの電磁弁も同様のものとし、ソレノ
イド41のOFF時(A)で示すポート間接続位置となって
室31をドレン回路42に通じると共にアキュムレータ43か
ら遮断し、ソレノイド41の小電流によるON時(B)で示
すポート間接続位置となって室31をドレン回路42及びア
キュムレータ43の双方から遮断し、ソレノイド41の大電
流によるON時(C)で示すポート間接続位置となって室
31をドレン回路42から遮断すると共にアキュムレータ43
に通じるものとする。
電磁弁40L,40R(A)位置で室31は無圧状態となって
スプール25を図示位置にし、電磁弁40L,40Rの(C)位
置で室31はアキュムレータ43の一定値Pcを供給されてス
プール25を図中右行させ、電磁弁40L,40Rの(B)位置
で室31は圧力の給排を中止されてスプール25をその時の
右行位置に保持する。
アキュムレータ43にはモータ44で駆動されるポンプ45
からの油圧をチェック弁46を介して蓄圧し、アキュムレ
ータ43の蓄圧値が一定値Pcになる時、これを検出してOF
Fする圧力スイッチ47からの信号を受けて制御回路7が
モータ44(ポンプ45)を停止させるものとする。この目
的のため圧力スイッチ47からの信号はマイクロコンピュ
ータ10に入力し、マイクロコンピュータ10からのモータ
制御信号はD/Aコンバータ14によりアナログ信号に変換
してモータ44に供給する。
電磁弁40L,40Rのソレノイド41もマイクロコンピュー
タ10により駆動制御し、そのための制御信号をD/Aコン
バータ14によりアナログ信号に変換してソレノイド41に
供給する。
各車輪1L,1R,2L,2Rに夫々関連して車輪回転センサ50
L,50R,51L,51Rを設け、これらセンサは対応車輪の車輪
速VFL,VFR,VRL,VRRに対応した周波数のパルス信号を発
し、これらパルス信号をF/Vコンバータ12に供給する。F
/Vコンバータ12は各パルス信号をその周波数(車輪回転
数)に対応した電圧に変換してA/Dコンバータ11に入力
し、A/Dコンバータ11はこれら電圧をデジタル信号に変
換してマイクロコンピュータ10に入力する。
更に本発明においては駆動輪2L,2R間に差動制限クラ
ッチ(湿式多板摩擦クラッチ)55を設け、これら駆動輪
2L,2Rの差動を制限する。クラッチ55は、電磁比例減圧
弁56、チェック弁46を介して油圧ポンプ45に接続され、
油圧ポンプ45から供給された制御油圧により締結されて
差動制限トルクを増大させる。電磁比例減圧弁56はソレ
ノイド56aの非駆動時図示の常態で差動制限クラッチ55
のクラッチ圧Pcrをドレンし、ソレノイド56aへの駆動電
流Ic供給時、油圧ポンプ45で発生されアキュムレータ43
に蓄圧された一定圧Pcを元圧としてクラッチ圧Pcrを励
磁電流Icに応じて増大させることにより、差動制限トル
クをクラッチ圧Pcrに比例して増大させるものとする。
減圧弁56のソレノイド56aもマイクロコンピュータ10
により駆動制御し、そのため制御信号(Ic)をD/Aコン
バータ14によりアナログ信号に変換してソレノイド41に
供給する。なお上記差動制限トルク制御のためのマイク
ロコンピュータ10への入力は前記車輪速VFL,VFR,VRL,V
RRを流用するものとする。
マイクロコンピュータ10は各種入力情報を元に第3図
乃至第7図の制御プログラムを実行して、スロットルバ
ルブ4の通常の開度制御及びトラクションコントロール
用の開度制御を行うと共に、電磁弁ソレノイド41の位置
制御、つまり駆動車輪のトラクションコントロール用制
動制御を行い、更にポンプモータ44(油圧ポンプ45)の
駆動制御を行うと共に、減圧弁ソレノイド56aの制御、
つまり差動制限トルク制御を行う。第3図乃至第6図は
図示せざるオペレーティングシステムによりエンジン始
動後一定周期ΔT(例えばΔT=10msec)毎に定時割込
み処理をされるメインルーチンで、第7図はこのメイン
ルーチン内において決定されたステップモータ5の回転
速度に対応する周期で処理されるステップモータ駆動用
のOCI(Output compare interrupt)割込み処理を示
す。
第3図では先ずステップ101,102において、第1回目
の処理に限りマイクロコンピュータ10は内蔵RAM等のイ
ンシャライズ(初期化)を行う。次のステップ103で
は、車輪速VFR,VFL,VRL,VRRを読込み、これらを基にス
テップ104で左右駆動輪2L,2Rのスリップ率SL,SRをSL
(VRL−VFL)/VFL,SR=(VRR−VFR)/VFRにより求めた
後、ステップ105で左右駆動輪2L,2Rのスリップ率変化速
=SL−SL-1(但し、SL-1は前回の左駆動輪スリッ
プ率)及び=SR−SR-1(但し、SR-1は前回の右駆動
輪スリップ率)を求める。
ステップ106では、左右駆動輪スリップ率SL,SRのうち
小さい方をセレクトロースリップ率Smin、大きい方をセ
レクトハイスリップ率Smaxにセットする。次にステップ
107において上記セレクトロースリップ率及びセレクト
ハイスリップ率のうち小さい方の値SminをK(例えば0.
