JPH09111213A - 接着剤組成物 - Google Patents

接着剤組成物

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JPH09111213A
JPH09111213A JP26556095A JP26556095A JPH09111213A JP H09111213 A JPH09111213 A JP H09111213A JP 26556095 A JP26556095 A JP 26556095A JP 26556095 A JP26556095 A JP 26556095A JP H09111213 A JPH09111213 A JP H09111213A
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JP
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weight
latex
adhesive
copolymer
adhesive composition
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JP26556095A
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English (en)
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Masaaki Nakamura
真明 中村
Kozo Sasaki
康三 佐々木
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着力を向上させ、耐熱性を付与する。 【解決手段】 同一粒子内に組成比が異なる共重合体を
有する構造で、共重合体が硫黄と所定範囲内の反応熱を
有するビニルピリジン−スチレン−ブタジエン三元共重
合体粒子を含むラテックスと熱硬化性樹脂とを含んでな
る接着剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接着剤組成物に関
し、特に、繊維材料とゴムとを接着するために使用する
新規な接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、タイヤ、コンベヤベルト、ベ
ルト、ホース及び空気バネ等のゴム物品の補強用に、フ
ィラメント、コード、ケーブル、コード織物及び帆布等
の形態で繊維材料を使用している。繊維材料とゴムとの
結合性は、ゴム物品の製品寿命及び製品の諸性能を左右
する主な要因となる。そこで、従来より繊維材料とゴム
との結合力を得るために、樹脂をゴムラテックス中に溶
解あるいは混合させてなる接着剤組成物を使用してい
る。
【0003】ここにおいて、樹脂としては、繊維材料と
結合力のある、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂など
のフェノール誘導体−ホルムアルデヒド樹脂や、ウレア
−ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられ、これらの一種若
しくは複数種を混合し、使用している。中でも、レゾル
シン−ホルムアルデヒド樹脂が最も広く使用されてい
る。また、ゴムラテックスとしては、ビニルピリジン−
スチレン−ブタジエン三元共重合体ラテックス、スチレ
ン−ブタジエン共重合体ラテックス及び天然ゴムラテッ
クス等のうち、1種あるいは複数種を混合して使用して
いる。中でも、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン
三元共重合体ラテックスが最も広く使用されており、主
な組成は、ビニルピリジン15重量%、スチレン15重
量%、ブタジエン70重量%である。
【0004】これらの接着剤の使用方法としては、繊維
材料に接着剤を塗布後、熱処理を行い接着剤と繊維材料
とを結合させ、かかる後に、この繊維材料を配合ゴムに
埋設して、加硫と同時に、配合ゴムと繊維材料とを結合
させるのが一般的である。この方法に用いられる接着剤
は、いわゆるゴムラテックス系の接着剤で、ゴム加硫系
接着剤と呼称される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、省エ
ネルギーの観点から、タイヤ等は軽量化が進み、ゴム中
に埋設された補強用繊維及びその接着剤に対する熱的・
動的入力は益々大きく、厳しくなる傾向にあるため、製
品を構成する様々の部材の強度、モジュラス及び破壊寿
命等の向上が望まれると同時に、繊維−ゴム間の接着力
の向上も望まれる。しかしながら、従来のビニルピリジ
ン−スチレン−ブタジエン三元共重合体ラテックスにあ
っては、例えばレゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂との
混合比率を変えることによって、繊維側により強固に結
合させようとすると、ゴム側への結合力が低下し、また
逆に、ゴム側への結合力を増大させようとすると、繊維
側への結合力が低下してしまうという不都合があった。
【0006】また、とりわけ、ビニルピリジン−スチレ
