JPH0647666B2 - ゴムと繊維の接着剤組成物 - Google Patents

ゴムと繊維の接着剤組成物

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JPH0647666B2
JPH0647666B2 JP60178950A JP17895085A JPH0647666B2 JP H0647666 B2 JPH0647666 B2 JP H0647666B2 JP 60178950 A JP60178950 A JP 60178950A JP 17895085 A JP17895085 A JP 17895085A JP H0647666 B2 JPH0647666 B2 JP H0647666B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はレゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂とピリ
ジル基及びカルボキシル基を有するゴム状共重合体ラテ
ックスより成る接着力の改良されたゴムと繊維の接着剤
組成物に関するものである。
(従来の技術) 従来からポリアミド,ポリエステル等の補強用繊維とゴ
ムを接着するためにレゾルシノール−ホルムアルデヒド
樹脂とラテックスを主成分とする水性分散液に繊維を浸
漬処理して使用している。ラテックスとしてはブタジエ
ン−ビニルピリジン−スチレン共重合体ラテックスもし
くは該ラテックスとスチレン−ブタジエン共重合体ラテ
ックスあるいは天然ゴムラテックス等との混合ラテック
スが一般に使用されている。
自動車用タイヤ,ベルト,ホース等におけるゴム補強用
繊維としてポリエステル繊維は低伸度であることが特長
であり広く使用されているが、使用条件によっては繊維
が著しく劣化するためその用途に制約を受けている。す
なわち成形品のゴム中にチウラム系,スルフェンアミド
系、あるいはグアニジン系等の加硫促進剤やアミン系老
化防止剤あるいは天然ゴム等が配合されている場合には
例えば自動車タイヤ製造時の長時間にわたる加硫工程に
おいて、あるいは自動車タイヤの高速走行中においてポ
リエステル繊維が劣化し補強用繊維としての性能が著し
く低下するという欠点を有しているためである。
この欠点を改善するために、好ましい加硫促進剤,老
化防止剤などの選定によるゴム配合方法による改良、
ポリエステル繊維に含まれる末端カルボキシル基量の低
減等によるポリエステル繊維自身の改良、あるいはポ
リエステル繊維をあらかじめカルボキシル基を含有する
化合物で処理する方法(例えば特開昭55−16623
5号)などが工夫されてきたが、の方法ではゴムの配
合が制約され目的とする加硫ゴム物性が得られないと同
時に、長時間加硫後のゴムと繊維の接着力(以下耐熱接
着力という)の改良が十分でなく、やの方法では繊
維自身の熱劣化は改良されるが耐熱接着力は改善されな
い。本発明者等はの知見に基づき繊維とゴムの接着に
用いられる改良された重合体ラテックスを開発すべく鋭
意研究を重ねた結果、共重合体中にピリジル基とカルボ
キシル基を有し、ラテックス粒子表面にカルボキシル基
が存在する共重合体ラテックスを使用すると驚くべきこ
とには、の方法と従来の接着剤の併用では得られな
い、とりわけポリエステル繊維の耐熱接着力を改良しう
ることを見い出し本発明を完成するに至った。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的はタイヤ,ベルト,ホース等のゴム製品
に、特にポリエステル繊維が補強用に使用される場合に
その耐熱接着力が改良されると共に、ポリエステル以外
の繊維に対しても、従来のビニルピリジン系重合体ラテ
ックスと同様に使用することができるゴムと繊維の接着
剤組成物を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明の目的は、(1)レゾルシノール−ホルムアルデヒ
ド樹脂と、(2)ピリジル基とカルボキシル基を含有する
ジエン系ゴム状共重合体ラテックスであって、該共重合
体中のピリジル基の含有量が7〜26重量%であり、該
共重合体ラテックス粒子表面のカルボキシル基の量が該
共重合体1g当り少なくとも0.01ミリ当量である共
重合体ラテックスを含むことを特徴とするゴムと繊維の
接着剤組成物を使用することにより達せられる。
本発明で使用するピリジル基とカルボキシル基を含有す
るジエン系ゴム状共重合体ラテックスはビニルピリジ
ン,エチレン性不飽和カルボン酸,共役ジエン系単量
体,更に、必要に応じてこれらの単量体と共重合可能な
他の単量体を乳化共重合することによって得られる共重
合体ラテックスである。
ピリジル基を導入するために使用されるビニルピリジン
としては2−ビニルピリジンが望ましいが3−ビニルピ
リジン,4−ビニルピリジン,2−メチル−5−ビニル
ピリジン,5−エチル−2−ビニルピリジンなどの1種
または2種以上で代替することができる。ピリジル基の
含有量は共重合体中の7〜26重量%であり、この範囲
をはずれると接着力は低下する。望ましくは11〜23
重量%である。