6−0.9)の比率で重視するスリップ率の重み付け平均値
SavをSav=K×Smin+(1−K)×Smaxにより求めると
共に、その変化速度avav=Sav−Sav-1(但しS
av-1は前回のスリップ率重み付け平均値)を求める。
ステップ151では、上記のスリップ率平均値Savおよび
その変化速度avより、トラクションコントロール上好
適な第8図の如きスロットル開度制御域データを基に、
スロットル開度THをアクセルベダル6の踏込量Accに対
応した値に向け戻すべき(増大すべき)非制御域か、ス
ロットルバルブ4に急閉(スロットル開度THを急減)又
は緩閉(スロットル開度THを緩減)して車輪2L,2Rの駆
動スリップを防止すべき急閉域又は緩閉域かスロットル
開度THを不変に保つべき保持域かを、決定する。この決
定結果をステップ152〜154で判別し、非制御域ではステ
ップ201へ、緩閉域ではステップ301へ、急閉域ではステ
ップ351へ、又保持域ではステップ401へ夫々制御を進め
る。
非制御域ではステップ201〜206において、ステップ20
4でクリアされ、ステップ203または205でインクリメン
ト(歩進)されるマップ上げカウンタMAPUPCが一定のリ
カバー時間TRを示す度に、つまりTH時間毎にステップ20
6でスロットル開度マップMAPを前回マップ(MAP0)−1
として定めた後、制御をステップ401へ進める。マップM
APは第9図の如く第0枚目から第19枚目迄の20種類を設
定し、上記のマップ上げはスロットルバルブ開度をアク
セルペダル踏込量Accに対応した値に増大させる指令で
あることを意味する。
緩閉域のためステップ301へ制御が進んだ場合、先ず
このステップで前回どのスロットル制御域だったかをチ
ェックする。前回非制御域だった場合、以下の処理を1
回だけ行う。つまりステップ302で上記のマップ上げカ
ウンタMAPUPCをクリアし、次のステップ303,304で左又
は右の低圧フラグ及び左又は右の急低圧フラグが共に0
か否かを判別することにより左右駆動輪2L,2Rのブレー
キ液圧状態をチェックする。これらフラグは後述するよ
うに、対応する左右駆動輪2L,2Rのトラクションコント
ロール用ブレーキ液圧の所定時間以上緩減圧状態及び所
定時間以上急減圧状態で0となり、少なくとも一方の駆
動輪が急減圧状態だったらステップ305においてマップ
落ち数MAPDNを1とし、それ以外ではステップ306におい
てMAPDN=2をセットする。ステップ307では前回マップ
MAP0と後述の如くにメモリしておいた所定時間(TM又は
TM′)前のマップ数PMAPとの大きい方(スロットル開度
の小さい方)をセレクトハイマップMAPMAXとしてセット
し、ステップ308でこのセレクトハイマップMAPMAXをス
テップ305又は306において定めた数MAPDNだけマップ落
ちさせたもの(MAPMAX+MAPDN)を今回マップMAPとし、
スロットル開度の緩閉を指令する。なお、ステップ309,
310では上記のMAPが非制御域から最初に緩閉域になった
時に求めた初期マップMAPINI以下の時は、スロットル開
度増大を指令することを意味し、緩閉の意図に反するこ
とからMAP=MAPINIとする。
ステップ301で前回が緩閉域又は急閉域であると判断
した場合、制御をそのままステップ401に進め、前回保
持域であった場合、ステップ311で前回マップMAP0を1
だけマップ落ちさせたものを今回マップMAPとしてスロ
ットル開度減を指令した後に制御をステップ401に進め
る。
急閉域のため制御がステップ351へ進んだ場合、先ず
ここで前回のスロットル開度制御域をチェックする。前
回非制御域であった場合、ステップ352〜360で前記ステ
ップ302〜310と同様の処理を行い、ステップ362でこの
処理により求めたマップに更に2を加えてスロットル開
度の急減を指令した後制御をステップ401へ進める。
ステップ351で前回から急閉域であったと判別する場
合、制御をそのままステップ401へ進め、前回緩閉域又
は保持域であった場合、ステップ361で前記ステップ311
と同様の処理を行った後制御をステップ401へ進める。
保持域のため(非制御域、緩増圧域、急増圧域用の処
理後も同様)ステップ401に制御が進む場合、ステップ4
01〜404でMAP値が第9図に示す設定マップ数0〜19の範
囲外になった時、MAP値を近い方の限界値0又は19にセ
ットする。次のステップ405,406では左右駆動輪2L,2Rの
ブレーキ液圧状態を左右低圧フラグが共に0でないか否
