JP2694464B2 - ラテックス組成物及び接着剤組成物 - Google Patents

ラテックス組成物及び接着剤組成物

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JP2694464B2 JP1027041A JP2704189A JP2694464B2 JP 2694464 B2 JP2694464 B2 JP 2694464B2 JP 1027041 A JP1027041 A JP 1027041A JP 2704189 A JP2704189 A JP 2704189A JP 2694464 B2 JP2694464 B2 JP 2694464B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はラテックス組成物及び接着剤組成物に関す
る。更に詳しくは、ゴムと繊維との接着剤組成物用に好
適なラテックス組成物、これとレゾルシノール−ホルム
アルデヒド樹脂とを主成分とする接着剤組成物に関す
る。
〔従来の技術〕
従来からポリアミド、ポリエステル、アラミド等の繊
維とゴムとを接着するに際して、これらの繊維をレゾル
シノール−ホルムアルデヒド樹脂と重合体ラテックスと
を主成分とする接着剤組成物に浸漬処理して使用してい
る。このとき、重合体ラテックスとしては、ビニルピリ
ジン−スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス又はこ
れとスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスもしくは
天然ゴムラテックスとの混合ラテックスが一般に使用さ
れている。
しかして、ゴムと繊維との接着力を高めるためには、
接着剤組成物中のビニルピリジン−スチレン−ブタジエ
ン共重合体ラテックスの使用比率を高めるか、あるいは
繊維への接着剤組成物付着量を増加させる必要がある
が、この場合、得られる繊維が硬くなってしまうほか、
このラテックスが高価であるため経済的に不利であると
いう問題があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、ビニルピリジン系共重合体ラテック
スの使用量や接着剤組成物付着量を増加させることなく
ゴムと繊維との接着力を改善することにある。
本発明者等は、この目的を達成すべく重合体ラテック
スの組成について鋭意研究を重ねた結果、特定のビニル
ピリジン系共重合体ラテックスと共役ジエン系共重合体
ラテックスとを含有するラテックス組成物を用いれば、
驚くべきことに少量のビニルピリジン使用量で接着力が
大幅に向上することを見出し、この知見に基いて本発明
を完成するに至った。
〔課題を解決するための手段〕
かくして、本発明によれば、共役ジエン単位45〜85重
量%、エチレン系不飽和酸単量体単位0.1〜25重量%、
ビニルピリジン単位10〜45重量%及びこれらと共重合可
能な他の単量体単位0〜30重量%より成るビニルピリジ
ン系共重合体(A)のラテックス(AL)と、共役ジエン
単位50〜80重量%(但し、80重量%を除く)及びこれと
共重合可能な他の単量体単位20〜50重量%(但し、20重
量%を除く)より成る共役ジエン系共重合体(B)のラ
テックス(BL)とを含有するラテックス組成物であっ
て、ラテックス組成物中に含有される全共重合体中に占
めるエチレン系不飽和酸単量体単位及びビニルピリジン
単位の割合が、それぞれ、0.005重量%以上、0.5重量%
以上であることを特徴とするラテックス組成物、これと
レゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂とを主成分とす
る接着剤組成物が提供される。
本発明に用いられるビニルピリジン系共重合体(A)
は、共役ジエン単位45〜85重量%、エチレン系不飽和酸
単量体単位0.1〜25重量%、ビニルピリジン単位10〜45
重量%及びこれらと共重合可能な他の単量体単位0〜30
重量%より成る共重合体である。共重合体組成が上記範
囲を外れるとこの共重合体を用いて得られる接着剤組成
物の接着力が低下する。ビニルピリジン単位の量は処理
繊維の硬さや経済的な観点から15〜40重量%の範囲であ
ることが好ましく、また、エチレン系不飽和酸単量体単
位の量は重合時の安定性やラテックスの増粘の問題から
好ましくは0.2〜12重量%、より好ましくは0.5〜8重量
%の範囲である。共役ジエン単位の量は、好ましくは60
〜75重量%である。
ビニルピリジン系共重合体(A)の製造に使用される
単量体について説明する。
本発明において使用する共役ジエンは特に限定されな
いが、通常、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメ
チル−1,3−ブタジエン、例えばクロロプレンのような
ハロゲン置換ブタジエンなどの脂肪族共役ジエンの一種
又は二種以上が使用される。
エチレン系不飽和酸単量体としては、アクリル酸、メ
タクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、イタコン酸、フマ
ル酸、マレイン酸、ブテントリカルボン酸などの不飽和
カルボン酸;イタコン酸モノエチル、フマル酸モノブチ
ル、マレイン酸モノブチルなどの不飽和ジカルボン酸の
