JP2667555B2 - 接着剤組成物 - Google Patents

接着剤組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、工業用繊維材料を強固に接着させることを
目的とする接着剤組成物に関するものである。
(従来の技術) タイヤ、コンベヤベルト、ベルト、ホース、空気バネ
等の物品の補強用材料としては、繊維材料がフィラメン
トチップ、コード、ケーブル、コード織物または帆布の
形態で使用されているが、かかる補強目的を満足するた
めにはこの繊維材料がゴムと強固に結合することが重要
なことであり、このことはゴム物品の製品寿命およびそ
の製品の目的とする諸性能を左右するといっても過言で
ない。
そこで従来より、繊維材料とゴムとを接着させるため
にレゾルシンーホルムアルデヒド樹脂、ウレアーホルム
アルデヒド樹脂、フェノール誘導体−ホルムアルデヒド
樹脂等の、繊維と結合力ある樹脂をゴムラテックスに分
散させた接着剤が使用されている。中でも最も広く使用
されているのが、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂を
ゴムラテックスに分散させた接着剤である。
ここでゴムラテックスとしては、ビニルピリジン−ス
チレン−ブタジエン三元共重合体ラテックス、スチレン
−ブタジエン共重合体ラテックス、天然ゴムラテックス
等うち一種あるいは複数混合したものが使用されてい
る。中でも最も広く使用されているのが、ビニルピリジ
ン−スチレン−ブタジエン三元共重合体ラテックスであ
り、組成としてはビニルピリジン15重量%、スチレン15
重量%、ブタジエン70重量%のものである。
これら接着剤の使用方法は、繊維材料に接着剤を塗布
し、熱処理を行い接着剤を繊維と分散させた後、かかる
繊維材料を配合ゴムに埋設して、配合ゴムの加硫と同時
にこの配分ゴムと繊維材料とを結合させるのが一般的で
ある。この方法に用いられる接着剤は、いわゆるゴムラ
テックス系の接着剤で、ゴム加硫性接着剤と呼ばれてい
る。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、従来のビニルピリジン−スチレン−ブ
タジエン三元共重合体ラテックスでは、レゾルシン−ホ
ルムアルデヒド樹脂等の繊維と結合力ある樹脂との混合
比率を変えて繊維側により強固に結合させようと試みて
も、ゴム側への結合力が低下し、またゴム側への結合力
を増大させようとしても今度は繊維側への結合力が低下
し、結局従来の接着剤では接着力改善効果か少ないのが
現状である。
よって現在必要とされているものは、繊維との結合力
を損なわずにゴム側に強固に結合する接着剤である。
また、かかるゴム加硫性接着剤の他の欠点として、温
度による接着力の変動が激しいことが挙げられる。すな
わち、ゴム物品は、その製品の目的とする諸性能を満足
させるために低い温度で加硫したり、タイヤ等に見られ
るように厚みが大あるいは少であるような形状が不揃い
な製品においては、加硫時の熱のかかり方が部分によっ
て異なったりし、製品中の接着力に不均一変が起こる。
この結果、熱のかかり方が不足する部分においては、セ
パレーション等のゴム−繊維間の接着にかかわる故障が
しばしば発生する。タイヤ・コンベヤベルト等の製品が
その仕様に基づき寿命を終了するまでの間を保証すべ
く、市場での仕様に基づく使用条件よりもはるかに苛酷
な条件で促進試験を実施した場合、特に前記の故障は多
発傾向にある。
さらに、かかる問題とは別に、製品の寿命終了までの
間に受ける熱的、動的刺激に対しても、補強用繊維とゴ
ム物品との間の接着が充分に耐え得ることが重要なこと
である。近年、省エネルギーに鑑みタイヤ等で軽量化の
方向にあり、また従来にもまして熱的入力とが動的入力
が大きくなる傾向にあるため、製品を構成する様々の部
材の強度向上、モジュラス向上および破壊寿命の向上が
必要であり、繊維材料−ゴム間の接着力も、かかる入力
に対し、充分に製品寿命が満足される以上に安定である
ことが必要である。しかし、従来のビニルピリジン−ス
チレン−ブタジエン三元共重合体ラテックスとレゾルシ
ン−ホルムアルデヒド樹脂とを混合した接着剤では、前
述の熱的、動的のくり返し刺激、つまり疲労性に不満が