か及び左右急低圧フラグが共に0でないか否かによりチ
ェックする。増圧状態でなければ(減圧状態なら)ステ
ップ407で対応する所定時間TM前のスロットル制御マッ
プをPMAPとしてスロットル緩閉及び急閉制御(ステップ
307,357)に用い、増圧状態ならステップ408でTMでより
長い所定時間TM′前のマップをPMAPとする。又次のステ
ップ409では現在のマップMAPを前回マップMAP0としてメ
モリし、次回に備える。
第3図に示す以上の処理後、制御は第4図のステップ
502に進み、ここでアクセルペダル踏込み量Accを読込
む。次のステップ503では、前記の通りに求めたマップM
APに対応する開度特性マップに基づき、アクセルペダル
踏込量Accに応じたステップモータ5の目標ステップ数S
TEPをマップ検索して決定する。
又ステップ504では、前記ステップ503によって決定さ
れたスロットルバルブ4の開度目標ステップ数STEPと実
際の開度ステップ数THとの偏差Difを、 Dif=STEP−TH により算出する。さらにステップ505,506により上記の
偏差Difに基づいてステップモータ5のスピードの決
定、正転/逆転/保持の決定、更にはOCI割込み周期の
セット、モータ回転方向に関するフラグセット等を行
う。
その後ステップ601〜693において、左駆動輪を以下の
如く適正速度でトラクションコントロール用に制御及び
制動解除する(右駆動輪についても後述するステップ69
5,696で同様に制動及び制動解除を行う)。ステップ601
では第10図に対応するテーブルデータを基に左駆動輪ス
リップ率SL 及びその変化速度から左駆動輪ブレーキ液圧を急
増圧すべきか、緩増圧すべきか、保圧すべきか、緩減圧
すべきか、急減圧すべきかを領域(エリア)判定する。
第10図のテーブルデータはトラクションコントロール上
好適な左駆動輪ブレーキ液圧の制御態様で、スリップ率
SL(S11,S12はエリア境界値)及びその変化速度
21,0,22はエリア境界値)が高い程高速で増圧
し、スリップ率SL及びその変化速度が低い程高速で
減圧すべきこととする。なお第10図は、後述の右駆動輪
ブレーキ液圧制御態様でもあり、従って右駆動輪スリッ
プ率SRおよびその変化速度も併記した。
上記の領域判定結果をステップ602〜605により判別
し、第5図の対応ステップに分岐させる。即ち、急増圧
エリアならステップ611に、緩増圧エリアならステップ6
31に、保圧エリアならステップ655に、緩減圧エリアな
らステップ661に、又急減圧エリアならステップ681に夫
々制御を進める。
急増圧エリアのためステップ611が選択されると、先
ずここで当該急増圧に関与しない緩減圧カウンタ、急減
圧カウンタ、緩増圧カウンタおよび昇格カウンタを夫々
クリアすると共に、無制御フラグを1にセットする。次
のステップ612で前回のエリアをチェックし、前回減圧
エリアだった場合ステップ614を通るループを1回のみ
実行し、前回増圧又は保圧エリアだった場合ステップ61
8を通るループを実行する。前者のループでは、先ずス
テップ614,613で低圧フラグ及び急低圧フラグが0か否
か、つまり所定時間以上急減圧を行ったか否かをチェッ
クする。前回急減圧状態だったのであれば、急増圧より
急速な初期増圧を実行して応答遅れをなくす必要がある
ことからステップ615で初期増圧カウンタをインクリメ
ントする。その後ステップ691で電磁弁40LをC位置にす
る。この電磁弁位置で液圧制御弁24Lはスプール25の第
2図中右行により左駆動輪ブレーキ液圧を上昇させ、左
駆動輪をトラクションコントロール用に制動する。しか
して、低圧フラグ=0又は急低圧フラグ=0でなけれ
ば、上記の初期増圧が不要であるからステップ616で急
増圧カウンタをインクリメントしてステップ691を実行
する。
以後ステップ612はステップ618を選択するようにな
り、ここでは低圧フラグを1にセットする。ステップ61
9,620では上記の初期増圧カウンタが4か0かをチェッ
クするが、ステップ615が実行されていればステップ61
9,620,621の経路を3回繰返しつつステップ691で増圧を
繰返し、次回にステップ619がステップ622,623、又その
後ステップ619がステップ620,623を選択するようにな
る。ステップ623では、急増圧カウンタが後述する所定
値TRLか否かをチェックし、ステップ624でこの急増圧力
カウンタが0又は1か否かをチェックする。ステップ61
6が実行されていなければステップ623,624,627の経路が