モノエステル;アクリル酸スルホエチルナトリウム塩、
メタクリル酸スルホプロピルナトリウム塩、アクリルア
ミドプロパンスルホン酸などの不飽和スルホン酸又はそ
の塩などの一種又は二種以上が使用される。
ビニルピリジンとしては2−ビニルピリジンが望まし
いが、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−
メチル−5−ビニルピリジン、5−エチル−2−ビニル
ピリジンなどの一種又は二種以上で代替することができ
る。
さらに所望により上記各単量体と共重合可能な他の単
量体を共重合させることができる。このような単量体と
しては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、2−メ
チルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレ
ン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチ
レン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−
メチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレ
ン、モノフルオロスチレン、ヒドロキシメチルスチレン
などの芳香族ビニル化合物及びエチレン、プロピレン、
アクリロニトリル、塩化ビニルなどの脂肪族ビニル化合
物などが例示され、これらの一種又は二種以上を共重合
することができる。
本発明に用いられるラテックス(AL)は、上記ビニル
ピリジン系共重合体(A)のラテックスであればよい
が、接着力の観点からは、ラテックスの粒子表面のカル
ボキシル基の量が共重合体1g当り、少なくとも0.01ミリ
当量存在することが好ましい。前記カルボキシル基の量
は、より好ましくは0.02ミリ当量以上、更に好ましくは
0.05ミリ当量以上であるが、過度に多くなると接着力が
飽和する一方、ラテックスが増粘して使いにくくなるた
め、通常、2.5ミリ当量以下が選ばれる。
本発明に用いられるラテックス(AL)は、転相法によ
って製造されたものでもよいが、通常は、乳化重合によ
って製造される。さらに、前述のようにラテックス粒子
表面にカルボキシル基を存在させるためには、以下に記
述する二段乳化重合方法が特に適している。
二段階乳化重合を行なうには、先ず、第一段階の重合
において、少なくともエチレン系不飽和酸単量体の80重
量%以上、好ましくは90重量%以上、更に好ましく全量
と共役ジエンの一部とを含み、かつ、使用する全単量体
の2.5〜60重量%、望ましくは5〜50重量%に当る単量
体を乳化重合する。
第一段階で使用するエチレン系不飽和酸単量体の量が
その全使用量の80重量%未満のときは、重合中の凝固物
の発生を抑制するのが困難となり好ましくない。
ビニルピリジンは第一段階の重合では重合中の凝固物
の発生を抑制するうえで使用しないことが望ましいが、
その全使用量の50重量%以下であれば使用しても構わな
い。
第一段階の重合で使用する単量体の量は、好ましくは
全単量体使用量の5〜50重量%である。この量が2.5重
量%未満では重合反応時間が長くなり過ぎ、60重量%を
超えると接着力が低下する。また、第一段階の重合では
使用した単量体の60%以上が重合体に転化していること
が望ましく、更に望ましくは80%以上である。この転化
率が60%未満では60%以上のものに比べて接着力が劣
る。
第一段階の重合に引き続いて、残りの単量体を添加し
第二段階の重合を行なう。第一段階及び第二段階とも乳
化重合の様式自体には特に制限はなく、回分式乳化重
合、半回分式乳化重合、連続式乳化重合のいずれでもよ
く、重合温度も制限されない。又、重合に使用する乳化
剤、重合開始剤、分子量調整剤等も通常の乳化重合に使
用されるものでよく特に限定されない。
本発明に用いられる共役ジエン系共重合体(B)は、
共役ジエン単位50重量%以上〜80重量%未満及びこれと
共重合可能な他の単量体単位20重量%を超え50重量%以
下より成る共重合体である。共重合体組成が上記範囲を
外れると得られる接着剤組成物の接着力が低下する。よ
り好ましい共重合体組成は、共役ジエン単位60重量%以
上〜80重量%未満、これと共重合可能な他の単量体単位
20重量%を超え40重量%以下である。
共役ジエン系共重合体(B)の製造に使用される共役
ジエンは、ビニルピリジン系共重合体(A)に用いられ
るものと同様のものである。また、これと共重合可能な
単量体としては、芳香族ビニル化合物のほか、エチレン
系不飽和酸単量体、ビニルピリジン等を例示することが
でき、これらの単量体の具体例としては、ビニルピリジ
ン系共重合体(A)に用いられるものと同様のものが示
され、これらの一種又は二種以上が使用される。
本発明に用いるラテックス(BL)は、上記共役ジエン
系共重合体(B)のラテックスであればその製造法に限
定はなく転相法によって製造されたものでも乳化重合に
よって製造されたものでもよい。
本発明のラテックス組成物は、ラテックス(AL)とラ
テックス(BL)とを任意の方法で混合することによって
得ることができる。
ラテックス(AL)とラテックス(BL)との混合比は、
ラテックス組成物中に含有される全共重合体において、
エチレン系不飽和酸単量体単位の割合が全共重合体の0.
