JP3379561B2 - ラテックス組成物及びその製造法 - Google Patents

ラテックス組成物及びその製造法

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JP3379561B2 JP27009294A JP27009294A JP3379561B2 JP 3379561 B2 JP3379561 B2 JP 3379561B2 JP 27009294 A JP27009294 A JP 27009294A JP 27009294 A JP27009294 A JP 27009294A JP 3379561 B2 JP3379561 B2 JP 3379561B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビニルピリジン系単量
体、反応性界面活性剤及び共重合可能な単量体からなる
共重合体を含有してなるラテックス組成物及びその製造
方法に関し、共重合反応中において微細凝固物の発生が
少なく、かつ、製造されたラテックス組成物の機械的安
定性及び化学的安定性に優れた効果を奏するものであ
る。このラテックス組成物は主として接着剤用途に用い
られ、その中でも特にタイヤ,ベルト,ホース等のゴム
製品に含まれている繊維とゴムの接着剤あるいはバイン
ダーとして有用であるほか、カーペットバッキング剤や
塗料、その他工業用及び家庭用の各種用途に応じた接着
剤にも好適に用いることができる。
【0002】
【従来の技術】従来、一般的にラテックス組成物を製造
する際、反応系が充分な安定性を有していないことか
ら、反応物の撹拌による機械的シェアーあるいは単量体
との接触により、反応系中のゴム成分が析出し、凝固物
が発生し、それが反応機内壁に付着することにより、重
合温度のコントロールに大きな支障となっていた。この
ため、反応機内壁に付着された凝固物の除去を度々行わ
なければならず、生産性を著しく低下させていた。ま
た、製造されたラテックスの機械的シェアーに対する安
定性(機械的安定性)が不足していると、配管中でのシ
ェアー或いは、ポンプによるシェアーなどにより、安定
性を損なって凝固物を析出させ、詰まりなどの問題を引
き起こしたり、ラテックスの粒子径が変化し、得られる
製品の品質が変化するという問題があった。一般に、ラ
テックスの安定性を高めるには、重合時あるいは重合後
の乳化剤量を増加させる方法などが用いられているが、
ラテックスの泡立ち性に問題を生じたり、他の性能が低
下することが多く、十分な解決には至っていない。ラテ
ックスの主用途の一つである接着剤、特にゴムと繊維の
接着剤には、すでにビニルピリジン−ブタジエン−スチ
レン三元共重合体ラテックスとレゾルシン−ホルマリン
樹脂からなる接着剤(以下、RFLと称する)が広く使
用されている。この三元共重合体ラテックスの製造に用
いる乳化剤の使用量は、ラテックス及びRFLの泡立ち
性、さらにゴムと繊維の接着力の面から適当量以下に抑
制しなければならない。しかしながら、従来の方法でビ
ニルピリジン−スチレン−ブタジエン三元共重合体ラテ
ックスを製造した場合も上記同様、ラテックスの製造時
に凝集物が発生したり、得られたラテックス組成物の機
械的安定性及び化学的安定性が低いなど、生産性におい
て種々の問題があった。また、得られた共重合体ラテッ
クス及びそれを含有するRFLの安定性も悪く、接着剤
組成物のみならず、様々なゴム製品の製造時における作
業性においても問題があった。RFLの安定性の問題点
に関しては、例えば、RFLでの安定性が低い場合、デ
ィッピング工程でのしぼりロールにRFL凝集物が付着
し、生産性の面で重大な問題となる。このため、乳化剤
及び安定剤などの添加改良により安定性の改良が試みら
れたり、特開昭63-57685に開示されているように、カル
ボンキシ変性SBRラテックスとビニルピリジン系ラテ
ックスのブレンドなどが試みられているが、まだ十分と
は言えず、RFLの安定性のメカニズムについては未だ
解明されていない点も多く残されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は上記欠点
を解決すべく鋭意研究の結果、ビニルピリジン系単量
体、反応性界面活性剤及び共重合可能な単量体からなる