2回繰返されてその都度ステップ691の実行により増圧
を行うが、ステップ616が実行されていれば上記の経路
が1回のみ選択されてステップ691の実行により増圧を
行う。その後はステップ624がステップ625を選択するよ
うになり、TRL=5の時急増圧カウンタが5になる迄の
3回だけステップ692の実行により、又TRL=7の時急増
圧カウンタが7になる迄の5回だけステップ692の実行
により電磁弁40LをB位置にする。この電磁弁位置で液
圧制御弁24Lはスプール25を移動停止させて左駆動輪ブ
レーキ液圧をこの時の値に保圧する。以後、急増圧カウ
ンタが1,2の時増圧、3〜5又は3〜7の時保圧とする
デューティ(2/5又は2/7のデューティ)に対応した速度
で左駆動輪ブレーキ液圧を急増圧することができる。
上記の急増圧作用を第12図乃至第14図につき説明す
る。
第12図(a)に示す如く低圧フラグ=1又は急低圧フ
ラグ=1の状態で瞬時T1に減圧エリアから急増圧エリア
に切換わったとすると、瞬時t1迄は低圧フラグ=1に対
応して後述する如く50msecを1周期とし10msecだけ減圧
を行う1/5デューティで緩減圧が行われている。瞬時t1
にステップ614−616−691のループが1回選択され、次
にステップ618−619−620−623−624−627−691のルー
プが1回選択され、その後ステップ618−619−620−623
−624−625−692を含むループがTRL=5の時3回、TRL
=7の時5回選択されることで第12図(a)中点線の如
く2/5又は2/7デューティで急増圧を行うことができる。
第12図(b)に示す如く低圧フラグ=0及び急低圧フ
ラグ=0の状態で瞬時t1に減圧エリアから急増圧エリア
に切換わったとすると、瞬時t1迄は低圧フラグ=0及び
急低圧フラグ=0に対応して後述する如くデュ−ティ10
0%の急減圧を継続している。瞬時t1にステップ614−61
3−615−691のループが1回選択され、次いでステップ6
18−619−620−621−691のループが3回選択され、その
後ステップ618−619−622−623−624−627−691のルー
プが2回選択される結果、瞬時t1から4回分(ΔT×4
=40msec)の間急増圧より速い初期増圧を行って応答遅
れをなくし、その後第12図(b)中点線で示す如く2回
分(ΔT×2=20msec)の増圧を行う。以後は前述した
と同様の2/5又は2/7でデューティによる急増圧を実行す
ることができる。
なお定常的には上述した処から明らかなように第13図
(a)に示す如き2/5又は2/7デューティによる急増圧を
行う。
このように本発明においては急増圧速度を差動制限ト
ルクに応じて変更することができる。
緩増圧エリアのため第5図中ステップ631が選択され
ると、先ずここで関係のない緩減圧カウンタ、急減圧カ
ウンタ及び昇格カウンタを夫々クリアすると共に、無制
御フラグを1にセットする。次のステップ632で前回の
エリアをチェックし、前回減圧エリアだった場合ステッ
プ634を含むループを1回のみ実行し、前回増圧又は保
圧エリアだった場合ステップ638を含むループを実行す
る。前者のループではステップ634,633,635,636でステ
ップ614,613,615,616におけると同様の処理を行うが、
ステップ636ではステップ616における急増圧カウンタに
代え緩増圧カウンタをインクリメントするものとする。
又、ステップ638,639,640,641,642でもステップ618,61
9,620,621,622と同様の処理を行う。但し、ステップ638
では急低圧フラグを1にセットする処理を追加する。
ステップ643,648では急増圧から緩増圧への切換時、
当該切換えに待ち時間を設定するため前記の急増圧カウ
ンタが後述する所定値TRLか、0か、これら以外かをチ
ェックする。急増圧カウンタが0,TRL以外の時、つまり
急増圧の途中であれば、ステップ649で急増圧カウンタ
をインクリメントしつつ、ステップ692で保圧し、急増
圧カウンタがTRLになった時はステップ644でこのカウン
タをリセットした後、又急増圧カウンタが0である時は
そのままステップ645,646,647,650,651による緩増圧制
御を行う。この緩増圧制御はステップ623,624,625,626,
627による急増圧制御と同じものであるが、ステップ624
に対応するステップ646で緩増圧カウンタが0の時のみ
増圧を実行させるため、急増圧時より小さなデューティ