ン−ブタジエン三元共重合体粒子を含むラテックスとレ
ゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂からなる接着剤では、
熱的刺激に対する効果が不十分であった。
【0007】例えば、特公平1−49309号公報に記
載の発明によると、ゴムラテックス中の共重合体粒子を
二重構造にすることにより、高価なビニルピリジン単量
体の使用量を少なくすると同時に、接着力の向上を図っ
ているが、この場合、高温下での接着力は不満足なもの
である。
【0008】また、特開平3−163181号公報に記
載の発明によると、ゴムラテックス中の共重合体粒子を
二段の連続重合で作製し、その第1段目及び第2段目を
構成する共重合体の組成比を所定の範囲内に規定するこ
とによって、高温下での接着力の向上を図っているが、
近年のタイヤ等の高性能化、生産性向上のための高温加
硫など、益々厳しくなる熱的入力に対しては、十分とは
言い難い。
【0009】本発明は、上記の従来の不都合に鑑み、繊
維材料とゴムの接着力を高めると共に、高温下における
接着力の低下を防止して耐熱性を有する接着剤組成物を
提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、以下の構成とする。ブタジエン5〜60
重量%、ビニルピリジン5〜15重量%およびこれらと
共重合可能な他の単量体35〜80重量%で構成される
単量体混合物(a)と、ブタジエン45〜75重量%、
ビニルピリジン5〜20重量%およびこれらと共重合可
能な他の単量体10〜40重量%で構成される単量体混
合物(b)と、を分割重合させ得られる共重合体粒子を
含むラテックスと熱可塑性樹脂とを含んでなる接着剤組
成物で、前記共重合体粒子の乾燥重量100重量部を1
60℃で硫黄10重量部と90分反応させたとき、共重
合体粒子乾燥重量1gあたり反応熱が90〜150J、
好ましくは100〜130Jであることを特徴とする。
また、前記単量体混合物(a)より得られた共重合体
(以下、「共重合体(a)」という。)と前記単量体混
合物(b)より得られた共重合体(以下、「共重合体
(b)」という。)の重量比が80〜40/20〜60
であることを特徴とする。また、前記共重合体粒子のト
ルエン浸漬抽出法によるゲル/ゾル重量比が13〜40
/87〜60であることを特徴とする。また、ブタジエ
ンとビニルピリジンに共重合可能な他の単量体がスチレ
ンであることを特徴とする。また、前記熱硬化性樹脂と
してレゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂を含むことを特
徴とする。また、前記ラテックスの乾燥重量で100重
量部に対して、熱硬化性樹脂を乾燥重量で8〜30重量
部、好ましくは12〜22重量部配合することを特徴と
する。
【0011】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
では、ブタジエンとしては1,3−ブタジエンの他に、
2−メチル−1,3−ブタジエン等の脂肪族共役ジエン
系モノマーの1種または2種以上を使用することができ
る。
【0012】また、ビニルピリジンとしては、2−ビニ
ルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジ
ン、2−メチル−5−ビニルピリジン、5−エチル−2
−ビニルピリジン等の内、1種または2種以上を使用す
ることができる。
【0013】また、上記単量体に共重合可能な他の単量
体としては、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチ
ルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレ
ン、2,4−ジイソピルスチレン、2,4−ジメチルス
チレン、4−t−ブチルスチレン、ヒドロキシメチルス
チレン等の芳香族ビニル化合物、エチレン、プロピレン
等の脂肪族ビニル化合物、塩化ビニル、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、メ
タクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレ
イン酸等のエチレン系不飽和カルボン酸、メチルメタク
リレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等
のエチレン系不飽和カルボン酸アルキルエステル及びβ
−ヒドロキシエチルアクリレート、βーヒドロキシメチ
ルメタクリレート等のエチレン系カルボン酸ヒドロキシ
アルキルエステル等が挙げられ、これらを1種または2
種以上を使用することができる。従来より、タイヤ、コ
ンベヤベルト等のゴム物品の接着剤組成物に使用する主
な合成ゴムラテックスはSBR(スチレン−ブタジエン
共重合)ラテックス、ビニルピリジン−スチレン−ブタ
ジエンラテックス共重合ラテックスが用いられている。
これらラテックスの単量体で、ゴムと共加硫させる目的
で使用されるブタジエン、ピリジン基の配位結合性で繊
維などとの接着を向上させる目的で使用されるビニルピ