共重合体を含有してなるラテックス組成物は、機械的安
定性及び化学的安定性に優れ、ラテックス製造時におい
ても微細凝固物の発生が少なくなることを見出し、さら
にこのようなラテックス組成物を、ゴムと繊維の接着に
頻繁に用いられるRFLなどの接着剤、あるいはバイン
ダーとして用いた場合においても、その接着剤組成物の
安定性及び接着力において優れた効果を発現することを
見出したものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、ビニルピリジ
ン系単量体、反応性界面活性剤として芳香族ビニル化合
物のスルホン酸塩及び共重合可能な単量体からなる共重
合体を含有してなるラテックス組成物である。本発明の
ビニルピリジン系単量体としては2−ビニルピリジン、
5−エチル−2−ビニルピリジン、2−メチル−5−ビ
ニルピリジン、4−ビニルピリジン等が挙げられ、特に
2−ビニルピリジンが好ましく用いられる。このビニル
ピリジン系単量体の使用量は、全単量体100重量部に
対して、5〜30重量部、好ましくは10〜20重量部
の範囲である。ビニルピリジン系単量体の使用量が5重
量部よりも少ないときは、得られたラテックス組成物を
含有する接着剤の接着力が低下することがある。一方、
30重量部を超えるときは、ラテックスの製造時に微細
凝固物が発生したり、得られたラテックスの安定性が低
下することがあるので好ましくない。
【0005】
【0006】本発明では反応性界面活性剤として芳香族
ビニル化合物のスルホン酸(塩 いられる。芳香
族ビニル化合物のスルホン酸(塩)としては、スチレン
スルホン酸(塩)、αーメチルスチレンスルホン酸
(塩)、ビニルトルエンスルホン酸(塩)、p−メチル
スチレンスルホン酸(塩)、ビニルナフタレンスルホン
酸(塩)等を挙げることができ、特にスチレンスルホン
酸塩が好ましく用いられ記、反応性界面活性剤は
単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。反応
性界面活性剤の使用量は、全単量体100重量部に対し
て、0.1〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量
部、さらに好ましくは0.2〜3重量部の範囲である。
反応性界面活性剤の使用量が0.1重量部よりも少ない
ときは、ラテックス製造時における微細な凝固物の発生
抑制に対する効果が少なく、また、得られたラテックス
及びそれを含有する接着剤組成物の機械的安定性あるい
は化学的安定性に劣ることがある。一方、10重量部を
超えるときは、得られたラテックスの安定性及び泡立ち
性、さらにそれを含有する接着剤の安定性及び接着力が
低下するので好ましくない。
【0007】共重合可能な単量体としては、前記したビ
ニルピリジン系単量体及び反応性界面活性剤以外の単量
体であって、共役ジエン系単量体及びエチレン系不飽和
単量体などを挙げることができる。共役ジエン系単量体
としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3ブ
タジエン、2,3−ジメチル−1,3ーブタジエン、2
−クロル−1,3ブタジエン、イソプレン等、従来より
ラテックスの製造に用いられているものを挙げることが
できる。本発明においては、好ましくは、ブタジエンが
用いられ、さらに好ましくは、1,3−ブタジエンが用
いられる。エチレン系不飽和単量体としては、例えば、
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−
メチルスチレン、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル化
合物、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル
酸2−ヒドロキシルエチル、(メタ)アクリル酸グリシ
ジル等の(メタ)アクリル酸エステル化合物、(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N
−メチロールアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミ
ド化合物、酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル
類、(メタ)アクリロニトリル、α−クロルアクリロニ
トリル等のシアン化ビニル化合物、メチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリ
レート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミ
ド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等
のエチレン系不飽和アミン化合物等挙げることができ
る。本発明においては、上記エチレン系不飽和単量体の
中でも、芳香族ビニル化合物が好ましく用いられ、特
に、スチレンが好ましく用いられる。上記した共重合可
能な単量体、すなわち、共役ジエン系単量体及びエチレ
ン系不飽和単量体は、各々単独で、又は2種以上を組み
合わせて用いられるが、接着剤として用いられる場合、
接着強度、弾力性等の観点から共役ジエン系単量体及び
エチレン系不飽和単量体の併用が好ましく、特に、ブタ
ジエン及びスチレンの組み合わせが好ましく用いられ
る。
【0008】共役ジエン系単量体及びエチレン系不飽和
単量体の使用量は、全単量体100重量部に対して、共
役ジエン系単量体が10〜80重量部であり、かつ、エ
チレン系不飽和単量体が5〜85重量部の範囲、好まし
くは、共役ジエン系単量体が30〜80重量部、エチレ
ン系不飽和単量体が5〜65重量部の範囲である。共役
ジエン系単量体の使用量が、10重量部よりも少ないと
き、あるいは80重量部よりも多いときは、該ラテック
スを含有する接着剤の接着力及び安定性が低下すること
があり好ましくない。また、エチレン系不飽和単量体の
使用量が、5重量部よりも少ないとき、あるいは85重
量部よりも多いときも同様に接着力及び安定性が低下す
ることがあり好ましくない。
【0009】さらに、本発明においては、上述した単量
体の他に、得られる共重合体に架橋構造を導入するため
に、架橋性単量体を用いることができる。ここで、架橋
性単量体とは、分子内に2つ以上の付加重合性(エチレ
ン性)不飽和結合を有し、それらが実質的に同じ反応性
を有する多官能性単量体をいう。このような架橋性単量
体としては、例えば、ジビニルベンゼン等の芳香族ジビ
ニル化合物、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキ
サンジオールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパ
ントリ(メタ)アクリレート等のアルカンポリオール
(メタ)アクリレート等を挙げることができる。このよ
うな架橋性単量体の使用量は、全単量体100重量部に
対して、0.1〜10重量部、好ましくは、0.1〜8
重量部の範囲である。
【0010】本発明によるラテックス組成物の製造方法
においては、従来より知られている乳化重合の方法、即
ち、例えば、水のような水性媒体中に単量体、重合開始
剤、乳化剤及び連鎖移動剤等を加えて、乳化重合が行わ
れる。ここで、重合開始剤は特に制限されるものではな
く、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫
酸アンモニウム等の無機過硫酸塩、クメンハイドロパー
オキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、イソプロピル
ベンゼンパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾイソブ
チロニトリル等のアゾ系の開始剤等が用いられる。これ
らは、単独で、又は、2種以上を組み合わせて用いら
れ、さらに、重亜硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄等の還元
剤と組み合わせてなる所謂レドックス系重合開始剤とし
ても用いることができる。本発明においては、これらの
うち、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アン
モニウム等の過硫酸塩が、重合安定性の面から好ましく
用いられる。重合開始剤の使用量は、全単量体100重
量部当り、通常、0.1〜5重量部程度であり、好まし
くは、0.2〜2重量部程度である。