(1/5デューティ又は1/7デューティ)で緩増圧すること
ができる。
上記緩増圧の作用を第12図乃至第14図につき説明す
る。
第12図(a),(b)の瞬時t1以後、減圧から増圧へ
の切換えは急増圧時と同様に行われるが、上記の通りデ
ューティが小さいために、これら図中実線で示す如く増
圧時間が10msecに短縮され、緩増圧を可能にする。
なお定常的には上述した処から明らかなように第13図
(b)に示す如き1/5又は1/7デューティによる緩増圧を
行う。
このように本発明においては緩増圧速度を差動制限ト
ルクに応じて変更することができる。
又第14図(a)に示す如く瞬時t1に緩増圧エリアから
急増圧エリアに切換わった場合は、直ちに急増圧が開始
されるも、同図(b)に示す如く瞬時t1に急増圧エリア
から緩増圧エリアに切換わった場合は、ステップ643,64
4,648,649,692を含むループによる待ち時間Δtだけ緩
増圧の開始を遅らせて不要な制動を防止することができ
る。
保圧エリアのため第5図中ステップ655が選択される
と、先ずここで初期増圧カウンタ、急増圧カウンタ及び
緩増圧カウンタを夫々クリアした後、ステップ692で電
磁弁40LをB位置に保つ。これにより左駆動ブレーキ液
圧を要求通りこの時の値に保圧することができる。
緩減圧エリアのため第5図中ステップ661が選択され
ると、先ずここで緩増圧カウンタ、急増圧カウンタ及び
初期増圧カウンタを夫々クリアする。次のステップ662
では急低圧フラグが0か否かにより所定時間以上急減圧
だったか否かをチェックする。そうであればステップ66
4で後述の目的のため昇格カウンタに6を加えた後、又
所定時間以上急減圧でなかったらそのまま制御をステッ
プ663に進める。ステップ663以後では上記昇格カウンタ
のもと以下の如くにして減圧速度を漸増し、駆動スリッ
プが解消されつつある過程で減圧が遅れ、不要な駆動輪
の制動や、制動の片効きが生ずることのないようにす
る。
つまりステップ663で緩減圧カウンタが5になる度に
ステップ669でインクリメントされる昇格カウンタが3
以下の間は、ステップ665−666−670−693のループを1
回実行して電磁弁40LをA位置とし(この電磁弁位置で
液圧制御弁24はスプール25の第2図中左行により左駆動
輪ブレーキ液圧を減圧する)、ステップ665−666−667
−692のループを4回実行して電磁弁40LをB位置とする
(左駆動輪ブレーキ液圧を保圧する)サイクルを4回繰
返す。従って、第13図(c)に示す如く昇格カウンタが
0〜3の初期において1/5デューティに対応した速度で
減圧がなされる。
その後昇格カウンタが4〜6の間はステップ668−669
−670−693のループを1回実行し、ステップ665−671−
673−670−693のループを1回実行し、ステップ665−67
1−673−667−692のループを3回実行するサイクルを3
回繰返す。従って、第13図(c)の如く昇格カウンタが
4〜6の間2/5デューティに対応した速度で減圧がなさ
れる。
その後昇格カウンタが7〜9の間はステップ668−669
−670−693のループを1回実行し、ステップ665−671−
672−675−676−670−693のループを2回実行し、ステ
ップ665−671−672−675−676−667−692のループを2
回実行するサイクルを2回繰返す。従って、この間第13
図(c)の如く3/5デューティに対応した速度で減圧が
なされる。
更に昇格カウンタが9を超えた時、ステップ665−671
−672−675−677−693のループが繰返し実行され、13図
(c)の如くデューティ100%により減圧を連続的に行
う。そして、ステップ672では緩減圧が所定時間以上
(昇格カウンタ≧7)続いたことを示すように低圧フラ
グ=0とし、ステップ677で無制御フラグをリセットす
る。
ところで当該緩増圧エリアへの移行前所定時間以上急
減圧だったことで、ステップ664が実行される場合、昇
格カウンタ6に対応する減圧から開始されることとな
り、減圧遅れを防止することができる。
急減圧エリアのため第5図中ステップ681が選択され
ると、先ずここで緩増圧カウンタ、急増圧カウンタ及び
初期増圧カウンタを夫々クリアする。そして、制御が必
ずステップ693に至るため、第13図(d)の如くデュー
ティ100%により要求通り急減圧がなされる。この間ス
テップ682で低圧フラグ=0か否かを、つまり所定時間
以上緩減圧だったか否かをチェックし、そうでなければ
ステップ684でインクリメントされる急減圧カウンタが1