005重量%以上、好ましくは0.02重量%以上で、かつ、
ビニルピリジン単位の割合が全共重合体の0.5重量%以
上、好ましくは2重量%以上となるように選定される。
これらの単量体単位の量が前記範囲の下限より低いとき
は接着力が低下する。エチレン系不飽和酸単量体単位の
含有量の上限は特に限定されないが、5重量%以上では
効果が飽和するのでこれ以上使用することは経済的に不
利である。又、ビニルピリジン単位の含有量の上限にも
特に制限はないが、9重量%以上ではやはり効果が飽和
するので、これ以上使用することは経済的に不利であ
る。
また、本発明においては、発明の趣旨を損なわない範
囲において、ラテックス組成物の一部をラテックス(A
L)以外のビニルピリジン系共重合体ラテックス、ラテ
ックス(BL)以外の共役ジエン系共重合体ラテックス、
天然ゴムラテックス、アクリル酸エステル系共重合体ラ
テックスその他のラテックスで代替することができる。
本発明のラテックス(AL)とラテックス(BL)とを含
有するラテックス組成物とレゾルシノール−ホルムアル
デヒド樹脂とを混合することによって、本発明の接着剤
組成物が得られる。
本発明で使用するレゾルシノール−ホルムアルデヒド
樹脂は、従来公知のもの(例えば特開昭55−142635号開
示のものなど)が使用でき、特に制限されない。また、
接着力を高めるために従来から使用されている2,6−ビ
ス(2,4−ジヒドロキシフェニルメチル)−4−クロロ
フェノール又は類似の化合物、イソシアネート、ブロッ
クトイソシアネート、エチレン尿素、ポリエポキシドあ
るいは変性ポリ塩化ビニル等と併用することもできる。
本発明の接着剤組成物においてレゾルシノール−ホルム
アルデヒド樹脂の使用量(乾燥重量換算)は、通常、ラ
テックス組成物の固形分に対して10〜180重量%であ
る。
本発明のラテックス組成物とレゾルシノール−ホルム
アルデヒド樹脂とを主成分とする接着剤組成物は、繊維
の処理に好適に使用することができる。
本発明において使用される繊維には特に制限はなく、
レーヨン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ア
ラミド繊維等を例示することができる。これらの繊維の
形態も特に限定されず、糸、コード、連続フィラメン
ト、布等を具体例として示すことができるが、これ以外
の形態のものであってもよい。
本発明の接着剤組成物による繊維の処理方法について
は特に制限はなく、公知のレゾルシノール−ホルムアル
デヒド樹脂−重合体ラテックス系接着剤を用いる場合と
同様の方法を採用することができるが、その方法の一例
を示せば以下のとおりである。繊維を接着剤組成物で浸
漬処理し、必要ならば乾燥したのち、加熱処理する。加
熱の条件は特に限定されるものではなく、浸漬により付
着した接着剤組成物を反応定着させるのに十分な時間と
温度であり、通常、約140〜約250℃で数分間行なわれ
る。なお、繊維の浸漬処理に先立って、予め、繊維をイ
ソシアネート溶液、エポキシ溶液又はこれらの混合液等
に浸漬し、乾燥処理しておくことも可能である。
本発明において、接着剤組成物固形分の付着量は特に
制限されないが、通常、繊維に対して2〜20重量%、好
ましくは3〜10重量%である。
このようにして得られた本発明の接着剤組成物で繊維
とゴムとを加硫接着することにより、ゴムと繊維との複
合体が得られる。
本発明において繊維との接着に使用されるゴムには、
特に制限はなく、例えば天然ゴム、ポリイソプレンゴ
ム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポ
リブタジエンゴム及びこれらの混合ゴムを例示すること
ができる。
ゴムと繊維との加硫接着の方法は特に限定されず、従
来、ゴムと繊維との加硫接着に採用されているのと同様
の方法が採用できる。具体的には、ゴムに加硫剤、充填
剤等の配合剤を添加して調製されたゴム配合物に繊維を
埋め込んだのち、加硫することにより達成される。加硫
の条件は特に限定されないが、通常、0.5〜10MPaの加圧
下、120〜180℃で1〜120分間である。
〔発明の効果〕
かくして本発明のラテックス組成物を使用して得られ
た繊維とゴムとの複合体は、従来のビニルピリジン系共
重合体ラテックスを用いた場合に比べて大幅に改良され
た接着力を示すので、従来のラテックスよりもその使用
量を減少させることができ、あるいは特に高い接着力の
要求される用途に好適に用いることができる。
〔実施例〕
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明す
る。なお、実施例、比較例及び参考例中の部及び%は、
特に断りのない限り重量基準である。
実施例1 (ラテックス(AL)の製造) 撹拌機付きオートクレーブに、第1表AL−1欄に示す
単量体混合物Iを同表に記載の重量比率で合計100部、
水150部、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩0.1
部、ラウリル硫酸ナトリウム5部、重炭酸ナトリウム0.