あった。例えば、特開昭58−2370号公報では、ゴムラテ
ックスにおける2重構造を有するものを用いることで、
高価なビニルピリジン単量体の使用量を低減しかつ接着
力の向上を図っているが、この場合高温下での接着力が
充分ではなかった。
上述のことから、繊維材料とゴム物品との間に用いる
接着剤には初期接着力が従来よりも高いこと、接着力の
加硫温度依存性が少ないこと、および熱的、動的疲労性
が良好であることが必要であるが、これらの条件をすべ
て満足する接着剤は未だ見出されていないのが現状であ
る。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、前記問題点を夫々解消すべく種々検討
した結果、接着剤組成物のビニルピリジン−スチレン−
ブタジエン三元共重合ラテックスを二段階重合法により
作りそのポリマーを二重構造とし、さらにこれらの共重
合組成比をそれぞれ所定の範囲に維持することにより、
従来品に比して前述の全ての問題点に対し良好な結果が
得られることを見出し、本発明を達成するに至った。
すなわち、本発明は、(i)スチレン含有率30〜60重
量%、ブタジエン含有率60重量%未満およびビニルピリ
ジン含有率0.5〜15重量%で構成される単量体混合物を
重合させた後、(ii)引き続いてスチレン含有率10〜40
重量%、ブタジエン含有率45〜75重量%およびビニルピ
リジン含有率5〜20重量%で構成される単量体混合物
を、前記(i)における重合で用いたスチレン含有率よ
りも低いスチレン含有率で重合させて得られる、2重構
造を有するブタジエン−スチレン−ビニルピリジン三元
重合体ゴムラテックスの固形分100重量部に対して、熱
硬化形樹脂が固形分で10〜30重量部の範囲で混合されて
いることを特徴とする接着剤組成物に関するものであ
る。
以下、便宜上、前記(i)の重合で得られる重合体を
内層部といい、前記(ii)の重合で得られる重合体を外
層部という。
上記三元共重合体ゴムラテックスにおいて、外層部の
ビニルピリジン含有率が5重量%未満であると、特に、
ゴムラテックスの繊維に対する結合力が劣り、ゴム−接
着剤間の破壊抗力が低下するため、初期接着力、高温時
接着力が悪くなり好ましくない。一方、20重量%を越え
ると、ゴム−接着剤間の破壊抗力が低下するとか接着剤
自身が硬く脆くなり凝集破壊抗力が低下するため、初期
接着力や高温時接着力が悪くなることに加え、定温加硫
時の接着力も低下し、好ましくない。
また、外層部のスチレン含有率が10%未満であると、
接着剤自身が柔軟かつ抗張力が弱くなり、凝集破壊抗力
が低下し、初期接着性や低温加硫時の接着性が劣り、好
ましくない。一方、40重量%を越えると、繊維上への接
着剤の造膜形成能力が低下し、初期接着力が低下し、好
ましくない。
更に、外層部のブタジエン含有率が75重量%を越える
と、接着剤処理繊維の経時、耐候接着性において不備が
生じるので好ましくなく、また45重量%未満であると、
接着剤層の弾性が低下し、低温下での可撓性が低下し好
ましくない。
次に、上記三元共重合体ゴムラテックスにおいて内層
部のビニルピリジン含有率が15重量%を越えると、ゴム
−接着剤間の破壊抗力が低下するとか接着剤自身が硬く
脆くなり凝集破壊抗力が低下するため、初期接着力や高
温時接着力が悪くなることに加え、低温加硫時の接着力
も低下し、好ましくない。一方、0.5重量%未満である
と、ゴムラテックスの繊維に対する結合力が低下し、繊
維−接着剤界面の破壊抗力が低下するので好ましくな
い。
また、内層部のスチレン含有率が30重量%未満である
と、接着剤自身が柔軟かつ抗張力が弱くなり、凝集破壊
抗力が低下し、初期接着力や高温融着力が低下し、好ま
しくない。一方、60重量%を越えると、接着剤が硬く、
ゴム−接着剤間の破壊抗力が低下し、初期接着力や高温
接着力が悪くなることに加え、低温加硫時の接着力も低
下し、好ましくない。内層部のスチレン含有量は、好ま
しくは40〜60重量%である。更に、内層部のスチレン含
有率を外層部のスチレン含有率よりも高くし、好ましく
は25重量%、更に好ましくは30重量%高くする。
尚、内層部のブタジエン含有率は60重量%未満とする
が、好ましくは50重量%未満、更に好ましくは40重量%