5以上を示しているか否かをステップ683でチェックす
る。このステップ683は急減圧カウンタにより急減圧が
所定時間以上継続したか否かをチェックするもので、所
定時間以上急減圧だったらステップ685でこのことを示
すように急低圧フラグを0にする。ステップ682で低圧
フラグ=0と判別する場合も、ステップ686により急減
圧カウンタ15を加えた後にステップ685を実行する。そ
して、ステップ687では急減圧カウンタが30以上を示す
ような長期急減圧か、否かをチェックし、そうであれば
ステップ684での急減圧カウンタのインクリメントを止
め、ステップ689で無制御フラグをリセットする。
第6図中次のステップ701では車輪速VRL,VRRより駆動
輪左右車輪速差ΔVRをΔVR=VRR−VRLにより演算し、更
にΔVRの1サイクル前の値ΔVR-1との偏差ΔをΔ
=|ΔVR−|ΔVR-1|により演算し、ステップ702でこ
のΔVRに基づき差動制限トルクTd(その一例を第17図に
示す)を決定する。ステップ703では上記差動制限トル
クT4が所定値Td0以上か否かの判定を行い、Td≧Td0の場
合本発明による差動制限トルク制御を必要とすることか
ら、ステップ706で偏差Δに基づき所定値TSL,TRL
TSL,TRL=f(Δ)により5より大きい値、例えば
7に決定する。
一方、ステップ703でTd<Td0の場合、通常の差動制限
トルク制御を行うようステップ707で所定値TSL,TRLを5
に決定する。これらステップ706,707で求まるTSL,TRL
前述したトラクションコントロール用制動制御(ステッ
プ623,643,645)に用いる。
次のステップ710では差動制限トルク指令値TをT=K
T・Tdにより演算し、次のステップ11で指令値Tが得ら
れるような駆動電流Icを電磁比例減圧弁のソレノイド56
aに出力して所望の差動制限トルクで差動制限クラッチ5
5を作動させる。なお左右車輪速差ΔVRが正負の値を取
ることから、指令値T、従って駆動電流Icも正負の値と
なり、夫々対応する車輪側に差動制限を強めるものとな
る。
上記本発明による差動制限トルク制御の作用を第18図
につき説明する。
従来例では、差動装置により左右車輪に均等にトルク
が分配されているとき、左右車輪が異なる路面μの路面
に乗ると、低μ路側のタイヤがスリップし、このスリッ
プが激化するにつれて、空転した低μ路側のタイヤのト
ルクが差動制限装置を介して高μ路側(非スリップ側)
のタイヤに伝達される。その後、スリップを抑制するた
め、トラクションコントロールが作動して、タイヤに作
動するブレーキ力が図示点線の如く上昇すると、このブ
レーキ力に比例するトルクが左右輪に均等に伝達され、
このトルクは、低μ路側タイヤでは熱となって放散する
が、これと同一のトルクが差動制限装置を介して高μ路
側のタイヤに新たに伝達される結果、左右駆動力差(ス
リップにより発生したトルクおよびブレーキ力によるト
ルクの合算値のトルク)が高μ側タイヤ駆動力として作
用して路面に伝達され、旋回モーメントが発生する。
一方、本発明では、上記状況が発生する前に、ブレー
キ力の上昇を図示実線の如く低減させることにより上記
ブレーキ力によるトルクを無くしているため、上記高μ
側タイヤの駆動力は上記スリップにより発生したトルク
のみとなり、上記旋回モーメントを小さくすることがで
き、左右駆動力のバランスを保って車両の走行安定性を
向上させることができる。
以上の左駆動輪ブレーキ液圧(制動)制御と同様の制
御がステップ695,696で右駆動輪に対しても実行され、
同駆動輪のホイールスピンも同様に防止される。なおス
テップ695は第4図中ステップ601に対応し、ステップ69
6はステップ602〜693の制御内容に対応するものであ
り、ステップ623,643のTRLはTRRに、ステップ645のTSL
はTSRに、ステップ706,707のTSL,TRLはTSR,TRRに読替え
るものとする。
その後は、ステップ751〜753において油圧ポンプ45の
駆動制御を以下の如くに行う。ステップ751では圧力ス
イッチ47がONか否かを、つまりアキュムレータ43の圧力
Pcが所定値に達しているか否かをチェックする。圧力ス
イッチ47は第11図の如くアキュムレータ内圧PcがP1以下
に低下する時ONし、P2以上に上昇する時OFFするヒステ
リシス特性を持つ。圧力スイッチ47のON時ステップ752
でモータ44のONによりポンプ45を駆動してアキュムレー
タ内圧Pcを高め、圧力スイッチ47のOFF時ステップ753で