5部、t−ドデシルメルカプタン0.5部及び過硫酸カリウ
ム0.3部を仕込み、攪拌混合しながら60℃で15時間反応
を行なった。重合転化率は95%に達した。これを種ラテ
ックスとする。固形分40部に相当する量の種ラテックス
を別の撹拌機付きオートクレーブに仕込み、更に第1表
に示す単量体混合物IIを同表に記載の重量比率で合計60
部、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩0.1部、ラ
ウリル硫酸ナトリウム2部、t−ドデシルメルカプタン
0.5部、過硫酸カリウム0.3部及び水90部を仕込み、攪拌
混合しながら60℃で反応させた。重合転化率95%に達し
たときにハイドロキノン0.05部を添加して反応を停止
し、減圧にして未反応単量体を除去し、ラテックスAL−
1を得た。
なお、ラテックス粒子表面のカルボキシル基の定量
は、Kawaguchiの方法(ジャーナル・オブ・アプライド
・ポリマー・サイエンス(J.Appl.Poly.Sci.)、26巻、
2015〜2022頁、1981年発行に記載)を参考にして次のよ
うに行なった。
ラテックスをセルロース製チューブに入れ、流水中に
1週間浸漬してラテックスセラム中の溶解物質を透析除
去したのちビーカーに移して、これにポリオキシエチレ
ンラウリルエーテルをラテックス固形分の1/10量添加す
る。この試料を固形分濃度4%に調整したのち、固形分
2gに相当する量を別のビーカーに精秤し、0.5N塩酸を3g
添加してマグネチックスターラーで撹拌する。攪拌開始
から15分間経過後に、0.1N水酸化ナトリウム水溶液で滴
定し、電気電導度曲線を描き、屈曲点よりラテックス粒
子表面のカルボキシル基の量を求める。
また、ラテックス粒径はレーザー光源散乱法(英国マ
ルバーン(Malvern)社製モデル4600)によって測定し
た。以上の結果を第1表に併記した。
(ラテックス(BL)の製造) 撹拌機付きオートクレーブに水150部、エチレンジア
ミン四酢酸四ナトリウム塩0.1部、ラウリル硫酸ナトリ
ウム5部、重炭酸ナトリウム0.5部、t−ドデシルメル
カプタン0.5部、過硫酸カリウム0.3部と共に第1表のBL
−1欄記載の単量体混合物Iを合計100部仕込み、攪拌
混合しながら60℃で反応させた。重合転化率が95%に達
した時に冷却して反応を停止し、未反応単量体を除去し
ラテックスBL−1を得た。
(ラテックス組成物の調製) ラテックスAL−1とラテックスBL−1とを固形分濃度
で15:85の比率に混合してラテックス組成物を得た。
(繊維のラテックス組成物による処理) レゾルシノール11部、ホルマリン水溶液(37%濃度)
16.2部、水酸化ナトリウム0.3部を水238.5部に溶解し、
撹拌下に25℃で6時間反応させた。次いでこの中へ前記
ラテックス組成物を添加し、撹拌下に25℃で20時間反
応させたのち、固型分濃度15%に調整して接着剤組成物
を得た。
この接着剤組成物を用いて試験用シングルコードディ
ッピングマシンでナイロン6タイヤコード(1260d/2)
を浸漬、乾燥処理したのち、200℃で1分間熱処理を行
なって接着剤組成物処理繊維(イ)を得た。
(ゴムと繊維との加硫接着) 上記処理をした処理繊維(イ)を、第2表の配合処方
により調製したゴム配合物に埋め込み長さ8mmで埋め込
み、プレス圧5Mpa、150℃で30分間加硫してゴムと繊維
との複合体を得た。この複合体についてASTM−D−2630
に準拠してコード剥離試験を行なって初期接着力を測定
した。
結果を第3表に示す。
実施例2〜5及び比較例1 ラテックスAL−1とラテックスBL−1とを第3表に示
す混合比率で混合してラテックス組成物〜を調製
し、これらについて実施例1と同様の試験を行なった。
結果を第3表に示す。
第3表の結果から、本発明のラテックス組成物を使用
することにより、少量のビニルピリジン使用量で初期接
着力に優れたゴムと繊維との複合体が得られるのに対し
てビニルピリジン使用量が0.5%未満のときはゴムと繊
維との複合体の初期接着力が劣ることが分かる。
実施例6〜8、比較例2〜5 実施例1におけるラテックスAL−1の製造と同様の方