リジンの他に使用されている単量体はスチレンである。
特にスチレンを使用する主な理由は、被着されるゴムに
配合するポリマーが一般的に無極性的なため、比較的無
極性な官能基をもつ単量体を使用した方が被着ゴムと接
着剤組成物の相溶性が良く、また共重合体ラテックスの
ガラス転移温度Tgも比較的高くなりタイヤ走行時など
の高温下でもラテックスの凝集破壊抗力が高くなるため
である。なお、スチレン以外の単量体も所望によりスチ
レンと共に使用することができる。
【0014】尚、本発明の共重合体ラテックスは公知の
分割重合法で重合される。重合に際しては、公知の乳化
剤、重合開始剤、連鎖移動剤等が用いられる。
【0015】乳化剤としては、脂肪酸のアルカリ金属
塩、ロジン酸のアルカリ金属塩、ホルムアルデヒド縮合
ナフタレンスルホン酸ナトリウム、高級アルコールの硫
酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪族ス
ルホン酸塩等のアニオン性界面活性剤あるいはポリエチ
レングリコールのアルキルエステル型、アルキルエーテ
ル型、アルキルフェニルエーテル型等のノニオン性界面
活性剤の1種または2種以上で用いられる。このような
乳化剤の使用量は、通常、全単量体100重量部に対し
0.1〜8重量部、好ましくは1〜5重量部である。
【0016】重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過
硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性開始
剤、又はレドックス系開始剤、又は過酸化ベンゾイル等
の油溶性開始剤が使用できる。
【0017】連鎖移動剤としては、t−ドデシルメルカ
プタン、n−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプ
タン、n−テトラデシルメルカプタン、t−ヘキシルメ
ルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン等の単官能アル
キルメルカプタン類、例えば、1,10−デカンジチオ
ール、エチレングリコールジチオグリコレート等の2官
能メルカプタン類、1,5,10−カンジトリチオー
ル、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート等
の3官能メルカプタン類、例えば、ペンタエリスリトー
ルテトラキスチオグリコレート等の4官能メルカプタン
類、ジスルフィド類、例えば、四塩化炭素、四臭化炭
素、臭化エチレンなどのハロゲン化合物、α−メチルス
チレンダイマー、ターピノーレン、α−テルピネン、ジ
ペンテン、アリルアルコールなどが使用できる。これら
は単独または2種以上を組み合わせて用いられる。この
ような分子量調整剤の使用量は通常全単量体100重量
部に対し0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜3重
量部である。
【0018】なお、本発明のラテックスは上記以外に必
要に応じて、スチレン化フェノール類、ヒンダートフェ
ノール類などの老化防止剤、シリコン系、高級アルコー
ル系、鉱物油系の消泡剤、その他反応停止剤、凍結防止
剤等の添加剤を使用してもよい。
【0019】また、熱硬化性樹脂としては、レゾルシン
−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒ
ド樹脂、ウレア−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホ
ルムアルデヒド樹脂、フェノール誘導体−ホルムアルデ
ヒド樹脂等、具体的には、m−3,5−キシレノール−
ホルムアルデヒド樹脂、5−メチルレゾルシン−ホルム
アルデヒド樹脂等の、加熱により、あるいは、熱とメチ
レンドナーを与えることにより、硬化あるいは高分子化
する熱硬化型樹脂のうち1種または2種以上を使用する
ことができる。これらのうち、特にレゾルシン−ホルム
アルデヒド樹脂溶剤は水などの極性溶媒を用いても溶解
性が良く、接着剤組成物の溶液安定性が良好なため広く
用いられている。
【0020】かかる樹脂は、好ましくはアルカリ触媒下
で合成されたレゾルシン−ホルムアルデヒド縮合物、同
じくアルカリ触媒下で合成されたウレア−ホルムアルデ
ヒド縮合物、あるいは同じくアルカリ触媒下で合成され
たレゾルシン−ホルムアルデヒド縮合物と酸性または中
性下で合成されたフェノール誘導体−ホルムアルデヒド
縮合物との混合物である。
【0021】繊維材料としては、ゴム物品補強用に使用
される全ての繊維材料に適用でき、例えば、レーヨン、
ビニロン、6−ナイロン、6,6−ナイロン、4,6−
ナイロン等の脂肪族ポリアミド繊維、パラフェニレンテ
レフタルアミドに代表される芳香族ポリアミド繊維、ポ
リエチレンテレフタレートに代表されるポリエステル繊
維等が挙げられる。
【0022】更に、芳香族ポリアミド繊維、ポリエステ
ル繊維等の繊維材料については、繊維の重合・紡糸過程
において、または後処理において、フェノール誘導体−
ホルムアルデヒド樹脂、エポキシ化合物、または、イソ
シアネート化合物等によって加工した後に適用すること