カルボキシル基はエチレン性不飽和酸単量体を共重合す
ることによってラテックスに導入される。エチレン性不
飽和酸単量体としてはアクリル酸,メタクリル酸,クロ
トン酸,ケイ皮酸,イタコン酸,フマル酸,マレイン
酸,ブテントリカルボン酸などの不飽和カルボン酸;イ
タコン酸モノエチルエステル,フマル酸モノブチルエス
テル,マレイン酸モノブチルエステルなどの不飽和ジカ
ルボン酸のモノアルキルエステル;アクリル酸スルホエ
チルNa塩,メタクリル酸スルホプロピルNa塩,アクリル
アミドプロパンスルホン酸などの不飽和スルホン酸又は
そのアルカリ塩などの1種もしくは2種以上が使用され
る。カルボキシル基はエチレン性不飽和酸エステル単ジ
体またはエチレン系不飽和酸無水物単量体を共重合した
後に加水分解することはよってラテックスに導入しても
よい。エチレン性不飽和酸エステル単量体およびエチレ
ン性不飽和酸無水物単量体としてはアクリル酸,メタク
リル酸,クロトン酸,ケイ皮酸,イタコン酸,フマル
酸,マレイン酸,ブテントリカルボン酸などの不飽和カ
ルボン酸のモノ,ジおよびトリエステル,マレイン酸無
水物が例示され、これらの1種または2種以上が使用さ
れる。ポリエステル繊維の耐熱接着力が改善されるため
にはカルボキシル基はラテックス粒子表面にラテックス
中の重合体1g当り0.01ミリ当量以上存在すること
が必要であり、0.01ミリ当量未満ではポリエステル
繊維の耐熱接着力は改良されない。望ましくは0.02
ミリ当量以上であり、さらに望ましくは0.05ミリ当
量以上である。2.5ミリ当量以上になると耐熱接着力
の改良効果は変わらないが、ラテックスが増粘するため
使いにくくなる。
共役ジエン単量体としては、例えば1,3−ブタジエ
ン,2−メチル−1,3−ブタジエン,2,3−ジメチ
ル−1,3−ブタジエン,ハロゲン置換ブタジエンなど
の脂肪族共役ジエン系単量体の1種もしくは2種以上が
使用される。共重合体中の共役ジエン系単量体の含有量
は通常45〜85重量%であり、この範囲をはずれると
接着力が低下する。望ましくは60〜75重量%であ
る。さらに所望により上記各単量体と共重合可能な他の
単量体を共重合させることができる。このような単量体
としては例えばスチレン,α−メチルスチレン,2−メ
チルスチレン,3−メチルスチレン,4−メチルスチレ
ン,2,4−ジイソプロピルスチレン,2,4−ジメチ
ルスチレン,4−t−ブチルスチレン,5−t−ブチル
−2−メチルスチレン,モノクロロスチレン,ジクロロ
スチレン,モノフルオロスチレン,ヒドロキシメチルス
チレンなどの芳香族ビニル化合物およびエチレン,プロ
ピレン,アクリロニトリル,塩化ビニルなどの脂肪族ビ
ニル化合物などが例示され、これらの1種または2種以
上を共重合することができる。共重合体中の含有量は3
0重量%以下である。
本発明の共重合体ラテックスの製造方法はカルボキシル
基をラテックス粒子表面に存在させ得る方法であれば特
に制限されず、使用する全単量体を、重合容器に一括投
入して一段重合で製造してもよいし、一部の単量体を重
合させた後、残りの単量体を投入して重合を継続する二
段重合法等で製造してもよい。
本発明で使用するレゾルシノール−ホルムアルデヒド樹
脂は従来使用の該樹脂(例えば特開昭55−14263
5号開示のものなど)が使用でき、特に制限されない。
又接着力を高めるために従来から使用されている2,6
−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニルメチル)−4−
クロロフェノール組成物等の化合物、ポリエポキシド化
合物及び/又はブロックドポリイソシアネート化合物等
との併用も差しつかえない。
本発明の接着剤組成物は通常本発明のゴム状共重合体ラ
テックス固形分100重量部に対してレゾルシノール−
ホルムアルデヒド樹脂を10〜40重量部(乾燥重量)
混合したものが使用される。
また本発明の接着剤組成物中の本発明のゴム状共重合体
ラテックスの一部をスチレン−ブタジエン共重合体ゴム
ラテックスおよびその変性ラテックス,アクリロニトリ
ル−ブタジエン共重合体ゴムラテックスおよびその変性
ラテックス,天然ゴムロテックス等のうちの1種または
2種以上で代替することができる。
本発明の接着剤組成物の使用方法については特に制限は
無く、既知のレゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂−
重合体ラテックス系接着剤と同様にして適用することが
できる。通常本発明の接着剤組成物を10〜30重量%
濃度の水性分散液として、ゴム製品の製造時に、所望の
形態の繊維を浸漬処理し、乾燥,熱処理した後、未加硫
ゴム配合物と共に成形し、加硫することによって繊維と
ゴムを接着することができる。また予め本発明の接着剤
組成物を塗布した所望形態の繊維を用いることもでき
る。
本発明の接着剤組成物が適用できる繊維も特に制限は無
く、レーヨン繊維,ポリエステル繊維,ポリアミド繊
維,アラミド繊維等に使用することができる。これらの
繊維は織物,コード,糸等いずれの形態であってもよ
い。
(発明の効果) 本発明のゴムと繊維の接着剤は特にポリエステル繊維に