法で、第4表に記載の単量体混合物を使用してラテック
スAL−2、AL−3及びCL−1を製造した。また、実施例
1におけるラテックスBL−1の製造と同様の方法で、第
5表に記載の単量体混合物を使用してラテックスCL−2
及びBL−2を製造した。
これらのラテックスを第6表に示す混合比率で混合し
てラテックス組成物〜を調製し、これらについて実
施例1と同様の試験を行なった。結果を第6表に示す。
第6表の結果から、本発明のラテックス組成物を使用
することにより、少量のビニルピリジン使用量で初期接
着力に優れたゴムと繊維との複合体が得られるのに対し
て、ラテックス組成物中の全共重合体において、エチレ
ン系不飽和酸単量体単位の量が0.005%未満のときは、
低い初期接着力しか得られないことが分かる(比較例2
〜3)。また、ラテックス組成物中の全共重合体におい
てビニルピリジン単位の量が0.5%以上、エチレン系不
飽和酸単量体単位の量が0.005%以上であっても、エチ
レン系不飽和酸単量体単位を含まないビニルピリジン系
共重合体ラテックスを使用するとき(比較例4)、ある
いはビニルピリジン単位量の少ないビニルピリジン系共
重合体ラテックスを使用するとき(比較例5)は、得ら
れる初期接着力が低いことが分かる。
実施例9及び比較例6 レゾルシノール16.6部、ホルマリン水溶液(37%濃
度)14.6部、水酸化ナトリウム1.3部を水333.5部に溶解
し、撹拌下に25℃で2時間反応させた。次いでこの中へ
ラテックス組成物又は100部を添加し、撹拌下に25
℃で20時間反応させた。次いでバルカボンドE(Vulcab
ondE、Vulnax社製品)を30部添加した。得られた水溶液
を固形分濃度20%に調整したのち、試験用シングルコー
ドディッピングマシンを用いてポリエステルタイヤコー
ド(1500d/2)を浸漬処理した。これを乾燥した後、240
℃で1分間加熱処理を行った。この処理されたポリエス
テルタイヤコードを第2表の配合処方により製造した天
然ゴム配合物に埋め込み長さ8mmで埋め込み、プレス圧5
MPaをかけて、150℃で30分間(初期接着力試験用)又は
170℃で90分間(耐熱接着力試験用)加硫してゴムと繊
維との複合体を得た。得られた複合体の繊維とゴムとの
接着力をJIS L−1017に準拠してT引き抜き試験法によ
り評価した(測定温度20℃、相対湿度65%、試験繰り返
し数24)。
結果を第7表に示す。
第7表の結果から、ポリエステル繊維を用いた場合
も、本発明のラテックス組成物を使用することにより、
初期接着力及び耐熱接着力に優れたゴムと繊維との複合
体が得られることが分かる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C08F 236/04 226:06) (C09J 109/00 161:12)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】共役ジエン単位45〜85重量%、エチレン系
    不飽和酸単量体単位0.1〜25重量%、ビニルピリジン単
    位10〜45重量%及びこれらと共重合可能な他の単量体0
    〜30重量%より成るビニルピリジン系共重合体(A)の
    ラテックス(AL)と、共役ジエン単位50〜80重量%(但
    し、80重量%を除く)及びこれと共重合可能な他の単量
    体20〜50重量%(但し、20重量%を除く)より成る共役
    ジエン系共重合体(B)のラテックス(BL)とを含有す
    るラテックス組成物であって、ラテックス組成物中に含
    有される全共重合体中に占めるエチレン系不飽和酸単量
    体単位及びビニルピリジン単位の割合が、それぞれ、0.
    005重量%以上、0.5重量%以上であることを特徴とする
    ラテックス組成物。
  2. 【請求項2】請求項(1)のラテックス組成物とレゾル
    シノール−ホルムアルデヒド樹脂とを主成分とする接着
    剤組成物。
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