もでき、更に、電子線、マイクロ波、プラズマ処理等で
予め処理加工した後にも適用できる。尚、これらの繊維
材料の形態はコード、ケーブル、フィラメント、フィラ
メントチップ、コード織物、帆布等のいずれでも良い。
本発明の接着剤組成物の使用方法としては、接着剤組成
物液に繊維材料を浸漬する、ドクターナイフまたはハケ
で塗布する、スプレーで吹き付け塗布する、あるいは粉
体化して吹き付け塗布する等、いずれの方法でも良く、
特に制限されない。
【0023】塗布量は、繊維材料100重量部に対して
接着剤組成物1〜20乾燥重量部が好ましいが、用途に
よっては、この範囲外であってもよい。均一に塗布する
ことが重要である。繊維材料の接着処理加工としては、
塗布等の後、100〜250℃の温度での熱処理、ある
いは電子線、マイクロ波、赤外線またはプラズマ等を利
用した処理が挙げられる。更に、本発明の接着剤組成物
の適用物品としては、タイヤ、コンベアベルト、ベル
ト、ホース、空気バネ等のあらゆるゴム物品が挙げられ
る。
【0024】ラテックス中の、ビニルピリジン−スチレ
ン−ブタジエン共重合体粒子を構成する共重合体(a)
と共重合体(b)とで組成比を異ならせた理由は以下の
通りである。即ち、粒子中に二重結合を与えるブタジエ
ン成分は、主に加硫工程中、その他高温下使用時に、配
合ゴムから移行・拡散する架橋剤により架橋反応を生
じ、架橋の結果、以下の作用を示す。第1は、架橋によ
り、架橋の前後で接着剤層の体積及びモジュラス変化が
生じ、その変化が大きい程接着力の耐久性を損なう。架
橋反応は高温下において特に進行するため、高温下での
接着劣化が大きくなる。よって、この点からは、ブタジ
エン成分は少ない方が好ましい。第2は、加硫初期に、
熱により接着剤層と被着ゴムは相溶化し、粒子とゴム中
のポリマーが絡み合い、架橋することで接着剤層−ゴム
間の界面結合力を得る。よって、この点からは、ブタジ
エン成分が必要となる。
【0025】これらの作用に鑑みて、従来のホモ組成構
造のビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体ラ
テックスは、ブタジエン含量約70重量%付近のものを
広く用いている。ブタジエン含量が少ない共重合体
(a)のホモ構造粒子は、架橋による体積・モジュラス
変化の影響が少なく、接着力の耐久性を向上させる作用
が期待できるが、一方、被着ゴムへの相溶化で粒子内の
共重合体の分子鎖と被着ゴムポリマー間で混合しにくく
なり、ブタジエン量が少ないため架橋が少なくなり、接
着剤層−ゴム間の界面結合力が小さく、その結果、接着
のレベルが低くなって、特にブタジエン含量が40重量
%以下の場合には、粒子の被着ゴムへの相溶化が著しく
小さくなり、界面結合力がほとんど発生せず、容易に接
着剤−ゴム間で接着破壊を起こすという不都合がある。
よって、本発明者らは、接着力の向上及び高温下での接
着力低下防止のために、同一粒子内に従来通りのブタジ
エン含量(約70重量%)の共重合体(b)とブタジエ
ン含量が少ない共重合体(a)を有する構造とした。即
ち、ブタジエン含量が少ない単量体混合物(a)と、従
来レベルのブタジエン含量の単量体混合物(b)とを分
割して重合した粒子は、加硫初期に、共重合体粒子とゴ
ムポリマー分子鎖が絡み合い、共重合体粒子内の共重合
体(b)が共加硫することで、従来と同様の接着剤−ゴ
ム界面結合力が得られ、また同時に、粒子全体ではブタ
ジエン含量が少なくなるため、加硫や製品使用時等で熱
的入力が高温または長時間となるとき、架橋反応に伴う
体積およびモジュラス変化による影響が少なくなり、接
着力、特に耐熱耐久性を向上させることができる。
【0026】このように、共重合体(a)と、共重合体
(b)とで組成比を異ならせたことにより、ブタジエン
成分組成比を減らしても、接着剤層の凝集破壊抗力や接
着剤層−被着ゴム間での界面接着力を損なわずに、硫黄
などによる粒子内の架橋反応性が抑制され、接着劣化が
少なくなる。まず、ラテックス内のブタジエン組成比を
減らすことで、ホモラテックスとシード重合ラテックス
と共に硫黄との架橋反応により生じる反応熱が減じ、粒
子の反応性が抑制されることがわかる。
【0027】しかし、単にブタジエン成分組成比を減ら
したホモラテックスを使用した接着剤の配合では、熱に
よる接着劣化度合いは小さくなるものの、前記の第2の
作用により初期における接着力が低いものとなってしま
う。特に、ブタジエン成分組成比が40重量%以下では
僅かな接着力となり、接着剤層−被着ゴム間で容易に接
着破壊されてしまう。ところがシード重合でブタジエン
成分組成比を減らした共重合体(a)と、粒子間などの
共加硫性が得られるブタジエン成分組成比を含有する共
重合体(b)を有する粒子を使用した接着剤配合は、充
分高い初期の接着力と熱などによる接着劣化が小さい性
能を有する。
【0028】即ち、充分高い初期の接着力と熱などによ
る接着劣化が小さい性能を有する接着剤配合に使用する
ラテックスは、粒子内では硫黄などによる架橋反応が少
なく、粒子間で架橋反応性を充分有する必要がある。シ
ード重合の共重合体粒子(乾燥重量100重量部)と硫
黄(10重量部)の架橋反応により生じる反応熱が後述