未満とする。
また、上記ゴムラテックスの固形分100重量部に対し
て、熱硬化形樹脂が固形分で10重量部未満であると、得
られる樹脂が柔軟になるために接着剤自身の破壊強度が
低下し好ましくなく、一方30重量部を越えると接着剤が
硬く脆くなり、使用に適さない。
本発明の最も重要な要件はゴム状ラテックスを上述の
ような内層部、外層部を有する二重構造化することであ
る。内層部/外層部の比率は、好ましくは50〜80/20〜5
0(重量部)である。
上述のように、ラテックスのポリマーを二重構造とす
るにはブタジエン−スチレン−ビニルピリジン三元重合
体ラテックスを構成する単量体の仕込み比を重合途中で
変化させることによって内層部と外層部を有する二重構
造とすることができる。具体的には、水にロジン酸カリ
ウム等の乳化剤を溶解させたものに、内層部に対応する
単量体を添加し、リン酸ナトリウム等の電解質および過
酸化物類を開始剤として加え、内層部が所定の転化率に
達した後、外層部に対応する単量体を加え、外層部が所
定の転化率に達した後電荷移動剤を加え、重合を停止さ
せ、更に残留単量体を除去することにより、内層部と外
層部を有する二重構造のゴムラテックスを製造すること
ができる。
また三元重合体を構成する各単量体組成比について
は、NMR(核磁気共鳴)法にて測定し、各共重合体につ
いてはチャートのピーク面積から換算して重量組成比を
求めた。
ゴム状ラテックスのポリマーを二重構造とし、内層
部、外層部の組成比を上記範囲内にすることにより、初
期接着力、低温加硫時の接着力および高温下での接着力
全てにわたって従来の構造のゴム状ラテックスに比較し
て著しく改善されることになる。
本発明においてはブタジエンとして、1,3−ブタジエ
ンの他に2−メチル−1,3−ブタジエン等の脂肪族共役
ジエン系モノマーの1種もしくは2種以上を使用するこ
とができる。
またスチレンとしては、スチレン、α−メチルスチレ
ン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メ
チルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−イ
メチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、ヒドロキシ
メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物のうち1種また
は2種以上を使用することができる。
更にまたビニルピリジンとしては、2−ビニルピリジ
ン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−メ
チル−5−ビニルピリジン、5−エチル−2−ビニルピ
ジンのうちの1種または2種以上を使用することができ
る。
本発明においては、ゴム状ラテックスに添加して繊維
側との結合を生ぜしめる熱硬化形樹脂として、レゾルシ
ン−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール−ホルムアルデ
ヒド樹脂、ウレア−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−
ホルムアルデヒド樹脂、フェノール誘導体−ホルムアル
デヒド樹脂、例えば3,5−キシレノール−ホルムアルデ
ヒド樹脂、5−メチルレゾルシン−ホルムアルデヒド樹
脂の、熱をかけることによってあるいは熱とメチレンド
ナーを与えることによって硬化する、すなわち高分子化
する熱硬化形樹脂等のうち1種または2種以上を併用す
ることもできる。
かかる樹脂は、好ましくはアルカリ触媒下で合成され
たレゾルシン−ホルムアルデヒド縮合物、アルカリ触媒
下で合成されたウレア−ホルムアルデヒド縮合物、ある
いはアルカリ触媒下で合成されたレゾルシン−ホルムア
ルデヒド縮合物と酸性または中性下で合成されたフェノ
ール誘導体−ホルムアルデヒド縮合との混合物である。
(作 用) 本発明の接着剤組成物はレーヨン、ビニロン、6−ナ
イロン、6,6−ナイロン、4,6−ナイロン等の脂肪族ポリ
アミド繊維、ポリエチレンテレフタレートに代表される
ポリエステル繊維、パラフェニレンジアミン−テレフタ