【0011】本発明の方法で用いられる乳化剤は、特に
制限されるものではなく、例えば、ラウリン酸、ミリス
チン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸など
の脂肪酸のアルカリ金属塩(特に、ナトリウム塩、カリ
ウム塩)、ラウリルスルホン酸ナトリウム、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウ
ム、ドデシルジフェニルエーテルスルホン酸ナトリウ
ム、琥珀酸ジアルキルエステルスルホン酸ナトリウム、
ロジン酸アルカリ金属塩(特に、ナトリウム塩、カリウ
ム塩)、ホルムアルデヒド縮合ナフタレンスルホン酸ナ
トリウム等のアニオン系界面活性剤、アルキルエステル
型、アルキルフェニルエーテル型、アルキルエーテル型
等のポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンアル
キルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエー
テル等のノニオン系界面活性剤、ラウリルベタインの
塩、ステアリルベタインの塩等のアルキルベタイン型の
塩、ラウリル−β−アラニン、ラウリルジ(アミノエチ
ル)グリシン、オクチルジ(アミノエチル)グリシンの
塩等のアミノ酸型のもの等を挙げることができる。これ
らは、単独で、又は、2種以上を組み合わせて用いられ
る。本発明においては、これらの乳化剤のうち、特に、
脂肪酸のアルカリ金属塩、ロジン酸のアルカリ金属塩が
好ましく用いられる。このような乳化剤の使用量は、通
常、全単量体100重量部に対し、0.1〜8重量部程
度、好ましくは、1〜6重量部程度である。
【0012】本発明の方法における乳化重合の際に用い
られる連鎖移動剤も特に制限されるものではなく、t−
ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、オ
クチルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、
t−ヘキシルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン
等の単官能アルキルメルカプタン類、1,10−デカン
ジチオール、エチレングリコールジチオグリコレート等
の2官能メルカプタン類、1,5,10−デカンジトリ
チオール、トリメチロールプロパントリスチオグリコレ
ート等の3官能メルカプタン類、ペンタエリスリトール
テトラキスチオグリコレート等の4官能メルカプタン
類、ジスルフィド類、四塩化炭素、四臭化炭素、臭化エ
チレン等のハロゲン化合物、α−メチルスチレンダイマ
ー、ターピノーレン、α−テルピネン、ジペンテン、ア
リルアルコールなどを挙げることができる。これらは、
単独、又は、2種以上を組み合わせて用いられる。この
ような連鎖移動剤の使用量は、通常、全単量体100重
量部に対して、0.05〜20重量部、好ましくは、0.
1〜15重量部の範囲であり、さらに好ましくは、0.
2〜10重量部の範囲である。
【0013】また、本発明においては、必要に応じて、
乳化重合をエチレンジアミン四酢酸ナトリウム等のキレ
ート剤、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート
等の分散剤や無機塩、pH調整剤等の存在下に行っても
よい。本発明の乳化重合の方法としては、シードを用い
るシード重合法とシードを用いないノーシード重合法の
いずれをも採用することができる。シード重合法には、
用いる単量体の一部を予め重合反応器内で反応させ、シ
ードを調製し、そのシードの存在下に残余の単量体を重
合反応器に添加する内部(インターナル)方式と、超微
粒子径ラテックスを予め調製し、その所定量をシードと
して重合反応器に仕込んだ後、これに単量体を添加する
外部(エクスターナル)方式がある。他方、ノーシード
重合は、シードを用いることなく、重合反応器に予め所
定量の乳化剤を入れ、これに単量体を添加して、乳化重
合を行う方式である。また、反応性界面活性剤及びその
他の単量体の仕込方法としては、単量体成分を一括して
重合系に加えるモノマー一括仕込法のほか、単量体成分
を分割して重合系に加えるモノマー分割仕込重合法やモ