モータ44のOFFによりポンプ45を停止してアキュムレー
タ内圧Pcの上昇を停止する。よって、アキュムレータ43
内には常時所定の圧力Pcが蓄圧され、前記トラクション
コントロール用のブレーキ液圧上昇制御を行うことがで
きる。
次に、第7図のスロットルバルブ開閉用OCI割り込み
フローチャートの説明を行う。このプログラムは第4図
中ステップ505で決定したステップモータ速度が得られ
るような周期で繰返し実行され、先ずステップ800で第
4図中ステップ506の実行結果からステップモータ5を
正転すべきか、逆転すべきか、現在位置に維持すべきか
を判別する。正転すべきならステップ801でステップモ
ータ5の1段回正転を、又逆転すべきならステップ802
でステップモータ5の1段回逆転をセットし、保持すべ
きならステップ801,802をスキップする。そして、ステ
ップ803でモータ駆動信号をステップモータ5へ出力
し、スロットルバルブ4を第4図中ステップ503での演
算結果に対応した開度となす。
以下、第15図の動作例に基づきスロットル開度(エン
ジン出力低下)制御によるトラクションコントロールの
作用を説明する。なお第15図では、当初MAP=0の非制
御域で、その後緩閉域となって図示の初期アップMAPINI
によるスロットル開度制御がなされ、その後非制御域の
ため第3図中ステップ201〜206により−1づつのマップ
上げがなされ、瞬時t1に再び緩閉域となったものとす
る。左右一方でも低圧フラグ又は急低圧フラグが0、即
ちトラクションコントロール用ブレーキ液圧の所定時間
以上減圧状態の場合、第15図(a)に示す如く瞬時t1
所定時間TM(第3図中ステップ407参照)前のマップ値P
MAPに基づき第3図中ステップ305,307,308の処理が1回
行われ、瞬時t1以後MAP=MAPMAX+1にされる。しかし
てMAPMAX+1≦MAPINIのためステップ310において第15
図中点線の如くMAP=MAPINIにされ、これに基づくトラ
クションコントロール用のスロットル緩閉制御がなされ
る。
ところで、左右共に低圧フラグ及び急低圧フラグが
1、即ちトラクションコントロール用ブレーキ液圧の所
定時間以上増圧状態の場合、第15図(b)に示す如く瞬
時t1に所定時間TM′(第3中ステップ408参照、但し
TM′>TM)前のマップ値PMAPに基づき第3図中ステップ
306,307,308の処理が1回行われ、瞬時t1以後MAP=MAPM
AX+2にされ、これに基づくトラクションコントロール
用のスロットル緩閉制御がなされる。
かかるトラクションコントロール用のスロットル閉制
御は、ステップ154が急閉域と判別して制御をステップ3
51へ進める場合も同様になされる。但し、この急閉域で
はステップ362の実行により、要求通りの急閉を可能に
する。
ところで、上記の所定時間をトラクションコントロー
ル用の駆動輪ブレーキ液圧制御状態(低圧フラグ及び急
低圧フラグ)に応じTM,TM′の如く変更することから、
当該所定時間はトラクションコントロール用制動状態の
違いによっても不適切になることはなく、常時適切に保
たれる。
次に第16図の動作例に基づき本発明の駆動輪制動制御
によるトラクションコントロールを説明する。この動作
例では左右駆動輪が同期して同程度にホイールスピン
し、両駆動輪を同時に同様に制動制御したこととして説
明を展開する。
瞬時t1迄はスリップ率SL(SR)がS11未満で且つその
変化速度)が0と21との間にあって第10図
から明らかなように緩減圧エリアにある。よって両駆動
輪のブレーキ液圧は前記作用によりゆっくり減圧され、
これら駆動輪の制動力を漸減する。瞬時t1〜t2間はスリ
ップ率がS11及びS12間の値で、その変化速度が0とS21
との間であって第10図から明らかなように緩増圧エリア
にある。よって両駆動輪のブレーキ液圧は前記作用によ
りゆっくり増圧され、これら駆動輪の制動力を漸増す
る。瞬時t2〜t3間は、スリップ率がS11,S12以上の値で
その変化速度が21以上か、スリップ率がS12以上でそ
の変化速度が正であるため、第10図から明らかなように
急増圧エリアにある。よって両駆動輪のブレーキ液圧は
前記作用により急増圧され、これらの駆動輪の制動力を
急増する。瞬時t3〜t4間は、スリップ率がS12以上でそ
の変化速度が0と22との間の値であって第10図から明
らかなように緩増圧エリアにあり、両駆動輪の制動力を
漸増させる。瞬時t4〜t5間は、スリップ率がS11およびS