の測定法で90〜150J/gの範囲で従来のラテック
スを用いた配合より高い性能が得られる。
【0029】この理由は、反応熱が150J/g超過は
粒子内で従来のラテックス以上の反応が起こり、90J
/g未満では粒子の架橋反応性が不足となるためであ
る。
【0030】ゴムラテックス中の共重合体粒子の反応性
は、加硫温度での反応熱量を以下の方法で測定すること
により求めた。懸濁液の状態のラテックスをテフロンシ
ャーレ上で風乾し、更に40℃、1トル以下の減圧下で
1日放置し、乾燥フィルムを細かく切り刻み、30メッ
シュの金網で分別し、得られた粉末約10mgを耐圧ス
テンレス製パンに採取し、精秤する。さらに、耐圧ステ
ンレス製パンに、80メッシュ以下の粒度の不溶性硫黄
を乾燥ラテックス粉末重量の10重量%(±0.5%)
加えて秤量する。次に、耐圧ステンレス製パン内の硫黄
と乾燥ラテックス粉末を先が先鋭なピンセットを用いて
均一に混合した後に充分練る。練り後、重量の変化が練
り前の±1%以内であることを確認し、パンを密閉す
る。
【0031】温度設定を制御して測定できる示差走査熱
量測定計で加硫温度での反応熱量を次のように測定し
た。先ず、試料が入った耐圧ステンレス製パンを示差走
査熱量測定計にセットし、加硫が開始しない90℃で5
分間保持した条件から、1分間で160(±1)℃に昇
温し保持する。昇温開始後3〜90分間に測定される熱
量を積算する(RUN)。その後、180℃で10分
間処理した後、再び90℃に5分間保持した条件から、
1分間で160(±1)℃に昇温し、昇温後3〜90分
間に測定される熱量を積算する(RUN)。
【0032】温度160℃でラテックス100乾燥重量
部と硫黄10重量部の90分反応させた積算反応熱量
は、RUN(反応熱量+容器と試料の熱容量)の値よ
り、RUN(容器と試料の熱容量)の値を引くことに
より得た。なお、示差走査熱量測定に用いる容器である
パンは、加硫中に硫化水素ガスが発生するため、測定中
に重量が変化することがないよう耐圧パンを用い、材質
は硫化水素と反応性が小さいステンレス(SUS15)
製品が好ましい。また、硫黄と乾燥ラテックス粉末との
混合と練りが充分でない状態では、160℃昇温後2分
の時点でパンを液体窒素に入れ、急冷し、試料を切断す
ると切断面に硫黄粒子が観測される(走査型電子顕微鏡
−X線物質分析)。
【0033】また、共重合体(a)の組成が、ビニルピ
リジン5〜15重量%、ブタジエン5〜60重量%、こ
れらと共重合可能な他の単量体35〜80重量%である
理由は、ビニルピリジンが5重量%未満では、接着剤層
全体の接着力が低下して好ましくなく、15重量%超過
では、ラテックスの加硫反応が促進されて好ましくな
く、ブタジエンが5重量%未満では、架橋が少なくなっ
て、接着力が低下し、60重量%超過では、ラテックス
の架橋が多くなって好ましくなく、また、他の単量体が
35重量%未満では、ラテックス粒子の強度が低下し、
接着剤層の強度低下し、延いては、接着力の低下に繋が
り、80重量%超過では、ラテックス粒子が硬くなり過
ぎ、可撓性が低下し、製品を高歪下で使用した場合の接
着力の低下が激しく、不都合だからである。
【0034】また、共重合体(b)の組成が、ビニルピ
リジン5〜20重量%、ブタジエン45〜75重量%、
これらと共重合可能な他の単量体10〜40重量%であ
る理由は、ビニルピリジンが5重量%未満では、接着層
全体の接着力が低下し、20重量%超過では、接着剤が
脆くなり好ましくなく、ブタジエン45重量%未満で
は、架橋が少なすぎ、75重量%超過では、架橋が多く
なり、体積およびモジュラス変化による耐久性の低下を
引き起こし、他の単量体が10重量%未満では、ラテッ
クス粒子、接着剤層の強度低下を引き起こし、接着力が
低下し、40重量%超過では、接着剤層と被着ゴムとの
共加硫性が低下し、やはり接着力が低下し好ましくない
からである。
【0035】尚、単量体混合物の重合順序は、単量体混
合物(a)と単量体混合物(b)のどちらが先でも良
い。この理由は、本発明の共重合体粒子においては、重
合中に粒子内の共重合体は熱で流動しており、1つの粒
子内で共重合体(a)と共重合体(b)が熱力学的に安
定な2相分離構造になる(「高分子ラテックス」室井宗
一,森野邦夫 新高分子文庫 38〜44頁)。このた
め、重合順序が逆になっても、性能がほぼ同等となるた
めである。
【0036】また、共重合体(a)/共重合体(b)重
量比が80〜40/20〜60である理由は、共重合体
(b)が少なすぎると、接着剤層内の粒子間、および粒
子とゴム中のポリマーとの間の架橋が少なくなって、接
着力が低下するからであり、また、共重合体(b)が多
いと、初期接着力は良好であるが、耐熱性が損なわれ、
従来レベルに近づくことになるからである。
【0037】製造したゴムラテックスを構成する粒子の
組成は、NMR(核磁気共鳴)法にて測定し、チャート
のピーク面積から重合組成比を求める方法、あるいはポ
リマーの粘弾性挙動を測定し、その損失から重合組成比
を求める方法などによって、求めることができる。
【0038】製造したゴムラテックスの粒子の構造につ
いては、かかるラテックス粒子をオスミウムにより染色
し、透過型電子顕微鏡により観察することで、一つの粒