ノマー連続添加仕込重合法を用いることもできる。上
記、所定の成分を耐圧性重合機に仕込み、所定の温度で
開始剤を添加して適当な撹拌機でかきまぜながら反応を
行う。本発明における乳化重合は通常0〜100℃の温
度にて、全単量体の重合転化率が約90%以上、好まし
くは約95%以上に達するまで行われる。なお、本発明
のラテックス組成物は上記以外の成分以外に必要に応じ
て、スチレン化フェノール類、ヒンダードフェノール類
等の老化防止剤、シリコーン系、高級アルコール系等の
消泡剤、その他、反応停止剤、凍結防止剤などの添加剤
を使用してもよい。
【0014】本発明のラテックス組成物を含有する接着
剤は、タイヤ、ベルト、ホースなどのゴム製品に含まれ
るゴムと繊維の接着剤、カーペットバッキング剤、塗
料、工業用及び家庭用の各種用途に応じた接着剤として
好適に用いることができるが、なかでも、ゴムと繊維と
の接着剤として好適に用いることができる。ゴムと繊維
の接着に本発明のラテックス組成物を用いる場合、ラテ
ックスの物性として、平均粒子径は70〜150nm、
ゲル含有量は80重量%以下であることが好ましく、さ
らにムーニー粘度が10〜100、好ましくは20〜8
0の範囲であることが望ましい。平均粒子径は、乳化剤
等を、また、ゲル含有量及びムーニー粘度は、連鎖移動
剤等を公知の方法により、その量あるいは添加方法等を
コントロールすることにより、好適な範囲に設定するこ
とが可能である。ここで、ゲル含有量は、得られたラテ
ックスをガラスモールドに流し、厚さ0.3mmのフィ
ルムを作成し、このフィルムを2〜3mm角に切り、
0.4gを精秤した後、100mlのトルエンに浸漬
し、30℃の振とう式恒温槽で6時間振とうし、その
後、100メッシュ金網でろ過し、ろ液の固形分を求
め、このゾル固形分よりゲル含有量を算出したものであ
る。本発明において適用できる繊維は特に制限は無く、
ナイロン繊維、レーヨン繊維、ビニロン繊維、ポリエス
テル繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維、ポリウレタ
ン繊維等に使用することができる。これらの繊維は織
物、コード、ケーブル、帆布、短繊維、糸等いずれの形
態であってもよい。本発明の接着剤は、上記種々の用途
の中でも特にタイヤコードの用途に用いて有用である。
本発明の接着剤は、得られたラテックス単独で用いるこ
ともできるが、他に天然ゴムラテックスや合成ゴムラテ
ックス(SBRラテックス、NBRラテックス、MBR
ラテックス、及びこれらの変性ラテックスなど)と組み
合わせて用いてもよい。
【0015】本発明の接着剤を特にゴムとタイヤコード
などの繊維の接着に用いる場合、さらにフェノール樹脂
を含有させて用いることが多い。本発明で使用するフェ
ノール樹脂は、従来から用いられている公知の樹脂を使
用することができる。フェノール樹脂はフェノール、ク
レゾール、キシレノール、レゾルシン等のフェノール類
と、ホルムアルデヒド(ホルマリン)、アセトアルデヒ
ド、フルフラール等のアルデヒド類から得られるが、そ
の使用目的によって、フェノール−ホルムアルデヒド系
樹脂、フェノール−フルフラール系樹脂、レゾルシン−
ホルマリン系樹脂などが用いられる。本発明では特に、
レゾルシン−ホルマリン系樹脂が好ましく用いられる。
該レゾルシン−ホルマリン系樹脂としては、例えば、特
開昭55-142635に開示されている樹脂などを用いること
ができ、特に制限されない。本発明におけるフェノール
樹脂の使用量は、通常、ラテックス固形分100重量部
に対してフェノール樹脂を10〜40重量部(乾燥重
量)混合したものが用いられる。また、接着力を高める
ために繊維前処理剤として従来から使用されている2,
6−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニルメチル)−4
−クロロフェノール組成物等の化合物、ポリエポキシド
化合物及び/又はブロックドポリイソシアネート化合物
等と併用しても差し支えない。本発明により得られるゴ
ムと繊維の接着に用いる接着剤の使用方法については、
特に制限はなく、既知のフェノール樹脂−ラテックス組
成物と同様にして適用することができる。すなわち、通
常、本発明の上記接着剤組成物を10〜30重量%濃度