ル酸クロライド共縮合繊維(商品名:ケブラー、デェポ
ン社製)に代表される芳香族ポリアミド繊維等の、ゴム
物品補強用途に使用される全ての繊維材料に対し使用す
ることができる。特に、芳香族ポリアミド繊維に好適で
ある。
更に、ポリエステル繊維、芳香族ポリアミド繊維等の
繊維材料については、フェノール誘導体−ホルムアルデ
ヒド樹脂、エポキシ化合物またはイソシアネート化合物
等で、繊維の重合、紡系または後処理の段階あるいは本
発明の接着剤組成物で処理する前の段階において前処理
加工したものに対しても本発明の接着剤組成物を使用す
ることができる。かかる繊維材料はコード、ケーブル、
コード繊維、帆布、フィラメントチップ等のいずれの形
態でも使用することができる。
本発明の接着剤組成物は、タイヤ、コンベヤベルト、
ホースおよび空気バネ等あらゆるゴム物品に好適に使用
することができ、その使用方法は特に制限がなく、繊維
材料を接着剤組成物液に浸漬するとか、ドクターナイフ
またはハケで塗布するとか、スプレーで塗布するとか、
あるいは粉体化して吹き付け塗布するとかいったいづれ
の方法でも良い。
塗布量は、繊維材料100重量部に対し接着剤組成物が
1〜15重量部であるのが好ましく、また均一に塗布する
ことが必要であるが、用途においてはこの範囲を越えて
もさしつかえない。
本発明の接着剤組成物の繊維材料への接着処理加工
は、乾燥後100〜250℃の温度での熱処理、あるいは電子
線、マイクロ波またはプラズマ等を利用する処理を挙げ
ることができる。
(実施例) 次に本発明を実施例および比較例により説明する。
実施例1〜18 第1表に示す組成比のゴム状ビニルピリジン−スチレ
ン−ブタジエン三元共重合体ラテックス(以下「ゴムラ
テックス」と称する)を有し、かつレゾルシン−ホルム
アルデヒド樹脂液として下記の組成を有する各接着剤組
成物液を作成した。
重量部 軟水 524.01 レゾルシン 15.12 ホルムアルデヒド(37%水溶液) 16.72苛性ソーダ(10%水溶液) 11.00 合計 566.85 具体的にかかる製造方法を示すと、先ずレゾルシン−
ホルムアルデヒド樹脂液として上記の組成を有する混合
物を準備し、この混合物を室温で8時間熟成後、これに
第1表に示すゴムラテックス(41%)433.15重量部を加
えて、更に16時間熟成することにより接着剤組成物液を
得た。ゴムラテックスの固形分100重量部に対する樹脂
液(混合物)の固形分は12重量部であった。
次に、得られた各接着剤組成物液を用い、以下のよう
にして供試コードを作製した。
先ず、繊維材料としてポリ(1,4−フェニレンテレフ
タルアミド)(商品名:ケブラー、デェポン社製)を用
い、その1500dの原糸を下撚り32回/10cm、上撚32回/10c
mで撚り、撚り構造1500d/2のコードを得た。次いで、こ
のコードを下記の組成: 重量部 ジグリセロールトリグリシジルエーテル 1.20 ナトリウムジオクチルスルホサクシネート(70%)0.02 苛性ソーダ(10%水溶液) 0.14 軟水 98.64 を有するエポキシ化合物水溶液に浸漬し、しかる後160
℃で60秒間乾燥し、更に240℃で60秒間熱処理して、エ
ポキシ前処理したポリ(1,4−フェニレンテレフタルア
ミド)繊維を得た。
このようにして得た繊維を、前述の各接着剤組成物液
に浸漬し、160℃で60秒間乾燥し、更に240℃で60秒間熱
処理して、接着剤加工した各供試コードを得た。
比較例1〜17 ゴムラテックスの組成比を第1表に示す組成比にした
以外は実施例1と同様の操作を行い、接着剤加工した各
供試コードを得た。
上述の各供試コードにつき下記の各接着力試験を実施
した。
(ア)初期接着力試験 供試コードを下記の組成(g): RSS#3 80.0 IR 20.0 亜鉛華 5.0 N−フエニル−N−イソプロピル−P−フエニレンジア
ミン(老防810NA) 1.0 ステアリン酸 2.0 HAF カーボンブラック 50.0 アロマチックオイル 5.0 硫黄 2.5ジベンゾシアジルスルフアイド(加硫促進剤DM) 1.0 合計 166.5 を有する未加硫配合ゴム組成物の表面近傍に埋め込み、
加硫条件155℃×20分、20kg/cm2の加圧下で加硫し、得
られた加硫物からコードを堀り起こし、毎分30cmの速度