子内にオスミウム染色度の異なる共重合体による2相分
離の構造を観察できる。なお、前述の特開平3−163
181号公報記載の発明における共重合粒子について
も、同様な粒子構造が観察された。
【0039】また、トルエン浸漬抽出法によるゲル/ゾ
ル重量比を13〜40/87〜60にした理由は以下の
通りである。即ち、粒子中のゲル分及びゾル分は以下の
3つの作用で接着力を支配している。第1の作用は、三
次元的に緻密な構造でないゾル分が、ゴム物品加工にお
ける加硫工程で、配合ゴムから移行・拡散する架橋剤に
より架橋反応を生じ、その結果、接着剤層の体積及びモ
ジュラスが変化し、接着剤−繊維材料間、接着剤−ゴム
間に応力集中を生じ、接着力を低下させる作用である。
また、第2の作用は、粒子中で3次元的に架橋した構造
が緻密なゲル分より、ブタジエン部位での架橋が少ない
ゾル分は、加硫工程の熱で分子鎖の流動などの熱運動が
起こりやすいため、配合ゴムからの架橋剤の移行・拡散
がし易く、架橋反応し易くなり、架橋反応が速くかつ量
的にも多くなる。このため、接着劣化が速くかつ大にな
る作用である。第1と第2の作用の点では、ゾル分が少
ない方が好ましい。また、第3の作用は、粒子内の可流
動成分であるゾル分によって、接着剤層内の粒子間で粒
子を構成するポリマー分子鎖がより絡み合うことで強固
な接着剤層の凝集破壊抗力を発生させると共に、接着剤
層−ゴム界面間で、接着剤層内の粒子を構成するポリマ
ー分子鎖とゴム中のポリマー分子鎖とがより絡み合い強
固な界面結合(接着)力を発生させる作用である。よっ
て、第3の作用ではゾル分が多い方が好ましい。また、
第1の作用は架橋反応が量的に多い、高温下、長時間の
場合に顕著であり、第3の作用については、非流動成分
であるゲル分はラテックス粒子自体の強度、ひいては接
着剤組成物の強度に寄与するということも考慮する必要
がある。
【0040】これらより、ゲル分が13重量%未満、つ
まりゾル分が87重量%を越えると、架橋反応における
ゾル分の体積およびモジュラス変化が甚だしくなり、接
着剤−繊維材料間、接着剤−ゴム間の応力集中による接
着破壊が顕著になり、また、共重合体粒子の強度を担う
ゲル分が減少することによって、接着剤組成物の強度低
下が生じ、好ましくないからである。また、ゲル分が1
3重量%未満では、前記の共重合体粒子(乾燥重量10
0重量部)と硫黄(10重量部)の架橋反応により生じ
る反応熱が150J/g超過となることから、ラテック
ス粒子内での架橋剤の拡散性が大きくなることで反応性
が高くなるほか、粒子内のポリマー分子鎖中で架橋して
いないブタジエン部位も相対的に多くなるため、架橋反
応における体積およびモジュラス変化が大きくなり、好
ましくないからである。
【0041】一方、ゲル分が40%を超え、つまりゾル
分が60%未満の場合には、可流動成分の減少により、
共重合体粒子−ゴム間でのポリマー分子鎖の絡み合いが
減少し、接着剤−ゴム界面結合力が低下し、また粒子間
におけるポリマー分子鎖の絡み合いも同様に減少し、接
着剤層の凝集破壊抗力が低下し、好ましくないからであ
る。
【0042】共重合体粒子を組成比の異なる重合体から
なる構造にするには、ビニルピリジン−スチレン−ブタ
ジエン三元共重合体ラテックスを構成する単量体の仕込
み比を重合途中で変化させることによりできる。具体的
には、水にロジン酸カリウム等の乳化剤を溶解させた
後、これに、単量体混合物(a)を添加する。更に、リ
ン酸ナトリウム等の電解質および過酸化物類等を開始剤
として加え、重合を行う。その後、所定の転化率に達し
た後、単量体混合物(b)を添加し、重合を続ける。そ
の後、所定の転化率に達した後、反応停止剤を加え、重
合を停止させ、更に、残留する単量体を除去することに
よって、組成比の異なる重合体からなる構造のゴムラテ
ックスが得られる。
【0043】また、ゲル/ゾル重量比は、重合反応にお
ける反応温度、反応率、あるいは連鎖移動剤の種類や量
によって調節可能である。
【0044】ゴムラテックス中のゲル/ゾル重量比は、
以下のトルエン浸漬抽出法にて測定できる。即ち、懸濁
液の状態の試料ラテックスを乾燥時のフィルム厚さが
0.2mmになるようにガラス板上に流し、20℃、6
0RH%の恒温恒湿下に、48時間放置し、更に、40
℃、1トル以下の減圧下で4時間放置し、乾燥フィルム
を調製する。次いで、このフィルムを約2mm角に細分
し、これ(約0.8g)を秤量し、この値をポリマー全
量重量とする。重量を測定したポリマーフィルムを20
0mlのトルエンに浸漬し、容器を密栓し、遮光した4
0℃の恒温槽にて、40時間放置する。放置後、ポリマ
ー/トルエン混合液を100メッシュの金網で濾過し、
その濾液を3600rpm(20℃)で1時間遠心分離
する。遠心分離後、漿液を50mlのホールピペットで
採り、20℃、60RH%の恒温恒湿下で、24時間風
乾後、120℃、1トル以下の減圧下でトルエンを除去
し、乾燥させる。乾燥後、デシケータ内で、冷却し、そ
の重量測定によりトルエン可溶分(ゾル分)を算出す
る。この値と先に求めたポリマー全量重量とからゲル/
ゾル重量比を算出する。
【0045】また、ラテックスと熱硬化性樹脂との混合