12間の値であり且つその変化速度が0及び22間であっ
て第10図から明らかなように保圧エリアにある。よっ
て、両駆動輪のブレーキ液圧は前記作用により瞬時t4
値に保圧され、これら駆動輪の制動力を保持しておく。
瞬時t5以後も第10図に基づく同様の領域判定により、
判定結果に応じた両駆動輪のブレーキ液圧制御がなさ
れ、瞬時t5〜t6間は保圧、瞬時t6〜t7間は緩増圧、瞬時
t7〜t8間は保圧、瞬時t8以後は緩減圧が夫々実行され
る。
よって、第10図に対応した駆動輪ブレーキ液圧制御に
よりトラクションコントロールが行われ、駆動輪の駆動
スリップを防止することができる。しかも第10図の制御
態様はスリップ率及びその変化速度に応じブレーキ液圧
の増圧、減圧速度を決定することから、大きな駆動スリ
ップや急な駆動スリップを生ずる状況のもとでは、スリ
ップの発生に見合うよう駆動輪の制動速度を速めてトラ
クションコントロール性能の低下を防止したり、制動に
よる駆動スリップの収まりが速いことに合わせて制動解
除速度も速くし、不要な制動を防止することができる。
又逆に駆動スリップが小さく、しかもゆっくり発生する
ような状況のもとでは、スリップの発生に見合うように
制動速度を遅くして不要な制動を防止したり、制動によ
る駆動スリップの収まりが遅いことに合わせて制動解除
速度も遅くしてトラクションコントロール性能の低下を
防止することができる。
(発明の効果) かくして本発明トラクションコントロール装置は上述
の如く、制動速度を、差動制限トルクの増加につれて減
少するように制御するから、スプリットμ路面走行時や
旋回走行時に駆動スリップが発生した際に差動制限制御
効果が重複して過大になるのを防止することができ、左
右駆動力のバランスを保って車両の走行安定性を向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明トラクションコントロール装置の概念
図、 第2図は本発明装置の一実施例を示すシステム図、 第3図乃至第7図は同例におけるマイクロコンピュータ
の制御プログラムを示すフローチャート、 第8図は同例において用いるトラクションコントロール
用のスロットル開度制御マップ図、 第9図は同例において用いたアクセルペダル踏込量に対
するスロットルバルブ開度のマップ図、 第10図は同例において用いた駆動輪ブレーキ液圧制御の
領域マップ図、 第11図は第2図におけるポンプのON,OFF線図、 第12図乃至第14図は夫々第2図の装置における電磁弁駆
動デューティの波形図、 第15図及び第16図は本発明装置によるトラクションコン
トロールの動作タイムチャート、 第17図は同例における差動制限トルクと駆動輪左右車輪
速差との関係を例示する線図、 第18図は同例における差動制限トルク制御特性を示す特
性図である。 1L,1R……従動輪、2L,2R……駆動輪 4……スロットルバルブ 5……ステップモータ、6……アクセルペダル 8……スロットルセンサ、9……アクセルセンサ 10……マイクロコンピュータ 11……A/Dコンバータ、12……F/Vコンバータ 13……モータ駆動回路、14……D/Aコンバータ 20……ブレーキペダル 21……ブレーキマスターシリンダ 22L,22R,23L,23R……ホイールシリンダ 24L,24R……液圧制御弁、40L,40R……電磁弁 43……アキュムレータ、45……ポンプ 47……圧力スイッチ 50L,50R,51L,51R……車輪回転センサ 55……差動制限クラッチ 56……電磁比例減圧弁

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンからの動力により車輪を駆動して
    走行し、前記車輪の駆動スリップ発生時左右駆動車輪に
    対し個別に設けたトラクションコントロール用の制御手
    段により前記車輪を制動して車輪の駆動スリップを防止
    すると共に、クラッチ制御手段により前記車輪間に設け
    た差動制限クラッチの差動制限トルクを制御するように
    した車両において、 前記クラッチ制御手段による差動制御クラッチの制御状
    態を検知する制御状態検知手段と、 この制御状態に応じて前記制動手段による制動条件を差
    動制限トルクの増加につれて制動速度が減少するように
    変更する制動条件変更手段と を具備してなることを特徴とする車両のトラクションコ
    ントロール装置。
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