使用した場合に、従来の接着処方に比べて耐熱接着力が
大きく改善される。またポリエステル以外の繊維に対し
ても従来のビニルピリジン系重合体ラテックスと同様に
使用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明す
る。なお、製造例,実施例中の部及び%はとくに断りの
ないかぎり乾燥重量基準である。
ラテックス製造例 撹拌機付きオートクレーブに水150部、エチレンジア
ミンテトラ酢酸の4ナトリウム塩0.1部、ラウリル硫
酸ソーダ5部、重炭酸ソーダ0.5部、t−ドデシルメ
ルカプタン0.5部、過硫酸カリウム0.3部と共に第
1表に示す単量体Iを同表に記載の重量比率で合計10
0部仕込み、回転混合しながら60℃で15時間反応を
行なった。転化率はいずれも60%以上に達した。これ
を種ラテックスとする。続けて撹拌機付きオートクレー
ブに種ラテックスを40部仕込み、エチレンジアミンテ
トラ酢酸の4ナトリウム塩0.1部、ラウリル硫酸ソー
ダ2部、t−ドデシルメルカプタン0.5部、過硫酸カ
リウム、第1表に示す単量体II、及び水合計量150部
になるように仕込み、回転混合しながら60℃で反応さ
せた。重合転化率95%に達した時にハイドロキノン
0.05部を添加して反応を停止し、減圧にして未反応
単量体を除去し、共重合体ラテックスA〜Qを得た。
ラテックス粒子表面のカルボキシル基の分析はKawaguch
iの方法(J. Appl. Poly. Sci. Vol 26,2015〜2022,1
981年)を参考にして次のように行なった。
ラテックスをセルロース製チューブに入れ、流水中に1
週間浸漬し、ラテックスセラム中の溶解物質を透析精製
する。次にポリオキシエチレンラウリルエーテルをラテ
ックス固形分の1/10量添加する。この試料を固形分濃度
4%、固形分2g相当量精秤し、0.5N塩酸を3g添加し
てマグネチックスターラーで撹拌する。15分間経過後
に、0.1N水酸化ナトリウム水溶液で滴定し、電気電導度
曲線を画き、屈曲点よりラテックス粒子表面のカルボキ
シル基の量を求めた。
ラテックス粒径はレーザー光源散乱法〔英国マルバーン
(Malvern)社製モデル4600〕によって測定した。
各ラテックスの性状を第1表に併記した。
実施例1 レゾルシノール16.6部、ホルマリン水溶液(37%
濃度)146部、水酸化ナトリウム1.3部を水333.5
部に溶解し、撹拌下に25℃で2時間反応させた。次い
でこの中へ第3表記載のラテックス100部を添加し、
撹拌下に25℃で20時間反応させた。次いでバルカボ
ンドE〔ICI Vulnax社製品 Vulcabond E;2,6−ビス
(2,4−ジヒドロキシフェニルメチル)−4−クロロ
フェノール重合体のアンモニア水溶液(約20%濃
度)〕を30部添加した。この水溶液を固型分濃度20
%に調整した後試験用シングルコードディッピングマシ
ンを用いてポリエステルタイヤコード(1500D/2)を
浸漬処理した。浸漬処理後240℃で1分間熱処理を行
った。この処理されたポリエステルタイヤコードを第2
表の配合処方により製造した天然ゴム配合物ではさみ、
プレス加硫した。該タイヤコードとゴムとの接着力をT
接着力試験法により評価した(測定温度20℃、相対湿
度65%、24本の引き抜き試験)。結果を第3表に示
す。
第2表 ゴム配合処方 天然ゴム 100 部 亜鉛華 5 ステアリン酸 2 硫 黄 2.5 FEFカーボンブラック 45 プロセス油 5 N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアジルスルフェン
アミド 1 2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重
合物 0.2 実施例2 ラテックスE〜Qについて実施例1と同じ方法で接着力
を測定した。
結果を第4表に示す。
実施例3 ラテックスA〜Cをスチレン−ブタジエン共重合体ゴム
ラテックスと混合して実施例1と同様にして接着力を測
定した。結果を第5表に示す。
第5表の結果から、本発明の共重合体ラテックスを使用
した場合には他の重合体ラテックスと混合しても耐熱接
着力は低下しないことが分る。
実施例4 第6表に示す単量体I及び単量体IIを用い、前記のラテ
ックス製造例と同様にしてラテックスR〜Xを製造し
た。次いで、これらのラテックスを使用して、実施例1
と同じ方法で接着力を測定した。結果を第6表に示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)レゾルシノール−ホルムアルデヒド樹
    脂と、(2)ピリジル基とカルボキシル基を含有するジエ
    ン系ゴム状共重合体ラテックスであって、該共重合体中
    のピリジル基の含有量が7〜26重量%であり、該共重
    合体ラテックス粒子表面のカルボキシル基の量が該共重
    合体1g当り少なくとも0.01ミリ当量である共重合
    体ラテックスを含むことを特徴とするゴムと繊維の接着
    剤組成物。
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