割合が、ラテックスの乾燥重量100重量部に対して、
熱硬化性樹脂を乾燥重量で8〜30重量部とする理由
は、8重量部未満では、得られる樹脂が柔軟になるた
め、接着剤自体の破壊強度が低下し好ましくなく、30
重量部超過では、接着剤が硬く脆くなり、使用に適さな
いからである。
【0046】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて説明する。(1)レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂液の調製 表1に示す組成の混合物を調製し、室温で8時間熟成し
て、レゾルシン−ホルムアデヒド樹脂液を得る。
【0047】
【表1】 水 524.01重量部 レゾルシン 15.12重量部 ホルマリン(37%) 16.72重量部 苛性ソーダ(10%) 11.00重量部
【0048】(2)ビニルピリジン−スチレン−ブタジ
エン共重合体ラテックスの調製 (i)比較例3,4,6,8に使用したラテックスの調
製 窒素置換した5リットル容量のオートクレーブに脱イオ
ン水130重量部、ロジン酸カリウム4.0重量部を仕
込み溶解する。これに、表4、5に示した組成の単量体
混合物(a)を添加し、更に連鎖移動剤としてt−ドデ
シルメルカプタンを仕込み、乳化する。その後、50℃
に昇温後、過硫酸カリウム0.5重量部を加え、重合を
開始する。単量体混合物(a)の反応率が80〜90%
に達した後、これに、表4、5に示した単量体混合物
(b)とt−ドデシルメルカプタンを添加し、更に重合
を続ける。表4、5に示した反応率に達した後、ハイド
ロキノン0.1重量部を加え、重合を停止する。次に、
減圧下、未反応単量体を除去し、共重合体ラテックスを
得た。得られたラテックスの各ゲル/ゾル重量比を表
4、5に示す。
【0049】(ii)実施例1〜7及び比較例5,7,9
に使用したラテックスの調製 表4、5に示す単量体混合物(a)とt−ドデシルメル
カプタン組成および単量体混合物(b)とt−ドデシル
メルカプタン組成およひ反応率で(i)の調製法に準じ
て調製する。こうして得られたラテックスの各ゲル/ゾ
ル重量比を表4、5に示す。
【0050】(iii )比較例1,2,Xに使用したラテ
ックスの調製 表4、5に示す組成の単量体混合物(a)とt−ドデシ
ルメルカプタン組成、反応率で(i)の調製法に準じて
調製する。得られたラテックスの各ゲル/ゾル重量比を
表4、5に示す。
【0051】(iv)比較例Yに使用したラテックスの調
製 (iii )で調製した比較例1のラテックス液40重量部
と比較例2のラテックス液60重量部とを混合する。
【0052】(3)接着剤組成物の調製 (1)で調製したレゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂液
566.85重量部に、(2)で調製したラテックス4
33.15重量部を添加した後、室温で16時間熟成
し、接着剤組成物を得た。(4)コードの作製 繊維材料として、ポリ(1,4−フェニレンテレフタル
アミド)〔商品名:ケブラー、デュポン社製〕の150
0dの原糸に32回/10cmの下撚をかけ、更に、この
撚糸2本に対して32回/10cmの上撚をかけ、コード
を作製した。(5)コードの前処理 (4)で得たコードを、下記表2に示すエポキシ化合物
水溶液に浸漬し、160℃で60秒間乾燥し、更に24
0℃で60秒間熱処理して前処理コードを作製した。
【0053】
【表2】 ジグリセロールトリグリシジルエーテル 1.20重量部 ナトリウムジオクチルスルホサキシネート 0.02重量部 苛性ソーダ(10%) 0.14重量部 水 98.64重量部
【0054】(6)前処理コードの接着剤組成物処理 (5)で得た前処理コードを(3)で得た接着剤組成物
に浸漬し、160℃で60秒間乾燥し、更に240℃で
60秒間熱処理して接着剤組成物処理コードを作製し
た。(7−1)加硫I (6)で得た接着剤組成物処理コードを表3に示す配合
の未加硫状態のゴム組成物に埋め込み、170℃×30
分、20kg/cm2 の加圧下で加硫する。(8−1)初期接着力の測定 (7−1)で得た加硫物からコードを堀り起こし、30
cm/分の速度でコードを加硫物から剥離する時の抗力を
測定し、これを初期接着力とした。結果を表4、5に示
す。(7−2)加硫II (6)で得た接着剤組成物処理コードを表3に示す配合
の未加硫状態のゴム組成物に埋め込み、190℃×30
分、20kg/cm2 の加圧下で加硫する。(8−2)耐熱接着力の測定 (7−2)で得た加硫物からコードを掘り起こし、前記
と同様に、30cm/分の速度でコードを加硫物から剥離
する時の抗力を測定し、これを耐熱接着力とした。結果
を表4、5に示す。(8−3)ラテックス反応熱の測定 各実施例および比較例で使用したラテックスにつき、前
記の方法により反応熱を求め、結果を表4、5に示す。
【0055】
【表3】 RSS#3 80 重量部 IR 20 重量部 カーボンブラック 40 重量部 ステアリン酸 2 重量部 石油系軟化剤 10 重量部 バインタール 4 重量部 亜鉛華 5 重量部 N−フェニル−β−ナフチルアミン 1.5 重量部 2−ベンゾチアジルジスルフィド 0.75重量部 ジフェニルグアニジン 0.75重量部 硫黄 2.5 重量部