の水溶性分散液として、ゴム製品の製造時に、所望の形
態の繊維を浸漬処理し、乾燥、熱処理した後、未加硫ゴ
ム配合物と共に形成し、加硫することによって繊維とゴ
ムを接着することができる。また、予め、本発明の接着
剤を塗布した所望形態の繊維を用いることもできる。
【0016】
【発明の効果】本発明のラテックス組成物は、製造時の
微細凝固物の発生が極めて少なく、かつ得られたラテッ
クスの機械的安定性及び化学的安定性が非常に優れるた
め、生産性を著しく向上させ、工業的に極めて有用なラ
テックス組成物を提供するものである。特にゴムと繊維
の接着に用いられ、得られたラテックス及びフェノール
樹脂を含有する接着剤は安定性に優れるのみならず、接
着力においても、優れた性能を発揮する。また、このほ
か、カーペットバッキング剤、塗料、工業用及び家庭用
接着剤等の種々の接着剤としての用途に好適に用いるこ
とができる。
【0017】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。尚、実施例において、%及び部はすべて重量基準で
ある。 実施例1 窒素置換した5リットル容量のオートクレーブに、2−
ビニルピリジン15部、1,3−ブタジエン70部、ス
チレン15部、ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホル
マリン縮合物1.0部、水酸化ナトリウム0.5部、ロ
ジン酸カリウム3部、過硫酸カリウム0.5部、水10
0部、t−ドデシルメルカプタン0.5部、及びスチレ
ンスルホン酸ナトリウム1.0部を仕込み、撹拌しなが
ら、50℃にて反応させた。15時間にわたって反応さ
せた後、重合転化率(単量体100部当たり)95%以
上に達した時点にて得られたラテックス組成物を30℃
まで冷却し、ハイドロキノン0.1部を加えて重合を停
止した。次いで水蒸気を吹き込んで、未反応単量体を除
去し、さらに、ラテックス固形分を40%まで濃縮して
目的のラテックス組成物aを得た。 実施例2〜 〔表1〕に示す単量体組成にて重合を行った以外は、実
施例1と同様に乳化重合して、ラテックス組成物b〜
を製造した。 比較例1〜 〔表1〕に示す単量体組成にて重合を行った以外は、実
施例1と同様に乳化重合して、ラテックス組成物〜m
を製造した。比較例は市販の反応性界面活性剤を含有
しないビニルピリジン共重合体ラテックスをラテックス
組成物nとして用いた。
【表1】
【0018】実施例1〜及び比較例1〜において得
られたラテックス組成物中の凝集物量、得られたラテッ
クス組成物の機械的安定性及び化学的安定性、泡立ち性
を以下の方法で測定した。 (得られたラテックス組成物中の凝集物量の測定)重合
して得られたラテックス組成物500gを300メッシ
ュの金網によって濾過し、金網で捕捉された凝集物を乾
固した後、その重量を測定した。測定された凝集物の重
量に応じて下記のような3段階評価を行った。 ○…0.2g未満 △…0.2g以上、1g未満 ×…1g以上 結果を〔表2〕に示す。 (機械的安定性の測定)JIS K6387−1982
に示された方法に従い、荷重10Kg、回転時間10分
の条件で試験を行い,凝固率(%)を求めた。求められ
た凝固率(%)に応じて、下記のような3段階評価を行
った。 ○…0.2%未満 △…0.2%以上、1%未満 ×…1%以上 結果を〔表2〕に示す。 (化学的安定性の測定)得られたラテックス組成物10
0gに10%塩化カルシウム5mlを2分間で滴下し、
100メッシュ金網で濾過し、その凝固物量から上記の
機械的安定性と同様に凝固率(%)を求めた。求められ
た凝固率(%)に応じて、下記のような3段階評価を行
った。 ○…0.2%未満 △…0.2%以上、1%未満 ×…1%以上 結果を〔表2〕に示す。 (泡立ち性の測定)得られたラテックス組成物を水で2
倍に希釈し、100mlネスラー管に30cc入れ、3
0回倒立させてから静置5分後における泡の量を測定し
た。結果を〔表2〕に示す。
【表2】
【0019】実施例8〜14及び比較例8〜14 (RFL液A〜Qの調整)水240部に水酸化ナトリウ
ム0.4部、レゾルシン12部を加えて溶解させ、これ
に37%ホルマリン16部加え、25℃で6時間熟成す
ることによってレゾルシン−ホルマリン樹脂(RFレジ