でコードを加硫ゴムから剥離した。このときの剥離抗力
を室温で測定し、初期接着力(kg/本)とした。
(イ)低温加硫時の初期接着力試験 初期接着力の試験(ア)の方法において、加硫条件を
125℃×100分にした以外は、同様の方法で接着力を測定
した。
(ウ)高温下での接着力試験 初期接着力の試験(ア)の方法において、剥離抗力を
120℃の雰囲気下で測定した以外は同様の方法で接着力
を定した。
得られた各試験結果を第1表に併記する。
実施例19および比較例18 第2表に示す組成比を有するゴムラテックスを使用
し、かつポリ(1,4−フェニレンテレフタルアアミド)
をポリエチレンテレフタレートに代え、その1500dの原
糸を下撚り40回/10cm、上撚り40回/10cmで撚り、撚り構
造1500d/2とした以外は実施例1と同様の操作を行い、
接着剤加工した各供試コードを得た。
これらの供試コードにつき、上述の各接着力試験を行
い、得られた結果を第2表に併記する。
実施例20および比較例19 第2表に示す組成比を有するゴムラテックスを使用
し、かつポリ(1,4−フェニレンテレフタルアミド)を
6−ナイロンに代え、その1260dの原糸を下撚り39回/10
cm、上撚り39回/10cmで撚り、撚り構造を1260d/2とし、
更に接着剤組成物液を下記の組成のものに代え、エポキ
シ前処理を取り止めた以外は実施例1と同様の操作を行
い、各供試コードを得た。
重量部 軟水 597.00 レゾルシン 18.20 ホルムアルデヒド(37%水溶液) 26.90 苛性ソーダ(10%水溶液) 6.60ゴムラテックス 351.30 合計 1000.00 これら供試コードにつき、上述の各接着力試験を行
い、得られた結果を第2表に併記する。
実施例21および比較例20 第2表に示す組成比を有するゴムラテックスを使用
し、かつ6−ナイロンをレーヨンに代え、その1650dの
原糸を下撚り47回/10cm、上撚り47回/10cmで撚り、撚り
構造1650d/2とした以外は実施例1と同様の操作を行
い、各供試コードを得た。
これらの供試コードにつき、上述の各接着力試験を行
い、得られた結果を第2表に併記する。
(発明の効果) 前記第1表および第2表に示しす試験結果からも分か
るように、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン三元
共重合体ラテックスのコロイド粒子を二重構造とし、内
層部および外層部の組成比を所定の範囲内とした本発明
の接着剤組成物は、初期接着力、低温加硫時の接着力お
よび高温下での接着力全てに亘り従来の一層構造のゴム
状ラテックスに比し大幅に改善効果を有する。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−2370(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(i)スチレン含有率30〜60重量%、ブタ
    ジエン含有率60重量%未満およびビニルピリジン含有率
    0.5〜15重量%で構成される単量体混合物を重合させた
    後、(ii)引き続いてスチレン含有率10〜40重量%、ブ
    タジエン含有率45〜75重量%およびビニルピリジン含有
    率5〜20重量%で構成される単量体混合物を、前記
    (i)における重合で用いたスチレン含有率よりも低い
    スチレン含有率で重合させて得られる、2重構造を有す
    るビタジエン−スチレン−ビニルピリジン三元重合体ゴ
    ムラテックスの固形分100重量部に対して、熱硬化形樹
    脂が固形分で10〜30重量部の範囲で混合されていること
    を特徴とする接着剤組成物。
  2. 【請求項2】前記ゴムラテックスにおいて、前記(i)
    の重合で得られる重合体/前記(ii)の重合で得られる
    重合体の比率が50〜80/20〜50(重量部)である請求項
    1記載の接着剤組成物。
  3. 【請求項3】前記(i)の重合で得られる重合体のスチ
    レン含有率が40〜60重量%である請求項1記載の接着剤
    組成物。
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