【0056】
【表4】
【0057】
【表5】
【0058】表4、5の測定結果より、実施例1〜5
は、ゲル/ゾル重量比が規定範囲外の比較例3,4,6
に比べて、初期接着力は同等あるいはそれ以上であり、
耐熱接着力は格段に高く、高温下における接着力の低下
を大幅に抑制できたことがわかる。同様に、実施例6は
比較例6,7に比べ、実施例7は比較例8,9に比べ、
耐熱性が向上したことがわかる。また、比較例1,2,
X,Yは、ゲル/ゾル重量比は規定範囲内であるが、ホ
モ構造である。比較例1は、その重合体組成比が比較例
3等の共重合体(b)の組成に等しく、比較例2はその
重合体組成比が比較例3等の共重合体(a)の組成に等
しく、比較例Xはその重合体組成比が比較例3等の粒子
全体の組成に等しい。比較例Yはその重合体組成比が比
較例3等の共重合体(b)の組成に等しい比較例1と共
重合体(a)の組成に等しい比較例2を混合したもの
で、その混合比は比較例3等の共重合体(a)/共重合
体(b)重量比に等しい。
【0059】これらの接着力は、初期接着力、耐熱接着
力共に各実施例に比べて劣っており、ゲル/ゾル重量比
のみならず、同一粒子内に組成比が異なる共重合体を有
する構造であることも要求されることがわかる。更に、
比較例1,2,X,Yは、同一粒子内に組成比が異なる
共重合体を有する構造の他の比較例よりも劣っているこ
とから、上記と同様のことがいえる。
【0060】
【発明の効果】本発明の接着剤組成物は、接着力が一段
と向上し、更に、高温下においても接着力の低下が少な
く、耐熱性を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 161/06 JET C09J 161/06 JET

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブタジエン5〜60重量%、ビニルピリ
    ジン5〜15重量%およびこれらと共重合可能な他の単
    量体35〜80重量%で構成される単量体混合物(a)
    と、ブタジエン45〜75重量%、ビニルピリジン5〜
    20重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体10
    〜40重量%で構成される単量体混合物(b)と、を分
    割重合させ得られる共重合体粒子を含むラテックスと熱
    可塑性樹脂とを含んでなる接着剤組成物で、前記共重合
    体粒子の乾燥重量100重量部を160℃で硫黄10重
    量部と90分反応させたとき、共重合体粒子乾燥重量1
    gあたり反応熱が90〜150Jであることを特徴とす
    る接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 前記単量体混合物(a)より得られた共
    重合体と前記単量体混合物(b)より得られた共重合体
    の重量比が80〜40/20〜60であることを特徴と
    する請求項1記載の接着剤組成物。
  3. 【請求項3】 前記共重合体粒子のトルエン浸漬抽出法
    によるゲル/ゾル重量比が13〜40/87〜60であ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の接着剤組成
    物。
  4. 【請求項4】 ブタジエンとビニルピリジンに共重合可
    能な他の単量体がスチレンであることを特徴とする請求
    項1、2または3記載の接着剤組成物。
  5. 【請求項5】 前記熱硬化性樹脂としてレゾルシン−ホ
    ルムアルデヒド樹脂を含むことを特徴とする請求項1、
    2、3または4記載の接着剤組成物。
  6. 【請求項6】 前記ラテックスの乾燥重量で100重量
    部に対して、熱硬化性樹脂を乾燥重量で8〜30重量部
    配合することを特徴とする請求項1、2、3、4または
    5記載の接着剤組成物。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002363228A (ja) * 2001-06-08 2002-12-18 Takeda Chem Ind Ltd ラテックス組成物及びその製造法
JP2008169504A (ja) * 2007-01-11 2008-07-24 Toray Ind Inc ゴム・繊維用接着処理剤、ゴム補強用合成繊維コード、およびその製造方法
CN100453589C (zh) * 2005-06-06 2009-01-21 住友橡胶工业株式会社 充气轮胎
JP2009286894A (ja) * 2008-05-29 2009-12-10 Nippon A&L Inc ゴムと繊維の接着剤用共重合体ラテックスの製造方法、接着剤用共重合体ラテックスおよび接着剤用組成物
JP2013091797A (ja) * 2012-12-17 2013-05-16 Nippon A&L Inc ゴムと繊維の接着剤用共重合体ラテックスおよび接着剤用組成物

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