ン)を得た。次いで、前記のラテックス組成物(a〜
n)100部(固形分)に,得られたRFレジンを全量
添加配合し、撹拌した後、これを25℃で18時間熟成
した。その後、水にて固形分を20%に調整してレゾル
シン−ホルマリン−ラテックス液(RFL液)A〜Nを
作製した。 (RFL液A〜Nの機械的安定性測定)ラテックス組成
物の機械的安定性の測定と同様に、JIS K6387
−1982に示された方法に従い、RFL液A〜Nにつ
いて、荷重10Kg、回転時間10分の条件で試験を行
い,凝固率(%)を求めた。求められた凝固率(%)に
応じて、下記のような3段階評価を行った。 ○…0.2%未満 △…0.2%以上、1%未満 ×…1%以上 結果を〔表3〕に示す。
【0020】(タイヤコード浸漬処理及び接着力の測
定)試験用シングルコードディッピングマシンを用い
て、得られたRFL液A〜Nによりナイロンタイヤコー
ド(1260D/3)の浸漬処理を行った。次いで、得
られた処理コードを以下の配合処方で製造されたゴム配
合物にはさみ、145℃で30分間プレス加硫し、AS
TMD2138−67(Hプルテスト法)にしたがって
接着力を測定した。結果を〔表3〕に示す。 ゴム配合処方 天然ゴム 70.0(部) SBR 30.0(部) SRFカーボン 20.0(部) SEFカーボン 20.0(部) パインタール 5.0(部) スチレン化フェノール 2.0(部) ステアリン酸 2.5(部) 亜鉛華 4.5(部) 加硫促進剤CZ* 1.2(部) 硫黄 2.4(部) (*;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリル−ス
ルフェンアミド)
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09J 109/10 C09J 109/10 (56)参考文献 特開 平2−105829(JP,A) 特開 平2−206630(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 9/10 C08F 2/24

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニルピリジン系単量体、反応性界面活
    性剤として芳香族ビニル化合物のスルホン酸塩及び共重
    合可能な単量体からなる共重合体を含有してなるラテッ
    クス組成物。
  2. 【請求項2】 ビニルピリジン系単量体が全単量体10
    0重量部に対して5〜30重量部である請求項1記載の
    ラテックス組成物。
  3. 【請求項3】 反応性界面活性剤がスチレンスルホン酸
    のアルカリ金属塩である請求項1記載のラテックス組成
    物。
  4. 【請求項4】 反応性界面活性剤が全単量体100重量
    部に対して0.1〜10重量部である請求項1記載のラ
    テックス組成物。
  5. 【請求項5】 共重合可能な単量体が、共役ジエン系単
    量体及びエチレン系不飽和単量体である請求項1記載の
    ラテックス組成物。
  6. 【請求項6】 共重合可能な単量体がブタジエン及びス
    チレンである請求項1記載のラテックス組成物。
  7. 【請求項7】 全単量体100重量部に対して共役ジエ
    ン系単量体が10〜80重量部及びエチレン系不飽和単
    量体が5〜85重量部である請求項記載のラテックス
    組成物。
  8. 【請求項8】 ビニルピリジン系単量体、反応性界面活
    性剤として芳香族ビニル化合物のスルホン酸塩及び共重
    合可能な単量体を乳化重合することを特徴とするラテッ
    クス組成物の製造法。
  9. 【請求項9】 請求項1のラテックス組成物を含有する
    接着剤。
  10. 【請求項10】 さらにフェノール樹脂を含有する請求
    記載の接着剤。
  11. 【請求項11】 フェノール樹脂がレゾルシン−ホルマ
    リン系樹脂である請求項10記載の接着剤。
  12. 【請求項12】 ゴムと繊維の接着に用いる請求項
    載の接着剤。
  13. 【請求項13】 タイヤコード用である請求項11記載
    の接着剤。
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